JP2004189903A - 生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】融点が160℃以下の脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対し、水分量が5重量%以下の有機物系充填剤30〜1,000重量部、滑剤0.01〜7重量部および/または可塑剤1〜50重量部を配合する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性を有する木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物に関する。詳しくは、押出成形や射出成形、ブロー成形、カレンダー成形などによって容易に溶融成形が可能で、その成形材料は、例えば育苗ポットなどの園芸用品や、ゴルフテイなどのレジャー用品などの広い分野に使用でき、かつ微生物により分解される、生分解性木質脂肪族ポリステル樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミドなどに代表されるプラスチックが、生活必需品から工業製品に到るまで広く用いられている。
近年、ごみ問題などの環境保護の立場から、プラスチックの再利用が叫ばれるとともに、再利用が不可能な分野において、生分解性プラスチックの利用が社会的に強く要求されている。
【0003】
これまでにも、コストダウンや物性改良、環境低負荷を目的に、生分解性樹脂に木粉を加える手法がとられている。例えば、特開2000−129143号公報(特許文献1)には、生分解性樹脂に木粉などを配合した材料の記載があり、生分解性樹脂/木粉からなる組成物が注目されている。しかしながら、従来技術においては、木粉を含むコンパウンドの製造、成形においては、木粉中の水分を除去する必要があり、製造、成形加工時に大きな負担がかかる。乾燥工程を省くと、水分が蒸発、発泡し、形状の整ったペレットや成形品が得られない。さらには、木粉は、150℃以上の温度がかかると、色調が著しく変化する問題がある。
特開2002−97358号公報(特許文献2)には、乾燥工程を省いて、生分解性樹脂/木粉からなる組成物を製造する方法が開示されているが、木粉を樹脂100重量部に対して200重量部を超えて溶融混練すると製品が得られない。また、200重量部以下の場合、乾燥工程を省くことができるが優れた製品が得られないという問題がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−129143号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開2002−97358号公報(特許請求の範囲、「0011」)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のごとき従来技術の問題点を解決し、機械的性能、生分解性、成形加工性に優れ、さらには意匠性の優れた木質感が得られる生分解性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、融点が160以下℃の脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対し、水分量が5重量%以下の有機物系充填剤30〜1,000重量部、滑剤0.01〜7重量部および/または可塑剤1〜50重量部を配合したことを特徴とする生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物である。
ここで、本発明の生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物から得られる成形品の曲げ弾性率は、1,500MPa以上であることが好ましい。
また、本発明の組成物に、食用色素および/または無機着色剤を配合することにより、着色された生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物が得られる。
さらに、本発明の生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、170℃以下の温度で溶融混練りし、ペレット化することにより、ペレット状コンパウンドとして使用することができる。
次に、本発明は、パウダー状および/またはペレット状の上記生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物を、170℃以下の成形温度で成形加工することを特徴とする上記生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形加工方法に関る。
ここで、2色以上の、着色されたペレット状の本発明の生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物を溶融成形することにより、成形品に木目模様またはマーブル模様を付すこともできる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、脂肪族ポリエステル樹脂と水分量が5重量%以下の木粉などの有機物系充填剤との配合物に対し、特定の滑剤、可塑剤を添加することによって、多量の木粉を配合することが可能となり、また、少量の木粉などの有機物系充填剤を配合した場合は、安定して高吐出量の製造が可能となり、170℃以下、好ましくは、150℃以下、より好ましくは130℃以下、特に好ましくは、120℃の温度で混練、かつ異形押出し、射出成形、ブロー成形などのあらゆる成形方法に対応でき、成形品にも発泡現象が起こらず、さらには木材調の風合いの成形品が得られる。
【0008】
本発明における脂肪族ポリエステルは、一般的に市販されているものを用いることができる。例えば、昭和高分子(株)より販売されている商品名ビオノーレなどが挙げられるが、用途や特性に応じた樹脂、例えばポリカプロラクトンなどを任意に選定することができる。工業的には、脂肪族ジカルボン酸と過剰のジオールを出発原料として、脱水重縮合反応および脱ジオール反応によって合成されるものが挙げられる。このような脂肪族ポリエステルとしては、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペートが一般的であり、各種高分子量タイプが工業生産されている。
【0009】
本発明に好適に用いられる脂肪族ポリエステルとしては、ポリブチレンサクシネート(コハク酸と1,4−ブタンジオールの2元系縮合物)、ポリブチレンサクシネートアジペート(コハク酸およびアジピン酸、ならびに1,4−ブタンジオールの3元系縮合物)が挙げられる。そのほか、1,4−ブタンジオールやエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサメチレンジメタノールなどの脂肪族ジオールや脂肪族多価アルコールと、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などのジカルボン酸や脂肪族多価アルコールを重縮合して得られる脂肪族ポリエステルなどを用いることもできる。
上記の脂肪族ポリエステルには、生分解性を損なわない範囲で、機能性の改質を目的とし、イソシアネート基、ウレタン基といった反応基を構造中に導入したり、ポリ乳酸や脂肪族ポリエステルカーボネートとの共重合体を導入することも可能である。
【0010】
本発明に使用される脂肪族ポリエステルの融点は、160℃以下、好ましくは55℃〜160℃の範囲に限定される。160℃を超えると、ペレットの製造性や成形加工性が悪くなる。一方、55℃未満である場合、成形品の耐熱性は低く、目的の熱変形温度の成形品を得られなくなり好ましくない。
【0011】
次に、本発明において、水分量が5重量%以下の有機物系充填剤としては、有機物系の充填剤であれば特に限定されないが、例えば、木粉、籾殻粉、精製パルプ、ワラ、紙、綿、レーヨン、スフ、セルロースおよびヤシがら粉、さらには、これらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤および脂肪酸(金属塩)の群から選ばれた少なくとも1種の表面処理剤で加工を施したもの、あるいは、これらに少量の白色無機顔料を含有させた有機物系充填剤などが挙げられる。上記有機物系充填剤は、本発明の生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物に木質感を与える添加剤である。
有機物系充填剤の水分量は5重量%以下であり、好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下、特に好ましくは、1重量%以下である。水分量が5重量%を超えると、有機物系充填剤が155重量部を超えて、200重量部以下で配合した場合、若干の発泡現象が生じ、200重量部を超えて配合した場合、発泡現象が生じる。また、有機物系充填剤を200重量部以下で配合した場合、生産性(吐出量)が悪くなるという問題がある。
【0012】
有機物系充填剤の水分量を5重量%以下に調整するため、木粉を単独で乾燥する場合には熱風乾燥機、真空乾燥機、加熱及び真空乾燥機を組み合わせた装置などが挙げられる。
【0013】
この水分量が5重量%以下の有機物系充填剤の添加量は、上記脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対し、30〜1,000重量部である。木質感やコストメリット、成形性、機械的性質等を考慮すると、好ましくは30〜700重量部、さらに好ましくは30〜600重量部、特に好ましくは200重量部を超え600重量部以下である。30重量部未満では、目的とする木質感や機械的性質が得られなくなり、一方、1,000重量部を超えると、ペレットの製造性や成形加工性が困難になる。
【0014】
次に、本発明に用いられる滑剤としては、融点が120℃以下のものが好ましい。滑剤としては、とりわけ、生分解性を有するものが好ましく、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、脂肪酸ワックス、グリコール脂肪酸エステルワックス、グリセリン脂肪酸エステルワックス、脂肪酸エステルワックス、クエン酸エステルワックス、モンタン酸エステルワックス、モンタン酸部分ケン化エステルワックス、ジペンタエリスルトールエステルワックスなどが挙げられる。
【0015】
また、可塑剤としては、合成樹脂の可塑剤として使用されるものであれば全て使用可能であるが、生分解を目的とした用途には生分解し易く、脂肪族ポリエステル樹脂に相溶性を有する可塑剤を限定して使用するのが好ましい。特に好ましい可塑剤としては、グリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸エステル、クエン酸エステルなどが挙げられる。
【0016】
本発明において、上記滑剤を1種もしくは2種以上、および/または、上記可塑剤を1種もしくは2種以上添加する。これらの添加量は、上記脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対し、滑剤については、0.01〜7重量部、可塑剤については1〜50重量部である。成形性、機械的性質を考慮すると、これらの添加量は、滑剤については0.05〜4重量部、可塑剤については5〜30重量部が好ましい。滑剤または可塑剤が所定重量部未満であると、170℃以下でのペレット製造および成形加工が困難であり、本発明の効果が得られない。一方、所定重量部を超えると、ブルーム、ブリードの問題があるだけではなく、成形加工性、機械的性質の悪化を招く。
【0017】
本発明の樹脂組成物に使用される着色剤は、合成樹脂の着色剤として使用されるものであれば全て使用可能であるが、生分解を目的とした用途には、分解した後、着色剤だけが残ったとき毒性の低いものが好ましい。特に好ましい着色剤としては、食用色素や、無機顔料を着色剤として添加する。
食用色素としては、食用赤色2号、同3号、同40号、食用黄色4号、同5号、食用緑色3号、食用青色1号、同2号などのアルミニウムレーキ顔料などが使用できる。
また、無機顔料としては、酸化チタン、べんがら、群青などが使用できる。
これらの着色剤は、1色でも良いが、2色以上を組合わせて使用することも可能である。
着色剤の使用量は、上記脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対し、好ましくは0.1〜50重量部、さらに好ましくは0.5〜20重量部程度である。
【0018】
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲において、任意に、本発明の組成物へ他の高分子材料を含める有機、無機充填物質を添加することも可能である。本発明の組成物は、特に生分解性を特徴とするものであるため、任意に添加される高分子材料、有機添加剤は生分解性特性を有するか自然界に対し無害なものを使用するのが好ましい。例えば、無機充填材としては、天然鉱石由来の炭酸カルシウム、タルク、マイカ、珪酸カルシウム、シリカなどのほか、硫酸バリウム、金属粉などの特殊な充填材を使用することが可能である。
【0019】
本発明の組成物は、好ましくは170℃以下、さらに好ましくは80〜125℃、特に好ましくは90〜120℃の温度で溶融混練りすることができ、通常の2次加工原料形態であるペレット状コンパウンドとして使用することができる。
樹脂に各種充填材を混合させる場合には、ペレット状コンパウンドが特に望ましい。なぜならば、ペレット加工することによって、各種成分を均一に予備分散ならしめ、成形安定性を得ることができる。
また、本発明の組成物は、ペレットコンパウンドに限定されず、配合物をブレンドして得られるパウダー状の混合物も、好ましくは170℃以下、さらに好ましくは80〜125℃、特に好ましくは90〜120℃の成形温度で成形加工することも可能である。
【0020】
本発明の組成物は、成形するとき、各成形機で溶融され、異形押出を含む押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形、真空成形、エンボス成形など各種成形機による成形加工が可能である。
また、2色以上のペレット状の着色された組成物を配合し混合して、成形加工することにより、木目模様やマーブル模様を表現した成形品を得ることができる。
【0021】
ペレット状コンパウンドの加工において用いられる混合機としては、予備分散、分配、拡散混合を目的とするブレンダーが予備混合機として用いられる。ブレンダーの代表例としては、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー(スーパーミキサー)、タンブルミキサー(タンブラミキサー、ドラムタンブラミキサー)、エアーブレンダーなどが挙げられる。これらの予備混合機は、充填される可塑剤や副資材の形態や拡散レベルに応じて選定される。
【0022】
混合方法としては、配合物を一括投入して混合する方法、配合物の投入に時間差を設けて投入して混合混合する方法がある。時間差を設けて投入する場合は、有機物系充填剤を先に投入し、その後、脂肪族ポリエステル樹脂、滑剤、および/または、可塑剤を投入する方法、あるいは、脂肪族ポリエステル樹脂、有機物系充填剤、滑剤および/または可塑剤の順に投入する方法がある。
また、混合の際は、温度管理を、低温(0℃未満)、常温(0℃〜40℃未満)、加温(40℃〜150℃以下)することによって分散状態を調整することができる。
例えば、加温状態で機械的粉砕処理においては、その初期に有機物系充填剤は微粉末化し、さらに減容化する。また、粉砕の摩擦熱によって温度上昇が起こる。
同時に、木粉などの有機物系充填剤に含まれる水分の水分量を5重量%以下まで蒸発させ乾燥することができる。必要に応じ粉砕装置を外部から加熱熱媒体や蒸気などにより加熱し、100〜150℃の範囲の温度において機械的粉砕処理を行うと、脂肪族ポリエステル樹脂が可塑化し、軟化または溶融して、木粉などの有機物系充填剤の表面に脂肪族ポリエステル樹脂がコーティングされるので、その後の取り扱いが容易となる。
複合化完了までの時間は、その際の温度や機械的エネルギーの量により左右されるが、通常は20〜120分間程度である。このようにして得た複合体を、100℃以下までかき混ぜながら冷却すれば、顆粒状態にすることができるので、そのまま成形に用いたり、コンパウンド化することができる。この際の顆粒のサイズは撹拌翼の形状、回転数、冷却条件などにより制御可能である。
混合前、もしくは混合中に、組成物中、主に有機物系充填剤中に含まれる水分量を所定量以下(水分量=5重量%以下)に調整し、かつ、特定の配合、特定の配合割合の組成物を混合することで、有機物系充填剤を多量に配合することができ、かつ、少量の有機物系充填剤を配合する場合は、生産性が改善される。
【0023】
次に、溶融混練機であるが、一般的には単軸、二軸押し出し機、バンバリー式、ロール式などが挙げられる。これらも、組成物の形態や目的、生産性に応じて選定し、溶融混練することにより、ペレット状の原料(ペレットコンパウンド)を製造することが可能である。
単軸、二軸押し出し機を用いる場合は、押し出し機にサイドフィーダ(縦型、横型)を取り付けて、サイドフィーダから、脂肪族ポリエステル樹脂あるいは有機物系充填剤を移送して混合することができる。
また、溶融混練物を、ペレット形状にする方法として、溶融した樹脂組成物をダイスから紐状に押し出し、水冷および/または空冷後、ストランドカッターによってペレットを作製するストランド法や、溶融した樹脂組成物をダイスから紐状に押し出しながら、ダイスカッターにてペレットを作成するホットカット法などがある。本発明については、いずれの方法をとることもできる。特に、作業性の良いホットカット法が可能であることも優れた効果である。
【0024】
本発明の組成物は、あらゆる成形方法に対応できる。代表的な射出成形、押出成形などの成形機は、通常使用される一般的な仕様のものが採用できる。また、従来技術では、ペレットコンパウンドまたはパウダー状の配合物は、水分を吸湿するため、成形前に乾燥工程が必要であるが、本発明においては、その必要が無く、ここでの作業性も大幅に改善される。
例えば、射出成形の場合、一般的な射出成形機を使用することが可能である。
一般的に、ペレット状コンパウンドを用いると、成形品の仕上りが良好であり、物理的性能も安定する。
このように、本発明の組成物は、用途に応じて成形方法を選択することができる。
【0025】
以上のようにして得られる本発明の生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物からなる成形品の曲げ弾性率は、好ましくは1,500MPa以上、さらに好ましくは1,600〜5,000MPaである。この曲げ弾性率は、例えば木粉などの有機物系充填剤の添加量、可塑剤や脂肪族ポリエステル樹脂の種類により、容易に調整することができる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例中の部および%は、特に断らない限り重量部および重量%である。
【0027】
<試料>
脂肪族ポリエステル樹脂として、昭和高分子株式会社製の商品名ビオノーレ#3020と#3001(いずれも、融点95℃、ポリブチレンサクシネートアジペート)を用いた。
また、脂肪族ポリエステル樹脂として、ダイセル化学工業社製の商品名セルグリーンPH5(融点60℃、ポリカプロラクトン)を用いた。
有機物系充填剤として、大林工業製の木粉商品名120M(平均粒径=75μm)を用いた。乾燥工程(乾燥条件:120℃で、15分間乾燥)後の水分量は2%以下である。
滑剤として、堺化学(株)製のポリエチレンワックス商品名LBT−77(融点75℃)、クラリアントジャパン(株)製のモンタン酸部分ケン化エステル商品名リコワックスOP(融点75℃)を用いた。色素として、酸化チタン、黄色2号アルミニウムレーキ、赤色3号アルミニウムレーキ、青色2号アルミニウムレーキを使用した。可塑剤として、〔GTA(トリアセチン)〕を用いた。
【0028】
<試料作成方法>
予備混合機として、タンブラミキサーを用いて、樹脂、木粉、滑剤もしくは可塑剤を所定の割合で混合し攪拌操作を行った。混練機として、スクリュー径65mm異方向2軸押出機を用いて、シリンダー設定温度50〜130℃で溶融混練を行った。溶融した樹脂組成物をダイスから紐状に押し出しながら、ダイスカッターにてペレットを作成するホットカット法によって、ペレットコンパウンドを作製した。
【0029】
<ペレット製造性>
混練機を用いた溶融混練作業中の組成物の溶融の均一性、混練機稼働モータの負荷の大きさおよび吐出量、ペレットの外観を評価した。評価基準は、下記のとおりである。
溶融性
最良:組成物の溶融混練りが非常に均一である状態
良好:組成物の溶融混練りが均一である状態
普通:混練組成物に若干溶融不良が存在するが、成形加工できる状態
不良:組成物が不均一に溶融もしくは未溶融で、成形加工できない状態
モータの負荷および吐出量
最良:2軸押出機のモータ負荷が50A未満で安定し、50kg/h以上の吐出が安定して得られる状態
良好:2軸押出機のモータ負荷が60A未満で安定し、40kg/h以上の吐出が安定して得られる状態
不良:吐出量が40kg/h未満となり、製造性が悪い状態
不可:2軸押出機のモーター負荷が60A以上で、製造不可能である状態
ペレットの外観
良好:ペレット形状が均一で、発泡が見られない状態
良 :ペレット形状が均一であるが、若干の発泡が見られる状態
不良:ペレット形状が不均一か、または、発泡現象が起こるなどの不具合がある状態
【0030】
<射出成形加工性>
射出成形は、型締め圧力80tの射出成形機を用い、シリンダー設定温度80℃〜120℃とし、金型設定温度40℃にて成形を行った。フィルムゲート式のプレート(幅6×長さ6×厚み0.3cm)によって、成形時の作業性、得られた成形品外観を評価した。評価基準を下記に示す。
作業性
良好:射出圧力が最大圧力に対し、80%設定未満。
不良:射出圧力が80%設定以上を有し、スクリューへの負荷が高く、計量が不安定な状態、または組成物から可塑剤、滑剤が分離する場合。
成形品外観
良好:目視で、成形品表面に特に異常が見られない場合。
良 :目視で、若干の発泡現象が確認されたが、成形品が得られた。
不良:目視で、発泡現象が確認されたり、成形品表面が着色したり、フラッシュマーク、艶ムラ、ブツがある場合。
【0031】
<押出成形加工性>
押出成形は、20mm単軸押出し機を用い、シリンダー設定温度80℃〜120℃、テープ状ダイスを用いて、スクリュー回転30rpmで押出し、作業性、成形品外観について評価を行った。評価基準を下記に示す。
作業性
良好:押出負荷(トルク)が、5kg/cm2より低い場合
不良:押出負荷(トルク)が、5kg/cm2以上の場合
成形品外観
良好:目視で、成形品表面に特に異常が見られない場合。
良 :目視で、若干の発泡現象が確認されたが、成形品が得られた。
不良:目視で、成形品に発泡現象が見られる、表面に溶融ムラ、メルトフラクチャーがある場合。
【0032】
<ブリード、ブルームアウトの評価>
幅6×長さ6×厚さ0.3cmフィルムゲート式のプレートを用い、温度40℃、相対湿度90%RH中で1週間放置し、プレート表面への滑剤のブルームアウト、可塑剤のブリードアウトの有無を目視で行った。
【0033】
<物性試験>
射出成形した試験片を25℃、50%RH中にて24時間調整し、以下の規格に準じて測定を行った。
曲げ試験は、1/4インチ試験片を用いて、ASTM D792に準拠して測定を行った。
【0034】
実施例1〜5
乾燥木粉120Mを、「ビオノーレ#3020」100部に対して、250部、500部、800部、あるいは100部配合し、滑剤および可塑剤、着色剤を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。(混合条件:室温(20℃)〜120℃、回転数:200〜1000rpm、10〜30分間)配合処方を表1に示す。
溶融混練機としては、スクリュー径65mmの異方向2軸押出機を用い、シリンダー温度100℃に設定し、溶融混練を行い、ホットカット法によって、ペレットコンパウンドを作製した。
いずれの実施例においても、混練作業性は良好であり、成形品のブリード、ブルームアウトは観察されなかった。また、実施例1、5について射出成形加工性は良好、実施例1〜4について押出成形加工性は良好であった。結果を表1に示す。
【0035】
実施例6〜8
乾燥木粉120Mを、「ビオノーレ#3001」、あるいは「セルグリーンPH5」100部に対して、100部、150部、あるいは300部配合し、滑剤および可塑剤、着色剤を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。(混合条件:室温(20℃)〜120℃、回転数:200〜1000rpm、10〜30分間)配合重処方を表1に示す。
溶融混練機としては、スクリュー径65mmの異方向2軸押出機を用い、シリンダー温度100℃に設定し、溶融混練を行い、ホットカット法によって、ペレットコンパウンドを作製した。
いずれの実施例においても、混練作業性は良好であり、成形品のブリード、ブルームアウトは観察されなかった。また、実施例6,8について押出成形加工性は良好、実施例7,9について射出成形加工性は良好であった。結果を表1に示す。
【0036】
比較例1〜4
木粉120Mと「ビオノーレ#3020」あるいは「ビオノーレ#3001」、その他の添加剤を添加し、タンブラミキサーを用いて混合し、実施例1と同様にペレットを作成し、混練作業性、成形加工性、ブリード、ブルームアウト性、物性を評価した。配合重量部、混練作業性、成形加工性、ブリード、ブルームアウトの評価、物性を表2に示す。
但し、比較例2と比較例4は、未乾燥の木粉120M(水分量:8重量%)を用いた。
比較例1と比較例3は、曲げ弾性率が低く、木材に近い物性が得られなかった。
比較例2と比較例4は、溶融混練時点で負荷がかかりペレットにすることができなかった。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
実施例9
実施例1と2で得られた薄茶と濃茶のペレットを95:5の重量割合で混合し、20mm単軸押出し機を用い、シリンダー設定温度60〜100℃、テープ状ダイスを用いて、スクリュー回転30rpmで押出し成形したところ、木目模様が成形品に表現され、意匠性の高い木質感のある成形品が得られた。
【0040】
実施例10(パウダー成形)
実施例1の配合物を直接20mm単軸押出し機を用い、シリンダー設定温度60〜100℃、テープ状ダイスを用いて、スクリュー回転30rpmで押出し成形した。結果は、ペレット化して成形した実施例1と同じ良好な評価結果を得た。
【0041】
実施例11
スクリュー径65mmの同方向2軸押出機を用い、シリンダー温度140℃に設定し、溶融混練を行ったが、溶融した樹脂を紐状に押し出したが、若干の発泡現象はあったが、ペレット製造は可能であった。
【0042】
実施例12
実施例1にて得られたペレットを用い、型締め圧力80tの射出成形機を用い、シリンダー設定温度140℃にし、金型設定温度40℃にて成形を行ったが、良好な成形品が得られた。
【0043】
実施例13
実施例1にて得られたペレットを用い、20mm単軸押出し機を用い、シリンダー設定温度140℃にし、テープ状ダイスを用いて、スクリュー回転30rpmで押出成形したが、成形品に若干の発泡現象はあったが、成形品はできた。
【0044】
比較例5
木粉120Mをポリ乳酸(融点170℃)100部に対して100部配合し、滑剤リコワックスOPを1部添加し、タンブラミキサーを用いて混合した。
溶融混練機としては、スクリュー径65mmの異方向2軸押出機を用い、シリンダー温度170℃に設定し、溶融混練を行ったが、溶融した樹脂を紐状に押し出したが、発泡現象が起こり、ペレット製造が不可能であった。
【0045】
比較例6
木粉120Mをポリ乳酸(融点170℃)100部に対して100部配合し、滑剤リコワックスOPを1部添加し、タンブラミキサーを用いて混合した。
溶融混練機としては、スクリュー径65mmの異方向2軸押出機を用い、シリンダー温度130℃に設定し、溶融混練を試みたが、樹脂が溶融せず、ペレット製造が不可能であった。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、配合組成物の乾燥工程が不要であり、ペレット製造時にホットカットが可能であり、170℃以下の低温度で製造可能であるので、作業性が非常に優れている。また、成形加工温度を170℃以下で行うことが可能な組成物であり、得られた成形品に発泡現象が現れず、木質感の高い、高意匠性の成形品を製造することが可能な生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物とその製造方法が提供される。
Claims (6)
- 融点が160℃以下の脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対し、水分量が5重量%以下の有機物系充填剤30〜1,000重量部、滑剤0.01〜7重量部および/または可塑剤1〜50重量部を配合したことを特徴とする生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
- 成形品の曲げ弾性率が1,500MPa以上である請求項1記載の生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
- 食用色素および/または無機着色剤を配合した請求項1〜2いずれか1項記載の生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
- 170℃以下で溶融混練りし、ペレット化された請求項1〜3いずれか1項記載の生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
- パウダー状および/またはペレット状の生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物を、170℃以下の成形温度で成形加工することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形加工方法。
- 2色以上の、着色されたペレット状の組成物を、溶融成形することにより、成形品に木目模様またはマーブル模様を付すことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の生分解性木質脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形加工方法。
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-
2002
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