JP2004177647A - 金属製フェルールおよび金属製フェルール部品ならびに金属製フェルールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芯線13を光ファイバ13aの外周面に導電層13bを付着したものとし、電鋳処理により導電層13bの外周に電着金属29を付着して金属製フェルール31を完成する。この構成によって、従来のように金属製芯線を用いることなく、光ファイバ13aが電着金属29にて覆われた状態の光ファイバ装着済の金属製フェルール31が完成する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバと光ファイバとの接続部または光ファイバと光デバイスとの接続部などに用いられる光ファイバ装着済の金属製フェルール、および金属製フェルール部品、ならびに金属製フェルール部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信において重要な部品であるフェルール1は、図11に例示するような形状をなすものであって、長さLが10mm程度、外径Dが1.25〜2.5mmであり、内径dが光ファイバの規格(外径0.125mm)に対応して0.126mmに規定されている中空形状のものであり、中心孔2に光ファイバ3が挿入されるものである。
【0003】
従来、フェルールは、ジルコニア製のものが主流であったが、製造工程が複雑であって、寸法精度のよいものを効率的に製造することができず、このため、近年、電鋳により金属製のフェルールを製造することが提案されている。
【0004】
例えば特許文献1に記載されているように、従来では、鉄合金,ステンレスなどからなる細い金属製の線材(芯線)に対して電鋳処理を行い、線材の外周に、例えばニッケル,アルミニウムなどの金属を堆積させて電鋳体を形成した後、この電鋳体から芯線のみを、引き抜くか、または押し出すことにより除去し、芯線の外径と略同じ内径を有する細孔を微細孔加工によって形成することによって金属部材を得て、その金属部材を所定の長さに切断することにより、図11に示すようなフェルール1となる中空金属部材にしようとするものである。
【0005】
【特許文献1】
特許第3308266号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の電鋳によりフェルールを製造する技術における課題の1つは、フェルール製造過程において芯線が必要であり、かつ、その芯線を除去する必要があることである。特に特許文献1に記載されているように、鉄合金,ステンレスなどからなる外径0.125mmの細い金属製の芯線のみを、溶液による溶解を行ったり、加熱を行って、引き抜くか、または押し出すことにより除去することは実際的には困難であり、製品化の実現は不可能であるといえる。
【0007】
もし、前記のような芯線を使用する必要がなくなれば、材料コストの低減化と、作業性の向上を図ることができ、製造コストを大幅に低減することができる。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決し、従来の金属製芯線としての概念の部材を不要にすることにより、製造コストを低減させ、歩留まりを向上させることができる光ファイバ装着済の金属製フェルール、および金属製フェルール部品、ならびに金属製フェルールの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の光ファイバ装着済の金属製フェルールに関する発明は、光ファイバを中心線材とし、該光ファイバの外側を導電層を介して電着金属部材にて電着したことを特徴とし、この構成によって、従来のように金属製芯線を用いることなく、光ファイバが、芯線として機能して電着金属にて直接覆われた状態でフェルールが完成する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の光ファイバ装着済の金属製フェルールにおいて、導電層が、電着金属部材との接着性あるいは接合性に優れたものであることを特徴とし、この構成によって、光ファイバと電着金属部材とを強固に一体化することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の光ファイバ装着済の金属製フェルールにおいて、導電層が無電解メッキ層であることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2記載の光ファイバ装着済の金属製フェルールにおいて、導電層が導電性を有する接着剤であることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の金属製フェルール部品に関する発明は、光ファイバを中心線材とし、該光ファイバの外側を導電層を介して電着金属部材にて覆ってなる光ファイバ付き金属製フェルール部材における前記電着金属部材の一端部に、フェルールホルダ部を一体形成したことを特徴とし、この構成によって、従来のように金属製芯線を用いることなく、光ファイバが芯線として機能して、電着金属にて一体的に覆われた状態でフェルールが完成するため、フェルールホルダ部などを付設する工程が簡易に行える。
【0014】
請求項6に記載の金属製フェルール部品の製造方法に関する発明は、光ファイバの外側に導電層を形成する導電層形成工程と、前記導電層を基礎として、光ファイバの外側に電鋳処理により電着金属を付着して光ファイバが内蔵された金属製フェルール体を形成する電鋳工程と、前記金属製フェルールを所定長に切断する切断工程と、切断部品に対して表面加工を行う表面加工工程とからなることを特徴とし、この方法によって、従来のように金属製芯線を用いることなく、光ファイバを芯線として機能させ、電鋳法によって電鋳金属にて直接覆われた状態でフェルールを完成することが可能になり、従来のように金属製芯線の引き抜き、または押し出し工程など不用になり、精度出しのため後加工も容易になるなど、コストダウンを図ることができ、さらに歩留まりが向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0016】
図9は本発明の実施形態を説明するための電鋳装置における正面断面図、図10は図9におけるA−A線断面図であり、11は電解液12で満たされる電解槽であって、図9に示すように、本例では4つの電解槽11が近接して設置されるような構成になっている。
【0017】
各電解槽11は、1本の芯線(後述する)13のみが架設される通路部14と、この通路部14の下部に連通するように設置されて、電着する金属あるいは電着金属収納網籠15が設置される電着金属収納室部16と、この電着金属収納室部16の下部に連通するように設置されて、供給口17から電解液12が供給され、かつ該電解液を電着金属収納室部16および通路部14に送るための電解液供給室部18からなっている。通路部14と電着金属収納室部16と電解液供給室部18とは、それぞれ絶縁性を有し、かつ電解液12にて劣化しない樹脂材からなる板材により構成されている。
【0018】
通路部14は2枚の板状部14aが対向するような構造であり、上部が開放して芯線13が入ることができ、かつ電解液12がオーバーフローするようになっている。また、電着金属収納室部16は、断面四角形状の箱型のものであり、上部に通路部14と連通するテーパー付き開口16aが形成されている。さらに、電解液供給室部18は、同様に断面四角形状の箱型のものであり、上部に電着金属収納室部16と連通する開口18aが形成され、下部に新鮮な電解液12が供給される供給口17などが設置されている。
【0019】
前記各電解槽11は、外枠フレーム19内に収納され、オーバーフローした電解液12が外部に流出しないようにしている。外枠フレーム19の一側には、図9に示すように、オーバーフローした電解液12を電解液回収部(図示せず)へ送るための電解液循環系の一部を構成する回収室20が設けられている。
【0020】
また、本実施形態において、被電着材である芯線13として、図1に示すように、光ファイバ13aの表面に無電解金属メッキを施して導電層13bを形成したものを使用している。また、電着金属収納網籠15として、導電層13bに対して電着する金属材料(例えばニッケル)が収納されているチタン製の網籠状で、かつ筒形状あるいは四角形状をなすものが使用され、各電解槽11内において、芯線13と電着金属収納網籠15とは、互いに対向し、かつ平行状態になるように設置される。
【0021】
電源21は、図10に示すように、その陽極が電着金属収納網籠15の両端および略中央部に電気的に接続され、陰極が芯線13の両端に電気的に接続されている。芯線13の両端部を保持するホルダ部材(本例では4本の芯線を保持することができる)22は、各電解槽11の上部を覆うように配設され、ホルダ部材22に相対向するように設けられた垂下部23において、芯線13の端部を回転可能に支持している。垂下部23には、芯線13を締着するチャッキング部材24、および芯線13を回転駆動させる駆動源から駆動力を受ける歯車などからなる駆動体25が設置されている。
【0022】
次に、本実施形態における電鋳処理について説明する。
【0023】
電解液12を各電解槽11の供給口17から供給し、ホルダ部材22を所定の位置にセットして、該ホルダ部材22の垂下部23に架設された4本の芯線13を、それぞれ電解槽11の通路部14に設置する。電源21を投入することにより、電源21の陽極が電着金属収納網籠15の両端および略中央部に電気的に接続され、陰極が芯線13の両端に電気的に接続され、各芯線13が駆動体25により周方向に回転される。
【0024】
前記のような状態における電鋳を行うことにより、電着金属収納網籠15内から析出された電着金属は、電着金属収納室部16のテーパー付き開口16aに案内されるようにして、1本の芯線13が架設されている通路部14に新鮮な電解液12と共に移動することになる。
【0025】
すなわち、電着金属収納室部16において、析出された電着金属の動き(電流の流れ)が電着金属収納室部16の周壁にて規制され、テーパー付き開口16aのみから外部へ流出することになる。さらに、この電着金属の流れは、狭い通路部14に規制されながら、通路部14に架設されている芯線13に達し、電着金属が芯線13に付着する。
【0026】
また、前記電鋳処理中、電解液12は、各電解槽11の供給口17から供給されて、通路部14の上部開口からオーバーフローして回収室20に集められ、電解液循環系にて処理されることにより、常に、新鮮な電解液12が各電解槽11に対して供給されるようになっている。
【0027】
なお、本実施形態では、通路部14の2枚の板材14a間の間隙、および電源21の印加電圧,電流などは、電着対象の芯線13の径、あるいは電着金属の厚さなどによって調整,コントロールしながら電鋳処理を行う。
【0028】
このような本実施形態における前記のように析出された電着金属の規制により、1本の芯線13に対して集中して電着金属が規制されながら電着されることになるため、従来のこの種の装置に比較して、芯線13の全長,全周において、確実に均一厚さの電着金属が形成されることになり、電着製造物として、μmオーダーの高精度の外径形状にすることができた。
【0029】
また本実施形態にて得られた電鋳製造品においては、芯線13が光ファイバ13aであるため、従来のように金属製の芯線部分を除去する処理を施す必要がなく、また光ファイバ13aをそのまま残しておいてよくなる。したがって、図2に示すように、電着金属29が外周に形成されている電鋳製造品30を2点鎖線に示すように所定寸法にて切断し、図3に示すように、後加工として先端部(光ファイバ13aの露出端を含む面)30aの表面精度を出すように研磨,研削加工などを施すことによって、高精度の金属製フェルール31が完成する。
【0030】
このようにして製造された光ファイバ付きの金属製フェルール31では、高精度の真円度と同筒,同軸度において好結果を得ることができ、例えば真円度および同筒,同軸度を±1〜3μm程度にすることができた。
【0031】
図4は本発明に係る金属製フェルール部品33の一例を示す断面図であり、この金属製フェルール部品33は、前記金属製フェルール31にフェルールホルダ32を一体成形したものであり、このように製造することで、実使用形態の製品として提供することができる。
【0032】
図5は本発明に係る金属製フェルールの他例を示す側面図であり、この金属製フェルール部品34は、中心に前記のように芯線13、すなわち光ファイバ13aが貫通しており、中央を拡径部34aにし、かつ両側を小径部34bとした形状に形成したものであり、このようにしたことによって、両小径部34bからコネクタ(図示せず)を嵌着することのみで、送/受信側からの光ファイバの連結が可能になるなど、従来の構造のフェルールを用いて行う連結作業に比べて、その作業性,取付精度を飛躍的に向上させることができる。
【0033】
このように本金属製フェルール31では、光ファイバ13aを芯線として用いることにより、従来のように、フェルール製造に金属製芯線を使用しなくてもよく、したがって、金属芯線を除去する必要がなくなり、さらには除去した部分に光ファイバを挿入/装着する必要がなくなる。また、加工面においても、従来のように、芯線を除去した後、フェルールの先端部を研磨,研削加工を施し、さらに光ファイバを装着した後に、光ファイバの露出端と共にフェルールの先端部に対して、再び研磨,研削加工(PC加工:フィジカルコンタクト加工)を施す必要がなくなる。
【0034】
また、本金属製フェルール31では、真円,同軸精度が確保されているため、当該金属製フェルール31に連結される部品との接合精度などを、さほど気にしなくてもよくなるなど、実際的な効果が大である。
【0035】
なお、前記実施形態では、光ファイバ13aに対して電鋳により電着金属29を付着させるための導電層13bを形成するために、無電解メッキにより無電解金属メッキ膜を形成しているが、光ファイバ13aと電着金属29とが分離あるいは剥離しない強固に一体化したものにするために、前記導電層13bとしては電着金属29に対する接着性,接合性に優れたものであることが望ましく、例えば導電層13bとして、導電性を有する接着剤(例えば炭素繊維などの導電性部材を含有させた接着剤)を塗布したり、導電層13bの表面に凹凸を付けることなどが考えられる。
【0036】
また、前記本実施形態の製造方法によって、図6に示すように、外形状が円柱状のものに光ファイバ13aと導電層13bとからなる複数本の芯線13が埋設された構成の光ファイバ装着済の金属製フェルール35、あるいは、図7に示すように外形状が非円形のものに複数本の芯線13が埋設された構成の光ファイバ装着済の金属製フェルール36、さらには、図8に示すように、外形状が平板状のものに複数本の芯線13が埋設された構成の光ファイバ装着済の金属製フェルール35など、各種形状のものを製造することが可能である。
【0037】
図7に示す金属製フェルール36は、円柱形状の一側に平坦面36aを形成(一定位置に規定しておく)した形状にしてあり、これによって、図示したように、2本の金属製フェルール36を連結する際、連結スリーブ37にも同様に平坦面37aを形成することにより、連結に方向性を持たせることができる。特に複数の光ファイバ13aを内蔵する金属製フェルール36における連結の場合、その取付精度(光ファイバ13の位置合せ精度)を容易に出すことができる。また、連結する2本の金属製フェルール36における外径が異なるものであってもスリーブにて連結することが可能である。
【0038】
図8に示す平板状の金属製フェルール38には、コネクタあるいは金属製フェルール同士の連結のために、嵌着ガイド用あるいは位置決め用として用いられる溝38aを側面に延在させている。この溝38aの形成数は図示した4本に限定されない。
【0039】
このように、本発明に係る光ファイバ装着済の金属製フェルールは、上述したもの以外にも、各種形状,光ファイバの内蔵構成にすることが可能であり、実施可能範囲は広い。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る金属製フェルールおよび金属製フェルール部品ならびに金属製フェルールの製造方法によれば、従来の金属製の芯線を用いずに光ファイバを芯線として用いて、光ファイバ装着済の金属製フェルールを製造するため、芯線に関係する費用コストを削減でき、さらに、従来のように金属製の芯線の引き抜き、または押し出し工程などが不用になることにより、製造コストも削減することができ、全体として大幅なコストダウンが図られ、製造が容易になって歩留まりが飛躍的に向上するなど、実際的な効果が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における金属製フェルールを説明するための電鋳処理前の光ファイバの構成図
【図2】本実施形態における電鋳処理後の電鋳製造品を示す構成図
【図3】本実施形態における金属製フェルールの構成を示す断面図
【図4】本実施形態における金属製フェルール部品の完成状態の断面図
【図5】本実施形態における金属製フェルールの他例を示す側面図
【図6】本実施形態における金属製フェルールの他例を示す斜視図
【図7】本実施形態における金属製フェルールの他例と、その連結を説明するための斜視図
【図8】本実施形態における金属製フェルールの他例を示す斜視図
【図9】本発明の実施形態を説明するための電鋳装置における正面断面図
【図10】図9の電鋳装置におけるA−A線断面図
【図11】従来の一般的なフェルールを説明するための断面図
【符号の説明】
13 芯線
13a 光ファイバ
13b 導電層
29 電着金属
30 電鋳製造品
31,34,35,36,38 金属製フェルール
32 フェルールホルダ
33 金属製フェルール部品
Claims (6)
- 光ファイバを中心線材とし、該光ファイバの外側を導電層を介して電着金属部材にて電着したことを特徴とする光ファイバ装着済の金属製フェルール。
- 前記導電層が、前記電着金属部材との接着性あるいは接合性に優れたものであることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ装着済の金属製フェルール。
- 前記導電層が無電解メッキ層であることを特徴とする請求項1または2記載の光ファイバ装着済の金属製フェルール。
- 前記導電層が導電性を有する接着剤であることを特徴とする請求項1または2記載の光ファイバ装着済の金属製フェルール。
- 光ファイバを中心線材とし、該光ファイバの外側を導電層を介して電着金属部材にて覆ってなる金属製フェルール部材における前記電着金属部材の一端部に、フェルールホルダ部を一体形成したことを特徴とする光ファイバ装着済の金属製フェルール部品。
- 光ファイバの外側に導電層を形成する導電層形成工程と、前記導電層を基礎として、光ファイバの外側に電鋳処理により電着金属を付着して光ファイバが内蔵された金属製フェルール体を形成する電鋳工程と、前記金属製フェルールを所定長に切断する切断工程と、切断部品に対して外形加工を行う外形加工工程とからなることを特徴とする光ファイバ装着済の金属製フェルール部品の製造方法。
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Cited By (1)
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| CN110531468A (zh) * | 2019-09-06 | 2019-12-03 | 安徽光纤光缆传输技术研究所(中国电子科技集团公司第八研究所) | 一种光纤插芯、光纤插芯对接装置和光纤插芯的成型方法 |
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2002
- 2002-11-27 JP JP2002343550A patent/JP2004177647A/ja active Pending
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| CN110531468B (zh) * | 2019-09-06 | 2024-07-12 | 安徽光纤光缆传输技术研究所(中国电子科技集团公司第八研究所) | 一种光纤插芯、光纤插芯对接装置和光纤插芯的成型方法 |
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