JP2004172015A - 線状体の繰出し装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で、ボビンから線状体を繰出す際の捻れの発生を防止することができる線状体の繰出し装置を提供する。
【解決手段】ボビン2から繰出用プーリー3を介して線状体1を繰出す線状体の繰出し装置において、ボビン2から繰出用プーリー3への線状体1のパスラインCの方向に、繰出用プーリー3の入線側が指向するように、繰出用プーリー3を首振り可能に構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボビンから線状体を繰出す装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ファイバテープ心線を製造するには、複数本の光ファイバ素線をボビンから繰出し、これらの光ファイバ素線を集線部のダイスを通して並列に集合するとともに、その外側に紫外線硬化型樹脂のような樹脂を被覆し硬化させる方法が採られている。
【0003】
そして、光ファイバ素線をボビンから繰出すにあたっては、その繰出しを円滑に行うため、主に、
▲1▼ボビンの近傍に配設した固定プーリーに対してボビンを往復動させ、ボビンから繰出された光ファイバ素線が固定プーリーを介して繰出される、いわゆるボビントラバース方式、
▲2▼ボビンの近傍にボビンの軸心と平行に往復動する可動プーリーを配設し、ボビンから繰出された光ファイバ素線が可動プーリーを介して繰出される、いわゆるガイドトラバース方式(例えば、特許文献1参照。)、
▲3▼ボビンの近傍にローラーを配設し、ボビンから繰出された光ファイバ素線がローラーを介して繰出される、いわゆるローラー方式、
のいずれかの方式が採用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−201959号公報(第3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した3つの方式にあっては、以下の問題点があった。
すなわち、ボビントラバース方式では、光ファイバ素線に後述するような捻れは発生しないが、ボビンを往復動させる駆動機構が必要になり、また、同時に繰出す光ファイバ素線の本数が多くなると、上記駆動機構も同数必要となるため、装置が大型化する。
【0006】
また、ガイドトラバース方式では、例えば図6((a)は平面図、(b)は側目図)に示すように、ボビン11からの光ファイバ素線12の繰出し位置に応じて可動プーリー13が従動して往復動する構成とすれば、可動プーリー13を往復動させる駆動機構は不要となるが、ボビン11の鍔11a付近の光ファイバ素線12を繰出す際に、可動プーリー13の溝への光ファイバ素線12の入線角度αや、可動プーリー13の溝からの光ファイバ素線12の出線角度βが大きくなるため(可動プーリー13の入線側や出線側でそれぞれのパスラインが可動プーリー13の溝に対して大きく曲げられるため)、光ファイバ素線12が可動プーリー13を通過するときに捻れが発生しやすい。
【0007】
さらに、ローラー方式においても、図7((a)は平面図、(b)は側面図)に示すように、ボビン11の鍔11a付近の光ファイバ素線12を繰出す際に、ローラー14への光ファイバ素線12の入線角度αや、ローラー14からの光ファイバ素線12の出線角度βが大きくなるため(ローラー14の入線側や出線側でそれぞれのパスラインがローラー14に対して大きく曲げられるため)光ファイバ素線12がローラー14を通過するときに捻れが発生しやすい。
【0008】
なお、図6、7中、15は、可動プーリー13あるいはローラー14から出線した光ファイバ素線12を集線部(図示を省略)へ案内する固定プーリーを示している。
【0009】
そして、光ファイバ素線に捻れが発生すると、この蓄積した捻れが解放されるときに光ファイバ素線が大きく反発し、その結果、得られる光ファイバテープ心線における光ファイバ素線の軸ずれ量が大きくなり、また、ボビン鍔端や台形巻き時の巻き端で巻き崩れが発生するといった問題点があった。
【0010】
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたもので、簡易な構成で、光ファイバ素線のような線状体をボビンから繰出す際の捻れを防止することができる線状体の繰出し装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明の線状体の繰出し装置は、ボビンから繰出用プーリーを介して線状体を繰出す線状体の繰出し装置において、前記ボビンから前記繰出用プーリーへの前記線状体のパスラインの方向に、前記繰出用プーリーの入線側が指向するように、前記繰出用プーリーを首振り可能に構成したことを特徴とする。
【0012】
上記線状体の繰出し装置において、繰出用プーリーの首振り中心を、前記繰出用プーリーの出線側に設けることができる。また、繰出用プーリーの首振り中心を、前記繰出用プーリーにおける出線側のパスラインとほぼ一致させることができる。さらに、繰出用プーリーの首振り中心を、前記線状体を集線する集線部までのパスラインとほぼ一致させることができる。
【0013】
また、第1の発明の線状体の繰出し装置において、前記繰出用プーリーと一体的に円弧上を往復動する補助プーリーを設けることができる。
【0014】
本願の第2の発明の線状体の繰出し装置は、ボビンから繰出用プーリーを介して線状体を繰出す線状体の繰出し装置において、前記ボビンから前記繰出用プーリーへの前記線状体のパスラインの方向に、前記繰出用プーリーの入線側が指向するように、前記繰出用プーリーを首振り可能に構成するとともに、前記繰出用プーリーをその軸方向に往復動可能に構成したことを特徴とする。
【0015】
第1の発明の線状体の繰出し装置においては、繰出用プーリーが首振り可能に構成され、繰出用プーリーの入線側がボビンからの線状体のパスライン方向に指向するようになっているため、繰出用プーリーの溝への線状体の入線角度をほぼゼロとすることができ、ボビンから線状体を繰出す際の捻れの発生を防止することができる。また、繰出用プーリーの首振り中心を、繰出用プーリーの出線側のパスラインとほぼ一致させると、繰出用プーリーの溝からの線状体の出線角度もほぼゼロとすることができるため、線状体の捻れ防止効果を高めることができる。
【0016】
しかも、繰出用プーリーは、ボビンから繰出される線状体のパスラインの移動に従動して首振り動作するため、従来のボビントラバース方式のように駆動機構を必要とせず、簡易な装置構成とすることができる。
【0017】
さらに、ボビンと繰出用プーリーとの間に、繰出用プーリーと一体的に円弧上を往復動する補助プーリーを設けることにより、ボビンから繰出される線状体の走行ぶれや振動を防止することができる。
【0018】
また、第2の発明の線状体の繰出し装置においては、首振り可能に構成された繰出用プーリーが、さらに軸方向に往復動可能に構成されており、ボビンと繰出用プーリーとの離間距離を小さくしても、繰出用プーリーの首振り角度が大きくならず、したがって、ボビンの近傍に繰出用プーリーの配置が可能になり、装置の省スペース化が図れるとともに、ボビンから繰出される線状体の走行ぶれや振動を防止することができる。
【0019】
本発明の線状体の繰出し装置は、例えば光ファイバテープ心線の製造において、光ファイバ素線のサプライ部に好適に適用することができる。すなわち、本発明の繰出し装置を用いることにより、光ファイバ素線を繰出す際の光ファイバ素線の捻れの発生を防止することができ、光ファイバ素線の軸ずれ量の少ない高品質の光ファイバテープ心線を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)および(b)は、それぞれ本発明に係る線状体の繰出し装置の第1の実施形態を示す平面図および側面図である。
【0021】
第1の実施形態の繰出し装置は、線状体1を供給するボビン2(図1では、1個のボビンのみを示す。)と、ボビン2に対して中心軸が互いに平行になるように配置された繰出用プーリー3を有している。ボビン2は繰出し用モータ(図示を省略)の回転軸に連結されており、ボビン2が回転することで繰出用プーリー3を介して線状体1が繰出される。繰出された線状体1は、他のプーリー等を経て集線あるいは樹脂被覆工程のような次工程へ送り出される。
【0022】
繰出用プーリー3は素線通し溝31を有している。素線通し溝31の形状は、素線通し溝31の底面のR(曲率半径)を、通過させる線状体1の外径以下とすることが望ましい。
【0023】
また、この繰出用プーリー3は、ボビン2から繰出される線状体1のパスラインCの移動に従動して、線状体1の出線側のパスラインC′を中心に首振り可能に構成されており、この首振り動作により、繰出用プーリー3の入線側がボビン2から繰出用プーリー3への線状体1のパスラインCの方向に指向するようになっている。
【0024】
なお、複数のボビン2からそれぞれ繰出用プーリー3を経て繰出された複数の線状体1が集線部で集線される場合には、各繰出用プーリー3は、そのような集線部までの各パスラインC′を中心に首振り動作することになる。すなわち、例えば図2の平面図に示すように、4個のボビン2a、2b、2c、2dからそれぞれ繰出用プーリー3a、3b、3c、3dを経て繰出された複数の線状体1a、1b、1c、1dが集線部(集線プーリー)Sで集線される場合、各繰出用プーリー3a、3b、3c、3dは、集線部Sまでの各パスラインCa′、Cb′、Cc′、Cd′を中心に首振り動作する。
【0025】
本発明においては、繰出用プーリー3の最大首振り角θを40°以下とすることが好ましく、20°以下とするとより好ましい。
【0026】
繰出用プーリー3の最大首振り角θは、ボビン2からの線状体1の繰出し位置がボビン胴部の端部になるときの首振り角度に相当し、以下の関係式が成り立つ。
tanθ=(d/2)/L
ここで、dはボビン2の胴部の長さ(線状体1の巻付け幅)を表し、Lは繰出用プーリー3の首振り中心から線状体1のボビン2からの繰出し位置までの距離を表す。
【0027】
したがって、θ(=tan−1(d/2)/L)の値が前記範囲になるように、ボビン2の胴部の長さdに合わせて、Lの値が調整される。
【0028】
このように構成される第1の実施形態によれば、繰出用プーリー3が首振り可能に構成され、繰出用プーリー3の入線側がボビン2からの線状体1のパスラインCの方向に向くようになっているため、繰出用プーリー3の溝31への線状体1の入線角度をほぼゼロとすることができ、また、繰出用プーリー3の首振り中心を、繰出用プーリー3の出線側のパスラインC′と一致させたため、繰出用プーリー3の溝31からの線状体1の出線角度もほぼゼロとすることができ、ボビン2から線状体1を繰出す際の捻れの発生を防止することができる。しかも、繰出用プーリー3は、ボビン2から繰出される線状体1のパスラインCの移動に従動して首振り動作をするため、従来のボビントラバース方式のように駆動機構を必要とせず、簡易な装置構成とすることができる。
【0029】
したがって、本実施形態に係る装置を、例えば光ファイバテープ心線の製造ラインに用いた場合、ボビンから繰出される光ファイバ素線に捻れが発生せず、光ファイバ素線の軸ずれ量を可及的に小さくすることができ、高品質、高特性の光ファイバテープ心線を得ることができる。
【0030】
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態は、図3(a)および(b)に示すように、第1の実施形態において、ボビン2と繰出用プーリー3との間に補助プーリー4を設けたものである。繰出用プーリー3や、その首振り動作とボビン2との関係などは、第1の実施形態と同様に構成されており、重複する説明を省略する。
【0031】
補助プーリー4は、連結部材5を介して繰出用プーリー3と連結されており、ボビン2から繰出される線状体1のパスラインCの移動に従動して、繰出用プーリー3の首振り中心を中心とする円弧上を往復動するように構成されている。そして、補助プーリー4の入線側および出線側が、ボビン2から繰出用プーリー3への線状体1のパスラインC上に位置し、このパスラインCの方向を変えることがないように構成されている。
【0032】
このように構成される第2の実施形態によれば、第1の実施形態の場合と同様に、ボビン2から線状体1を繰出す際の線状体1の捻れの発生を防止することができ、例えば本装置を光ファイバテープ心線の製造ラインに用いた場合に、光ファイバ素線の軸ずれの発生を防止して、高品質、高特性の光ファイバテープ心線を得ることができるうえに、補助プーリー4により、ボビン2から繰出用プーリー3へ走行する線状体1が途中で支持されているので、線状体1の走行ぶれや振動が抑えられ、より安定した繰出しが可能となる。
【0033】
本発明においては、図4に示すように、首振り可能に構成された繰出用プーリー3を、さらにその軸方向に往復動可能に構成してもよい。
【0034】
すなわち、図4に示す繰出用プーリー3は、線状体1の出線側のパスラインC′を中心に首振り動作をしながら、プーリー支持部材32がボビン2から繰出される線状体1のパスラインCの移動に従動して、軸33をスライドするように構成されている。
【0035】
このように、首振り可能に構成された繰出用プーリー3が、さらに繰出用プーリー3の軸方向に往復動可能に構成されているため、ボビン2と繰出用プーリー3との離間距離を小さくしても、繰出用プーリー3の首振り角度が大きくならず、したがって、ボビン2の近傍に繰出用プーリー3の配置が可能になり、装置の省スペース化が図れるとともに、ボビン2から繰出される線状体1の走行ぶれや振動を防止することができる。
【0036】
以下に、本発明の線状体の繰出し装置を光ファイバテープ心線の製造に適用した具体的実施例を記載する。
【0037】
実施例1
繰出用プーリー3の最大首振り角θが表1に示す条件となるように調整した図1に示す繰出し装置を使用して、光ファイバ素線の繰出しを行い、4心の光ファイバテープ心線を製造した。
【0038】
実施例2
繰出用プーリー3の最大首振り角θが表1に示す条件となるように調整した図3に示す繰出し装置を使用して、光ファイバ素線の繰出しを行い、4心の光ファイバテープ心線を製造した。
【0039】
実施例3
図4に示すように繰出用プーリー3を軸方向に往復動可能に構成した以外は図1に示す繰出し装置と同一構成の装置を使用し、その繰出用プーリー3の最大首振り角θおよびスライド長Dを表1に示す条件となるように調整して、光ファイバ素線の繰出しをそれぞれ行い、4心光ファイバテープ心線を製造した。
【0040】
比較例
実施例と同様のボビンを使用し、従来のローラー方式により光ファイバ素線を繰出し、4心光ファイバテープ心線を製造した。
【0041】
得られた各光ファイバテープ心線について、光ファイバ素線の軸ずれ量を測定した。この軸ずれ量の測定では、図5に示すように、光ファイバテープ心線6の両端の光ファイバ素線7を結ぶベースラインに対して、上方向に中心軸がずれた光ファイバ素線7aのずれ量の最大値と下方向に中心軸がずれた光ファイバ素線7bのずれ量の最大値との和を算出し、軸ずれ量zとした。測定結果を表1に併せ示す。
【0042】
【表1】
Figure 2004172015
【0043】
表1からも明らかなように、ローラー方式により光ファイバ素線を繰出した比較例では、光ファイバテープ心線の最大軸ずれ量zが30μmにも及んでいるのに対して、実施例では、目標とする4〜10μmの範囲にまで軸ずれ量zを低減することができている。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の線状体の繰出し装置によれば、ボビンから繰出用プーリーへの線状体のパスラインの方向に、繰出用プーリーの入線側が指向するように、繰出用プーリーを首振り可能に構成したので、簡易な構成で、ボビンから繰出される線状体の捻れの発生を防止することができ、例えば、光ファイバテープ心線の製造ラインに用いた場合に、ボビンから光ファイバ素線を繰出す際の光ファイバ素線の捻れを防止することができ、軸ずれ量の小さい光ファイバテープ心線を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の線状体の繰出し装置の第1の実施形態を模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図2】第1の実施形態において、複数のボビンから複数の線状体が繰出されたときの各繰出用プーリーの首振り中心を説明する平面図。
【図3】本発明の線状体の繰出し装置の第2の実施形態を模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図4】本発明の線状体の繰出し装置の他の構成例を模式的に示す図。
【図5】光ファイバテープ心線における光ファイバ素線の軸ずれ量を説明する断面図。
【図6】従来の線状体の繰出し装置の一例を模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図7】従来の線状体の繰出し装置の他の例を模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図。
【符号の説明】
1、1a〜1d………線状体
2、2a〜2d………ボビン
3、3a〜3d………繰出用プーリー
4………補助プーリー
C………入線側パスライン
C′、C′a〜C′d………出線側パスライン

Claims (6)

  1. ボビンから繰出用プーリーを介して線状体を繰出す線状体の繰出し装置において、
    前記ボビンから前記繰出用プーリーへの前記線状体のパスラインの方向に、前記繰出用プーリーの入線側が指向するように、前記繰出用プーリーを首振り可能に構成したことを特徴とする線状体の繰出し装置。
  2. 前記繰出用プーリーの首振り中心を、前記繰出用プーリーの出線側に設けたことを特徴とする請求項1記載の線状体の繰出し装置。
  3. 前記繰出用プーリーの首振り中心を、前記繰出用プーリーの出線側のパスラインとほぼ一致させたことを特徴とする請求項1記載の線状体の繰出し装置。
  4. 前記繰出用プーリーの首振り中心を、前記線状体を集線する集線部までのパスラインとほぼ一致させたことを特徴とする請求項3記載の線状体の繰出し装置。
  5. 前記ボビンと前記繰出用プーリーとの間に、前記繰出用プーリーと一体的に円弧上を往復動する補助プーリーを設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の線状体の繰出し装置。
  6. ボビンから繰出用プーリーを介して線状体を繰出す線状体の繰出し装置において、
    前記ボビンから前記繰出用プーリーへの前記線状体のパスライン方向に、前記繰出用プーリーの入線側が指向するように、前記繰出用プーリーを首振り可能に構成するとともに、前記繰出用プーリーをその軸方向に往復動可能に構成したことを特徴とする線状体の繰出し装置。
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