JP2004183686A - 転がり軸受及びシール装置 - Google Patents

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キム リョン リー
Tatsunobu Momono
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Abstract

【課題】しめしろが多少変動したとしても、回転エネルギーのロスや摩耗量の増大を生じさせることなく良好な密封性を確保する。
【解決手段】内周面に外輪軌道面を有する外輪と、外周面8に内輪軌道面8aを有する内輪3と、外輪軌道面と内輪軌道面8aとの間に配設した複数個の玉とから転がり軸受を構成する。外輪に嵌着され、かつ、内輪3に形成されたシール接触溝5の接触面5aにリップ部13が接触するように構成された接触シール6を設ける。接触面5aに対してリップ部13を傾斜させて接触させることにより、接触部分におけるしめしろの変化量と緊迫力の変化量との関係を、ソフトスプリングとする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転がり軸受に関し、さらに詳しくは、外輪または内輪の一方に嵌着され、かつ、他方に接触するように構成された密封型の接触シールを備えた転がり軸受に関する。また、密封型の接触シールを備えたシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
転がり軸受は、異物が内部に侵入すると損傷が起こりやすくなり、使用寿命が低下してしまう。そのため、粉塵等の異物が存在する環境下では、密封型の接触シールを備えた転がり軸受が好適に用いられている(例えば、特許文献1参照)。このような密封型の転がり軸受の一例を図14に示す。
【0003】
図14に示すように、従来の密封型の転がり軸受100は、外輪101の内周面102の両端部に、シール固定溝103が形成されており、このシール固定溝103に接触シール110が嵌着されている。また、内輪105の外周面106の両端部に、シール接触溝107が形成されており、図15に示すように、接触シール110のリップ部111がシール接触溝107を形成する接触面107aに垂直に接触している。転がり軸受100の運転時には、接触シール110のリップ部111がシール接触溝107の接触面107aと摺接する。
このように、転がり軸受100は、接触シール110によって内部の空間を密封して、外部からの異物の侵入を防いでいる。
なお、この従来の転がり軸受100は、接触面107aは軸線112との角度θが鈍角になるように形成されているが、この角度θを鋭角や直角になるように形成することもできる。
【0004】
ここで、上記密封型の転がり軸受100にあっては、内部空間を密封するために、図16に示すように、しめしろLを与えて接触部分に緊迫力を生じさせ、接触シール110のリップ部111を所定の緊迫力でシール接触溝107の接触面107aに接触して摺接させている。なお、破線部分111aは、しめしろを与えていない状態のリップ部111の形状を示す。
【0005】
上記構造の転がり軸受100の場合、図17に示すように、緊迫力は、しめしろの変化量に比例している。すなわち、接触シール110のリップ部111の接触面107aへの接触部分のばねは、線形ばねの特性を持っている。
このような特性を持ったリップ部111の接触面107aへの接触部分では、密封性を考慮すると、しめしろを大きくする方が良いが、しめしろを大きくし過ぎると、摩擦力が増加して回転抵抗が大きくなってしまう。
このため、このしめしろは、密封性や回転トルクなどを考慮して適切な値に設定されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−329148号公報(第3頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の転がり軸受100は、製造上の公差などにより、しめしろが設定値に対して多少のずれが生じる。
そして、このようにしめしろのずれが生じると、この変化量に伴って接触部分における緊迫力が大きく変化し、回転トルクまたは密封性能が設定値と大幅に異なってしまい、回転エネルギーのロス、接触シール110の摩耗量の増大あるいは防塵効果の劣化などの不具合を生じるおそれがある。
また、転がり軸受100の取り付け時の傾きや転がり軸受100への接触シール110の取り付け時の傾きによっても、接触部分の一部におけるしめしろが設定値に対してずれてしまい、接触部分の一部における緊迫力が大きく変化し、回転トルクまたは密封性能が設定値と大幅に異なってしまい、やはり、回転エネルギーのロス、接触シール110の摩耗量の増大あるいは防塵効果の劣化などの不具合を生じるおそれがある。
【0008】
本発明は、しめしろが多少変動したとしても、回転エネルギーのロスや摩耗量の増大を生じさせることなく良好な密封性を確保することが可能な転がり軸受及びシール装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る転がり軸受は、内周面に外輪軌道面が形成された外輪と、外周面に内輪軌道面が形成された内輪と、外輪軌道面と内輪軌道面との間に配設された複数個の転動体と、外輪または内輪の一方に嵌着され、かつ、他方に形成されたシール接触溝に接触するように構成された接触シールとを備えた転がり軸受において、接触シールにおける、しめしろの変化量と緊迫力の変化量との関係が、ソフトスプリングとなっていることを特徴としている。
【0010】
このような構成の転がり軸受によれば、接触シールにおける、しめしろの変化量と緊迫力の変化量との関係が、ソフトスプリングとなっているので、公差や取り付け時の傾きなどにより、接触シールとシール接触溝との軸方向の相対位置にずれが生じてしめしろが増加した場合は、緊迫力の増加が抑えられ、また、しめしろが減少した場合は、緊迫力の減少が抑えられる。これにより、しめしろが多少変動したとしても、回転トルクまたは密封性能が設定値と大きく異なることによる回転エネルギーのロスや摩耗量の増大を生じさせることなく良好な密封性を確保することができる。
【0011】
また、本発明に係る転がり軸受において、接触シールは、シール接触溝の接触面に対して、接触面と接触する方向が傾斜していることが望ましい。このように、シール接触溝の接触面に対する接触方向が傾斜していることにより、容易にソフトスプリング効果を得ることができる。
【0012】
また、本発明に係る転がり軸受において、接触シールと接触するシール接触溝の接触面は、軸受の軸線に対して鈍角に形成されている場合には、接触シールは、軸線方向のしめしろが増加する際に接触面との接触点が軸受の半径方向の外方に移動するように構成されていることが望ましい。
また、接触シールと接触するシール接触溝の接触面は、軸受の軸線に対して鋭角に形成されている場合には、接触シールは、軸線方向のしめしろが増加する際に接触面との接触点が軸受の半径方向の内方に移動するように構成されていることが望ましい。
これらの構成により、しめしろの大きさが増加しても緊迫力の増加が抑えられる。
【0013】
また、本発明に係る転がり軸受において、接触シールと接触するシール接触溝の接触面は、軸受の軸線に対して鈍角に形成されている場合には、接触シールは、軸線方向のしめしろが減少する際に接触面との接触点が軸受の半径方向の内方に移動するように構成されていることが望ましい。
また、接触シールと接触するシール接触溝の接触面は、軸受の軸線に対して鋭角に形成されている場合には、接触シールは、軸線方向のしめしろが減少する際に接触面との接触点が軸受の半径方向の外方に移動するように構成されていることが望ましい。
これらの構成により、しめしろの大きさが減少しても緊迫力の減少が抑えられる。
【0014】
また、本発明に係るシール装置は、ハウジングと、ハウジングに対して相対的に回転する回転体と、ハウジングに嵌着され、かつ、回転体に接触するように構成された接触シールとを備えたシール装置において、接触シールにおける、しめしろの変化量と緊迫力の変化量との関係が、ソフトスプリングとなっていることを特徴としている。
【0015】
このような構成のシール装置によれば、接触シールにおける、しめしろの変化量と緊迫力の変化量との関係が、ソフトスプリングとなっているので、公差や取り付け時の傾きなどにより、接触シールと回転体との軸線にずれが生じて部分的にしめしろが増減した場合、このずれによりしめしろが増加した部分では緊迫力の増加が抑えられ、しめしろが減少した部分では緊迫力の減少が抑えられる。これにより、しめしろが多少変動したとしても、回転トルクまたは密封性能が設定値と大きく異なることによる回転エネルギーのロスや摩耗量の増大を生じさせることなく良好な密封性を確保することができる。
【0016】
また、本発明に係るシール装置において、接触シールは、回転体の接触面に対して、接触面と接触する方向が傾斜していることが望ましい。このように、回転体の接触面に対する接触方向が傾斜していることにより、容易にソフトスプリング効果を得ることができる。
【0017】
また、本発明に係るシール装置において、接触シールは、回転体の半径方向のしめしろが増加する際に、回転体との接触点が、接触角度が鈍角である側に移動するように構成されていることが望ましい。これにより、しめしろの大きさが増加しても緊迫力の増加が抑えられる。
【0018】
また、本発明に係るシール装置において、接触シールは、回転体の半径方向のしめしろが減少する際に、回転体との接触点が、接触角度が鋭角である側に移動するように構成されていることが望ましい。これにより、しめしろの大きさが減少しても緊迫力の減少が抑えられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る転がり軸受及びシール装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、転がり軸受の実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る転がり軸受の実施の形態を示す要部断面図である。図2は、図1に示した転がり軸受の一部の拡大断面図である。
なお、本実施形態では、転動体として玉を用いた玉軸受について説明するが、本発明はころ軸受についても適用可能である。また、接触シールは、外輪に嵌着されて内輪に接触している態様であるが、これとは逆に、内輪に嵌着されて外輪に接触する態様としても良い。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の転がり軸受1は、外輪2と内輪3との間に配設された複数個の転動体である玉4と、外輪2に嵌着され、かつ、内輪3に形成されたシール接触溝5に接触するように構成された接触シール6とを備えている。
外輪2の内周面7には、玉4の半径より僅かに大きい曲率半径の円弧状の断面を有する外輪軌道面7aが形成されている。
また、内輪3の外周面8には、外輪軌道面7aと同様に、玉4の半径より僅かに大きい曲率半径の円弧状の断面を有する内輪軌道面8aが形成されている。
【0021】
外輪軌道面7aと内輪軌道面8aとの間に形成された軌道内には、保持器9によって円周方向に所定の間隔で整列して保持された複数個の玉4が転動自在に配設されている。
また、外輪2の内周面7の両端部に設けられたシール固定溝11には、密封型の接触シール6が固定されている。また、内輪3の外周面8の両端部にはシール接触溝5が設けられており、接触シール6は、シール固定溝11とシール接触溝5との間を封止するように嵌着されている。なお、本実施形態では接触シール6が2つ設けられているが、どちらか一方のみであっても良い。
【0022】
接触シール6は、芯金部6aが弾性体のゴムシール部6bで被覆されており、外輪2及び内輪3と同様に円環状に連続した形状に構成されている。なお、接触シール6は、芯金部6aを設けずに全体を弾性体のみの態様とすることも可能である。接触シール6は、外径側に固定部12が設けられており、内径側にリップ部13が設けられている。固定部12は、シール固定溝11に固定され、リップ部13は、シール接触溝5を形成する接触面5aに接触して、運転時に摺動する。これにより、軸受外部からの異物の侵入や、軸受内部からのグリースやオイルの漏れを防いでいる。
【0023】
図2に示すように、接触シール6のリップ部13は、断面鋭角に折り返されており、シール接触溝5の接触面5aは、軸線14に対する角度θが鈍角になるように形成されており、リップ部13と同一傾斜方向に多少傾斜されている。そして、接触シール6のリップ部13は、その先端部がシール接触溝5の接触面5aに対して傾斜した状態で接触している。つまり、接触面5aに対するリップ部13の傾斜角度αが90°よりも大きくされている。なお、芯金部6aやゴムシール部6bは、図2に示したように軸線14に対して垂直方向である必要はない。そして、図2に示したように、接触面5aに対して傾斜した状態に接触シール6のリップ部13を接触させることにより、接触シール6と内輪3とが軸線14方向へ相対的に変位して軸線14方向のしめしろの大きさが増減すると、リップ部13が半径方向へ変位する。つまり、接触面5aに対する接触シール6のしめしろが軸線14方向に増加すると、リップ部13と接触面5aとの接触点13aが軸受の半径方向の外方(図中上方)に移動する。もしくは、接触面5aに対する接触シール6のしめしろが軸線14方向に減少すると、リップ部13と接触面5aとの接触点13aが軸受の半径方向の内方(図中下方)に移動する。
【0024】
したがって、接触シール6の接触面5aへの接触部分における緊迫力は、図3に示すように、しめしろの変化量に対してその変化量が抑えられた非線形の関係を有するソフトスプリングとなる。ここで、ソフトスプリングとは、荷重−撓み曲線(緊迫力−しめしろ曲線)の傾斜が、撓み(しめしろ)の増加とともに次第に減少するばね特性を指す。すなわち、しめしろが例えば軸線方向に増加した場合に、線形ばねである場合の緊迫力の増加量aに対して増加量bが少なくなる。これにより、例えば、接触シール6と内輪3との軸線14方向の相対位置にずれが生じ、このずれによりしめしろが増加した場合は、緊迫力の増加が抑えられ、また、ずれによりしめしろが減少した場合は、緊迫力の減少が抑えられる。
【0025】
このように、上記実施形態の転がり軸受1によれば、接触シール6における、しめしろの変化量と緊迫力の変化量との関係が、ソフトスプリングとなっているので、公差や取り付け時の傾きなどにより、接触シール6と内輪3との軸方向の相対位置にずれが生じてしめしろが増加した場合は、緊迫力の増加が抑えられ、また、しめしろが減少した場合は、緊迫力の減少が抑えられる。これにより、しめしろが多少変動したとしても、回転トルクまたは密封性能が設定値と大きく異なることによる回転エネルギーのロスや摩耗量の増大を生じさせることなく良好な密封性を確保することができる。
【0026】
なお、接触シール6におけるしめしろの変化量と緊迫力の変化量との関係をソフトスプリングとするには、接触面5aに対して接触シール6のリップ部13を傾斜させて接触すれば良く、その構造は上記の例に限定されない。
【0027】
図4に示すものは、接触シール6のリップ部13を、断面鈍角となるように屈曲させ、接触面5aは、軸線14に対する角度θが鋭角になるように形成されており、リップ部13と同一傾斜方向に多少傾斜させたものである。この場合も、接触面5aに対して接触シール6のリップ部13が傾斜して接触しているので、しめしろの変化量に対して緊迫力の変化量が抑えられた非線形の関係を有するソフトスプリングとなる。
【0028】
図5及び図6に示すものは、それぞれ接触シール6のリップ部13の根元近傍を屈曲させたものである。図5の形態では接触面5aが軸線14に対して鈍角になるように形成されている。図6の形態では接触面5aが軸線14に対して鋭角になるように形成されている。このように、リップ部13の根元近傍を屈曲させることにより、接触面5aに対してリップ部13を無理なく傾斜させた状態に接触させることができる。
【0029】
また、図7及び図8に示すものは、それぞれ接触シール6のリップ部13を軸受外部へ向かって突出させ、外側の接触面5aにリップ部13を接触させてシールするタイプのシール構造を有するものである。図7の形態では接触面5aが軸線14に対して鈍角になるように形成されている。図8の形態では接触面5aが軸線14に対して鋭角になるように形成されている。この場合も、接触面5aに対してリップ部13を傾斜させて接触させることにより、接触部分におけるしめしろの変化量に対して緊迫力の変化量が抑えられた非線形の関係を有するソフトスプリングとすることができる。
【0030】
なお、リップ部13の根元部分の剛性を低くしてソフトスプリングの効果をさらに高めるために、図9に示すように、リップ部13の根元近傍に、周方向へわたって溝部21を形成したり、図10に示すように、周方向へわたってくびれ部22を形成しても良い。
また、図11に示すものは、接触シール6のリップ部13の根元付近にて、通常と同様の厚さの厚肉部23aと厚さの薄い薄肉部23bとを周方向に沿って交互に形成したもので、このような構造としても、ソフトスプリングの効果をさらに高めることができる。
【0031】
上記の実施形態では、転がり軸受の実施形態を説明したが、本発明はハウジング内に回転軸を有する装置におけるシール装置にも適用される。
図12に示すシール装置は、回転体である回転軸を有する装置におけるものであり、回転軸31はハウジング32内に挿通されている。
回転軸31の周囲には、ホルダ33に収容された接触シール34が設けられ、ケース35を嵌め込むことによりハウジング32に固定されている。
接触シール34は、内周部分にリップ部36を有しており、このリップ部36は、回転軸31の外周面からなる接触面31aに接触して、運転時に摺動する。これにより、装置のハウジング31外部からの異物の侵入や、ハウジング31内部からのグリースやオイルの漏れを防いでいる。
【0032】
図13に示すように、接触シール34のリップ部36は、その先端部が回転軸31の外周面である接触面31aに対して傾斜した状態で接触している。
そして、このように、接触面31aに対して傾斜した状態で接触シール34のリップ部36を接触させることにより、接触シール34と回転軸31との軸線がずれてしめしろの大きさが増減すると、リップ部36が回転軸31の軸線方向へ変位する。つまり、接触面31aに対する接触シール34のしめしろが回転体31の半径方向(図中上下方向)に増加すると、リップ部36と接触面31aとの接触点36aが、接触角度が鈍角である角度θ側(図中右側)に移動する。一方、接触面31aに対する接触シール34のしめしろが回転体31の半径方向に減少すると、リップ部36と接触面31aとの接触点36aが、接触角度が鋭角である角度β側(図中左側)に移動する。
【0033】
したがって、接触シール34の接触面31aへの接触部分では、しめしろの変化量に対して緊迫力の変化量が抑えられた非線形の関係を有するソフトスプリングとなる。
【0034】
これにより、例えば、接触シール34と回転軸31との軸線にずれが生じて部分的にしめしろが増減した場合、このずれにより半径方向にしめしろが増加した部分では緊迫力の増加が抑えられ、また、半径方向にしめしろが減少した部分では緊迫力の減少が抑えられる。
【0035】
このように上記シール装置によれば、接触シール34における、しめしろの変化量と緊迫力の変化量との関係が、ソフトスプリングとなっているので、公差や取り付け時の傾きなどにより、接触シール34と回転軸31との軸線にずれが生じて部分的にしめしろが増減した場合、このずれによりしめしろが増加した部分では緊迫力の増加が抑えられ、しめしろが減少した部分では緊迫力の減少が抑えられる。これにより、しめしろが多少変動したとしても、回転トルクまたは密封性能が設定値と大きく異なることによる回転エネルギーのロスや摩耗量の増大を生じさせることなく良好な密封性を確保することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の転がり軸受及びシール装置によれば、下記の効果を得ることができる。
本発明に係る転がり軸受によれば、接触シールにおける、しめしろの変化量と緊迫力の変化量との関係が、ソフトスプリングとなっているので、公差や取り付け時の傾きなどにより、接触シールとシール接触溝との軸方向の相対位置にずれが生じてしめしろが増加した場合は、緊迫力の増加が抑えられ、また、しめしろが減少した場合は、緊迫力の減少が抑えられる。これにより、しめしろが多少変動したとしても、回転トルクまたは密封性能が設定値と大きく異なることによる回転エネルギーのロスや摩耗量の増大を生じさせることなく良好な密封性を確保することができる。
【0037】
また、本発明に係るシール装置によれば、接触シールにおける、しめしろの変化量と緊迫力の変化量との関係が、ソフトスプリングとなっているので、公差や取り付け時の傾きなどにより、接触シールと回転体との軸線にずれが生じて部分的にしめしろが増減した場合、このずれによりしめしろが増加した部分では緊迫力の増加が抑えられ、しめしろが減少した部分では緊迫力の減少が抑えられる。これにより、しめしろが多少変動したとしても、回転トルクまたは密封性能が設定値と大きく異なることによる回転エネルギーのロスや摩耗量の増大を生じさせることなく良好な密封性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る転がり軸受の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示す転がり軸受の接触シールによるシール部分の拡大断面図である。
【図3】接触シールのしめしろの変化量に対する緊迫力の変化量を示すグラフ図である。
【図4】接触シールの変形例を示すシール部分の拡大断面図である。
【図5】接触シールの変形例を示すシール部分の拡大断面図である。
【図6】接触シールの変形例を示すシール部分の拡大断面図である。
【図7】接触シールの変形例を示すシール部分の拡大断面図である。
【図8】接触シールの変形例を示すシール部分の拡大断面図である。
【図9】接触シールの変形例を示す接触シールの拡大断面図である。
【図10】接触シールの変形例を示す接触シールの拡大断面図である。
【図11】接触シールの変形例を示す接触シールの一部の概略平面図である。
【図12】本発明に係るシール装置の一実施形態を示す断面図である。
【図13】図12に示すシール装置の接触シールによるシール部分の拡大断面図である。
【図14】従来の転がり軸受の一例を示す断面図である。
【図15】図14に示す転がり軸受の接触シールによるシール部分の拡大断面図である。
【図16】接触シールによるシール部分におけるしめしろを説明する拡大断面図である。
【図17】図14に示す接触シールのしめしろの変化量に対する緊迫力の変化量を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 転がり軸受
2 外輪
3 内輪
4 玉(転動体)
5 シール接触溝
5a 接触面
6 接触シール
7 内周面
7a 外輪軌道面
8 外周面
8a 内輪軌道面
14 軸線
31 回転軸(回転体)
31a 接触面
32 ハウジング
34 接触シール

Claims (7)

  1. 内周面に外輪軌道面が形成された外輪と、外周面に内輪軌道面が形成された内輪と、前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に配設された複数個の転動体と、
    前記外輪または前記内輪の一方に嵌着され、かつ、他方に形成されたシール接触溝に接触するように構成された接触シールとを備えた転がり軸受において、
    前記接触シールにおける、しめしろの変化量と緊迫力の変化量との関係が、ソフトスプリングとなっていることを特徴とする転がり軸受。
  2. 請求項1に記載の転がり軸受において、前記接触シールは、前記シール接触溝の接触面に対して、前記接触面と接触する方向が傾斜していることを特徴とする転がり軸受。
  3. 請求項1または2に記載の転がり軸受において、前記接触シールと接触する前記シール接触溝の接触面は、軸受の軸線に対して鈍角に形成されており、前記接触シールは、前記軸線方向のしめしろが増加する際に前記接触面との接触点が軸受の半径方向の外方に移動するように構成されていることを特徴とする転がり軸受。
  4. 請求項1または2に記載の転がり軸受において、前記接触シールと接触する前記シール接触溝の接触面は、軸受の軸線に対して鋭角に形成されており、前記接触シールは、前記軸線方向のしめしろが増加する際に前記接触面との接触点が軸受の半径方向の内方に移動するように構成されていることを特徴とする転がり軸受。
  5. ハウジングと、ハウジングに対して相対的に回転する回転体と、前記ハウジングに嵌着され、かつ、前記回転体に接触するように構成された接触シールとを備えたシール装置において、
    前記接触シールにおける、しめしろの変化量と緊迫力の変化量との関係が、ソフトスプリングとなっていることを特徴とするシール装置。
  6. 請求項5に記載のシール装置において、前記接触シールは、前記回転体の接触面に対して、前記接触面と接触する方向が傾斜していることを特徴とするシール装置。
  7. 請求項5または6に記載のシール装置において、前記接触シールは、前記回転体の半径方向のしめしろが増加する際に、前記回転体との接触点が、接触角度が鈍角である側に移動するように構成されていることを特徴とするシール装置。
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