JP2004183729A - 雄部材と雌部材の嵌合構造、および該嵌合構造に使用する雌部材 - Google Patents
雄部材と雌部材の嵌合構造、および該嵌合構造に使用する雌部材 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】嵌合力が滑性促進剤や水の付着によって低下した場合でも嵌合力を維持することが可能な嵌合構造、および前記嵌合構造に使用される容易に、かつ効率よく生産することができる雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)の提供。
【解決手段】円柱状突起部材である雄部材(オスコネクター)と該雄部材(オスコネクター)の外面部が円筒体または導管の内腔に嵌合する嵌合構造であって、前記雄部材(オスコネクター)は先端側になるに従って径が縮小する複数の円柱状部分から形成される段部を有し、かつ、前記円柱状部分の先端側の環状縁部が前記円筒体または導管の内腔面と接合することを特徴とする雄部材(オスコネクター)と円筒体または導管との嵌合構造。
【選択図】 図1
【解決手段】円柱状突起部材である雄部材(オスコネクター)と該雄部材(オスコネクター)の外面部が円筒体または導管の内腔に嵌合する嵌合構造であって、前記雄部材(オスコネクター)は先端側になるに従って径が縮小する複数の円柱状部分から形成される段部を有し、かつ、前記円柱状部分の先端側の環状縁部が前記円筒体または導管の内腔面と接合することを特徴とする雄部材(オスコネクター)と円筒体または導管との嵌合構造。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)との嵌合構造、および該嵌合構造に使用する雌部材(メスコネクター)に関する。
【0002】
【従来の技術】
雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)との嵌合構造を形成する雄部材(オスコネクター)および雌部材(メスコネクター)としては、従来、図1に示すような外面部がテーパーを形成した雄部材(オスコネクター)、雌部材(メスコネクター)としては、内腔形状がスムースなテーパー形状の雌部材(メスコネクター)が知られているが、このような嵌合構造は、前記雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)の接合面が面接触であるため、嵌合部に油などが付着した場合、該接合部に油膜が介在することになるため滑りが発生しやすくなる。
【0003】
前記問題を解決するために、図1に示すようなスムースなテーパー形状の雄部材(オスコネクター)に代えて、雄部材(オスコネクター)として図2に示すような複数の台形部分で構成されるタケノコ状の段部を有するコネクターが提案されている。このコネクターは長軸方向に各段部の突縁部を結んだ形状が長軸方向先端部に向かってスムースなテーパー形状(先細形状)になるように形成されている。
【0004】
前記形タケノコ状コネクターは、雌部材(メスコネクター)の内腔に挿入するときは容易であり、逆に抜ける方向に力が作用する場合には、摩擦が増加して抜け難くなる、という利点を有するものである。しかし、このタケノコ状コネクターを成形するためには、金型を割型にする等の特有の(スライド)構造にする必要があり、手間やコストが増大し、さらには金型取数が制限され、生産性を減少させる等の課題が存在した。
【0005】
また、前記問題を解決するために、内腔形状がスムースなテーパー形状の雌部材(メスコネクター)に代えて、内腔面に円周リブが形成された雌部材(メスコネクター)が提案されている。しかしながら、この内腔面に円周リブが形成された雌部材(メスコネクター)は金型の機構上、寸法が安定せず、また、前記従来公知のタケノコ形状の雄部材(コネクター)と嵌合させた場合、それぞれの突起がマイナスに作用し、リークが発生する場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記問題を解決した嵌合構造、特に
雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)の嵌合構造において、(1)その嵌合力が滑性促進剤や水の付着によって低下した場合でも嵌合力を維持することが可能な嵌合構造、
(2)前記嵌合構造に使用される成型品寸法のばらつきが小さくなり、安定した嵌合が得られ、かつ該雄部材(オスコネクター)の外面部の形状に嵌合性が影響を受けることが少なく、種々の外面部の形状を有する雄部材(オスコネクター)、例えば外面部がタケノコ状、あるいは滑らかなテーパー状の雄部材(オスコネクター)とも安定した嵌合構造を形成できる雌部材(メスコネクター)、
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)との嵌合構造であって、前記雌部材(メスコネクター)が中空の円柱状部材であって、かつ、該中空円柱状部材の内腔の形状を、先端側になるに従って径が階段状に縮小する構造であることを特徴とする雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)との嵌合構造を提供することにより、前記課題を解決することができた。
前記雄部材(オスコネクター)の先端側には開口部を形成させ、かつ円柱状突起部材全体に内腔を形成し、液体、あるいは気体が流通可能となるように中空形状としても良い。
【0008】
本発明の第2は、前記第1の嵌合構造において、雌部材(メスコネクター)の隣り合う階段状段差間が、スムースなテーパー形状であることを特徴とする嵌合構造に関する。
【0009】
本発明の第3は、内腔の形状が、先端側になるに従って径が階段状に縮小する円筒体または導管である中空状部材であって、前記内腔内に雄部材(オスコネクター)が嵌挿された嵌合構造を形成することが可能なことを特徴とする雌部材(メスコネクター)に関する。
【0010】
本発明の第4は、前記雌部材(メスコネクター)において、隣り合う階段状段差間をスムースなテーパー形状としたことを特徴とする雌部材(メスコネクター)に関する。
【0011】
前記本発明で採用する雌部材(メスコネクター)は、従来公知の内腔面に円周リブが形成された雌部材(メスコネクター)に比較して、成型品自体の寸法のばらつきが小さくなり、安定した嵌合が得られ、かつ該雄部材(オスコネクター)の外面部の形状によって受ける嵌合性の影響が少ないので、例えば従来公知の外面部がタケノコ状、あるいはテーパー状の雄部材(オスコネクター)とも安定した嵌合構造を達成することができる。
【0012】
また、本発明の嵌合構造で採用する前記雌部材(メスコネクター)は、本出願人が先に提出した出願(特願2002−65367号)で提案した外面部が、先端側になるに従って径が縮小する複数の円柱状部分から形成される段部を有する雄部材(オスコネクター)とも安定した嵌合構造を達成することができる。
【0013】
従来公知の雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)の嵌合の場合、特に滑らかなテーパー面を有する雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)の嵌合の場合、接合面全体に滑性促進剤による摩擦低減層が生成する。例えば、滑性促進剤が油分の場合、油膜による摩擦低減層が接合面全体に生成し、雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)が抜去し易くなる。これに対して、前記のような本発明の嵌合構造においては、雌部材(メスコネクター)の内腔に形成した階段状の段差部分が、従来公知の内腔に設けた円周リブと同様な機能を有し、滑らかなテーパー面を有する雄部材(オスコネクター)との嵌合構造においても、該嵌合構造の場合に生じる摩擦低減層の広がりを分断することができる。その結果、従来公知のテーパー状に形成された雄部材(オスコネクター)と前記雌部材(メスコネクター)との嵌合の場合に、接合部位に滑性促進剤が付着した場合に発生していた嵌合力の著しい低下は抑制され、安定した接合力を保持できる。
【0014】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を実施の態様に基づいて、さらに具体的に説明する。
実施態様1
本実施態様の雌部材(メスコネクター)は、内腔の形状が図3に示すように先端側になるに従って径が階段状に縮小するように階段状部分a,b,c,dを有する円筒体または導管である中空状雌部材(メスコネクター)4である。
本実施態様の雌部材(メスコネクター)は、その内腔を先端側になるに従って径が階段状に縮小する形状とすることにより、アンダーカット部分がなくなるため、成形時の際の変形が起こり難くなり、成形寸法が安定し成形品寸法のばらつきが小さくなるので、雄部材(オスコネクター)と安定した嵌合構造が得られる。
【0015】
実施態様2
本実施態様の雌部材(メスコネクター)は、図4に示すように前記実施態様1の雌部材(コネクター)4において、階段状部分a,b,c,dの隣り合う段差間をスムースなテーパー形状部分fとしたことを特徴とするな雌部材(コネクター)5である。この雌部材(メスコネクター)5は、段差と段差の間のスムースなテーパー形状部分fがスムースなテーパー形状の雌部材(メスコネクター)のテーパー面と同様な効果をもたらす。また、本実施態様の雌部材(メスコネクター)は図2に示す公知のタケノコ形状の雄部材(コネクター)と嵌合させる場合、該メス部材のa、b、c、d部分とタケノコ状の突起部分が互いに確実に嵌合することが可能となり、安定した嵌合が得られる。また、階段状とすることで、前記実施態様1と同様にアンダーカット部分がなくなるため、成形時の際の変形が起こり難くなり、成形寸法が安定し成形品寸法のばらつきが小さくなり、安定した嵌合構造が得られる。
【0016】
実施態様3
図5に示す本実施態様の嵌合構造7は、前記図3に示す実施態様1の雌部材(メスコネクター)4の内部に、図1に示す外面部が滑らかなテーパー形状の雄部材(オスコネクター)1を挿嵌した場合の嵌合構造を示す図である。
本実施態様の嵌合構造は、前記実施態様1の雌部材(メスコネクター)の内腔に形成された階段条部分a,b,c,dが、該階段条部分突縁部1a,1b,1c,1dで前記雄部材(オスコネクター)と部分的に接合し、かつ前記階段状部分a,b,c,dが従来公知の円周リブ形状を内腔に設けた雌部材(メスコネクター)の円周リブ形状と同様の効果をもたらす。したがって、滑性促進剤が両コネクターの接合面に付着した場合にも、滑性促進剤の接合面全体への広がりを抑制できる結果、嵌合力の著しい低下を防止できる。また、前記のように雌部材(メスコネクター)の内腔を階段状部分a,b,c,dで構成される階段状とすることで、アンダーカット部分がなくなるため、成形時の際の変形が起こり難くなり、成形寸法が安定し成形品寸法のばらつきが小さくなり、安定した嵌合構造が得られる。
【0017】
実施態様4
図6は本出願人が先に出願した(特願2002−65367)の複数の段付き円柱状突起部材8a〜8eを有する雄部材(コネクター)8に関するものであって、本発明の嵌合構造に使用することができるものである。
前記円柱状突起部材8は先端側になるにつれて径の縮小する複数の縮径円柱が形成され、長手方向にテーパー形状のものであり、また、内腔には液あるいは気体の通過できるように通路10が形成されている。そして、各縮径円柱の長手方向の外壁面は雄部材(オスコネクター)の軸に対して実質的に平行である。この縮径円柱の外壁部が実質的に軸に平行なものは、成形上容易であり、かつ嵌合力保持や挿入性の点においても優れている。
【0018】
また、前記雄部材(オスコネクター)は、隣接する各縮径円柱の先端側縁部を結んだ場合に想定されるテーパー角度が12.5±3.0/100のものが好ましい。このようなテーパー角度を持つ段差構造とすることにより、雌部材(メスコネクター)に挿入する時には挿入が容易で、しかも抜去する際に所定の引張力が必要なため、不測の事態によって簡単に離脱することが防止できる。すなわち、前記雄部材(オスコネクター)の段付き円柱状突起が、段差の小さい段付き円柱状突起であると、両コネクターの接合面に滑性促進剤が付着した場合、滑性促進剤が接合面全体に拡がりやすいので、摩擦力の低下防止において効果が少なく、逆に段差が大き過ぎると接合面積そのものが小さくなって離脱し易くなる。
さらに、本実施態様の雄部材(オスコネクター)8は、図2に示すようなタケノコ状の雄部材(オスコネクター)に比較して成形し易く、生産性が向上し、製造コストを下げることができる。また、本実施の態様の雄部材(オスコネクター)8は、その内部に通路1が形成されたものであるが、前記通路1が形成されず、単にコネクター機能を有するものであっても良い。
【0019】
前記雄部材(オスコネクター)8は医療用注射器のシンリンジ(外筒)9の先端部に一体的に形成されている。この雄部材(オスコネクター)8が形成された医療用注射器は、前記雄部材(オスコネクター)8は本発明の雌部材(メスコネクター)、例えば前記実施態様1の雌部材(メスコネクター)に挿嵌されて使用される。そして、この嵌合構造は、前記実施態様1で述べたように雌部材(メスコネクター)4による種々の優れた効果を奏することができるだけでなく、注射器は上述のように雄部材(オスコネクター)8が成形し易いため、注射器自体も成形し易く、生産性が向上し、さらに製造コストも低減できる。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)の嵌合構造嵌において、
(1)その嵌合力が滑性促進剤や水の付着によって低下した場合でも嵌合力を維持することが可能な嵌合構造を達成でき、
(2)前記嵌合構造に使用される成型品寸法のばらつきが小さくなり、安定した嵌合構造を実現でき、かつ雄部材(オスコネクター)の外面部の形状に嵌合性が影響を受けることが少ない、例えば外面部がタケノコ状、あるいはテーパー状の雄部材(オスコネクター)とも安定した嵌合構造を形成する雌部材(メスコネクター)を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】外面部がスムースなテーパー形状である公知の雄部材(コネクター)を示す図である。
【図2】外面部にタケノコ状の段部が形成された公知の雄部材(コネクター)を示す図である。
【図3】内腔の形状が、先端側になるに従って径が階段状に縮小する中空状雌部材(コネクター)を示す図である。
【図4】図3の中空状雌部材(コネクター)の階段状段差間をスムースなテーパー形状部分とした中空状雌部材(コネクター)を示す図である。
【図5】図3の中空状雌部材(コネクター)の内腔に図1に示す外面部がスムースなテーパー形状である公知の雄部材(コネクター)を挿嵌した嵌合構造を示す図である。
【図6】先端側に複数個の円柱状突起部材を有する雄部材(オスコネクター)を示す図である。
【符号の説明】
a 階段状部分
b 階段状部分
c 階段状部分
d 階段状部分
1a 階段状部分の端縁
1b 階段状部分の端縁
1c 階段状部分の端縁
1d 階段状部分の端縁
5a 階段状部分とテーパー状部分の縁部
5b 階段状部分とテーパー状部分の縁部
5c 階段状部分とテーパー状部分の縁部
5d 階段状部分とテーパー状部分の縁部
8a 円柱状突起部材
8b 円柱状突起部材
8c 円柱状突起部材
8d 円柱状突起部材
8e 円柱状突起部材
8f 円柱状突起部材の先端側縁部
8g 円柱状突起部材の先端側縁部
8h 円柱状突起部材の先端側縁部
8i 円柱状突起部材の先端側縁部
8j 円柱状突起部材の先端側縁部
8k 円柱状突起部材の基端側縁部
8l 円柱状突起部材の基端側縁部
8m 円柱状突起部材の基端側縁部
8n 円柱状突起部材の基端側縁部
8e 円柱状突起部材の基端側縁部
f 隣り合う階段状段差間のスムースなテーパー形状部分
1 外面部がテーパー形状の雄部材(オスコネクター)
2 外面部がタケノコ形状部分を有する雄部材(オスコネクター)
3 タケノコ状段部
4 雌部材(メスコネクター)
5 雌部材(メスコネクター)
6 内腔
7 嵌合構造
8 雄部材(オスコネクター)
9 医療用注射器のシンリンジ(外筒)
10 内腔
【発明の属する技術分野】
本発明は、雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)との嵌合構造、および該嵌合構造に使用する雌部材(メスコネクター)に関する。
【0002】
【従来の技術】
雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)との嵌合構造を形成する雄部材(オスコネクター)および雌部材(メスコネクター)としては、従来、図1に示すような外面部がテーパーを形成した雄部材(オスコネクター)、雌部材(メスコネクター)としては、内腔形状がスムースなテーパー形状の雌部材(メスコネクター)が知られているが、このような嵌合構造は、前記雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)の接合面が面接触であるため、嵌合部に油などが付着した場合、該接合部に油膜が介在することになるため滑りが発生しやすくなる。
【0003】
前記問題を解決するために、図1に示すようなスムースなテーパー形状の雄部材(オスコネクター)に代えて、雄部材(オスコネクター)として図2に示すような複数の台形部分で構成されるタケノコ状の段部を有するコネクターが提案されている。このコネクターは長軸方向に各段部の突縁部を結んだ形状が長軸方向先端部に向かってスムースなテーパー形状(先細形状)になるように形成されている。
【0004】
前記形タケノコ状コネクターは、雌部材(メスコネクター)の内腔に挿入するときは容易であり、逆に抜ける方向に力が作用する場合には、摩擦が増加して抜け難くなる、という利点を有するものである。しかし、このタケノコ状コネクターを成形するためには、金型を割型にする等の特有の(スライド)構造にする必要があり、手間やコストが増大し、さらには金型取数が制限され、生産性を減少させる等の課題が存在した。
【0005】
また、前記問題を解決するために、内腔形状がスムースなテーパー形状の雌部材(メスコネクター)に代えて、内腔面に円周リブが形成された雌部材(メスコネクター)が提案されている。しかしながら、この内腔面に円周リブが形成された雌部材(メスコネクター)は金型の機構上、寸法が安定せず、また、前記従来公知のタケノコ形状の雄部材(コネクター)と嵌合させた場合、それぞれの突起がマイナスに作用し、リークが発生する場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記問題を解決した嵌合構造、特に
雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)の嵌合構造において、(1)その嵌合力が滑性促進剤や水の付着によって低下した場合でも嵌合力を維持することが可能な嵌合構造、
(2)前記嵌合構造に使用される成型品寸法のばらつきが小さくなり、安定した嵌合が得られ、かつ該雄部材(オスコネクター)の外面部の形状に嵌合性が影響を受けることが少なく、種々の外面部の形状を有する雄部材(オスコネクター)、例えば外面部がタケノコ状、あるいは滑らかなテーパー状の雄部材(オスコネクター)とも安定した嵌合構造を形成できる雌部材(メスコネクター)、
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)との嵌合構造であって、前記雌部材(メスコネクター)が中空の円柱状部材であって、かつ、該中空円柱状部材の内腔の形状を、先端側になるに従って径が階段状に縮小する構造であることを特徴とする雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)との嵌合構造を提供することにより、前記課題を解決することができた。
前記雄部材(オスコネクター)の先端側には開口部を形成させ、かつ円柱状突起部材全体に内腔を形成し、液体、あるいは気体が流通可能となるように中空形状としても良い。
【0008】
本発明の第2は、前記第1の嵌合構造において、雌部材(メスコネクター)の隣り合う階段状段差間が、スムースなテーパー形状であることを特徴とする嵌合構造に関する。
【0009】
本発明の第3は、内腔の形状が、先端側になるに従って径が階段状に縮小する円筒体または導管である中空状部材であって、前記内腔内に雄部材(オスコネクター)が嵌挿された嵌合構造を形成することが可能なことを特徴とする雌部材(メスコネクター)に関する。
【0010】
本発明の第4は、前記雌部材(メスコネクター)において、隣り合う階段状段差間をスムースなテーパー形状としたことを特徴とする雌部材(メスコネクター)に関する。
【0011】
前記本発明で採用する雌部材(メスコネクター)は、従来公知の内腔面に円周リブが形成された雌部材(メスコネクター)に比較して、成型品自体の寸法のばらつきが小さくなり、安定した嵌合が得られ、かつ該雄部材(オスコネクター)の外面部の形状によって受ける嵌合性の影響が少ないので、例えば従来公知の外面部がタケノコ状、あるいはテーパー状の雄部材(オスコネクター)とも安定した嵌合構造を達成することができる。
【0012】
また、本発明の嵌合構造で採用する前記雌部材(メスコネクター)は、本出願人が先に提出した出願(特願2002−65367号)で提案した外面部が、先端側になるに従って径が縮小する複数の円柱状部分から形成される段部を有する雄部材(オスコネクター)とも安定した嵌合構造を達成することができる。
【0013】
従来公知の雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)の嵌合の場合、特に滑らかなテーパー面を有する雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)の嵌合の場合、接合面全体に滑性促進剤による摩擦低減層が生成する。例えば、滑性促進剤が油分の場合、油膜による摩擦低減層が接合面全体に生成し、雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)が抜去し易くなる。これに対して、前記のような本発明の嵌合構造においては、雌部材(メスコネクター)の内腔に形成した階段状の段差部分が、従来公知の内腔に設けた円周リブと同様な機能を有し、滑らかなテーパー面を有する雄部材(オスコネクター)との嵌合構造においても、該嵌合構造の場合に生じる摩擦低減層の広がりを分断することができる。その結果、従来公知のテーパー状に形成された雄部材(オスコネクター)と前記雌部材(メスコネクター)との嵌合の場合に、接合部位に滑性促進剤が付着した場合に発生していた嵌合力の著しい低下は抑制され、安定した接合力を保持できる。
【0014】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を実施の態様に基づいて、さらに具体的に説明する。
実施態様1
本実施態様の雌部材(メスコネクター)は、内腔の形状が図3に示すように先端側になるに従って径が階段状に縮小するように階段状部分a,b,c,dを有する円筒体または導管である中空状雌部材(メスコネクター)4である。
本実施態様の雌部材(メスコネクター)は、その内腔を先端側になるに従って径が階段状に縮小する形状とすることにより、アンダーカット部分がなくなるため、成形時の際の変形が起こり難くなり、成形寸法が安定し成形品寸法のばらつきが小さくなるので、雄部材(オスコネクター)と安定した嵌合構造が得られる。
【0015】
実施態様2
本実施態様の雌部材(メスコネクター)は、図4に示すように前記実施態様1の雌部材(コネクター)4において、階段状部分a,b,c,dの隣り合う段差間をスムースなテーパー形状部分fとしたことを特徴とするな雌部材(コネクター)5である。この雌部材(メスコネクター)5は、段差と段差の間のスムースなテーパー形状部分fがスムースなテーパー形状の雌部材(メスコネクター)のテーパー面と同様な効果をもたらす。また、本実施態様の雌部材(メスコネクター)は図2に示す公知のタケノコ形状の雄部材(コネクター)と嵌合させる場合、該メス部材のa、b、c、d部分とタケノコ状の突起部分が互いに確実に嵌合することが可能となり、安定した嵌合が得られる。また、階段状とすることで、前記実施態様1と同様にアンダーカット部分がなくなるため、成形時の際の変形が起こり難くなり、成形寸法が安定し成形品寸法のばらつきが小さくなり、安定した嵌合構造が得られる。
【0016】
実施態様3
図5に示す本実施態様の嵌合構造7は、前記図3に示す実施態様1の雌部材(メスコネクター)4の内部に、図1に示す外面部が滑らかなテーパー形状の雄部材(オスコネクター)1を挿嵌した場合の嵌合構造を示す図である。
本実施態様の嵌合構造は、前記実施態様1の雌部材(メスコネクター)の内腔に形成された階段条部分a,b,c,dが、該階段条部分突縁部1a,1b,1c,1dで前記雄部材(オスコネクター)と部分的に接合し、かつ前記階段状部分a,b,c,dが従来公知の円周リブ形状を内腔に設けた雌部材(メスコネクター)の円周リブ形状と同様の効果をもたらす。したがって、滑性促進剤が両コネクターの接合面に付着した場合にも、滑性促進剤の接合面全体への広がりを抑制できる結果、嵌合力の著しい低下を防止できる。また、前記のように雌部材(メスコネクター)の内腔を階段状部分a,b,c,dで構成される階段状とすることで、アンダーカット部分がなくなるため、成形時の際の変形が起こり難くなり、成形寸法が安定し成形品寸法のばらつきが小さくなり、安定した嵌合構造が得られる。
【0017】
実施態様4
図6は本出願人が先に出願した(特願2002−65367)の複数の段付き円柱状突起部材8a〜8eを有する雄部材(コネクター)8に関するものであって、本発明の嵌合構造に使用することができるものである。
前記円柱状突起部材8は先端側になるにつれて径の縮小する複数の縮径円柱が形成され、長手方向にテーパー形状のものであり、また、内腔には液あるいは気体の通過できるように通路10が形成されている。そして、各縮径円柱の長手方向の外壁面は雄部材(オスコネクター)の軸に対して実質的に平行である。この縮径円柱の外壁部が実質的に軸に平行なものは、成形上容易であり、かつ嵌合力保持や挿入性の点においても優れている。
【0018】
また、前記雄部材(オスコネクター)は、隣接する各縮径円柱の先端側縁部を結んだ場合に想定されるテーパー角度が12.5±3.0/100のものが好ましい。このようなテーパー角度を持つ段差構造とすることにより、雌部材(メスコネクター)に挿入する時には挿入が容易で、しかも抜去する際に所定の引張力が必要なため、不測の事態によって簡単に離脱することが防止できる。すなわち、前記雄部材(オスコネクター)の段付き円柱状突起が、段差の小さい段付き円柱状突起であると、両コネクターの接合面に滑性促進剤が付着した場合、滑性促進剤が接合面全体に拡がりやすいので、摩擦力の低下防止において効果が少なく、逆に段差が大き過ぎると接合面積そのものが小さくなって離脱し易くなる。
さらに、本実施態様の雄部材(オスコネクター)8は、図2に示すようなタケノコ状の雄部材(オスコネクター)に比較して成形し易く、生産性が向上し、製造コストを下げることができる。また、本実施の態様の雄部材(オスコネクター)8は、その内部に通路1が形成されたものであるが、前記通路1が形成されず、単にコネクター機能を有するものであっても良い。
【0019】
前記雄部材(オスコネクター)8は医療用注射器のシンリンジ(外筒)9の先端部に一体的に形成されている。この雄部材(オスコネクター)8が形成された医療用注射器は、前記雄部材(オスコネクター)8は本発明の雌部材(メスコネクター)、例えば前記実施態様1の雌部材(メスコネクター)に挿嵌されて使用される。そして、この嵌合構造は、前記実施態様1で述べたように雌部材(メスコネクター)4による種々の優れた効果を奏することができるだけでなく、注射器は上述のように雄部材(オスコネクター)8が成形し易いため、注射器自体も成形し易く、生産性が向上し、さらに製造コストも低減できる。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)の嵌合構造嵌において、
(1)その嵌合力が滑性促進剤や水の付着によって低下した場合でも嵌合力を維持することが可能な嵌合構造を達成でき、
(2)前記嵌合構造に使用される成型品寸法のばらつきが小さくなり、安定した嵌合構造を実現でき、かつ雄部材(オスコネクター)の外面部の形状に嵌合性が影響を受けることが少ない、例えば外面部がタケノコ状、あるいはテーパー状の雄部材(オスコネクター)とも安定した嵌合構造を形成する雌部材(メスコネクター)を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】外面部がスムースなテーパー形状である公知の雄部材(コネクター)を示す図である。
【図2】外面部にタケノコ状の段部が形成された公知の雄部材(コネクター)を示す図である。
【図3】内腔の形状が、先端側になるに従って径が階段状に縮小する中空状雌部材(コネクター)を示す図である。
【図4】図3の中空状雌部材(コネクター)の階段状段差間をスムースなテーパー形状部分とした中空状雌部材(コネクター)を示す図である。
【図5】図3の中空状雌部材(コネクター)の内腔に図1に示す外面部がスムースなテーパー形状である公知の雄部材(コネクター)を挿嵌した嵌合構造を示す図である。
【図6】先端側に複数個の円柱状突起部材を有する雄部材(オスコネクター)を示す図である。
【符号の説明】
a 階段状部分
b 階段状部分
c 階段状部分
d 階段状部分
1a 階段状部分の端縁
1b 階段状部分の端縁
1c 階段状部分の端縁
1d 階段状部分の端縁
5a 階段状部分とテーパー状部分の縁部
5b 階段状部分とテーパー状部分の縁部
5c 階段状部分とテーパー状部分の縁部
5d 階段状部分とテーパー状部分の縁部
8a 円柱状突起部材
8b 円柱状突起部材
8c 円柱状突起部材
8d 円柱状突起部材
8e 円柱状突起部材
8f 円柱状突起部材の先端側縁部
8g 円柱状突起部材の先端側縁部
8h 円柱状突起部材の先端側縁部
8i 円柱状突起部材の先端側縁部
8j 円柱状突起部材の先端側縁部
8k 円柱状突起部材の基端側縁部
8l 円柱状突起部材の基端側縁部
8m 円柱状突起部材の基端側縁部
8n 円柱状突起部材の基端側縁部
8e 円柱状突起部材の基端側縁部
f 隣り合う階段状段差間のスムースなテーパー形状部分
1 外面部がテーパー形状の雄部材(オスコネクター)
2 外面部がタケノコ形状部分を有する雄部材(オスコネクター)
3 タケノコ状段部
4 雌部材(メスコネクター)
5 雌部材(メスコネクター)
6 内腔
7 嵌合構造
8 雄部材(オスコネクター)
9 医療用注射器のシンリンジ(外筒)
10 内腔
Claims (8)
- 雄部材(オスコネクター)と雌部材(メスコネクター)との嵌合構造であって、前記雌部材(メスコネクター)が中空円柱状部材であって、かつ、該中空円柱状部材の内腔の形状が先端側になるに従って径が階段状に縮小する構造であることを特徴とする雌部材(メスコネクター)と雄部材(オスコネクター)との嵌合構造。
- 雌部材(メスコネクター)の隣り合う階段状段差間が、スムースなテーパー形状であることを特徴とする請求項1に記載の嵌合構造。
- 雄部材(オスコネクター)の外面部が、先端側になるに従ってその径が縮小するテーパー形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の嵌合構造。
- 雄部材(オスコネクター)の外面部が、タケノコ状突起部を有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の嵌合構造。
- 雄部材(オスコネクター)の外面部が、先端側になるに従って径が縮小する複数の円柱状部分から形成される段部を有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の嵌合構造。
- 雄部材(オスコネクター)が、先端側に開口部および内腔が形成され、かつ、前記内腔全体を液体あるいは気体が流通可能な中空形状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の嵌合構造。
- 内腔の形状が、先端側になるに従って径が階段状に縮小する円筒体または導管である中空状部材であって、前記内腔内に雄部材(オスコネクター)が嵌挿された嵌合構造を形成することが可能なことを特徴とする雌部材(メスコネクター)。
- 隣り合う階段状段差間をスムースなテーパー形状としたことを特徴とする請求項7に記載の雌部材(メスコネクター)。
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| JP2002349568A JP2004183729A (ja) | 2002-12-02 | 2002-12-02 | 雄部材と雌部材の嵌合構造、および該嵌合構造に使用する雌部材 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2002349568A Pending JP2004183729A (ja) | 2002-12-02 | 2002-12-02 | 雄部材と雌部材の嵌合構造、および該嵌合構造に使用する雌部材 |
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Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008308106A (ja) * | 2007-06-18 | 2008-12-25 | Panasonic Corp | ブラケット及びブラケットが取り付けられる車載用電子機器 |
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| JP2022512317A (ja) * | 2018-11-30 | 2022-02-03 | シュテーゲマン,クラウス | 医学的作用物質を含む滅菌溶液を備えた適用注射筒およびそれを提供するための方法 |
| JP2024004359A (ja) * | 2022-06-28 | 2024-01-16 | ニプロ株式会社 | トロッカーカテーテル |
-
2002
- 2002-12-02 JP JP2002349568A patent/JP2004183729A/ja active Pending
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