JP2004184875A - 転写装置及び画像形成装置 - Google Patents

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宏美 荻山
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Abstract

【課題】2次転写対向ローラにトナーと同極性のバイアスを印加して2次転写を行う転写装置であって、記録媒体のサイズその他の条件によらず、良好に転写を行う転写装置及びこれを備えた複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置の提供。
【解決手段】2次転写対向ローラ4の抵抗が2次転写ローラ10の抵抗よりも高く、2次転写対向ローラ4にトナーと同極性のバイアスを印加することで2次転写ローラ10との間で中間転写体2上の未定着トナー像Tを記録媒体3に2次転写する転写装置20及びこれを備えた画像形成装置100。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等のカラー電子写真装置等の画像形成装置に備えられ、中間転写体を介して感光体ドラム等の像担持体上に形成された未定着トナー像を用紙等の記録媒体に2次転写する転写装置及びこれを有するかかる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる転写装置として、〔特許文献1〕等に記載のものが知られている。具体的には、感光体ドラム等の像担持体上に形成された未定着トナー像をベルト状の中間転写体に1次転写し、その後、この未定着トナー像を2次転写ローラを用い中間転写体から記録媒体へ2次転写して所望の画像を記録媒体上に形成するように構成されている。特にブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色に対応した現像装置を備え、各色の未定着トナー像を重ね合わせてフルカラー画像を形成するカラー画像形成装置にあっては、像担持体の1回転毎に形成した各色の未定着トナー像を中間転写体上で重ね合わせ、この合成像を記録媒体へ一括転写するように構成されている。
【0003】
従来のカラー画像形成装置では各色の未定着トナー像を記録媒体に対して直接多重転写していたので、記録媒体の厚さや表面特性、潜像担持体に対する記録媒体の搬送特性等の多くの要因によって、記録媒体上に形成したカラー画像の画質が左右されていた。しかし、このように中間転写体を用いたカラー画像形成装置では既に多重転写のなされた合成像を記録媒体に転写しているので、かかる不安定な要因を排除することができ、多重転写時における画像の乱れや色ずれの発生を効果的に防止することができるといった利点を有している。
【0004】
このような中間転写体を用いた転写装置において、小サイズの記録媒体に転写を行う場合にも良好な転写を行うための技術が〔特許文献1〕によって開示されており、この〔特許文献1〕においては、中間転写体を挟んで2次転写ローラに対向して設けられた2次転写対向ローラに10Ω以上の抵抗層を設け、2次転写ローラに、未定着トナー像を構成するトナーと逆極性のバイアスを印加して2次転写を行っている。
【0005】
また、〔特許文献2〕には、中間転写体が10Ω/cm〜1014Ω/cm、厚さ0.1mmであり、2次転写対向ローラが絶縁層の上に10Ω/□〜1011Ω/□の表層を持ち、2次転写ローラが10Ω/cm以下の層を備えており、2次転写対向ローラとは別個のバイアス電極部材を有し、このバイアス電極部材から2次転写対向ローラの表層にバイアスを印加して2次転写を行う転写装置が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−289737号公報
【特許文献2】
特開平8−292644号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕には2次転写対向ローラ自身によりバイアスを印加する技術は開示されていない。また、〔特許文献2〕に記載のように、2次転写対向ローラとは別個のバイアス電極部材から2次転写対向ローラの表層にバイアスを印加して2次転写を行う構成では、構造が複雑となる。
【0008】
そこで、発明者が2次転写対向ローラにトナーと同極性のバイアスを印加して2次転写を行う技術の開発を行ったところ、この技術によれば、中間転写体と記録媒体との間の転写電界の形成に寄与した後に電流が記録媒体を伝って漏れるので、高湿環境下で吸湿して抵抗低下した記録媒体での転写が安定するという利点があるが、中間転写体の特に背面を伝って漏れ、転写電界の形成に寄与しない電流が発生し、転写性能が低下するという問題があることが分かった。また、転写電界の形成に寄与しない電流の発生により転写性能が低下するという問題は、小サイズの記録媒体に転写を行うときによく顕れる。
【0009】
本発明は、2次転写対向ローラにトナーと同極性のバイアスを印加して2次転写を行う転写装置であって、記録媒体のサイズその他の条件によらず、良好に転写を行う転写装置及びこれを備えた複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、像担持体から未定着トナー像が1次転写される中間転写体と、この中間転写体から記録媒体へ未定着トナー像を2次転写する2次転写ローラと、上記中間転写体を挟んで上記2次転写ローラに対向する2次転写対向ローラとを有し、この2次転写対向ローラに未定着トナー像を構成するトナーと同極性のバイアスを印加することで上記中間転写体上の未定着トナー像を記録媒体に2次転写する転写装置において、上記2次転写対向ローラの抵抗が上記2次転写ローラの抵抗よりも高いことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の転写装置において、上記中間転写体の上記2次転写対向ローラが位置する側の面の表面抵抗率が10Ω/□以上であるとともに体積抵抗率が1012Ω/cm以下であり、上記2次転写対向ローラは、その表面に体積抵抗率が1011Ω/cmより大きく1015Ω/cmより小さい層を備えており、上記2次転写ローラは、その表面に体積抵抗率が1011Ω/cm以下の層を備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の転写装置において、上記2次転写対向ローラの表面に備えられた上記層の体積抵抗率が1012Ω/cmより大きく1014Ω/cmより小さいことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載の転写装置を有する画像形成装置にある。
【0014】
【実施例】
図1に本発明を適用したカラー電子写真複写機であるカラー画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙と、OHPシートや、カード、ハガキといった90K紙、坪量約100g/m相当以上の厚紙や、封筒等の、普通紙よりも熱容量が大きないわゆる特殊シート、小サイズのシートの何れをもシート状の記録媒体として画像形成するものとして用いることが可能である。記録媒体の大きさは、A4サイズやA3サイズ等の一般的な規格をなす大きさが一般的であるが、規格外の大きさであっても良い。
【0015】
図1において、符号1は像担持体としての感光体ドラムを示している。感光体ドラム1は、矢線A方向への回転に伴いその表面には周知の電子写真プロセス(図示せず)によって画情報に応じた静電潜像が形成される。また、この感光体ドラム1の周囲にはブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色に対応した現像手段としての現像装置である現像器5〜8が配設されており、感光体ドラム1に形成された静電潜像をいずれか一の現像器で現像してトナー像Tを形成するようになっている。従って、感光体ドラム1に書き込まれた静電潜像がイエローの画情報に対応したものであれば、この静電潜像はイエロー(Y)のトナーを内包する現像器6で現像され、感光体ドラム1上にはイエローのトナー像Tが形成される。
【0016】
符号2は感光体ドラム1の表面に当接されるように配置された中間転写ベルトであるベルト状の中間転写体を示している。中間転写体2は、複数のロールに張架されて矢線B方向へ回動する。感光体ドラム1に形成された未定着トナー像Tは、感光体ドラム1と中間転写体2とが接する1次転写位置で感光体ドラム1から中間転写体2の表面に転写される。この1次転写位置において、中間転写体2の裏面側にはコロナ放電器9が配設されており、このコロナ放電器9にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体ドラム1上の未定着トナー像Tは中間転写体2に静電吸引され1次転写が行なわれる。
【0017】
単色画像を形成する場合は中間転写体2に1次転写された未定着トナー像Tを直ちに記録媒体3に2次転写するのであるが、複数色のトナー像を重ね合わせたカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム1上でのトナー像Tの形成並びにこのトナー像Tの1次転写の工程が色数分だけ繰り返される。例えば4色のトナー像を重ね合わせたフルカラー画像を形成する場合、感光体ドラム1上にはその1回転毎にブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの未定着トナー像Tが形成され、これら未定着トナー像Tは順次中間転写体2に1次転写される。一方、中間転写体2は最初に1次転写されたブラックの未定着トナー像Tを保持したまま感光体ドラム1と同一周期で回動し、中間転写体2上にはその1回転毎にイエロー、マゼンタ及びシアンの未定着トナー像Tがブラックの未定着トナー像Tに重ねて転写される。
【0018】
一方、中間転写体2は最初に1次転写されたブラックの未定着トナー像Tを保持したまま感光体ドラム1と同一周期で回動し、中間転写体2上にはその1回転毎にイエロー、マゼンタ及びシアンの未定着トナー像Tがブラックの未定着トナー像Tに重ねて転写される。このようにして中間転写体2に1次転写された未定着トナー像Tは、中間転写体2の回動に伴って記録媒体3の搬送経路に面した2次転写位置へと搬送される。
【0019】
2次転写位置では2次転写ローラ10が中間転写体2に接しており、フィードローラ11によって所定のタイミングでトレイ12から搬出された記録媒体3は、図2に示すように、2次転写ローラ10と中間転写体2との間に挟み込まれる。また、2次転写位置における中間転写体2の裏面側には中間転写体2を挟んで2次転写ローラ10に対向する2次転写対向ローラとしてのバックアップロール4が配設されており、バックアップロール4に接続された電圧印加手段16によってバックアップロール4によりトナー像Tを構成するトナーの帯電極性と逆極性のバイアスを印加すると、接地された2次転写ローラ10との間で、中間転写体2に担持された未定着トナー像Tは2次転写位置において記録媒体3に静電転写され、2次転写が行なわれる。
【0020】
未定着トナー像が転写された記録媒体3は分離除電装置13によるバイアスの印加及びバックアップロール4に巻き掛けられた中間転写体2の曲率によって中間転写体2から剥がされ、搬送ベルト14によって図示しない定着手段である定着装置たる定着器に送り込まれて未定着トナー像の定着処理がなされ、画像形成装置100本体外に排出され、図示しない排紙トレイ上に積載される。
【0021】
一方、未定着トナー像の2次転写が終了した中間転写体2はクリーナ15によって残留トナーが除去される。なお、2次転写ローラ10及びクリーナ15は中間転写体2に対して接離自在に配設されており、カラー画像が形成される場合には最終色の未定着トナー像が中間転写体2に1次転写されるまで、これらの部材は中間転写体2から離間している。本発明を適用した転写装置20は上述した画像形成装置100に備えられた構成のうち、少なくとも中間転写体2と、2次転写ローラ10と、バックアップロール4と、電圧印加手段16とを有している。
【0022】
本実施例のように、中間転写体2の背面すなわちバックアップロール4が位置する側からトナーと同極性のバイアスを印加すると、中間転写体2と記録媒体3との間の転写電界を形成に寄与した後に電流が記録媒体3を伝って漏れるので、高湿環境下で吸湿して抵抗低下した記録媒体3での転写安定性を得られる。しかし、中間転写体2の特に背面をを伝って漏れて転写電界の形成に寄与しない電流が発生するので、本発明者の実験により、これを防止するためには、中間転写体2の背面の表面抵抗率は10Ω/□以上であることが必要なことが分かった。
【0023】
一方、中間転写体2の背面の表面抵抗率が10Ω/□以上である場合に体積抵抗率が1012Ω/cm以上であると、すなわち表面抵抗率と体積抵抗率とが共に高いと、中間転写体2内での電荷の移動が遅くなり、電荷が2次転写領域に上手く運ばれないで、2次転写領域の外で中間転写体2と記録媒体3もしくは記録媒体3と2次転写ローラ10の間で異常放電が生じていると思われる、トナー像が放射状もしくは水玉状に乱れた画像が発生するため、中間転写体2の背面の表面抵抗率が10Ω/□以上であるとともに体積抵抗率が1012Ω/cm以下の条件が2次転写に適していることが分かった。
【0024】
また、中間転写体2の体積抵抗率が1011Ω/cm以下では、記録媒体3より抵抗が低いために、小サイズ紙を2次転写するときに、記録媒体3がある部分である紙域内と記録媒体3紙がない部分である紙域外の抵抗差が大きくなり、紙域外へ電流が流れ易く紙域内への電流が流れにくくなり、小サイズ紙の転写性が安定しない。
【0025】
この場合に小サイズ紙の転写性を安定させるには、2次転写ローラ10またはバックアップロール4のいずれかに記録媒体3と同等以上の抵抗を持つ層を設け、記録媒体3の有無による抵抗差を少なくすることが有効であるが、2次転写ローラ10が高抵抗層を持つと、2次転写対向ローラ10表面から中間転写体2の体積方向すなわち2次転写ローラ10芯金における抵抗が上がり、中間転写体2を伝って流れる電流が増えるので、バックアップローラ4に高抵抗層を設けるのが良い。
【0026】
しかし、バックアップロール4の高抵抗層が1014Ω/cmないし1015Ω/cm以上となると、電流を流すための印加バイアスが高くなり、内部での電荷移動速度が遅くなるためなのか印加バイアスが高くなり過ぎることによるのか、周囲の部材へ異常放電し易くなることが分かった。よってバックアップロール4には、その表面に体積抵抗率が1015Ω/cm以下、好ましくは1014Ω/cm以下であって、記録媒体3と同等以上の抵抗を持つ層を設けることが適していることが分かった。
【0027】
ところで、記録媒体3の抵抗は紙質により異なり概ね1011Ω/cm〜1012Ω/cmであるが、置かれた温湿度および調湿時間により含水分量が異なるために更に1桁変ることを考慮すると、10Ω/cm〜1013Ω/cmである。よって、記録媒体3と同等以上の抵抗であるには、1011Ω/cm以上であることが必要であることとなる。
【0028】
ここで、画像形成装置100を用いて、次の2つの実施例と2つの比較例にて、秤量、サイズ、画像形成の片面/両面の条件の異なる記録媒体3を用いて転写性を比較する実験を行った。また、この実験の結果を図3に示す。
【0029】
・実施例1
中間転写体2は、体積抵抗率1010Ω/cmであるとともに、背面、表面とも表面抵抗率1011Ω/□、厚さ0.15mmの樹脂よりなる。
バックアップロール4は、芯金の周りに体積抵抗率10Ω/cm、厚さ4mm、ゴム硬度40度の弾性層と、体積抵抗率1013Ω/cm、厚さ0.1mmの樹脂よりなる表層とを備えている。
2次転写ローラ10は、芯金の周りに体積抵抗率10Ω/cm、厚さ4mm、ゴム硬度40度の弾性層と、体積抵抗率1011Ω/cm、厚さ0.02mmの離型性のある樹脂よりなる表層とを備えている。
【0030】
・実施例2(実施例1と2次転写対向ローラ10の抵抗のみ異なる)
中間転写体2は、体積抵抗率1010Ω/cmであるとともに、背面、表面とも表面抵抗率1011Ω/□、厚さ0.15mmの樹脂よりなる。
バックアップロール4は、芯金の周りに体積抵抗率10Ω/cm、厚さ4mm、ゴム硬度40度の弾性層と、体積抵抗率1012Ω/cm、厚さ0.1mmの樹脂よりなる表層とを備えている。
2次転写ローラ10は、芯金の周りに体積抵抗率10Ω/cm、厚さ4mm、ゴム硬度40度の弾性層と、体積抵抗率1011Ω/cm、厚さ0.02mmの離型性のある樹脂よりなる表層とを備えている。
【0031】
・比較例1(実施例1の2次転写ローラ10とバックアップロール4とを入れ替え、2次転写ローラ10の方が抵抗が高くなるようにしたもの)
中間転写体2は、体積抵抗率1010Ω/cmであるとともに、背面、表面とも表面抵抗率1011Ω/□、厚さ0.15mmの樹脂よりなる。
バックアップロール4は、芯金の周りに体積抵抗率10Ω/cm、厚さ4mm、ゴム硬度40度の弾性層と、体積抵抗率1011Ω/cm、厚さ0.02mmの離型性のある樹脂よりなる表層とを備えている。
2次転写ローラ10は、芯金の周りに体積抵抗率10Ω/cm、厚さ4mm、ゴム硬度40度の弾性層と、体積抵抗率1013Ω/cm、厚さ0.1mmの樹脂よりなる表層とを備えている。
【0032】
・比較例2(比較例1と2次転写ローラ10の表層の体積抵抗率、厚さが異なっており、2次転写ローラ10もバックアップロール4も同じ構成であって、且つ抵抗が低い。)
中間転写体2は、体積抵抗率1010Ω/cmであるとともに、背面、表面とも表面抵抗率1011Ω/□、厚さ0.15mmの樹脂よりなる。
バックアップロール4は、芯金の周りに体積抵抗率10Ω/cm、厚さ4mm、ゴム硬度40度の弾性層と、体積抵抗率1011Ω/cm、厚さ0.02mmの離型性のある樹脂よりなる表層とを備えている。
2次転写ローラ10は、芯金の周りに体積抵抗率10Ω/cm、厚さ4mm、ゴム硬度40度の弾性層と、体積抵抗率1011Ω/cm、厚さ0.2mmの樹脂よりなる表層とを備えている。
【0033】
実験の結果、全巾、普通紙、表面印刷では実施例、比較例すべて転写性は良好であるが、比較例1について検討すると、バックアップロール4の抵抗が低く2次転写ローラ10の抵抗が高く、バックアップロール4と中間転写体2との接点から記録媒体3側へは2次転写ローラ10の抵抗が高くなっているとともに、定着工程を一度施されて含水分量が少なくなった紙厚の厚い厚紙の両面に転写を行う場合においては記録媒体3の抵抗が高くなっている。
【0034】
よって、比較例1においては、記録媒体3に向かう抵抗が高くなっているにもかかわらず、中間転写体2背面を伝う場合の抵抗は変らないので、2次転写に寄与しないで漏れ去る電流が増え、このために、2次転写領域での電流が低下することで2次転写電界が低下して、厚紙裏面の転写性が低下している。また、比較例2では、バックアップロール4の抵抗も2次転写ローラ10の抵抗も低いので、小サイズ紙の場合に記録媒体3があるところとないところとでの抵抗差が大きくなり、記録媒体3があるところを避けて電流が流れて、小サイズ紙の転写性が低下している。
【0035】
一方、実施例1と実施例2とではバックアップロール4表層の体積抵抗率のみ異なり、実施例1の1013Ω/cmでは小サイズ紙に対して全く良好であるが、実施例2の1012Ω/cmでは僅かに低下が認められる。なお、中間転写体2の記録媒体3に向かう抵抗すなわち体積抵抗率が十分高いときは、電流的には実施例と同様の転写性が得られると考察するが、別個の原因である放電発生により、乱された画像しか得られないことが実験により確認された。
【0036】
以上、実験により、良好な転写を行う条件が、バックアップロール4の抵抗が2次転写ローラ10の抵抗よりも高く、そして、中間転写体2背面の表面抵抗率が10Ω/□以上であるとともに体積抵抗率が1012Ω/cm以下であり、バックアップロール4は、その表面に体積抵抗率が1011Ω/cmより大きく1015Ω/cmより小さい層を備え、2次転写ローラ10は、その表面に体積抵抗率が1011Ω/cm以下の層を備えていることであることが分かった。また、特に、実施例1と実施例2との比較等から、バックアップロール4の表面に備えられた層の体積抵抗率は1012Ω/cmより大きく1014Ω/cmより小さいことが望ましいことが分かった。
【0037】
以上、本発明を適用したカラー画像形成装置を説明したが、本発明にかかる転写装置は、中間転写体を用いるものであれば、単色画像のみを形成する画像形成装置に適用することもできるし、カラー画像形成装置であっても、中間転写体の1回転ですべての色のトナー像を中間転写体1上に1次転写する転写装置に適用することもできる。
【0038】
【発明の効果】
本発明は、像担持体から未定着トナー像が1次転写される中間転写体と、この中間転写体から記録媒体へ未定着トナー像を2次転写する2次転写ローラと、上記中間転写体を挟んで上記2次転写ローラに対向する2次転写対向ローラとを有し、この2次転写対向ローラに未定着トナー像を構成するトナーと同極性のバイアスを印加することで上記中間転写体上の未定着トナー像を記録媒体に2次転写する転写装置において、上記2次転写対向ローラの抵抗が上記2次転写ローラの抵抗よりも高いので、2次転写対向ローラにトナーと同極性のバイアスを印加して2次転写を行うことで高湿環境下で吸湿して抵抗低下した記録媒体に対する転写が安定するとともに、中間転写体を伝って流れる電流の増加を防止して、良好に転写を行うことができる転写装置を提供することができる。
【0039】
中間転写体の2次転写対向ローラが位置する側の面の表面抵抗率が10Ω/□以上であるとともに体積抵抗率が1012Ω/cm以下であり、2次転写対向ローラが、その表面に体積抵抗率が1011Ω/cmより大きく1015Ω/cmより小さい層を備えており、2次転写ローラが、その表面に体積抵抗率が1011Ω/cm以下の層を備えていることとすれば、高湿環境下での良好な転写性能に加え、記録媒体のサイズその他秤量、片面・両面の何れの画像形成であるか等の条件によらず良好に転写を行うことができる転写装置を提供することができる。
【0040】
2次転写対向ローラの表面に備えられた層の体積抵抗率が1012Ω/cmより大きく1014Ω/cmより小さいこととすれば、特に小サイズの記録媒体に対する転写の際においても良好な転写を行うことができる転写装置を提供することができる。
【0041】
本発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載の転写装置を有する画像形成装置にあるので、上述の各効果を奏することができ、様々な記録媒体、画像形成条件において良好な転写を行うことで良好な画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した転写装置及び画像形成装置の概略を示す側面図である。
【図2】図1に示した転写装置の要部示す側面図である。
【図3】用紙の種類、大きさ、画像形成面と、転写装置の構成とを変えて実験を行ったときの転写性の相関を示す相関図である。
【符号の説明】
1 像担持体
2 中間転写体
3 記録媒体
4 2次転写対向ローラ
10 2次転写ローラ
20 転写装置
100 画像形成装置
T 未定着トナー像

Claims (4)

  1. 像担持体から未定着トナー像が1次転写される中間転写体と、この中間転写体から記録媒体へ未定着トナー像を2次転写する2次転写ローラと、上記中間転写体を挟んで上記2次転写ローラに対向する2次転写対向ローラとを有し、この2次転写対向ローラに未定着トナー像を構成するトナーと同極性のバイアスを印加することで上記中間転写体上の未定着トナー像を記録媒体に2次転写する転写装置において、
    上記2次転写対向ローラの抵抗が上記2次転写ローラの抵抗よりも高いことを特徴とする転写装置。
  2. 請求項1記載の転写装置において、
    上記中間転写体の上記2次転写対向ローラが位置する側の面の表面抵抗率が10Ω/□以上であるとともに体積抵抗率が1012Ω/cm以下であり、
    上記2次転写対向ローラは、その表面に体積抵抗率が1011Ω/cmより大きく1015Ω/cmより小さい層を備えており、
    上記2次転写ローラは、その表面に体積抵抗率が1011Ω/cm以下の層を備えていることを特徴とする転写装置。
  3. 請求項2記載の転写装置において、上記2次転写対向ローラの表面に備えられた上記層の体積抵抗率が1012Ω/cmより大きく1014Ω/cmより小さいことを特徴とする転写装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか1つに記載の転写装置を有する画像形成装置。
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