JP2004180032A - 誘電体フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】ストリップラインと結合導体を異なる誘電体層間に配置することで、電磁界結合状態の調整範囲を広げ、フィルタの通過帯域幅が広く阻止域減衰量の大きいフィルタ特性を得ることが可能な、小型の誘電体フィルタを提供する。
【解決手段】複数の誘電体層を積層して成る積層体2の両主面にグランド電極を被着させるとともに、前記誘電体層間に一対のストリップライン5、6を配設し、該ストリップライン5,6と前記グランド電極とを積層体2の内部に形成された一対のビアホール導体7、8で接続してなる誘電体フィルタ1において、
前記一対のビアホール導体7、8の形成領域内に少なくとも2層以上の誘電体層が存在しており、且つこれら誘電体層間に一対のビアホール導体7、8を電気的に接続する結合導体9を配設した。
【選択図】図1
【解決手段】複数の誘電体層を積層して成る積層体2の両主面にグランド電極を被着させるとともに、前記誘電体層間に一対のストリップライン5、6を配設し、該ストリップライン5,6と前記グランド電極とを積層体2の内部に形成された一対のビアホール導体7、8で接続してなる誘電体フィルタ1において、
前記一対のビアホール導体7、8の形成領域内に少なくとも2層以上の誘電体層が存在しており、且つこれら誘電体層間に一対のビアホール導体7、8を電気的に接続する結合導体9を配設した。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機やパーソナルコンピュータ等の各種通信機器、電子機器に組み込まれて用いられる誘電体フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話機等の通信機器に誘電体フィルタが用いられている。
かかる従来の誘電体フィルタとしては、例えば図4に示すように、複数の誘電体層102a〜102fを積層してなる積層体102の内部、具体的には、誘電体層102a−102b間にグランド電極103aを、誘電体層102e−102f間にグランド電極103bを形成するとともに、誘電体層102c−102d間に略平行に配された2個のストリップライン105、106及び結合導体109を、また誘電体層102b−102c間に容量結合パターン110を形成し、ストリップライン105、106からビアホール導体107、108を介して積層体の主面に形成されたグランド電極103に接続した構造を有したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特願2001−393205号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の誘電体フィルタにおいては、通過帯域幅が広く阻止域減衰量の大きいフィルタ特性を構成するのに、隣接するストリップライン同士を結合導体で接続するようにしており、この結合導体の線路長を変化させることで電磁界結合状態を調整するようにしている。
【0005】
しかしながら、ストリップラインと同一面内に結合導体を配置させている従来の構造では、結合導体の線路長を所定の長さに設定する際、結合導体の接続位置の調整に限界があり、通過帯域幅が広く阻止域減衰量の大きいフィルタ特性を得ることが困難であるという欠点を有していた。
【0006】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、フィルタの通過帯域幅が広く、阻止域減衰量の大きいフィルタ特性を得ることが可能な、小型の誘電体フィルタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の誘電体フィルタは、複数の誘電体層を積層して成る積層体の両主面にグランド電極を被着させるとともに、前記誘電体層間に一対のストリップラインを配設し、該ストリップラインと前記グランド電極とを積層体の内部に形成された一対のビアホール導体で接続してなる誘電体フィルタにおいて、前記一対のビアホール導体の形成領域内に少なくとも2層以上の誘電体層が存在しており、且つこれら誘電体層間に一対のビアホール導体を電気的に接続する結合導体を配設したことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の誘電体フィルタは、前記一対のストリップラインは同一平面内に平行に配置されているとともに、一方のストリップラインの一方端部に前記ビアホール導体を、他方のストリップラインの他方端部にビアホール導体を夫々接続したことを特徴とするものである。
【0009】
さらに、本発明の誘電体フィルタは、前記一対のストリップラインと前記グランド電極との間に位置する誘電体層間に、一対のストリップライン間に所定の静電容量を形成するための容量結合パターンが配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の誘電体フィルタによれば、一対のストリップライン間を電気的に接続する結合導体をストリップラインとは異なる誘電体層間に配置させるようにしたことから、ストリップライン間の磁界結合状態の最小状態をさらに小さくすることができる。
【0011】
また本発明の誘電体フィルタによれば、一対のストリップラインを同一平面内に平行に配置させるとともに、一方のストリップラインの一方端部にビアホール導体を、他方のストリップラインの他方端部にビアホール導体を夫々接続することにより、一対のビアホール導体が対角線状に配置されるようになり、これによって同一平面内での結合導体の線路長の調整範囲を大きくすることができるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る誘電体フィルタの分解斜視図、図2は図1の誘電体フィルタの等価回路図である。
【0013】
これらの図に示す誘電体フィルタ1は、複数の誘電体層2a〜2fを積層して成る積層体2の両主面にグランド電極3を被着させるとともに、前記誘電体層間に、インターデジタル型に形成された一対のストリップライン5,6を配設し、該ストリップライン5,6と前記グランド電極3とを積層体2の内部に形成された一対のビアホール導体7,8で接続し、更に一対のビアホール導体7,8の形成領域内に位置する誘電体層間に一対のビアホール導体7,8を電気的に接続する結合導体9を配設した構造を有している。
【0014】
前記積層体2は、例えば6層の誘電体層2a〜2fを積層して形成されており、各誘電体層2a〜2fは、誘電体セラミック材料、焼結助剤、低融点ガラス材料等によって構成されている。誘電体セラミック材料としては、例えばBaO−TiO2系、Ca−TiO2系、MgO−TiO2系等のセラミック材料が用いられ、これらのセラミック材料を用いる場合、誘電率が比較的高く、小さな面積でも充分な静電容量を得ることができるため、ストリップライン長を短縮して、全体構造の小型化に供することができる。また焼結助剤としては、例えば、BiVO4、CuO、Li2O、B2O3等が用いられる。誘電体層2a〜2fの厚みは、1層あたり50〜300μm程度に設定される。
【0015】
尚、前記積層体2の内部には、ストリップライン5、6や結合導体9の他に、容量結合パターン10やグランド電極3a、3b等が設けられ、その側面には入出力端子4a、4bが設けられている。
【0016】
また、前記グランド電極3は、積層体2の両主面及びその側面に設けられるグランド電極3と、誘電体層2bの表面に設けられるグランド電極3aと、誘電体層2fの表面に設けられるグランド電極3bとで構成されている。
【0017】
前記グランド電極3の材質としては、例えばAgやCu等の金属を主成分とする導体材料が好適に用いられ、外部に露出したグランド電極3の表面には、酸化腐食等を防止する目的で、例えば、Auメッキ膜やNi−Auメッキ膜等が適宜被着・形成される。
【0018】
一方、前記ストリップライン5、6は、積層体2の内部に、具体的には、誘電体層2cと誘電体層2dとの間に平行に並んだ状態で介在されており、前記ストリップライン5,6は、その一端側で積層体主面のグランド電極3にビアホール導体7、8を介して接続されている。より具体的には、一対のストリップライン5,6のうち、一方のストリップライン5の一端部にはビアホール導体8を介して、また他方のストリップライン6の他端部にはビアホール導体7を介してグランド電極3が電気的に接続される。
【0019】
このようなストリップライン共振器はストリップライン5、6と対向するグランド電極3との間で容量成分及び誘導成分を形成するようになっており、λ/4のストリップライン共振器として機能することとなる。
【0020】
なお、上述のストリップライン共振器を構成するストリップライン5、6、ビアホール導体7、8及び結合導体9、容量結合パターン10は、例えば、グランド電極3と同様の導電材料によって形成される。
【0021】
次に上述した誘電体フィルタ1の製造方法について説明する。
まず、誘電体材料と樹脂材料からなるセラミックグリーンシートに導電性ペーストを用いてグランド電極3aを形成したもの、ストリップライン5、6とビアホール導体7、8を形成したもの、結合導体9とビアホール導体7、8を形成したもの、グランド電極3bとビアホール導体7、8を形成したものをそれぞれ図1に示される順序で積層する。
【0022】
次に上述したセラミックグリーンシートの積層体を高温で焼成し、誘電体層と内部導体とを同時に焼成することによって積層体2を形成し、最後に、得られた積層体2の側面にグランド電極3を形成することによって製品としての誘電体フィルタが完成する。
【0023】
以上のような本実施形態の誘電体フィルタにおいては、一対のストリップライン5、6と結合導体9とを異なる誘電体層間に配置しているので、同一平面上の磁界結合状態に加え誘電体層の層間の磁界結合状態を加味することができ、磁界結合状態の調整自由度を大きくすることが可能となる。
【0024】
また本実施形態の誘電体フィルタにおいては、ストリップライン5、6と結合導体9はストリップライン5、6の短絡端側同士をビアホール7、8を介して結合導体9と接続されるように配置することが好ましく、さらにストリップライン5,6と結合導体9が配置される誘電体層間の間隔を広げることでストリップライン5、6間の磁界結合を弱めることができるため、フィルタの通過帯域幅が広く、阻止域減衰量の大きいフィルタ特性を得ることができる。
【0025】
更に上述した本実施形態の誘電体フィルタにおいては、同一平面内に平行に配置されている一対のストリップライン5,6のうち一方のストリップライン5の一端部にビアホール導体8を、他方のストリップライン6の他端部にビアホール導体7を夫々接続することにより、一対のビアホール導体7,8が対角線状に配置されるようになっており、これによって同一平面内における結合導体9の線路長の調整範囲を大きくすることができる利点もある。
【0026】
次に上述した本発明の作用効果について図3を用いて説明する。図3は本発明品の誘電体フィルタと従来品の誘電体フィルタのフィルタ特性を示す比較図である。図中のAは従来品の誘電体フィルタのフィルタ特性を、B、Cは本発明品の誘電体フィルタのフィルタ特性を示す。Bはストリップライン5、6と結合導体9を一層異なる層に配置した場合であり、Cははストリップライン5、6と結合導体9を2層異なる層に配置した場合のフィルタ特性である。
【0027】
同図より明らかなように、従来品のフィルタ特性Aは通過帯域幅が狭帯域であるのに対して、本発明品のフィルタ特性B、Cは通過帯域幅が広く、阻止域減衰量の大きいフィルタ特性となっていることが判る。これは、ストリップライン5、6と結合導体9とを異なる誘電体層間に配置することで、ストリップライン5、6間の磁界結合状態を弱めることができるためである。また、従来品Aの特性においては、ストリップライン5、6間と結合線路9の接続をストリップライン5、6の短絡端同士を接続した場合のフィルタ特性であり、結合線路9との接続をストリップライン5、6の開放端側にすることで、フィルタ通過帯域低域側の減衰極は更に高周波側に移動し、フィルタの通過帯域幅は狭帯域となるフィルタ特性となる。
【0028】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
【0029】
例えば、本発明の実施例においては結合導体9をL字の直線状に配置したが、ミアンダ状に配置しても構わない。
【0030】
【発明の効果】
本発明の誘電体フィルタによれば、一対のストリップライン間を電気的に接続する結合導体をストリップラインとは異なる誘電体層間に配置させるようにしたことから、ストリップライン間の磁界結合状態の最小状態をさらに小さくすることができる。
【0031】
また本発明の誘電体フィルタによれば、一対のストリップラインを同一平面内に平行に配置させるとともに、一方のストリップラインの一方端部にビアホール導体を、他方のストリップラインの他方端部にビアホール導体を夫々接続することにより、一対のビアホール導体が対角線状に配置されるようになり、これによって同一平面内での結合導体の線路長の調整範囲を大きくすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る誘電体フィルタの分解斜視図である。
【図2】図1の誘電体フィルタの等価回路図である。
【図3】本発明の誘電体フィルタと従来の誘電体フィルタのフィルタ特性を示す比較図である。
【図4】従来の誘電体フィルタの分解斜視図である。
【符号の説明】
1・・・誘電体フィルタ
2・・・積層体
2a〜2f・・・誘電体層
3、3a、3b・・・グランド電極
4a、4b・・・入出力端子
5、6・・・ストリップライン
7、8・・・ビアホール導体
9・・・結合導体
10・・・容量結合パターン
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機やパーソナルコンピュータ等の各種通信機器、電子機器に組み込まれて用いられる誘電体フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話機等の通信機器に誘電体フィルタが用いられている。
かかる従来の誘電体フィルタとしては、例えば図4に示すように、複数の誘電体層102a〜102fを積層してなる積層体102の内部、具体的には、誘電体層102a−102b間にグランド電極103aを、誘電体層102e−102f間にグランド電極103bを形成するとともに、誘電体層102c−102d間に略平行に配された2個のストリップライン105、106及び結合導体109を、また誘電体層102b−102c間に容量結合パターン110を形成し、ストリップライン105、106からビアホール導体107、108を介して積層体の主面に形成されたグランド電極103に接続した構造を有したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特願2001−393205号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の誘電体フィルタにおいては、通過帯域幅が広く阻止域減衰量の大きいフィルタ特性を構成するのに、隣接するストリップライン同士を結合導体で接続するようにしており、この結合導体の線路長を変化させることで電磁界結合状態を調整するようにしている。
【0005】
しかしながら、ストリップラインと同一面内に結合導体を配置させている従来の構造では、結合導体の線路長を所定の長さに設定する際、結合導体の接続位置の調整に限界があり、通過帯域幅が広く阻止域減衰量の大きいフィルタ特性を得ることが困難であるという欠点を有していた。
【0006】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、フィルタの通過帯域幅が広く、阻止域減衰量の大きいフィルタ特性を得ることが可能な、小型の誘電体フィルタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の誘電体フィルタは、複数の誘電体層を積層して成る積層体の両主面にグランド電極を被着させるとともに、前記誘電体層間に一対のストリップラインを配設し、該ストリップラインと前記グランド電極とを積層体の内部に形成された一対のビアホール導体で接続してなる誘電体フィルタにおいて、前記一対のビアホール導体の形成領域内に少なくとも2層以上の誘電体層が存在しており、且つこれら誘電体層間に一対のビアホール導体を電気的に接続する結合導体を配設したことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の誘電体フィルタは、前記一対のストリップラインは同一平面内に平行に配置されているとともに、一方のストリップラインの一方端部に前記ビアホール導体を、他方のストリップラインの他方端部にビアホール導体を夫々接続したことを特徴とするものである。
【0009】
さらに、本発明の誘電体フィルタは、前記一対のストリップラインと前記グランド電極との間に位置する誘電体層間に、一対のストリップライン間に所定の静電容量を形成するための容量結合パターンが配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の誘電体フィルタによれば、一対のストリップライン間を電気的に接続する結合導体をストリップラインとは異なる誘電体層間に配置させるようにしたことから、ストリップライン間の磁界結合状態の最小状態をさらに小さくすることができる。
【0011】
また本発明の誘電体フィルタによれば、一対のストリップラインを同一平面内に平行に配置させるとともに、一方のストリップラインの一方端部にビアホール導体を、他方のストリップラインの他方端部にビアホール導体を夫々接続することにより、一対のビアホール導体が対角線状に配置されるようになり、これによって同一平面内での結合導体の線路長の調整範囲を大きくすることができるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る誘電体フィルタの分解斜視図、図2は図1の誘電体フィルタの等価回路図である。
【0013】
これらの図に示す誘電体フィルタ1は、複数の誘電体層2a〜2fを積層して成る積層体2の両主面にグランド電極3を被着させるとともに、前記誘電体層間に、インターデジタル型に形成された一対のストリップライン5,6を配設し、該ストリップライン5,6と前記グランド電極3とを積層体2の内部に形成された一対のビアホール導体7,8で接続し、更に一対のビアホール導体7,8の形成領域内に位置する誘電体層間に一対のビアホール導体7,8を電気的に接続する結合導体9を配設した構造を有している。
【0014】
前記積層体2は、例えば6層の誘電体層2a〜2fを積層して形成されており、各誘電体層2a〜2fは、誘電体セラミック材料、焼結助剤、低融点ガラス材料等によって構成されている。誘電体セラミック材料としては、例えばBaO−TiO2系、Ca−TiO2系、MgO−TiO2系等のセラミック材料が用いられ、これらのセラミック材料を用いる場合、誘電率が比較的高く、小さな面積でも充分な静電容量を得ることができるため、ストリップライン長を短縮して、全体構造の小型化に供することができる。また焼結助剤としては、例えば、BiVO4、CuO、Li2O、B2O3等が用いられる。誘電体層2a〜2fの厚みは、1層あたり50〜300μm程度に設定される。
【0015】
尚、前記積層体2の内部には、ストリップライン5、6や結合導体9の他に、容量結合パターン10やグランド電極3a、3b等が設けられ、その側面には入出力端子4a、4bが設けられている。
【0016】
また、前記グランド電極3は、積層体2の両主面及びその側面に設けられるグランド電極3と、誘電体層2bの表面に設けられるグランド電極3aと、誘電体層2fの表面に設けられるグランド電極3bとで構成されている。
【0017】
前記グランド電極3の材質としては、例えばAgやCu等の金属を主成分とする導体材料が好適に用いられ、外部に露出したグランド電極3の表面には、酸化腐食等を防止する目的で、例えば、Auメッキ膜やNi−Auメッキ膜等が適宜被着・形成される。
【0018】
一方、前記ストリップライン5、6は、積層体2の内部に、具体的には、誘電体層2cと誘電体層2dとの間に平行に並んだ状態で介在されており、前記ストリップライン5,6は、その一端側で積層体主面のグランド電極3にビアホール導体7、8を介して接続されている。より具体的には、一対のストリップライン5,6のうち、一方のストリップライン5の一端部にはビアホール導体8を介して、また他方のストリップライン6の他端部にはビアホール導体7を介してグランド電極3が電気的に接続される。
【0019】
このようなストリップライン共振器はストリップライン5、6と対向するグランド電極3との間で容量成分及び誘導成分を形成するようになっており、λ/4のストリップライン共振器として機能することとなる。
【0020】
なお、上述のストリップライン共振器を構成するストリップライン5、6、ビアホール導体7、8及び結合導体9、容量結合パターン10は、例えば、グランド電極3と同様の導電材料によって形成される。
【0021】
次に上述した誘電体フィルタ1の製造方法について説明する。
まず、誘電体材料と樹脂材料からなるセラミックグリーンシートに導電性ペーストを用いてグランド電極3aを形成したもの、ストリップライン5、6とビアホール導体7、8を形成したもの、結合導体9とビアホール導体7、8を形成したもの、グランド電極3bとビアホール導体7、8を形成したものをそれぞれ図1に示される順序で積層する。
【0022】
次に上述したセラミックグリーンシートの積層体を高温で焼成し、誘電体層と内部導体とを同時に焼成することによって積層体2を形成し、最後に、得られた積層体2の側面にグランド電極3を形成することによって製品としての誘電体フィルタが完成する。
【0023】
以上のような本実施形態の誘電体フィルタにおいては、一対のストリップライン5、6と結合導体9とを異なる誘電体層間に配置しているので、同一平面上の磁界結合状態に加え誘電体層の層間の磁界結合状態を加味することができ、磁界結合状態の調整自由度を大きくすることが可能となる。
【0024】
また本実施形態の誘電体フィルタにおいては、ストリップライン5、6と結合導体9はストリップライン5、6の短絡端側同士をビアホール7、8を介して結合導体9と接続されるように配置することが好ましく、さらにストリップライン5,6と結合導体9が配置される誘電体層間の間隔を広げることでストリップライン5、6間の磁界結合を弱めることができるため、フィルタの通過帯域幅が広く、阻止域減衰量の大きいフィルタ特性を得ることができる。
【0025】
更に上述した本実施形態の誘電体フィルタにおいては、同一平面内に平行に配置されている一対のストリップライン5,6のうち一方のストリップライン5の一端部にビアホール導体8を、他方のストリップライン6の他端部にビアホール導体7を夫々接続することにより、一対のビアホール導体7,8が対角線状に配置されるようになっており、これによって同一平面内における結合導体9の線路長の調整範囲を大きくすることができる利点もある。
【0026】
次に上述した本発明の作用効果について図3を用いて説明する。図3は本発明品の誘電体フィルタと従来品の誘電体フィルタのフィルタ特性を示す比較図である。図中のAは従来品の誘電体フィルタのフィルタ特性を、B、Cは本発明品の誘電体フィルタのフィルタ特性を示す。Bはストリップライン5、6と結合導体9を一層異なる層に配置した場合であり、Cははストリップライン5、6と結合導体9を2層異なる層に配置した場合のフィルタ特性である。
【0027】
同図より明らかなように、従来品のフィルタ特性Aは通過帯域幅が狭帯域であるのに対して、本発明品のフィルタ特性B、Cは通過帯域幅が広く、阻止域減衰量の大きいフィルタ特性となっていることが判る。これは、ストリップライン5、6と結合導体9とを異なる誘電体層間に配置することで、ストリップライン5、6間の磁界結合状態を弱めることができるためである。また、従来品Aの特性においては、ストリップライン5、6間と結合線路9の接続をストリップライン5、6の短絡端同士を接続した場合のフィルタ特性であり、結合線路9との接続をストリップライン5、6の開放端側にすることで、フィルタ通過帯域低域側の減衰極は更に高周波側に移動し、フィルタの通過帯域幅は狭帯域となるフィルタ特性となる。
【0028】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
【0029】
例えば、本発明の実施例においては結合導体9をL字の直線状に配置したが、ミアンダ状に配置しても構わない。
【0030】
【発明の効果】
本発明の誘電体フィルタによれば、一対のストリップライン間を電気的に接続する結合導体をストリップラインとは異なる誘電体層間に配置させるようにしたことから、ストリップライン間の磁界結合状態の最小状態をさらに小さくすることができる。
【0031】
また本発明の誘電体フィルタによれば、一対のストリップラインを同一平面内に平行に配置させるとともに、一方のストリップラインの一方端部にビアホール導体を、他方のストリップラインの他方端部にビアホール導体を夫々接続することにより、一対のビアホール導体が対角線状に配置されるようになり、これによって同一平面内での結合導体の線路長の調整範囲を大きくすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る誘電体フィルタの分解斜視図である。
【図2】図1の誘電体フィルタの等価回路図である。
【図3】本発明の誘電体フィルタと従来の誘電体フィルタのフィルタ特性を示す比較図である。
【図4】従来の誘電体フィルタの分解斜視図である。
【符号の説明】
1・・・誘電体フィルタ
2・・・積層体
2a〜2f・・・誘電体層
3、3a、3b・・・グランド電極
4a、4b・・・入出力端子
5、6・・・ストリップライン
7、8・・・ビアホール導体
9・・・結合導体
10・・・容量結合パターン
Claims (3)
- 複数の誘電体層を積層して成る積層体の両主面にグランド電極を被着させるとともに、前記誘電体層間に一対のストリップラインを配設し、該ストリップラインと前記グランド電極とを積層体の内部に形成された一対のビアホール導体で接続してなる誘電体フィルタにおいて、
前記一対のビアホール導体の形成領域内に少なくとも2層以上の誘電体層が存在しており、且つこれら誘電体層間に一対のビアホール導体を電気的に接続する結合導体を配設したことを特徴とする誘電体フィルタ。 - 前記一対のストリップラインは同一平面内に平行に配置されているとともに、一方のストリップラインの一方端部に前記ビアホール導体を、他方のストリップラインの他方端部にビアホール導体を夫々接続したことを特徴とする請求項1に記載の誘電体フィルタ。
- 前記一対のストリップラインと前記グランド電極との間に位置する誘電体層間に、一対のストリップライン間に所定の静電容量を形成するための容量結合パターンが配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の誘電体フィルタ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002344678A JP2004180032A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 誘電体フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
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