JP2004170021A - 運搬用保冷庫 - Google Patents

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JP2004170021A
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Kazuya Mitsumaru
和也 三丸
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Yano Special Purpose Vehicle Co Ltd
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Abstract

【課題】保冷室の一部に冷熱が集中することを防止して、被保冷物の配置位置に拘わらず、被保冷物に凍結が発生することを防止し得る運搬用保冷庫を提供する。
【解決手段】第2仕切り壁12に設けた循環ファン13を起動させ、スペーサ11d,11d,…で隔てられた第1仕切り壁11と第2仕切り壁12との間隙領域を負圧状態となして、後室8の床面部分の気体を、そこに設けてある溝16,16,…内を通って後室8から前記間隙領域内へ吸引させるようにしてある。後室8の床面部分の気体は、溝16,16,…及び載置部15,15,…との接触によって冷却されて冷気となり、この冷気が循環ファン13によって、間隙領域から後室8の天井部分へ吐出され、後室8内に冷気が循環される。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保冷運搬車に備えられた保冷室、又は牽引車若しくは輸送船等で搬送される保冷コンテナ等の運搬用保冷庫に関し、詳しくは、庫内を異なる温度で保冷することができる運搬用保冷庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
被保冷物を保冷しつつ運搬する保冷運搬車にあっては、被保冷物の種類に応じて、例えばマイナス25℃程度の冷凍温度、又はプラス5℃程度のチルド温度というように、適切な温度で保冷することが要求されるが、運搬効率を向上させるため、保冷運搬車に備えられた保冷室内を異なる温度で保冷可能にすることによって、保冷温度が異なる複数種類の被保冷物を同時に運搬できるようにしたものが開発されている。
【0003】
図10は、従来の保冷運搬車の要部構成を示す斜視図であり、本出願人が後述する特許文献1で開示したものである。断熱性材料を用いて形成した横長直方体殻状の筐体51は、搭乗者が搭乗するキャビン80の後方に配置してあり、筐体51のキャビン80に対向する前方側面上部に設けた突出部53内に、冷気を生成するエバポレータ52が配設してある。このエバポレータ52には、冷気を吹出す吹出口及び筐体51の内気を吸い込む吸入口が設けてあり、エバポレータ52の吹出し・吸い込みによって冷気を循環させて、筐体51内を適宜の低温に保つ保冷室56にしてある。
【0004】
保冷室56の天井の長辺側の両縁部近傍にはそれぞれ、長手方向の中央から筐体51の短辺側両側面近傍にわたる領域に、ガイドレール55,55が保冷室56の天井から所定距離を隔てて架設してあり、保冷室56内を前室57と後室58とに仕切る断熱性の仕切り壁60が、両ガイドレール55,55によって、ガイドレール55,55の長手方向へ摺動自在に吊下されている。この仕切り壁60は、筐体51の正面断面の内寸と略同じ外寸の矩形板状をなしており、仕切り壁60の上縁近傍部に設けた一対の挿入穴に前記ガイドレール55,55を挿通させてある。
【0005】
また、仕切り壁60の上縁近傍の中央部分には略正方形状の孔が開設してあり、該孔には送風ファン63が内嵌してある。仕切り壁60の後室58側の面には、側面視が倒立直角三角形状をなすダクト64が送風ファン63の周囲に取り付けてあり、前室57の冷気は送風ファン63によって該ダクト64の上部開口から斜め上方の後室58内へ吹出される。
【0006】
更に、保冷室56の床部は、アルミニウムといった適宜の熱伝導率を有する材料を用いてなり、保冷室56の長手方向の略全長にわたる複数条の凸状の載置部が、保冷室56の幅方向へ適宜の間隔で設けてあり、相隣る2つの載置部によって複数の溝が形成されている。従って、エバポレータ52によって所要の温度に保冷された前室57の冷熱は保冷室56の載置部及び溝からなる床部によっても後室58に伝えられる。一方、送風ファン63の駆動によって、前室57が負圧状態になると、前述した各溝を通って、後室58内の冷気が前室57へ吸引される。
【0007】
このような保冷室56にあっては、エバポレータ52から吹出された冷気によって、前室57内を例えばマイナス25℃に保冷し、保冷室56の床部による熱伝導と共に、送風ファン63にて前室57の冷気を断続的に後室58へ供給して、後室58内を前室57内の保冷温度より高い、例えばプラス5℃に保冷する。
【0008】
【特許文献1】
実開平5−10982号公報(図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の運搬用保冷庫にあっては、保冷室56の床部による熱伝導と共に、送風ファン63で前室57の冷気を後室58へ供給して後室58内を保冷しているため、後室58の仕切り壁60近傍の床部に冷熱が集中し、そこに配置した被保冷物に凍結が発生するおそれがあった。
【0010】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、保冷室の一部に冷熱が集中することを防止して、被保冷物の配置位置に拘わらず、被保冷物に凍結が発生することを防止し得る運搬用保冷庫を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、被保冷物を保冷する少なくとも2つの相隣る保冷室と、両保冷室の間を仕切る仕切り部と、一方の保冷室内へ冷気を送る送冷機と、前記仕切り部に設けてあり、他方の保冷室内へ送風する送風機とを備え、両保冷室の床部は所要の熱伝導率を有する材料で形成してあり、両保冷室にて異なる温度で被保冷物を保冷しつつ運搬する運搬用保冷庫において、前記仕切り部は、一方の保冷室に対向配置した第1仕切り壁と、他方の保冷室に対向配置した第2仕切り壁との間に、スペーサを介装させることによって間隙領域を形成してなり、前記送風機は第2仕切り壁に設けてあり、前記間隙領域と他方の保冷室とを連通する連通部が設けてあることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、前記連通部は、前記他方の保冷室の床部に、前記第2仕切り壁と交わる方向の複数の溝を設け、いずれか又は全ての溝を前記間隙領域まで延設することによって形成してあることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記いずれか又は全ての溝は前記一方の保冷室まで延設してあり、延設した各溝を塞止する塞止部材が着脱自在に前記各溝に嵌合してあり、この塞止部材上に前記第1仕切り壁が立設してあることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、前記第1仕切り壁に窓が開設してあり、該窓を塞止する蓋が開閉自在に設けてあることを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、前記間隙領域の連通部から送風機への流路の内、相対的に流路距離が短い適宜の部分には流路を変更する流路変更部材が、当該部分の流路距離がより長くなるように配設してあり、相対的に流路距離が長い適宜の部分には前記流路変更部材が、当該部分の流路距離がより短くなるように配設してあることを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明は、複数のスペーサを具備し、所定のスペーサの前記流路上の部分に、当該スペーサを貫通する複数の貫通孔が開設してあることを特徴とする。
【0017】
請求項7記載の発明は、前記第1仕切り壁部、第2仕切り壁部及びスペーサは移動可能にしてあることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明では、被保冷物を保冷する少なくとも2つの相隣る保冷室の内の一方の保冷室内へ送冷機から冷気を送って、当該一方の保冷室内を所要の温度に保冷する。一方の保冷室と他方の保冷室とは、スペーサを挟持するように配置した第1仕切り壁及び第2仕切り壁によって仕切ってあり、一方の保冷室の冷熱は、所要の熱伝導率を有する材料で形成した床部によって他方の保冷室に伝えられる。
【0019】
第1仕切り壁と第2仕切り壁との間にスペーサを介装させることによって形成した間隙領域と他方の保冷室とは連通部によって連通させてあり、第2仕切り壁には送風機が設けてある。そして、送風機の駆動によって間隙領域内の気体が他方の保冷室内へ供給されることによってそこが負圧状態になると、他の保冷室内の気体が間隙領域に吸引されるため、間隙領域と他の保冷室との間に循環路が形成される。この循環路に従って気体が循環する間に、他の保冷室の床部との接触によって当該気体が冷却され、他の保冷室の全体が一方の保冷室の温度より高い所要の温度に保冷される。
【0020】
このように、一方の保冷室の冷気を他の保冷室へ直接供給することなく、他の保冷室の床部に熱伝導した冷熱を気体の循環によって拡散させることによって、他の保冷室内を所要の温度に保冷する。従って、他の保冷室の一部に冷熱が集中することを防止して、後室における被保冷物の配置位置に拘わらず、被保冷物に凍結が発生することを防止できる。
【0021】
前述した連通部は、他方の保冷室の床部に、第2仕切り壁と交わる方向の複数の溝を設け、いずれか又は全ての溝を前記間隙領域まで延設することによって形成してある。従って、前述したように循環する気体はこの溝を通って間隙領域へ吸引され、これに伴って他方の保冷室の床部は奪熱され、溝を通った気体は冷却される。このように、他の保冷室の床部に設けた溝内を通過させて熱交換を行うため、その効率が高い。
【0022】
更に本発明では、前述したいずれか又は全ての溝は一方の保冷室まで延設してあり、延設した各溝を塞止する塞止部材が着脱自在に各溝に嵌合してある。この塞止部材上に第1仕切り壁が立設してある。従って、夏季等にあって、他の保冷室を比較的低温に保冷する場合、塞止部材を取外すことによって、一方の保冷室の冷気を前述した循環路に取り込み、他の保冷室に循環される気体の温度をより低くするように調節できる。これによって、他の保冷室内と外気との温度差が大きい場合であっても、他の保冷室内の被保冷物に凍結が発生することを防止できる。
【0023】
また、本発明では、第1仕切り壁の窓に設けた蓋を開放することによって、一方の保冷室の冷気を前述した循環路に更に取り込むことができる。従って、他の保冷室内と外気との温度差が更に大きい場合であっても、他の保冷室内の被保冷物に凍結が発生することを防止できる。
【0024】
一方、本発明では、間隙領域の連通部から送風機への流路の内、相対的に流路距離が短い適宜の部分、例えば、送風機に近い直下の部分に流路変更部材を、当該部分の流路距離がより長くなるように、例えば、水平に配設する。つまり、当該部分の流量が他の部分の流量より多くなるのを防止する。また、前記流路の内、相対的に流路距離が長い適宜の部分、例えば、送風機から遠い部分に流路変更部材を、当該部分の流路距離がより短くなるように、例えば、送風機へ向かって斜めに配設する。つまり、当該部分の流量を所要の流量に確保する。これによって前記流路の略全体にわたって流量の均一化が図られ、他の保冷室の温度分布をより均一にすることができる。
【0025】
更に、本発明では、所定のスペーサの前記流路上の部分に複数の貫通孔を開設してあるため、前述した流量をより均一にすることができる。
【0026】
ところで、本発明では、第1仕切り壁部、第2仕切り壁部及びスペーサは移動可能にしてあり、一方の保冷室及び他方の保冷室の容量を適宜に変更することができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の内容を図面に基づいて詳述する。
(実施例1)
図1は、本発明に係る運搬用保冷庫の一例を示す保冷コンテナの外観側面図であり、図2は図1に示した保冷コンテナの牽引車による牽引状態を示す側面図である。保冷コンテナは、断熱性材料を用いて形成した横長直方体殻状の筐体1を備えており、筐体1の一短辺側側面近傍に、冷気の吹出し・吸い込みを行うエバポレータ2が配設してある。そして、エバポレータ2が筐体1内へ冷気を吹出すと共に筐体1の内気を吸い込んで所要の低温に保冷することによって、筐体1内を保冷室にしてある。
【0028】
筐体1の内部は、筐体1の長手方向の適宜の位置で後述する如く前後に仕切られるようになっており、これによって保冷室は、エバポレータ2が配置してある側の前室と、それとは異なる側の後室とに分けられている。そして、筐体1の側面に、前室に連通する開閉扉3が設けてあり、筐体1のエバポレータ2を配置した側面と対向する側面に、後室に連通する別の開閉扉4が設けてある。
【0029】
このような保冷コンテナは、図2に示した如く、保冷コンテナの筐体1を牽引車の牽引用架台上に載置固定し、この状態で目的地まで牽引される。
【0030】
図3は図1に示した保冷コンテナの側断面図である。なお、図中、図1に示した部分に対応する部分には同じ番号を付してある。図3に示した如く、保冷室6内は、筐体1の長手方向の適宜位置に移動可能に配置した第1仕切り壁11及び第2仕切り壁12によって、エバポレータ2が配置してある側の前室7と、それとは異なる側の後室8に仕切られている。筐体1の長手方向の一側内面には、筐体1の長手方向の寸法より少し短い寸法の複数(図3では3つ)のラッシングレール5,5,5が、高さ方向へ適宜の間隔で互いに平行に固定してあり、各ラッシングレール5,5,5には、その長手方向に所定距離を隔てて複数の受穴が開設してある。かかるラッシングレールは、筐体1の長手方向の他側内面にも同様に設けてある。
【0031】
前室7に対向配置した第1仕切り壁11には、3つのラッシングビーム11b,11b,11bが前述したラッシングレール5,5,5の高さ位置にそれぞれ対応して設けてあり、ラッシングビーム11b,11b,11bの両端に横方向へ進退自在に設けてある差込部を、ラッシングレール5,5,5の適宜の受穴に差し込むことによって、第1仕切り壁11はラッシングビーム5,5,5に支持固定されている。第1仕切り壁11の後室8側には、角棒状のスペーサ11dを介して第2仕切り壁12が配置してある。第1仕切り壁11及び第2仕切り壁12は、断熱性の高い材料、例えばエスレンフォームといった材料を用いて形成してあり、第2仕切り壁12は、第1仕切り壁11より薄くしてある。このような二重仕切り壁構造にすることによって、前室7と後室8との間の断熱効果を向上させてある。
【0032】
図4は図1に示した保冷コンテナの内部構造を示す斜視図である。なお、説明を容易にするため、第1仕切り壁11と第2仕切り壁12との間の距離を、図3に示した場合より大きくしてある。また、図中、図3に示した部分に対応する部分には同じ番号を付してその説明の一部を省略する。
【0033】
所要の熱伝導率を有する材料を用いてなる筐体1の床面には、正面視が略倒立U字状をなし、筐体1の長手方向の略全長にわたる複数条の載置部15,15,…が、筐体1の幅方向へ適宜の間隔で突設してあり、これら載置部15,15,…上に被保冷物を載置する一方、相隣る載置部15,15、15,15、…,…によって形成される溝16,16,…は通気路として機能するようにしてある。
【0034】
第1仕切り壁11は、長方形板状の2枚の第1壁部11a,11aを筐体1の幅方向の略中央で当接させてなり、この状態での第1壁部11a,11aの全体の外寸は、筐体1の正面断面の内寸と略同じである。両第1壁部11a,11aの前室7側の面に、前述したラッシングビーム11b,11b,11b、11b,11b,11bがそれぞれ取り付けてある。ラッシングビーム11bのラッシングレール5と対向する端部には、先頭部分が略T字状をなした差込部11cが進退自在に設けてあり、この差込部11cをラッシングレール5に開設した適宜の受穴5aに差し込むことによって、筐体1の長手方向の適宜の位置に第1壁部11aを支持固定できるようになしてある。
【0035】
第1壁部11aの後室8側の面であって、第1壁部11aの両側縁部にはそれぞれ、第1壁部11aの高さ寸法より少し短い寸法の角棒状のスペーサ11d,11dが、第1壁部11aの上下端から距離を隔てて配してあり、該スペーサ11d,11dよって、図3に示した如く、第1仕切り壁11と第2仕切り壁12との間に所要の間隙領域を形成してある。
【0036】
図5は図4に示した第1仕切り壁11の一縁部を示す模式的平面図であり、前述したスペーサ11dの取り付けを説明するものである。角棒状のスペーサ11dの3側面には、布製の取付具11hの中途部分が貼着してあり、該取付具11hの両端部は所定長ずつ延長させてある。取付具11hの一方の端部は、スペーサ11dの非貼着側面の寸法と略同じ寸法だけ延長させてあり、当該延長部分とスペーサ11dの非貼着側面との対向する部分にそれぞれ、面ファスナを貼着させて両者を接合させてある。
【0037】
また、取付具11hの他方の端部は、スペーサ11dの側面の寸法の略2倍の寸法だけ長く延長させ所定長だけ折り曲げてあり、当該折り曲げ部分と第1壁部11aとの対向する部分にそれぞれ、面ファスナを貼着させて両者を接合させてある。これによって、スペーサ11dは第1壁部11aに着脱自在に取り付けられている。更に、取付具11hの折り曲げ部の対向する両部分にも、それぞれ面ファスナを貼着させて両者を接合させてあり、これによって、スペーサ11dの揺動を防止してある。
【0038】
一方、取付具11hのスペーサ11dの非貼着側面に接合させた部分を、スペーサ11dから剥離させると共に、取付具11hの折り曲げ部分も互いに剥離させることによって、スペーサ11dを第1壁部11aの角回りに回動させ、第1壁部11aの側縁部に第1壁部11aと略面一に配置させることができる。このとき、取付具11hのスペーサ11dの非貼着側面から剥離した端部は、第1壁部11aの縁部と対向するが、第1壁部11aの当該部分にも面ファスナが貼着してあるため、両者を接合させることによって、スペーサ11dを第1壁部11aの側縁部の位置に固定することができる。
【0039】
従って、スペーサ11dは、前述した如く第1仕切り壁11と第2仕切り壁12との間隙を形成するように第1壁部11aに固定することもでき、また、それが不要の場合、第1壁部11aから取り外すこともでき、更に、第1壁部11aを仕切り壁として使用しない場合、第1壁部11aの側縁部の位置に固定することができる。
【0040】
一方、図4に示した如く、第1仕切り壁11の左右一方の第1壁部11aの上縁近傍には窓11fが開設してあり、該窓11fは蓋11gによって開閉自在に塞止してある。また、両第1壁部11a,11aの後室側の面には、該第1壁部11a,11aの取り外し・取り付け時に使用する複数の持ち手11e,11e,…が設けてある。
【0041】
この第1仕切り壁11の配置位置には、弾性材料を櫛歯状に成型してなる複数(図4では3つ)断気用パッキン20,20,20が配設してあり、筐体1の幅方向へ一列に配した各断気用パッキン20,20,20を載置部15,15,…間の溝16,16,…内に嵌合させることによって、該溝16,16,…を塞いで通気を遮断し得るようにしてある。
【0042】
一方、図4に示した如く、第2仕切り壁12も第1仕切り壁11と同様、長方形板状の2枚の第2壁部12a,12aを筐体1の幅方向の略中央で当接させてなり、この状態での第2壁部12a,12aの全体の外寸は、筐体1の正面断面の内寸と略同じである。この第2壁部12a,12aは適宜の厚さを有して自立可能にしてある。前述した窓11fが開設してある第1壁部11aとは、左右に位置を異ならせて配置してある第2壁部12aの上縁近傍には、横に長い長方形状の穴が開設してあり、該穴内に、例えば横へ4連のファンを設けてなる循環ファン13が嵌合固定してある。また、両第2壁部12a,12aの後室8側の面には、該第2壁部12a,12aの取り外し・取り付け時に使用する複数の持ち手12e,12e,…が設けてある。
【0043】
筐体1の一内側面には、複数のコンセント14,14,…が筐体1の長手方向へ適宜の間隔で配設してあり、循環ファン13から延設したコードのプラグを、適宜のコンセント14に差し込むことによって、循環ファン13に給電するようになっている。また、後室8の側面には温度センサ17が配設してあり、該温度センサ17の検出結果に基づいて、循環ファン13の起動・停止が制御されるようになっている。
【0044】
このような保冷コンテナにあっては、通常、第1壁部11aの窓11fを蓋11gによって塞止しておき、断気用パッキン20を第1仕切り壁11の配置位置の床面の溝16,16,…に嵌合させておく。そして、エバポレータ2(図1参照)を起動して前室7内で冷気を循環させることによって、前室7内を例えばマイナス25℃に保冷する。前室7の冷熱は、主に床部を構成する載置部15,15,…及び溝16,16,…の熱伝導によって後室8に伝えられる。
【0045】
そして、第2仕切り壁12に設けた循環ファン13を起動させ、スペーサ11d,11d,…で隔てられた第1仕切り壁11と第2仕切り壁12との間隙領域を負圧状態となして、後室8の床面部分の気体を、そこに設けてある溝16,16,…内を通って後室8から前記間隙領域内へ吸引させる。このとき、後室8の床面部分の気体は、溝16,16,…及び載置部15,15,…との接触によって冷却されて冷気となり、この冷気が循環ファン13によって、間隙領域から後室8の天井部分へ吐出され、後室8内に冷気が循環される。これによって、後室8内を例えばプラス5℃に保冷する。この場合、前述した如く、断気パッキン20,20,20によって前室7の溝16,16,…と前記間隙領域との間の通気が遮断されているため、後室8から間隙領域への吸引効率が高く、従って、後室8における冷気の生成・循環効率が高い。
【0046】
このように、前室7の冷気を直接後室8内へ導入することなく、後室7において冷気を高効率に生成し、それを高い循環効率で後室7内へ循環させるため、載置部15,15,…のから奪熱されると共に冷気の滞留が防止され、後室8内の第2仕切り壁12の近傍の載置部15,15,…上に被保冷物を載置した場合であっても、当該被保冷物に凍結が発生することを防止できる。
【0047】
一方、夏季等、後室8の冷却能力を高くしたい場合、第1壁部11aに設けた蓋11gを開けて、窓11fを開放させ、及び/又は、適宜若しくは全ての断気パッキン20,20,20を取外すことによって、前室7内の冷気の一部を直接後室8内へ導入させる。
【0048】
なお、本実施例では、牽引車によって牽引可能なコンテナに適用した場合に付いて説明したが、本発明はこれに限らず、保冷運搬車に備えられた保冷庫に適用してもよいことはいうまでもない。また、本実施例で示したコンテナは、牽引車の牽引用架台に搭載する場合に限らず、鉄道用の架台又は船にも積載することができる。
【0049】
(実施例2)
図6は実施例2に係る第2仕切り壁12及び第1仕切り壁11を第2仕切り壁12側から見た正面図であり、スペーサの構造を異ならせてある。なお、図中、30はスペーサである。また、図7は、図6に示した第2仕切り壁12及び第1仕切り壁11のVII−VII線による平断面図であり、図8は、図6及び図7に示したスペーサ30の斜視図である。なお、これらの図中、図4に示した部分に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。
【0050】
第2仕切り壁12を構成する2枚の第2壁部12a,12aの内の一方であって、その上端近傍の中央部分には循環ファン13が配設してあり、両第2壁部12a,12aの第1仕切り壁11に対向する面にはそれぞれ、平断面視が凸形状であり縦方向に配した複数条(本実施例では4本)のスペーサ30,30,…が横方向へ適宜の距離を隔てて固着してある。また、第2壁部12aの相隣るスペーサ30,30の間には、後述する邪魔板32,32,32が所定の位置及び方向に固着してある。
【0051】
循環ファン13が設けてある一方の第2壁部12aには、その両側縁部近傍に下端近傍から循環ファン13の上縁位置にわたる長いスペーサ30,30が取り付けてあり、中央部分に下端近傍から循環ファン13の下縁近傍にわたる短いスペーサ30,30が取り付けてある。他方の第2壁部12a側に配設した長いスペーサ30及び短いスペーサ30には、両スペーサ30,30の凸状部分を貫通する複数の貫通孔31,31,…が、スペーサ30,30の下端近傍から上方へ適宜の間隔で開設してあり、開設段数は、短いスペーサ30の方が多い。
【0052】
一方、残る長いスペーサ30及び短いスペーサ30には、かかる貫通孔31,31,…は開設していない。そして、4本のスペーサ30,30,30,30の間であって、それらの下端近傍の位置には、その間隙寸法より短い寸法の邪魔板32,32,32がスペーサ30,30,30,30から距離を隔てて、第2壁部12aの下縁と平行に取り付けてある。
【0053】
図9は邪魔板32の拡大斜視図である。邪魔板32は、アルミニウムといった金属板を側面視がN字状に屈曲させてなり、これによって、図6及び図7に示した如く、循環ファン13の吸引力によって、後室8から溝16,16,…を通って、第1仕切り壁11と第2仕切り壁12との間隙領域へ導かれた冷気が、循環ファン13の方向へ上昇することが邪魔される。
【0054】
また、循環ファン13を設けてなる他方の第2壁部12aには、その両側縁部近傍及び中央部分に下端近傍から循環ファン13の上縁位置にわたるスペーサ30,30,30,30が互いに平行に取り付けてある。前記一方の第2壁部12a側より3本のスペーサ30,30,30にはその凸状部分を貫通する複数の貫通孔31,31,…が、スペーサ30,30,30の下端近傍から上方へ適宜の間隔で開設してあり、貫通孔31,31,…の開設段数は、一方の第2壁部12aのスペーサ30,30に設けた貫通孔31,31,…の開設段数より少なく、また、一方の第2壁部12a側より順に漸次少なくしてある。
【0055】
各スペーサ30,30,30,30の間には、一方の第2壁部12aとは反対側の側縁近傍に配設したスペーサ30の下端近傍から斜め上方へ向かう線上に、傾斜邪魔板33,33,33が、スペーサ30,30,30,30から距離を隔てて取り付けてある。なお、これら傾斜邪魔板33,33,33は、スペーサ30,30,30に開設した貫通孔31,31,…より高い位置に取り付けてある。そして、循環ファン13の吸引力によって、後室8から溝16,16,…を通って、第1仕切り壁11と第2仕切り壁12との間隙領域へ導かれた冷気は、傾斜邪魔板33,33,33によって循環ファン13の方向へ導かれる。このようにして導かれる冷気は、スペーサ30,30,…に設けた貫通孔31,31,…内を通過し、より短い流路を形成する。
【0056】
このようなスペーサ30,30,…、邪魔板32,32,32及び傾斜邪魔板33,33,33を備える保冷コンテナにあっては、循環ファン13の直下の部分に配設した邪魔板32,32,32によって、後室8から溝16,16,…を通って、第1仕切り壁11と第2仕切り壁12との間隙領域へ導かれた冷気が、循環ファン13の方向へ上昇することが邪魔される一方、間隙領域へ導かれた冷気は傾斜邪魔板33,33,33によって循環ファン13の方向へ導かれる。これによって間隙領域へ導かれた冷気の流路の略全体にわたって流量の均一化が図られるため、後室8の温度分布をより均一にすることができる。
【0057】
更に、スペーサ30,30,…には前述した如く複数の貫通孔31,31,…が開設してあるため、傾斜邪魔板33,33,33による前記冷気の誘導が円滑に行われ、前述した流量をより均一にすることができる。
【0058】
なお、上述した実施例では、本発明を保冷コンテナに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、保冷運搬車の保冷室に適用してもよいことはいうまでもない。また、スペーサ11d又はスペーサ30を介装した第1仕切り壁11及び第2仕切り壁12によって保冷室6内を前室7と後室8とに仕切った場合について説明したが、本発明はこれに限らず、スペーサ11d又はスペーサ30をそれぞれ介装した複数の第1仕切り壁11及び第2仕切り壁12によって、保冷室6内を複数の保冷部屋に仕切ってもよい。
【0059】
【発明の効果】
請求項1の本発明によれば、一方の保冷室と他方の保冷室とを仕切る仕切り部は、一方の保冷室に対向配置した第1仕切り壁と、他方の保冷室に対向配置した第2仕切り壁との間に、スペーサを介装させることによって間隙領域を形成してなり、送風機は第2仕切り壁に設けてあり、間隙領域と他方の保冷室とを連通する連通部が設けてあるため、一方の保冷室の冷気を他の保冷室へ直接供給することなく、他の保冷室の床部に熱伝導した冷熱を気体の循環によって拡散させることによって、他の保冷室内を所要の温度に保冷することができる。従って、他の保冷室の一部に冷熱が集中することを防止して、後室における被保冷物の配置位置に拘わらず、被保冷物に凍結が発生することを防止することができる。
【0060】
請求項2記載の本発明によれば、連通部は、他方の保冷室の床部に、第2仕切り壁と交わる方向の複数の溝を設け、いずれか又は全ての溝を前記間隙領域まで延設することによって形成してあるため、熱交換の効率が高い。
【0061】
請求項3記載の本発明によれば、いずれか又は全ての溝は一方の保冷室まで延設してあり、延設した各溝を塞止する塞止部材が着脱自在に各溝に嵌合してあり、この塞止部材上に第1仕切り壁が立設してあるため、夏季等にあって、他の保冷室を比較的低温に保冷する場合、塞止部材を取外すことによって、一方の保冷室の冷気を前述した循環路に取り込み、他の保冷室に循環される気体の温度をより低くするように調節でき、これによって、他の保冷室内と外気との温度差が大きい場合であっても、他の保冷室内の被保冷物に凍結が発生することを防止できる。
【0062】
請求項4記載の本発明によれば、第1仕切り壁の窓に設けた蓋を開放することによって、一方の保冷室の冷気を前述した循環路に更に取り込むことができるため、他の保冷室内と外気との温度差が更に大きい場合であっても、他の保冷室内の被保冷物に凍結が発生することを防止できる。
【0063】
請求項5記載の本発明によれば、間隙領域の連通部から送風機への流路の内、相対的に流路距離が短い適宜の部分に流路変更部材を、当該部分の流路距離がより長くなるように配設し、前記流路の内、相対的に流路距離が長い適宜の部分に流路変更部材を、当該部分の流路距離がより短くなるように配設してあるため、前記流路の略全体にわたって流量の均一化が図られ、他の保冷室の温度分布をより均一にすることができる。
【0064】
請求項6記載の本発明によれば、所定のスペーサの前記流路上の部分に複数の貫通孔を開設してあるため、前述した流量をより均一にすることができる。
【0065】
請求項7記載の本発明によれば、第1仕切り壁部、第2仕切り壁部及びスペーサは移動可能にしてあるため、一方の保冷室及び他方の保冷室の容量を適宜に変更することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る運搬用保冷庫の一例を示す保冷コンテナの外観斜視図である。
【図2】図1に示した保冷コンテナの牽引車による牽引状態を示す側断面図である。
【図3】図1に示した保冷コンテナの側断面図である。
【図4】図1に示した保冷コンテナの内部構造を示す斜視図である。
【図5】図4に示した第1仕切り壁の一縁部を示す模式的平面図である。
【図6】実施例2に係る第2仕切り壁及び第1仕切り壁を第2仕切り壁側から見た正面図である。
【図7】図6に示した第2仕切り壁及び第1仕切り壁のVII−VII線による平断面図である。
【図8】図6及び図7に示したスペーサの斜視図である。
【図9】邪魔板の拡大斜視図である。
【図10】従来の保冷運搬車の要部構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 筐体
7 前室
8 後室
11 第1仕切り壁
11a 第1壁部
11d スペーサ
12 第2仕切り壁
12a 第2壁部
13 循環ファン
15 載置部
16 溝
30 スペーサ
31 貫通孔
32 邪魔板

Claims (7)

  1. 被保冷物を保冷する少なくとも2つの相隣る保冷室と、両保冷室の間を仕切る仕切り部と、一方の保冷室内へ冷気を送る送冷機と、前記仕切り部に設けてあり、他方の保冷室内へ送風する送風機とを備え、両保冷室の床部は所要の熱伝導率を有する材料で形成してあり、両保冷室にて異なる温度で被保冷物を保冷しつつ運搬する運搬用保冷庫において、
    前記仕切り部は、一方の保冷室に対向配置した第1仕切り壁と、他方の保冷室に対向配置した第2仕切り壁との間に、スペーサを介装させることによって間隙領域を形成してなり、
    前記送風機は第2仕切り壁に設けてあり、前記間隙領域と他方の保冷室とを連通する連通部が設けてあることを特徴とする運搬用保冷庫。
  2. 前記連通部は、前記他方の保冷室の床部に、前記第2仕切り壁と交わる方向の複数の溝を設け、いずれか又は全ての溝を前記間隙領域まで延設することによって形成してある請求項1記載の運搬用保冷庫。
  3. 前記いずれか又は全ての溝は前記一方の保冷室まで延設してあり、延設した各溝を塞止する塞止部材が着脱自在に前記各溝に嵌合してあり、この塞止部材上に前記第1仕切り壁が立設してある請求項1又は2記載の運搬用保冷庫。
  4. 前記第1仕切り壁に窓が開設してあり、該窓を塞止する蓋が開閉自在に設けてある請求項1から3のいずれかに記載の運搬用保冷庫。
  5. 前記間隙領域の連通部から送風機への流路の内、相対的に流路距離が短い適宜の部分には流路を変更する流路変更部材が、当該部分の流路距離がより長くなるように配設してあり、相対的に流路距離が長い適宜の部分には前記流路変更部材が、当該部分の流路距離がより短くなるように配設してある請求項1から4のいずれかに記載の運搬用保冷庫。
  6. 複数のスペーサを具備し、所定のスペーサの前記流路上の部分に、当該スペーサを貫通する複数の貫通孔が開設してある請求項5記載の運搬用保冷庫。
  7. 前記第1仕切り壁部、第2仕切り壁部及びスペーサは移動可能にしてある請求項1から6の何れかに記載の運搬用保冷庫。
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CN109373673A (zh) * 2018-11-06 2019-02-22 青岛海尔股份有限公司 冰箱

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