JP2004181725A - 液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法、および液体吐出記録装置 - Google Patents
液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法、および液体吐出記録装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】記録時に発生するインクミストを効率的に回収、除去し、常に安定した画像記録を行う。
【解決手段】液体吐出記録装置において、画像形成領域の搬送方向下流に主走査方向に沿って空気を吹き出す複数個の吹出し口と、これに対向して画像形成領域の搬送方向上流に複数個の吸引口を配設し、前記空気が記録領域を通過するように搬送方向上流から下流に吹き出される。主走査方向に記録領域の外側から該記録領域に向けて空気を吹き出す手段をもち、該空気の風速は、記録媒体の幅によって可変制御する。また、この空気の風速として記録紙端部で0.5〜2.0m/sとなるよう可変制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】液体吐出記録装置において、画像形成領域の搬送方向下流に主走査方向に沿って空気を吹き出す複数個の吹出し口と、これに対向して画像形成領域の搬送方向上流に複数個の吸引口を配設し、前記空気が記録領域を通過するように搬送方向上流から下流に吹き出される。主走査方向に記録領域の外側から該記録領域に向けて空気を吹き出す手段をもち、該空気の風速は、記録媒体の幅によって可変制御する。また、この空気の風速として記録紙端部で0.5〜2.0m/sとなるよう可変制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法、および液体吐出記録装置に関し、特に、記録媒体上にインク等の記録液滴を吐出して画像を記録するインクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のインクジェット記録装置としては、シリアル型のものとライン型のものとがある。シリアル型のインクジェット記録装置は、記録媒体の搬送方向と垂直な方向に往復移動されるキャリッジに記録ヘッドを搭載し、記録媒体の所定ピッチごとの搬送とキャリッジの往復移動とを交互に繰り返しながら、記録媒体に画像を記録する。ライン型のインクジェット記録装置は、記録媒体の幅とほぼ等しい長さを有する記録ヘッドを用い、記録媒体の搬送とともに記録媒体に画像を記録する。近年では、画像の高画質性等の理由から、上記の2つの形式のインクジェット記録装置が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】
しかしながら、上記従来技術においては、記録ヘッドからインクを吐出した際、画像記録に寄与するインク液滴の他に、画像記録に寄与しない微小なインク浮遊粒子(以下、インクミストと記す)が発生する。このインクミストが装置内を漂うことにより記録領域周辺の部材、例えば記録ヘッドと記録媒体を介して対向するプラテンがインクミストで汚染されてしまい、記録媒体の裏面側にインク汚れが付着したりプラテン上のインクが増粘すると記録媒体とプラテンの間の滑りが悪くなり、搬送不良、ジャム(紙詰まり)、斜行、しわや波打ち等が発生するおそれがある。
【0004】
また、シリアル型のインクジェット記録装置では、キャリッジのガイド部材にインクミストが付着して、キャリッジ移動抵抗の増大による動作不良を引き起こしたり、またキャリッジの位置制御を、主走査方向(記録媒体の搬送方向と交差、好ましくは直交する方向)に配した光学式のエンコーダの信号により行う場合、このエンコーダ上に前記インクミストが付着することで検出精度が低下し、記録精度の低下や位置制御不良等の不具合が発生することもある。特に大判用の画像記録装置の場合、吐出量の増加に伴ってインクミストの発生も増える上にキャリッジの移動距離も長い為、インクミストによる動作不良等の不具合が発生する可能性が大きい。
【0005】
さらに、紙端基準が一側端であって数種の紙幅の記録紙を使用する場合、プラテン上で必ずしも記録紙が通過しない領域がある。このような領域上は、キャリッジの往復移動の際の反転によって空気流が拡散され、空中を浮遊するインクミストが堆積、付着しやすい。この状態で先の記録紙よりも紙幅の大きいものを使用すると、プラテンに付着したインクが記録紙裏面側に転写してしまう。
【0006】
上記インクミストによる不具合を解消するためにはインクミストを装置内部から取り除く必要があるが、装置内部から外部にインクミストを強制排出することは装置外部を汚すため、装置内部においてファンで吸引回収することが望まれる。しかし、ミスト発生範囲の大きい大判用の画像記録装置のようにミスト発生範囲が大きい場合、ミスト吸引箇所を多く設ける必要が生じ、このミスト吸引箇所を多くするほど吸引圧が低下するため、装置全体のインクミスト回収効率が著しく低下してしまう。また、これを改善するためにファンを増加させると、コスト、消費電流の増加などの弊害が生じることになる。
【0007】
本発明の目的は上記インクミストによる不具合を解消して、装置の信頼性の低下を防ぎつつ、常に安定した画像記録動作を行うことを可能にし、少ない吸引圧で高効率なインクミスト回収効果が得られる液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法、および液体吐出記録装置である処のインクジェット記録装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、記録媒体に記録液滴を吐出して画像を記録する液体吐出記録装置内に発生する、画像記録に寄与しない液体浮遊粒子の回収方法であって、記録装置内に一定方向の空気流を空気の吹き出しと吸引により形成して、前記液体浮遊粒子を回収する、液体吐出記録装置の浮遊液滴回収方法である。
【0009】
この液体浮遊粒子回収方法においては、前記一定方向の空気流を前記記録媒体の搬送方向に記録領域を通過するように形成すること、及び/または前記一定方向の空気流を前記記録媒体の搬送方向の下流側から上流側へ形成することが好ましい。さらに前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に関して記録領域の外側から該記録領域に向けて空気を吹き出すことが望ましい。
【0010】
前記記録領域の外側から該記録領域に向けて吐き出す空気は、記録紙の幅によってその風速を可変制御するとともに、その風速として記録紙の幅方向端部で0.5〜2.0m/sであることが望ましい。
【0011】
また、本発明は記録媒体に記録液滴を吐出して画像を記録する液体吐出記録装置において、記録領域へ空気を吹き出す手段と、該吹き出し手段とは前記記録領域を介して反対側に配設されて空気を吸引する空気吸引手段とを有することを特徴とする。
【0012】
この液体吐出記録装置において、前記空気を吹き出す手段は前記記録媒体の搬送方向の下流側に設けられ、前記空気吸引手段は該搬送方向の上流側に設けられていることが好ましく、そして、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に前記記録領域の外側から内側に向けて空気を吹き出す手段をさらに備えていることが好ましい。
【0013】
前記記録媒体の搬送方向の下流側から前記記録領域に向けて空気を吹き出す手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って少なくとも記録領域に対応して配された中空部材の一端部を塞ぎ、該中空部材のもう一方の端部から空気を導入し、前記記録領域に向け前記中空部材に開けられた1つ以上の開口部から空気を吹き出すものであることが好ましい。
【0014】
前記空気を吹き出す手段は装置外気を取り込んで吹き出すものが好ましい。
【0015】
上記のような液体吐出記録装置においては、前記記録媒体への記録動作に先立ち、または一定時間ごと、記録液滴の吐出状態を適正にする予備吐出動作の際にその予備吐出の記録液滴を受ける受容手段をさらに備え、
該受容手段の中央部に吸収体を有し、前記受容手段の該吸収体よりも上方であって前記吸収体と一部がオーバーラップする位置に吸引口が配され、該吸引口は前記空気吸引手段と接続されていることが好ましい。
【0016】
さらに、上記のような液体吐出記録装置としては、搬送される記録媒体の最大幅と同等の長さを有する記録ヘッドを用い、記録媒体に対して該記録ヘッドより記録液滴を吐出して記録するライン型や、搬送される記録媒体に対して該記録媒体の搬送方向と交差する方向に記録ヘッドを往復移動しながら該記録ヘッドより記録液滴を吐出して記録するシリアル型が適用できる。
【0017】
このうちシリアル型の液体吐出記録装置において、前記記録ヘッドの移動位置を制御するためのヘッド位置検出手段をさらに備えている場合は、該ヘッド位置検出手段は、前記空気を吹き出す手段と前記空気吸引手段とで形成される一定方向の空気流の範囲外に配置されていることが好ましい。
【0018】
上記構成を、改めて以下(1)〜(15)に整理して示す。
【0019】
(1)記録媒体に記録液滴を吐出して画像を記録する液体吐出記録装置内に発生する、画像記録に寄与しない液体浮遊粒子の回収方法であって、記録装置内に一定方向の空気流を空気の吹き出しと吸引により形成して、前記液体浮遊粒子を回収する、液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法。
【0020】
(2)前記一定方向の空気流を前記記録媒体の搬送方向に記録領域を通過するように形成する、上記(1)に記載の液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法。
【0021】
(3)前記一定方向の空気流を前記記録媒体の搬送方向の下流側から上流側へ形成する、上記(1)又は(2)に記載の液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法。
【0022】
(4)さらに前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に関して記録領域の外側から該記録領域に向けて空気を吹き出す、上記(3)に記載の液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法。
【0023】
(5)記録媒体に記録液滴を吐出して画像を記録する液体吐出記録装置において、
記録領域へ空気を吹き出す手段と、
前記吹き出し手段とは前記記録領域を介して反対側に配設されて空気を吸引する空気吸引手段とを有する、液体吐出記録装置。
【0024】
(6)前記空気を吹き出す手段は前記記録媒体の搬送方向の下流側に設けられ、前記空気吸引手段は該搬送方向の上流側に設けられている、上記(5)に記載の液体吐出記録装置。
【0025】
(7)前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に前記記録領域の外側から内側に向けて空気を吹き出す手段をさらに備えた、上記(6)に記載の液体吐出記録装置。
【0026】
(8)液体吐出記録装置において、記録媒体の幅を自動で検出する手段を備え、該信号に基づいて、前記記録領域の外側から該記録領域に向けて吐き出す空気の風速を可変制御する、上記(7)に記載の液体吐出記録装置。
【0027】
(9)前記記録領域の外側から該記録領域に向けて吹き出す空気流の風速は、記録紙の幅方向端部で0.5〜2.0m/sである、上記(7)に記載の液体吐出記録装置。
【0028】
(10)前記記録媒体の搬送方向の下流側から前記記録領域に向けて空気を吹き出す手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って少なくとも記録領域に対応して配された中空部材の一端部を塞ぎ、該中空部材のもう一方の端部から空気を導入し、前記記録領域に向け前記中空部材に開けられた1つ以上の開口部から空気を吹き出す、上記(6)又は(7)に記載の液体吐出記録装置。
【0029】
(11)前記空気を吹き出す手段は装置外気を取り込んで吹き出す、上記(5)乃至(10)のいずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
【0030】
(12)前記記録媒体への記録動作に先立ち、または一定時間ごと、記録液滴の吐出状態を適正にする予備吐出動作の際にその予備吐出の記録液滴を受ける受容手段をさらに備え、
該受容手段の中央部に吸収体を有し、前記受容手段の該吸収体よりも上方であって前記吸収体と一部がオーバーラップする位置に吸引口が配され、該吸引口は前記空気吸引手段と接続されている、上記(5)乃至(11)のいずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
【0031】
(13)搬送される記録媒体の最大幅と同等の長さを有する記録ヘッドを用い、記録媒体に対して該記録ヘッドより記録液滴を吐出して記録するライン型である、上記(5)乃至(12)のいずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
【0032】
(14)搬送される記録媒体に対して該記録媒体の搬送方向と交差する方向に記録ヘッドを往復移動しながら該記録ヘッドより記録液滴を吐出して記録するシリアル型である、上記(5)乃至(12)のいずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
【0033】
(15)前記記録ヘッドの移動位置を制御するためのヘッド位置検出手段をさらに備え、該ヘッド位置検出手段は、前記空気を吹き出す手段と前記空気吸引手段とで形成される一定方向の空気流の範囲外に配置されている、上記(14)に記載の液体吐出記録装置。
【0034】
次に、本発明の作用について説明する。
【0035】
本発明の液体浮遊粒子回収方法では、液体吐出記録装置内に発生する記録に寄与しない液体浮遊粒子を回収するのに、液体吐出記録装置内に一定方向の空気流を空気の吹き出しと吸引により形成するため、少ない吸引圧でも高効率の液体浮遊粒子の回収効果が得られる。したがって、吸引手段であるファンが少なくて済み、コスト、消費電流の増加などの弊害を招かない。特に、大判用の画像記録装置の場合、液体液の吐出量の増加に伴って液体浮遊粒子の発生も増えるため、上記のようにファンが少なくて済む構成は装置の大型化や複雑化を防ぐという点で有利となる。
【0036】
さらに、前記一定方向の空気流を前記記録媒体の搬送方向に記録領域を通過するように形成することにより、記録液が吐出されて液体浮遊粒子が発生しやすい記録領域の当該液体浮流粒子を効率良く回収できる。その上、前記記録媒体の搬送方向に関して下流側から上流側へ空気流を形成することで、発生した液体浮遊粒子が記録媒体の排出口より機外へ排出されず、装置外部を汚すことがない。
【0037】
さらに、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に関して記録領域の外側から該記録領域に向けての空気の吹き出しを行うことで、搬送中の記録媒体を支持する支持部(例えばプラテン)上の、記録装置が通過しない領域に付着しやすい液体浮遊粒子を積極的に記録中の記録媒体側へ押しやり、前記支持部上への液体浮遊粒子の付着、堆積を防止できる。その結果、先に記録した記録媒体より判の大きいものを使用しても、記録媒体の前記支持部側の面が汚れないで済む。
【0038】
また、本発明の液体浮遊粒子回収方法を実施する液体吐出記録装置では、記録領域へ空気を吹き出す手段と、該吹き出し手段とは前記記録領域を介して反対側に配設されて空気を吸引する空気吸引手段とを有することにより、装置内に一定方向の空気流を形成することができ、上述したように、少ない吸引圧でも高効率の液体浮遊粒子の回収効果が得られる。
【0039】
そして、前記空気を吹き出す手段を前記記録媒体の搬送方向の下流側に設け、前記空気吸引手段を該搬送方向の上流側に設けることにより、記録媒体の搬送方向に関して下流側から上流側へ空気流を形成することができ、上述したように、発生した液体浮遊粒子によって装置外部を汚すことがない。
【0040】
さらに、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に前記記録領域の外側から内側に向けて空気を吹き出す手段をさらに備えることにより、上述したように、搬送中の記録媒体を支持する支持部(例えばプラテン)上の、記録装置が通過しない領域への液体浮遊粒子の付着を防止できるので、先に記録した記録媒体より判の大きいものに変更しても、その変更した記録媒体の前記支持部側の面を汚さないで済む。
【0041】
さらに、前記空気を吹き出す手段を装置外気を取り込んで吹き出すものとしたことにより、装置内に発生した液体浮遊粒子の濃度が高まることが防止できる。
【0042】
さらに、液体吐出記録装置は予備吐出動作の際にその予備吐出の記録液滴を受ける受容手段をさらに備え、該受容手段の中央部に吸収体を有し、前記受容手段の該吸収体よりも上方であって前記吸収体と一部がオーバーラップする位置に吸引口が配され、該吸引口は前記空気吸引手段と接続されていることにより、予備吐出動作時に発生する液体浮遊粒子をその主滴とともに確実に回収し、予備吐出時に記録媒体、装置内部を液体浮遊粒子で汚すことを防止する。
【0043】
さらに、本発明の液体浮遊粒子回収方法を実施する液体吐出記録装置がいわゆるちシリアル型であって、記録ヘッドの移動位置を制御するためのヘッド位置検出手段を備えている場合は、該ヘッド位置検出手段を、前記空気を吹き出す手段と前記空気吸引手段とで形成される一定方向の空気流の範囲外に配置することで、ヘッド位置検出手段に液体浮遊粒子が付着するのを防ぎ、記録精度の低下や位置制御不良等の不具合を発生させない。
【0044】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0045】
図1は、本発明の一実施形態によるインクジェット記録装置の概略断面図、図2は、装置内部の平面図である。特に図1は、図2に記載の装置中間部にて記録媒体の搬送方向Yに沿って切断した断面図である。
【0046】
これらの図に示す形態の液体吐出記録装置は、記録媒体の搬送方向Y(副走査方向)と交差する、好ましくは直交する方向X(以下、主走査方向Xと記す)に往復移動されるキャリッジ2に記録ヘッド1を搭載し、キャリッジ2の移動に伴う記録ヘッド1の往復移動と、記録媒体の所定ピッチごとの送りとを交互に繰り返しながら、記録ヘッド1の移動中に記録ヘッド1から記録液であるインクを吐出して記録媒体に記録を行うシリアルタイプのインクジェット記録装置である。
【0047】
以下に、図1及び図2を参照して、本実施形態のインクジェット記録装置の記録動作に関わる機構について説明する。
【0048】
キャリッジ2は、このインクジェット記録装置の記録動作機構部のベースとなる板状のシャーシ13a,13b間に互いに平行に配置されて固定されたキャリッジ軸4aおよびガイドレール4bに摺動自在に支持されている。キャリッジ2には、キャリッジ軸4aの軸方向の両端位置に回転自在に設けられた2つのプーリ11a,11bに掛け回されたタイミングベルト12の一部位が固定されており、一方のプーリ11bをキャリッジ駆動モータ(不図示)により正転および逆転させることで、キャリッジ2はキャリッジ軸4aに沿って往復移動される。
【0049】
記録ヘッド1にはインクを吐出する複数の吐出口(ノズル)を有し、これらノズルを下方に向けてキャリッジ2に着脱可能に搭載される。ノズルからインクを吐出させる方式には、大きく分けて、ヒーターによりインクに熱エネルギーを与え、この熱エネルギーによるインクの状態変化(膜沸騰など)を利用するものと、圧電素子によりインクに機械的エネルギーを与え、これにより瞬間的に吐出圧力を加えるものとがあるが、本発明ではいずれの方式の記録ヘッドも適用可能である。
【0050】
記録ヘッド1およびキャリッジ2には、記録ヘッド1がキャリッジ2に搭載されることで互いに電気的に接続される電気的接続部(ヘッドコンタクト部)を有する。記録ヘッド1へは、この電気的接続部を介してインクジェット記録装置本体側の制御部から記録信号が与えられ、この記録信号に基づき、インクに熱エネルギーや機械的エネルギーが与えられる。
【0051】
また、シャーシ13a,13b間には、スケール(リニアエンコーダスケール)5がキャリッジ2に対して記録媒体搬送方向Yの上流側に主走査方向Xに沿って取り付けられている。キャリッジ2には、このスケール5を読み取るための読み取りセンサ6が取り付けられており、これらスケール5および読み取りセンサ6で、主走査方向Xにおけるキャリッジ2の位置を検出するヘッド位置検出手段であるリニアエンコーダが構成される。リニアエンコーダとしては、光学式のものや磁気式のものを用いることができ、例えば光学式のものの場合には、スケール5には多数のスリットがキャリッジ2の移動方向に所定のピッチで設けられ、読み取りセンサ6としては光学式のセンサが用いられる。このリニアエンコーダで検出されたキャリッジ2の位置は、上記のキャリッジ駆動モータのフィードバック制御や、記録ヘッド1からのインクの吐出タイミングの制御に利用される。
【0052】
また、キャリッジ2の端部に、印字域に対向して反射式の光学センサの紙幅センサ3が取り付けられている。この紙幅センサ3は、印字域上の紙の有無を検知するためのものであり、印字開始直前にキャリッジ2が主走査方向Xに移動しつつ印字域上の紙の有無を検知し、このセンサ信号と前記のリニアエンコーダにより紙幅を算出する。この紙幅データを装置本体側の制御部にフィードバックして記録範囲等の各制御を行う。
【0053】
キャリッジ2の下方には、記録媒体を搬送する搬送機構が設けられる。本実施形態では、キャリッジ2の下方に設けられたカセット300内の記録媒体である記録紙310を搬送することが可能であるが、記録媒体は紙に限らず、フィルムやOHPシートなどであってもよい。さらに、記録媒体は図1に示すようなロール状の長尺ものに限らず、短冊状のものでも本発明に適用できる。
【0054】
カセット300は、記録媒体であるロール状記録紙310を保持しており、記録紙310の先端部を、カセット300内に設けられたロール給紙ローラ320およびロール給紙従動ローラ321により挟持されている。
【0055】
給紙命令により、紙送り駆動モータ(不図示)により駆動されるロール給紙ローラ320およびロール給紙従動ローラ321が回転し、図1に示した矢印A方向に搬送される。記録紙310は、第1の給送路330に案内されながら、ロール給紙ローラ320と同一駆動源である第2のロール給紙ローラ340、第2のロール給紙従動ローラ341に挟持され第2の給送路350に案内されて、さらに下流側へと搬送される。そして、記録紙310は、搬送ローラ102とそれに付勢されたピンチローラ103に挟持されながら、その下流の排紙ローラ108とそれに付勢する回転体である拍車109が挟持する所定位置まで搬送されると搬送動作が停止し、この後記録動作が開始される。ここで、ピンチローラ103は、ピンチローラ保持板104に回転自在に軸支されており、付勢ばね105により搬送ローラ102に対し所定圧にて付勢されている。
【0056】
搬送ローラ102とピンチローラ103とによる記録媒体搬送方向Yの下流側には、プラテン106が記録ヘッド1の吐出口面と対面して配置されており、このプラテン106上で記録ヘッド1からインクを吐出して記録紙310に記録が行われる。プラテン106上には、回転自在に保持された紙押えコロ107が設けられ、記録紙310は、紙押えコロ107によりプラテン106上に摺接しながら搬送される。これにより、記録紙310が記録ヘッド1の吐出口面と接触するのを防止するとともに、記録紙310と吐出口面との対向距離を一定に保って記録紙310へのインクの着弾位置を高精度に維持している。
【0057】
記録紙310は、記録後、排紙ローラ108と拍車109に挟持されながら、機外へと排出される。
【0058】
なお、シャーシ13a,13bは、前述のキャリッジ軸4a、ガイドレール4b、カセット300、キャリッジ駆動モータ(不図示)、紙送り駆動モータ(不図示)等を位置決め保持するとともに、ロール給紙ローラ340、搬送ローラ102および排紙ローラ108を回転可能に保持している。
【0059】
また、図2の装置平面図に示すように、キャリッジ2の往復移動範囲内でかつ記録紙310の通過する領域外の一端側(図2では右端側)には、記録ヘッド1の吐出機能を維持しまたは回復させるために吐出口からインクを強制的に吸引する吸引機構、記録ヘッド1の吐出口面を清浄にするために吐出口面をワイピングするワイピング機構、および非記録時に記録ヘッド1の吐出口内のインクの乾燥を防止するために記録ヘッドの吐出口面を密封するキャッピング機構等を備えたヘッド回復系ユニット10が配置されている。
【0060】
記録ヘッド1は、非記録時および一定の時間間隔でヘッド回復系ユニット10と対向する位置に移動し、この位置で吸引機構による吸引動作、あるいはワイピング機構によるワイピング動作等の所定の回復処理を行うことにより、吐出特性が良好に維持される。なお、記録ヘッド1による記録動作の基準位置(ホームポジション)は、記録領域(記録動作時にキャリッジ2が往復移動される範囲)のヘッド回復系ユニット10が設けられた側の端部に設定され、この基準位置を基準にして、記録ヘッド1による記録のためのキャリッジ2の移動および記録ヘッド1の回復処理のためのキャリッジ2の移動が制御される。また、この基準位置と回復系ユニット10の間には、一定の時間ごとに、記録ヘッド1内の増粘インクや微小なゴミ等を吐出する予備吐出を行い、そのインクを受ける受容手段である予備吐箱20がある。この構成については後述にて説明する。
【0061】
また、本実施形態では、記録紙310の紙幅方向の紙端基準は図2に示すように回復系ユニット10が設けられた側の端部に設定されている。これは、記録紙310のサイズにかかわらず、インクを吐出する基準を常に一定にすることで、スループットの向上(キャリッジ2の移動時間の短縮)のためである。
【0062】
記録ヘッド1による記録は、画像の高精細化のため、記録ヘッド1の吐出口の小径化および高密度化が図られている。その結果、吐出するインク滴の大きさも小さくなり、これに伴い、インクの吐出の際に微小なインク浮遊粒子(インクミスト)が多数発生し、インクジェット記録装置内に飛散してしまう。
【0063】
本実施形態では、このインクミストの流れを効率よく制御するために、図2に示すように、吹出しファン40,41および吸込みファン48の複数のファンを設け、記録装置内に後述する所定の向きの空気の流れを形成している。
【0064】
以下に、これら吹出しファン40,41および吸込みファン48による空気の流れについて、図1〜図6を参照して説明する。なお、図3は、図2に示した吹出しファン40,41の周辺を拡大した平面図である。図4は、図3に示す吹出しファン40のB−Bで切断した断面図であり、図5は、図3に示す吹出しファン40のC−Cで切断した断面図である。そして、図6は、図2に示した予備吐箱20の周辺を拡大した平面図、図7は、図6に示す予備吐箱のD−Dで切断した断面図である。以下に詳細に説明する。
【0065】
図2、図3において、吹出しファン40,41は、このインクジェット記録装置の外部から外気を外気導入ダクト42を介して内部へ空気を吹き出すためのものであり、主走査方向Xに対して回復系ユニット10の反対方向に配置されている。
【0066】
この内、吹出しファン40の空気流の概略の経路について説明する。
【0067】
図4において、吹出しファン40は外気を外装カバーに固定している外気導入ダクト42から導入し、ガイドレールダクト40aへ吹出される。吹き出された空気はガイドレールダクト40aを介し、ガイドレール4bを固定している、中空断面すなわち押し出し成形による空洞構造を持つ中空部材としてのガイドレール保持部材7の内部へ送り込まれる。
【0068】
なお、ガイドレール保持部材7の内部は、図1に示すように中空部7a,7bの2つに分かれて形成され、ガイドレール保持部材7の一端部(回復系ユニット10側の端部)は塞いであり、中空部7a,7b共にガイドレール保持部材7の他端部から空気が送り込まれる。そして、中空部7aに主走査方向Xに沿って少なくとも記録領域に対応して配設された複数個の開口部8aより空気は記録媒体搬送方向Yの下流側から上流側に記録領域を通過するよう吹き出される。また、中空部7bにも同様に主走査方向Xに沿って少なくとも記録領域に対応して配設された複数個の開口部8bが下方に形成されており、空気はガイド板9により記録領域のプラテン106表面に向けて記録媒体搬送方向Yの下流側から上流側へ吹き出されている。
【0069】
これにより、記録ヘッド1のインク吐出時に発生するインクミストは、記録紙310の排出方向に逆らって流れるため、外部への排出を防ぎインクミストによる外部の汚れを防止するとともに、プラテン106上に滞留、付着しやすいインクミストを積極的に除去し、記録媒体搬送方向Yの上流側の吸込みファン48へと導く。吸込みファン48については後述に詳しく説明する。なお、本実施形態では空気の吹き出しと吸引により形成される一定方向の空気流を記録媒体搬送方向Yの下流側から上流側に向けているが、装置外部へインクミストが流出しないよう空気の吹き出し箇所と吸引箇所が設定できれば、その空気流の向きは問わない。
【0070】
次に、もう一つの吹出しファン41についての空気流の概略の経路について説明する。
【0071】
図5において、吹出しファン41は外気を装置外装カバーに固定された外気導入ダクト42から導入し、プラテン吹出しダクト41aへ吹出される。吹出された空気は、プラテン吹出しダクト41aの2つのチューブジョイント部に固着されている吹出しチューブ45a,45bにより、主走査方向X(つまり記録媒体搬送方向Yと交差する方向)に関して記録領域の外側(より好ましくは、装置が予定している最大サイズの記録紙通過領域の外側)よりプラテン106に向けて吹き出すように配設されている。
【0072】
ここで、本装置のように紙端基準が一側端であって数種の紙幅の記録紙310を使用する場合、プラテン106上で必ずしも記録紙310が通過しない領域がある。このような領域上は、キャリッジ2の往復移動の際の反転によって空気流が拡散され、空中を浮遊するインクミストが堆積、付着しやすい。この状態で先の記録紙310よりも紙幅の大きいものを使用すると、プラテン106に付着したインクが記録紙裏面側に転写してしまう。これに対しても、記録領域外からその内側に吹き出しているため、拡散するインクミストを積極的に搬送紙面側に押しやり、プラテン106上へのインクミストの堆積、付着を防止できる。
【0073】
また、この吹き出し空気流の風速としては、紙端部で0.5〜2.0m/s程度(実験値)が良く、これ以上速いと記録ヘッド1の吐出方向のズレ(ヨレ)を生じさせて画像不良となったり、紙端部の浮きが発生してしまい、これ以下だとインクミストの除去効果が低減してしまう。特に、本実施例のように紙端基準が一側端であって数種の紙幅の記録紙を使用する場合、紙幅によって紙端部への風速が異なり、紙幅が大きい程風速が速く、紙幅が小さい程風速が低下する。これに対して、吹出しファン41は、前述の紙幅センサ3よりのデータをもとに、その風速が最適化されるよう制御されている。なお、この制御方法としては、制御線を持つタイプのファンを用いてPWM制御(駆動Dutyの可変制御)しても良いし、ファン駆動電源の出力電圧を可変制御にしても良い。
【0074】
以上の構成は、特に使用される紙幅の範囲が大きい大判用の画像記録装置の場合において、良好な効果を奏する。
【0075】
次に、吸込みファン48についての空気流の概略の経路について説明する。
【0076】
図1、図2において、ピンチローラユニット110の下部に主走査方向Xに延びるように構成された吸込みダクト49の側面に、複数個の吸込みファン48が取り付けられている。
【0077】
ピンチローラユニット110には、ピンチローラ103上部にインクミストを吸込む為の開口部111がプラテン106に向かって複数あいている。複数の開口部111は、空気が吹き出す開口部8a,8bが形成されたガイドレール保持部材7とは記録領域のプラテン106を介して反対側に位置し、主走査方向Xの少なくとも記録領域に対応して配設されている。そして、インクミストを含む空気の吸込み口(空気吸引手段)となる開口部111は、スケール5及びこれを読みとるキャリッジ上の読み取りセンサ6で構成されるリニアエンコーダより記録媒体搬送方向Yに関して下流側で、かつ、記録領域あるいはプラテン106の位置よりも上流側近傍に配設されている。つまり、リニアエンコーダは、インクミストを回収するために装置内に形成される空気流の範囲外にあることがエンコーダへのインクミストの付着を防止する上で望ましい。
【0078】
また、各吸込みファン48の吸出した空気は吸出しダクト50を介してインクミストを回収し貯めるためのインクミスト回収箱51内に吹き出されている。インクミスト回収箱51は、主走査方向Xに沿って延びるように設けられている、その底部全域に吸収体が敷かれている。また、インクミスト回収箱51は、一側端を装置底面に対し開口している。
【0079】
以上の構成により、吹出しファン40,41により発生する記録媒体搬送方向Yの下流側から上流側に向かう空気の流れに乗ったインクミストが、吸込みファン48により、ピンチローラユニット110の開口部111から吸込まれ、吸込みダクト49、吸出しダクト50を介して、インクミスト回収箱51へと回収される。
【0080】
ここで、大判用の画像記録装置の場合、主走査方向Xに装置が長くなるため、それに伴って、吸込み口を主走査方向Xに多く設ける必要がある。しかしながら、吸込み口を多くするほど吸引圧が低下し、装置全体のインクミスト回収効率が著しく低下してしまう。これを改善するために、ファンを増加させると、コスト、消費電流の増加などの弊害が生じてしまう。これに対しても、前記の記録媒体搬送方向の上流側で吹出して下流側で吸込むことによる一定方向の空気流の形成によって、少ないファンでも高効率なインクミスト回収効果が得られる。
【0081】
また、記録動作に先立ち、または一定の時間ごとに、記録ヘッド1内の増粘インクや微小なゴミ等を吐出する予備吐出を行い、この際にもインクミストは発生する。
【0082】
そのインクミストの回収について、図6の平面図、及び図7の図6に記載のD−Dで切断した断面図を用いて説明する。
【0083】
インクを受ける予備吐箱20には、その底部に廃液口20aが設けられており、この先端に予備吐廃液チューブ22が接続されている。この予備吐廃液チューブ22は装置下部に設けられた廃液回収箱(不図示)に接続されている。予備吐箱20の中央部には、多孔質の予備吐吸収体21が設けられ、これより上の予備吐箱20側面で、その一部が予備吐吸収体21とオーバーラップする位置に吸引口20bが設けられている。この吸引口20bの先端には、予備吐吸引チューブ23が接続されており、この予備吐吸引チューブ23は前述の吸い込みダクト49と接続されている。ここで、吸引口20bの底部にインク溜まりが生じて、その断面積を減少させ吸引性能を低下させてしまう可能性があるが、それを前述の、吸引口20bの一部が予備吐吸収体21とオーバーラップする構成により常に予備吐吸収体21に吸収し、除去させることができるため、吸引性能を維持することができる。
【0084】
以上の構成により、記録ヘッド1の予備吐出は予備吐吸収体21に向け吐出されるため、その主滴だけでなく、同時に発生するインクミストの大半も吸収され、吸収されずに浮遊するインクミストは直ちにその近傍の予備吐吸引チューブ23より吸引、回収される。
【0085】
なお、本実施形態ではシリアルタイプを例にとって説明したが、本発明の液体浮遊粒子回収方法およびこれを実施する空気流の形成手段は、搬送される記録媒体の(搬送方向と交差する方向の)最大幅と同等の長さを有する記録ヘッドを用い、記録媒体に対して該記録ヘッドより記録液滴を吐出して記録するいわゆるラインタイプの液体吐出記録装置にも適用できるものである。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液体浮遊粒子回収方法によれば、液体吐出記録装置内において発生する記録に寄与しない液体浮遊粒子を回収するのに、装置内に一定方向の空気流を空気の吹き出しと吸引により形成するため、少ない吸引圧でも高効率の液体浮遊粒子の回収効果が得られる。特に、大判用の記録装置の場合、液体液の吐出量の増加に伴って液体浮遊粒子の発生も増えるため、上記のように液体浮遊粒子の回収効率の高い構成は装置の大型化や複雑化を防ぐことができる。
【0087】
さらに、前記一定方向の空気流を前記記録媒体の搬送方向に記録領域を通過するように形成することにより、記録液が吐出されて液体浮遊粒子が発生しやすい記録領域の当該液体浮流粒子を効率良く回収できる。その上、前記記録媒体の搬送方向に関して下流側から上流側へ空気流を形成することにより、発生した液体浮遊粒子が記録媒体の排出口より機外へ排出されないため、装置外部を汚すことがない。
【0088】
さらに前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に関して記録領域の外側から該記録領域に向けての空気の吹き出しを行うことにより、搬送中の記録媒体を支持する支持部(例えばプラテン)上の、記録装置が通過しない領域への液体浮遊粒子の付着、堆積を防止できるので、記録媒体の判の大きさに関わらず、記録媒体の前記支持部側の面が汚れることが防止できる。
【0089】
また、本発明の液体浮遊粒子回収方法を実施する液体吐出記録装置によれば、記録領域へ空気を吹き出す手段と、該吹き出し手段とは前記記録領域を介して反対側に配設されて空気を吸引する空気吸引手段とを有することにより、装置内に一定方向の空気流を形成することができ、上述したように、少ない吸引圧でも高効率の液体浮遊粒子の回収効果が得られる。
【0090】
そして、前記空気を吹き出す手段を前記記録媒体の搬送方向の下流側に設け、前記空気吸引手段を該搬送方向の上流側に設けることにより、記録媒体の搬送方向に関して下流側から上流側へ空気流を形成することができ、上述したように、発生した液体浮遊粒子によって装置外部を汚すことがない。
【0091】
さらに、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に前記記録領域の外側から内側に向けて空気を吹き出す手段をさらに備えることにより、上述したように、搬送中の記録媒体を支持する支持部(例えばプラテン)上の、記録装置が通過しない領域への液体浮遊粒子の付着を防止できるので、記録媒体の前記支持部側の面を汚さないで済む。また、前記記録領域の外側から該記録領域に向けて吐き出す空気を記録紙の幅によってその風速を記録紙の幅方向端部で0.5〜2.0m/sに可変制御することで、紙幅によらず記録媒体支持部への液体浮遊粒子の付着を防止でき、かつ吐出ヨレや紙端部浮きのない安定した記録動作が行える。
【0092】
さらに、前記空気を吹き出す手段を装置外気を取り込んで吹き出すものとしたことにより、装置内に発生した液体浮遊粒子の濃度が高まることが防止できる。
【0093】
さらに、液体吐出記録装置は予備吐出動作の際にその予備吐出の記録液滴を受ける受容手段をさらに備え、該受容手段の中央部に吸収体を有し、前記受容手段の該吸収体よりも上方であって前記吸収体と一部がオーバーラップする位置に吸引口が配され、該吸引口は前記空気吸引手段と接続されていることにより、予備吐出動作時に発生する液体浮遊粒子をその主滴とともに確実に回収し、予備吐出時に記録媒体、装置内部が液体浮遊粒子で汚れることを防止できる。
【0094】
さらに、本発明の液体浮遊粒子回収方法を実施する液体吐出記録装置がいわゆるシリアル型であって、記録ヘッドの移動位置を制御するためのヘッド位置検出手段を備えている場合は、該ヘッド位置検出手段を、前記空気を吹き出す手段と前記空気吸引手段とで形成される一定方向の空気流の範囲外に配置することで、ヘッド位置検出手段に液体浮遊粒子が付着するのを防ぎ、記録精度やヘッド位置制御を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるインクジェット記録装置の概略断面図
【図2】本発明の一実施形態によるインクジェット記録装置の概略平面図
【図3】図2に示した吹出しファンの周辺を拡大した平面図
【図4】図3に示した吹出しファンのB−Bで切断した断面図
【図5】図3に示した吹出しファンのC−Cで切断した断面図
【図6】図2に示した予備吐箱の周辺を拡大した平面図
【図7】図6に示した予備吐箱のD−Dで切断した断面図
【符号の説明】
X 主走査方向(キャリッジ移動方向)
Y 記録媒体搬送方向(副走査方向)
1 記録ヘッド
2 キャリッジ
3 紙幅センサ
4a キャリッジ軸
4b ガイドレール
5 スケール(リニアエンコーダスケール)
6 読み取りセンサ
7 ガイドレール保持部材
7a,7b 中空部
8a,8b 開口部
9 ガイド板
10 回復系ユニット
11a,11b プーリ
12 タイミングベルト
13a,13b シャーシ
20 予備吐箱
20a 廃液口
20b 吸引口
21 予備吐吸収体
22 予備吐廃液チューブ
23 予備吐吸引チューブ
40,41 吹出しファン
40a ガイドレールダクト
41a プラテン吹出しダクト
42 外気導入ダクト
45a,45b 吹出しチューブ
48 吸込みファン
49 吸込みダクト
50 吸出しダクト
51 インクミスト回収箱
102 搬送ローラ
103 ピンチローラ
104 ピンチローラ保持板
105 付勢ばね
106 プラテン
107 紙押えコロ
108 排紙ローラ
109 拍車
110 ピンチローラユニット
111 開口部
300 カセット
310 記録紙(記録媒体)
320,340 ロール給紙ローラ
321,341 ロール給紙従動ローラ
330 第1の給送路
350 第2の給送路
【発明の属する技術分野】
本発明は液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法、および液体吐出記録装置に関し、特に、記録媒体上にインク等の記録液滴を吐出して画像を記録するインクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のインクジェット記録装置としては、シリアル型のものとライン型のものとがある。シリアル型のインクジェット記録装置は、記録媒体の搬送方向と垂直な方向に往復移動されるキャリッジに記録ヘッドを搭載し、記録媒体の所定ピッチごとの搬送とキャリッジの往復移動とを交互に繰り返しながら、記録媒体に画像を記録する。ライン型のインクジェット記録装置は、記録媒体の幅とほぼ等しい長さを有する記録ヘッドを用い、記録媒体の搬送とともに記録媒体に画像を記録する。近年では、画像の高画質性等の理由から、上記の2つの形式のインクジェット記録装置が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】
しかしながら、上記従来技術においては、記録ヘッドからインクを吐出した際、画像記録に寄与するインク液滴の他に、画像記録に寄与しない微小なインク浮遊粒子(以下、インクミストと記す)が発生する。このインクミストが装置内を漂うことにより記録領域周辺の部材、例えば記録ヘッドと記録媒体を介して対向するプラテンがインクミストで汚染されてしまい、記録媒体の裏面側にインク汚れが付着したりプラテン上のインクが増粘すると記録媒体とプラテンの間の滑りが悪くなり、搬送不良、ジャム(紙詰まり)、斜行、しわや波打ち等が発生するおそれがある。
【0004】
また、シリアル型のインクジェット記録装置では、キャリッジのガイド部材にインクミストが付着して、キャリッジ移動抵抗の増大による動作不良を引き起こしたり、またキャリッジの位置制御を、主走査方向(記録媒体の搬送方向と交差、好ましくは直交する方向)に配した光学式のエンコーダの信号により行う場合、このエンコーダ上に前記インクミストが付着することで検出精度が低下し、記録精度の低下や位置制御不良等の不具合が発生することもある。特に大判用の画像記録装置の場合、吐出量の増加に伴ってインクミストの発生も増える上にキャリッジの移動距離も長い為、インクミストによる動作不良等の不具合が発生する可能性が大きい。
【0005】
さらに、紙端基準が一側端であって数種の紙幅の記録紙を使用する場合、プラテン上で必ずしも記録紙が通過しない領域がある。このような領域上は、キャリッジの往復移動の際の反転によって空気流が拡散され、空中を浮遊するインクミストが堆積、付着しやすい。この状態で先の記録紙よりも紙幅の大きいものを使用すると、プラテンに付着したインクが記録紙裏面側に転写してしまう。
【0006】
上記インクミストによる不具合を解消するためにはインクミストを装置内部から取り除く必要があるが、装置内部から外部にインクミストを強制排出することは装置外部を汚すため、装置内部においてファンで吸引回収することが望まれる。しかし、ミスト発生範囲の大きい大判用の画像記録装置のようにミスト発生範囲が大きい場合、ミスト吸引箇所を多く設ける必要が生じ、このミスト吸引箇所を多くするほど吸引圧が低下するため、装置全体のインクミスト回収効率が著しく低下してしまう。また、これを改善するためにファンを増加させると、コスト、消費電流の増加などの弊害が生じることになる。
【0007】
本発明の目的は上記インクミストによる不具合を解消して、装置の信頼性の低下を防ぎつつ、常に安定した画像記録動作を行うことを可能にし、少ない吸引圧で高効率なインクミスト回収効果が得られる液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法、および液体吐出記録装置である処のインクジェット記録装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、記録媒体に記録液滴を吐出して画像を記録する液体吐出記録装置内に発生する、画像記録に寄与しない液体浮遊粒子の回収方法であって、記録装置内に一定方向の空気流を空気の吹き出しと吸引により形成して、前記液体浮遊粒子を回収する、液体吐出記録装置の浮遊液滴回収方法である。
【0009】
この液体浮遊粒子回収方法においては、前記一定方向の空気流を前記記録媒体の搬送方向に記録領域を通過するように形成すること、及び/または前記一定方向の空気流を前記記録媒体の搬送方向の下流側から上流側へ形成することが好ましい。さらに前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に関して記録領域の外側から該記録領域に向けて空気を吹き出すことが望ましい。
【0010】
前記記録領域の外側から該記録領域に向けて吐き出す空気は、記録紙の幅によってその風速を可変制御するとともに、その風速として記録紙の幅方向端部で0.5〜2.0m/sであることが望ましい。
【0011】
また、本発明は記録媒体に記録液滴を吐出して画像を記録する液体吐出記録装置において、記録領域へ空気を吹き出す手段と、該吹き出し手段とは前記記録領域を介して反対側に配設されて空気を吸引する空気吸引手段とを有することを特徴とする。
【0012】
この液体吐出記録装置において、前記空気を吹き出す手段は前記記録媒体の搬送方向の下流側に設けられ、前記空気吸引手段は該搬送方向の上流側に設けられていることが好ましく、そして、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に前記記録領域の外側から内側に向けて空気を吹き出す手段をさらに備えていることが好ましい。
【0013】
前記記録媒体の搬送方向の下流側から前記記録領域に向けて空気を吹き出す手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って少なくとも記録領域に対応して配された中空部材の一端部を塞ぎ、該中空部材のもう一方の端部から空気を導入し、前記記録領域に向け前記中空部材に開けられた1つ以上の開口部から空気を吹き出すものであることが好ましい。
【0014】
前記空気を吹き出す手段は装置外気を取り込んで吹き出すものが好ましい。
【0015】
上記のような液体吐出記録装置においては、前記記録媒体への記録動作に先立ち、または一定時間ごと、記録液滴の吐出状態を適正にする予備吐出動作の際にその予備吐出の記録液滴を受ける受容手段をさらに備え、
該受容手段の中央部に吸収体を有し、前記受容手段の該吸収体よりも上方であって前記吸収体と一部がオーバーラップする位置に吸引口が配され、該吸引口は前記空気吸引手段と接続されていることが好ましい。
【0016】
さらに、上記のような液体吐出記録装置としては、搬送される記録媒体の最大幅と同等の長さを有する記録ヘッドを用い、記録媒体に対して該記録ヘッドより記録液滴を吐出して記録するライン型や、搬送される記録媒体に対して該記録媒体の搬送方向と交差する方向に記録ヘッドを往復移動しながら該記録ヘッドより記録液滴を吐出して記録するシリアル型が適用できる。
【0017】
このうちシリアル型の液体吐出記録装置において、前記記録ヘッドの移動位置を制御するためのヘッド位置検出手段をさらに備えている場合は、該ヘッド位置検出手段は、前記空気を吹き出す手段と前記空気吸引手段とで形成される一定方向の空気流の範囲外に配置されていることが好ましい。
【0018】
上記構成を、改めて以下(1)〜(15)に整理して示す。
【0019】
(1)記録媒体に記録液滴を吐出して画像を記録する液体吐出記録装置内に発生する、画像記録に寄与しない液体浮遊粒子の回収方法であって、記録装置内に一定方向の空気流を空気の吹き出しと吸引により形成して、前記液体浮遊粒子を回収する、液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法。
【0020】
(2)前記一定方向の空気流を前記記録媒体の搬送方向に記録領域を通過するように形成する、上記(1)に記載の液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法。
【0021】
(3)前記一定方向の空気流を前記記録媒体の搬送方向の下流側から上流側へ形成する、上記(1)又は(2)に記載の液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法。
【0022】
(4)さらに前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に関して記録領域の外側から該記録領域に向けて空気を吹き出す、上記(3)に記載の液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法。
【0023】
(5)記録媒体に記録液滴を吐出して画像を記録する液体吐出記録装置において、
記録領域へ空気を吹き出す手段と、
前記吹き出し手段とは前記記録領域を介して反対側に配設されて空気を吸引する空気吸引手段とを有する、液体吐出記録装置。
【0024】
(6)前記空気を吹き出す手段は前記記録媒体の搬送方向の下流側に設けられ、前記空気吸引手段は該搬送方向の上流側に設けられている、上記(5)に記載の液体吐出記録装置。
【0025】
(7)前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に前記記録領域の外側から内側に向けて空気を吹き出す手段をさらに備えた、上記(6)に記載の液体吐出記録装置。
【0026】
(8)液体吐出記録装置において、記録媒体の幅を自動で検出する手段を備え、該信号に基づいて、前記記録領域の外側から該記録領域に向けて吐き出す空気の風速を可変制御する、上記(7)に記載の液体吐出記録装置。
【0027】
(9)前記記録領域の外側から該記録領域に向けて吹き出す空気流の風速は、記録紙の幅方向端部で0.5〜2.0m/sである、上記(7)に記載の液体吐出記録装置。
【0028】
(10)前記記録媒体の搬送方向の下流側から前記記録領域に向けて空気を吹き出す手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って少なくとも記録領域に対応して配された中空部材の一端部を塞ぎ、該中空部材のもう一方の端部から空気を導入し、前記記録領域に向け前記中空部材に開けられた1つ以上の開口部から空気を吹き出す、上記(6)又は(7)に記載の液体吐出記録装置。
【0029】
(11)前記空気を吹き出す手段は装置外気を取り込んで吹き出す、上記(5)乃至(10)のいずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
【0030】
(12)前記記録媒体への記録動作に先立ち、または一定時間ごと、記録液滴の吐出状態を適正にする予備吐出動作の際にその予備吐出の記録液滴を受ける受容手段をさらに備え、
該受容手段の中央部に吸収体を有し、前記受容手段の該吸収体よりも上方であって前記吸収体と一部がオーバーラップする位置に吸引口が配され、該吸引口は前記空気吸引手段と接続されている、上記(5)乃至(11)のいずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
【0031】
(13)搬送される記録媒体の最大幅と同等の長さを有する記録ヘッドを用い、記録媒体に対して該記録ヘッドより記録液滴を吐出して記録するライン型である、上記(5)乃至(12)のいずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
【0032】
(14)搬送される記録媒体に対して該記録媒体の搬送方向と交差する方向に記録ヘッドを往復移動しながら該記録ヘッドより記録液滴を吐出して記録するシリアル型である、上記(5)乃至(12)のいずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
【0033】
(15)前記記録ヘッドの移動位置を制御するためのヘッド位置検出手段をさらに備え、該ヘッド位置検出手段は、前記空気を吹き出す手段と前記空気吸引手段とで形成される一定方向の空気流の範囲外に配置されている、上記(14)に記載の液体吐出記録装置。
【0034】
次に、本発明の作用について説明する。
【0035】
本発明の液体浮遊粒子回収方法では、液体吐出記録装置内に発生する記録に寄与しない液体浮遊粒子を回収するのに、液体吐出記録装置内に一定方向の空気流を空気の吹き出しと吸引により形成するため、少ない吸引圧でも高効率の液体浮遊粒子の回収効果が得られる。したがって、吸引手段であるファンが少なくて済み、コスト、消費電流の増加などの弊害を招かない。特に、大判用の画像記録装置の場合、液体液の吐出量の増加に伴って液体浮遊粒子の発生も増えるため、上記のようにファンが少なくて済む構成は装置の大型化や複雑化を防ぐという点で有利となる。
【0036】
さらに、前記一定方向の空気流を前記記録媒体の搬送方向に記録領域を通過するように形成することにより、記録液が吐出されて液体浮遊粒子が発生しやすい記録領域の当該液体浮流粒子を効率良く回収できる。その上、前記記録媒体の搬送方向に関して下流側から上流側へ空気流を形成することで、発生した液体浮遊粒子が記録媒体の排出口より機外へ排出されず、装置外部を汚すことがない。
【0037】
さらに、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に関して記録領域の外側から該記録領域に向けての空気の吹き出しを行うことで、搬送中の記録媒体を支持する支持部(例えばプラテン)上の、記録装置が通過しない領域に付着しやすい液体浮遊粒子を積極的に記録中の記録媒体側へ押しやり、前記支持部上への液体浮遊粒子の付着、堆積を防止できる。その結果、先に記録した記録媒体より判の大きいものを使用しても、記録媒体の前記支持部側の面が汚れないで済む。
【0038】
また、本発明の液体浮遊粒子回収方法を実施する液体吐出記録装置では、記録領域へ空気を吹き出す手段と、該吹き出し手段とは前記記録領域を介して反対側に配設されて空気を吸引する空気吸引手段とを有することにより、装置内に一定方向の空気流を形成することができ、上述したように、少ない吸引圧でも高効率の液体浮遊粒子の回収効果が得られる。
【0039】
そして、前記空気を吹き出す手段を前記記録媒体の搬送方向の下流側に設け、前記空気吸引手段を該搬送方向の上流側に設けることにより、記録媒体の搬送方向に関して下流側から上流側へ空気流を形成することができ、上述したように、発生した液体浮遊粒子によって装置外部を汚すことがない。
【0040】
さらに、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に前記記録領域の外側から内側に向けて空気を吹き出す手段をさらに備えることにより、上述したように、搬送中の記録媒体を支持する支持部(例えばプラテン)上の、記録装置が通過しない領域への液体浮遊粒子の付着を防止できるので、先に記録した記録媒体より判の大きいものに変更しても、その変更した記録媒体の前記支持部側の面を汚さないで済む。
【0041】
さらに、前記空気を吹き出す手段を装置外気を取り込んで吹き出すものとしたことにより、装置内に発生した液体浮遊粒子の濃度が高まることが防止できる。
【0042】
さらに、液体吐出記録装置は予備吐出動作の際にその予備吐出の記録液滴を受ける受容手段をさらに備え、該受容手段の中央部に吸収体を有し、前記受容手段の該吸収体よりも上方であって前記吸収体と一部がオーバーラップする位置に吸引口が配され、該吸引口は前記空気吸引手段と接続されていることにより、予備吐出動作時に発生する液体浮遊粒子をその主滴とともに確実に回収し、予備吐出時に記録媒体、装置内部を液体浮遊粒子で汚すことを防止する。
【0043】
さらに、本発明の液体浮遊粒子回収方法を実施する液体吐出記録装置がいわゆるちシリアル型であって、記録ヘッドの移動位置を制御するためのヘッド位置検出手段を備えている場合は、該ヘッド位置検出手段を、前記空気を吹き出す手段と前記空気吸引手段とで形成される一定方向の空気流の範囲外に配置することで、ヘッド位置検出手段に液体浮遊粒子が付着するのを防ぎ、記録精度の低下や位置制御不良等の不具合を発生させない。
【0044】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0045】
図1は、本発明の一実施形態によるインクジェット記録装置の概略断面図、図2は、装置内部の平面図である。特に図1は、図2に記載の装置中間部にて記録媒体の搬送方向Yに沿って切断した断面図である。
【0046】
これらの図に示す形態の液体吐出記録装置は、記録媒体の搬送方向Y(副走査方向)と交差する、好ましくは直交する方向X(以下、主走査方向Xと記す)に往復移動されるキャリッジ2に記録ヘッド1を搭載し、キャリッジ2の移動に伴う記録ヘッド1の往復移動と、記録媒体の所定ピッチごとの送りとを交互に繰り返しながら、記録ヘッド1の移動中に記録ヘッド1から記録液であるインクを吐出して記録媒体に記録を行うシリアルタイプのインクジェット記録装置である。
【0047】
以下に、図1及び図2を参照して、本実施形態のインクジェット記録装置の記録動作に関わる機構について説明する。
【0048】
キャリッジ2は、このインクジェット記録装置の記録動作機構部のベースとなる板状のシャーシ13a,13b間に互いに平行に配置されて固定されたキャリッジ軸4aおよびガイドレール4bに摺動自在に支持されている。キャリッジ2には、キャリッジ軸4aの軸方向の両端位置に回転自在に設けられた2つのプーリ11a,11bに掛け回されたタイミングベルト12の一部位が固定されており、一方のプーリ11bをキャリッジ駆動モータ(不図示)により正転および逆転させることで、キャリッジ2はキャリッジ軸4aに沿って往復移動される。
【0049】
記録ヘッド1にはインクを吐出する複数の吐出口(ノズル)を有し、これらノズルを下方に向けてキャリッジ2に着脱可能に搭載される。ノズルからインクを吐出させる方式には、大きく分けて、ヒーターによりインクに熱エネルギーを与え、この熱エネルギーによるインクの状態変化(膜沸騰など)を利用するものと、圧電素子によりインクに機械的エネルギーを与え、これにより瞬間的に吐出圧力を加えるものとがあるが、本発明ではいずれの方式の記録ヘッドも適用可能である。
【0050】
記録ヘッド1およびキャリッジ2には、記録ヘッド1がキャリッジ2に搭載されることで互いに電気的に接続される電気的接続部(ヘッドコンタクト部)を有する。記録ヘッド1へは、この電気的接続部を介してインクジェット記録装置本体側の制御部から記録信号が与えられ、この記録信号に基づき、インクに熱エネルギーや機械的エネルギーが与えられる。
【0051】
また、シャーシ13a,13b間には、スケール(リニアエンコーダスケール)5がキャリッジ2に対して記録媒体搬送方向Yの上流側に主走査方向Xに沿って取り付けられている。キャリッジ2には、このスケール5を読み取るための読み取りセンサ6が取り付けられており、これらスケール5および読み取りセンサ6で、主走査方向Xにおけるキャリッジ2の位置を検出するヘッド位置検出手段であるリニアエンコーダが構成される。リニアエンコーダとしては、光学式のものや磁気式のものを用いることができ、例えば光学式のものの場合には、スケール5には多数のスリットがキャリッジ2の移動方向に所定のピッチで設けられ、読み取りセンサ6としては光学式のセンサが用いられる。このリニアエンコーダで検出されたキャリッジ2の位置は、上記のキャリッジ駆動モータのフィードバック制御や、記録ヘッド1からのインクの吐出タイミングの制御に利用される。
【0052】
また、キャリッジ2の端部に、印字域に対向して反射式の光学センサの紙幅センサ3が取り付けられている。この紙幅センサ3は、印字域上の紙の有無を検知するためのものであり、印字開始直前にキャリッジ2が主走査方向Xに移動しつつ印字域上の紙の有無を検知し、このセンサ信号と前記のリニアエンコーダにより紙幅を算出する。この紙幅データを装置本体側の制御部にフィードバックして記録範囲等の各制御を行う。
【0053】
キャリッジ2の下方には、記録媒体を搬送する搬送機構が設けられる。本実施形態では、キャリッジ2の下方に設けられたカセット300内の記録媒体である記録紙310を搬送することが可能であるが、記録媒体は紙に限らず、フィルムやOHPシートなどであってもよい。さらに、記録媒体は図1に示すようなロール状の長尺ものに限らず、短冊状のものでも本発明に適用できる。
【0054】
カセット300は、記録媒体であるロール状記録紙310を保持しており、記録紙310の先端部を、カセット300内に設けられたロール給紙ローラ320およびロール給紙従動ローラ321により挟持されている。
【0055】
給紙命令により、紙送り駆動モータ(不図示)により駆動されるロール給紙ローラ320およびロール給紙従動ローラ321が回転し、図1に示した矢印A方向に搬送される。記録紙310は、第1の給送路330に案内されながら、ロール給紙ローラ320と同一駆動源である第2のロール給紙ローラ340、第2のロール給紙従動ローラ341に挟持され第2の給送路350に案内されて、さらに下流側へと搬送される。そして、記録紙310は、搬送ローラ102とそれに付勢されたピンチローラ103に挟持されながら、その下流の排紙ローラ108とそれに付勢する回転体である拍車109が挟持する所定位置まで搬送されると搬送動作が停止し、この後記録動作が開始される。ここで、ピンチローラ103は、ピンチローラ保持板104に回転自在に軸支されており、付勢ばね105により搬送ローラ102に対し所定圧にて付勢されている。
【0056】
搬送ローラ102とピンチローラ103とによる記録媒体搬送方向Yの下流側には、プラテン106が記録ヘッド1の吐出口面と対面して配置されており、このプラテン106上で記録ヘッド1からインクを吐出して記録紙310に記録が行われる。プラテン106上には、回転自在に保持された紙押えコロ107が設けられ、記録紙310は、紙押えコロ107によりプラテン106上に摺接しながら搬送される。これにより、記録紙310が記録ヘッド1の吐出口面と接触するのを防止するとともに、記録紙310と吐出口面との対向距離を一定に保って記録紙310へのインクの着弾位置を高精度に維持している。
【0057】
記録紙310は、記録後、排紙ローラ108と拍車109に挟持されながら、機外へと排出される。
【0058】
なお、シャーシ13a,13bは、前述のキャリッジ軸4a、ガイドレール4b、カセット300、キャリッジ駆動モータ(不図示)、紙送り駆動モータ(不図示)等を位置決め保持するとともに、ロール給紙ローラ340、搬送ローラ102および排紙ローラ108を回転可能に保持している。
【0059】
また、図2の装置平面図に示すように、キャリッジ2の往復移動範囲内でかつ記録紙310の通過する領域外の一端側(図2では右端側)には、記録ヘッド1の吐出機能を維持しまたは回復させるために吐出口からインクを強制的に吸引する吸引機構、記録ヘッド1の吐出口面を清浄にするために吐出口面をワイピングするワイピング機構、および非記録時に記録ヘッド1の吐出口内のインクの乾燥を防止するために記録ヘッドの吐出口面を密封するキャッピング機構等を備えたヘッド回復系ユニット10が配置されている。
【0060】
記録ヘッド1は、非記録時および一定の時間間隔でヘッド回復系ユニット10と対向する位置に移動し、この位置で吸引機構による吸引動作、あるいはワイピング機構によるワイピング動作等の所定の回復処理を行うことにより、吐出特性が良好に維持される。なお、記録ヘッド1による記録動作の基準位置(ホームポジション)は、記録領域(記録動作時にキャリッジ2が往復移動される範囲)のヘッド回復系ユニット10が設けられた側の端部に設定され、この基準位置を基準にして、記録ヘッド1による記録のためのキャリッジ2の移動および記録ヘッド1の回復処理のためのキャリッジ2の移動が制御される。また、この基準位置と回復系ユニット10の間には、一定の時間ごとに、記録ヘッド1内の増粘インクや微小なゴミ等を吐出する予備吐出を行い、そのインクを受ける受容手段である予備吐箱20がある。この構成については後述にて説明する。
【0061】
また、本実施形態では、記録紙310の紙幅方向の紙端基準は図2に示すように回復系ユニット10が設けられた側の端部に設定されている。これは、記録紙310のサイズにかかわらず、インクを吐出する基準を常に一定にすることで、スループットの向上(キャリッジ2の移動時間の短縮)のためである。
【0062】
記録ヘッド1による記録は、画像の高精細化のため、記録ヘッド1の吐出口の小径化および高密度化が図られている。その結果、吐出するインク滴の大きさも小さくなり、これに伴い、インクの吐出の際に微小なインク浮遊粒子(インクミスト)が多数発生し、インクジェット記録装置内に飛散してしまう。
【0063】
本実施形態では、このインクミストの流れを効率よく制御するために、図2に示すように、吹出しファン40,41および吸込みファン48の複数のファンを設け、記録装置内に後述する所定の向きの空気の流れを形成している。
【0064】
以下に、これら吹出しファン40,41および吸込みファン48による空気の流れについて、図1〜図6を参照して説明する。なお、図3は、図2に示した吹出しファン40,41の周辺を拡大した平面図である。図4は、図3に示す吹出しファン40のB−Bで切断した断面図であり、図5は、図3に示す吹出しファン40のC−Cで切断した断面図である。そして、図6は、図2に示した予備吐箱20の周辺を拡大した平面図、図7は、図6に示す予備吐箱のD−Dで切断した断面図である。以下に詳細に説明する。
【0065】
図2、図3において、吹出しファン40,41は、このインクジェット記録装置の外部から外気を外気導入ダクト42を介して内部へ空気を吹き出すためのものであり、主走査方向Xに対して回復系ユニット10の反対方向に配置されている。
【0066】
この内、吹出しファン40の空気流の概略の経路について説明する。
【0067】
図4において、吹出しファン40は外気を外装カバーに固定している外気導入ダクト42から導入し、ガイドレールダクト40aへ吹出される。吹き出された空気はガイドレールダクト40aを介し、ガイドレール4bを固定している、中空断面すなわち押し出し成形による空洞構造を持つ中空部材としてのガイドレール保持部材7の内部へ送り込まれる。
【0068】
なお、ガイドレール保持部材7の内部は、図1に示すように中空部7a,7bの2つに分かれて形成され、ガイドレール保持部材7の一端部(回復系ユニット10側の端部)は塞いであり、中空部7a,7b共にガイドレール保持部材7の他端部から空気が送り込まれる。そして、中空部7aに主走査方向Xに沿って少なくとも記録領域に対応して配設された複数個の開口部8aより空気は記録媒体搬送方向Yの下流側から上流側に記録領域を通過するよう吹き出される。また、中空部7bにも同様に主走査方向Xに沿って少なくとも記録領域に対応して配設された複数個の開口部8bが下方に形成されており、空気はガイド板9により記録領域のプラテン106表面に向けて記録媒体搬送方向Yの下流側から上流側へ吹き出されている。
【0069】
これにより、記録ヘッド1のインク吐出時に発生するインクミストは、記録紙310の排出方向に逆らって流れるため、外部への排出を防ぎインクミストによる外部の汚れを防止するとともに、プラテン106上に滞留、付着しやすいインクミストを積極的に除去し、記録媒体搬送方向Yの上流側の吸込みファン48へと導く。吸込みファン48については後述に詳しく説明する。なお、本実施形態では空気の吹き出しと吸引により形成される一定方向の空気流を記録媒体搬送方向Yの下流側から上流側に向けているが、装置外部へインクミストが流出しないよう空気の吹き出し箇所と吸引箇所が設定できれば、その空気流の向きは問わない。
【0070】
次に、もう一つの吹出しファン41についての空気流の概略の経路について説明する。
【0071】
図5において、吹出しファン41は外気を装置外装カバーに固定された外気導入ダクト42から導入し、プラテン吹出しダクト41aへ吹出される。吹出された空気は、プラテン吹出しダクト41aの2つのチューブジョイント部に固着されている吹出しチューブ45a,45bにより、主走査方向X(つまり記録媒体搬送方向Yと交差する方向)に関して記録領域の外側(より好ましくは、装置が予定している最大サイズの記録紙通過領域の外側)よりプラテン106に向けて吹き出すように配設されている。
【0072】
ここで、本装置のように紙端基準が一側端であって数種の紙幅の記録紙310を使用する場合、プラテン106上で必ずしも記録紙310が通過しない領域がある。このような領域上は、キャリッジ2の往復移動の際の反転によって空気流が拡散され、空中を浮遊するインクミストが堆積、付着しやすい。この状態で先の記録紙310よりも紙幅の大きいものを使用すると、プラテン106に付着したインクが記録紙裏面側に転写してしまう。これに対しても、記録領域外からその内側に吹き出しているため、拡散するインクミストを積極的に搬送紙面側に押しやり、プラテン106上へのインクミストの堆積、付着を防止できる。
【0073】
また、この吹き出し空気流の風速としては、紙端部で0.5〜2.0m/s程度(実験値)が良く、これ以上速いと記録ヘッド1の吐出方向のズレ(ヨレ)を生じさせて画像不良となったり、紙端部の浮きが発生してしまい、これ以下だとインクミストの除去効果が低減してしまう。特に、本実施例のように紙端基準が一側端であって数種の紙幅の記録紙を使用する場合、紙幅によって紙端部への風速が異なり、紙幅が大きい程風速が速く、紙幅が小さい程風速が低下する。これに対して、吹出しファン41は、前述の紙幅センサ3よりのデータをもとに、その風速が最適化されるよう制御されている。なお、この制御方法としては、制御線を持つタイプのファンを用いてPWM制御(駆動Dutyの可変制御)しても良いし、ファン駆動電源の出力電圧を可変制御にしても良い。
【0074】
以上の構成は、特に使用される紙幅の範囲が大きい大判用の画像記録装置の場合において、良好な効果を奏する。
【0075】
次に、吸込みファン48についての空気流の概略の経路について説明する。
【0076】
図1、図2において、ピンチローラユニット110の下部に主走査方向Xに延びるように構成された吸込みダクト49の側面に、複数個の吸込みファン48が取り付けられている。
【0077】
ピンチローラユニット110には、ピンチローラ103上部にインクミストを吸込む為の開口部111がプラテン106に向かって複数あいている。複数の開口部111は、空気が吹き出す開口部8a,8bが形成されたガイドレール保持部材7とは記録領域のプラテン106を介して反対側に位置し、主走査方向Xの少なくとも記録領域に対応して配設されている。そして、インクミストを含む空気の吸込み口(空気吸引手段)となる開口部111は、スケール5及びこれを読みとるキャリッジ上の読み取りセンサ6で構成されるリニアエンコーダより記録媒体搬送方向Yに関して下流側で、かつ、記録領域あるいはプラテン106の位置よりも上流側近傍に配設されている。つまり、リニアエンコーダは、インクミストを回収するために装置内に形成される空気流の範囲外にあることがエンコーダへのインクミストの付着を防止する上で望ましい。
【0078】
また、各吸込みファン48の吸出した空気は吸出しダクト50を介してインクミストを回収し貯めるためのインクミスト回収箱51内に吹き出されている。インクミスト回収箱51は、主走査方向Xに沿って延びるように設けられている、その底部全域に吸収体が敷かれている。また、インクミスト回収箱51は、一側端を装置底面に対し開口している。
【0079】
以上の構成により、吹出しファン40,41により発生する記録媒体搬送方向Yの下流側から上流側に向かう空気の流れに乗ったインクミストが、吸込みファン48により、ピンチローラユニット110の開口部111から吸込まれ、吸込みダクト49、吸出しダクト50を介して、インクミスト回収箱51へと回収される。
【0080】
ここで、大判用の画像記録装置の場合、主走査方向Xに装置が長くなるため、それに伴って、吸込み口を主走査方向Xに多く設ける必要がある。しかしながら、吸込み口を多くするほど吸引圧が低下し、装置全体のインクミスト回収効率が著しく低下してしまう。これを改善するために、ファンを増加させると、コスト、消費電流の増加などの弊害が生じてしまう。これに対しても、前記の記録媒体搬送方向の上流側で吹出して下流側で吸込むことによる一定方向の空気流の形成によって、少ないファンでも高効率なインクミスト回収効果が得られる。
【0081】
また、記録動作に先立ち、または一定の時間ごとに、記録ヘッド1内の増粘インクや微小なゴミ等を吐出する予備吐出を行い、この際にもインクミストは発生する。
【0082】
そのインクミストの回収について、図6の平面図、及び図7の図6に記載のD−Dで切断した断面図を用いて説明する。
【0083】
インクを受ける予備吐箱20には、その底部に廃液口20aが設けられており、この先端に予備吐廃液チューブ22が接続されている。この予備吐廃液チューブ22は装置下部に設けられた廃液回収箱(不図示)に接続されている。予備吐箱20の中央部には、多孔質の予備吐吸収体21が設けられ、これより上の予備吐箱20側面で、その一部が予備吐吸収体21とオーバーラップする位置に吸引口20bが設けられている。この吸引口20bの先端には、予備吐吸引チューブ23が接続されており、この予備吐吸引チューブ23は前述の吸い込みダクト49と接続されている。ここで、吸引口20bの底部にインク溜まりが生じて、その断面積を減少させ吸引性能を低下させてしまう可能性があるが、それを前述の、吸引口20bの一部が予備吐吸収体21とオーバーラップする構成により常に予備吐吸収体21に吸収し、除去させることができるため、吸引性能を維持することができる。
【0084】
以上の構成により、記録ヘッド1の予備吐出は予備吐吸収体21に向け吐出されるため、その主滴だけでなく、同時に発生するインクミストの大半も吸収され、吸収されずに浮遊するインクミストは直ちにその近傍の予備吐吸引チューブ23より吸引、回収される。
【0085】
なお、本実施形態ではシリアルタイプを例にとって説明したが、本発明の液体浮遊粒子回収方法およびこれを実施する空気流の形成手段は、搬送される記録媒体の(搬送方向と交差する方向の)最大幅と同等の長さを有する記録ヘッドを用い、記録媒体に対して該記録ヘッドより記録液滴を吐出して記録するいわゆるラインタイプの液体吐出記録装置にも適用できるものである。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液体浮遊粒子回収方法によれば、液体吐出記録装置内において発生する記録に寄与しない液体浮遊粒子を回収するのに、装置内に一定方向の空気流を空気の吹き出しと吸引により形成するため、少ない吸引圧でも高効率の液体浮遊粒子の回収効果が得られる。特に、大判用の記録装置の場合、液体液の吐出量の増加に伴って液体浮遊粒子の発生も増えるため、上記のように液体浮遊粒子の回収効率の高い構成は装置の大型化や複雑化を防ぐことができる。
【0087】
さらに、前記一定方向の空気流を前記記録媒体の搬送方向に記録領域を通過するように形成することにより、記録液が吐出されて液体浮遊粒子が発生しやすい記録領域の当該液体浮流粒子を効率良く回収できる。その上、前記記録媒体の搬送方向に関して下流側から上流側へ空気流を形成することにより、発生した液体浮遊粒子が記録媒体の排出口より機外へ排出されないため、装置外部を汚すことがない。
【0088】
さらに前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に関して記録領域の外側から該記録領域に向けての空気の吹き出しを行うことにより、搬送中の記録媒体を支持する支持部(例えばプラテン)上の、記録装置が通過しない領域への液体浮遊粒子の付着、堆積を防止できるので、記録媒体の判の大きさに関わらず、記録媒体の前記支持部側の面が汚れることが防止できる。
【0089】
また、本発明の液体浮遊粒子回収方法を実施する液体吐出記録装置によれば、記録領域へ空気を吹き出す手段と、該吹き出し手段とは前記記録領域を介して反対側に配設されて空気を吸引する空気吸引手段とを有することにより、装置内に一定方向の空気流を形成することができ、上述したように、少ない吸引圧でも高効率の液体浮遊粒子の回収効果が得られる。
【0090】
そして、前記空気を吹き出す手段を前記記録媒体の搬送方向の下流側に設け、前記空気吸引手段を該搬送方向の上流側に設けることにより、記録媒体の搬送方向に関して下流側から上流側へ空気流を形成することができ、上述したように、発生した液体浮遊粒子によって装置外部を汚すことがない。
【0091】
さらに、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に前記記録領域の外側から内側に向けて空気を吹き出す手段をさらに備えることにより、上述したように、搬送中の記録媒体を支持する支持部(例えばプラテン)上の、記録装置が通過しない領域への液体浮遊粒子の付着を防止できるので、記録媒体の前記支持部側の面を汚さないで済む。また、前記記録領域の外側から該記録領域に向けて吐き出す空気を記録紙の幅によってその風速を記録紙の幅方向端部で0.5〜2.0m/sに可変制御することで、紙幅によらず記録媒体支持部への液体浮遊粒子の付着を防止でき、かつ吐出ヨレや紙端部浮きのない安定した記録動作が行える。
【0092】
さらに、前記空気を吹き出す手段を装置外気を取り込んで吹き出すものとしたことにより、装置内に発生した液体浮遊粒子の濃度が高まることが防止できる。
【0093】
さらに、液体吐出記録装置は予備吐出動作の際にその予備吐出の記録液滴を受ける受容手段をさらに備え、該受容手段の中央部に吸収体を有し、前記受容手段の該吸収体よりも上方であって前記吸収体と一部がオーバーラップする位置に吸引口が配され、該吸引口は前記空気吸引手段と接続されていることにより、予備吐出動作時に発生する液体浮遊粒子をその主滴とともに確実に回収し、予備吐出時に記録媒体、装置内部が液体浮遊粒子で汚れることを防止できる。
【0094】
さらに、本発明の液体浮遊粒子回収方法を実施する液体吐出記録装置がいわゆるシリアル型であって、記録ヘッドの移動位置を制御するためのヘッド位置検出手段を備えている場合は、該ヘッド位置検出手段を、前記空気を吹き出す手段と前記空気吸引手段とで形成される一定方向の空気流の範囲外に配置することで、ヘッド位置検出手段に液体浮遊粒子が付着するのを防ぎ、記録精度やヘッド位置制御を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるインクジェット記録装置の概略断面図
【図2】本発明の一実施形態によるインクジェット記録装置の概略平面図
【図3】図2に示した吹出しファンの周辺を拡大した平面図
【図4】図3に示した吹出しファンのB−Bで切断した断面図
【図5】図3に示した吹出しファンのC−Cで切断した断面図
【図6】図2に示した予備吐箱の周辺を拡大した平面図
【図7】図6に示した予備吐箱のD−Dで切断した断面図
【符号の説明】
X 主走査方向(キャリッジ移動方向)
Y 記録媒体搬送方向(副走査方向)
1 記録ヘッド
2 キャリッジ
3 紙幅センサ
4a キャリッジ軸
4b ガイドレール
5 スケール(リニアエンコーダスケール)
6 読み取りセンサ
7 ガイドレール保持部材
7a,7b 中空部
8a,8b 開口部
9 ガイド板
10 回復系ユニット
11a,11b プーリ
12 タイミングベルト
13a,13b シャーシ
20 予備吐箱
20a 廃液口
20b 吸引口
21 予備吐吸収体
22 予備吐廃液チューブ
23 予備吐吸引チューブ
40,41 吹出しファン
40a ガイドレールダクト
41a プラテン吹出しダクト
42 外気導入ダクト
45a,45b 吹出しチューブ
48 吸込みファン
49 吸込みダクト
50 吸出しダクト
51 インクミスト回収箱
102 搬送ローラ
103 ピンチローラ
104 ピンチローラ保持板
105 付勢ばね
106 プラテン
107 紙押えコロ
108 排紙ローラ
109 拍車
110 ピンチローラユニット
111 開口部
300 カセット
310 記録紙(記録媒体)
320,340 ロール給紙ローラ
321,341 ロール給紙従動ローラ
330 第1の給送路
350 第2の給送路
Claims (15)
- 記録媒体に記録液滴を吐出して画像を記録する液体吐出記録装置内に発生する、画像記録に寄与しない液体浮遊粒子の回収方法であって、記録装置内に一定方向の空気流を空気の吹き出しと吸引により形成して、前記液体浮遊粒子を回収することを特徴とする液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法。
- 前記一定方向の空気流を前記記録媒体の搬送方向に記録領域を通過するように形成することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法。
- 前記一定方向の空気流を前記記録媒体の搬送方向の下流側から上流側へ形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法。
- さらに前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に関して記録領域の外側から該記録領域に向けて空気を吹き出すことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法。
- 記録媒体に記録液滴を吐出して画像を記録する液体吐出記録装置において、
記録領域へ空気を吹き出す手段と、
前記吹き出し手段とは前記記録領域を介して反対側に配設されて空気を吸引する空気吸引手段とを有することを特徴とする液体吐出記録装置。 - 前記空気を吹き出す手段は前記記録媒体の搬送方向の下流側に設けられ、前記空気吸引手段は該搬送方向の上流側に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の液体吐出記録装置。
- 前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に前記記録領域の外側から内側に向けて空気を吹き出す手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の液体吐出記録装置。
- 液体吐出記録装置において、記録媒体の幅を自動で検出する手段を備え、該信号に基づいて、前記記録領域の外側から該記録領域に向けて吐き出す空気の風速を可変制御することを特徴する請求項7に記載の液体吐出記録装置。
- 前記記録領域の外側から該記録領域に向けて吹き出す空気流の風速は、記録紙の幅方向端部で0.5〜2.0m/sであることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出記録装置。
- 前記記録媒体の搬送方向の下流側から前記記録領域に向けて空気を吹き出す手段は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って少なくとも記録領域に対応して配された中空部材の一端部を塞ぎ、該中空部材のもう一方の端部から空気を導入し、前記記録領域に向け前記中空部材に開けられた1つ以上の開口部から空気を吹き出すことを特徴とする請求項6又は7に記載の液体吐出記録装置。
- 前記空気を吹き出す手段は装置外気を取り込んで吹き出すことを特徴とする請求項5乃至10のいずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
- 前記記録媒体への記録動作に先立ち、または一定時間ごと、記録液滴の吐出状態を適正にする予備吐出動作の際にその予備吐出の記録液滴を受ける受容手段をさらに備え、
該受容手段の中央部に吸収体を有し、前記受容手段の該吸収体よりも上方であって前記吸収体と一部がオーバーラップする位置に吸引口が配され、該吸引口は前記空気吸引手段と接続されていることを特徴とする請求項5乃至11のいずれか1項に記載の液体吐出記録装置。 - 搬送される記録媒体の最大幅と同等の長さを有する記録ヘッドを用い、記録媒体に対して該記録ヘッドより記録液滴を吐出して記録するライン型であることを特徴とする請求項5乃至12のいずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
- 搬送される記録媒体に対して該記録媒体の搬送方向と交差する方向に記録ヘッドを往復移動しながら該記録ヘッドより記録液滴を吐出して記録するシリアル型であることを特徴とする請求項5乃至12のいずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
- 前記記録ヘッドの移動位置を制御するためのヘッド位置検出手段をさらに備え、該ヘッド位置検出手段は、前記空気を吹き出す手段と前記空気吸引手段とで形成される一定方向の空気流の範囲外に配置されていることを特徴とする請求項14に記載の液体吐出記録装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002350024A JP2004181725A (ja) | 2002-12-02 | 2002-12-02 | 液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法、および液体吐出記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP2002350024A JP2004181725A (ja) | 2002-12-02 | 2002-12-02 | 液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法、および液体吐出記録装置 |
Publications (1)
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|---|---|
| JP2004181725A true JP2004181725A (ja) | 2004-07-02 |
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ID=32752385
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| JP2002350024A Withdrawn JP2004181725A (ja) | 2002-12-02 | 2002-12-02 | 液体吐出記録装置の液体浮遊粒子回収方法、および液体吐出記録装置 |
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| JP (1) | JP2004181725A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100656514B1 (ko) | 2004-08-10 | 2006-12-11 | 삼성전자주식회사 | 집진 수단을 갖는 화상 형성 장치 |
| JP2007136761A (ja) * | 2005-11-16 | 2007-06-07 | Miyakoshi Printing Machinery Co Ltd | インクジェット記録装置 |
| JP2009292129A (ja) * | 2008-06-09 | 2009-12-17 | Seiko Epson Corp | 記録装置及び記録装置における記録方法 |
| JP2010201742A (ja) * | 2009-03-03 | 2010-09-16 | Sharp Corp | 予備吐出部およびインクジェット装置 |
| JP2012025147A (ja) * | 2010-06-22 | 2012-02-09 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
| CN103832072A (zh) * | 2012-11-21 | 2014-06-04 | 株式会社东芝 | 喷墨打印机 |
-
2002
- 2002-12-02 JP JP2002350024A patent/JP2004181725A/ja not_active Withdrawn
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