JP2004180320A - 放射線画像のダイナミック・レンジの管理方法 - Google Patents

放射線画像のダイナミック・レンジの管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】組成の異なる組織をすべての点で明瞭且つ十分にコントラスト対照した画像を形成する。
【解決手段】関連するピクセル位置でのコンテクスト画像の信号に依存する値を有するコントラスト拡大ファクタを画像のコンテクスト成分及び細部成分に適用することによって取得画像を処理することによる放射線画像のダイナミック・レンジの管理方法である。グレイ・レベル又は取得時線量で表現した信号を放射線学的厚み信号へ変換して処理を行なう。処理の終盤で、処理済み画像のダイナミック・レンジを、放射線装置のダイナミック・レンジに対応するように、特に圧縮によって再設定する。所望があれば、利用者によって選択された関数として各ファクタを修正する。
【選択図】 図1

Description

本発明及びその実施形態は、医療放射線検査の分野、及びこの分野内では特にマンモグラフィに用いることのできる画像のダイナミック・レンジの管理方法である。
表示されるべき画像、好ましくはディジタル画像は、放射線例えばX線の線源が交差する対象の放射線学的厚みの画像であり、典型的には12ビットに等しい広いダイナミック・レンジを有している。対象は典型的には、器官又は解剖学的特徴であってよい。放射線学的厚みとは、放射線によって測定される対象の厚みであり、すなわち交差した物体の吸収を考慮に入れた上で測定される厚みである。例えば、0.1cmの骨は1cmの水と同じ放射線学的厚みを有する。画像が表示されるモニタは、典型的には8ビットに等しい遥かに小さいダイナミック・レンジを有している。モニタは256階調のグレイ・レベルでの区別しかできない。従来技術では、グレイ・レベルについてはディジタル画像のダイナミック・レンジの両端に位置するダイナミック・レンジを圧縮している。これにより、圧縮されたダイナミック・レンジ部分に対応する画像部分の明瞭さが欠如する。
欧州特許第EP−A−1113392号は、ダイナミック・レンジの圧縮の前に、特にX線照射した器官の高密度領域と低密度領域との間の境界位置での厚みのばらつきを補償する方法を提案している。得られる効果は信号のダイナミック・レンジの縮小である。結果として、飽和させずに器官全体を表示させることができる。
画像のダイナミック・レンジの縮小とコントラストの拡大すなわちコントラスト上昇工程とを組み合わせると放射線学的構造の見易さを高めることができる。PCT特許第WO01/69532号は、コントラストに基づいて画像のダイナミック・レンジを圧縮する方法を提案しており、この方法では低周波数及びコントラストを別個に調節して表示装置のダイナミック・レンジを調節している。ダイナミック・レンジの縮小とコントラストの拡大とは別物であるが両方ともダイナミック・レンジの圧縮を含んでおり(元のダイナミック・レンジと撮像装置のダイナミック・レンジとの間で)、このため利用者は12ビットで符号化されている画像の8ビット表現までしか入手できないという極めて重大な制限を招いている。
欧州特許第EP−A−1113392号 PCT特許第WO01/69532号 J. Kaufhold、J.A. Thomas、J.W. Eberhard、C.E. Galbo、及びD.E. Gonzalez Trotter、"A Calibration Approach to Glandular Tissue Composition Estimation in Digital Mammography"、Med. Phys.誌、第29巻第8号、第1867頁〜第1880頁(2002年8月)
本発明及びその実施形態は、放射線画像のダイナミック・レンジの管理方法であって、この方法は、放射線検出器及び放射線の線源を有する放射線装置で広い取得ダイナミック・レンジを有している対象の画像を取得する工程と、放射線が交差した対象の画像の放射線学的厚みを算出する工程と、コンテクスト画像を得るように、放射線学的厚みの画像をフィルタ処理する工程と、細部画像を得るように、放射線学的厚みの画像からコンテクスト画像を減算する工程と、ダイナミック・レンジを縮小させた画像を得るように、放射線学的厚みの画像から算出される第一のテーブルによってコンテクスト画像を処理する工程と、後に細部を強調した画像を得るために細部画像に加重される係数の画像を得るように、放射線学的厚みの画像から算出される第二のテーブルによってコンテクスト画像を処理する工程と、ダイナミック・レンジを縮小させ且つコントラストを高めた画像を得るように、ダイナミック・レンジを縮小させた画像及び細部を強調した画像を共に加算する工程であって、ダイナミック・レンジを縮小させ且つコントラストを高めた画像では、対象構造間の差が保存されており、ダイナミック・レンジを縮小させ且つコントラストを高めた画像のダイナミック・レンジは、撮像装置のダイナミック・レンジの範囲内に含まれるように広いダイナミック・レンジよりも小さいダイナミック・レンジとして圧縮されている、加算する工程とを備えている。
本発明及びその実施形態は、以下の説明及び添付図面からさらに明確に理解されよう。これらの図面は純粋に説明のために掲げられているのであって本発明の範囲を制限するものではない。
図1は、本発明の処理を説明するための4つのグラフ1、2、3及び4を示している。これらのグラフでは、X軸が放射線学的厚みとしての放射線信号の測定値を示している。この信号は広いダイナミック・レンジを有しており、典型的には12ビットで符号化されている。取得画像から放射線学的厚み画像へ到る経過では対数変換が必要とされるが、取得画像と放射線学的厚み画像との間の対応関係は如何なる場合にも単調型ではない。図1ではまた、4つのグラフの下に乳房の放射線画像の模式図が掲げられている。これら4つのグラフにおいて、第一のグラフが、広いダイナミック・レンジ例えば212で表現されている放射線学的厚み信号と、実際の表示ユニット上でダイナミック・レンジを小さくして8ビットに対応する0〜255のグレイ・レベルで表示することのできるグレイ・レベルで表わした信号との間の対応関係5を示している。
公知の方法で、第一のグラフ1はダイナミック・ウィンドウWW(最大ゲイン差(コントラスト)を制御する)を含んでおり、ダイナミック・ウィンドウWWは、その中心WC(最大ゲイン差のレベル)を放射線学的厚み信号の全ダイナミック・レンジの所与の位置に合わせることによりロックされている。厚み信号は12ビットで表現されているが、撮像装置を制御するのに用いられる有用な信号は8ビットすなわち1バイトで表現される信号であるに留まる。
第一のグラフ1の下にあるグラフ2は、4つのグラフの下に掲げられている画像で見えている放射線学的厚みの視野での乳房7の実際のヒストグラム6を実線で示している。公知の方法で、このヒストグラム6は、一方の端部で乳房のエッジを表わしている境界部8と、典型的には脂肪域ZA及び乳腺域ZGに対応している二つのピークとを含んでいる。
図2は、ダイナミック・レンジの管理方法の各工程を示している。放射線装置(図示されていない)によって取得された画像から、図2でXと付されている信号が得られる。コンテクスト成分の画像及び細部成分の画像はこの信号Xから抽出される。放射線学的取得現象がI=I0exp(−μx)型であるとすると、μxはμx=Log(I0)−Log(I)の形態で表わされ得ることが公知である。ここで、Iは電子放射線検出器によって実際に測定された信号であるか、又は可能性としてはディジタル化したX線画像から読み取られた信号である。厚みxが定数である(乳房は全体にわたって同じように圧迫されているため)場合には、本方法から、各々の点での放射線学的密度μの画像が画像の各々のピクセル位置で得られる。このために、信号Xは回路9によって図2でYと付されている放射線学的厚み信号へ変換される。信号Xは従来は14ビットのダイナミック・レンジを有しており線量単位で表わされているが、対数変換9から、ピクセル毎に12ビットの放射線学的厚み信号Yが得られる。変換9は好ましくは、予め算出されているテーブルLUTの読み取りによって行なわれる。図1の4つのグラフ1〜4のx軸に表わされているのはこの厚み信号Yである。
次いで、信号Yを、出力信号YLPを発生する空間フィルタ10へ送る。フィルタ10はメジアン型低域通過空間フィルタであり、大きなコア例えばディジタル・マンモグラフィで用いられる2cmのコアを有する。但し、同様の結果又は可能性としてさらに良好な結果を与えるその他の形式の統計学的フィルタであってもよい。信号YLPは信号Yと同じく12ビットで与えられる。これらの信号は減算器11において互いから減算されて、画像の細部を表わす信号YHPを発生する。フィルタ10による低域通過フィルタ処理によって、画像信号Yはコンテクスト信号YLPへ変換される。コンテクスト信号を開始時信号から減算すると、残りすべての信号が細部の信号となることは言うまでもない。
次いで、乗算器12において、細部信号YHPにテーブル13によって与えられる係数をピクセル毎に乗算する。テーブル13は、ピクセル毎にピクセル環境に依存する値を有する係数を与える。この依存性はここでは次のようにして求めることができる。すなわち、処理後のピクセルに対応するコンテクスト画像の信号をテーブル13の読み取りアドレスとして用いることができ、このアドレスから係数が抽出される。このように、テーブル13は、コンテクスト信号のグレイ・レベルと、さらに乗算器12に導入される細部信号に適用されるべき加重係数との間の対応関係を含んでいる。
コントラストを高めるこの変換は、欧州特許第EP−A−1113392号(特許文献1)の教示には存在していなかった。乗算器12によって発生される信号は、加算器14においてコンテクスト信号に加算される。好ましくは、このコンテクスト信号自体が補正フィルタ15による変換を経ている。補正フィルタ15は、補正フィルタ13と同様に、ルックアップ・テーブルLUTとしてやはり公知である対応関係のテーブルの形態で作成されている。このテーブルの特徴は、ここでも修正を生成することである。但し、この場合にはコンテクスト信号の修正である。この修正α(x)自体がコンテクスト信号の値xの関数である。加算器14の出力で得られる信号は、望ましい改善のすべてを施されている(後にあらためて説明する)。
しかしながら、信号のダイナミック・レンジが12ビットであるため、8ビットの表示ユニットのダイナミック・レンジに対応しない。このために、下流側、具体的には対応関係テーブルLUTの下流側に配置されている変換回路16が、出力においてピクセル毎に1つずつの8ビット信号Zを与えることを可能にする。実際には、回路16は図1のグラフ1に示す形式の変換を行なうことができる。
回路15は、α(YLP)型の乗算を含む形式の変換を実行する。αの値を図1のグラフ3に示す。さらにこの変換は、欧州特許第EP−A−1113392号(特許文献1)に教示されている変換に対応している。変換の目的は、取得画像のダイナミック・レンジを期待される幅に対応するように圧縮することである。具体的には、乳房のエッジに位置する領域については、α(x)はxよりも大きい。目盛の他端では、最大取得信号値についてα(x)はxよりも小さくなる。係数は、取得画像のダイナミック・レンジを全体としてA〜Bのダイナミック・レンジにするように減少型となる。
回路13では、修正βを環境に関係付ける(グラフ4)。第一の実例としては、脂肪域ZA及び乳腺域ZGと、ヒストグラム6のグレイ・レベル又は等価厚みとの間に対応関係が存在していると考える。従って、脂肪域ZA及び乳腺域ZGでは、放射線学的厚みがダイナミック・レンジの区画YM1〜YM2に含まれていると決定される。次いで、例えば値YM1の通過時には、回路13によって付与される係数βが増大し、例えば、1乃至さらに大きい閾値例えば2又は3となるものと決定される。係数βを1にすると細部をそのままに保持する。細部を強調する場合には、例えば領域ZG及びZAでβを2又は3に等しくする。
ダイナミック・レンジを縮小させ且つコントラストを高めた画像のヒストグラム17をグラフ2の破線で示す。
係数α及びβはこのようにして画像のピクセルの各々に割り当てられて、係数自体として修正画像を形成することができる。これら係数の値は、各位置でのコンテクスト画像の信号YLPの値の関数であって各々の画像に特異的な関数となる。
次いで、環境の関数としての所与の値の係数βへの割り当ては二つの方法で行なうことができる。第一の方法では、領域ZA及びZGの画像内での位置を識別して、地理学的座標がこれらの位置に対応しているピクセルについては、係数βを呼応して調節する。この場合には、テーブルLUT13(又はαについてはLUT15)は画像に関連するピクセルの座標によってアドレス指定される。第二の方法では、好ましくは、前述の対応関係を用いて、係数のテーブル13(係数のテーブル15についても同様)は、関連する信号のグレイ・レベルすなわち放射線学的厚みによってアドレス指定される。換言すると、所与の等価厚み、典型的には閾値YM1よりも大きい値を有する信号は、領域ZA又はZGの信号であると考えられて、次いで例えば係数βを2又は3とした最大コントラスト拡大が適用される。
従来技術と比較すると大きな差があることが分かる。というのは、従来の方法は、実際の乳房画像内でマウス又はトラックボールで境界画定することによる表示画像内の空間ウィンドウの指定を含んでいた。次いで、指定したウィンドウの画像を解析して、この指定したウィンドウでの信号のばらつきの関数として画像のコントラストを最適化していた。
第二の実例としては、解剖学的な構造又は特徴例えば線維性乳腺組織の各々のピクセル位置での比率を推定することにより、環境を考慮に入れる。この推定法は、J. Kaufhold、J.A. Thomas、J.W. Eberhard、C.E. Galbo、及びD.E. Gonzalez Trotterによる“A Calibration Approach to Glandular Tissue Composition Estimation in Digital Mammography”、Med. Phys.誌、第29巻第8号、第1867頁〜第1880頁(2002年8月)に記載されている。この教示によれば、各々のピクセルでの線維性乳腺組織率の推定には幾つかの公知の方法がある。次いで、必要があれば低域通過空間フィルタ処理の後にこの比率を用いて係数の値を調節することができる。例えば、βは、この比率が高まるにつれてまた高まるときには定常的に増大する。この場合には、コンテクスト画像及び細部画像を修正するのに用いられる二つの関数の計算は、線維性乳腺組織率の関数として予め定義されており、較正手順によって各々の放射線学的厚み画像に合わせて適応構成される。
係数αが区分的に線形であるのと同程度まで、この第二の実例での係数βも区分的に定数となる。係数αは、異なる組織の厚みの間の順序関係を保存するように、正で非減少型とする。係数βについては、細部を監視すべきであるか、そのままに保つべきであるか、或いは対照的にコントラストを大きくして表示すべきであるかに応じて1よりも小さいか、1に等しいか、或いは1よりも大きい値を取り得る正関数となる。好ましくは、αは、乳房のエッジが圧縮されていないことによる厚みのばらつきの影響を補償するように急傾斜を有する。
閾値YM1、又はその他任意の閾値は、ヒストグラム6を考慮することにより決定され、特に脂肪域と線維性乳腺域とをセグメント分割するように決定される。βについては、区分毎に定数である関数を選択することにより、脂肪域及び線維性乳腺域のそれぞれについて異なる拡大係数を利用することが可能になる。
図1のグラフ1は基本的なダイナミック・レンジについて表示ウィンドウを示しているが、担当医が表示ウィンドウの位置WC及び/又は幅WWを修正したい場合がある。この修正は回路16で行なうことができ、係数α及びβの修正のための信号γが生成される。表示幅を初期値WWから最終値WW′へ修正すると、係数α及びβは、α/α′=Ψ(WW/WW′)及びβ/β′=ρ(WW/WW′)型の修正に従って修正される。これらの式は、Ψ及びρが非減少型関数であるような式である。符号「′(プライム)」を付した項は基本項からの修正形態に関連している。基本項α、β及びWWは放射線装置の処理及び表示システムの初期設定から得られる。すべての新規表示画像は、これらの基本値で表示される。次いで、担当医がこれらの基本項に関わる修正を行なう。関数Ψ及びρは経験的に決定される。
従って、このように動作することにより、担当医の具体的な要望を考慮に入れることが可能になる。この機構は二つの方法で具現化することができる。第一の具現化形態では、利用者がコントラストの制限を変更したときには常に全処理を再開する。このときの必要条件としては、対象例えば乳房の全体的な外観が同じに保たれなければならない。第二の具現化形態では、低周波数画像を一回限りで処理する。実際には、画像YLPはこのように一回限りで準備されてメモリに記憶される。利用者が表示コントラストを変更すると、取得画像を再度フィルタ処理しないで新たな処理画像を得ることができる。この第二のアプローチは計算時間の観点では要求が少ないが、メモリの処理にかなりの複雑さを導入する。
利用者にとっては、上述の処理から、脂肪組織のコントラストが表示のダイナミック・レンジWWを脂肪組織の最適表示に設定することにより得られるコントラストと同様のものになっており、乳腺組織のコントラストが表示のダイナミック・レンジWWを線維性乳腺組織の最適表示に設定することにより得られるコントラストと同様のものになっている乳房の単一の画像が形成される。
第二に、通常の方法で画像のコントラストを修正する、すなわち対応関係テーブル16の修正によって修正することが可能である。すべての組織が見えている状態のままで、局所的な構造のコントラストが表示範囲について最大化される。この修正を行なわない場合には、選択したコントラストが高いときに目に見える組織の数が大幅に減少する。従って、フィルム・システム又は画面システムによって得られるものよりも遥かに良好なコントラストで画像を得ることが可能になり、同時にすべての組織の見易さが保たれる(胸筋、乳腺、脂肪、皮下脂肪及び皮膚等)。このアプローチは、乳ガンの検出能を改善すると共に、画像を表示するのに必要な周囲光の制限を小さくする。つまり、表示器の状態が最高の状態でない場合であっても、付加的な処理動作が画像の十分な観測を可能にする。
処理は定量的な、従って客観的な情報に基づいて行なわれるので、取得構成に独立であり且つこの目的に用いられる放射線撮像機械に独立な最適表示が得られる。
処理は表示コントラストに関係しているので、乳房の全体的な印象は常に同じであり、動作が放射線医にとって極めて自然なものとなる。この処理を行なわない場合には、すべての要求を満たす拡大方式を見出せる可能性は低い。大幅な拡大を伴って処理した画像は、標準的なコントラストで表示すると不自然に見える。コントラスト拡大を小さくして処理した画像は、高コントラストですべての組織を表示することができない。
本発明及びその実施形態は、ディジタル撮像技術すなわち固体検出器及びディジタル取得システムによる技術を用いることにより得られるマンモグラフィ画像の読影を容易にし、担当医が一見して分かる、また可能性としては表示を一切調節しないでも、すべての点で明瞭且つ十分にコントラスト対照された画像を入手することができる。従って、かかる画像では、放射線医は、画像の様々な構成要素の間での関係を認知することにより実質的にすべての臨床的な徴候を識別することができる。
12ビットで符号化されたディジタル画像の幾種類かの8ビット表現を表示する可能性を保つために、本発明及びその実施形態は次の三つの処理工程を分離している。すなわち(i)ダイナミック・レンジの縮小、(ii)コントラストの拡大、及び(iii)ダイナミック・レンジの圧縮である。放射線学的厚み画像は最初の二つの処理動作を経て、厚みのばらつきを補償すると共にコントラストを高める。次いで、例えば12ビットから8ビットへの変換を行なうことにより表示画像を得る。利用者は、コントラストを全体的に変更したり、表示される厚み領域を再画定したりするために変換を修正することができる。さらに、実時間シナリオでは、厚みのばらつきの補償及びコントラストの上昇は、表示を最適化するための利用者のパラメータ設定に合わせて適応構成することができる。
本発明及びその実施形態では、放射線学的厚み画像からコンテクスト成分及び細部成分を生成する。乳房載置台と圧迫板との間で乳房を圧迫して画像を撮影するときには、乳房の厚みは一貫して同じになるように機械的に圧迫される。そして、被検査組織の放射線学的密度μを考慮に入れた上で放射線学的厚みとして測定される信号を処理すると有用である。さらに、撮像装置を考慮に入れるために、医学的特徴の関数として改善されたコントラストを有する画像は最終的には、用いられる表示装置のダイナミック・レンジに対応するように補正される。コンテクスト画像及び細部画像は、各画像のコントラストが各位置でのコンテクスト画像の局所的な状態に依存するように修正される。このようにして、原理的には互いに対して排他的な異なる領域で同時にコントラスト拡大モデルを作成することが可能になり、担当医は一目で求める情報全体を入手することができるようになる。
医療的な特徴を決定するのに用いられる規準を経験的なものとして臨床的研究によって検証した。この臨床的研究では、一群の画像を開示したダイナミック・レンジ管理方法によって処理して、これらの画像を一定範囲の専門家に提示すると、専門家からは提示した画像の品質について一致した承認が得られた。もう一つの規準は偽陽性又は偽陰性を生じないということであった。偽陽性とは、検出されるべき放射線学的偶発事象が存在するものと誤った印象をも与える人為的変換画像である。偽陰性とは、実際には存在しているのに処理動作の後に隠蔽される放射線学的偶発事象の消滅を齎すコントラストの拡大である。
当業者であれば、本発明の範囲から逸脱せずに開示された実施形態及びその均等構成の機能及び/又は方法及び/又は結果に対して様々な改変を施し又は提案することができる。
ダイナミック・レンジの管理及びその処理の線図である。 本発明の方法の処理工程の図である。
符号の説明
1 12ビットのダイナミック・レンジの放射線学的厚み信号とグレイ・レベル信号との間の関係のグラフ
2 乳房のヒストグラム
3 変換回路15による乗算係数αのグラフ
4 回路13による乗算係数βのグラフ
5 12ビットのダイナミック・レンジの放射線学的厚み信号とグレイ・レベル信号との間の対応関係
6 ヒストグラム
7 乳房
8 境界部
9 放射線学的厚み信号への対数変換
10 メジアン型低域通過空間フィルタ
11 減算器
12 乗算器
13 補正フィルタ(ルックアップ・テーブル)
14 加算器
15 補正フィルタ(ルックアップ・テーブル)
16 変換回路
17 ダイナミック・レンジを縮小させ且つコントラストを高めた画像のヒストグラム

Claims (7)

  1. 検出器及び放射線の線源を有する放射線装置で広い取得ダイナミック・レンジを有している対象の画像を取得する工程と、
    前記放射線が交差する前記対象の前記画像の放射線学的厚みを算出する工程と、
    コンテクスト画像を得るように、前記放射線学的厚みの画像をフィルタ処理する工程と、
    細部画像を得るように、前記放射線学的厚みの画像から前記コンテクスト画像を減算する工程と、
    ダイナミック・レンジを縮小させた画像を得るように、前記放射線学的厚みの画像から算出される第一のテーブルにより前記コンテクスト画像を処理する工程と、
    後に細部を強調した画像を得るために前記細部画像に加重される係数の画像を得るように、前記放射線学的厚みの画像から算出される第二のテーブルにより前記コンテクスト画像を処理する工程と、
    ダイナミック・レンジを縮小させ且つコントラストを高めた画像を得るように、前記ダイナミック・レンジを縮小させた画像及び前記細部を強調した画像を共に加算する工程であって、当該ダイナミック・レンジを縮小させ且つコントラストを高めた画像では解剖学的な構造間の差が保存されており、当該ダイナミック・レンジを縮小させ且つコントラストを高めた画像のダイナミック・レンジは、撮像装置のダイナミック・レンジの範囲内に含まれるように前記広いダイナミック・レンジよりも小さいダイナミック・レンジとして圧縮されている、加算する工程と、を備えた放射線画像のダイナミック・レンジの管理方法。
  2. 前記細部を強調した画像を得るために、ピクセル毎に係数の画像で前記細部画像に加重し、前記係数の値は、各位置での前記コンテクスト画像の値の正関数である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記コンテクスト画像は、メジアン・フィルタ処理又は他の形式の統計学的フィルタ処理により前記放射線学的厚みの画像から構成される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 前記ダイナミック・レンジを縮小させた画像を得るために前記コンテクスト画像の各々のピクセルに適用される関数は正で区分的に線形で非減少型であり、且つ/又は前記細部を強調した画像を得るために各々のピクセルにおいて前記細部画像に乗算される前記係数は、区分的に定数である正関数を前記コンテクスト画像の各々のピクセルに適用することにより算出され、前記係数は、各位置でのコントラストを小さくすべき場合には1よりも小さく、各位置でのコントラストをそのままに保つべき場合には1に等しく、各位置でのコントラストを高めるべき場合には1よりも大きい、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ダイナミック・レンジの圧縮は、利用者により調節可能な二つのパラメータであって最大ゲイン差を制御するパラメータWW及び開始時ダイナミック・レンジでの最大ゲイン差レベルを定義するパラメータWCの二つのパラメータにより特徴付けられる正で非減少型の関数により得られる、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記コンテクスト画像及び前記細部画像を処理する動作は、前記利用者により選択される前記値WWの関数として修正される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記コンテクスト画像及び前記細部画像を修正するのに用いられる前記二つの関数の計算は、対象構造の比率の関数として予め定義されており、また各々の放射線学的厚み画像に合わせて較正手順により適応構成される、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の方法。
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