JP2004186731A - チップアンテナおよびそれを用いた無線通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構造で複数のまたは広い周波数帯域において共振を得ることのできるチップアンテナを得る。
【解決手段】誘電体で構成された基体11と、基体11に形成され、矩形形状を有する第1のエリアS1および第1のエリアS1から連続して延びる第2のエリアS2を備えたパターンアンテナA2と、基体11の表面に形成され、パターンアンテナA2に接続される給電端子12とを有する構成のチップアンテナ10とする。このチップアンテナ10において、第1のエリアS1における第2のエリアS2の延びる方向に沿った辺の長さL1と第2のエリアの長さL2とを調整すれば所望の共振波形が得られる。
【選択図】 図7
【解決手段】誘電体で構成された基体11と、基体11に形成され、矩形形状を有する第1のエリアS1および第1のエリアS1から連続して延びる第2のエリアS2を備えたパターンアンテナA2と、基体11の表面に形成され、パターンアンテナA2に接続される給電端子12とを有する構成のチップアンテナ10とする。このチップアンテナ10において、第1のエリアS1における第2のエリアS2の延びる方向に沿った辺の長さL1と第2のエリアの長さL2とを調整すれば所望の共振波形が得られる。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信装置である携帯電話機や移動端末の内蔵アンテナ等として用いられるチップアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機などの移動端末では、たとえば800MHz帯域と1500MHz帯域という複数の周波数帯域で使用可能なダイバーシチ受信用の小型チップアンテナが、たとえば特開平11−31913号公報に開示されている。当該公報では、導体と、導体の中間部に挿入されたトラップ回路を備え、チップアンテナ全体での共振と、トラップ回路までの共振との2共振を得る技術が示されている。
【0003】
また、特開2002−111344号公報では、チップアンテナと基板上に構成されたパターンアンテナとで2共振を得る技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−31913号公報
【特許文献2】
特開2002−111344号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平11−31913号公報に記載の技術によれば、2共振を得ることはできるが、構造が複雑になるのみならず、トラップ回路の抵抗によりアンテナ効率が劣化する。
【0006】
また、特開2002−111344号公報に記載の技術によれば、基板上に導体線路パターンでアンテナを作製するので、アンテナ部分は非常に大きくなってしまい、小型化の要請に反する。
【0007】
なお、2共振のそれぞれの共振周波数帯域を近づけると広い周波数帯域において共振が得られる、いわゆるワイドバンドのチップアンテナとなるが、前述した技術でこのようなチップアンテナを作製した場合でも、同様の問題が発生する。
【0008】
そこで、本発明は、簡易な構造で複数のまたは広い周波数帯域において共振を得ることのできるチップアンテナを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るチップアンテナは、誘電体または磁性体で構成された基体と、基体に形成され、矩形形状を有する第1のエリアおよび第1のエリアから連続して延びる第2のエリアを備えたパターンアンテナと、基体の表面に形成され、パターンアンテナに接続される給電端子と、を有することを特徴とする。
【0010】
このような発明によれば、第1のエリアにおける第2のエリアの延びる方向に沿った辺の長さと第2のエリアの長さとを調整することにより、簡易な構造で複数のまたは広い周波数帯域において共振を得ることが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、発明の実施の形態は、本発明が実施される特に有用な形態としてのものであり、本発明がその実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は本発明の一実施の形態であるチップアンテナユニットを示す斜視図、図2は図1のチップアンテナユニットにおけるチップアンテナを示す分解斜視図、図3は図2のチップアンテナに形成された第1のパターンのパターンアンテナを示す平面図、図4は図2のチップアンテナに形成された第2のパターンのパターンアンテナを示す平面図、図5は図1のチップアンテナユニットにおけるチップアンテナを示す断面図、図6は図1のチップアンテナユニットにおける1〜11GHzのVSWRの周波数特性を示すグラフ、図7は図2のチップアンテナにおける第2のパターンのパターンアンテナを説明するための概念図、図8は図2のチップアンテナにおける第2のパターンのパターンアンテナにおいて所定箇所の長さを異ならせたときのVSWRの周波数特性を示すグラフである。
【0013】
図1〜図5に示すように、本実施の形態のチップアンテナ10は、例えば比誘電率εr=10程度の高周波用セラミック誘電体材料で形成された積層構造からなる矩形形状の基体11を有している。なお、基体11は磁性体で構成することもできる。
【0014】
基体11の複数層にはパターンアンテナが形成されており、図示する場合には、第1のパターン層10aにはミアンダ状の第1のパターンを有するパターンアンテナA1(図3)が、第2のパターン層10bには第1のパターンとは異なる面状の第2のパターンを有するパターンアンテナA2(図4)が、それぞれ形成されている。なお、本実施の形態では、パターンアンテナA1はミアンダ状のパターンとなっているが、たとえば円形や矩形、あるいは複数層にわたる三次元的なヘリカル状のパターンなど、種々のパターンとすることができる。
【0015】
基体11の底面より1つの側面を通って上面に至り、給電端子12が形成されている。また、基体11の対向する2つの側面およびその周囲の隣接面には、固定端子16a,16bが形成されている。図2に詳しく示すように、このようにして基体11の表面に形成された給電端子12は2つのパターンアンテナA1,A2の一端に、固定端子16aはパターンアンテナA1の他端に、固定端子16bはパターンアンテナA2の他端に、それぞれ接続されている。
【0016】
図1に示すように、チップアンテナ10は実装基板13に搭載されており、チップアンテナ10と実装基板13とによってチップアンテナユニットが構成されている。実装基板13には、接地電極14と、回路のインピーダンスである例えば50Ωに整合して信号源(図示せず)からの信号を給電端子12に供給する給電線路15、および固定端子16a,16bと接続されて基体11を実装基板13に固定する導体からなる固定部17a,17bとを備えている。
【0017】
なお、本実施の形態においては、固定端子16a,16bおよび固定部17a,17bはそれぞれ2カ所に形成されているが、1カ所ずつであってもよい。
【0018】
パターンアンテナA1,A2、給電端子12、接地電極14、給電線路15、固定端子16a,16bおよび固定部17a,17bは、銅や銀などの金属導体層をパターニングして形成されている。具体的には、たとえば銀等の金属ペーストをパターン印刷して焼き付ける方法、金属パターン層をメッキで形成する方法、薄い金属膜をエッチングによりパターニングする方法などにより形成されている。
【0019】
図2に示すように、第1のパターンであるパターンアンテナA1と第2のパターンであるパターンアンテナA2とは積層方向に対してその大部分が重なり合っていない。そして、パターンアンテナA1により第1の共振F1(図6)が得られ、パターンアンテナA2で第2の共振F2が得られる(図6)。
【0020】
パターンアンテナA2を形成する第2のパターンについて図7および図8を用いて詳細に説明する。
【0021】
パターンアンテナA2は、矩形形状を有する第1のエリアS1と、この第1のエリアS1から連続して延びる第2のエリアS2から構成されている。そして、第1のエリアS1と第2のエリアS2との間にはスリットTが形成されている。なお、このスリットTは形成されていなくてもよい。
【0022】
ここで、第1のエリアS1を形成する矩形形状とは、たとえば角が丸くなっていてもよい。また、第1のエリアS1および第2のエリアS2以外の部分(たとえば図7における網点で示す部分)があってもよい。なお、図7に示す場合には、第2のエリアS2は網点で示す部分を介して第1のエリアS1から連続して延びている。
【0023】
ここで、図7において、第1のエリアS1における第2のエリアS2の延びる方向に沿った辺の長さをL1、第2のエリアS2の長さをL2としたとき、L1とL2との長さの関係によって得られる共振波形が異なってくる。なお、共振波形は、各エリアS1,S2の面積や幅、給電点の位置など、他の要素によっても異なってくるが、本実施の形態においては、前述したL1,L2を調整して所望の共振を得ている。
【0024】
つまり、図8(a)に示すように、L2よりL1が長いときには第1のエリアS1での共振周波数の方が第2のエリアS2での共振周波数よりも低くなる。また、図8(b)に示すように、L1よりL2が長いときには第2のエリアS2での共振周波数の方が第1のエリアS1での共振周波数よりも低くなる。
【0025】
したがって、L1とL2との長さをこのように設定することにより2共振が得られ、このようなパターンアンテナA2をチップアンテナに用いることにより、一つのパターンアンテナ(つまり、パターンアンテナA1を用いることなくパターンアンテナA2のみ)で、複数の周波数帯域で使用可能なマルチバンドの無線通信装置が得られる。
【0026】
また、図8(c)に示すように、L1とL2との長さが接近して両者が僅かに異なるときには、2共振の各共振点が接近することから、結果として広い周波数帯域において共振が得られる。したがって、このようなパターンアンテナA2をチップアンテナに用いれば、広帯域で使用可能なワイドバンドの無線通信装置が得られる。なお、図6に示す第2の共振F2の波形はこのL1とL2とが接近した長さの場合であり、第2の共振F2の波形におけるVSWR(Voltage/Standing Wave Ratio〜電圧/定在波比)が2以下の帯域が第1の共振F1の波形におけるVSWRが2以下の帯域に比較して広くなっている、つまりワイドバンドになっているのが分かる。
【0027】
このように、本実施の形態によれば、矩形形状を有する第1のエリアS1と、この第1のエリアS1から連続して延びる第2のエリアS2から構成されているので、第1のエリアS1における第2のエリアS2の延びる方向に沿った辺の長さL1と第2のエリアS2の長さL2とを調整することにより、簡易な構造で複数のまたは広い周波数帯域において共振を得ることが可能になる。
【0028】
以上の説明では、チップアンテナ10には2つのパターンアンテナ、つまりパターンアンテナA1およびパターンアンテナA2が形成されているが、パターンアンテナA1によって得られる周波数帯が必要なければ、このパターンアンテナA1はなくてもよい。この場合には、パターンアンテナA2は、基体11の内部および表面の何れにも形成することができる。さらに、パターンアンテナA2に加えて他の形状のパターンアンテナを形成する場合には、様々なパターン形状にすることもできる。また、本実施の形態のようにパターンアンテナは2つではなく、3つ以上形成することもできる。
【0029】
なお、本発明のチップアンテナは、たとえば、携帯電話機、移動端末、無線LANカードの内蔵アンテナ等、様々な無線通信装置に用いることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0031】
すなわち、第1のエリアにおける第2のエリアの延びる方向に沿った辺の長さと第2のエリアの長さとを調整することにより、簡易な構造で複数のまたは広い周波数帯域において共振を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるチップアンテナユニットを示す斜視図である。
【図2】図1のチップアンテナユニットにおけるチップアンテナを示す分解斜視図である。
【図3】図2のチップアンテナに形成された第1のパターンのパターンアンテナを示す平面図である。
【図4】図2のチップアンテナに形成された第2のパターンのパターンアンテナを示す平面図である。
【図5】図1のチップアンテナユニットにおけるチップアンテナを示す断面図である。
【図6】図1のチップアンテナユニットにおける1〜11GHzのVSWRの周波数特性を示すグラフである。
【図7】図2のチップアンテナにおける第2のパターンのパターンアンテナを説明するための概念図である。
【図8】図2のチップアンテナにおける第2のパターンのパターンアンテナにおいて所定箇所の長さを異ならせたときのVSWRの周波数特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10 チップアンテナ
10a 第1のパターン層
10b 第2のパターン層
11 基体
12 給電端子
13 実装基板
14 接地電極
15 給電線路
16a,16b 固定端子
17a,17b 固定部
A1,A2 パターンアンテナ
T スリット
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信装置である携帯電話機や移動端末の内蔵アンテナ等として用いられるチップアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機などの移動端末では、たとえば800MHz帯域と1500MHz帯域という複数の周波数帯域で使用可能なダイバーシチ受信用の小型チップアンテナが、たとえば特開平11−31913号公報に開示されている。当該公報では、導体と、導体の中間部に挿入されたトラップ回路を備え、チップアンテナ全体での共振と、トラップ回路までの共振との2共振を得る技術が示されている。
【0003】
また、特開2002−111344号公報では、チップアンテナと基板上に構成されたパターンアンテナとで2共振を得る技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−31913号公報
【特許文献2】
特開2002−111344号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平11−31913号公報に記載の技術によれば、2共振を得ることはできるが、構造が複雑になるのみならず、トラップ回路の抵抗によりアンテナ効率が劣化する。
【0006】
また、特開2002−111344号公報に記載の技術によれば、基板上に導体線路パターンでアンテナを作製するので、アンテナ部分は非常に大きくなってしまい、小型化の要請に反する。
【0007】
なお、2共振のそれぞれの共振周波数帯域を近づけると広い周波数帯域において共振が得られる、いわゆるワイドバンドのチップアンテナとなるが、前述した技術でこのようなチップアンテナを作製した場合でも、同様の問題が発生する。
【0008】
そこで、本発明は、簡易な構造で複数のまたは広い周波数帯域において共振を得ることのできるチップアンテナを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るチップアンテナは、誘電体または磁性体で構成された基体と、基体に形成され、矩形形状を有する第1のエリアおよび第1のエリアから連続して延びる第2のエリアを備えたパターンアンテナと、基体の表面に形成され、パターンアンテナに接続される給電端子と、を有することを特徴とする。
【0010】
このような発明によれば、第1のエリアにおける第2のエリアの延びる方向に沿った辺の長さと第2のエリアの長さとを調整することにより、簡易な構造で複数のまたは広い周波数帯域において共振を得ることが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、発明の実施の形態は、本発明が実施される特に有用な形態としてのものであり、本発明がその実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は本発明の一実施の形態であるチップアンテナユニットを示す斜視図、図2は図1のチップアンテナユニットにおけるチップアンテナを示す分解斜視図、図3は図2のチップアンテナに形成された第1のパターンのパターンアンテナを示す平面図、図4は図2のチップアンテナに形成された第2のパターンのパターンアンテナを示す平面図、図5は図1のチップアンテナユニットにおけるチップアンテナを示す断面図、図6は図1のチップアンテナユニットにおける1〜11GHzのVSWRの周波数特性を示すグラフ、図7は図2のチップアンテナにおける第2のパターンのパターンアンテナを説明するための概念図、図8は図2のチップアンテナにおける第2のパターンのパターンアンテナにおいて所定箇所の長さを異ならせたときのVSWRの周波数特性を示すグラフである。
【0013】
図1〜図5に示すように、本実施の形態のチップアンテナ10は、例えば比誘電率εr=10程度の高周波用セラミック誘電体材料で形成された積層構造からなる矩形形状の基体11を有している。なお、基体11は磁性体で構成することもできる。
【0014】
基体11の複数層にはパターンアンテナが形成されており、図示する場合には、第1のパターン層10aにはミアンダ状の第1のパターンを有するパターンアンテナA1(図3)が、第2のパターン層10bには第1のパターンとは異なる面状の第2のパターンを有するパターンアンテナA2(図4)が、それぞれ形成されている。なお、本実施の形態では、パターンアンテナA1はミアンダ状のパターンとなっているが、たとえば円形や矩形、あるいは複数層にわたる三次元的なヘリカル状のパターンなど、種々のパターンとすることができる。
【0015】
基体11の底面より1つの側面を通って上面に至り、給電端子12が形成されている。また、基体11の対向する2つの側面およびその周囲の隣接面には、固定端子16a,16bが形成されている。図2に詳しく示すように、このようにして基体11の表面に形成された給電端子12は2つのパターンアンテナA1,A2の一端に、固定端子16aはパターンアンテナA1の他端に、固定端子16bはパターンアンテナA2の他端に、それぞれ接続されている。
【0016】
図1に示すように、チップアンテナ10は実装基板13に搭載されており、チップアンテナ10と実装基板13とによってチップアンテナユニットが構成されている。実装基板13には、接地電極14と、回路のインピーダンスである例えば50Ωに整合して信号源(図示せず)からの信号を給電端子12に供給する給電線路15、および固定端子16a,16bと接続されて基体11を実装基板13に固定する導体からなる固定部17a,17bとを備えている。
【0017】
なお、本実施の形態においては、固定端子16a,16bおよび固定部17a,17bはそれぞれ2カ所に形成されているが、1カ所ずつであってもよい。
【0018】
パターンアンテナA1,A2、給電端子12、接地電極14、給電線路15、固定端子16a,16bおよび固定部17a,17bは、銅や銀などの金属導体層をパターニングして形成されている。具体的には、たとえば銀等の金属ペーストをパターン印刷して焼き付ける方法、金属パターン層をメッキで形成する方法、薄い金属膜をエッチングによりパターニングする方法などにより形成されている。
【0019】
図2に示すように、第1のパターンであるパターンアンテナA1と第2のパターンであるパターンアンテナA2とは積層方向に対してその大部分が重なり合っていない。そして、パターンアンテナA1により第1の共振F1(図6)が得られ、パターンアンテナA2で第2の共振F2が得られる(図6)。
【0020】
パターンアンテナA2を形成する第2のパターンについて図7および図8を用いて詳細に説明する。
【0021】
パターンアンテナA2は、矩形形状を有する第1のエリアS1と、この第1のエリアS1から連続して延びる第2のエリアS2から構成されている。そして、第1のエリアS1と第2のエリアS2との間にはスリットTが形成されている。なお、このスリットTは形成されていなくてもよい。
【0022】
ここで、第1のエリアS1を形成する矩形形状とは、たとえば角が丸くなっていてもよい。また、第1のエリアS1および第2のエリアS2以外の部分(たとえば図7における網点で示す部分)があってもよい。なお、図7に示す場合には、第2のエリアS2は網点で示す部分を介して第1のエリアS1から連続して延びている。
【0023】
ここで、図7において、第1のエリアS1における第2のエリアS2の延びる方向に沿った辺の長さをL1、第2のエリアS2の長さをL2としたとき、L1とL2との長さの関係によって得られる共振波形が異なってくる。なお、共振波形は、各エリアS1,S2の面積や幅、給電点の位置など、他の要素によっても異なってくるが、本実施の形態においては、前述したL1,L2を調整して所望の共振を得ている。
【0024】
つまり、図8(a)に示すように、L2よりL1が長いときには第1のエリアS1での共振周波数の方が第2のエリアS2での共振周波数よりも低くなる。また、図8(b)に示すように、L1よりL2が長いときには第2のエリアS2での共振周波数の方が第1のエリアS1での共振周波数よりも低くなる。
【0025】
したがって、L1とL2との長さをこのように設定することにより2共振が得られ、このようなパターンアンテナA2をチップアンテナに用いることにより、一つのパターンアンテナ(つまり、パターンアンテナA1を用いることなくパターンアンテナA2のみ)で、複数の周波数帯域で使用可能なマルチバンドの無線通信装置が得られる。
【0026】
また、図8(c)に示すように、L1とL2との長さが接近して両者が僅かに異なるときには、2共振の各共振点が接近することから、結果として広い周波数帯域において共振が得られる。したがって、このようなパターンアンテナA2をチップアンテナに用いれば、広帯域で使用可能なワイドバンドの無線通信装置が得られる。なお、図6に示す第2の共振F2の波形はこのL1とL2とが接近した長さの場合であり、第2の共振F2の波形におけるVSWR(Voltage/Standing Wave Ratio〜電圧/定在波比)が2以下の帯域が第1の共振F1の波形におけるVSWRが2以下の帯域に比較して広くなっている、つまりワイドバンドになっているのが分かる。
【0027】
このように、本実施の形態によれば、矩形形状を有する第1のエリアS1と、この第1のエリアS1から連続して延びる第2のエリアS2から構成されているので、第1のエリアS1における第2のエリアS2の延びる方向に沿った辺の長さL1と第2のエリアS2の長さL2とを調整することにより、簡易な構造で複数のまたは広い周波数帯域において共振を得ることが可能になる。
【0028】
以上の説明では、チップアンテナ10には2つのパターンアンテナ、つまりパターンアンテナA1およびパターンアンテナA2が形成されているが、パターンアンテナA1によって得られる周波数帯が必要なければ、このパターンアンテナA1はなくてもよい。この場合には、パターンアンテナA2は、基体11の内部および表面の何れにも形成することができる。さらに、パターンアンテナA2に加えて他の形状のパターンアンテナを形成する場合には、様々なパターン形状にすることもできる。また、本実施の形態のようにパターンアンテナは2つではなく、3つ以上形成することもできる。
【0029】
なお、本発明のチップアンテナは、たとえば、携帯電話機、移動端末、無線LANカードの内蔵アンテナ等、様々な無線通信装置に用いることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0031】
すなわち、第1のエリアにおける第2のエリアの延びる方向に沿った辺の長さと第2のエリアの長さとを調整することにより、簡易な構造で複数のまたは広い周波数帯域において共振を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるチップアンテナユニットを示す斜視図である。
【図2】図1のチップアンテナユニットにおけるチップアンテナを示す分解斜視図である。
【図3】図2のチップアンテナに形成された第1のパターンのパターンアンテナを示す平面図である。
【図4】図2のチップアンテナに形成された第2のパターンのパターンアンテナを示す平面図である。
【図5】図1のチップアンテナユニットにおけるチップアンテナを示す断面図である。
【図6】図1のチップアンテナユニットにおける1〜11GHzのVSWRの周波数特性を示すグラフである。
【図7】図2のチップアンテナにおける第2のパターンのパターンアンテナを説明するための概念図である。
【図8】図2のチップアンテナにおける第2のパターンのパターンアンテナにおいて所定箇所の長さを異ならせたときのVSWRの周波数特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10 チップアンテナ
10a 第1のパターン層
10b 第2のパターン層
11 基体
12 給電端子
13 実装基板
14 接地電極
15 給電線路
16a,16b 固定端子
17a,17b 固定部
A1,A2 パターンアンテナ
T スリット
Claims (4)
- 誘電体または磁性体で構成された基体と、
前記基体に形成され、矩形形状を有する第1のエリアおよび前記第1のエリアから連続して延びる第2のエリアを備えたパターンアンテナと、
前記基体の表面に形成され、前記パターンアンテナに接続される給電端子と、
を有することを特徴とするチップアンテナ。 - 前記パターンアンテナの前記第1のエリアと前記第2のエリアとの間にはスリットが形成されていることを特徴とする請求項1記載のチップアンテナ。
- 前記パターンアンテナ以外の形状を有する他のパターンアンテナを有することを特徴とする請求項1または2記載のチップアンテナ。
- 請求項1〜3の何れか一項に記載のチップアンテナが用いられていることを特徴とする無線通信装置。
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