JP2004181568A - レンズ芯出しクランプ装置およびレンズ芯取り機 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動クランプによるレンズ芯出しのためのクランプ力とクランプ速度を互いに独立して制御することで、レンズ芯出しの高精度化と高効率化の双方を実現する。
【解決手段】一対のベルホルダ1、2によってレンズR1を挟持する自動クランプ装置において、クランプ力を与えるためのシリンダー50と、可動軸側ベルホルダ2を進退させるためのボールネジ57および駆動モータ60等からなる軸方向駆動手段を互いに独立して制御自在に構成し、レンズ芯出しのための低圧調整により芯出し精度を向上させ、クランプ時の高速、低速の切り換えによってサイクルタイムを短縮する。
【選択図】 図1
【解決手段】一対のベルホルダ1、2によってレンズR1を挟持する自動クランプ装置において、クランプ力を与えるためのシリンダー50と、可動軸側ベルホルダ2を進退させるためのボールネジ57および駆動モータ60等からなる軸方向駆動手段を互いに独立して制御自在に構成し、レンズ芯出しのための低圧調整により芯出し精度を向上させ、クランプ時の高速、低速の切り換えによってサイクルタイムを短縮する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ等の光学素子の外径部を研削するレンズの芯取り加工を行うためのレンズ芯取り機に搭載されるレンズ芯出しクランプ装置およびレンズ芯取り機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カメラやビデオ等に使用されるレンズ等の光学素子の中心と光軸を同一軸上に合わせて保持したうえで、外周部を研削する芯取り加工機は、図4に示すように、ベルホルダ101、102によって保持したレンズR0の光軸を中心に回転させるレンズ芯出しクランプ装置と、回転しているレンズR0の外周部に図示していない砥石を当接して研削する研削装置から構成されている。このうちレンズ芯出しクランプ装置は、軸受112と軸受122にレンズ軸111と可動軸121がそれぞれ回転自在に支持され、かつ同一軸線上にそれぞれの回転中心軸を一致させたうえで対向して配設されている。
【0003】
レンズ軸111は、その中心に中空部111aを設けニップル111bによって図示しない真空源に接続され、レンズ軸111側に取り付けられたベルホルダ101のレンズ当接部101aにレンズR0を吸着保持するための真空吸着力を発生させる。可動軸121は、レンズ軸111側へ接近したり反対側へ離反したりできるように軸方向に移動自在に構成されている。レンズ軸111と可動軸121の対向する側の端部には、レンズR0をクランプして芯出しを行うための、レンズを保持する側に開いて先端をエッジ状に成型したカップ状のベルホルダ101、102をそれぞれ取り付け、反対側には、レンズ軸回転ギア141と可動軸回転ギア142をそれぞれ設けてある。
【0004】
両ベルホルダ101、102を回転させる第一回転駆動部103は、モータ130の駆動を電磁クラッチ130aの作動により、レンズ軸側ベルホルダ101のレンズ軸111に伝達する回転軸134を介して、レンズ軸伝達ギア135およびレンズ軸回転ギア141と、可動軸側ベルホルダ102の可動軸121に伝達する可動軸伝達ギア133および可動軸回転ギア142に連結自在になっている。第一回転駆動部103で各ベルホルダ101、102を低速回転で任意に制御され、図示しない砥石によりレンズR0を芯取り加工される。
【0005】
両ベルホルダ101、102を回転させる第二回転駆動部107は、モータ170の駆動を電磁クラッチ170aの作動により、レンズ軸側ベルホルダ101のレンズ軸111に伝達するレンズ軸伝達ギア135およびレンズ軸回転ギア141と、回転軸134を介して可動軸側ベルホルダ102の可動軸121に伝達する可動軸伝達ギア133および可動軸回転ギア142に連結自在である。第二回転駆動部107により各ベルホルダ101、102を高速回転で任意に制御され、高速回転によるレンズの自動芯出しを行う。
【0006】
可動軸121には、ベルホルダ102が取り付けられる側と反対側の先端に、レンズ軸111と可動軸121の回転中心軸と一致した軸線上に中心軸を合わせて可動軸駆動部105のシリンダー105aを、ピストン151のロッド152の突出、後退動を可動軸121に伝える連結棒153を介して配設されている。シリンダー105aの両端には、軸を突出、後退させるための流体の給排気孔154が設けられ、図示していない流体配管および、加圧方向切換弁によりロッド152の突出、後退駆動を行う。この時の流体圧力は、図示していない低圧、高圧切換弁および、それぞれの圧力が調整できる調整設定機構により調整切換可能としている。そして必要流体圧力に調整設定した後、これらの機構を介して可動軸121を軸方向に前進(レンズ軸側へ移動)させてレンズR0を挟持させると同時に、シリンダー105aの流体圧力により、中心軸方向からベルホルダ102を介してレンズR0にクランプ力を加える。可動軸121の前進からレンズの芯出し工程までは、流体圧力を調整設定機構により低圧に設定した低圧レギュレータと低圧切換弁により作動し、レンズR0の外周部等の研削を行ういわゆる芯取り加工時は、流体圧力を調整設定機構により高圧に設定した高圧レギュレータと高圧切換弁の作動により、レンズR0を強硬に保持する。
【0007】
上記レンズ芯取り機のレンズ芯出しクランプ装置によりレンズR0をクランプする時は、まずレンズ軸111のベルホルダ101にレンズR0を吸着等で保持し、レンズ軸111および可動軸121をともに回転させ、同時にレンズクランプで問題が出ないレベルの低圧に設定し、その圧力でシリンダー105aを駆動させると、該シリンダー105aと接続されている可動軸121を軸方向のレンズ軸側に圧力に応じた一定の速度で前記回転を伴いながら前進し、レンズ軸側ベルホルダ101に保持されたレンズR0に可動軸側ベルホルダ102が当接しさらにレンズR0を押圧する。そしてレンズ軸側ベルホルダ101と可動軸側ベルホルダ102との間にレンズR0を挟持する際に、レンズR0がその球面に沿って滑って両ベルホルダ101、102の回転中心軸とレンズ光軸とが一致する作用を利用してレンズR0の芯出しを行い、この状態から流体圧力を高圧に切り換えてクランプ力を強くした状態でレンズR0を強固に保持して砥石による芯取り加工を行う。
【0008】
これに対して、低圧、低速のクランプ装置を設けたレンズの芯取り機が考案されている。例えば、特開昭58−160051号公報に開示された構成は、図5に示すように、図示していない装置本体に固設された下軸側のレンズ軸111と、装置に昇降自在に装着された上軸側の可動軸121が、各軸の回転中心に軸芯を合わせて各軸対向した位置に配設されている。この装置は、上軸側の可動軸121を受ける軸受122に軸方向に固設されたラック264と、装置本体に軸着されたピニオン263と、装置本体に固設されたシリンダー261と、前記シリンダー261のロッド端に装着されたラック262を有し、ラック264、262とピニオン263とが噛合されて、シリンダー261を作動させることにより上軸側の軸受122を昇降させることにより、これに配設され連動するベルホルダ102を昇降させて、下軸側のレンズ軸111に取り付けてあるベルホルダ101上に載置されたレンズR0を挟持する構造になっている。
【0009】
レンズ軸111、可動軸121はそれぞれ、ギア141、142とこれに接続されたそれぞれの伝達ギア135、133と、該伝達ギア135、133とを連結している回転軸134と、伝達ギア133と回転軸134との連接部に介装し、加工回転時は回転力をレンズ軸111、可動軸121の両方に伝達して同一回転させ、逆回転時は上軸側の可動軸121のみ回転させる作用をさせる一方向クラッチ136と、伝達ギア133の回転軸130aに固着されたギア132と、これと接続しモータ130の回転軸に固着されたモータギア131とモータ130とを介して回転駆動をする。シリンダー261は、図示しない油圧回路に減圧弁、切換バルブ、流量調整弁等が介装され、シリンダー261に与えられる作動油の圧力を高低2段に切り換えられる様になっており、またシリンダー261の作動速度を必要に応じて調整できる構造となっている。
【0010】
上記クランプ装置でレンズR0をクランプするには、モータ130を逆回転させると同時にシリンダー261に低圧の油圧を供給し、下軸側のベルホルダ101に吸着され停止しているレンズR0に向かって上軸側の可動軸のみ回転しながら下降してゆく。すると可動軸側ベルホルダ102とレンズR0の接触点に作用する接線力等を利用して、各ベルホルダ101、102に対してレンズR0を滑らせることで芯出しを行う。芯が出た後モータ130を停止させ油圧回路が切り換えられてシリンダー261に高圧の油圧力が供給されて、レンズR0を強固に保持して砥石で芯取り加工が行えるように構成されている。
【0011】
また、特開平05−192855号公報に開示されたものは、図6に示すように、回転軸中心が同一軸上で対向に配設されたレンズ軸111と可動軸121において、まず可動軸側は可動軸121の外周に輪帯状ラック364を設け、輪帯状ラック364にはピニオン363が咬合し、ピニオン363にはラック362が咬合して設けられ、ラック362はシリンダー361と連結されており、シリンダー361を進退させることで上記構成を介して可動軸121をレンズ軸111に対し同一軸線上で接近、離反させる。レンズ軸側の軸受112は、直線ガイド381上に載置されレンズ軸111が、軸受112とともに可動軸121に対し接近、離反するように構成されている。
【0012】
軸受112の外側には軸受部の移動部材382が固設されている。この移動部材382には、軸受112とともにレンズ軸111を可動軸121の方向に移動させるための接近用シリンダー383と、可動軸121から遠ざける離反用シリンダー384が連結されており、両シリンダー383、384のシリンダー圧差により、レンズ軸111を可動軸121方向に移動し、かつ、圧力差でレンズR0をクランプし得るように構成されている。接近用シリンダー383と離反用シリンダー384は、ストローク内径が同じで移動部材382を挟んで設けられている。
【0013】
上記クランプ装置でレンズR0をクランプするには、レンズ軸側のベルホルダ101にレンズR0を吸着保持し、可動軸121を、シリンダー361を駆動させラック362、364と両ラックに挟まれたピニオン363を介してレンズ軸111の方向に移動させ、可動軸側ベルホルダ102をレンズR0に接触する直前のクランプ位置まで移動し、可動軸121が移動しないように保持する。
【0014】
次に接近用シリンダー383を駆動して軸受112を可動軸121の方向に押すとともに、離反用シリンダー384を駆動して軸受112を可動軸121から離れる方向に押す。この時接近用シリンダー383に供給する流体の圧力を離反用シリンダー384に供給する流体の圧力より僅かに高めることで、両流体の圧力差で低圧が作用する。
【0015】
これにより、直線ガイド381上に載置された軸受112が低圧で可動軸121の方向に移動し、ベルホルダ101、102でレンズR0を低圧クランプし、芯出しを行いその後芯取り加工を行う。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術によれば、ベルホルダでレンズを挟持する過程で、レンズにベルホルダが当接する時のクランプ力やこの時の接触速度が大きいと、ベルホルダ上を滑らせてレンズの芯を出させる作用が弱まり、レンズ形状によっては芯出しができない場合があり、さらには、前記クランプ力と接触速度の大きさにより、ベルホルダのレンズ接触部がレンズに損傷を与えてしまうおそれがあった。
【0017】
一方、クランプ装置の駆動はシリンダーへ供給される流体の圧力だけで行うものであるため、クランプ力とクランプ時の接触速度は一体にしか制御できず、クランプ力を弱くすると速度も遅くなってしまい、レンズをクランプする可動軸の後退位置からクランプ位置までのストロークが長いと、加工に費やすサイクルタイムが長くなってしまう。
【0018】
さらには、クランプ力を弱めるためにはシリンダーの流体圧力を弱めるが、シリンダー圧が弱くなりすぎると可動軸とその軸受との間の摺動抵抗等により可動軸が動作しなくなるため、クランプ力等を所望のレベルの低圧、低速に必ずしも設定できないという制約があった。
【0019】
また、前述の特開昭58−160051号公報に開示されたクランプ装置は、ベルホルダの挟持力のみで芯出しの難しい形状のレンズでも自動芯出しが可能となるが、クランプを低圧、低速に作動させるクランプ機構がシリンダーとこれを動かす油圧で構成されているため、上記と同様の理由により低圧、低速側の調整に限界があり、かつ、低速によるサイクルタイムが長いことも問題である。
【0020】
さらに、クランプ時に可動軸側のベルホルダのみ回転させて、回転していないレンズにベルホルダを当接させているので、ベルホルダがレンズの当接部を回転方向に削り、キズ等が発生するという問題もある。
【0021】
また、前述の特開平05−192855号公報に開示されたクランプ装置は、レンズに合わせてクランプ圧が低減できるクランプ手段を設けたことで、安定したクランプができレンズにキズを入れることもなく高精度に芯取り加工ができるが、低圧クランプ機構をレンズ軸側に持たせたため、レンズ軸、可動軸ともに軸方向に動く構造にしなければならないのと、各軸の軸方向駆動にシリンダーを用いており、しかも低圧動作を対向した2つのシリンダーの押し合う力の差で行うため、シリンダー数が多く、構造が複雑で、調整や管理が煩雑になるのが問題である。
【0022】
さらに、クランプに必要な加圧部がレンズ軸、可動軸の各回転中心軸上には無く、この軸線と平行した隣接部に設けて横から圧力を作用させているが、この構造では各軸に対してモーメントがかかり、各軸が微妙に撓んだりすることで、クランプ時にレンズのベルホルダと当接する輪帯上に力が均一にかからなくなり、レンズの芯が出難くなったり力が集中する部分にキズが生じたりする問題がある。
【0023】
本発明は上記従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであって、レンズのクランプに関わるクランプ力とクランプ速度を、個別に独立して調整ができる構成とすることで、低クランプ力、低速での効率的なクランプによる高精度で安定したレンズ芯出しを可能にしたレンズ芯出しクランプ装置およびレンズ芯取り機を提供することを目的とするものである。
【0024】
また、本発明の他の目的は、レンズ芯出しおよびレンズ芯取り加工に必要なサイクルタイムを大幅に短縮し、加工コストの低減に貢献できるレンズ芯出しクランプ装置およびレンズ芯取り機を提供することである。
【0025】
【課題が解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のレンズ芯出しクランプ装置は、同一軸上で互いに対向して配設され、レンズの両面に当接自在である一対のレンズ保持具と、一方のレンズ保持具を他方のレンズ保持具に向かって進退移動させるための軸方向駆動手段と、前記一対のレンズ保持具の間に前記レンズを挟持するためのレンズ挟持力を発生させる加圧手段と、両レンズ保持具の間に前記レンズを低圧挟持してレンズ芯出しを行うために前記加圧手段を低圧制御自在である加圧制御手段と、前記軸方向駆動手段による前記一方のレンズ保持具の移動速度を制御するための速度制御手段とを備えており、前記軸方向駆動手段による前進ストロークの途中で、前記一方のレンズ保持具の移動速度を前記速度制御手段によって低減するように構成されていることを特徴とする。
【0026】
加圧制御手段が、レンズ芯出し時のレンズ挟持力を略35N以下の低圧に制御するとよい。
【0027】
加圧制御手段が、レンズ芯出し終了後に、レンズ挟持力を略200N以上の高圧に切り換えるとよい。
【0028】
一方のレンズ保持具を芯出し位置から後退させる後退ストロークでは、軸方向駆動手段による移動速度を任意の高速に設定自在であるとよい。
【0029】
前進ストロークの途中で一方のレンズ保持具の移動速度を低減する位置を前記前進ストロークの任意のポイントに設定自在であるとよい。
【0030】
前進ストロークにおいて、レンズを挟持するときの一方のレンズ保持具の移動速度を5mm/sec以下に低減するとよい。
【0031】
加圧手段が、両レンズ保持具と同一軸上で一方のレンズ保持具を加圧し、レンズ挟持力を発生するように構成されているとよい。
【0032】
本発明のレンズ芯取り機は、前記レンズ芯出しクランプ装置と、前記レンズ芯出しクランプ装置によって保持されたレンズの外周部を研削する研削手段を有することを特徴とする。
【0033】
【作用】
上記装置において、低速、低圧の自動クランプによってレンズ芯出しを行うに当り、まず加圧手段を制御する加圧制御手段により、レンズ形状に応じてレンズ芯出し時のレンズ挟持力が略35N以下の最適値になるように設定する。そして、一方のレンズ保持具を軸方向駆動手段によって前進させる前進ストロークにおいて、クランプ位置手前のできるだけクランプ位置に近い任意のポイントまで前記レンズ保持具を高速で前進させる高速度クランプと、それ以降の、レンズ保持具をクランプ位置まで前進させレンズに接触させるときの前記レンズ保持具の移動速度を、例えば5mm/sec以下のレンズに応じた最適な任意の低速度に設定した低速度クランプとを、速度制御手段によってタイミングよく切り換える。
【0034】
このように、軸方向駆動手段と加圧手段の動作をそれぞれ、速度制御手段および加圧制御手段によって個別にタイミングよく制御することにより、当初はクランプ位置に近い速度切換位置まで高速でレンズ保持具を前進させる一方、その切換位置を過ぎたら低速に切り換えてゆっくり前進させてレンズ保持具をレンズに当接し、低圧のクランプ力(レンズ挟持力)によるレンズの芯出しを行う。
【0035】
自動クランプによるレンズ芯出しのための最適な低速度、低圧にそれぞれ自在に調節することができるため、レンズ芯出し工程においてレンズ保持具の接触によってレンズにキズが生じる等のトラブルを防ぎ、高精度で信頼性の高い芯出しが可能である。
【0036】
加えて、レンズのクランプ、芯出しまでのサイクルタイムを短縮し、加工効率を大幅に向上できる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0038】
図1は、一実施の形態によるレンズ芯取り機のレンズ芯出しクランプ装置を示すもので、一対のレンズ保持具であるベルホルダ1、2をそれぞれ保持するレンズ軸11と可動軸21が、それぞれ軸受12、22に回転自在に支持され、かつ同一軸線上にそれぞれの回転中心軸を一致させたうえで対向して配設されている。
【0039】
レンズ軸11は、その中心に中空部11aを設けニップル11bによって図示しない真空源に接続され、レンズ軸11側に取り付けられたベルホルダ1のレンズ当接部1aにレンズR1を吸着保持するための真空吸着力を発生させる。可動軸21は、レンズ軸11側へ接近したり反対側へ離反したりできるように軸方向に移動自在に構成されている。レンズ軸11と可動軸21の対向する側の端部には、レンズR1をクランプして芯出しを行うためのレンズ保持側に開いて先端のレンズ当接部1a、2aをエッジ状に成型したカップ状のベルホルダ1、2をそれぞれ取り付け、反対側には、レンズ軸回転ギア41と可動軸回転ギア42をそれぞれ設けてある。
【0040】
両ベルホルダ1、2を回転させる第一回転駆動部3は、モータ30の駆動を電磁クラッチ30aの作動により、レンズ軸側ベルホルダ1のレンズ軸11に伝達する回転軸34を介して、レンズ軸伝達ギア35およびレンズ軸回転ギア41と、可動軸側ベルホルダ2の可動軸21に伝達する可動軸伝達ギア33および可動軸回転ギア42に連結自在になっている。第一回転駆動部3で各ベルホルダ1、2を低速回転で任意に制御され、図示しない研削手段である砥石によりレンズR1を芯取り加工される。
【0041】
両ベルホルダ1、2を回転させる第二回転駆動部7は、モータ70の駆動を電磁クラッチ70aの作動により、レンズ軸側ベルホルダ1のレンズ軸11に伝達するレンズ軸伝達ギア35およびレンズ軸回転ギア41と、回転軸34を介して可動軸側ベルホルダ2の可動軸21に伝達する可動軸伝達ギア33および可動軸回転ギア42に連結自在である。第二回転駆動部7により各ベルホルダ1、2を高速回転で任意に制御され、高速回転によるレンズの自動芯出し(自動クランプ)を行う。
【0042】
レンズ軸11と可動軸21は、同一軸線上にそれぞれの回転中心軸を一致させた上で対向しながら回転自在に配設されている。レンズ軸11側へ接近したり反対側へ離反したりできるように軸方向に移動自在に構成されている可動軸21は、レンズ軸11と対向しレンズR1をクランプするためのベルホルダ2が取り付けられている側と反対側の先端に、可動軸21の回転中心軸と一致した軸線上に中心軸を合わせて可動軸駆動部5の加圧手段であるシリンダー50を、シリンダー50のロッド52の突出、後退動を可動軸21に伝える連結棒53を介して配設されている。
【0043】
そしてレンズ挟持力であるクランプ力を加えるためには、可動軸側ベルホルダ2への加圧力として、シリンダー50の両端に設けられた流体の給排気孔51a、51bに接続された図示していない流体配管および、加圧方向切換弁によりシリンダー50に流体圧が供給される。この時の流体圧力は、図示していない加圧制御手段である低圧、高圧切換弁および、それぞれの圧力が調整できる調整設定機構により調整・切り換え可能としてある。
【0044】
そして、クランプ芯出し時、加工時のそれそれの必要流体圧力に設定できるようにしてあり、レンズR1をクランプする時は、設定圧力に応じたクランプ力で中心軸方向からベルホルダ2を介してレンズR1に加えられるが、この芯出し工程は、流体圧力を調整設定機構により低圧に設定した低圧レギュレータと低圧切換弁により作動し、芯取り加工時には、流体圧力を調整設定機構により高圧に設定した高圧レギュレータと高圧切換弁の作動により、レンズR1を強硬に保持できる構造となっている。
【0045】
可動軸21の軸心上に配設された前記シリンダー50の端部には、シリンダー50を移動させる移動伝達部材54が固設されている。移動伝達部材54は、さらに前記軸心に平行に合わせた軸心に一致させて、図示していない装置本体に固設された固定枠56に配設した高精度なボールネジ57と結合され、またボールネジ57は、これとともに軸方向駆動手段を構成するパルスモータ等の駆動モータ60と連結され、駆動モータ60は前記固定枠56に支持されている。
【0046】
駆動モータ60を駆動させるとこれに連結されたボールネジ57が回転し、ボールネジ57に結合された移動伝達部材54がボールネジ57の回転運動に導かれて軸方向に移動する。すなわち、移動伝達部材54に固設されたシリンダー50とそれに繋がる可動軸21およびベルホルダ2が一体となって、同一軸線上を軸方向にレンズ軸11およびベルホルダ1に対して接近、離反の進退移動をさせることができる。
【0047】
この時の摺動抵抗を低減させるために、可動軸21に接触状に付いて粉塵や加工液等の異物の進入を防止するためのシール23の取り付け数を減らしたり、フッ素樹脂系等に材質を換えて滑り抵抗を小さくする。
【0048】
このようなシリンダー50と駆動モータ60の駆動によって、レンズR1をベルホルダ1、2の間でクランプすることができる。
【0049】
可動軸21等の軸方向移動の動作の制御は、前記駆動モータ60をNC等の方法で制御するための速度制御手段である制御装置61により、可動軸側ベルホルダ2の軸方向前進の前進端停止位置や、前進ストロークにおける1箇所以上のクランプ速度切換位置を任意に選定させるとともに、クランプ速度切換位置を境とした各移動領域の移動速度を、低速から高速まで任意に設定できる。
【0050】
さらに制御装置61は、駆動モータ60がパルスモータの場合は、可動軸側ベルホルダ2がレンズ軸11より離反した後退位置を原点とし、その位置からレンズ軸11側へ軸方向に前進させると、駆動モータ60の回転数やパルス数からベルホルダ2の現在位置や移動速度として検出し、前記設定値と対比しながら設定値に沿うかたちで制御、駆動できる構成としている。レンズ軸11側から離れる後退時も同様である。なお、この移動速度および位置設定検出手段を、サーボモータと測長用のマグネスケールに換えて行うことも可能である。
【0051】
次に上記構成のレンズ芯取り機のレンズ芯出しクランプ装置でレンズをクランプする動作を説明する。まずレンズR1をレンズ軸11のベルホルダ1に吸着して保持し、手動にて可動軸21をレンズ軸11側に軸方向に低速で前進させて、可動軸側ベルホルダ2をレンズR1に当接させ、その時のベルホルダ2の前進端位置を検出手段で確認する(この位置がクランプ位置)。
【0052】
次に、ベルホルダ2を後退させて後退端の原点位置まで戻す。そして制御装置61において、ベルホルダ2の前進端位置を、レンズR1にクランプ力が掛かるように、クランプ位置より若干レンズ軸11側寄りの位置に設定し、次にレンズR1との接触時の低速度クランプの移動距離を、支障の無い範囲のできるだけ短い距離になるように、クランプ位置より若干可動軸21側寄りの位置に設定する。そしてベルホルダ2の前進ストロークにおいて原点位置寄りの第一領域(高速度クランプ)の速度を高速に設定し、次に第二領域(低速度クランプ)でレンズR1に接触させる時の速度を、レンズ形状や材質等を考慮し品質トラブルが起きないレベルの低速に設定する。また加工終了後ベルホルダ2を原点位置まで後退させるときの速度も任意の高速に設定する。
【0053】
以上一連の調整設定について、コンピュータ等演算記憶装置により加工するレンズ形状や材質、サイクルタイム等の必要情報を入力すれば、自動的に設定できる手段もある。
【0054】
そして、芯出し工程で品質に支障の出ない範囲で必要充分なクランプ力を得るために、低圧レギュレータ側の調整設定機構により低圧のシリンダー圧を設定し、かつ、芯取り加工時に必要充分な高圧のクランプ力になるために高圧レギュレータ側の調整設定機構により高圧のシリンダー圧を設定する。
【0055】
次に、芯取り加工をするレンズR1をレンズ軸側ベルホルダ1に吸着保持する。レンズ軸11および可動軸21を第一回転駆動部3とそれと連動する各伝達ギアを介して同一に低速回転させ、同時に前記設定した低圧でシリンダー50を図1に示すようにレンズ軸11側に軸方向にロッド52を押す状態にする。そして駆動モータ60を前記設定値に沿った制御で駆動させる。
【0056】
その動きを図3の模式図に沿って説明する。原点位置からクランプ直前の速度切換位置までは、高速で可動軸側ベルホルダ2を前進させ、速度切換位置を検出手段で検出したら前進速度を5mm/sec以下の低速に切り換えてゆっくりと前進させる。すると可動軸側ベルホルダ2は、回転しながらレンズR1に徐々に当接していく。そして、さらに可動軸21をレンズ軸側に前進端位置まで前進させると、ベルホルダ2はレンズR1を挟持した状態で停止するが可動軸駆動部5が動いた分、図2に示すように、シリンダー50のロッド52が押し戻された状態となり、レンズR1に略35N以下の低レベルのクランプ力が付与される。そして、レンズ軸側ベルホルダ1と可動軸側ベルホルダ2との間にレンズR1を挟持する際に、レンズR1がその球面に沿って滑って両ベルホルダの回転中心軸とレンズ光軸とが一致する作用を利用してレンズR1の芯出しを行う。
【0057】
次に、芯の出たレンズR1が加工でずれないように、シリンダー50の流体圧力を高圧切換弁の作動により、高圧に切り換えてクランプ力を200N以上の高いレベルに強化した状態でレンズを強固に保持し、砥石で芯取り加工を行う。
【0058】
芯取り加工が終了したら、可動軸側ベルホルダ2をレンズR1から離れる軸方向に任意の高速で後退させ原点位置に戻してレンズの芯取り加工が終了する。
【0059】
この一連のクランプ動作で、可動軸21の進退動作とシリンダー50への流体の給排および圧力切換は連動するように制御される。すなわち、図3の別枠内に示すように、前進クランプ:低圧給気→加工時:高圧給気→加工終了後退:逆圧排気→待機時:低圧給気の順で作動する。
【0060】
【発明の効果】
本発明は上述のとおり構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0061】
レンズ芯取り機のレンズ芯出しクランプ装置において、クランプ力および、レンズとベルホルダとの接触時のクランプ速度を個別にそれぞれ低減調整する2つの制御手段を設けることで、レンズ形状等に応じた適切なクランプ作用でレンズ芯出しを行うことができる。
【0062】
また、可動軸側ベルホルダの軸方向移動における前進ストロークにおいて、任意の位置を境に2段階以上の異なるクランプ速度に設定できる構成にすることで、クランプ位置に近い速度切換位置までは高速でベルホルダを前進させ、その位置を過ぎたら低速に切り換えて、ゆっくり前進せることができる。
【0063】
これにより、レンズの芯取り加工精度の向上と、製品としてのレンズ品質の向上と、クランプ、芯出しまでのサイクルタイムの短縮による加工効率の向上等に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態によるレンズ芯取り機のレンズ芯出しクランプ装置を示す模式図である。
【図2】図1の装置において、レンズがクランプされた状態を示す模式図である。
【図3】クランプ時の動きを説明する説明図である。
【図4】第1の従来例を示す模式図である。
【図5】第2の従来例を示す模式図である。
【図6】第3の従来例を示す模式図である。
【符号の説明】
R1 レンズ
1 レンズ軸側ベルホルダ
2 可動軸側ベルホルダ
3 第一回転駆動部
5 可動軸駆動部
7 第二回転駆動部
11 レンズ軸
11a 中空部
11b ニップル
12、22 軸受
21 可動軸
23 シール
30、70 モータ
31、71 モータ軸ギア
32、72 モータ軸伝達ギア
33 可動軸伝達ギア
34 回転軸
50 シリンダー
52 ロッド
53 連結棒
54 移動伝達部材
57 ボールネジ
60 駆動モータ
61 制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ等の光学素子の外径部を研削するレンズの芯取り加工を行うためのレンズ芯取り機に搭載されるレンズ芯出しクランプ装置およびレンズ芯取り機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カメラやビデオ等に使用されるレンズ等の光学素子の中心と光軸を同一軸上に合わせて保持したうえで、外周部を研削する芯取り加工機は、図4に示すように、ベルホルダ101、102によって保持したレンズR0の光軸を中心に回転させるレンズ芯出しクランプ装置と、回転しているレンズR0の外周部に図示していない砥石を当接して研削する研削装置から構成されている。このうちレンズ芯出しクランプ装置は、軸受112と軸受122にレンズ軸111と可動軸121がそれぞれ回転自在に支持され、かつ同一軸線上にそれぞれの回転中心軸を一致させたうえで対向して配設されている。
【0003】
レンズ軸111は、その中心に中空部111aを設けニップル111bによって図示しない真空源に接続され、レンズ軸111側に取り付けられたベルホルダ101のレンズ当接部101aにレンズR0を吸着保持するための真空吸着力を発生させる。可動軸121は、レンズ軸111側へ接近したり反対側へ離反したりできるように軸方向に移動自在に構成されている。レンズ軸111と可動軸121の対向する側の端部には、レンズR0をクランプして芯出しを行うための、レンズを保持する側に開いて先端をエッジ状に成型したカップ状のベルホルダ101、102をそれぞれ取り付け、反対側には、レンズ軸回転ギア141と可動軸回転ギア142をそれぞれ設けてある。
【0004】
両ベルホルダ101、102を回転させる第一回転駆動部103は、モータ130の駆動を電磁クラッチ130aの作動により、レンズ軸側ベルホルダ101のレンズ軸111に伝達する回転軸134を介して、レンズ軸伝達ギア135およびレンズ軸回転ギア141と、可動軸側ベルホルダ102の可動軸121に伝達する可動軸伝達ギア133および可動軸回転ギア142に連結自在になっている。第一回転駆動部103で各ベルホルダ101、102を低速回転で任意に制御され、図示しない砥石によりレンズR0を芯取り加工される。
【0005】
両ベルホルダ101、102を回転させる第二回転駆動部107は、モータ170の駆動を電磁クラッチ170aの作動により、レンズ軸側ベルホルダ101のレンズ軸111に伝達するレンズ軸伝達ギア135およびレンズ軸回転ギア141と、回転軸134を介して可動軸側ベルホルダ102の可動軸121に伝達する可動軸伝達ギア133および可動軸回転ギア142に連結自在である。第二回転駆動部107により各ベルホルダ101、102を高速回転で任意に制御され、高速回転によるレンズの自動芯出しを行う。
【0006】
可動軸121には、ベルホルダ102が取り付けられる側と反対側の先端に、レンズ軸111と可動軸121の回転中心軸と一致した軸線上に中心軸を合わせて可動軸駆動部105のシリンダー105aを、ピストン151のロッド152の突出、後退動を可動軸121に伝える連結棒153を介して配設されている。シリンダー105aの両端には、軸を突出、後退させるための流体の給排気孔154が設けられ、図示していない流体配管および、加圧方向切換弁によりロッド152の突出、後退駆動を行う。この時の流体圧力は、図示していない低圧、高圧切換弁および、それぞれの圧力が調整できる調整設定機構により調整切換可能としている。そして必要流体圧力に調整設定した後、これらの機構を介して可動軸121を軸方向に前進(レンズ軸側へ移動)させてレンズR0を挟持させると同時に、シリンダー105aの流体圧力により、中心軸方向からベルホルダ102を介してレンズR0にクランプ力を加える。可動軸121の前進からレンズの芯出し工程までは、流体圧力を調整設定機構により低圧に設定した低圧レギュレータと低圧切換弁により作動し、レンズR0の外周部等の研削を行ういわゆる芯取り加工時は、流体圧力を調整設定機構により高圧に設定した高圧レギュレータと高圧切換弁の作動により、レンズR0を強硬に保持する。
【0007】
上記レンズ芯取り機のレンズ芯出しクランプ装置によりレンズR0をクランプする時は、まずレンズ軸111のベルホルダ101にレンズR0を吸着等で保持し、レンズ軸111および可動軸121をともに回転させ、同時にレンズクランプで問題が出ないレベルの低圧に設定し、その圧力でシリンダー105aを駆動させると、該シリンダー105aと接続されている可動軸121を軸方向のレンズ軸側に圧力に応じた一定の速度で前記回転を伴いながら前進し、レンズ軸側ベルホルダ101に保持されたレンズR0に可動軸側ベルホルダ102が当接しさらにレンズR0を押圧する。そしてレンズ軸側ベルホルダ101と可動軸側ベルホルダ102との間にレンズR0を挟持する際に、レンズR0がその球面に沿って滑って両ベルホルダ101、102の回転中心軸とレンズ光軸とが一致する作用を利用してレンズR0の芯出しを行い、この状態から流体圧力を高圧に切り換えてクランプ力を強くした状態でレンズR0を強固に保持して砥石による芯取り加工を行う。
【0008】
これに対して、低圧、低速のクランプ装置を設けたレンズの芯取り機が考案されている。例えば、特開昭58−160051号公報に開示された構成は、図5に示すように、図示していない装置本体に固設された下軸側のレンズ軸111と、装置に昇降自在に装着された上軸側の可動軸121が、各軸の回転中心に軸芯を合わせて各軸対向した位置に配設されている。この装置は、上軸側の可動軸121を受ける軸受122に軸方向に固設されたラック264と、装置本体に軸着されたピニオン263と、装置本体に固設されたシリンダー261と、前記シリンダー261のロッド端に装着されたラック262を有し、ラック264、262とピニオン263とが噛合されて、シリンダー261を作動させることにより上軸側の軸受122を昇降させることにより、これに配設され連動するベルホルダ102を昇降させて、下軸側のレンズ軸111に取り付けてあるベルホルダ101上に載置されたレンズR0を挟持する構造になっている。
【0009】
レンズ軸111、可動軸121はそれぞれ、ギア141、142とこれに接続されたそれぞれの伝達ギア135、133と、該伝達ギア135、133とを連結している回転軸134と、伝達ギア133と回転軸134との連接部に介装し、加工回転時は回転力をレンズ軸111、可動軸121の両方に伝達して同一回転させ、逆回転時は上軸側の可動軸121のみ回転させる作用をさせる一方向クラッチ136と、伝達ギア133の回転軸130aに固着されたギア132と、これと接続しモータ130の回転軸に固着されたモータギア131とモータ130とを介して回転駆動をする。シリンダー261は、図示しない油圧回路に減圧弁、切換バルブ、流量調整弁等が介装され、シリンダー261に与えられる作動油の圧力を高低2段に切り換えられる様になっており、またシリンダー261の作動速度を必要に応じて調整できる構造となっている。
【0010】
上記クランプ装置でレンズR0をクランプするには、モータ130を逆回転させると同時にシリンダー261に低圧の油圧を供給し、下軸側のベルホルダ101に吸着され停止しているレンズR0に向かって上軸側の可動軸のみ回転しながら下降してゆく。すると可動軸側ベルホルダ102とレンズR0の接触点に作用する接線力等を利用して、各ベルホルダ101、102に対してレンズR0を滑らせることで芯出しを行う。芯が出た後モータ130を停止させ油圧回路が切り換えられてシリンダー261に高圧の油圧力が供給されて、レンズR0を強固に保持して砥石で芯取り加工が行えるように構成されている。
【0011】
また、特開平05−192855号公報に開示されたものは、図6に示すように、回転軸中心が同一軸上で対向に配設されたレンズ軸111と可動軸121において、まず可動軸側は可動軸121の外周に輪帯状ラック364を設け、輪帯状ラック364にはピニオン363が咬合し、ピニオン363にはラック362が咬合して設けられ、ラック362はシリンダー361と連結されており、シリンダー361を進退させることで上記構成を介して可動軸121をレンズ軸111に対し同一軸線上で接近、離反させる。レンズ軸側の軸受112は、直線ガイド381上に載置されレンズ軸111が、軸受112とともに可動軸121に対し接近、離反するように構成されている。
【0012】
軸受112の外側には軸受部の移動部材382が固設されている。この移動部材382には、軸受112とともにレンズ軸111を可動軸121の方向に移動させるための接近用シリンダー383と、可動軸121から遠ざける離反用シリンダー384が連結されており、両シリンダー383、384のシリンダー圧差により、レンズ軸111を可動軸121方向に移動し、かつ、圧力差でレンズR0をクランプし得るように構成されている。接近用シリンダー383と離反用シリンダー384は、ストローク内径が同じで移動部材382を挟んで設けられている。
【0013】
上記クランプ装置でレンズR0をクランプするには、レンズ軸側のベルホルダ101にレンズR0を吸着保持し、可動軸121を、シリンダー361を駆動させラック362、364と両ラックに挟まれたピニオン363を介してレンズ軸111の方向に移動させ、可動軸側ベルホルダ102をレンズR0に接触する直前のクランプ位置まで移動し、可動軸121が移動しないように保持する。
【0014】
次に接近用シリンダー383を駆動して軸受112を可動軸121の方向に押すとともに、離反用シリンダー384を駆動して軸受112を可動軸121から離れる方向に押す。この時接近用シリンダー383に供給する流体の圧力を離反用シリンダー384に供給する流体の圧力より僅かに高めることで、両流体の圧力差で低圧が作用する。
【0015】
これにより、直線ガイド381上に載置された軸受112が低圧で可動軸121の方向に移動し、ベルホルダ101、102でレンズR0を低圧クランプし、芯出しを行いその後芯取り加工を行う。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術によれば、ベルホルダでレンズを挟持する過程で、レンズにベルホルダが当接する時のクランプ力やこの時の接触速度が大きいと、ベルホルダ上を滑らせてレンズの芯を出させる作用が弱まり、レンズ形状によっては芯出しができない場合があり、さらには、前記クランプ力と接触速度の大きさにより、ベルホルダのレンズ接触部がレンズに損傷を与えてしまうおそれがあった。
【0017】
一方、クランプ装置の駆動はシリンダーへ供給される流体の圧力だけで行うものであるため、クランプ力とクランプ時の接触速度は一体にしか制御できず、クランプ力を弱くすると速度も遅くなってしまい、レンズをクランプする可動軸の後退位置からクランプ位置までのストロークが長いと、加工に費やすサイクルタイムが長くなってしまう。
【0018】
さらには、クランプ力を弱めるためにはシリンダーの流体圧力を弱めるが、シリンダー圧が弱くなりすぎると可動軸とその軸受との間の摺動抵抗等により可動軸が動作しなくなるため、クランプ力等を所望のレベルの低圧、低速に必ずしも設定できないという制約があった。
【0019】
また、前述の特開昭58−160051号公報に開示されたクランプ装置は、ベルホルダの挟持力のみで芯出しの難しい形状のレンズでも自動芯出しが可能となるが、クランプを低圧、低速に作動させるクランプ機構がシリンダーとこれを動かす油圧で構成されているため、上記と同様の理由により低圧、低速側の調整に限界があり、かつ、低速によるサイクルタイムが長いことも問題である。
【0020】
さらに、クランプ時に可動軸側のベルホルダのみ回転させて、回転していないレンズにベルホルダを当接させているので、ベルホルダがレンズの当接部を回転方向に削り、キズ等が発生するという問題もある。
【0021】
また、前述の特開平05−192855号公報に開示されたクランプ装置は、レンズに合わせてクランプ圧が低減できるクランプ手段を設けたことで、安定したクランプができレンズにキズを入れることもなく高精度に芯取り加工ができるが、低圧クランプ機構をレンズ軸側に持たせたため、レンズ軸、可動軸ともに軸方向に動く構造にしなければならないのと、各軸の軸方向駆動にシリンダーを用いており、しかも低圧動作を対向した2つのシリンダーの押し合う力の差で行うため、シリンダー数が多く、構造が複雑で、調整や管理が煩雑になるのが問題である。
【0022】
さらに、クランプに必要な加圧部がレンズ軸、可動軸の各回転中心軸上には無く、この軸線と平行した隣接部に設けて横から圧力を作用させているが、この構造では各軸に対してモーメントがかかり、各軸が微妙に撓んだりすることで、クランプ時にレンズのベルホルダと当接する輪帯上に力が均一にかからなくなり、レンズの芯が出難くなったり力が集中する部分にキズが生じたりする問題がある。
【0023】
本発明は上記従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであって、レンズのクランプに関わるクランプ力とクランプ速度を、個別に独立して調整ができる構成とすることで、低クランプ力、低速での効率的なクランプによる高精度で安定したレンズ芯出しを可能にしたレンズ芯出しクランプ装置およびレンズ芯取り機を提供することを目的とするものである。
【0024】
また、本発明の他の目的は、レンズ芯出しおよびレンズ芯取り加工に必要なサイクルタイムを大幅に短縮し、加工コストの低減に貢献できるレンズ芯出しクランプ装置およびレンズ芯取り機を提供することである。
【0025】
【課題が解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のレンズ芯出しクランプ装置は、同一軸上で互いに対向して配設され、レンズの両面に当接自在である一対のレンズ保持具と、一方のレンズ保持具を他方のレンズ保持具に向かって進退移動させるための軸方向駆動手段と、前記一対のレンズ保持具の間に前記レンズを挟持するためのレンズ挟持力を発生させる加圧手段と、両レンズ保持具の間に前記レンズを低圧挟持してレンズ芯出しを行うために前記加圧手段を低圧制御自在である加圧制御手段と、前記軸方向駆動手段による前記一方のレンズ保持具の移動速度を制御するための速度制御手段とを備えており、前記軸方向駆動手段による前進ストロークの途中で、前記一方のレンズ保持具の移動速度を前記速度制御手段によって低減するように構成されていることを特徴とする。
【0026】
加圧制御手段が、レンズ芯出し時のレンズ挟持力を略35N以下の低圧に制御するとよい。
【0027】
加圧制御手段が、レンズ芯出し終了後に、レンズ挟持力を略200N以上の高圧に切り換えるとよい。
【0028】
一方のレンズ保持具を芯出し位置から後退させる後退ストロークでは、軸方向駆動手段による移動速度を任意の高速に設定自在であるとよい。
【0029】
前進ストロークの途中で一方のレンズ保持具の移動速度を低減する位置を前記前進ストロークの任意のポイントに設定自在であるとよい。
【0030】
前進ストロークにおいて、レンズを挟持するときの一方のレンズ保持具の移動速度を5mm/sec以下に低減するとよい。
【0031】
加圧手段が、両レンズ保持具と同一軸上で一方のレンズ保持具を加圧し、レンズ挟持力を発生するように構成されているとよい。
【0032】
本発明のレンズ芯取り機は、前記レンズ芯出しクランプ装置と、前記レンズ芯出しクランプ装置によって保持されたレンズの外周部を研削する研削手段を有することを特徴とする。
【0033】
【作用】
上記装置において、低速、低圧の自動クランプによってレンズ芯出しを行うに当り、まず加圧手段を制御する加圧制御手段により、レンズ形状に応じてレンズ芯出し時のレンズ挟持力が略35N以下の最適値になるように設定する。そして、一方のレンズ保持具を軸方向駆動手段によって前進させる前進ストロークにおいて、クランプ位置手前のできるだけクランプ位置に近い任意のポイントまで前記レンズ保持具を高速で前進させる高速度クランプと、それ以降の、レンズ保持具をクランプ位置まで前進させレンズに接触させるときの前記レンズ保持具の移動速度を、例えば5mm/sec以下のレンズに応じた最適な任意の低速度に設定した低速度クランプとを、速度制御手段によってタイミングよく切り換える。
【0034】
このように、軸方向駆動手段と加圧手段の動作をそれぞれ、速度制御手段および加圧制御手段によって個別にタイミングよく制御することにより、当初はクランプ位置に近い速度切換位置まで高速でレンズ保持具を前進させる一方、その切換位置を過ぎたら低速に切り換えてゆっくり前進させてレンズ保持具をレンズに当接し、低圧のクランプ力(レンズ挟持力)によるレンズの芯出しを行う。
【0035】
自動クランプによるレンズ芯出しのための最適な低速度、低圧にそれぞれ自在に調節することができるため、レンズ芯出し工程においてレンズ保持具の接触によってレンズにキズが生じる等のトラブルを防ぎ、高精度で信頼性の高い芯出しが可能である。
【0036】
加えて、レンズのクランプ、芯出しまでのサイクルタイムを短縮し、加工効率を大幅に向上できる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0038】
図1は、一実施の形態によるレンズ芯取り機のレンズ芯出しクランプ装置を示すもので、一対のレンズ保持具であるベルホルダ1、2をそれぞれ保持するレンズ軸11と可動軸21が、それぞれ軸受12、22に回転自在に支持され、かつ同一軸線上にそれぞれの回転中心軸を一致させたうえで対向して配設されている。
【0039】
レンズ軸11は、その中心に中空部11aを設けニップル11bによって図示しない真空源に接続され、レンズ軸11側に取り付けられたベルホルダ1のレンズ当接部1aにレンズR1を吸着保持するための真空吸着力を発生させる。可動軸21は、レンズ軸11側へ接近したり反対側へ離反したりできるように軸方向に移動自在に構成されている。レンズ軸11と可動軸21の対向する側の端部には、レンズR1をクランプして芯出しを行うためのレンズ保持側に開いて先端のレンズ当接部1a、2aをエッジ状に成型したカップ状のベルホルダ1、2をそれぞれ取り付け、反対側には、レンズ軸回転ギア41と可動軸回転ギア42をそれぞれ設けてある。
【0040】
両ベルホルダ1、2を回転させる第一回転駆動部3は、モータ30の駆動を電磁クラッチ30aの作動により、レンズ軸側ベルホルダ1のレンズ軸11に伝達する回転軸34を介して、レンズ軸伝達ギア35およびレンズ軸回転ギア41と、可動軸側ベルホルダ2の可動軸21に伝達する可動軸伝達ギア33および可動軸回転ギア42に連結自在になっている。第一回転駆動部3で各ベルホルダ1、2を低速回転で任意に制御され、図示しない研削手段である砥石によりレンズR1を芯取り加工される。
【0041】
両ベルホルダ1、2を回転させる第二回転駆動部7は、モータ70の駆動を電磁クラッチ70aの作動により、レンズ軸側ベルホルダ1のレンズ軸11に伝達するレンズ軸伝達ギア35およびレンズ軸回転ギア41と、回転軸34を介して可動軸側ベルホルダ2の可動軸21に伝達する可動軸伝達ギア33および可動軸回転ギア42に連結自在である。第二回転駆動部7により各ベルホルダ1、2を高速回転で任意に制御され、高速回転によるレンズの自動芯出し(自動クランプ)を行う。
【0042】
レンズ軸11と可動軸21は、同一軸線上にそれぞれの回転中心軸を一致させた上で対向しながら回転自在に配設されている。レンズ軸11側へ接近したり反対側へ離反したりできるように軸方向に移動自在に構成されている可動軸21は、レンズ軸11と対向しレンズR1をクランプするためのベルホルダ2が取り付けられている側と反対側の先端に、可動軸21の回転中心軸と一致した軸線上に中心軸を合わせて可動軸駆動部5の加圧手段であるシリンダー50を、シリンダー50のロッド52の突出、後退動を可動軸21に伝える連結棒53を介して配設されている。
【0043】
そしてレンズ挟持力であるクランプ力を加えるためには、可動軸側ベルホルダ2への加圧力として、シリンダー50の両端に設けられた流体の給排気孔51a、51bに接続された図示していない流体配管および、加圧方向切換弁によりシリンダー50に流体圧が供給される。この時の流体圧力は、図示していない加圧制御手段である低圧、高圧切換弁および、それぞれの圧力が調整できる調整設定機構により調整・切り換え可能としてある。
【0044】
そして、クランプ芯出し時、加工時のそれそれの必要流体圧力に設定できるようにしてあり、レンズR1をクランプする時は、設定圧力に応じたクランプ力で中心軸方向からベルホルダ2を介してレンズR1に加えられるが、この芯出し工程は、流体圧力を調整設定機構により低圧に設定した低圧レギュレータと低圧切換弁により作動し、芯取り加工時には、流体圧力を調整設定機構により高圧に設定した高圧レギュレータと高圧切換弁の作動により、レンズR1を強硬に保持できる構造となっている。
【0045】
可動軸21の軸心上に配設された前記シリンダー50の端部には、シリンダー50を移動させる移動伝達部材54が固設されている。移動伝達部材54は、さらに前記軸心に平行に合わせた軸心に一致させて、図示していない装置本体に固設された固定枠56に配設した高精度なボールネジ57と結合され、またボールネジ57は、これとともに軸方向駆動手段を構成するパルスモータ等の駆動モータ60と連結され、駆動モータ60は前記固定枠56に支持されている。
【0046】
駆動モータ60を駆動させるとこれに連結されたボールネジ57が回転し、ボールネジ57に結合された移動伝達部材54がボールネジ57の回転運動に導かれて軸方向に移動する。すなわち、移動伝達部材54に固設されたシリンダー50とそれに繋がる可動軸21およびベルホルダ2が一体となって、同一軸線上を軸方向にレンズ軸11およびベルホルダ1に対して接近、離反の進退移動をさせることができる。
【0047】
この時の摺動抵抗を低減させるために、可動軸21に接触状に付いて粉塵や加工液等の異物の進入を防止するためのシール23の取り付け数を減らしたり、フッ素樹脂系等に材質を換えて滑り抵抗を小さくする。
【0048】
このようなシリンダー50と駆動モータ60の駆動によって、レンズR1をベルホルダ1、2の間でクランプすることができる。
【0049】
可動軸21等の軸方向移動の動作の制御は、前記駆動モータ60をNC等の方法で制御するための速度制御手段である制御装置61により、可動軸側ベルホルダ2の軸方向前進の前進端停止位置や、前進ストロークにおける1箇所以上のクランプ速度切換位置を任意に選定させるとともに、クランプ速度切換位置を境とした各移動領域の移動速度を、低速から高速まで任意に設定できる。
【0050】
さらに制御装置61は、駆動モータ60がパルスモータの場合は、可動軸側ベルホルダ2がレンズ軸11より離反した後退位置を原点とし、その位置からレンズ軸11側へ軸方向に前進させると、駆動モータ60の回転数やパルス数からベルホルダ2の現在位置や移動速度として検出し、前記設定値と対比しながら設定値に沿うかたちで制御、駆動できる構成としている。レンズ軸11側から離れる後退時も同様である。なお、この移動速度および位置設定検出手段を、サーボモータと測長用のマグネスケールに換えて行うことも可能である。
【0051】
次に上記構成のレンズ芯取り機のレンズ芯出しクランプ装置でレンズをクランプする動作を説明する。まずレンズR1をレンズ軸11のベルホルダ1に吸着して保持し、手動にて可動軸21をレンズ軸11側に軸方向に低速で前進させて、可動軸側ベルホルダ2をレンズR1に当接させ、その時のベルホルダ2の前進端位置を検出手段で確認する(この位置がクランプ位置)。
【0052】
次に、ベルホルダ2を後退させて後退端の原点位置まで戻す。そして制御装置61において、ベルホルダ2の前進端位置を、レンズR1にクランプ力が掛かるように、クランプ位置より若干レンズ軸11側寄りの位置に設定し、次にレンズR1との接触時の低速度クランプの移動距離を、支障の無い範囲のできるだけ短い距離になるように、クランプ位置より若干可動軸21側寄りの位置に設定する。そしてベルホルダ2の前進ストロークにおいて原点位置寄りの第一領域(高速度クランプ)の速度を高速に設定し、次に第二領域(低速度クランプ)でレンズR1に接触させる時の速度を、レンズ形状や材質等を考慮し品質トラブルが起きないレベルの低速に設定する。また加工終了後ベルホルダ2を原点位置まで後退させるときの速度も任意の高速に設定する。
【0053】
以上一連の調整設定について、コンピュータ等演算記憶装置により加工するレンズ形状や材質、サイクルタイム等の必要情報を入力すれば、自動的に設定できる手段もある。
【0054】
そして、芯出し工程で品質に支障の出ない範囲で必要充分なクランプ力を得るために、低圧レギュレータ側の調整設定機構により低圧のシリンダー圧を設定し、かつ、芯取り加工時に必要充分な高圧のクランプ力になるために高圧レギュレータ側の調整設定機構により高圧のシリンダー圧を設定する。
【0055】
次に、芯取り加工をするレンズR1をレンズ軸側ベルホルダ1に吸着保持する。レンズ軸11および可動軸21を第一回転駆動部3とそれと連動する各伝達ギアを介して同一に低速回転させ、同時に前記設定した低圧でシリンダー50を図1に示すようにレンズ軸11側に軸方向にロッド52を押す状態にする。そして駆動モータ60を前記設定値に沿った制御で駆動させる。
【0056】
その動きを図3の模式図に沿って説明する。原点位置からクランプ直前の速度切換位置までは、高速で可動軸側ベルホルダ2を前進させ、速度切換位置を検出手段で検出したら前進速度を5mm/sec以下の低速に切り換えてゆっくりと前進させる。すると可動軸側ベルホルダ2は、回転しながらレンズR1に徐々に当接していく。そして、さらに可動軸21をレンズ軸側に前進端位置まで前進させると、ベルホルダ2はレンズR1を挟持した状態で停止するが可動軸駆動部5が動いた分、図2に示すように、シリンダー50のロッド52が押し戻された状態となり、レンズR1に略35N以下の低レベルのクランプ力が付与される。そして、レンズ軸側ベルホルダ1と可動軸側ベルホルダ2との間にレンズR1を挟持する際に、レンズR1がその球面に沿って滑って両ベルホルダの回転中心軸とレンズ光軸とが一致する作用を利用してレンズR1の芯出しを行う。
【0057】
次に、芯の出たレンズR1が加工でずれないように、シリンダー50の流体圧力を高圧切換弁の作動により、高圧に切り換えてクランプ力を200N以上の高いレベルに強化した状態でレンズを強固に保持し、砥石で芯取り加工を行う。
【0058】
芯取り加工が終了したら、可動軸側ベルホルダ2をレンズR1から離れる軸方向に任意の高速で後退させ原点位置に戻してレンズの芯取り加工が終了する。
【0059】
この一連のクランプ動作で、可動軸21の進退動作とシリンダー50への流体の給排および圧力切換は連動するように制御される。すなわち、図3の別枠内に示すように、前進クランプ:低圧給気→加工時:高圧給気→加工終了後退:逆圧排気→待機時:低圧給気の順で作動する。
【0060】
【発明の効果】
本発明は上述のとおり構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0061】
レンズ芯取り機のレンズ芯出しクランプ装置において、クランプ力および、レンズとベルホルダとの接触時のクランプ速度を個別にそれぞれ低減調整する2つの制御手段を設けることで、レンズ形状等に応じた適切なクランプ作用でレンズ芯出しを行うことができる。
【0062】
また、可動軸側ベルホルダの軸方向移動における前進ストロークにおいて、任意の位置を境に2段階以上の異なるクランプ速度に設定できる構成にすることで、クランプ位置に近い速度切換位置までは高速でベルホルダを前進させ、その位置を過ぎたら低速に切り換えて、ゆっくり前進せることができる。
【0063】
これにより、レンズの芯取り加工精度の向上と、製品としてのレンズ品質の向上と、クランプ、芯出しまでのサイクルタイムの短縮による加工効率の向上等に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態によるレンズ芯取り機のレンズ芯出しクランプ装置を示す模式図である。
【図2】図1の装置において、レンズがクランプされた状態を示す模式図である。
【図3】クランプ時の動きを説明する説明図である。
【図4】第1の従来例を示す模式図である。
【図5】第2の従来例を示す模式図である。
【図6】第3の従来例を示す模式図である。
【符号の説明】
R1 レンズ
1 レンズ軸側ベルホルダ
2 可動軸側ベルホルダ
3 第一回転駆動部
5 可動軸駆動部
7 第二回転駆動部
11 レンズ軸
11a 中空部
11b ニップル
12、22 軸受
21 可動軸
23 シール
30、70 モータ
31、71 モータ軸ギア
32、72 モータ軸伝達ギア
33 可動軸伝達ギア
34 回転軸
50 シリンダー
52 ロッド
53 連結棒
54 移動伝達部材
57 ボールネジ
60 駆動モータ
61 制御装置
Claims (10)
- 同一軸上で互いに対向して配設され、レンズの両面に当接自在である一対のレンズ保持具と、一方のレンズ保持具を他方のレンズ保持具に向かって進退移動させるための軸方向駆動手段と、前記一対のレンズ保持具の間に前記レンズを挟持するためのレンズ挟持力を発生させる加圧手段と、両レンズ保持具の間に前記レンズを低圧挟持してレンズ芯出しを行うために前記加圧手段を低圧制御自在である加圧制御手段と、前記軸方向駆動手段による前記一方のレンズ保持具の移動速度を制御するための速度制御手段とを備えており、前記軸方向駆動手段による前進ストロークの途中で、前記一方のレンズ保持具の移動速度を前記速度制御手段によって低減するように構成されていることを特徴とするレンズ芯出しクランプ装置。
- 加圧制御手段が、レンズ芯出し時のレンズ挟持力を略35N以下の低圧に制御することを特徴とする請求項1記載のレンズ芯出しクランプ装置。
- 加圧制御手段が、レンズ芯出し終了後に、レンズ挟持力を略200N以上の高圧に切り換えることを特徴とする請求項1または2記載のレンズ芯出しクランプ装置。
- 一方のレンズ保持具を芯出し位置から後退させる後退ストロークでは、軸方向駆動手段による移動速度を任意の高速に設定自在であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載のレンズ芯出しクランプ装置。
- 前進ストロークの途中で一方のレンズ保持具の移動速度を低減する位置を前記前進ストロークの任意のポイントに設定自在であることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載のレンズ芯出しクランプ装置。
- 前進ストロークにおいて、レンズを挟持するときの一方のレンズ保持具の移動速度を5mm/sec以下に低減することを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項記載のレンズ芯出しクランプ装置。
- 加圧手段が、両レンズ保持具と同一軸上で一方のレンズ保持具を加圧し、レンズ挟持力を発生するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載のレンズ芯出しクランプ装置。
- 加圧手段が、一方のレンズ保持具を加圧するためのシリンダーを有することを特徴とする請求項1ないし7いずれか1項記載のレンズ芯出しクランプ装置。
- 軸方向駆動手段が、駆動モータと、該駆動モータの駆動によって一方のレンズ保持具とともに加圧手段を進退移動させるためのボールネジおよび移動伝達部材を備えていることを特徴とする請求項1ないし8いずれか1項記載のレンズ芯出しクランプ装置。
- 請求項1ないし9いずれか1項記載のレンズ芯出しクランプ装置と、前記レンズ芯出しクランプ装置によって保持されたレンズの外周部を研削する研削手段を有することを特徴とするレンズ芯取り機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002350649A JP2004181568A (ja) | 2002-12-03 | 2002-12-03 | レンズ芯出しクランプ装置およびレンズ芯取り機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002350649A JP2004181568A (ja) | 2002-12-03 | 2002-12-03 | レンズ芯出しクランプ装置およびレンズ芯取り機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004181568A true JP2004181568A (ja) | 2004-07-02 |
Family
ID=32752804
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002350649A Pending JP2004181568A (ja) | 2002-12-03 | 2002-12-03 | レンズ芯出しクランプ装置およびレンズ芯取り機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004181568A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103231327A (zh) * | 2013-04-23 | 2013-08-07 | 大连理工大学 | 一种微小零件夹持装置 |
| CN106041781A (zh) * | 2016-05-31 | 2016-10-26 | 东莞阿李自动化股份有限公司 | 一种化成机及夹具总成 |
| CN111410031A (zh) * | 2020-04-09 | 2020-07-14 | 福建福光光电科技有限公司 | 全自动芯取设备夹持结构及其使用方法 |
| CN118625471A (zh) * | 2024-06-07 | 2024-09-10 | 世大光电(东莞)有限公司 | 一种相机镜头玻璃的自动定芯装置 |
-
2002
- 2002-12-03 JP JP2002350649A patent/JP2004181568A/ja active Pending
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