JP2004171994A - 多孔質膜を基材としたハイブリッド材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】機能性物質が均一に含有するハイブリッド材料の製法、特に多孔質膜の細孔に簡便な操作で機能性物質、例えばプロトン伝導性物質を充填する燃料電池用電解質膜の製法の提供。
【解決手段】機能性物質又はその溶液に界面活性物質を添加して浸漬液を調製する工程;及び該浸漬液に多孔質膜を浸漬して多孔質膜の細孔に機能性物質、例えばプロトン伝導性物質を充填する工程;を有するハイブリッド材料の製法、特に燃料電池用電解質膜の製法により、上記課題を解決する。
【選択図】 なし
【解決手段】機能性物質又はその溶液に界面活性物質を添加して浸漬液を調製する工程;及び該浸漬液に多孔質膜を浸漬して多孔質膜の細孔に機能性物質、例えばプロトン伝導性物質を充填する工程;を有するハイブリッド材料の製法、特に燃料電池用電解質膜の製法により、上記課題を解決する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、改良された高分子多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法に関し、特に再現性よく且つむらが少なく機能性物質を均一に含有することが可能である高分子多孔質膜を基材としたハイブリッド材料の製造方法に関する。
特に、本発明は電解質膜の製造方法に関し、詳細には固体高分子形燃料電池、更に詳細には直接メタノール形燃料電池用電解質膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多孔質膜内細孔に異なる物質を充填保持することによって新たな機能を発現する試みがなされている。例えば、ベースとなる多孔質膜として、高分子多孔質膜を用いたものが知られている。
【0003】
これらの多孔質膜としては種々のものが知られており、それらの多くは耐熱性、化学的安定性、力学物性、寸法安定性(主としてポリマー)のいずれかが劣り、材料設計の自由度が少ないことが知られている。
【0004】
一方、燃料電池、特に固体高分子形燃料電池において、長期使用の際に問題となる耐クリープ性や電解質膜の水やメタノールなどのアルコール類に対する膨潤は大きな課題であり、特に直接メタノール形燃料電池の場合は、メタノールの透過は起電カの低下をもたらし実用上大きな障害となっている。
【0005】
例えば、直接メタノール形燃料電池として、電解質として固体高分子電解質であるデユポン社のナフィオン(登録商標)膜、ダウケミカル社のダウ膜などを用いた場合には、メタノールが膜を透過してしまうことによる起電力の低下という問題が指摘されている。また、触媒活性を上げると電解質のクリープが大きくなり寸法安定性が損なわれるという問題も指摘されている。さらに、これらの電解質膜は非常に高価であるという経済上の問題も有している。
【0006】
このため、高分子多孔質膜として耐熱性ポリマーであるがポリテトラフルオロエチレン又はポリイミド製の多孔質膜を使用し、多孔性基材の細孔にプロトン伝導性を有するポリマーを充填した電解質膜が燃料電池用電解質膜として好適であることが提案された(特許文献1)。しかしながら前記電解質膜は、基材をプラズマ照射してグラフト重合させる工程を含むため、製造設備コストが上昇するという問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−83612号公報(第1−7頁、9頁)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
燃料電池用電解質膜などのハイブリッド材料を製造する場合、特に耐熱性高分子材料からなる多孔質膜を基材として用いたハイブリッド材料を再現性よく且つむらが少なく機能性物質を均一に含有することが可能とした製造方法が求められている。
また、電解質、特に燃料電池用電解質、より特に直接メタノール形燃料電池用電解質膜に求められる特性を有する、優れた電解質膜のより簡便な製造方法が求められている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
したがって、本発明の目的は、上記課題を解決することにある。
具体的には、本発明の目的は、機能性物質が均一に含有するハイブリッド材料の製造方法を提供することにある。即ち、例えば電解質膜などのハイブリッド材料間及び材料内でのむらが少なく且つ再現性よい製造方法を提供することにある。
【0010】
より具体的には、本発明の目的は、上記目的に加えて、又は上記目的の他に、高分子多孔質膜、特にポリイミド系多孔質膜又はポリオレフィン系多孔質膜に、容易且つ均一に、高い充填率で、むらがないか又はむらが非常に抑えられた状態で、機能性物質を充填させるハイブリッド材料、例えば電解質膜、特に燃料電池用電解質膜の製造方法を提供することにある。
【0011】
本発明の目的は、上記目的に加えて、又は上記目的の他に、高分子多孔質膜、特にポリイミド系多孔質膜又はポリオレフィン系多孔質膜とさまざまな機能性物質とのハイブリッド化がもたらされるハイブリッド材料の製造方法を提供することにある。
特に燃料電池用電解質膜に関しては、本発明の目的は、寸法又は形状の安定化、向上したプロトン伝導性をもたらし、工業的に有益な燃料電池用電解質膜の製造方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の目的は、上記目的に加えて、又は上記目的の他に、多孔質膜の細孔に簡便な操作で機能性物質、例えばプロトン伝導性物質を充填する電解質膜の製造方法、特に良好なプロトン伝導性を有し且つメタノール透過(クロスオーバー)を抑制した直接メタノール形燃料電池用電解質膜の製造方法を提供することにある。
【0013】
本発明者らは、鋭意研究した結果、以下の発明を見出した。
<1> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、以下の(X−1)工程〜(X−4)工程のうちのいずれか1工程、又は任意の2工程の組合せ、又は任意の3工程の組合せ、又はすべての工程を用いて、多孔質膜の細孔に機能性物質を充填するか、及び/又は多孔質膜の細孔に機能性物質を充填した後、以下の(Y−1)工程及び/又は(Y−2)工程を用いるハイブリッド材料の製造方法:
(X−1)多孔質膜を親水化し、その後該多孔質膜を機能性物質又はその溶液に浸漬する工程;
(X−2)機能性物質又はその溶液に界面活性物質を添加し浸漬液を得、該浸漬液に多孔質膜を浸漬する工程;
(X−3)多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で減圧操作を行う工程;及び
(X−4)多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で超音波を照射する工程;。
(Y−1)多孔質膜の両表面に機能性物質を吸収する多孔質基材を接触させる工程;及び
(Y−2)多孔質膜の両表面に過剰に付着する機能性物質を平滑材料で除去する工程。
【0014】
<2> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、以下の(X−1)工程〜(X−4)工程のうちのいずれか1工程、又は任意の2工程の組合せ、又はすべての工程を用いて、前記多孔質膜の細孔に機能性物質を充填するハイブリッド材料の製造方法:
(X−1)多孔質膜を親水化する工程;
(X−2)機能性物質又はその溶液に界面活性物質を添加する工程;
(X−3)多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で減圧操作を行う工程;及び
(X−4)多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で超音波を照射する工程。
【0015】
<3> <2>において、多孔質膜の細孔に機能性物質を充填後、以下の(Y−1)工程及び/又は(Y−2)工程を用いるハイブリッド材料の製造方法:
(Y−1)多孔質膜の両表面に機能性物質を吸収する多孔質基材を接触させる工程;及び
(Y−2)多孔質膜の両表面に過剰に付着する機能性物質を平滑材料で除去する工程。
【0016】
<4> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、多孔質膜の細孔に機能性物質を充填する工程、その後、以下の(Y−1)工程及び/又は(Y−2)工程を用いるハイブリッド材料の製造方法:
(Y−1)多孔質膜の両表面に機能性物質を吸収する多孔質基材を接触させる工程;及び
(Y−2)多孔質膜の両表面に過剰に付着する機能性物質を平滑材料で除去する工程。
【0017】
<5> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、多孔質膜を親水化する工程;及び該多孔質膜を機能性物質又はその溶液に浸漬する工程;を有し、これにより多孔質膜の細孔に機能性物質を充填することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
<6> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、機能性物質又はその溶液に界面活性物質を添加し浸漬液を得る工程;及び該浸漬液に多孔質膜を浸漬する工程;を有し、これにより多孔質膜の細孔に機能性物質を充填することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
【0018】
<7> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で減圧操作を行うことによって、多孔質膜の細孔に機能性物質を充填することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
<8> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で超音波を照射することによって、多孔質膜の細孔に機能性物質を充填することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
【0019】
<9> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、多孔質膜の細孔内に機能性物質を充填した後に、多孔質膜の両表面に機能性物質を吸収する多孔質基材を接触させることを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
<10> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、多孔質膜の細孔内に機能性物質を充填した後に、平滑材料で多孔質膜の両表面に過剰に付着する機能性物質を除去することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
【0020】
<11> 上記<1>〜<10>のいずれかにおいて、多孔質膜がメタノール及び水に対して実質的に膨潤しない材料であるのがよく、例えばガラス、アルミナ又はシリカなどの無機材料;ポリイミド系又はポリオレフィン系などの高分子材料;もしくはこれらの複合材料であるのがよい。
<12> 上記<1>〜<11>のいずれかにおいて、多孔質膜が高分子多孔質膜であり、好ましくはポリイミド系多孔質膜又はポリオレフィン系多孔膜であるのがよい。
【0021】
<13> 上記<1>〜<12>のいずれかにおいて、機能性物質がイオン伝導性を有する材料もしくはその前駆体であるのがよい。
<14> 上記<1>〜<13>のいずれかにおいて、機能性物質がプロトン伝導性を有する材料もしくはその前駆体であるのがよく、プロトン伝導性を有する材料もしくはその前駆体は、プロトン伝導性を有するポリマー又はそれを構成するモノマーであるのがよい。
【0022】
<15> 上記<1>〜<14>のいずれかにおいて、機能性物質がプロトン伝導性を有するポリマーを構成するモノマーであり、多孔質膜の細孔に該モノマーを充填した後、(Y−1)工程及び/又は(Y−2)工程の前後のいずれかにおいて、モノマーを重合させる工程を有するのがよい。
<16> 上記<1>〜<15>のいずれかにおいて、上記(X−2)の界面活性物質添加工程において、さらにラジカル重合開始剤を含有させるのがよい。
【0023】
<17> 上記<1>〜<16>のいずれかにおいて、機能性物質がプロトン伝導性を有するポリマーを構成するモノマーを有し、該モノマーの少なくとも1種が2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸であるのがよい。
<18> 上記<1>〜<17>のいずれかにおいて、前記界面活性物質が、フルオロカーボン骨格の疎水性基を有する界面活性剤を少なくとも1種有するのがよく、好ましくは該界面活性剤であるのがよい。
【0024】
<19> 上記<1>〜<18>のいずれかにおいて、1)細孔に充填された機能性物質がプロトン伝導性ポリマーであるか、又は2)当初充填された機能性物質がプロトン伝導性ポリマーを構成するモノマーであり、その後重合されてプロトン伝導性ポリマーを得、該プロトン伝導性ポリマーが架橋構造を有するのがよい。
【0025】
<20> 上記<1>〜<19>のいずれかにおいて、1)細孔に充填された機能性物質がプロトン伝導性ポリマーであるか、又は2)当初充填された機能性物質がプロトン伝導性ポリマーを構成するモノマーであり、その後重合されてプロトン伝導性ポリマーを得、該プロトン伝導性ポリマーが多孔質膜の界面と化学的に結合しているのがよい。
<21> 上記<1>〜<20>のいずれかの方法により得られるハイブリッド材料は、その細孔にプロトン伝導性ポリマーが充填される、電解質膜、特に固体高分子燃料電池用電解質膜、より特に直接メタノール形燃料電池用電解質膜であるのがよい。
【0026】
<22> 高分子多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法において、高分子多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で減圧操作を行なうことによって、高分子多孔質膜の細孔に機能性物質を充填することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
<23> 高分子多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法において、機能性物質に界面活性物質を添加することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
【0027】
<24> 高分子多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法において、高分子多孔質膜を親水化することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
<25> 高分子多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法において、高分子多孔質膜の細孔内に機能性物質を充填した後に、多孔質膜の両表面に機能性物質を吸収する多孔質基材を接触させることを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
【0028】
<26> 高分子多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法において、高分子多孔質膜の細孔内に機能性物質を充填した後に、平滑な材料で高分子多孔質膜の両表面に過剰に付着する機能性物質を除去することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
<27> 上記<22>〜<26>のいずれか2つ以上を組み合わせるハイブリッド材料の製造方法。
【0029】
<28> 上記<22>〜<27>のいずれかにおいて、高分子多孔質膜がポリイミド系多孔質膜又はポリオレフィン系多孔質膜であるのがよい。
<29> 上記<22>〜<28>のいずれかにおいて、機能性物質がイオン伝導性を有する材料もしくはその前駆体であるのがよい。
<30> 上記<22>〜<29>のいずれかにおいて、機能性物質がプロトン伝導性を有する材料もしくはその前駆体であるのがよい。
【0030】
<31> メタノール及び水に対して実質的に膨潤しない多孔性基材の細孔にプロトン伝導性を有するポリマーを充填してなる電解質膜の製造方法であって、
(a)プロトン伝導性を有するポリマーを構成するモノマー及び界面活性剤を含む溶液に多孔性基材を浸し、細孔内部に該溶液を充填する工程、並びに
(b)該モノマーを細孔内部において重合させる工程、
を含むことを特徴とする電解質膜の製造方法。
【0031】
<32> 上記<31>において、プロトン伝導性を有するポリマーを構成するモノマー及び界面活性剤を含む溶液に多孔性基材を浸し、細孔内部に該溶液を充填する工程を、超音波を照射しながら行うのがよい。
<33> 上記<31>又は<32>において、プロトン伝導性を有するポリマーを構成するモノマー及び界面活性剤を含む溶液中に、更にラジカル重合開始剤を含有させるのがよい。
【0032】
<34> 上記<31>〜<33>のいずれかにおいて、界面活性剤が、フルオロカーボン骨格の疎水性基を有するものであるのがよい。
<35> 上記<31>〜<34>のいずれかにおいて、プロトン伝導性を有するポリマーを構成するモノマーの少なくとも一種が、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸であるのがよい。
【0033】
<36> 上記<31>〜<35>のいずれかにおいて、プロトン伝導性を有するポリマーに、架橋構造を付与するのがよい。
<37> 上記<31>〜<36>のいずれかにおいて、プロトン伝導性を有するポリマーと多孔性基材との界面を化学的に結合させるのがよい。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法を提供する。具体的には、本発明の製造方法は、以下の(X−1)工程〜(X−4)工程のうちのいずれか1工程、又は任意の2工程の組合せ、又はすべての工程を用いて、前記多孔質膜の細孔に機能性物質を充填するか、及び/又は多孔質膜の細孔に機能性物質を充填した後、以下の(Y−1)工程及び/又は(Y−2)工程を用いてハイブリッド材料を得るの製造方法:
(X−1)多孔質膜を親水化する工程;
(X−2)機能性物質又はその溶液に界面活性物質を添加する工程;及び
(X−3)多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で減圧操作を行う工程;
(X−4)多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で超音波を照射する工程;並びに
(Y−1)多孔質膜の両表面に機能性物質を吸収する多孔質基材を接触させる工程;及び
(Y−2)多孔質膜の両表面に過剰に付着する機能性物質を平滑材料で除去する工程。
【0035】
本発明の方法は、(X−1)〜(X−4)からなるX工程群、並びに(Y−1)及び(Y−2)からなるY工程群のうち、いずれか1つの工程を有する。また、本発明の方法は、任意の2以上の工程を有してもよい。
任意の2以上の工程は、X工程群のみから選択しても、Y工程群のみから選択しても、X工程群とY工程群とから選択してもよい。
【0036】
X工程群から2以上の工程を選択する場合、その工程順は、数の小さい方から行うのがよい。即ち、(X−1)と(X−2)工程を行う場合、まず(X−1)工程を行い、その後(X−2)工程を行うのがよい。特に、(X−1)工程を採用する場合、いずれの工程よりも先に行うのがよい。なお、(X−3)工程と(X−4)工程とは、同時に行うこともできる。
【0037】
(Y−1)及び(Y−2)の双方の工程を行う場合、その順序はいずれが先であってもよい。なお、(Y−1)の多孔質基材がY−2の平滑材料である場合、(Y−1)及び(Y−2)の双方の工程を同時に行うことができる。
【0038】
X工程群及びY工程群のうち、いずれか1つの工程を有する本発明の方法により、得られるハイブリッド材料が、機能性物質の充填率向上及び/又は機能性向上、ハイブリッド材料の形状保持性向上(例えば、カールの発生が少ない)という効果を奏することができる。
【0039】
本発明において、細孔に充填する機能性物質がプロトン伝導性ポリマーを構成するモノマーである場合、該モノマーを細孔内に充填した後に重合する工程を有するのがよい。重合工程は、機能性物質であるモノマーの充填後であり、上述のY工程群の前であっても後であってもよい。好ましくは重合工程は、Y工程群の前であるのがよい。また、重合の際に用いるため、ラジカル重合開始剤を、機能性物質であるモノマーと共に、機能性物質として、又は機能性物質に加えて、該ラジカル重合開始剤を細孔内に充填する工程を有するのがよい。該ラジカル重合開始剤の充填工程は、機能性物質の充填工程と同時に行うのがよい。
【0040】
多孔質膜、例えば高分子多孔質膜を親水化させる工程(X−1)は、好適には高分子多孔質膜を酸素雰囲気下に真空プラズマ放電処理することによって達成される。プラズマ放電処理において、アルゴンガス雰囲気下にプラズマ放電処理しても高分子多孔質膜の細孔内に活性点を生成するが、短時間(数秒間)内に消失し親水化は達成されないが、前記の方法による親水化効果は長時間経過後(例えば1〜2周間後)でも効果は維持される。
前記の酸素雰囲気下における真空プラズマ放電処理は、対象となる多孔質膜の厚み、化学構造、多孔質構造によって最適条件を選択することができる、例えば3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)とオキシジアニリン(ODA)の反応から合成される厚みが30μmのポリイミドの多孔質膜の場含には、好適には空気存在下、0.01〜0.5Pa、0.05〜10W/cm2で60〜6000秒間の条件で行うことが好ましい。
なお、親水化工程(X−1)を他のX工程群と組み合わせて行う場合、親水化工程(X−1)を先に行うのが好ましい。
【0041】
本発明に用いる多孔質膜は、例えば、ガラス、アルミナ又はシリカなどの無機材料;もしくはポリイミド又はポリオレフィンなどの有機材料;などを挙げることができるが、これらに限定されない。これらは、単独で用いても、2種以上を複合材料として用いてもよい。また、複合材料として用いる場合、その形態は2層以上が積層してなるものであってもよい。
本発明に用いる多孔質膜は、ある面において、例えば柔軟性及び/又は可撓性、並びに薄膜化の容易性などにおいて、高分子多孔質膜であるのがよく、後に詳細に述べる。
また、本発明によって得られる電解質膜が直接メタノール形燃料電池用電解質膜に用いる意図においては、多孔質膜は、メタノール及び水に対して実質的に膨潤しない材料であるのがよい。これらの例としては、上述の無機材料又は有機材料、もしくはこれらの複合材料などを挙げることができる。
【0042】
本発明の高分子多孔質膜として、ポリイミド系、好適には芳香族ポリイミド系;芳香族ポリアミド系;ポリイミド−アミド系;ポリテトラフルオロエチレン系(例えば、多孔性PTFE膜(日東電工製、平膜)など;ポリオレフィン系;などを挙げることができる。これらの材料は、単独で用いても、2種以上を複合材料として用いてもよい。また、複合材料として用いる場合、その形態は2層以上が積層してなるものであってもよい。特に、本発明の高分子多孔質膜として、ポリイミド系(好適には芳香族ポリイミド系)又はポリオレフィン系であるのがよく、特に耐熱性の点でポリイミド系、化学的耐性の点でポリオレフィン系であるのが好ましい。
【0043】
ポリイミド系多孔質膜は、テトラカルボン酸成分、例えば3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分、例えばオキシジアニリン、ジアミノジフエニルメタン、パラフエニレンジアミンなどの芳香族ジアミンとをN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒中で重合して得られたポリアミック酸溶液から、多孔質化法、例えばポリアミック酸溶液を平坦な基板上に流延して多孔質ポリオレフィン製の溶媒置換速度調整材と接触させた後に水などの凝固液中に浸漬する方法によって、ポリイミド前駆体多孔質フィルムとした後、ポリイミド前駆体多孔質フィルムの両端を固定して大気中で280〜500℃で5〜60分間加熱することによって得ることができる。
【0044】
また、芳香族ポリアミド系多孔質膜は、ポリアミドとポリエステルとの混合組成物をフィルム化する方法、例えば前記混合物を溶融混練し押出し成形する方法あるいは前記混合物の有機溶媒溶液を流延してフィルム化する方法などによってフィルム化した後、ポリエステルを抽出除去することによって得ることができる。
【0045】
また、本発明のポリオレフィン系多孔質膜として、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンを主成分とする高分子材料を挙げることができる。多孔質膜の細孔は、例えば延伸工程、及び/又は造孔剤を微分散させた後に該造孔剤を溶解除去する工程、などによって付与されるが、これらの工程に限定されず、種々の方法を採ることができる。多孔質膜は1種のみであっても、2種又は3種以上のポリオレフィン膜を層状に重ねた構造であっても、2種又は3種以上のポリオレフィンをブレンドして得られたものであってもよい。
ポリオレフィン系多孔質膜は、向上した耐熱性及び/又は弾性率を提供する点で、ポリオレフィン分子内又は分子間が架橋されているのがよい。架橋方法として、例えばシランカップリング剤などの架橋剤をブレンドして架橋させる方法;及び電子線などの放射線の照射による架橋方法;などが挙げられるが、これらに限定されない。
なお、多孔質膜としてポリオレフィン系を用い、燃料電池用電解質膜として応用する場合、ポリオレフィン系多孔膜のガラス転移温度が燃料電池運転温度よりも高いものが好ましい。ポリエチレン等の柔軟なポリオレフィン系多孔膜は、その内部に架橋構造を形成することにより、ガラス転移温度を高めると共に、変形しにくいなどの強度的な特性ももたらすことができる。
【0046】
多孔質膜としては、膜(フィルム)の両面間でガスおよび液体(例えばアルコールなど)が透過できる通路を有するもので、空孔率が好適には5〜95%、好ましくは10〜90%、より好ましくは10%〜80%、最も好ましくは20〜80%であるのがよい。
また、平均細孔径が0.001〜100μm、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.01μm〜1μm、特に0.05〜1μmの範囲内にあるのがよい。
さらに、膜の厚さが1〜300μm(例えば5〜300μm)、特に1〜100μm(例えば5〜100μm)、さらに5〜50μmであるのがよい。多孔膜の空孔率、平均細孔径、及び膜厚は、得られる膜の強度、応用する際の特性、例えば電解質膜として用いる際の特性などの点から、設計するのがよい。
【0047】
本発明において機能性物質としては、種々の機能を与えるモノマー、ゾルゲル、高分子物質が挙げられるが、好適には重合によってイオン伝導性を有する材料、特にプロトン伝導性を有する材料であるのがよい。
特にプロトン伝導性を有する高分子物質を与えるモノマーであるのが好ましい。
これらの例として、
(1)p−スチレンスルホン酸ナトリウム、アクリルアミドのスルホン酸又はホスホン酸誘導体、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アリルホスホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、スチレンスルホン酸、スチレンホスホン酸、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等のアニオン性不飽和モノマーやその塩、など、構造中にビニル基;スルホン酸及びホスホン酸などの強酸基;カルボキシル基などの弱酸基;を有するモノマー及びそのエステルなどの誘導体並びにそれらのポリマー;
(2)アリルアミン、エチレンイミン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのアミノ基含有不飽和モノマー及びそれらの4級化物;など、構造中にビニル基;アミンのような強塩基;又は弱塩基;を有するモノマー及びそのエステルなどの誘導体並びにそれらのポリマー;
(3)(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのノニオン性不飽和モノマー及びその誘導体並びにそれらのポリマー;
を挙げることができる。
このうち(1)はプロトン伝導性を有するものである。(2)及び(3)は、(1)の補助材料として用いるか、ポリマー化した後に強酸をドープすることでプロトン伝導性を付与することができる。
【0048】
これらのモノマーを1種のみ用いてホモポリマーを形成してもよく、2種以上用いてコポリマーを形成してもよい。機能性物質としてナトリウム塩などの塩のタイプを用いた場合、ポリマーとした後に、それらの塩をプロトン型などにするのがよい。
また、コポリマーの場合、前述のポリマー又はモノマーと他種のモノマーとを共重合してもよい。共重合する他種モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、メチレン−ビスアクリルアミドなどを挙げることができる。
なお、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」を、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」を、「(メタ)アリル」は「アリル及び/又はメタリル」を、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート及び/又はメタクリレート」を示す。
【0049】
これらの不飽和モノマーは、1種又は2種以上を選択して用いることできるが、重合後のポリマーのプロトン伝導性を考えると、スルホン酸基を含有する不飽和モノマーを必須成分とすることが好ましい。スルホン酸基を含有する不飽和モノマーの中でも、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を用いると重合性が高く、他のモノマーを使用した場合に比べて高い酸価で残存モノマーの少ないポリマーを得ることができ、得られる膜がプロトン伝導性の優れたものとなるため特に好ましい。
【0050】
また、本発明において上記プロトン伝導性ポリマーは、架橋構造を有してメタノール及び水に対して実質的に溶解しないポリマーであることが望ましい。ポリマーに架橋構造を導入する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができる。具体的には、2個以上の重合性二重結合を有する架橋剤を併用して重合反応を行う方法;ポリマー中の官能基と反応する基を分子内に2個以上有する架橋剤を用いる方法;重合時の水素引き抜き反応による自己架橋を利用する方法;重合後のポリマーに電子線、ガンマ線などの活性エネルギー線を照射する方法;などが挙げられる。これらの方法のうち、架橋構造導入の簡便さから、2個以上の重合性二重結合を有する架橋剤を併用して重合反応をおこなう方法が好ましい。
【0051】
該架橋剤としては、例えばN,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ジビニルベンゼン、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、ジアリルオキシ酢酸塩などが挙げられる。これらの架橋剤は単独で使用することも、必要に応じて2種類以上を併用することも可能である。
上記共重合性架橋剤の使用量は、不飽和モノマーの総質量に対して0.01〜40質量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜30質量%、特に好ましくは1〜20質量%である。架橋剤量は少なすぎると未架橋のポリマーが溶出し易く、多すぎると架橋剤成分が相溶し難いため何れも好ましくない。
【0052】
本発明において機能性物質を充填する方法として、例えば上述のモノマー又はその溶液、好適にはモノマー水溶液中に多孔質膜を浸漬する。なお、水溶液は親水性有機溶媒を含んでもよい。
この状態でモノマー水溶液に界面活性物質を添加するのが好ましい。界面活性物質を併用することで、通常、濡れ性の悪さのためモノマー水溶液が細孔内部に内部に入り込まないケースであっても、細孔内部にまでモノマーの水溶液が充填され、該モノマーを重合することで所望のハイブリッド材料、例えば電解質膜を得ることができる。このような界面活性剤として、例えば次のようなものがある。
【0053】
アニオン性界面活性剤としては、混合脂肪酸ナトリウム石けん、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム石けん、ステアリン酸ナトリウム石けん、オレイン酸カリウム石けん、ヒマシ油カリウム石けんなどの脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミンなどのアルキル硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルナフタレンスルホン酸塩;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸塩;アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリムなどのアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩;アルキルリン酸カリウムなどのアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルアリル)硫酸エステル塩;特殊反応型アニオン界面活性剤;特殊カルボン酸型界面活性剤;β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩などのナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0054】
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ポリオキシエチレン誘導体;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジステアレートなどのソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットなどのポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、自己乳化型グリセロールモノステアレートなどのグリセリン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエートなどのポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルアミン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アルキルアルカノールアミドなどが挙げられる。
【0055】
カチオン性界面活性剤及び両面界面活性剤としては、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテートなどのアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライト、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミンオキサイドなどのアミンオキサイドが挙げられる。
【0056】
さらに、界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤がある。フッ素系界面活性剤を用いることにより少量でモノマー水溶液の濡れ性を改良することができるため不純物としての影響が少なく好ましい。本発明において使用されるフッ素系界面活性剤としては、種々のものがあるが、例えば一般の界面活性剤における疎水性基の水素をフッ素に置換えてパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル基などのフルオロカーボン骨格としたものであり、界面活性が格段に強くなっているものである。フッ素系界面活性剤の親水基を変えると、アニオン型、ノニオン型、カチオン型及び両性型の4種類が得られる。代表的なフッ素系界面活性剤としては、次のものがある。
【0057】
フルオロアルキル(C2 〜C10)カルボン酸、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[フルオロアルキル(C6 〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3 〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6 〜C8 )−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7 〜C13)、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、パーフルオロアルキル(C4 〜C12)スルホン酸塩(Li、K、Na)、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6 〜C10)アルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6 〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩(K)、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキル(C6 〜C16)エチルリン酸エステル、パーフルオロアルケニル第四級アンモニウム塩、パーフルオロアルケニルポリオキシエチレンエーテル、パーフルオロアルケニルスルホン酸ナトリウム塩。
【0058】
また界面活性剤として、シリコーン系界面活性剤がある。シリコーン系界面活性剤を用いることにより少量でモノマー水溶液の濡れ性を改良することができる。本発明において使用されるシリコーン系界面活性剤としては、種々のものがあるが、シリコーンをポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどで親水変成したものなどが挙げられる。
【0059】
これらの界面活性剤の使用量は、共に存在する機能性物質、用いる多孔性膜、所望のハイブリッド材料の特性に依存する。例えば、用いる機能性物質が不飽和モノマーである場合、不飽和モノマーの総重量に対して0.001〜5質量%が好ましく、更に好ましくは0.01〜5質量%、特に好ましくは0.01〜1質量%である。少なすぎると多孔性基材へのモノマーの充填ができず、多すぎても効果は変わらず無駄であるばかりか種類によってはイオン性不純物となって膜中に残存するため、得られるハイブリッド材料、例えば燃料電池用電解質などの性能を低下させるため何れも好ましくない。
【0060】
本発明におけるモノマー水溶液の濃度は、モノマー及び界面活性剤、所望により添加される重合開始剤、その他添加剤などが溶解していればよく特に制限はないが、重合反応進行の観点から5質量%以上が好ましく、さらに好ましくは10質量%以上、特に好ましくは20質量%以上である。
【0061】
本発明の方法において、多孔質膜を機能性物質又はその溶液に浸漬した状態で、減圧操作、好適には104〜10−5Paの減圧状態を10〜300000秒間保持する減圧操作を行い、多孔質膜の細孔内に機能性物質、例えば上述のモノマーを充填させるのがよい。さらに、必要であれば反応開始剤の存在下に紫外線照射及び/又は加熱してモノマーを高分子量化した後真空乾燥する工程(必要であればいずれかの工程を繰り返す)によって、ハイブリッド材料を得るのがよい。
【0062】
本発明の方法において、多孔質膜を機能性物質又はその溶液に浸漬した状態で、超音波を照射するのが好ましい。超音波を照射することで、より短時間で細孔内部に機能性物質の溶液、例えばモノマー水溶液を充填させることができる。また、超音波照射により機能性物質の溶液、例えばモノマー水溶液が脱気され、水溶液中の溶存酸素による重合阻害が低減される。また、重合時の気泡発生やモノマー充填が不十分なときに膜内に発生するピンホールを防止することによって得られるハイブリッド材料、例えば電解質膜の性能低下を抑えることができる。
【0063】
本発明において機能性物質を多孔質膜の細孔内に充填する方法として、例えば機能性物質として上述のモノマー又はその溶液、好適にはモノマー水溶液を用い、該溶液中に多孔質膜を浸漬するのがよい。
モノマーの溶液は、モノマー;ラジカル反応開始剤;エタノール、メタノール、イソプロパノール、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミドなどの有機溶媒、特に親水性有機溶媒;及び水を含み、好適にはモノマー濃度が1〜75質量%、水の割合が99〜25質量%の混合液が挙げられる。
多孔質膜の細孔内に充填されたモノマーを、その後、種々の方法により、重合して細孔内に所望のポリマー、例えばプロトン伝導性のポリマーを生成するのがよい。
【0064】
本発明において、細孔内部にてモノマーを重合させる方法として、公知の水溶液ラジカル重合法の技術を使用することができる。具体例として、レドックス開始重合、熱開始重合、電子線開始重合、紫外線などの光開始重合などが挙げられる。
熱開始重合、レドックス開始重合のラジカル重合開始剤として、次のようなものが挙げられる。2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩などのアゾ化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの過酸化物。上記過酸化物と、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ホルムアミジンスルフィン酸、アスコルビン酸などの還元剤とを組み合わせるとレドックス開始剤となる。または、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、アゾビスシアノ吉草酸などのアゾ系ラジカル重合開始剤がある。これらラジカル重合開始剤は、単独で用いてもよく、二種類以上を併用してもよい。
これらの内、過酸化物系ラジカル重合開始剤は炭素水素結合から水素を引き抜くことによってラジカルを発生することができるため多孔質膜としてポリオレフィンなどの有機材料と併用すると多孔質膜表面と充填ポリマーの間に化学結合を形成することができ好ましい。
【0065】
上記重合開始手段の内、重合反応の制御がし易く、比較的簡便なプロセスで生産性良く所望のハイブリッド材料、例えば所望の電解質膜が得られる点で、紫外線による光開始重合が望ましい。光開始重合させる場合、ラジカル系光重合開始剤をモノマー水溶液中に予め溶解もしくは分散させておくことがより好ましい。
ラジカル系光重合開始剤の具体例としては、一般に紫外線重合に利用されているベンゾイン、ベンジル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キノン、チオキサントン、チオアクリドン及びこれらの誘導体などが挙げられる。また、当該誘導体の例としては、ベンゾイン系のものとして、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル;アセトフェノン系のものとして、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシジ−2−メチル−1−プロパン−1−オン;ベンゾフェノン系のものとして、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−n,n−ジメチル−N−[2−(1−オキシ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0066】
これら光重合開始剤の使用量は、機能性物質であるモノマーの総重量、例えば不飽和モノマーの総質量に対して0.001〜1質量%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.5質量%、特に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
またこれらの内、ベンゾフェノン、チオキサントン、キノン、チオアクリドンなどの芳香族ケトン系ラジカル重合開始剤は炭素水素結合から水素を引き抜くことによってラジカルを発生することができるため多孔質膜としてポリオレフィンなどの有機材料と併用すると該多孔質膜表面と充填ポリマーの間に化学結合を形成することができ好ましい。
【0067】
なお、上述したように、本発明のある面において、多孔質膜に充填した機能性物質であるモノマーから生成したプロトン伝導性ポリマー、又は多孔質膜に充填した機能性物質であるプロトン伝導性ポリマーは、多孔質膜の界面と化学的結合を有していることが好ましい。化学的結合を形成するための手段として、上述したように、モノマー充填工程の前に多孔質膜に電子線、紫外線、プラズマなどを照射して多孔質膜表面にラジカルを発生させる方法、後述の水素引き抜き型のラジカル重合開始剤を用いる方法などがある。工程が簡便である点から水素引き抜き型のラジカル重合開始剤を用いるのが好ましい。
【0068】
本発明の方法において、多孔質膜の細孔に機能性物質を充填した後に、多孔質膜の両表面に機能性物質を吸収する多孔質基材を接触させる工程Y−1を有するのがよい。この多孔質基材として、薬包紙、不織布、濾紙、和紙などが挙げられる。
【0069】
本発明において、多孔質膜、例えば高分子多孔質膜の細孔内に機能性物質を充填した後に、平滑な材料、例えばガラス、非腐蝕性金属(例えばステンレス金属)、プラスチック製板、ヘらで高分子多孔質膜の両表面に過剰に付着する機能性物質を除去する工程Y−2を有するのがよい。
該Y−2工程は、上記Y−1工程の代りに、又はY−1工程と共にY−1工程の前後に行うのがよい。
【0070】
本発明のハイブリッド材料の製造方法によって、例えば高耐熱性高分子フィルムが基材として用い且つ該基材が種々の機能を有する物質を保持し、再現性よく且つ均質で平面性の良好な機能性材料が得ることができる。
【0071】
本発明の製造方法によって得られるハイブリッド材料は、上記の性能を有するので、電解質膜又は燃料電池として好適である。特に電解質膜は、燃料電池、特に直接メタノール形固体高分子燃料電池に用いるのが好ましい。なお、メタノール形燃料電池は、カソード極、アノード極、及び該両極に挟まれた電解質から構成され、該電解質として本発明のハイブリッド材料は用いることができる。
【0072】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳しく説明するが、本発明の範囲がこれらの例により限定されるものではない。また、実施例及び比較例中の%は特に断りの無い限り質量%を、また部は質量部を意味するものとする。
得られた電解質膜のメタノール透過性及びプロトン伝導性は以下のように評価した。本評価の結果メタノール透過性が小さくプロトン伝導性が大きいほど直接メタノール形燃料電池用電解質膜として適しているといえる。
【0073】
<メタノール透過性>
25℃における浸透気化実験を行った。供給液は10%メタノール水溶液であり、透過側を減圧にした。用いた装置の構成は以下の通りであった。即ち、膜をガラス製セルに挟み、膜上面に上記供給液を入れ、膜下面はコールドトラップを経由した後に、真空ポンプを設置した。膜下面、即ち透過側を減圧し、コールドトラップ中に膜を透過したメタノール・水蒸気を捕集した。捕集した混合液中のメタノール量をガスクロマトグラフ分析により定量した。減圧開始から1時間経過後にトラップされたメタノール質量を比較した。
<プロトン伝導性>
試料を純水に1時間浸漬した後、ヒューレットパッカード社製インピーダンスアナライザーHP4194Aを用いて交流インピーダンスを測定し、コールコールプロットから抵抗値を読み取り、プロトン伝導率を算出した。
【0074】
(比較例1)
プロトン伝導性高分子のモノマーである2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とN,N−メチレンビスアクリルアミド及び反応開始材であるV−50(商品名:和光純薬(株))を好適に水中に溶解して作製したモノマー水溶液に、アセトンに一度浸漬しその後一次水に浸すことで水との親水性を一次的に高めたs−BPDA/ODA組成のポリイミド多孔質膜を浸漬した。十分時間を置いた後に多孔質膜を取り出しガラス板ではさみ、紫外線を照射することで膜内に充填したモノマーを重合し電解質膜を得た。作成した電解質膜を流水で約3分間洗浄し、膜の両表面に付着する過剰なポリマーを取り除き膜を平滑化した。さらに、一次水中で超音波洗浄を施した。
上記の工程により電解質膜を作成したが、目視で容易に確認できる電解質膜の充填斑が生じていた。また、多孔質膜の多孔構造によっては水で膨潤させた際に膜が丸まってしまう現象が見られた。
【0075】
(実施例1)
モノマー水溶液に浸漬時に、膜を溶液内に浸漬させた状態で減圧操作を施す以外は比較例1と同様にして、ハイブリッド電解質膜を製造した。その結果、得られた膜は比較例1と比べて目視で明らかに充填材料の充填斑が改善されていた。電解質の充填率を重量により見積もったところ、比較例1と比べて1割以上向上していた。
【0076】
(実施例2)
モノマー水溶液中に対して界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を0.01〜5重量%の濃度で添加した溶液にポリイミド多孔質膜を浸漬した以外は比較例1と同様に実施して、ハイブリッド電解質膜を製造した。その結果、いずれの界面活性剤濃度においても、ポリイミド多孔質膜はモノマー水溶液中に沈降し、得られた膜は比較例1と比べて目視で明らかに充填材料の充填斑が改善されていた。電解質の充填率を重量により見積もったところ、比較例1と比べて充填率が1割以上向上しており、特に界面活性剤の濃度が0.5〜l重量%の範囲で充填率の向上と充填班の解消効果が大きかった。
【0077】
(実施例3)
ポリイミド多孔質膜に、プラズマ照射処理により親水化されたポリイミド多孔質膜を用いる以外は、比較例1と同様に実施して、ハイブリッド電解質膜を製造した。得られた膜は比較例1と比べて目視で明らかに充填材料の充填斑が改善されていた。電解質の充填率を重量により見積もったところ、比較例1と比べて充填率が1割以上向上していた。
【0078】
(実施例4)
紫外線照射により重合した後に膜を水にさらし、その状態で薬包紙で該電解質膜を挟み込み多孔質膜表面に過剰に付着した電解質を取り除く以外は、比較例1と同様の実施して、ハイブリッド電解質膜を得た。得られた膜は、水で膨潤しても丸まることが無く、且つ見かけの電解質の充填率はほとんど変わらなかったが、プロトン伝導度は比較例1と比べて2割以上大きな値となった。
【0079】
(実施例5)
モノマー水溶液をポリイミド多孔質膜内部に浸漬、充填した後に、多孔質膜の両面をポリプロピレン製のへらでなぞることにより、両面に過剰に付着した電解質モノマーを除去した以外は比較例1と同様に実施して、ハイブリッド電解質膜を得た。得られた膜は、水で膨潤しても丸まることが無く、また見かけの電解質の充填率は比較例1と比べてやや減少したが、プロトン伝導度は同等であった。
【0080】
(実施例6)
ポリイミド多孔質膜に、プラズマ照射処理により親水化されたポリイミド多孔質膜を用い、モノマー水溶液に浸漬時に膜を溶液内に浸漬させた状態で減圧操作を施す以外は比較例1と同様にして、ハイブリッド電解質膜を製造した。得られた膜は水で膨潤しても丸まることが無く、また見かけの電解質の充填率は比較例1、実施例5と比べて1割以上大きくなった。また、プロトン伝導度は比較例1、実施例5と比べて2割以上大きな値となった。
【0081】
(実施例7)
多孔性基材として架橋ポリエチレン膜(厚さ16μm、空孔率40%)を用いた。2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸50部、N,N−メチレンビスアクリルアミド0.05部、フルオロカーボン骨格を有するノニオン性界面活性剤0.005部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(水素引き抜き型光重合開始剤)0.005部、水50部からなるモノマー水溶液に、該多孔性膜を浸漬させた。浸漬30分後には、白色であった基材膜が半透明状態となり、基材の細孔内部にモノマー水溶液が充填されていることが確認できた。次いで、多孔性基材膜を溶液から引き上げた後、高圧水銀ランプにて紫外線を2分間照射して細孔内部のモノマーを重合させた。その後、蒸留水で洗浄後、乾燥させて電解質膜を得た。得られた膜のメタノール透過性及びプロトン伝導性の評価結果を表1に示す。
【0082】
(実施例8)
実施例7における界面活性剤を、フルオロカーボン骨格を有するアニオン性界面活性剤に替えた以外は実施例7と同様にして電解質膜を得て評価した。
【0083】
(実施例9)
実施例7における界面活性剤を、フルオロカーボン骨格を有しないノニオン性界面活性剤に替え、添加量を0.05部にした以外は実施例7と同様にして電解質膜を得て評価した。
【0084】
(実施例10)
実施例7における界面活性剤を、実施例9とは別のフルオロカーボン骨格を有しないノニオン性界面活性剤に替え、添加量を0.05部にした以外は実施例7と同様にして電解質膜を得て評価した。
【0085】
(実施例11)
実施例7と同様のモノマー水溶液を用い、充填時にモノマー水溶液を入れた容器を超音波照射洗浄器に浸し超音波を照射しながら充填を行ったところ、10分以内に充填が完了した。それ以外は実施例7と同様にして電解質膜を得て評価した。
【0086】
(実施例12)
実施例7における2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を、アクリル酸47.5部、ビニルスルホン酸2.5部に替えた以外は実施例7と同様にして電解質膜を得て評価した。
ビニルスルホン酸は単独で用いると重合性が悪く、評価ができないためアクリル酸と併用した。
【0087】
(比較例2)
モノマー水溶液に界面活性剤を配合しないこと以外は、実施例7と同様に、多孔性基材をモノマー水溶液に浸漬させたところ、2時間経過後も基材は白色のままであり、更に実施例11と同様の超音波照射も行ってもモノマー水溶液が細孔内部へ充填されなかった。このため電解質膜を得ることができなかった。
【0088】
(比較例3)
ポリパーフルオロカーボン製イオン交換膜(商品名Nafion115、デュポン社製)の評価結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
【発明の効果】
本発明により、機能性物質が均一に含有する、例えば電解質膜などのハイブリッド材料を提供することができる。即ち、該材料間及び材料内でのむらが少なく且つ再現性よい、電解質膜などのハイブリッド材料の製造方法を提供することができる。
また、本発明により、上記効果に加えて、又は上記効果の他に、高分子多孔質膜、特にポリイミド多孔質膜に、容易且つ均一に、高い充填率で、むらがないか又はむらが非常に抑えられた状態で、機能性物質を充填させるハイブリッド材料、、例えば電解質膜、特に燃料電池用電解質膜の製造方法を提供することができる。
【0091】
本発明により、上記効果に加えて、又は上記効果の他に、高分子多孔質膜、特にポリイミド多孔質膜とさまざまな機能性物質とのハイブリッド化がもたらされるハイブリッド材料、例えば電解質膜などの製造方法を提供することができる。
特に燃料電池用電解質膜に関して、本発明により、寸法又は形状の安定化、向上したプロトン伝導性をもたらし、工業的に有益な燃料電池用電解質膜の製造方法を提供することができる。
【0092】
さらに、本発明により、上記効果に加えて、又は上記効果の他に、多孔質膜の細孔に簡便な操作で機能性物質、例えばプロトン伝導性物質を充填する電解質膜の製造方法、特に良好なプロトン伝導性を有し且つメタノール透過(クロスオーバー)を抑制した直接メタノール形燃料電池用電解質膜の製造方法を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、改良された高分子多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法に関し、特に再現性よく且つむらが少なく機能性物質を均一に含有することが可能である高分子多孔質膜を基材としたハイブリッド材料の製造方法に関する。
特に、本発明は電解質膜の製造方法に関し、詳細には固体高分子形燃料電池、更に詳細には直接メタノール形燃料電池用電解質膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多孔質膜内細孔に異なる物質を充填保持することによって新たな機能を発現する試みがなされている。例えば、ベースとなる多孔質膜として、高分子多孔質膜を用いたものが知られている。
【0003】
これらの多孔質膜としては種々のものが知られており、それらの多くは耐熱性、化学的安定性、力学物性、寸法安定性(主としてポリマー)のいずれかが劣り、材料設計の自由度が少ないことが知られている。
【0004】
一方、燃料電池、特に固体高分子形燃料電池において、長期使用の際に問題となる耐クリープ性や電解質膜の水やメタノールなどのアルコール類に対する膨潤は大きな課題であり、特に直接メタノール形燃料電池の場合は、メタノールの透過は起電カの低下をもたらし実用上大きな障害となっている。
【0005】
例えば、直接メタノール形燃料電池として、電解質として固体高分子電解質であるデユポン社のナフィオン(登録商標)膜、ダウケミカル社のダウ膜などを用いた場合には、メタノールが膜を透過してしまうことによる起電力の低下という問題が指摘されている。また、触媒活性を上げると電解質のクリープが大きくなり寸法安定性が損なわれるという問題も指摘されている。さらに、これらの電解質膜は非常に高価であるという経済上の問題も有している。
【0006】
このため、高分子多孔質膜として耐熱性ポリマーであるがポリテトラフルオロエチレン又はポリイミド製の多孔質膜を使用し、多孔性基材の細孔にプロトン伝導性を有するポリマーを充填した電解質膜が燃料電池用電解質膜として好適であることが提案された(特許文献1)。しかしながら前記電解質膜は、基材をプラズマ照射してグラフト重合させる工程を含むため、製造設備コストが上昇するという問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−83612号公報(第1−7頁、9頁)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
燃料電池用電解質膜などのハイブリッド材料を製造する場合、特に耐熱性高分子材料からなる多孔質膜を基材として用いたハイブリッド材料を再現性よく且つむらが少なく機能性物質を均一に含有することが可能とした製造方法が求められている。
また、電解質、特に燃料電池用電解質、より特に直接メタノール形燃料電池用電解質膜に求められる特性を有する、優れた電解質膜のより簡便な製造方法が求められている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
したがって、本発明の目的は、上記課題を解決することにある。
具体的には、本発明の目的は、機能性物質が均一に含有するハイブリッド材料の製造方法を提供することにある。即ち、例えば電解質膜などのハイブリッド材料間及び材料内でのむらが少なく且つ再現性よい製造方法を提供することにある。
【0010】
より具体的には、本発明の目的は、上記目的に加えて、又は上記目的の他に、高分子多孔質膜、特にポリイミド系多孔質膜又はポリオレフィン系多孔質膜に、容易且つ均一に、高い充填率で、むらがないか又はむらが非常に抑えられた状態で、機能性物質を充填させるハイブリッド材料、例えば電解質膜、特に燃料電池用電解質膜の製造方法を提供することにある。
【0011】
本発明の目的は、上記目的に加えて、又は上記目的の他に、高分子多孔質膜、特にポリイミド系多孔質膜又はポリオレフィン系多孔質膜とさまざまな機能性物質とのハイブリッド化がもたらされるハイブリッド材料の製造方法を提供することにある。
特に燃料電池用電解質膜に関しては、本発明の目的は、寸法又は形状の安定化、向上したプロトン伝導性をもたらし、工業的に有益な燃料電池用電解質膜の製造方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の目的は、上記目的に加えて、又は上記目的の他に、多孔質膜の細孔に簡便な操作で機能性物質、例えばプロトン伝導性物質を充填する電解質膜の製造方法、特に良好なプロトン伝導性を有し且つメタノール透過(クロスオーバー)を抑制した直接メタノール形燃料電池用電解質膜の製造方法を提供することにある。
【0013】
本発明者らは、鋭意研究した結果、以下の発明を見出した。
<1> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、以下の(X−1)工程〜(X−4)工程のうちのいずれか1工程、又は任意の2工程の組合せ、又は任意の3工程の組合せ、又はすべての工程を用いて、多孔質膜の細孔に機能性物質を充填するか、及び/又は多孔質膜の細孔に機能性物質を充填した後、以下の(Y−1)工程及び/又は(Y−2)工程を用いるハイブリッド材料の製造方法:
(X−1)多孔質膜を親水化し、その後該多孔質膜を機能性物質又はその溶液に浸漬する工程;
(X−2)機能性物質又はその溶液に界面活性物質を添加し浸漬液を得、該浸漬液に多孔質膜を浸漬する工程;
(X−3)多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で減圧操作を行う工程;及び
(X−4)多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で超音波を照射する工程;。
(Y−1)多孔質膜の両表面に機能性物質を吸収する多孔質基材を接触させる工程;及び
(Y−2)多孔質膜の両表面に過剰に付着する機能性物質を平滑材料で除去する工程。
【0014】
<2> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、以下の(X−1)工程〜(X−4)工程のうちのいずれか1工程、又は任意の2工程の組合せ、又はすべての工程を用いて、前記多孔質膜の細孔に機能性物質を充填するハイブリッド材料の製造方法:
(X−1)多孔質膜を親水化する工程;
(X−2)機能性物質又はその溶液に界面活性物質を添加する工程;
(X−3)多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で減圧操作を行う工程;及び
(X−4)多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で超音波を照射する工程。
【0015】
<3> <2>において、多孔質膜の細孔に機能性物質を充填後、以下の(Y−1)工程及び/又は(Y−2)工程を用いるハイブリッド材料の製造方法:
(Y−1)多孔質膜の両表面に機能性物質を吸収する多孔質基材を接触させる工程;及び
(Y−2)多孔質膜の両表面に過剰に付着する機能性物質を平滑材料で除去する工程。
【0016】
<4> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、多孔質膜の細孔に機能性物質を充填する工程、その後、以下の(Y−1)工程及び/又は(Y−2)工程を用いるハイブリッド材料の製造方法:
(Y−1)多孔質膜の両表面に機能性物質を吸収する多孔質基材を接触させる工程;及び
(Y−2)多孔質膜の両表面に過剰に付着する機能性物質を平滑材料で除去する工程。
【0017】
<5> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、多孔質膜を親水化する工程;及び該多孔質膜を機能性物質又はその溶液に浸漬する工程;を有し、これにより多孔質膜の細孔に機能性物質を充填することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
<6> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、機能性物質又はその溶液に界面活性物質を添加し浸漬液を得る工程;及び該浸漬液に多孔質膜を浸漬する工程;を有し、これにより多孔質膜の細孔に機能性物質を充填することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
【0018】
<7> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で減圧操作を行うことによって、多孔質膜の細孔に機能性物質を充填することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
<8> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で超音波を照射することによって、多孔質膜の細孔に機能性物質を充填することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
【0019】
<9> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、多孔質膜の細孔内に機能性物質を充填した後に、多孔質膜の両表面に機能性物質を吸収する多孔質基材を接触させることを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
<10> 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、多孔質膜の細孔内に機能性物質を充填した後に、平滑材料で多孔質膜の両表面に過剰に付着する機能性物質を除去することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
【0020】
<11> 上記<1>〜<10>のいずれかにおいて、多孔質膜がメタノール及び水に対して実質的に膨潤しない材料であるのがよく、例えばガラス、アルミナ又はシリカなどの無機材料;ポリイミド系又はポリオレフィン系などの高分子材料;もしくはこれらの複合材料であるのがよい。
<12> 上記<1>〜<11>のいずれかにおいて、多孔質膜が高分子多孔質膜であり、好ましくはポリイミド系多孔質膜又はポリオレフィン系多孔膜であるのがよい。
【0021】
<13> 上記<1>〜<12>のいずれかにおいて、機能性物質がイオン伝導性を有する材料もしくはその前駆体であるのがよい。
<14> 上記<1>〜<13>のいずれかにおいて、機能性物質がプロトン伝導性を有する材料もしくはその前駆体であるのがよく、プロトン伝導性を有する材料もしくはその前駆体は、プロトン伝導性を有するポリマー又はそれを構成するモノマーであるのがよい。
【0022】
<15> 上記<1>〜<14>のいずれかにおいて、機能性物質がプロトン伝導性を有するポリマーを構成するモノマーであり、多孔質膜の細孔に該モノマーを充填した後、(Y−1)工程及び/又は(Y−2)工程の前後のいずれかにおいて、モノマーを重合させる工程を有するのがよい。
<16> 上記<1>〜<15>のいずれかにおいて、上記(X−2)の界面活性物質添加工程において、さらにラジカル重合開始剤を含有させるのがよい。
【0023】
<17> 上記<1>〜<16>のいずれかにおいて、機能性物質がプロトン伝導性を有するポリマーを構成するモノマーを有し、該モノマーの少なくとも1種が2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸であるのがよい。
<18> 上記<1>〜<17>のいずれかにおいて、前記界面活性物質が、フルオロカーボン骨格の疎水性基を有する界面活性剤を少なくとも1種有するのがよく、好ましくは該界面活性剤であるのがよい。
【0024】
<19> 上記<1>〜<18>のいずれかにおいて、1)細孔に充填された機能性物質がプロトン伝導性ポリマーであるか、又は2)当初充填された機能性物質がプロトン伝導性ポリマーを構成するモノマーであり、その後重合されてプロトン伝導性ポリマーを得、該プロトン伝導性ポリマーが架橋構造を有するのがよい。
【0025】
<20> 上記<1>〜<19>のいずれかにおいて、1)細孔に充填された機能性物質がプロトン伝導性ポリマーであるか、又は2)当初充填された機能性物質がプロトン伝導性ポリマーを構成するモノマーであり、その後重合されてプロトン伝導性ポリマーを得、該プロトン伝導性ポリマーが多孔質膜の界面と化学的に結合しているのがよい。
<21> 上記<1>〜<20>のいずれかの方法により得られるハイブリッド材料は、その細孔にプロトン伝導性ポリマーが充填される、電解質膜、特に固体高分子燃料電池用電解質膜、より特に直接メタノール形燃料電池用電解質膜であるのがよい。
【0026】
<22> 高分子多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法において、高分子多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で減圧操作を行なうことによって、高分子多孔質膜の細孔に機能性物質を充填することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
<23> 高分子多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法において、機能性物質に界面活性物質を添加することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
【0027】
<24> 高分子多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法において、高分子多孔質膜を親水化することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
<25> 高分子多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法において、高分子多孔質膜の細孔内に機能性物質を充填した後に、多孔質膜の両表面に機能性物質を吸収する多孔質基材を接触させることを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
【0028】
<26> 高分子多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法において、高分子多孔質膜の細孔内に機能性物質を充填した後に、平滑な材料で高分子多孔質膜の両表面に過剰に付着する機能性物質を除去することを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
<27> 上記<22>〜<26>のいずれか2つ以上を組み合わせるハイブリッド材料の製造方法。
【0029】
<28> 上記<22>〜<27>のいずれかにおいて、高分子多孔質膜がポリイミド系多孔質膜又はポリオレフィン系多孔質膜であるのがよい。
<29> 上記<22>〜<28>のいずれかにおいて、機能性物質がイオン伝導性を有する材料もしくはその前駆体であるのがよい。
<30> 上記<22>〜<29>のいずれかにおいて、機能性物質がプロトン伝導性を有する材料もしくはその前駆体であるのがよい。
【0030】
<31> メタノール及び水に対して実質的に膨潤しない多孔性基材の細孔にプロトン伝導性を有するポリマーを充填してなる電解質膜の製造方法であって、
(a)プロトン伝導性を有するポリマーを構成するモノマー及び界面活性剤を含む溶液に多孔性基材を浸し、細孔内部に該溶液を充填する工程、並びに
(b)該モノマーを細孔内部において重合させる工程、
を含むことを特徴とする電解質膜の製造方法。
【0031】
<32> 上記<31>において、プロトン伝導性を有するポリマーを構成するモノマー及び界面活性剤を含む溶液に多孔性基材を浸し、細孔内部に該溶液を充填する工程を、超音波を照射しながら行うのがよい。
<33> 上記<31>又は<32>において、プロトン伝導性を有するポリマーを構成するモノマー及び界面活性剤を含む溶液中に、更にラジカル重合開始剤を含有させるのがよい。
【0032】
<34> 上記<31>〜<33>のいずれかにおいて、界面活性剤が、フルオロカーボン骨格の疎水性基を有するものであるのがよい。
<35> 上記<31>〜<34>のいずれかにおいて、プロトン伝導性を有するポリマーを構成するモノマーの少なくとも一種が、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸であるのがよい。
【0033】
<36> 上記<31>〜<35>のいずれかにおいて、プロトン伝導性を有するポリマーに、架橋構造を付与するのがよい。
<37> 上記<31>〜<36>のいずれかにおいて、プロトン伝導性を有するポリマーと多孔性基材との界面を化学的に結合させるのがよい。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法を提供する。具体的には、本発明の製造方法は、以下の(X−1)工程〜(X−4)工程のうちのいずれか1工程、又は任意の2工程の組合せ、又はすべての工程を用いて、前記多孔質膜の細孔に機能性物質を充填するか、及び/又は多孔質膜の細孔に機能性物質を充填した後、以下の(Y−1)工程及び/又は(Y−2)工程を用いてハイブリッド材料を得るの製造方法:
(X−1)多孔質膜を親水化する工程;
(X−2)機能性物質又はその溶液に界面活性物質を添加する工程;及び
(X−3)多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で減圧操作を行う工程;
(X−4)多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で超音波を照射する工程;並びに
(Y−1)多孔質膜の両表面に機能性物質を吸収する多孔質基材を接触させる工程;及び
(Y−2)多孔質膜の両表面に過剰に付着する機能性物質を平滑材料で除去する工程。
【0035】
本発明の方法は、(X−1)〜(X−4)からなるX工程群、並びに(Y−1)及び(Y−2)からなるY工程群のうち、いずれか1つの工程を有する。また、本発明の方法は、任意の2以上の工程を有してもよい。
任意の2以上の工程は、X工程群のみから選択しても、Y工程群のみから選択しても、X工程群とY工程群とから選択してもよい。
【0036】
X工程群から2以上の工程を選択する場合、その工程順は、数の小さい方から行うのがよい。即ち、(X−1)と(X−2)工程を行う場合、まず(X−1)工程を行い、その後(X−2)工程を行うのがよい。特に、(X−1)工程を採用する場合、いずれの工程よりも先に行うのがよい。なお、(X−3)工程と(X−4)工程とは、同時に行うこともできる。
【0037】
(Y−1)及び(Y−2)の双方の工程を行う場合、その順序はいずれが先であってもよい。なお、(Y−1)の多孔質基材がY−2の平滑材料である場合、(Y−1)及び(Y−2)の双方の工程を同時に行うことができる。
【0038】
X工程群及びY工程群のうち、いずれか1つの工程を有する本発明の方法により、得られるハイブリッド材料が、機能性物質の充填率向上及び/又は機能性向上、ハイブリッド材料の形状保持性向上(例えば、カールの発生が少ない)という効果を奏することができる。
【0039】
本発明において、細孔に充填する機能性物質がプロトン伝導性ポリマーを構成するモノマーである場合、該モノマーを細孔内に充填した後に重合する工程を有するのがよい。重合工程は、機能性物質であるモノマーの充填後であり、上述のY工程群の前であっても後であってもよい。好ましくは重合工程は、Y工程群の前であるのがよい。また、重合の際に用いるため、ラジカル重合開始剤を、機能性物質であるモノマーと共に、機能性物質として、又は機能性物質に加えて、該ラジカル重合開始剤を細孔内に充填する工程を有するのがよい。該ラジカル重合開始剤の充填工程は、機能性物質の充填工程と同時に行うのがよい。
【0040】
多孔質膜、例えば高分子多孔質膜を親水化させる工程(X−1)は、好適には高分子多孔質膜を酸素雰囲気下に真空プラズマ放電処理することによって達成される。プラズマ放電処理において、アルゴンガス雰囲気下にプラズマ放電処理しても高分子多孔質膜の細孔内に活性点を生成するが、短時間(数秒間)内に消失し親水化は達成されないが、前記の方法による親水化効果は長時間経過後(例えば1〜2周間後)でも効果は維持される。
前記の酸素雰囲気下における真空プラズマ放電処理は、対象となる多孔質膜の厚み、化学構造、多孔質構造によって最適条件を選択することができる、例えば3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)とオキシジアニリン(ODA)の反応から合成される厚みが30μmのポリイミドの多孔質膜の場含には、好適には空気存在下、0.01〜0.5Pa、0.05〜10W/cm2で60〜6000秒間の条件で行うことが好ましい。
なお、親水化工程(X−1)を他のX工程群と組み合わせて行う場合、親水化工程(X−1)を先に行うのが好ましい。
【0041】
本発明に用いる多孔質膜は、例えば、ガラス、アルミナ又はシリカなどの無機材料;もしくはポリイミド又はポリオレフィンなどの有機材料;などを挙げることができるが、これらに限定されない。これらは、単独で用いても、2種以上を複合材料として用いてもよい。また、複合材料として用いる場合、その形態は2層以上が積層してなるものであってもよい。
本発明に用いる多孔質膜は、ある面において、例えば柔軟性及び/又は可撓性、並びに薄膜化の容易性などにおいて、高分子多孔質膜であるのがよく、後に詳細に述べる。
また、本発明によって得られる電解質膜が直接メタノール形燃料電池用電解質膜に用いる意図においては、多孔質膜は、メタノール及び水に対して実質的に膨潤しない材料であるのがよい。これらの例としては、上述の無機材料又は有機材料、もしくはこれらの複合材料などを挙げることができる。
【0042】
本発明の高分子多孔質膜として、ポリイミド系、好適には芳香族ポリイミド系;芳香族ポリアミド系;ポリイミド−アミド系;ポリテトラフルオロエチレン系(例えば、多孔性PTFE膜(日東電工製、平膜)など;ポリオレフィン系;などを挙げることができる。これらの材料は、単独で用いても、2種以上を複合材料として用いてもよい。また、複合材料として用いる場合、その形態は2層以上が積層してなるものであってもよい。特に、本発明の高分子多孔質膜として、ポリイミド系(好適には芳香族ポリイミド系)又はポリオレフィン系であるのがよく、特に耐熱性の点でポリイミド系、化学的耐性の点でポリオレフィン系であるのが好ましい。
【0043】
ポリイミド系多孔質膜は、テトラカルボン酸成分、例えば3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分、例えばオキシジアニリン、ジアミノジフエニルメタン、パラフエニレンジアミンなどの芳香族ジアミンとをN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒中で重合して得られたポリアミック酸溶液から、多孔質化法、例えばポリアミック酸溶液を平坦な基板上に流延して多孔質ポリオレフィン製の溶媒置換速度調整材と接触させた後に水などの凝固液中に浸漬する方法によって、ポリイミド前駆体多孔質フィルムとした後、ポリイミド前駆体多孔質フィルムの両端を固定して大気中で280〜500℃で5〜60分間加熱することによって得ることができる。
【0044】
また、芳香族ポリアミド系多孔質膜は、ポリアミドとポリエステルとの混合組成物をフィルム化する方法、例えば前記混合物を溶融混練し押出し成形する方法あるいは前記混合物の有機溶媒溶液を流延してフィルム化する方法などによってフィルム化した後、ポリエステルを抽出除去することによって得ることができる。
【0045】
また、本発明のポリオレフィン系多孔質膜として、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンを主成分とする高分子材料を挙げることができる。多孔質膜の細孔は、例えば延伸工程、及び/又は造孔剤を微分散させた後に該造孔剤を溶解除去する工程、などによって付与されるが、これらの工程に限定されず、種々の方法を採ることができる。多孔質膜は1種のみであっても、2種又は3種以上のポリオレフィン膜を層状に重ねた構造であっても、2種又は3種以上のポリオレフィンをブレンドして得られたものであってもよい。
ポリオレフィン系多孔質膜は、向上した耐熱性及び/又は弾性率を提供する点で、ポリオレフィン分子内又は分子間が架橋されているのがよい。架橋方法として、例えばシランカップリング剤などの架橋剤をブレンドして架橋させる方法;及び電子線などの放射線の照射による架橋方法;などが挙げられるが、これらに限定されない。
なお、多孔質膜としてポリオレフィン系を用い、燃料電池用電解質膜として応用する場合、ポリオレフィン系多孔膜のガラス転移温度が燃料電池運転温度よりも高いものが好ましい。ポリエチレン等の柔軟なポリオレフィン系多孔膜は、その内部に架橋構造を形成することにより、ガラス転移温度を高めると共に、変形しにくいなどの強度的な特性ももたらすことができる。
【0046】
多孔質膜としては、膜(フィルム)の両面間でガスおよび液体(例えばアルコールなど)が透過できる通路を有するもので、空孔率が好適には5〜95%、好ましくは10〜90%、より好ましくは10%〜80%、最も好ましくは20〜80%であるのがよい。
また、平均細孔径が0.001〜100μm、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.01μm〜1μm、特に0.05〜1μmの範囲内にあるのがよい。
さらに、膜の厚さが1〜300μm(例えば5〜300μm)、特に1〜100μm(例えば5〜100μm)、さらに5〜50μmであるのがよい。多孔膜の空孔率、平均細孔径、及び膜厚は、得られる膜の強度、応用する際の特性、例えば電解質膜として用いる際の特性などの点から、設計するのがよい。
【0047】
本発明において機能性物質としては、種々の機能を与えるモノマー、ゾルゲル、高分子物質が挙げられるが、好適には重合によってイオン伝導性を有する材料、特にプロトン伝導性を有する材料であるのがよい。
特にプロトン伝導性を有する高分子物質を与えるモノマーであるのが好ましい。
これらの例として、
(1)p−スチレンスルホン酸ナトリウム、アクリルアミドのスルホン酸又はホスホン酸誘導体、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アリルホスホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、スチレンスルホン酸、スチレンホスホン酸、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等のアニオン性不飽和モノマーやその塩、など、構造中にビニル基;スルホン酸及びホスホン酸などの強酸基;カルボキシル基などの弱酸基;を有するモノマー及びそのエステルなどの誘導体並びにそれらのポリマー;
(2)アリルアミン、エチレンイミン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのアミノ基含有不飽和モノマー及びそれらの4級化物;など、構造中にビニル基;アミンのような強塩基;又は弱塩基;を有するモノマー及びそのエステルなどの誘導体並びにそれらのポリマー;
(3)(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのノニオン性不飽和モノマー及びその誘導体並びにそれらのポリマー;
を挙げることができる。
このうち(1)はプロトン伝導性を有するものである。(2)及び(3)は、(1)の補助材料として用いるか、ポリマー化した後に強酸をドープすることでプロトン伝導性を付与することができる。
【0048】
これらのモノマーを1種のみ用いてホモポリマーを形成してもよく、2種以上用いてコポリマーを形成してもよい。機能性物質としてナトリウム塩などの塩のタイプを用いた場合、ポリマーとした後に、それらの塩をプロトン型などにするのがよい。
また、コポリマーの場合、前述のポリマー又はモノマーと他種のモノマーとを共重合してもよい。共重合する他種モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、メチレン−ビスアクリルアミドなどを挙げることができる。
なお、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」を、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」を、「(メタ)アリル」は「アリル及び/又はメタリル」を、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート及び/又はメタクリレート」を示す。
【0049】
これらの不飽和モノマーは、1種又は2種以上を選択して用いることできるが、重合後のポリマーのプロトン伝導性を考えると、スルホン酸基を含有する不飽和モノマーを必須成分とすることが好ましい。スルホン酸基を含有する不飽和モノマーの中でも、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を用いると重合性が高く、他のモノマーを使用した場合に比べて高い酸価で残存モノマーの少ないポリマーを得ることができ、得られる膜がプロトン伝導性の優れたものとなるため特に好ましい。
【0050】
また、本発明において上記プロトン伝導性ポリマーは、架橋構造を有してメタノール及び水に対して実質的に溶解しないポリマーであることが望ましい。ポリマーに架橋構造を導入する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができる。具体的には、2個以上の重合性二重結合を有する架橋剤を併用して重合反応を行う方法;ポリマー中の官能基と反応する基を分子内に2個以上有する架橋剤を用いる方法;重合時の水素引き抜き反応による自己架橋を利用する方法;重合後のポリマーに電子線、ガンマ線などの活性エネルギー線を照射する方法;などが挙げられる。これらの方法のうち、架橋構造導入の簡便さから、2個以上の重合性二重結合を有する架橋剤を併用して重合反応をおこなう方法が好ましい。
【0051】
該架橋剤としては、例えばN,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ジビニルベンゼン、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、ジアリルオキシ酢酸塩などが挙げられる。これらの架橋剤は単独で使用することも、必要に応じて2種類以上を併用することも可能である。
上記共重合性架橋剤の使用量は、不飽和モノマーの総質量に対して0.01〜40質量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜30質量%、特に好ましくは1〜20質量%である。架橋剤量は少なすぎると未架橋のポリマーが溶出し易く、多すぎると架橋剤成分が相溶し難いため何れも好ましくない。
【0052】
本発明において機能性物質を充填する方法として、例えば上述のモノマー又はその溶液、好適にはモノマー水溶液中に多孔質膜を浸漬する。なお、水溶液は親水性有機溶媒を含んでもよい。
この状態でモノマー水溶液に界面活性物質を添加するのが好ましい。界面活性物質を併用することで、通常、濡れ性の悪さのためモノマー水溶液が細孔内部に内部に入り込まないケースであっても、細孔内部にまでモノマーの水溶液が充填され、該モノマーを重合することで所望のハイブリッド材料、例えば電解質膜を得ることができる。このような界面活性剤として、例えば次のようなものがある。
【0053】
アニオン性界面活性剤としては、混合脂肪酸ナトリウム石けん、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム石けん、ステアリン酸ナトリウム石けん、オレイン酸カリウム石けん、ヒマシ油カリウム石けんなどの脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミンなどのアルキル硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルナフタレンスルホン酸塩;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸塩;アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリムなどのアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩;アルキルリン酸カリウムなどのアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルアリル)硫酸エステル塩;特殊反応型アニオン界面活性剤;特殊カルボン酸型界面活性剤;β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩などのナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0054】
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ポリオキシエチレン誘導体;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジステアレートなどのソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットなどのポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、自己乳化型グリセロールモノステアレートなどのグリセリン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエートなどのポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルアミン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アルキルアルカノールアミドなどが挙げられる。
【0055】
カチオン性界面活性剤及び両面界面活性剤としては、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテートなどのアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライト、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミンオキサイドなどのアミンオキサイドが挙げられる。
【0056】
さらに、界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤がある。フッ素系界面活性剤を用いることにより少量でモノマー水溶液の濡れ性を改良することができるため不純物としての影響が少なく好ましい。本発明において使用されるフッ素系界面活性剤としては、種々のものがあるが、例えば一般の界面活性剤における疎水性基の水素をフッ素に置換えてパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル基などのフルオロカーボン骨格としたものであり、界面活性が格段に強くなっているものである。フッ素系界面活性剤の親水基を変えると、アニオン型、ノニオン型、カチオン型及び両性型の4種類が得られる。代表的なフッ素系界面活性剤としては、次のものがある。
【0057】
フルオロアルキル(C2 〜C10)カルボン酸、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[フルオロアルキル(C6 〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3 〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6 〜C8 )−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7 〜C13)、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、パーフルオロアルキル(C4 〜C12)スルホン酸塩(Li、K、Na)、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6 〜C10)アルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6 〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩(K)、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキル(C6 〜C16)エチルリン酸エステル、パーフルオロアルケニル第四級アンモニウム塩、パーフルオロアルケニルポリオキシエチレンエーテル、パーフルオロアルケニルスルホン酸ナトリウム塩。
【0058】
また界面活性剤として、シリコーン系界面活性剤がある。シリコーン系界面活性剤を用いることにより少量でモノマー水溶液の濡れ性を改良することができる。本発明において使用されるシリコーン系界面活性剤としては、種々のものがあるが、シリコーンをポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどで親水変成したものなどが挙げられる。
【0059】
これらの界面活性剤の使用量は、共に存在する機能性物質、用いる多孔性膜、所望のハイブリッド材料の特性に依存する。例えば、用いる機能性物質が不飽和モノマーである場合、不飽和モノマーの総重量に対して0.001〜5質量%が好ましく、更に好ましくは0.01〜5質量%、特に好ましくは0.01〜1質量%である。少なすぎると多孔性基材へのモノマーの充填ができず、多すぎても効果は変わらず無駄であるばかりか種類によってはイオン性不純物となって膜中に残存するため、得られるハイブリッド材料、例えば燃料電池用電解質などの性能を低下させるため何れも好ましくない。
【0060】
本発明におけるモノマー水溶液の濃度は、モノマー及び界面活性剤、所望により添加される重合開始剤、その他添加剤などが溶解していればよく特に制限はないが、重合反応進行の観点から5質量%以上が好ましく、さらに好ましくは10質量%以上、特に好ましくは20質量%以上である。
【0061】
本発明の方法において、多孔質膜を機能性物質又はその溶液に浸漬した状態で、減圧操作、好適には104〜10−5Paの減圧状態を10〜300000秒間保持する減圧操作を行い、多孔質膜の細孔内に機能性物質、例えば上述のモノマーを充填させるのがよい。さらに、必要であれば反応開始剤の存在下に紫外線照射及び/又は加熱してモノマーを高分子量化した後真空乾燥する工程(必要であればいずれかの工程を繰り返す)によって、ハイブリッド材料を得るのがよい。
【0062】
本発明の方法において、多孔質膜を機能性物質又はその溶液に浸漬した状態で、超音波を照射するのが好ましい。超音波を照射することで、より短時間で細孔内部に機能性物質の溶液、例えばモノマー水溶液を充填させることができる。また、超音波照射により機能性物質の溶液、例えばモノマー水溶液が脱気され、水溶液中の溶存酸素による重合阻害が低減される。また、重合時の気泡発生やモノマー充填が不十分なときに膜内に発生するピンホールを防止することによって得られるハイブリッド材料、例えば電解質膜の性能低下を抑えることができる。
【0063】
本発明において機能性物質を多孔質膜の細孔内に充填する方法として、例えば機能性物質として上述のモノマー又はその溶液、好適にはモノマー水溶液を用い、該溶液中に多孔質膜を浸漬するのがよい。
モノマーの溶液は、モノマー;ラジカル反応開始剤;エタノール、メタノール、イソプロパノール、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミドなどの有機溶媒、特に親水性有機溶媒;及び水を含み、好適にはモノマー濃度が1〜75質量%、水の割合が99〜25質量%の混合液が挙げられる。
多孔質膜の細孔内に充填されたモノマーを、その後、種々の方法により、重合して細孔内に所望のポリマー、例えばプロトン伝導性のポリマーを生成するのがよい。
【0064】
本発明において、細孔内部にてモノマーを重合させる方法として、公知の水溶液ラジカル重合法の技術を使用することができる。具体例として、レドックス開始重合、熱開始重合、電子線開始重合、紫外線などの光開始重合などが挙げられる。
熱開始重合、レドックス開始重合のラジカル重合開始剤として、次のようなものが挙げられる。2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩などのアゾ化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの過酸化物。上記過酸化物と、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ホルムアミジンスルフィン酸、アスコルビン酸などの還元剤とを組み合わせるとレドックス開始剤となる。または、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、アゾビスシアノ吉草酸などのアゾ系ラジカル重合開始剤がある。これらラジカル重合開始剤は、単独で用いてもよく、二種類以上を併用してもよい。
これらの内、過酸化物系ラジカル重合開始剤は炭素水素結合から水素を引き抜くことによってラジカルを発生することができるため多孔質膜としてポリオレフィンなどの有機材料と併用すると多孔質膜表面と充填ポリマーの間に化学結合を形成することができ好ましい。
【0065】
上記重合開始手段の内、重合反応の制御がし易く、比較的簡便なプロセスで生産性良く所望のハイブリッド材料、例えば所望の電解質膜が得られる点で、紫外線による光開始重合が望ましい。光開始重合させる場合、ラジカル系光重合開始剤をモノマー水溶液中に予め溶解もしくは分散させておくことがより好ましい。
ラジカル系光重合開始剤の具体例としては、一般に紫外線重合に利用されているベンゾイン、ベンジル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キノン、チオキサントン、チオアクリドン及びこれらの誘導体などが挙げられる。また、当該誘導体の例としては、ベンゾイン系のものとして、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル;アセトフェノン系のものとして、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシジ−2−メチル−1−プロパン−1−オン;ベンゾフェノン系のものとして、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−n,n−ジメチル−N−[2−(1−オキシ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0066】
これら光重合開始剤の使用量は、機能性物質であるモノマーの総重量、例えば不飽和モノマーの総質量に対して0.001〜1質量%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.5質量%、特に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
またこれらの内、ベンゾフェノン、チオキサントン、キノン、チオアクリドンなどの芳香族ケトン系ラジカル重合開始剤は炭素水素結合から水素を引き抜くことによってラジカルを発生することができるため多孔質膜としてポリオレフィンなどの有機材料と併用すると該多孔質膜表面と充填ポリマーの間に化学結合を形成することができ好ましい。
【0067】
なお、上述したように、本発明のある面において、多孔質膜に充填した機能性物質であるモノマーから生成したプロトン伝導性ポリマー、又は多孔質膜に充填した機能性物質であるプロトン伝導性ポリマーは、多孔質膜の界面と化学的結合を有していることが好ましい。化学的結合を形成するための手段として、上述したように、モノマー充填工程の前に多孔質膜に電子線、紫外線、プラズマなどを照射して多孔質膜表面にラジカルを発生させる方法、後述の水素引き抜き型のラジカル重合開始剤を用いる方法などがある。工程が簡便である点から水素引き抜き型のラジカル重合開始剤を用いるのが好ましい。
【0068】
本発明の方法において、多孔質膜の細孔に機能性物質を充填した後に、多孔質膜の両表面に機能性物質を吸収する多孔質基材を接触させる工程Y−1を有するのがよい。この多孔質基材として、薬包紙、不織布、濾紙、和紙などが挙げられる。
【0069】
本発明において、多孔質膜、例えば高分子多孔質膜の細孔内に機能性物質を充填した後に、平滑な材料、例えばガラス、非腐蝕性金属(例えばステンレス金属)、プラスチック製板、ヘらで高分子多孔質膜の両表面に過剰に付着する機能性物質を除去する工程Y−2を有するのがよい。
該Y−2工程は、上記Y−1工程の代りに、又はY−1工程と共にY−1工程の前後に行うのがよい。
【0070】
本発明のハイブリッド材料の製造方法によって、例えば高耐熱性高分子フィルムが基材として用い且つ該基材が種々の機能を有する物質を保持し、再現性よく且つ均質で平面性の良好な機能性材料が得ることができる。
【0071】
本発明の製造方法によって得られるハイブリッド材料は、上記の性能を有するので、電解質膜又は燃料電池として好適である。特に電解質膜は、燃料電池、特に直接メタノール形固体高分子燃料電池に用いるのが好ましい。なお、メタノール形燃料電池は、カソード極、アノード極、及び該両極に挟まれた電解質から構成され、該電解質として本発明のハイブリッド材料は用いることができる。
【0072】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳しく説明するが、本発明の範囲がこれらの例により限定されるものではない。また、実施例及び比較例中の%は特に断りの無い限り質量%を、また部は質量部を意味するものとする。
得られた電解質膜のメタノール透過性及びプロトン伝導性は以下のように評価した。本評価の結果メタノール透過性が小さくプロトン伝導性が大きいほど直接メタノール形燃料電池用電解質膜として適しているといえる。
【0073】
<メタノール透過性>
25℃における浸透気化実験を行った。供給液は10%メタノール水溶液であり、透過側を減圧にした。用いた装置の構成は以下の通りであった。即ち、膜をガラス製セルに挟み、膜上面に上記供給液を入れ、膜下面はコールドトラップを経由した後に、真空ポンプを設置した。膜下面、即ち透過側を減圧し、コールドトラップ中に膜を透過したメタノール・水蒸気を捕集した。捕集した混合液中のメタノール量をガスクロマトグラフ分析により定量した。減圧開始から1時間経過後にトラップされたメタノール質量を比較した。
<プロトン伝導性>
試料を純水に1時間浸漬した後、ヒューレットパッカード社製インピーダンスアナライザーHP4194Aを用いて交流インピーダンスを測定し、コールコールプロットから抵抗値を読み取り、プロトン伝導率を算出した。
【0074】
(比較例1)
プロトン伝導性高分子のモノマーである2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とN,N−メチレンビスアクリルアミド及び反応開始材であるV−50(商品名:和光純薬(株))を好適に水中に溶解して作製したモノマー水溶液に、アセトンに一度浸漬しその後一次水に浸すことで水との親水性を一次的に高めたs−BPDA/ODA組成のポリイミド多孔質膜を浸漬した。十分時間を置いた後に多孔質膜を取り出しガラス板ではさみ、紫外線を照射することで膜内に充填したモノマーを重合し電解質膜を得た。作成した電解質膜を流水で約3分間洗浄し、膜の両表面に付着する過剰なポリマーを取り除き膜を平滑化した。さらに、一次水中で超音波洗浄を施した。
上記の工程により電解質膜を作成したが、目視で容易に確認できる電解質膜の充填斑が生じていた。また、多孔質膜の多孔構造によっては水で膨潤させた際に膜が丸まってしまう現象が見られた。
【0075】
(実施例1)
モノマー水溶液に浸漬時に、膜を溶液内に浸漬させた状態で減圧操作を施す以外は比較例1と同様にして、ハイブリッド電解質膜を製造した。その結果、得られた膜は比較例1と比べて目視で明らかに充填材料の充填斑が改善されていた。電解質の充填率を重量により見積もったところ、比較例1と比べて1割以上向上していた。
【0076】
(実施例2)
モノマー水溶液中に対して界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を0.01〜5重量%の濃度で添加した溶液にポリイミド多孔質膜を浸漬した以外は比較例1と同様に実施して、ハイブリッド電解質膜を製造した。その結果、いずれの界面活性剤濃度においても、ポリイミド多孔質膜はモノマー水溶液中に沈降し、得られた膜は比較例1と比べて目視で明らかに充填材料の充填斑が改善されていた。電解質の充填率を重量により見積もったところ、比較例1と比べて充填率が1割以上向上しており、特に界面活性剤の濃度が0.5〜l重量%の範囲で充填率の向上と充填班の解消効果が大きかった。
【0077】
(実施例3)
ポリイミド多孔質膜に、プラズマ照射処理により親水化されたポリイミド多孔質膜を用いる以外は、比較例1と同様に実施して、ハイブリッド電解質膜を製造した。得られた膜は比較例1と比べて目視で明らかに充填材料の充填斑が改善されていた。電解質の充填率を重量により見積もったところ、比較例1と比べて充填率が1割以上向上していた。
【0078】
(実施例4)
紫外線照射により重合した後に膜を水にさらし、その状態で薬包紙で該電解質膜を挟み込み多孔質膜表面に過剰に付着した電解質を取り除く以外は、比較例1と同様の実施して、ハイブリッド電解質膜を得た。得られた膜は、水で膨潤しても丸まることが無く、且つ見かけの電解質の充填率はほとんど変わらなかったが、プロトン伝導度は比較例1と比べて2割以上大きな値となった。
【0079】
(実施例5)
モノマー水溶液をポリイミド多孔質膜内部に浸漬、充填した後に、多孔質膜の両面をポリプロピレン製のへらでなぞることにより、両面に過剰に付着した電解質モノマーを除去した以外は比較例1と同様に実施して、ハイブリッド電解質膜を得た。得られた膜は、水で膨潤しても丸まることが無く、また見かけの電解質の充填率は比較例1と比べてやや減少したが、プロトン伝導度は同等であった。
【0080】
(実施例6)
ポリイミド多孔質膜に、プラズマ照射処理により親水化されたポリイミド多孔質膜を用い、モノマー水溶液に浸漬時に膜を溶液内に浸漬させた状態で減圧操作を施す以外は比較例1と同様にして、ハイブリッド電解質膜を製造した。得られた膜は水で膨潤しても丸まることが無く、また見かけの電解質の充填率は比較例1、実施例5と比べて1割以上大きくなった。また、プロトン伝導度は比較例1、実施例5と比べて2割以上大きな値となった。
【0081】
(実施例7)
多孔性基材として架橋ポリエチレン膜(厚さ16μm、空孔率40%)を用いた。2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸50部、N,N−メチレンビスアクリルアミド0.05部、フルオロカーボン骨格を有するノニオン性界面活性剤0.005部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(水素引き抜き型光重合開始剤)0.005部、水50部からなるモノマー水溶液に、該多孔性膜を浸漬させた。浸漬30分後には、白色であった基材膜が半透明状態となり、基材の細孔内部にモノマー水溶液が充填されていることが確認できた。次いで、多孔性基材膜を溶液から引き上げた後、高圧水銀ランプにて紫外線を2分間照射して細孔内部のモノマーを重合させた。その後、蒸留水で洗浄後、乾燥させて電解質膜を得た。得られた膜のメタノール透過性及びプロトン伝導性の評価結果を表1に示す。
【0082】
(実施例8)
実施例7における界面活性剤を、フルオロカーボン骨格を有するアニオン性界面活性剤に替えた以外は実施例7と同様にして電解質膜を得て評価した。
【0083】
(実施例9)
実施例7における界面活性剤を、フルオロカーボン骨格を有しないノニオン性界面活性剤に替え、添加量を0.05部にした以外は実施例7と同様にして電解質膜を得て評価した。
【0084】
(実施例10)
実施例7における界面活性剤を、実施例9とは別のフルオロカーボン骨格を有しないノニオン性界面活性剤に替え、添加量を0.05部にした以外は実施例7と同様にして電解質膜を得て評価した。
【0085】
(実施例11)
実施例7と同様のモノマー水溶液を用い、充填時にモノマー水溶液を入れた容器を超音波照射洗浄器に浸し超音波を照射しながら充填を行ったところ、10分以内に充填が完了した。それ以外は実施例7と同様にして電解質膜を得て評価した。
【0086】
(実施例12)
実施例7における2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を、アクリル酸47.5部、ビニルスルホン酸2.5部に替えた以外は実施例7と同様にして電解質膜を得て評価した。
ビニルスルホン酸は単独で用いると重合性が悪く、評価ができないためアクリル酸と併用した。
【0087】
(比較例2)
モノマー水溶液に界面活性剤を配合しないこと以外は、実施例7と同様に、多孔性基材をモノマー水溶液に浸漬させたところ、2時間経過後も基材は白色のままであり、更に実施例11と同様の超音波照射も行ってもモノマー水溶液が細孔内部へ充填されなかった。このため電解質膜を得ることができなかった。
【0088】
(比較例3)
ポリパーフルオロカーボン製イオン交換膜(商品名Nafion115、デュポン社製)の評価結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
【発明の効果】
本発明により、機能性物質が均一に含有する、例えば電解質膜などのハイブリッド材料を提供することができる。即ち、該材料間及び材料内でのむらが少なく且つ再現性よい、電解質膜などのハイブリッド材料の製造方法を提供することができる。
また、本発明により、上記効果に加えて、又は上記効果の他に、高分子多孔質膜、特にポリイミド多孔質膜に、容易且つ均一に、高い充填率で、むらがないか又はむらが非常に抑えられた状態で、機能性物質を充填させるハイブリッド材料、、例えば電解質膜、特に燃料電池用電解質膜の製造方法を提供することができる。
【0091】
本発明により、上記効果に加えて、又は上記効果の他に、高分子多孔質膜、特にポリイミド多孔質膜とさまざまな機能性物質とのハイブリッド化がもたらされるハイブリッド材料、例えば電解質膜などの製造方法を提供することができる。
特に燃料電池用電解質膜に関して、本発明により、寸法又は形状の安定化、向上したプロトン伝導性をもたらし、工業的に有益な燃料電池用電解質膜の製造方法を提供することができる。
【0092】
さらに、本発明により、上記効果に加えて、又は上記効果の他に、多孔質膜の細孔に簡便な操作で機能性物質、例えばプロトン伝導性物質を充填する電解質膜の製造方法、特に良好なプロトン伝導性を有し且つメタノール透過(クロスオーバー)を抑制した直接メタノール形燃料電池用電解質膜の製造方法を提供することができる。
Claims (14)
- 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、以下の(X−1)工程〜(X−4)工程のうちのいずれか1工程、又は任意の2工程の組合せ、又は任意の3工程の組合せ、又はすべての工程を用いて、前記多孔質膜の細孔に機能性物質を充填するか、及び/又は前記多孔質膜の細孔に機能性物質を充填した後、以下の(Y−1)工程及び/又は(Y−2)工程を用いるハイブリッド材料の製造方法:
(X−1)多孔質膜を親水化する工程;
(X−2)機能性物質又はその溶液に界面活性物質を添加する工程;
(X−3)多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で減圧操作を行う工程;及び
(X−4)多孔質膜を機能性物質又はその溶液中に浸漬した状態で超音波を照射する工程;並びに
(Y−1)多孔質膜の両表面に機能性物質を吸収する多孔質基材を接触させる工程;及び
(Y−2)多孔質膜の両表面に過剰に付着する機能性物質を平滑材料で除去する工程。 - 多孔質膜に機能性物質を充填したハイブリッド材料の製造方法であって、機能性物質又はその溶液に界面活性物質を添加して浸漬液を調製する工程;及び前記浸漬液に前記多孔質膜を浸漬して多孔質膜の細孔に前記機能性物質を充填する工程;を有するハイブリッド材料の製造方法。
- 前記多孔質膜がメタノール及び水に対して実質的に膨潤しない材料である請求項1又は2記載の方法。
- 前記多孔質膜がポリイミド系又はポリオレフィン系の有機高分子材料である請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- 前記機能性物質がイオン伝導性を有する材料もしくはその前駆体である請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
- 前記機能性物質がプロトン伝導性を有する材料又はその前駆体である請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
- 前記プロトン伝導性を有する材料又はその前駆体は、プロトン伝導性を有するポリマー又はそれを構成するモノマーである請求項6記載の方法。
- 前記機能性物質がプロトン伝導性を有するポリマーを構成するモノマーであり、多孔質膜の細孔に該モノマーを充填した後、(Y−1)工程及び/又は(Y−2)工程を有する場合、該工程の前後のいずれかにおいて、モノマーを重合させる工程を有する請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
- 前記界面活性物質添加工程において、さらにラジカル重合開始剤を含有させる請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
- 前記機能性物質がプロトン伝導性を有するポリマーを構成するモノマーを有し、該モノマーの少なくとも1種が2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
- 前記界面活性物質が、フルオロカーボン骨格の疎水性基を有する界面活性剤を少なくとも1種含有する請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
- 1)細孔に充填された機能性物質がプロトン伝導性ポリマーであるか、又は2)当初充填された機能性物質がプロトン伝導性ポリマーを構成するモノマーであり、その後の重合工程によりプロトン伝導性ポリマーを得、該プロトン伝導性ポリマーが架橋構造を有する請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
- 1)細孔に充填された機能性物質がプロトン伝導性ポリマーであるか、又は2)当初充填された機能性物質がプロトン伝導性ポリマーを構成するモノマーであり、その後の重合工程によりプロトン伝導性ポリマーを得、該プロトン伝導性ポリマーが多孔質膜の界面と化学的に結合している請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
- 前記ハイブリッド材料は、その細孔にプロトン伝導性ポリマーが充填される電解質膜である請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。
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