JP2004189771A - 難燃性接着混和物 - Google Patents
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Abstract
【課題】フラットケーブル等の接着剤層に用いられる接着剤混和物において、ノンハロゲン性で良好な難燃性を示し、かつ高い接着性を発揮し、耐加水分解性も高いものとなるようにする。
【解決手段】フラットケーブル等の接着フィルム3をなす接着剤層2として、グリシジルメタクリレートとエチレンをモノマーとして有するコポリマー1〜50重量部とポリエステル樹脂50〜99重量部を含むベースポリマー100重量部と、水酸化マグネシウム20〜200重量部と、水酸化アルミニウム20〜200重量部と、メラミンシアヌレートなどの窒素含有有機難燃剤15〜150重量部を含むノンハロゲンの難燃性接着混和物を使用する。
【選択図】図1
【解決手段】フラットケーブル等の接着フィルム3をなす接着剤層2として、グリシジルメタクリレートとエチレンをモノマーとして有するコポリマー1〜50重量部とポリエステル樹脂50〜99重量部を含むベースポリマー100重量部と、水酸化マグネシウム20〜200重量部と、水酸化アルミニウム20〜200重量部と、メラミンシアヌレートなどの窒素含有有機難燃剤15〜150重量部を含むノンハロゲンの難燃性接着混和物を使用する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、フラットケーブルやフレキシブルプリント基板などに用いられるノンハロゲン系の難燃性接着混和物に関する。
【0002】
【従来の技術】
基材フィルム上に接着剤層が形成された2枚の接着フィルムで、複数の平角状の導体を被覆した構造のフラットケーブルが知られている。このようなフラットケーブルは、コンピュータ機器やオーディオ機器、ビディオ機器等の内部の高密度配線等に広く利用されている。
【0003】
ところで、このようなフラットケーブルにあっては、基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂からなるフィルムが多く使用されている現状から、その接着剤層を構成する接着混和物にはポリエステル樹脂を主成分とするものが主に使用されている。
【0004】
また、フラットケーブルについては、防災の観点からその構成材料に良好な難燃性が求められており、その接着剤層にも難燃性が要求されている。このため、接着剤層をなす接着混和物として、デカブロモジフェニルエーテルなどのハロゲン系難燃剤を配合したものなどが検討されている。
【0005】
しかしながら、この種のハロゲン系難燃剤を添加した難燃性接着混和物では、この難燃性接着混和物を用いたフラットケーブルなどの廃棄焼却処分の際に、有害なハロゲン含有ガスが発生するため、その使用を避けざるを得ないと言う欠点がある。
【0006】
このため、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物などのノンハロゲン系難燃剤を多量に配合することが行われている。
しかし、金属水酸化物を多量配合した接着剤では、その接着強度が大幅に低下するという大きな問題がある。
【0007】
このようなフラットケーブルの接着剤層を構成する難燃性接着混和物に関しては、例えば以下の特許文献1ないし3が知られている。これらは、ポリエステル樹脂を主成分とし、これにノンハロゲン系の各種難燃剤を配合したものである。しかしながら、このような先行技術の難燃性接着混和物にあっては、十分な難燃性を得るためにノンハロゲン系難燃剤の配合量を増加すると、接着強度が低下したり、吸湿性が増大して電気特性が悪化したりする欠点がありる。また、ポリエステル樹脂をベースポリマーとしているために、加水分解しやすくなるなどの欠点もある。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−329238号公報
【特許文献2】
特開2001−222920号公報
【特許文献3】
特開2000−80342号公報
【特許文献4】
特開2001−011418号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明における課題は、フラットケーブル等に用いられる接着混和物において、基材フィルム、導体などに対して接着力が高く、ノンハロゲンで、十分な難燃性を有し、電気特性の低下がない難燃性接着混和物を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、グリシジルメタクリレートとエチレンをモノマーとして有するコポリマーとポリエステル樹脂を含むベースポリマーに、ノンハロゲン系難燃剤を配合してなる難燃性接着混和物である。
【0011】
請求項2にかかる発明は、ベースポリマーが、コポリマー1〜50重量部とポリエステル樹脂50〜99重量部を含む請求項1記載の難燃性接着混和物である。
請求項3にかかる発明は、ノンハロゲン系難燃剤が、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムと窒素含有有機難燃剤を含む混合物である請求項1または2記載の難燃性接着混和物である。
【0012】
請求項4にかかる発明は、ベースポリマー100重量部と、水酸化マグネシウム20〜200重量部と、水酸化アルミニウム20〜200重量部と、窒素含有有機難燃剤15〜150重量部を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の難燃性接着混和物である。
請求項5にかかる発明は、基材フィルムの表面に接着剤層を形成した接着フィルムで導体を挟み、この接着フィルムを接着してなるフラットケーブルにおいて、上記接着剤層を、請求項1ないし4のいずれかに記載の難燃性接着混和物で構成したことを特徴とするフラットケーブルである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づいて、詳しく説明する。
図1は、本発明のフラットケーブルの一例を示すもので、図中符号1は、基材フィルムを示す。
この基材フィルム1は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの飽和ポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどのプラスチックからなる厚み10〜200μmのフィルムである。これらのプラスチックフィルムの中でもポリエチレンテレフタレートフィルムが、電気的特性、機械的特性、コストなどの点でこのましい。
【0014】
この基材フィルム1の一方の表面には、厚み15〜100μmの接着剤層2が形成されて接着フィルム3となっている。
この接着フィルム3は、その2枚が互いに接着剤層2、2が相対するように重ね合わせられ、その間に複数の平角状の導体4、4が挟まれた状態で貼り合わせられて、この例のフラットケーブルが構成されている。
【0015】
そして、接着フィルム3の接着剤層2は、グリシジルメタクリレートとエチレンをモノマーとして有するコポリマーとポリエステル樹脂を含むベースポリマーと、ノンハロゲン系難燃剤を必須成分として含む難燃性接着混和物で構成されている。
【0016】
上記コポリマーは、その構成モノマーとして少なくともグリシジルメタクリレートとエチレンからなるものであって、これらモノマーのラジカル重合によって得られたもので、必要に応じて、これ以外の第3コモノマー、例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、酢酸ビニルなどが3元共重合されたターポリマーてあってもよい。このコポリマーのメルトフローレイト(MFR)は、0.1〜100の範囲であることが好ましい。
【0017】
グリシジルメタクリレートは分子末端にエポキシ基を有するモノマーであり、このモノマーを有するコポリマーはこのエポキシ基に起因して接着性、特に金属に対する接着性が非常に高いものとなる。
このコポリマーにおけるグリシジルメタクリレートの含有量は、0.01〜60wt%とされ、エチレンの含有量は40〜99.99wt%とされる。また、第3コモノマーを用いるときの第3コモノマーの含有量は40wt%以下とされる。
【0018】
上記ポリエステル樹脂としては、好ましくは、そのガラス転移温度が−10〜40℃であるポリエステル樹脂が少なくとも1種用いられ、これ以外のポリエステル樹脂、例えばガラス転移温度が45〜120℃のポリエステル樹脂をベースポリマー全量の0〜10wt%程度添加することもでき、結晶性ポリエステル樹脂をやはりベースポリマー全量の0〜10wt%程度添加することもできる。
【0019】
このポリエステル樹脂の具体的なものとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などの酸成分と、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ジシクロヘキサンジメチロール、ジエチレングリコールなどのジアルコールなどのアルコール成分を原料として周知の縮重合方法によって得られた各種の飽和ポリエステル、飽和共重合ポリエステルが用いられる。
【0020】
そして、このポリエステル樹脂のガラス転移温度は、上記酸成分とアルコール成分とをそれぞれ1種以上適切に組み合わせることにより、これを−10〜40℃の範囲や45〜120℃に範囲に調整することができる。
【0021】
また、上記ベースポリマーは、上記コポリマー1〜50重量部と、上記ポリエステル樹脂50〜99重量部を含むものであることが好ましい。さらに、必要に応じてこれ以外のポリマー、例えばポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体などを0〜30重量部配合したものであってもよい。
【0022】
このような第3成分としてポリマーを添加することができるのは、グリシジルメタクリレートを含む上記コポリマーを使用したため、本来ポリエステル樹脂と相溶性がよくないこれら第3成分のポリマーを配合できるようになったものである。そして、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−エチルアクリレート共重合体などを配合することでベースポリマー自体の難燃性が高くなり、ノンハロゲン系難燃剤の配合量を減量することができるメリットもある。
【0023】
本発明の難燃性接着混和物で用いられるノンハロゲン系難燃剤としては、特に限定されず、従来からこの分野に用いられている公知の水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、メラミンシアヌレートなどの窒素含有有機難燃剤、ホウ酸亜鉛などのホウ素化合物、炭酸カルシウムなどのカルシウム化合物、シリコーンガムなどのシリコーン化合物などが用いられる。
【0024】
これらのノンハロゲン系難燃剤のなかでも、本発明では水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムおよび窒素含有有機難燃剤からなる混合物が難燃付与効果が優れていて好ましい。
水酸化マグネシウムは、燃焼時に分子内の水が遊離して難燃効果を示すものである。この水酸化マグネシウムには、ベースポリマーに対する親和性を高め、混和物の機械的特性および接着性の低下を抑える目的で、表面処理を施したものを使用することが好ましい。
【0025】
この表面処理には、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸による表面処理、ビニルシラン、エポキシラン、アミノシランなどのシランカップリング剤による表面処理、有機チタネートによる表面処理などがある。
この水酸化マグネシウムの粒子径は、3μm以下のものが好ましく、粒子径が3μmを越えるとベースポリマー対する分散性が低下して好ましくない。
【0026】
この水酸化マグネシウムの添加量は、ベースポリマー100重量部に対して、20〜200重量部、好ましくは30〜150重量部とされ、混和物に要求される難燃性、接着性、機械的特性などに応じてこの範囲内で決められる。20重量部未満では難燃性が不足し、200重量部を越えると接着性が低下する。
【0027】
水酸化アルミニウムも、燃焼時に分子内の水が遊離して難燃効果を示すもので、同様にベースポリマーに対する親和性を高め、混和物の機械的特性および接着性の低下を抑える目的で、表面処理を施したものを使用することが好ましい。
【0028】
この水酸化アルミニウムの添加量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して同様に20〜200重量部、好ましくは30〜150重量部とされ、混和物に要求される難燃性、接着性、機械的特性などに応じてこの範囲内で決められる。また、配合量が20重量部未満では混和物の難燃性が不足し、200重量部を越えると混和物の接着性が低下する。
【0029】
また、他の難燃剤として、窒素含有有機難燃剤が用いられる。この窒素含有有機難燃剤は、ノンハロゲンの難燃剤であり、接着剤層の電気抵抗を低下させないものである。この窒素含有有機難燃剤の具体例としては、シアヌル酸トリアミド、シアヌル酸ジアミド、シアヌル酸モノアミド、メラム、メラミンシアヌレート、メラミン樹脂、ホモグアナミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどの1種または2種以上の混合物が挙げられる。
これらの中でも、上記コポリマーおよびポリエステル樹脂に対する分散性、混合性、接着性等の点から、メラミン、メラミンシアヌレートが特に好ましい。
【0030】
また、この窒素含有有機難燃剤としては、その粒子が表面処理されているものが、ベースポリマーに対する分散性が良くなり、難燃性接着混和物の混練性が良好となって好ましい。この表面処理には、シリカ、酸化チタンなどの粒径が1〜100nmの無機微粒子で窒素含有有機難燃剤粒子表面を被覆するものなどがある。この表面処理窒素含有有機難燃剤の表面処理のための無機微粒子の量は、全体の重量比で0.1〜5重量%とすることが好ましい。
【0031】
この窒素含有有機難燃剤の配合量は、ベースポリマー100重量部に対して15〜150重量部、好ましくは30〜120重量部とされ、15重量部未満では難燃性が不足し、150重量部を超えると接着力が低下し、混練性も低下する。ただし、表面処理されていない窒素含有有機難燃剤では、その配合量を、30〜80重量部程度とすることが良好な混練性を得るうえで好ましい。
【0032】
また、上記以外の難燃剤として、亜鉛系難燃剤を配合してもよい。この亜鉛系難燃剤としては、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、硫化亜鉛、ホウ酸亜鉛などが用いられるが、なかでもヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛が好ましい。
さらに、リン系難燃剤を配合してもよい。このリン系難燃剤としては、赤リン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウムなどが使用できるが、赤リンを使用すると混和物が赤色に着色するため、酸化チタンで表面処理した赤リンを使用することが好ましい。
【0033】
また、その他の難燃剤として、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウムなどホウ酸化合物、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどのカルシウム化合物などを適宜使用することもできる。
【0034】
また、本発明の難燃性接着混和物には、シリカ等を添加することができ、シリカをベースポリマー100重量部に対して5重量部程度添加することで、ブロッキング性が向上し、接着剤が基材に残る糊残り現象を防止することができる。
【0035】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに種々の添加剤、例えば有機溶剤、酸化防止剤、金属腐食防止剤、着色剤、各種カップリング剤、架橋剤、架橋助剤、帯電防止剤を適宜添加しても良い。
上記有機溶剤には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、トルエンなどの芳香族類などが用いられる。
【0036】
本発明の難燃性接着混和物は、グリシジルメタクリレートとエチレンをモノマーとして有するコポリマーおよびポリエステル樹脂を含むベースポリマーとノンハロゲン系難燃剤を、具体的には上記ベースポリマー100重量部と、水酸化マグネシウム20〜200重量部と、水酸化アルミニウム20〜200重量部と、窒素含有有機難燃剤15〜150重量部と、必要に応じて他の添加成分とを均一に混合することにより製造することができる。また、この混和物の接着強度は、剥離強度で5N/cm以上であることが好ましい。
【0037】
また、本発明の接着混和物の形態としては、溶液、ペースト、ペレット等の形態とすることができ、フラットケーブルの接着剤層を形成するには、溶液タイプとして、基材フィルムに塗布して使用する他、ペレットを押出機から基材フィルム上に押出し、製膜して使用することができる。
【0038】
また、本発明のフラットケーブルは、上述のようにして形成された接着フィルムを使用し、これに導体を挟んで、加圧ロール、加圧プレスなどにより加圧し、この時同時に温度80〜200℃に加熱することで製造される。一般的には、加熱加圧ロールを使用し、連続的に接着してゆく方法が作業性等の点で広く使用される。
【0039】
また、基材フィルム1と接着剤層2との接着性、耐熱接着性を高め、熱接着加工速度を高めるためなどに、基材フィルム1上に予めプライマーを塗布してプライマー層を形成しておき、このプライマー層上に上記難燃接着混和物からなる接着剤層2を形成することができる。
【0040】
このようなプライマーとして、例えばイソシアネート基、ブロックイソシアネート基および/またはカルボジイミド基を有する多官能性化合物と、ガラス転移点が20〜120℃のポリエステル系樹脂と、ポリウレタン系樹脂を含む樹脂組成物をエステル系、ケトン系などの各種有機溶媒に溶解したプライマーが挙げられる。
【0041】
この樹脂組成物において、ポリエステル系樹脂とポリウレタン系樹脂との配合割合は、ポリエステル系樹脂/ポリウレタン系樹脂(重量比)=0.7/0.3〜0.3/0.7の範囲とされる。また、多官能性化合物の添加量は、樹脂成分の反応基に対して1〜20倍当量程度が好ましい。また、プライマーの固形分としては2〜60重量%程度とされる。
【0042】
プライマーの塗布は、基材フィルム1上にロールコート、バーコート、ダイコートなどの周知の塗布手段により塗布し、乾燥することにより行われる。プライマー層の厚さは、0.05〜10μm程度とされる。0.05μm未満ではプライマーの効果が得られず、10μmを越えても過剰であり、難燃性が低下する恐れもある。プライマーの塗布に先立ち基材フィルム1に放電処理、火炎処理などを施して親和性を高めることもできる。
【0043】
また、上記多官能性化合物としては、トリレンジイソシアネート、4.4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネートとそれらのビューレット体、トリメチロールプロパン等のアダクト体、イソシアネート3量体等のイソシアネート類、さらにはイソシアネートをアルコール、フェノール類、ラクタム、活性メチレン化合物でブロックしたブロックイソシアネートを使用することができる。
【0044】
さらに、上記イソシアネート類から合成したポリトルエンカルボジイミド、ポリ−4,4−ジフェニルメタンカルボジイミド、ポリイソホロンカルボジイミド、ポリヘキサンカルボジイミドなどのカルボジイミド系架橋剤及びその誘導体を使用することができる。
この多官能性化合物では、分子内に2〜6個のイソシアネート基、ブロックイソシアネート基および/またはカルボジイミド基を有するものが好ましい。
【0045】
また、上記多官能性化合物は、溶剤に溶解または分散して使用することが好ましい。このための溶剤には、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリドン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0046】
上記ポリエステル系樹脂としては、例えばテレフタル酸等の芳香族飽和ジカルボン酸と飽和二価アルコールとの重縮合により生成する熱可塑性のポリエステル系樹脂を使用することができる。上記芳香族飽和ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニルエーテル−4,4−ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸やこれらの誘導体を1種または2種以上用いることができる。
【0047】
上記飽和二価アルコールとしては、エチレングリコール、ピロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ナフタレンジオールなどの芳香族ジオールを用いることができる。
また、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などのジカルボン酸を添加して、共重縮合して変性してガラス転移点を20〜120℃のポリエステル系樹脂としてもよい。
【0048】
上記ポリウレタン系樹脂としては、多官能イソシアネートとヒドロキシル基含有化合物との反応により得られるポリウレタン系樹脂が用いられる。具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、あるいはヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート等の多官能イソシアネートと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアクリレートポリオールなどのヒドロキシル基含有化合物との反応により得られる一液または二液硬化型のポリウレタン系樹脂が使用される。
【0049】
このような難燃性接着混和物にあっては、ベースポリマーとしてグリシジルメタクリレートとエチレンをモノマーとして有するコポリマーとポリエステル樹脂を含むブレンドポリマーを使用しているため、高い接着性、特に金属、例えば導体などに対して高い接着性を示す。これは、コポリマーにグリシジルメタクリレートが含まれているためで、ベースポリマー自体の接着性が高められた結果である。
【0050】
また、ベースポリマー自体の難燃性が高く、これによりノンハロゲン系難燃剤の配合量を低減でき、ノンハロゲン系難燃剤の配合に起因する接着性の低下が少なくて済む。また、ポリエステル樹脂量が少なくなるので耐加水分解性が向上する。このため、本発明の難燃性接着混和物は、良好な接着性と十分な難燃性が得られ、これを焼却処分した際に有害なハロゲン含有化合物を生成することがなく、電気特性の低下も少ないものとなる。
【0051】
また、本発明のフラットケーブルにあっては、良好な接着力を発揮し、高い難燃性を有するものとなり、焼却処分をしても有害なハロゲン含有ガスが発生することもない。
このため、このフラットケーブルは、高い接着性と良好な難燃性を要求されるコンピュータ機器等の配線等に使用できる。
【0052】
以下、具体例を示す。
表1ないし表3に示した配合組成(重量部)の接着混和物を、メチルエチルケトン1容量部とトルエン4容量部からなる混合溶媒に溶解し、樹脂分30wt%の溶液型接着剤を製造した。
ついで、厚み23μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、厚さ1μmのプライマー層を設けた後、上記溶剤型接着剤をバーコーターにて塗布し、乾燥し厚み45μmの接着層を形成して、接着フィルムを作成した。
上記プライマー層には、ポリオール系ウレタン樹脂、トルエン、メチルエチルケトンからなるプライマー溶液を塗布し、有機溶剤を乾燥したものを使用した。
【0053】
このようにして得られた2枚の接着フィルムの間に、厚さ100μm、幅0.8mmのスズめっき軟銅箔の導体を0.8mm間隔で配置し、2枚の接着フィルムを貼り合わせ速度0.5m/分、温度160℃、圧力1.0MPaで、貼り合わせてフラットケーブルを作製した。このフラットケーブルについて、難燃性、導体接着力、180度折り曲げ特性、ラミネート性を評価した。
【0054】
難燃性は、UL規格の垂直燃焼試験を実施し、合格したものを○とし、不合格のものを×とした。導体接着力は、T字剥離試験で測定し、その測定値が5N/cm以上を○とし、5N/cm未満を×とした。また、180度折り曲げ特性は、絶縁体(接着層)のクラックの有無を観察し、クラックなしを○とし、クラック有りを×とした。また、ラミネート性は、上記条件でラミネートしたときに導体にボイドなく接着するものを○とし、そうでないものを×とした。
【0055】
表1ないし表3において、
「ポリエステル樹脂1」は、ガラス転移点5℃のポリエステル樹脂を、
「ポリエステル樹脂2」は、ガラス転移点35℃のポリエステル樹脂を、
「ポリエステル樹脂3」は、ガラス転移点80℃のポリエステル樹脂を、
「ポリエステル樹脂4」は、ガラス転移点−20℃のポリエステル樹脂を示す。
【0056】
「E−GMA樹脂5」は、グリシジルメタクリレート6wt%、残部エチレンからなるメルトフローレイト3のコポリマーを、
「E−GMA−VA樹脂6」は、グリシジルメタクリレート12wt%、酢酸ビニル5wt%、残部エチレンからなるメルトフローレイト3のコポリマーを、
「E−GMA−MA樹脂7」は、グリシジルメタクリレート6wt%、メチルアクリレート30wt%、残部エチレンからなるメルトフローレイト9のコポリマーを、
【0057】
「水酸化マグネシウム」は、平均粒径1μm以下のものを、
「水酸化アルミニウム」は、平均粒径1μm以下のものを、
「メラミンシアヌレート」は、平均粒径2μmのものを、
「ホウ酸亜鉛」は、平均粒径3μmのものを、
「ヒドロキシスズ酸亜鉛」は、粒径10μm以下のものを、
「老化防止剤」は、フェノール系のものを示す。
結果を表1ないし表3に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の難燃性接着混和物にあっては、良好な接着力を発揮し、高い難燃性を有するものとなり、焼却処分をしても有害なハロゲン含有ガスが発生することもない。また、耐加水分解性も高いものとなる。
【0062】
また、本発明のフラットケーブルにあっては、このため良好な接着力を発揮し、高い難燃性を有するものとなる。また、ノンハロゲンであるので焼却処分をしても有害なハロゲン含有ガスが発生することもない。さらに、電気特性の低下が少ないものにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるフラットケーブルの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・基材フィルム、2・・・接着剤層。
【発明の属する技術分野】
この発明は、フラットケーブルやフレキシブルプリント基板などに用いられるノンハロゲン系の難燃性接着混和物に関する。
【0002】
【従来の技術】
基材フィルム上に接着剤層が形成された2枚の接着フィルムで、複数の平角状の導体を被覆した構造のフラットケーブルが知られている。このようなフラットケーブルは、コンピュータ機器やオーディオ機器、ビディオ機器等の内部の高密度配線等に広く利用されている。
【0003】
ところで、このようなフラットケーブルにあっては、基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂からなるフィルムが多く使用されている現状から、その接着剤層を構成する接着混和物にはポリエステル樹脂を主成分とするものが主に使用されている。
【0004】
また、フラットケーブルについては、防災の観点からその構成材料に良好な難燃性が求められており、その接着剤層にも難燃性が要求されている。このため、接着剤層をなす接着混和物として、デカブロモジフェニルエーテルなどのハロゲン系難燃剤を配合したものなどが検討されている。
【0005】
しかしながら、この種のハロゲン系難燃剤を添加した難燃性接着混和物では、この難燃性接着混和物を用いたフラットケーブルなどの廃棄焼却処分の際に、有害なハロゲン含有ガスが発生するため、その使用を避けざるを得ないと言う欠点がある。
【0006】
このため、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物などのノンハロゲン系難燃剤を多量に配合することが行われている。
しかし、金属水酸化物を多量配合した接着剤では、その接着強度が大幅に低下するという大きな問題がある。
【0007】
このようなフラットケーブルの接着剤層を構成する難燃性接着混和物に関しては、例えば以下の特許文献1ないし3が知られている。これらは、ポリエステル樹脂を主成分とし、これにノンハロゲン系の各種難燃剤を配合したものである。しかしながら、このような先行技術の難燃性接着混和物にあっては、十分な難燃性を得るためにノンハロゲン系難燃剤の配合量を増加すると、接着強度が低下したり、吸湿性が増大して電気特性が悪化したりする欠点がありる。また、ポリエステル樹脂をベースポリマーとしているために、加水分解しやすくなるなどの欠点もある。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−329238号公報
【特許文献2】
特開2001−222920号公報
【特許文献3】
特開2000−80342号公報
【特許文献4】
特開2001−011418号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明における課題は、フラットケーブル等に用いられる接着混和物において、基材フィルム、導体などに対して接着力が高く、ノンハロゲンで、十分な難燃性を有し、電気特性の低下がない難燃性接着混和物を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、グリシジルメタクリレートとエチレンをモノマーとして有するコポリマーとポリエステル樹脂を含むベースポリマーに、ノンハロゲン系難燃剤を配合してなる難燃性接着混和物である。
【0011】
請求項2にかかる発明は、ベースポリマーが、コポリマー1〜50重量部とポリエステル樹脂50〜99重量部を含む請求項1記載の難燃性接着混和物である。
請求項3にかかる発明は、ノンハロゲン系難燃剤が、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムと窒素含有有機難燃剤を含む混合物である請求項1または2記載の難燃性接着混和物である。
【0012】
請求項4にかかる発明は、ベースポリマー100重量部と、水酸化マグネシウム20〜200重量部と、水酸化アルミニウム20〜200重量部と、窒素含有有機難燃剤15〜150重量部を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の難燃性接着混和物である。
請求項5にかかる発明は、基材フィルムの表面に接着剤層を形成した接着フィルムで導体を挟み、この接着フィルムを接着してなるフラットケーブルにおいて、上記接着剤層を、請求項1ないし4のいずれかに記載の難燃性接着混和物で構成したことを特徴とするフラットケーブルである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づいて、詳しく説明する。
図1は、本発明のフラットケーブルの一例を示すもので、図中符号1は、基材フィルムを示す。
この基材フィルム1は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの飽和ポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどのプラスチックからなる厚み10〜200μmのフィルムである。これらのプラスチックフィルムの中でもポリエチレンテレフタレートフィルムが、電気的特性、機械的特性、コストなどの点でこのましい。
【0014】
この基材フィルム1の一方の表面には、厚み15〜100μmの接着剤層2が形成されて接着フィルム3となっている。
この接着フィルム3は、その2枚が互いに接着剤層2、2が相対するように重ね合わせられ、その間に複数の平角状の導体4、4が挟まれた状態で貼り合わせられて、この例のフラットケーブルが構成されている。
【0015】
そして、接着フィルム3の接着剤層2は、グリシジルメタクリレートとエチレンをモノマーとして有するコポリマーとポリエステル樹脂を含むベースポリマーと、ノンハロゲン系難燃剤を必須成分として含む難燃性接着混和物で構成されている。
【0016】
上記コポリマーは、その構成モノマーとして少なくともグリシジルメタクリレートとエチレンからなるものであって、これらモノマーのラジカル重合によって得られたもので、必要に応じて、これ以外の第3コモノマー、例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、酢酸ビニルなどが3元共重合されたターポリマーてあってもよい。このコポリマーのメルトフローレイト(MFR)は、0.1〜100の範囲であることが好ましい。
【0017】
グリシジルメタクリレートは分子末端にエポキシ基を有するモノマーであり、このモノマーを有するコポリマーはこのエポキシ基に起因して接着性、特に金属に対する接着性が非常に高いものとなる。
このコポリマーにおけるグリシジルメタクリレートの含有量は、0.01〜60wt%とされ、エチレンの含有量は40〜99.99wt%とされる。また、第3コモノマーを用いるときの第3コモノマーの含有量は40wt%以下とされる。
【0018】
上記ポリエステル樹脂としては、好ましくは、そのガラス転移温度が−10〜40℃であるポリエステル樹脂が少なくとも1種用いられ、これ以外のポリエステル樹脂、例えばガラス転移温度が45〜120℃のポリエステル樹脂をベースポリマー全量の0〜10wt%程度添加することもでき、結晶性ポリエステル樹脂をやはりベースポリマー全量の0〜10wt%程度添加することもできる。
【0019】
このポリエステル樹脂の具体的なものとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などの酸成分と、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ジシクロヘキサンジメチロール、ジエチレングリコールなどのジアルコールなどのアルコール成分を原料として周知の縮重合方法によって得られた各種の飽和ポリエステル、飽和共重合ポリエステルが用いられる。
【0020】
そして、このポリエステル樹脂のガラス転移温度は、上記酸成分とアルコール成分とをそれぞれ1種以上適切に組み合わせることにより、これを−10〜40℃の範囲や45〜120℃に範囲に調整することができる。
【0021】
また、上記ベースポリマーは、上記コポリマー1〜50重量部と、上記ポリエステル樹脂50〜99重量部を含むものであることが好ましい。さらに、必要に応じてこれ以外のポリマー、例えばポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体などを0〜30重量部配合したものであってもよい。
【0022】
このような第3成分としてポリマーを添加することができるのは、グリシジルメタクリレートを含む上記コポリマーを使用したため、本来ポリエステル樹脂と相溶性がよくないこれら第3成分のポリマーを配合できるようになったものである。そして、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−エチルアクリレート共重合体などを配合することでベースポリマー自体の難燃性が高くなり、ノンハロゲン系難燃剤の配合量を減量することができるメリットもある。
【0023】
本発明の難燃性接着混和物で用いられるノンハロゲン系難燃剤としては、特に限定されず、従来からこの分野に用いられている公知の水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、メラミンシアヌレートなどの窒素含有有機難燃剤、ホウ酸亜鉛などのホウ素化合物、炭酸カルシウムなどのカルシウム化合物、シリコーンガムなどのシリコーン化合物などが用いられる。
【0024】
これらのノンハロゲン系難燃剤のなかでも、本発明では水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムおよび窒素含有有機難燃剤からなる混合物が難燃付与効果が優れていて好ましい。
水酸化マグネシウムは、燃焼時に分子内の水が遊離して難燃効果を示すものである。この水酸化マグネシウムには、ベースポリマーに対する親和性を高め、混和物の機械的特性および接着性の低下を抑える目的で、表面処理を施したものを使用することが好ましい。
【0025】
この表面処理には、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸による表面処理、ビニルシラン、エポキシラン、アミノシランなどのシランカップリング剤による表面処理、有機チタネートによる表面処理などがある。
この水酸化マグネシウムの粒子径は、3μm以下のものが好ましく、粒子径が3μmを越えるとベースポリマー対する分散性が低下して好ましくない。
【0026】
この水酸化マグネシウムの添加量は、ベースポリマー100重量部に対して、20〜200重量部、好ましくは30〜150重量部とされ、混和物に要求される難燃性、接着性、機械的特性などに応じてこの範囲内で決められる。20重量部未満では難燃性が不足し、200重量部を越えると接着性が低下する。
【0027】
水酸化アルミニウムも、燃焼時に分子内の水が遊離して難燃効果を示すもので、同様にベースポリマーに対する親和性を高め、混和物の機械的特性および接着性の低下を抑える目的で、表面処理を施したものを使用することが好ましい。
【0028】
この水酸化アルミニウムの添加量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して同様に20〜200重量部、好ましくは30〜150重量部とされ、混和物に要求される難燃性、接着性、機械的特性などに応じてこの範囲内で決められる。また、配合量が20重量部未満では混和物の難燃性が不足し、200重量部を越えると混和物の接着性が低下する。
【0029】
また、他の難燃剤として、窒素含有有機難燃剤が用いられる。この窒素含有有機難燃剤は、ノンハロゲンの難燃剤であり、接着剤層の電気抵抗を低下させないものである。この窒素含有有機難燃剤の具体例としては、シアヌル酸トリアミド、シアヌル酸ジアミド、シアヌル酸モノアミド、メラム、メラミンシアヌレート、メラミン樹脂、ホモグアナミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどの1種または2種以上の混合物が挙げられる。
これらの中でも、上記コポリマーおよびポリエステル樹脂に対する分散性、混合性、接着性等の点から、メラミン、メラミンシアヌレートが特に好ましい。
【0030】
また、この窒素含有有機難燃剤としては、その粒子が表面処理されているものが、ベースポリマーに対する分散性が良くなり、難燃性接着混和物の混練性が良好となって好ましい。この表面処理には、シリカ、酸化チタンなどの粒径が1〜100nmの無機微粒子で窒素含有有機難燃剤粒子表面を被覆するものなどがある。この表面処理窒素含有有機難燃剤の表面処理のための無機微粒子の量は、全体の重量比で0.1〜5重量%とすることが好ましい。
【0031】
この窒素含有有機難燃剤の配合量は、ベースポリマー100重量部に対して15〜150重量部、好ましくは30〜120重量部とされ、15重量部未満では難燃性が不足し、150重量部を超えると接着力が低下し、混練性も低下する。ただし、表面処理されていない窒素含有有機難燃剤では、その配合量を、30〜80重量部程度とすることが良好な混練性を得るうえで好ましい。
【0032】
また、上記以外の難燃剤として、亜鉛系難燃剤を配合してもよい。この亜鉛系難燃剤としては、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、硫化亜鉛、ホウ酸亜鉛などが用いられるが、なかでもヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛が好ましい。
さらに、リン系難燃剤を配合してもよい。このリン系難燃剤としては、赤リン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウムなどが使用できるが、赤リンを使用すると混和物が赤色に着色するため、酸化チタンで表面処理した赤リンを使用することが好ましい。
【0033】
また、その他の難燃剤として、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウムなどホウ酸化合物、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどのカルシウム化合物などを適宜使用することもできる。
【0034】
また、本発明の難燃性接着混和物には、シリカ等を添加することができ、シリカをベースポリマー100重量部に対して5重量部程度添加することで、ブロッキング性が向上し、接着剤が基材に残る糊残り現象を防止することができる。
【0035】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに種々の添加剤、例えば有機溶剤、酸化防止剤、金属腐食防止剤、着色剤、各種カップリング剤、架橋剤、架橋助剤、帯電防止剤を適宜添加しても良い。
上記有機溶剤には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、トルエンなどの芳香族類などが用いられる。
【0036】
本発明の難燃性接着混和物は、グリシジルメタクリレートとエチレンをモノマーとして有するコポリマーおよびポリエステル樹脂を含むベースポリマーとノンハロゲン系難燃剤を、具体的には上記ベースポリマー100重量部と、水酸化マグネシウム20〜200重量部と、水酸化アルミニウム20〜200重量部と、窒素含有有機難燃剤15〜150重量部と、必要に応じて他の添加成分とを均一に混合することにより製造することができる。また、この混和物の接着強度は、剥離強度で5N/cm以上であることが好ましい。
【0037】
また、本発明の接着混和物の形態としては、溶液、ペースト、ペレット等の形態とすることができ、フラットケーブルの接着剤層を形成するには、溶液タイプとして、基材フィルムに塗布して使用する他、ペレットを押出機から基材フィルム上に押出し、製膜して使用することができる。
【0038】
また、本発明のフラットケーブルは、上述のようにして形成された接着フィルムを使用し、これに導体を挟んで、加圧ロール、加圧プレスなどにより加圧し、この時同時に温度80〜200℃に加熱することで製造される。一般的には、加熱加圧ロールを使用し、連続的に接着してゆく方法が作業性等の点で広く使用される。
【0039】
また、基材フィルム1と接着剤層2との接着性、耐熱接着性を高め、熱接着加工速度を高めるためなどに、基材フィルム1上に予めプライマーを塗布してプライマー層を形成しておき、このプライマー層上に上記難燃接着混和物からなる接着剤層2を形成することができる。
【0040】
このようなプライマーとして、例えばイソシアネート基、ブロックイソシアネート基および/またはカルボジイミド基を有する多官能性化合物と、ガラス転移点が20〜120℃のポリエステル系樹脂と、ポリウレタン系樹脂を含む樹脂組成物をエステル系、ケトン系などの各種有機溶媒に溶解したプライマーが挙げられる。
【0041】
この樹脂組成物において、ポリエステル系樹脂とポリウレタン系樹脂との配合割合は、ポリエステル系樹脂/ポリウレタン系樹脂(重量比)=0.7/0.3〜0.3/0.7の範囲とされる。また、多官能性化合物の添加量は、樹脂成分の反応基に対して1〜20倍当量程度が好ましい。また、プライマーの固形分としては2〜60重量%程度とされる。
【0042】
プライマーの塗布は、基材フィルム1上にロールコート、バーコート、ダイコートなどの周知の塗布手段により塗布し、乾燥することにより行われる。プライマー層の厚さは、0.05〜10μm程度とされる。0.05μm未満ではプライマーの効果が得られず、10μmを越えても過剰であり、難燃性が低下する恐れもある。プライマーの塗布に先立ち基材フィルム1に放電処理、火炎処理などを施して親和性を高めることもできる。
【0043】
また、上記多官能性化合物としては、トリレンジイソシアネート、4.4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネートとそれらのビューレット体、トリメチロールプロパン等のアダクト体、イソシアネート3量体等のイソシアネート類、さらにはイソシアネートをアルコール、フェノール類、ラクタム、活性メチレン化合物でブロックしたブロックイソシアネートを使用することができる。
【0044】
さらに、上記イソシアネート類から合成したポリトルエンカルボジイミド、ポリ−4,4−ジフェニルメタンカルボジイミド、ポリイソホロンカルボジイミド、ポリヘキサンカルボジイミドなどのカルボジイミド系架橋剤及びその誘導体を使用することができる。
この多官能性化合物では、分子内に2〜6個のイソシアネート基、ブロックイソシアネート基および/またはカルボジイミド基を有するものが好ましい。
【0045】
また、上記多官能性化合物は、溶剤に溶解または分散して使用することが好ましい。このための溶剤には、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリドン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0046】
上記ポリエステル系樹脂としては、例えばテレフタル酸等の芳香族飽和ジカルボン酸と飽和二価アルコールとの重縮合により生成する熱可塑性のポリエステル系樹脂を使用することができる。上記芳香族飽和ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニルエーテル−4,4−ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸やこれらの誘導体を1種または2種以上用いることができる。
【0047】
上記飽和二価アルコールとしては、エチレングリコール、ピロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ナフタレンジオールなどの芳香族ジオールを用いることができる。
また、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などのジカルボン酸を添加して、共重縮合して変性してガラス転移点を20〜120℃のポリエステル系樹脂としてもよい。
【0048】
上記ポリウレタン系樹脂としては、多官能イソシアネートとヒドロキシル基含有化合物との反応により得られるポリウレタン系樹脂が用いられる。具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、あるいはヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート等の多官能イソシアネートと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアクリレートポリオールなどのヒドロキシル基含有化合物との反応により得られる一液または二液硬化型のポリウレタン系樹脂が使用される。
【0049】
このような難燃性接着混和物にあっては、ベースポリマーとしてグリシジルメタクリレートとエチレンをモノマーとして有するコポリマーとポリエステル樹脂を含むブレンドポリマーを使用しているため、高い接着性、特に金属、例えば導体などに対して高い接着性を示す。これは、コポリマーにグリシジルメタクリレートが含まれているためで、ベースポリマー自体の接着性が高められた結果である。
【0050】
また、ベースポリマー自体の難燃性が高く、これによりノンハロゲン系難燃剤の配合量を低減でき、ノンハロゲン系難燃剤の配合に起因する接着性の低下が少なくて済む。また、ポリエステル樹脂量が少なくなるので耐加水分解性が向上する。このため、本発明の難燃性接着混和物は、良好な接着性と十分な難燃性が得られ、これを焼却処分した際に有害なハロゲン含有化合物を生成することがなく、電気特性の低下も少ないものとなる。
【0051】
また、本発明のフラットケーブルにあっては、良好な接着力を発揮し、高い難燃性を有するものとなり、焼却処分をしても有害なハロゲン含有ガスが発生することもない。
このため、このフラットケーブルは、高い接着性と良好な難燃性を要求されるコンピュータ機器等の配線等に使用できる。
【0052】
以下、具体例を示す。
表1ないし表3に示した配合組成(重量部)の接着混和物を、メチルエチルケトン1容量部とトルエン4容量部からなる混合溶媒に溶解し、樹脂分30wt%の溶液型接着剤を製造した。
ついで、厚み23μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、厚さ1μmのプライマー層を設けた後、上記溶剤型接着剤をバーコーターにて塗布し、乾燥し厚み45μmの接着層を形成して、接着フィルムを作成した。
上記プライマー層には、ポリオール系ウレタン樹脂、トルエン、メチルエチルケトンからなるプライマー溶液を塗布し、有機溶剤を乾燥したものを使用した。
【0053】
このようにして得られた2枚の接着フィルムの間に、厚さ100μm、幅0.8mmのスズめっき軟銅箔の導体を0.8mm間隔で配置し、2枚の接着フィルムを貼り合わせ速度0.5m/分、温度160℃、圧力1.0MPaで、貼り合わせてフラットケーブルを作製した。このフラットケーブルについて、難燃性、導体接着力、180度折り曲げ特性、ラミネート性を評価した。
【0054】
難燃性は、UL規格の垂直燃焼試験を実施し、合格したものを○とし、不合格のものを×とした。導体接着力は、T字剥離試験で測定し、その測定値が5N/cm以上を○とし、5N/cm未満を×とした。また、180度折り曲げ特性は、絶縁体(接着層)のクラックの有無を観察し、クラックなしを○とし、クラック有りを×とした。また、ラミネート性は、上記条件でラミネートしたときに導体にボイドなく接着するものを○とし、そうでないものを×とした。
【0055】
表1ないし表3において、
「ポリエステル樹脂1」は、ガラス転移点5℃のポリエステル樹脂を、
「ポリエステル樹脂2」は、ガラス転移点35℃のポリエステル樹脂を、
「ポリエステル樹脂3」は、ガラス転移点80℃のポリエステル樹脂を、
「ポリエステル樹脂4」は、ガラス転移点−20℃のポリエステル樹脂を示す。
【0056】
「E−GMA樹脂5」は、グリシジルメタクリレート6wt%、残部エチレンからなるメルトフローレイト3のコポリマーを、
「E−GMA−VA樹脂6」は、グリシジルメタクリレート12wt%、酢酸ビニル5wt%、残部エチレンからなるメルトフローレイト3のコポリマーを、
「E−GMA−MA樹脂7」は、グリシジルメタクリレート6wt%、メチルアクリレート30wt%、残部エチレンからなるメルトフローレイト9のコポリマーを、
【0057】
「水酸化マグネシウム」は、平均粒径1μm以下のものを、
「水酸化アルミニウム」は、平均粒径1μm以下のものを、
「メラミンシアヌレート」は、平均粒径2μmのものを、
「ホウ酸亜鉛」は、平均粒径3μmのものを、
「ヒドロキシスズ酸亜鉛」は、粒径10μm以下のものを、
「老化防止剤」は、フェノール系のものを示す。
結果を表1ないし表3に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の難燃性接着混和物にあっては、良好な接着力を発揮し、高い難燃性を有するものとなり、焼却処分をしても有害なハロゲン含有ガスが発生することもない。また、耐加水分解性も高いものとなる。
【0062】
また、本発明のフラットケーブルにあっては、このため良好な接着力を発揮し、高い難燃性を有するものとなる。また、ノンハロゲンであるので焼却処分をしても有害なハロゲン含有ガスが発生することもない。さらに、電気特性の低下が少ないものにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるフラットケーブルの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・基材フィルム、2・・・接着剤層。
Claims (5)
- グリシジルメタクリレートとエチレンをモノマーとして有するコポリマーとポリエステル樹脂を含むベースポリマーに、ノンハロゲン系難燃剤を配合してなる難燃性接着混和物。
- ベースポリマーが、コポリマー1〜50重量部とポリエステル樹脂50〜99重量部を含む請求項1記載の難燃性接着混和物。
- ノンハロゲン系難燃剤が、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムと窒素含有有機難燃剤を含む混合物である請求項1または2記載の難燃性接着混和物。
- ベースポリマー100重量部と、水酸化マグネシウム20〜200重量部と、水酸化アルミニウム20〜200重量部と、窒素含有有機難燃剤15〜150重量部を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の難燃性接着混和物。
- 基材フィルムの表面に接着剤層を形成した接着フィルムで導体を挟み、この接着フィルムを接着してなるフラットケーブルにおいて、上記接着剤層を、請求項1ないし4のいずれかに記載の難燃性接着混和物で構成したことを特徴とするフラットケーブル。
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