JP2004170840A - 演奏制御装置および演奏制御用プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】発音中において新たな和音情報が入力されたときでも、和音情報に適さない音高の演奏音を発生させることのない演奏情報を出力する。
【解決手段】演奏制御部3は、入力された演奏情報の入力音高を、入力された和音情報に適合する出力音高に変換し、この出力音高の発音をさせる演奏情報を音源5に出力する。音高変換部4は、演奏情報供給部1から演奏情報が入力されたときは、入力音高を、入力された演奏情報よりも以前に和音情報供給部2から入力されていた和音情報に適合する第1の出力音高に変換し、入力された演奏情報により既に入力音高の発音開始が指示されて発音中であるときに、和音情報供給部2から新たな和音情報が入力されたときは、入力音高を、この新たな和音情報に適合する第2の出力音高に変換する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子楽器などの電子音楽装置において、入力音高の発音を指示する演奏情報を入力し、この入力音高を演奏を条件付ける和音情報に適合する出力音高の発音をさせる演奏情報を出力する演奏制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
演奏者が鍵盤を弾いてメロディ演奏する際に、演奏音の音高が演奏曲の和音情報に適合していないときは、演奏を条件付ける和音情報に適合した音高に変換した上で楽音信号を発音する電子楽器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上述した電子楽器に用いる和音情報は、例えば、シーケンスデータとして予め記憶部に格納されており、テンポに合わせて読み出される。和音情報に適合した音高とは、例えば、和音(コード)を構成する和音構成音の音高である。
【0003】
上述した従来の電子楽器では、演奏者がメロディを演奏する際に、演奏を条件付けるために入力された和音情報に適合した音高の鍵が押されていないときには、この和音情報に適合した音高に変換されて発音される。従って、初心者でも簡単にメロディ演奏ができる。
しかし、いずれかの鍵を押している期間に、和音情報の変更(コードチェンジ)が生じた場合は考慮されていない。熟練した演奏者であれば、このような状況は考えにくいが、初心者では、新たな和音情報が読み出されるような区切りとなる演奏タイミングにおいても、押鍵していることがあり得る。
演奏音の音高は、通常、押鍵開始(キーオン)時に決定されるから、押鍵中に新しい和音情報が入力されたとしても、無視されて元の和音情報に適合した音高の発音が続く可能性が高い。その結果、新たな和音情報に基づけば和音情報に適さない音高が発音され続ける可能性がある。演奏者は、新しい和音情報に適合した音高の発音をさせるには、押鍵し直す必要がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−27757号公報(第10段落,第27段落参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、発音中において新たな和音情報が入力されたときでも、和音情報に適さない音高の演奏音を発生させることのない演奏情報を出力する演奏制御装置および演奏制御用プログラムを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1に記載の発明においては、入力音高の発音を指示する演奏情報、および、演奏を条件付ける和音情報を入力し、前記入力音高を前記和音情報に適合する出力音高に変換し、該出力音高の発音をさせる演奏情報を出力する演奏制御装置であって、前記演奏情報が入力されたときは、前記入力音高を、入力された演奏情報よりも以前に入力されていた前記和音情報に適合する第1の出力音高に変換し、前記入力された演奏情報により既に前記入力音高の発音開始が指示されて前記第1の出力音高が発音中であるときに、新たな和音情報が入力されたときは、前記入力音高を、前記新たな和音情報に適合する第2の出力音高に変換する、音高変換手段を有するものである。
従って、発音中において新たな和音情報が入力されたとしても、入力音高が新たな和音情報に適合するように変換された音高の発音を指示する演奏情報を出力するので、和音情報に適さない演奏音を発生させることがない。
【0007】
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の演奏制御装置において、前記演奏情報が入力されたときは、前記第1の出力音高の発音開始を指示する演奏情報を出力し、前記入力された演奏情報により既に前記入力音高の発音開始が指示されて前記第1の出力音高が発音中であるときに、新たな和音情報が入力されたときは、前記第1の出力音高の発音終了を指示する演奏情報を出力するとともに、前記第2の出力音高の発音開始を指示する演奏情報を出力する、演奏情報出力手段を有するものである。
従って、発音中において入力された新たな和音情報に適合した第2の出力音高の発音を、第2の出力音高の発音開始を指示する演奏情報を用いて実現できる。その結果、第2の出力音高の再発音がなされるので、アタック期間を有する演奏音が得られる。
【0008】
請求項3に記載の発明においては、請求項1に記載の演奏制御装置において、前記演奏情報が入力されたときは、前記第1の出力音高の発音開始を指示する演奏情報を出力し、前記入力された演奏情報により既に前記入力音高の発音開始が指示されて前記第1の出力音高が発音中であるときに、新たな和音情報が入力されたときは、発音状態を維持しながら前記第1の出力音高から前記第2の出力音高への音高変換を指示する演奏情報を出力する、演奏情報出力手段を有するものである。
従って、発音中において入力された新たな和音情報に適合した第2の出力音高の発音を、発音状態を維持しながら第1の出力音高から第2の出力音高への音高変換を指示する演奏情報を用いて実現できる。その結果、発音の連続性を有する演奏音が得られる。
【0009】
請求項4に記載の発明においては、入力音高の発音を指示する演奏情報、および、演奏を条件付ける和音情報を入力し、前記入力音高を前記和音情報に適合する出力音高に変換し、該出力音高の発音をさせる演奏情報を出力することをコンピュータに実行させるための演奏制御用プログラムであって、前記演奏情報が入力されたときは、前記入力音高を、入力された演奏情報よりも以前に入力されていた前記和音情報に適合する第1の出力音高に変換し、前記入力された演奏情報により既に前記入力音高の発音開始が指示されて前記第1の出力音高が発音中であるときに、新たな和音情報が入力されたときは、前記入力音高を、前記新たな和音情報に適合する第2の出力音高に変換する、音高変換ステップを有するものである。
従って、コンピュータに上述した演奏制御用プログラムを実行させることにより請求項1に記載の演奏制御装置を実現することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態としての演奏制御装置の説明図である。
演奏情報供給部1は、例えば、演奏者の押鍵操作に基づいて演奏される鍵盤等の演奏操作子であり、演奏情報を供給する。この演奏情報は、操作された鍵に応じた演奏音の発音開始と音高を指示する。
和音情報供給部2は、例えば、演奏しようとする曲の演奏に適した和音を、この曲の演奏進行に従って指示する和音情報を出力する。例えば、この和音情報を出力すべき時刻(演奏の時間進行とともに経過する時刻)がわかるような、シーケンスデータが記憶された和音情報記憶部である。
より具体的には、和音情報のシーケンスデータを含むソングデータを記憶している。演奏の経過に従って和音情報を再生して供給する。このソングデータは、和音情報のシーケンスデータの他に、ユーザが演奏するパートを含んでいたり、ユーザが演奏するパート以外のパートを含んでいたりする。
【0011】
演奏制御部3は、演奏情報供給部1から演奏情報を入力するとともに、和音情報供給部2から和音情報を入力し、入力された演奏情報の入力音高を、入力された和音情報に適合する出力音高に変換し、この出力音高の発音をさせる演奏情報を、波形合成を行う音源5に出力する。
演奏制御部3内にある音高変換部4は、演奏情報供給部1から演奏情報が入力されたときは、入力音高を、入力された演奏情報よりも以前に和音情報供給部2から入力されていた和音情報に適合する第1の出力音高に変換し、入力された演奏情報により既に入力音高の発音開始が指示されて第1の出力音高が発音中であるときに、和音情報供給部2から新たな和音情報が入力されたときは、入力音高を、この新たな和音情報に適合する第2の出力音高に変換する。
【0012】
ここで、入力音高を、演奏を条件付ける和音情報に適合する音高、例えば、和音構成音、音階音、あるいは、ベース音に変換する方法としては、例えば、従来と同様に、変換テーブルを用いる。この変換テーブルは、和音情報に対応するコードタイプ毎に、入力された演奏音の音高に対して適合する音高の候補が示されている。この候補の中から入力音高に最も近い音高を出力音高とする。
より具体的には、入力音高の音名(1オクターブ内の12音分)をどの音名に変換するかを、コードタイプ毎に表す変換テーブルを用いればよい。コードタイプ毎に入力音高の音名に対して適合する音名の候補が示され、入力音高の音名から最も距離的に近い音名の候補に対応する音高を出力する。その際、変換テーブルの1オクターブ上の音名および1オクターブ下の音名も候補に含めておいて、最も距離的に近い音名に対応する音高を出力すればよい。
【0013】
適合する候補に入力音高がもともと含まれていた場合は、入力音高自身が選択されて出力されることになる。本明細書では、このような場合を含めて音高変換という。
また、仮に、入力音高(あるいは音名)から最も距離的に近い音高(音名)が2つあった場合を考慮して、入力音高(あるいは音名)よりも、出力音高を上げるか下げるかを予め決めておくか、ランダムに上または下を選択するなど、どのような方法に決めておいてもよい。
なお、異なる入力音高の発音をそれぞれ指示する複数の演奏情報が入力される場合、例えば、演奏者が同時に複数の鍵を押して和音演奏するような場合も許容される。この場合、各鍵に対応する入力音高の発音を指示する演奏情報のそれぞれについて、入力音高を和音情報に適合する出力音高に変換する。従って、それぞれの出力音高が、演奏を条件付ける和音情報に適合し、入力された演奏情報と同数の演奏情報を出力することになる。
【0014】
音高変換の手法は、上述したような変換テーブルを用いるものに限らない。変換テーブルのデータ構造は各種考えられるし、変換テーブルを用いずに演算により和音情報に合った音高に変換するものでもよい。また、入力演奏音の音高の音域に応じて、音高変換の規則を異ならせてもよい。例えば、低音部はベース音のみ、中音部は和音構成音のみ、高音部は音階音が出力されるというような変換でもよい。
いずれの手法の場合においても、和音情報の他に、調情報の供給を受けてもよい。調を考慮した音高変換が可能になり、より適切な音高を得ることができる。調情報自体を直接的に入力する他、曲中の和音進行から調情報を推定して入力するようにしてもよい。
【0015】
図1に示した和音情報供給部2から入力される「和音情報」の再生テンポは、予め設定されたデフォルトのテンポであってもよいし、演奏者が任意に設定してもよい。あるいは、演奏情報供給部1における、演奏者の鍵盤等の演奏からその演奏のテンポを自動検出し、検出されたテンポで上述した「和音情報」の再生テンポを制御してもよい。
上述した音源5が、演奏制御部3の設置されている装置の外部にある場合、演奏情報として、演奏制御部3は、例えば、ある出力音高の発音を指示する演奏情報として、MIDI規格に従った「ノート・オン」メッセージを出力する。
しかし、演奏制御部3と音源5が同じ装置内にある場合には、演奏制御部3は、MIDI規格に従う演奏情報を出力する必要はない。音源回路やソフトウェア音源プログラム等の音源5を制御する音源パラメータなどを出力して、「ノート・オン」機能を指示ればよい。
【0016】
ところで、入力された演奏情報により既に入力音高の発音開始が指示されて発音中であるときに、和音情報が新たに入力された場合に対処するには、2通りの態様が可能である。
説明を簡単にするため、MIDIメッセージを出力する場合を説明する。しかし、これに限られるものではなく、他の演奏情報の規格あるいは装置内部の内部処理で用いられる音源パラメータ等を出力する場合にも、同様の機能を有する演奏情報を出力すればよい。
第1の態様は、現在の出力音高の発音終了を指示する演奏情報として、「ノート・オフ」を出力するとともに、入力音高を、新たな和音情報に適合するように変換された出力音高の発音開始を指示する演奏情報として、「ノート・オン」を出力する。
楽音信号のアタックに特徴のある音色、例えば、ピアノなど減衰音系の演奏音に適している。持続音系であるがアタック期間にも特徴があるオルガンにも適している。
【0017】
第2の態様は、発音状態を維持しながら、現在の出力音高から、入力音高を新たな和音情報に適合するように変換された出力音高への音高変換を指示する演奏情報として、例えば、「ピッチベンド」あるいは「ポルタメントコントロール」を出力する。
アタックの弱い音色、例えば、トロンボーン、バイオリン等の持続音系の音色に適し、特に、ギターのように、もともと自然楽器の奏法としてピッチベンドがあるような楽器音色に適している。
【0018】
以上、いずれの態様であっても、ある音高で発音中の状態において、新たな和音情報が入力されたとき、演奏者が押鍵し直すことなく、新たな和音情報に適した音高の演奏音が自動的に発音される。
ここで、新たな和音情報が入力されたとき、この新たな和音情報に適合した音高が、現在発音中の音高と等しい場合もあり得る。この場合、演奏制御部3は、上述したような新たな演奏情報を発生させてもよいし、発生させなくてもよい。発生させる場合は、上述した第1の態様であれば、波形のアタック期間の存在によって、演奏音の発音中において、新たな和音情報が入力されて和音情報が変更されたことを演奏者に認識させることができる。第2の態様であれば、音源5から出力される演奏音は、新たな演奏情報を発生しない場合と同じである。
【0019】
なお、入力される演奏情報は、1つのチャンネル(例えば、メロディチャンネル)に限られない。複数のチャンネルの演奏情報を入力し、それぞれの音高を和音情報に適合した音高の演奏音に変換してもよい。この場合、チャンネル毎に第1,第2の態様を異ならせてもよい。例えば、それぞれの音色に応じて態様を異ならせる。通常のリズム楽器は、ノートナンバが楽器種類を表すことから、リズムパートに対応するチャンネルの演奏情報については音高変換をしない。
【0020】
上述した説明では、図1に示した演奏情報供給部1は、鍵盤であったが、演奏者等が予め演奏したソングデータを記憶した記憶装置であってもよい。
図1に示した和音情報供給部2が「和音情報」のシーケンスデータを出力する和音情報記憶部である場合、上述したソングデータと同様の形式で「音符」イベントを「和音情報」イベントに置き換えて記憶しておけばよい。
また、演奏制御部3が出力する演奏情報の形式を、演奏音の演奏イベントに演奏タイミング情報を付したものとすれば、記憶部6に書き込んで、ソングデータとして記憶できる。
演奏情報供給部1,和音情報供給部2がともに記憶装置であり、出力演奏情報を記憶部6に記憶する場合、演奏制御部3はリアルタイム演奏と同様に、演奏の進行のテンポに従って処理をするほかに、演奏の時間軸上における上述したイベント発生の相対時間あるいは絶対時間に基づいた演奏タイミング情報に基づいて、入力演奏情報および和音情報の同期を取りながら処理することにより、リアルタイムでの演奏時間よりも短時間で演奏制御処理を完了できる。
【0021】
図2は、本発明の実施の一形態を実現するハードウェア構成図である。
電子楽器において、プログラムを実行させることにより演奏制御機能を実現する場合を説明する。
図中、11はバス、12はCPU(Central Processing Unit)、13はROM(Read Only Memory)、14はRAM(Random Access Memory)、15はタイマである。RAM14には、CPU12のワーキングエリアが設けられる。ROM13には、CPU12を動作させる制御プログラムのほか、プリセットデータが記憶されている。タイマ15は、CPU12の演算処理の周期を規定し、CPU12は、タイマ15からのタイマイベント信号を受けて、自動演奏等の処理を行う。
16は演奏操作子(鍵盤)であり、押鍵タイミング,鍵番号(音高),離鍵タイミング等のデータを有する演奏情報が出力される。なお、ROM13あるいは外部記憶装置22に記憶された曲データファイルから演奏情報がRAM14にロードされる場合もある。
17は入力操作子であって、例えば、ソングデータの記録再生などのシーケンス制御用操作子やパラメータ設定操作子等である。
【0022】
18は表示回路であって、ディスプレイ19に画像データおよび画像制御データを出力する。
20は音源回路、21はサウンドシステムである。音源回路20は、バス11を通じてCPU12から音高変換された演奏情報として、音源パラメータ等を入力し、演奏音を波形合成し、この楽音信号は、サウンドシステム22に供給されてスピーカから出力される。音源回路20は、専用のハードウェアを用いるものに限らず、DSP(Digital Signal Processor)とマイクロプログラムとを用いて構成するようにしてもよいし、ソフトウェア音源プログラムによってCPU12が波形合成を行うようにしたものでもよい。
22はフラッシュメモリ,FDD(Flexible Disk Drive)等の外部記憶装置である。
23は通信インターフェースであって、音源装置、MIDI鍵盤等の外部機器24をバス11に接続する。専用のMIDIインターフェースに限らず、汎用のインターフェースを用いて直結あるいはLAN( Local Area Network)接続されたり、インターネット経由で、パーソナルコンピュータ,サーバ等に接続される。
外部機器24から演奏情報が供給されるときには、MIDI形式の演奏情報がリアルタイムで入力される。ROM13,外部記憶装置22から演奏情報が供給されるときには、これらからソングデータがRAM14にロードされて用いられる。
【0023】
ROM13,外部記憶装置22には、和音情報のシーケンスデータがファイルとして記憶されており、RAM14にロードされる。
和音情報は、外部機器24から通信インターフェース23を経由し、リアルタイムで入力されるようにしてもよい。例えば、音楽教室において教師の電子楽器から和音情報を転送する。
この他、和音情報は、演奏操作子(鍵盤)16において、演奏者自身あるいは教師によって和音指定鍵域の鍵を操作するなどして手弾き入力され、押鍵された鍵の鍵番号に対応した和音情報が出力されるようにしてもよい。
【0024】
CPU12は、ROM13に記憶された電子楽器制御用プログラムを含む電子楽器制御用プログラムをRAM14にロードし、各種制御を行う。メロディ演奏情報、自動リズム情報等に応じて、演奏音(ノート)の発音開始(ノート・オン),発音終了(ノート・オフ)、楽音の音高、その他、楽音の音色等の楽音パラメータを生成して音源回路20に出力する。
プログラムや処理に利用する各種データは、外部記憶装置22のフレキシブル磁気ディスク(FD)あるいはメモリカード式のフラッシュメモリ等を介して供給されたり、外部機器24の1つであるサーバからダウンロードされるようにしてもよい。
【0025】
プログラムや処理に利用する各種データは、外部記憶装置22にインストールされていたり、サーバコンピュータからダウンロードされていたりしてもよい。外部記憶装置22は、HDD(ハードディスクドライブ)、CD−ROM(コンパクトディスク・リード・オンリィ・メモリ),MO(Magneto Optical Disk),DVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体用のドライブでもよい。ROM13に制御プログラムが記憶されていない場合、このハードディスクに制御プログラムを記憶させておき、それをRAM14に読み込む。
上述した説明では、図1に示した演奏制御部3に音高変換部4が含まれているものとした。しかし、それぞれが別体の装置にあり、通信インターフェースを用いて接続するものであってもよい。
パーソナルコンピュータにおいて、同様の演奏制御機能を実現することもできる。キーボード,マウス等の操作子を入力操作子17とし、演奏操作子(鍵盤等)は、通信インターフェース23を介して接続される外部機器24としてのMIDI鍵盤を用いればよい。
【0026】
図3は、本発明の実施の一形態の動作を説明するためのメインフローチャートである。
1曲分の和音情報のシーケンスデータが図2のRAM14に記憶されており、演奏者が演奏操作子(鍵盤)16を操作する場合について、音源の機能を含めた演奏装置としての動作を説明する。
図示の例では、和音情報のシーケンスデータには、曲中で和音情報を読み出して供給する演奏時刻を指示する演奏タイミング情報が、和音情報に付加されて記憶されている。
【0027】
S31において、和音情報のシーケンスデータを、和音情報の読み出しタイミングになったときに読み出して、和音情報レジスタに格納する。所定の周期で発生する和音情報読み出しタイミングになれば、S32(図4)の処理を実行し、そうでないときには、S33において演奏操作子(鍵盤)16のキーONを検出したときに、S34(図5a)の処理、S35においてキーOFFを検出したときにS36(図5b)の処理を実行する。
いずれも検出しなかったとき、あるいは、いずれかの処理を実行したときは、S37において、演奏ストップでなければS31に処理を戻す。演奏ストップ操作を検出したとき、あるいは、和音情報のシーケンスデータの終了タイミングを検出した場合に演奏ストップであると判定される。
【0028】
図4は、図3における「和音情報読み出し処理」の詳細を示すフローチャートである。
S41において、和音情報読み出しタイミングにおいて読み出され、和音情報レジスタに格納されている、現在の和音情報とは異なる次の和音情報(新たな和音情報)があるか否かを判定する。
新たな和音情報がある場合にS42に処理を進め、新たな和音情報を読み出し、読み出された新たな和音情報が現在の和音情報になる。
その際、キーON継続中(発音中)であれば、S43からS44に処理を進め、発音中の音色が持続音であるか否かを判定し、持続音、非持続音のそれぞれに適した方式で、音源5は、現在の和音情報に合う音高の演奏音を出力する。
【0029】
ここで、音色情報は、音源5に対し、演奏情報のチャンネル(メロディチャンネル)に割り当てられた音色を問い合わせれば確実に取得できる。しかし、該当チャンネルに設定されたデフォルト音色に応じたものとしてもよい。
あるいは、音色にかかわらず、演奏者が持続音,非持続音のいずれとして取り扱うかを操作子で設定してもよい。
また、演奏情報供給部1が、記憶されたソングデータを読み出すものであれば、該当チャンネルに対応するトラックに音色が設定されている場合がある。この場合は、ソングデータから音色情報を取得できる。しかし、この音色の設定は、音源5において変更される場合がある。
【0030】
持続音の音色である場合は、S45において、現在の和音情報を参照して、現在の和音情報に合う音高を検出し、発音中の音高を現在の和音情報に合う音高になるように変化させて発音する。その際、発音中の演奏音の発音状態は継続させる。
具体的な手法としては、演奏情報として、「ピッチベンド」や「ポルタメントコントロール」を出力する手法があり、それぞれ、図6,図7を参照して後述する。
非持続音の音色である場合は、S46において、発音中の演奏音を一旦キーOFFする。演奏制御部3は、例えば、演奏情報として「ノート・オフ」を出力する。S47において、現在の和音情報に合う音高を検出し、新たな演奏音をその音高で発音する。これを実現するため、演奏制御部3は、例えば、演奏情報として「ノート・オン」を出力する。
【0031】
図5は、図3における「キーON処理」および「キーOFF処理」の詳細を示すフローチャートである。
図5(a)のS51において、キーONされた演奏音の音高を、現在の和音情報を参照して、現在の和音情報に合う音高を検出し、S52において、検出した音高にて発音する。これを実現するため、演奏制御部3は、例えば、演奏情報として「ノート・オン」を出力する。
図5(b)のS61において、キーOFFに対応する発音中の演奏音をキーOFFする。これを実現するため、演奏制御部3は、例えば、演奏情報として「ノート・オフ」を出力する。
【0032】
S62において、キーOFFしたチャンネルにピッチベンドの変更があるか否かを判定し、ある場合にはS63に処理を進めて、「ピッチベンド」をセンター(0)に戻しておく処理を行う。これに対応して演奏制御部3は、ピッチベンドをリセットするための演奏情報を出力する。
ピッチベンドの変更を実行した場合、キーOFFとなっただけではピッチベンド量がリセットされない仕様であるため、センター・ゼロにリセットして、次にキーONとなった演奏音に「ピッチベンド」がかからないようにしている。
【0033】
図6は、ピッチベンドによって演奏制御をする場合の説明図である。
図6(a)は演奏音の音高変化を示す。
図6(b)はこの音高変化を実現させるために出力される演奏情報のイベントリストである。このイベントリストは、シーケンサで使用されている表示形式で示し、チャンネル番号は省略している。
図6(a)において、▲1▼は演奏情報の入力タイミング、▲2▼は和音情報の入力タイミング、▲3▼は演奏情報のキーOFFタイミングを示す。
▲1▼の演奏時刻(演奏タイミング)において、キーONを指示する演奏情報が入力される。例えば、図6(b)に示す「ノート・オン」メッセージが入力される。入力音高はC3[60]である。和音情報がコードCmajであるとすれば、この入力音高は、和音情報に適合した音高であるので、そのまま出力音高となる。
ここで、大譜表の中央CをC3とし、括弧内にMIDI規格のノートナンバを示す。mp[60]はベロシティが60であることを示す。「ノート・オン」メッセージはそのまま出力される。
【0034】
▲1▼と同一の演奏時刻以降において、ピッチベンドレンジ設定およびピッチベンドの初期値を設定しておく。図6(b)に示すように、時間を僅かにずらせて3つの「パラメータコントロール」と1つの「ピッチベンド」が出力される。
第1,第2のものは、「ピッチベンドセンシティビティ」メッセージであり、第3のものは、パラメータコントロール用「データエントリ」メッセージである。ここでは、最大シフト量を12(12半音=1オクターブ)に設定している。ベンドレンジは、−8192〜(0)〜+8191である。
第4のものは、ピッチベンド初期値を0に設定する「ピッチベンド」メッセージである。
上述したピッチベンドレンジ設定およびピッチベンド初期値の設定は、適宜省略可能である。
【0035】
発音中の▲2▼の演奏時刻において、新たな和音情報が入力されたとする。図示の例では、コードCmajの状態において、新たにコードDmが入力されたとする。現在の音高C3から、テーブル参照等によって、現在の音高の最寄りのコードDm構成音であるD3が得られる。
現在の演奏音の音高をC3からD3に変更するために、「ピッチベンド」メッセージが出力される。ピッチベンド値(ピッチベンドデータ)は、1365であり、D3[62]の音高が指定されることになる。
▲3▼の演奏時刻において、現在の演奏音をキーOFFする演奏情報が入力される。例えば、図6(b)に示す「ノート・オフ」メッセージが入力される。この「ノート・オフ」メッセージはそのまま出力される。
▲3▼と同一の演奏時刻以降において、ピッチベンド値を0に戻しておくための「ピッチベンド」メッセージが出力される。
【0036】
ピッチベンドを用いる音高変換は、単音演奏に向いている。同時に複数音を押鍵してメロディ等を演奏する場合には、次に示す「ポルタメントコントロール」を用いればよい。
図7は、ポルタメントコントロールによって演奏制御をする場合の説明図である。図7(a)は出力される演奏音の音高変化を示す。図7(b)はこの音高変化を実現させるために出力される演奏情報のイベントリストである。シーケンサで使用されている表示形式で示し、チャンネル番号は省略している。
図7(a)において、▲1▼は入力演奏情報の入力タイミング、▲2▼は和音情報の入力タイミング、▲3▼は出力演奏情報のキーOFFタイミングを示す。
▲1▼の演奏時刻において、キーONを指示する演奏情報として、図6(b)に示す、入力音高がC3[60]およびE3[64]の「ノート・オン」メッセージが入力される。和音情報がコードCmajであるとすれば、これらの入力音高は、和音情報に適合した音高であるので、そのまま出力音高となる。
【0037】
▲2▼の演奏時刻において、図示の例では、コードCmajの状態において新たにコードDmが入力されたとする。現在の音高C3[60],E3[64]から、それぞれ、テーブル参照等によって、現在の音高の最寄りのコードDm構成音であるD3[62],F3[65]が出力される。
音高C3[60]の演奏音の音高をD3[62]に変更するために、ソースノート番号を60とする「ポルタメントコントロール」メッセージと、音高D3[62]の新たな「ノート・オン」メッセージが出力される。
音高E3[64]の演奏音の音高を音高F3[65]に変更するために、ソースノート番号を64とする「ポルタメントコントロール」メッセージと、音高F3[65]の新たな「ノート・オン」メッセージが出力される。
【0038】
「ポルタメントコントロール」メッセージによって、音高C3[60]およびE3[64]の演奏音のキーオン状態は無効になっているが、音源5側で音高C3[60]およびE3[64]のキーONとの対応がとれるように、音高D3[62],F3[65]がキーONになった以降、音高C3[60],E3[64]の演奏音のキーOFFを示す「ノート・オフ」メッセージを出力しておくとよい。
▲3▼の演奏時刻において、音高D3[62],F3[65]の演奏音のキーOFFを示す「ノート・オフ」メッセージを出力する。
【0039】
上述した説明では、演奏制御装置が適用される対象を、鍵盤楽器を例に説明したが、弦楽器タイプ、管楽器タイプ、打楽器タイプ等の形態をとる電子楽器でもよい。また、鍵盤等の演奏操作子、音源装置等を内蔵した電子楽器に限らず、それぞれが別体の装置であり、専用のMIDIインターフェース、各種通信ネットワークのインターフェース等を用いて各装置が相互接続されて構成される電子楽器システムに適用してもよい。
上述した説明では、本発明を、電子楽器あるいはパーソナルコンピュータに適用した場合を例示したが、カラオケ装置、ゲーム装置、携帯電話等の携帯型通信端末、自動演奏ピアノ等に適用することもできる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、上述した説明から明らかなように、演奏音の発音中において和音情報が変更されたとしても、変更後の和音情報に適合した音高で発音させるための演奏情報を出力するから、和音情報に適さない音高の楽音信号を発生させることがなく、自然な聴感の得られる演奏情報を出力できる効果がある。
演奏者が演奏情報を入力する場合、和音情報の変更タイミングを気にすることなく、演奏を条件付ける和音情報に適合した音高の演奏をすることができる。演奏者は、押鍵し直す必要がなく、押鍵したままの状態で、自動的に和音情報に適した演奏ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態としての演奏制御装置の説明図である。
【図2】本発明の実施の一形態を実現するハードウェア構成図である。
【図3】本発明の実施の一形態の動作のメインフローを説明するためのフローチャートである。
【図4】図3における「和音情報読み出し処理」の詳細を示すフローチャートである。
【図5】図3における「キーON処理」および「キーOFF処理」の詳細を示すフローチャートである。
【図6】ピッチベンドによって演奏制御をする場合の説明図である。
【図7】ポルタメントコントロールによって演奏制御をする場合の説明図である。
【符号の説明】
1…演奏情報供給部、2…和音情報供給部、3…演奏制御部、4…音高変換部、5…音源

Claims (4)

  1. 入力音高の発音を指示する演奏情報、および、演奏を条件付ける和音情報を入力し、前記入力音高を前記和音情報に適合する出力音高に変換し、該出力音高の発音をさせる演奏情報を出力する演奏制御装置であって、
    演奏情報入力手段と、和音情報入力手段と、音高変換手段を有し、
    該音高変換手段は、前記演奏情報入力手段により前記演奏情報が入力されたときは、前記入力音高を、入力された演奏情報よりも以前に前記和音情報入力手段により入力されていた前記和音情報に適合する第1の出力音高に変換し、
    前記入力された演奏情報により既に前記入力音高の発音開始が指示されて前記第1の出力音高が発音中であるときに、前記和音情報入力手段により新たな和音情報が入力されたときは、前記入力音高を、前記新たな和音情報に適合する第2の出力音高に変換する、
    ことを特徴とする演奏制御装置。
  2. 演奏情報出力手段を有し、
    該演奏情報出力手段は、前記演奏情報入力手段により前記演奏情報が入力されたときは、前記第1の出力音高の発音開始を指示する演奏情報を出力し、前記入力された演奏情報により既に前記入力音高の発音開始が指示されて前記第1の出力音高が発音中であるときに、前記和音情報入力手段により新たな和音情報が入力されたときは、前記第1の出力音高の発音終了を指示する演奏情報を出力するとともに、前記第2の出力音高の発音開始を指示する演奏情報を出力する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の演奏制御装置。
  3. 演奏情報出力手段を有し、
    該演奏情報出力手段は、前記演奏情報入力手段により前記演奏情報が入力されたときは、前記第1の出力音高の発音開始を指示する演奏情報を出力し、前記入力された演奏情報により既に前記入力音高の発音開始が指示されて前記第1の出力音高が発音中であるときに、前記和音情報入力手段により新たな和音情報が入力されたときは、発音状態を維持しながら、前記第1の出力音高から前記第2の出力音高への音高変換を指示する演奏情報を出力する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の演奏制御装置。
  4. 入力音高の発音を指示する演奏情報、および、演奏を条件付ける和音情報を入力し、前記入力音高を前記和音情報に適合する出力音高に変換し、該出力音高の発音をさせる演奏情報を出力することをコンピュータに実行させるための演奏制御用プログラムであって、
    演奏情報入力ステップと、和音情報入力ステップと、音高変換ステップを有し、
    該音高変換ステップは、前記演奏情報入力ステップにより前記演奏情報が入力されたときは、前記入力音高を、入力された演奏情報よりも以前に前記和音情報入力手段により入力されていた前記和音情報に適合する第1の出力音高に変換し、
    前記入力された演奏情報により既に前記入力音高の発音開始が指示されて前記第1の出力音高が発音中であるときに、前記和音情報入力ステップにより新たな和音情報が入力されたときは、前記入力音高を、前記新たな和音情報に適合する第2の出力音高に変換する、
    ことを特徴とする演奏制御用プログラム。
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