JP2004190264A - 伸縮装置の故障検知システム及び伸縮装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】交通規制を行うことなく、走行する点検車両から伸縮装置の故障を検出できる伸縮装置の故障検知システム及び伸縮装置を提供する。
【解決手段】点検車両1が橋梁3上を走行する際に、モニタ装置2のアンテナ27から第1周波数の電磁波を輻射し、伸縮装置4に設けられている検知装置5が、第1周波数の電磁波を受波し、この電磁波のエネルギーによって駆動する。さらに、検知装置5によって、伸縮装置4の所定部分の振動数が検出されて検出結果が第2周波数の電磁波を用いて送信される。検知結果を受信したモニタ装置2は、この検知結果に基づいて、伸縮装置4の故障を検出する。従って、橋梁3上で点検車両1を走行させている間に各伸縮装置4の故障検出をおこなうことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】点検車両1が橋梁3上を走行する際に、モニタ装置2のアンテナ27から第1周波数の電磁波を輻射し、伸縮装置4に設けられている検知装置5が、第1周波数の電磁波を受波し、この電磁波のエネルギーによって駆動する。さらに、検知装置5によって、伸縮装置4の所定部分の振動数が検出されて検出結果が第2周波数の電磁波を用いて送信される。検知結果を受信したモニタ装置2は、この検知結果に基づいて、伸縮装置4の故障を検出する。従って、橋梁3上で点検車両1を走行させている間に各伸縮装置4の故障検出をおこなうことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸縮装置の故障検知システム及び伸縮装置に関し、特に橋梁などの繋ぎ目部分に用いる伸縮装置の故障検知システム及び伸縮装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、橋梁の建設は、橋脚などの下部構造の上に橋桁などの上部構造を建設し、この橋桁間を伸縮装置によって連結した構造となっており、上部構造は、車両荷重、交通振動、温度変化などで変形・伸縮し、下部構造も地震などで変位する。
【0003】
このため、周囲の温度変化による橋桁の伸縮による歪みを吸収するするために、例えば実開昭60−76106号公報に開示されるような伸縮装置が用いられている。
【0004】
この伸縮装置は、2つの橋桁のそれぞれに固定される部材間をゴム等の伸縮部材によって連結するものであり、この伸縮装置をクッション材として前述した変化によって起きる歪みを吸収し、構造物の損傷を防いでいる。
【0005】
また、このような伸縮装置は半永久的に使用できるものではなく、磨耗や劣化を生じるため、定期的な人手による見回りを行い、損傷等を生じている伸縮装置は交換される。
【0006】
また、定期的な人手による見回りを不要とするための異常診断装置が特開2002−257625号公報に開示されている。
【0007】
【特許文献1】実開昭60−76106号公報
【特許文献2】特開2002−257625号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、橋梁等の構造物に使用される伸縮装置は、経年劣化や環境条件、車両走行に伴う繰り返し負荷等により劣化し、摩耗、亀裂腐食等の故障が生じる。これらの故障の進行は構成部材の強度低下を誘発し、最終的には装置破損に至り、通行車両が被災するなどの2次災害が発生する恐れもある。
【0009】
また、ゴム製の伸縮装置は、車両の通過に伴うタイヤとの接触により摩耗が進行する。荷重支持鋼板がゴムに被覆されたタイプの伸縮装置ではゴムの摩耗により荷重支持鋼板が露出すると、荷重支持鋼板が腐食する。この荷重支持鋼板の腐食は、荷重支持鋼板とゴムとの剥離を誘発し、最終的には荷重支持鋼板が分離したり、飛散したりするに至り、第3者に被害を及ぼす災害が発生する恐れがある。また、路面側ゴムの摩耗により、伸縮装置の表面と橋桁の舗装面との間に過度の段差が発生することもある。
【0010】
従来は上記災害の発生防止のために、目視にて点検が実施されており、詳細点検を実施するためには交通規制が必要である。また、装置内部に発生している故障の発見は難しく、故障発生を発見できないために、2次災害を予防できないこともある。さらに、荷重支持鋼板が露出する前に補修することが必要であるが、ゴムの被覆厚を判断することは困難なことである。
【0011】
また、伸縮装置内部に発生している漏水の発見は難しく、漏水発生を発見できないがために、2次災害を予防できない事例が発生している。
【0012】
また、ボルト或いはナットにて路面より締結するタイプの鋼製及びゴム製の伸縮装置は、車両通過に伴う繰り返し負荷、振動等によりボルト或いはナットに緩みが生じることがある。緩みにより伸縮装置本体は振動、バタツキを起こすようになると、さらに緩みはひどくなり、ボルト或いはナットは脱落、最終的には本体が脱落、飛散し、第3者に被害を及ぼす災害が発生する恐れがある。
【0013】
このようなタイプの伸縮装置の場合、従来は目視点検やハンマーによる打音点検が実施されている。しかし、点検を実施するためには交通規制が必要であることはもちろんのこと、異常打音の判定基準は別途製作したサンプルにて決められ、人間の聴覚によるもので、点検者には個人差が必然的に生じてくる。
【0014】
さらに、伸縮装置を橋桁に固定するための後打ちコンクリートが、経年劣化や環境条件、車両通過に伴う繰り返し負荷等により劣化し、亀裂、欠け等の損傷が発生する場合がある。後打ちコンクリートの損傷により伸縮装置側面へ雨水等が浸水し、伸縮装置が腐食していく場合がある。このような腐食の進行は鋼製部材の強度低下を誘発し、最終的には伸縮装置の破損に至り、第3者に被害を及ぼす災害が発生する恐れがある。
【0015】
このような後打ちコンクリートの点検も目視にて実施されており、詳細点検を実施するためには交通規制が必要である。後打ちコンクリートに発生している亀裂の深さ等の推測は困難である。
【0016】
また、上記従来例の特開2002−257625号公報に開示されている異常診断装置は装置設備にコストがかかりすぎて実用的ではない。
【0017】
本発明の目的は上記の問題点に鑑み、交通規制を行うことなく、走行する点検車両から伸縮装置の故障を検出できる伸縮装置の故障検知システム及び伸縮装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために、橋梁の繋ぎ目部分に設けられた伸縮装置の故障を前記橋梁上を走行する点検車両から検知する伸縮装置の故障検知システムであって、前記伸縮装置或いは前記伸縮装置の近傍の少なくとも何れか一方に設けられた検知装置と、前記点検車両に設けられたモニタ装置とを備え、前記検知装置は、第1周波数の電磁波を受波し、該電磁波のエネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換手段と、前記電気エネルギーによって動作し、周囲の所定物理量を検出して該検出した物理量に対応する電気信号を出力するセンサ部と、前記電気エネルギーによって動作し、前記センサ部から出力される電気信号に基づいて前記物理量の検出結果を検知情報として第2周波数の電磁波を用いて送信する送信手段とを備え、前記モニタ装置は、前記第1周波数の電磁波を輻射する電磁波輻射手段と、前記第2周波数の電磁波を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した電磁波から前記検知情報を検出する手段と、前記検知情報に基づいて、前記伸縮装置の故障を検出する故障検出手段とを備えている伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0019】
本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、点検車両が橋梁上を走行する際に、モニタ装置の電磁波輻射手段から第1周波数の電磁波が輻射されると、伸縮装置に設けられている検知装置は、前記第1周波数の電磁波を受波し、該電磁波のエネルギーをエネルギー変換手段によって電気エネルギーに変換し、検知装置は、この電気エネルギーによって動作する。
【0020】
さらに、検知装置のセンサ部によって、周囲の所定物理量が検出されて該検出された物理量に対応する電気信号が出力され、送信手段によって、センサ部から出力される電気信号に基づいて前記物理量の検出結果が検知情報として第2周波数の電磁波を用いて送信される。
【0021】
また、モニタ装置は、受信手段によって、検知装置から送信された第2周波数の電磁波を受信し、受信した電磁波から検知情報を検出し、この検知情報に基づいて、故障検出手段により前記伸縮装置の故障を検出する。
【0022】
従って、橋梁上で点検車両を走行させている間に各伸縮装置の故障検出をおこなうことができる。
【0023】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記検知装置のセンサ部は、前記伸縮装置の所定部分に設けられ、前記所定部分の歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度、電気抵抗値のうちの何れかを前記物理量として検知する伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0024】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、前記物理量として、所定部分の歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度、電気抵抗値が検出される。
【0025】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記モニタ装置は、前記伸縮装置に異常がない状態で使用されているときの、定常状態及び非定常状態のそれぞれにおける前記検出結果を基準値として記憶している基準値記憶手段を有し、前記故障検出手段は、前記基準値と前記検出結果とを比較することにより故障を検出する故障検出手段を有する伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0026】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、モニタ装置における基準値記憶手段に、伸縮装置に異常がない状態で使用されているときの、定常状態及び非定常状態のそれぞれにおける前記検出結果が基準値として記憶されており、故障検出手段によって、前記基準値と前記検出結果とが比較されて伸縮装置の故障が検出される。
【0027】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記モニタ装置の電磁波輻射手段は、駆動開始後に、所定の時間間隔T1で所定時間t1だけ前記第1周波数の電磁波を輻射する伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0028】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、モニタ装置の電磁波輻射手段によって、所定の時間間隔T1で所定時間t1だけ第1周波数の電磁波が輻射される。これにより、検知装置が検出範囲内、例えば、モニタ装置から輻射される電磁波を受信でき且つ前記時間t1で駆動に十分なエネルギーを取得できる範囲内に存在する場合は、モニタ装置は前記時間間隔T1毎に検出結果を受信することができる。
【0029】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記検知装置は、前記電気エネルギーが供給されて駆動している間に、前記検出結果を複数回送信する伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0030】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、モニタ装置は前記時間間隔T1毎に検出結果を複数回受信することが可能になるので、検知装置から送信される検知結果を確実に受信可能になる。
【0031】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記第1周波数と前記第2周波数は同一周波数に設定されている伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0032】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、第1周波数と第2周波数が同一周波数に設定され、モニタ装置と検知装置との間の通信が1つの周波数を用いて行われる。
【0033】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記第1周波数と前記第2周波数は互いに異なる周波数に設定されており、前記モニタ装置の電磁波輻射手段は、駆動開始後に、連続して前記第1周波数の電磁波を輻射する手段を有し、前記検知装置は、前記電気エネルギーが供給されて駆動している間、所定の時間間隔T2で前記検出結果を送信する伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0034】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、モニタ装置の電磁波輻射手段によって連続して電磁波が輻射される。これにより、検知装置が検出範囲内、例えば、モニタ装置から輻射される第1周波数の電磁波を受信でき且つ駆動に十分なエネルギーを取得できる範囲内に存在する場合は、モニタ装置は前記時間間隔T2で検出結果を受信することができる。
【0035】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、少なくとも前記検知装置のセンサ部は、前記伸縮装置を前記橋梁に固定する固定部材内に埋設され、前記固定部材の、歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度、電気抵抗値のうちの何れかを前記物理量として検知する伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0036】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、少なくとも検知装置のセンサ部が、伸縮装置を橋梁に固定する固定部材内、例えば伸縮装置を橋梁に固定する後打ちコンクリート内に埋設され、この固定部材の、歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度、電気抵抗値のうちの何れかが物理量として検知される。これにより、固定部材の劣化や破損を検出することができ、固定部材の劣化や破損によって引き起こされる伸縮装置の故障発生を未然に防ぐことが可能になる。
【0037】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記固定部材がコンクリートである伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0038】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、前記固定部材が上記のような後打ちコンクリートであり、少なくとも検知装置のセンサ部がこのコンクリート内に埋設される。
【0039】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記伸縮装置は前記検知装置を複数個備え、各検知装置は、個々に固有の識別情報を記憶している識別情報記憶手段を有すると共に、前記検知装置の送信手段は、前記検出結果と共に前記識別情報を送信する手段を有する伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0040】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、1つの伸縮装置に複数個の検知装置が設けられ、各検知装置によって検出結果と共に識別情報が送信される。これにより、モニタ装置はこれらの検知装置を個々に固有の識別情報によって識別可能となる。
【0041】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記センサ部は、振動センサを有し、周囲の所定時間内の振動数を前記物理量として検出して該検出した物理量に対応する電気信号を出力する伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0042】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、センサ部の振動センサによって伸縮装置の所定部位の振動数が検出され、この振動数が検出結果として送信される。伸縮装置に部分的な異常、例えば亀裂や、破損、腐食、剥がれ、欠け等の異常が発生した場合、その振動数が大きく変化するため、振動数の変化を検出することにより伸縮装置の故障を検知することができる。
【0043】
また、本発明は、上記の目的を達成するために、上記システムで使用可能な伸縮装置として、橋梁の繋ぎ目部分に設けられる伸縮装置であって、第1周波数の電磁波を受波し、該電磁波のエネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換手段と、前記電気エネルギーによって動作し、周囲の所定物理量を検出して該検出した物理量に対応する電気信号を出力するセンサ部と、前記電気エネルギーによって動作し、前記センサ部から出力される電気信号に基づいて前記物理量の検出結果を検知情報として第2周波数の電磁波を用いて送信する送信手段とを有する検知装置を備えている伸縮装置を提案する。
【0044】
本発明の伸縮装置は検知装置を備え、該検知装置は受波した第1周波数の電磁波のエネルギーを電気エネルギーに変換して、該電気エネルギーによって動作する。また、伸縮装置に故障や破損或いは亀裂等が生じたときに、これに伴って変化する物理量が検知装置のセンサ部によって検出され、前記物理量の検出結果が検知情報として第2周波数の電磁波を用いて送信手段によって送信される。
【0045】
従って、伸縮装置の外部から前記第1周波数の電磁波を検知装置に向けて輻射することにより検知装置を駆動させることができ、検知装置から送信される第2周波数の電磁波を受信することにより前記物理量の検出結果を取得することで、この検出結果に基づいて伸縮装置の故障を検知することができる。
【0046】
また、本発明は、上記伸縮装置において、前記検知装置は、前記電気エネルギーが供給されて駆動している間、所定の時間間隔T2で前記検出結果を複数回送信する伸縮装置を提案する。
【0047】
上記本発明の伸縮装置では、前記検知装置に前記電気エネルギーが供給されて検知装置が駆動している間、検知装置によって所定の時間間隔T2で検出結果が複数回送信される。
【0048】
また、本発明は上記伸縮装置において、前記センサ部は、前記伸縮装置の所定部分に設けられ、前記所定部分の歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度、電気抵抗値の内の何れかを前記物理量として検知する伸縮装置を提案する。
【0049】
上記本発明の伸縮装置では、前記物理量として、所定部分の歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度、電気抵抗値が検出される。
【0050】
また、本発明は、上記伸縮装置において、前記検知装置のセンサ部は、前記伸縮装置を構成するゴム部材に埋設され、前記ゴム部材の、歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度のうちの何れかを前記物理量として検知する伸縮装置を提案する。
【0051】
上記本発明の伸縮装置では、検知装置のセンサ部によって伸縮装置のゴム部材の歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度のうちの何れかが検出され、この検出結果が送信される。伸縮装置のゴム部材に部分的な異常、例えば亀裂や、破損、腐食、剥がれ、欠け等の異常が発生した場合、その歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度のうちの何れかが大きく変化するため、これの変化を検出することにより伸縮装置の故障を検知することができる。
【0052】
また、本発明は、上記伸縮装置において、前記検知装置のセンサ部は、前記伸縮装置を構成する金属製のアンカーバー或いはアンカーバーに連結されている金属部材のうちの少なくとも何れか一方に装着され、前記アンカーバー或いは前記金属部材の、歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度のうちの何れかを前記物理量として検知する伸縮装置を提案する。
【0053】
上記本発明の伸縮装置では、検知装置のセンサ部によって伸縮装置のアンカーバー或いはアンカーバーに連結されている金属部材のうちの少なくとも何れかの歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度のうちの何れかが検出され、この検出結果が送信される。伸縮装置のアンカーバー或いはアンカーバーに連結されている金属部材のうちの少なくとも何れかに部分的な異常、例えば亀裂や、破損、腐食、剥がれ、欠け等の異常が発生した場合、その歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度のうちの何れかが大きく変化するため、これの変化を検出することにより伸縮装置の故障を検知することができる。
【0054】
また、本発明は、上記伸縮装置において、前記伸縮装置は内部に空洞部を有し、前記検知装置のセンサ部は、空洞部内の底部に設けられ、前記空洞部の底部に水分が溜まっているか否かを前記物理量として検知する手段を有する伸縮装置を提案する。
【0055】
上記本発明の伸縮装置では、検知装置のセンサ部によって伸縮装置内部の空洞部に水分が溜まったときに、水分が溜まったことが検出され、この検出結果が検知装置から送信される。これにより、伸縮装置にひび割れや亀裂或いは欠け等が生じて空洞部内に水分が浸透したことを検知することができる。
【0056】
また、本発明は、上記伸縮装置において、前記検知装置を複数個備え、各検知装置は、個々に固有の識別情報を記憶している識別情報記憶手段を有すると共に、前記検知装置の送信手段は、前記検出結果と共に前記識別情報を送信する手段を有する伸縮装置を提案する。
【0057】
上記本発明の伸縮装置では、1つの伸縮装置に複数個の検知装置が設けられ、各検知装置によって検出結果と共に識別情報が送信される。これにより、各検知装置を個々に固有の識別情報によって識別可能になると共に、伸縮装置の全体に亘った細かな故障検出が可能になる。
【0058】
また、本発明は、上記伸縮装置において、前記センサ部は、振動センサを有し、周囲の所定時間内の振動数を前記物理量として検出して該検出した物理量に対応する電気信号を出力する伸縮装置を提案する。
【0059】
上記本発明の伸縮装置では、センサ部の振動センサによって伸縮装置の所定部位の振動数が検出され、この振動数が検出結果として送信される。伸縮装置に部分的な異常、例えば亀裂や、破損、腐食、剥がれ、欠け等の異常が発生した場合、その振動数が大きく変化するため、振動数の変化を検出することにより伸縮装置の故障を検知することができる。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説明する。
【0061】
図1は本発明の第1実施形態における伸縮装置の故障検知システムを示す構成図である。第1実施形態におけるシステムは、モニタ装置を備えた点検車両を走行させ、橋梁を通過することによって橋梁に設けられている伸縮装置の故障を自動的に検知することができるシステムである。
【0062】
図1において、1は点検車両、2はモニタ装置で、装置本体20と送受信アンテナ21,27から構成される。3は橋梁の路面、4は伸縮装置、5は検知装置である。伸縮装置4は後打ちコンクリート等の固定部材6によって橋梁の繋ぎ目部分、すなわち隣り合う橋桁を連結する部分に固定されている。また、検知装置5は、伸縮装置4の故障検出を行えるような所定部位に設けられている。
【0063】
図2は第1実施形態における伸縮装置4を示す外観斜視図、図3は第1実施形態における伸縮装置4を示す平面図、図4は図3におけるA−A線矢視方向断面図、図5は図3におけるB−B線矢視方向断面図である。
【0064】
これらの図において、41は本体ゴム、42a及び42bは本体ゴム41の幅方向両側の底面に固定された直方体形状の鋼板からなる定着板、43は幅方向中央部に埋設された直方体形状の鋼板からなる荷重支持鋼板である。
【0065】
44は鉄鋼などの金属製のアンカーボルトで、略L型をなし、伸縮装置4の幅方向両側に突き出すように複数個設けられている。アンカーボルト44の一端にはネジ溝が形成され、その一端が定着板42a,42b及び本体ゴム41に設けられた挿入孔に挿入されて、ナット挿入孔45に挿入されたナット46によって定着板42a,42b及び本体ゴム41に固定されている。
【0066】
47は、2つの定着板42a,42b間に、伸縮装置4の長手方向に延びるように本体ゴム41の底面に形成された凹部である。
【0067】
48a及び48bは、本体ゴム41の表面に形成された溝で、本体ゴム41の幅方向の両側に設けられ、波形に蛇行して伸縮装置4の長手方向に延びるように形成されている。
【0068】
49a及び49bは、本体ゴム41の表面に形成された溝で、本体ゴムの41の幅方向の中央部に、長手方向に延びるように形成されている。
【0069】
(第1実施例)
第1実施形態における第1実施例では、図6に示すように、伸縮装置4の凹部47に1個以上の検知装置5が装着され、検知装置5によって本体ゴム41の所定時間内の振動数を検出できるようになっている。
【0070】
図7は、第1実施形態における第1実施例のモニタ装置2の電気系回路を示すブロック図である。図において、2はモニタ装置で、受信用アンテナ21、受信部22、中央処理部23、キーボード24、表示部25、発信部26、送信用アンテナ27、及びこれらへ電源を供給する電源部28から構成されている。ここで、本発明におけるモニタ装置とは、後述するように検知装置5に対して第1の周波数の電磁波を輻射し、これに伴って検知装置5から送信される第2の周波数の電磁波を受信することにより、検知装置5が検知した検出結果を検知情報として取得し、この検知情報に基づいて伸縮装置4の異常、すなわち故障を検出する装置を言う。
【0071】
モニタ装置2の装置本体20は運転席近傍に配置され、受信用アンテナ21と送信用アンテナ27はアンテナユニットとして点検車両1の底部に固定されている。
【0072】
また、モニタ装置2の受信部22は、受信機221とアナログ/ディジタル(以下、A/Dと称する)変換回路222から構成され、受信器221の入力側は受信用アンテナ21に接続され、例えば300MHz(第2周波数)の電磁波を受信し、これを検波した後、A/D変換回路222を介して中央処理部23に出力する。
【0073】
中央処理部23は、周知のCPU231及びメモリ232から構成され、メモリ232に記憶されているプログラムによって故障検出処理を行う。CPU231はキーボード24から入力された命令に基づいて、受信部22から入力した上記検知情報をメモリ232に記憶すると共に、メモリ232に予め記憶されているデータベースの情報及び上記受信した検知情報に基づいて、伸縮装置4の状態情報を表示部25に表示する。
【0074】
ここで、上記データベースには、各伸縮装置4のセリアルナンバーとその設置場所及びそれに設けられている検知装置5の識別情報並びに各検知装置5の検知情報の基準値が対応づけられて格納されている。前記検知情報の基準値としては、車両通行がないときの定常値すなわち定常状態における検出結果と、車両通行があるときの非定常値すなわち非定常状態における検出結果の情報が格納されている。
【0075】
CPU231は、取得した検知情報を各検知装置5毎に受信した日時情報に対応づけてメモリ232に記憶すると共に、検知情報に含まれる検出結果とデータベースに記憶されている基準値とを比較して、各検知装置5の検出結果が異常であるか否かを判定し、その判定結果を各検知装置5毎にメモリ232に記憶する。
【0076】
上記中央処理部23が表示部に表示する状態情報としては、例えば、伸縮装置4のセリアルナンバーとその設置場所及びそれに設けられている検知装置5の識別情報並びに各検知装置5の検出結果が異常であるか正常であるかの情報が表示される。
【0077】
さらに、発信部26はCPU231からの制御信号に基づいて、例えば100KHz〜300KHz(第1周波数)の電磁波を送信用アンテナ27を介して外部に連続して輻射すると共に、所定時間間隔T1で搬送波に所定の送信命令をのせて送信する。ここで、発信部26による高周波出力は、微小なものであり、本実施例では送信用アンテナ27から例えば半径5m以内に存在する検知装置5に対して駆動用のエネルギーを供給できる値に設定されている。また、上記送信命令の送信時間間隔T1は、例えば基準値としては300msに設定されており、キーボード24からの命令入力によって変更できるようになっている。
【0078】
図8は、第1実施形態における第1実施例の検知装置5の電気系回路を示すブロック図である。図において、51は送受信用のアンテナ、52は電子スイッチ、53は整流回路、54は検波部、55はセンサ部、56は中央処理部、57は発信部である。
【0079】
アンテナ51は、前述した100KHz〜300KHz(第1周波数)及び300MHz(第2周波数)に共振するように設定されている。
【0080】
電子スイッチ52は、後述するCPU561によって切替が行われ、定常状態すなわち検知装置5が駆動していない状態では、アンテナ51を後述する整流回路53と検波部54に接続する。尚、検知装置5の送受信周波数が異なる場合は、電子スイッチ52に代えて帯域通過型フィルタ或いは低域通過型フィルタ及び広域通過型フィルタ等を組み合わせたデュープレクサを用いても良い。
【0081】
整流回路53は、ダイオード531,532、コンデンサ533、及び抵抗器534から構成され、周知の全波整流回路を形成している。この整流回路53の入力側には電子スイッチ52を介して送受信用アンテナ51が接続され、送受信用アンテナ51に誘起した高周波電流を整流して直流電流に変換し、中央処理部53、記憶部563及び発信部57の駆動電源として出力するものである。
【0082】
検波部54は、ダイオード541とA/D変換回路542からなり、ダイオード541のアノードは電子スイッチ52を介してアンテナ51に接続され、カソードはA/D変換回路542を介して中央処理部56のCPU561に接続されている。
【0083】
センサ部55は、センサ素子551とA/D変換回路552から構成されている。本実施例ではセンサ素子551として自己のかかる加速度の変化を検出する振動センサを用い、センサ素子551から加速度に対応するアナログ電気信号がA/D変換回路552に出力される。A/D変換回路552は、センサ素子551から入力した電気信号の値をディジタル値に変換して中央処理部56に出力する。
【0084】
中央処理部56は、周知のCPU561、ディジタル/アナログ(以下、D/Aと称する)変換回路562及び記憶部563から構成され、CPU561は電源が供給されて駆動するとEEPROM等の半導体メモリからなる記憶部563内に記憶されているプログラムに従って動作する。記憶部563には、上記プログラムと、個々の検知装置5に固有の識別情報が記憶されている。
【0085】
CPU561は、動作を開始した後、センサ部55から取得したディジタル値に基づいて所定時間毎に該時間内の振動数を計数すると共に、検波部54から送信命令を受信したときに計数した振動数の情報を自己の識別情報と共にD/A変換回路562を介して発信部57に出力し、これらの情報を送信する。この情報送信時には、CPU561は電子スイッチ52を切り替えて発信部57をアンテナ51に接続すると共に、時間間隔T2で同じ情報を複数回繰り返して送信する。本実施例では、例えば時間T2を10ms、繰り返し数を5回に設定している。
【0086】
発信部57は、発振回路571、変調回路572及び高周波増幅回路573から構成され、発振回路571によって発振された、例えば300MHzの搬送波を、中央処理部56から入力した情報信号に基づいて、変調回路572で変調して、これを高周波増幅回路573及び電子スイッチ52を介してアンテナ51に供給する。
【0087】
上記構成よりなる故障検知システムでは、点検車両1が橋梁3上を走行する際に、モニタ装置2の送信用アンテナ27から上記第1周波数の電磁波が輻射されると、伸縮装置4に設けられている検知装置5は、第1周波数の電磁波を受波し、この電磁波のエネルギーを整流回路53によって電気エネルギーに変換し、検知装置5はこの電気エネルギーによって動作する。
【0088】
さらに、検知装置5のセンサ部55によって、本体ゴム41の振動数が検出されて、これに対応する電気信号が出力され、検知装置5からその検出結果が検知情報として上記第2周波数の電磁波を用いて送信される。
【0089】
これにより、モニタ装置2は、受信用アンテナ21を介して、検知装置5から送信された第2周波数の電磁波を受信し、受信した電磁波から検知情報を検出し、この検知情報に基づいて、伸縮装置4の故障を検出する。
【0090】
従って、橋梁3上で点検車両1を走行させている間に各伸縮装置4の故障検出をおこなうことができる。即ち、本体ゴム41に異常が生じると本体ゴム41の振動数が変化するので、この振動数の変化に基づいて伸縮装置4の故障を検出することができる。本体ゴム41の異常とは、例えば、本体ゴム41に亀裂が生じる、本体ゴム41の表面が摩耗して厚さが薄くなる、本体ゴム41の一部が欠ける、ナット46が緩んで本体ゴム41と定着板42a,42bとの間に隙間が生じる、本体ゴム41と荷重支持鋼板43との間が剥離する等の異常であり、これらの異常を生じたときに検知装置5が検出する振動数が変化する。
【0091】
また、モニタ装置2は、上記のように所定時間間隔T1で検知情報を収集することができるので、点検車両1の前輪が伸縮装置4にかかる前、前輪が伸縮装置4上にあるとき、前輪が伸縮装置4を通過し後輪が伸縮装置4にかかる前、後輪が伸縮装置4上にあるとき、後輪が伸縮装置4を通過した後等における検出結果を全て取得することができる。
【0092】
(第2実施例)
図9は第1実施形態における第2実施例の伸縮装置を示す断面図である。第2実施例の伸縮装置4は、その幅方向の両側に検知装置5が設けられ、これらの検知装置5は金属部材に触れないように本体ゴム41内に埋設されている。
【0093】
(第3実施例)
図10は第1実施形態における第3実施例の伸縮装置を示す断面図である。第3実施例の伸縮装置4は、その幅方向の両側に検知装置5が設けられ、これらの検知装置5は定着板42a,42bに接触して本体ゴム41内に埋設されている。
【0094】
(第4実施例)
図11は第1実施形態における第4実施例の伸縮装置の設置状態を示す断面図である。第4実施例では、伸縮装置4を橋梁に固定しているコンクリート等の固定部材6の中に検知装置5が埋設されている。これにより、主として固定部材6の異常を検知することができ、固定部材6の異常に伴う伸縮装置4の故障を防止することができる。固定部材の異常としては亀裂の発生や、アンカーボルト44との間の剥離の発生などが挙げられる。
【0095】
尚、上記第1実施形態の故障検知システムでは、上記第1周波数と第2周波数を異なる周波数に設定したが、これらを同一周波数としても良い。この場合、モニタ装置2は、駆動開始後に、所定の時間間隔T1で所定時間t1(<T1)だけ第1周波数の電磁波を輻射し、輻射後に受信状態に移行すればよい。また、使用周波数は上記実施例に限定されることはなく、電波法に基づく周波数の割り当て範囲内で適宜設定することが好ましい。
【0096】
また、上記実施形態では、検知装置5はセンサ部55を用いて、振動数を検出するようにしたが、これに限定されることはなく、伸縮装置4の異常或いは異常を引き起こす要因を検出できればよいのであって、伸縮装置4の所定部分の歪み度や、振動加速度、電気抵抗値などの物理量を検知することによって異常を検出することも可能であることは言うまでもない。
【0097】
また、モニタ装置2に記憶しておくデータベースの情報は、伸縮装置4の設置状況に合わせて適宜設定することが望ましい。例えば、1つの伸縮装置が2車線以上に跨って設置される場合には、各車線の車両通行状況に合わせた複数の情報を基準値として記憶しておくことが望ましい。
【0098】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
【0099】
図12は本発明の第2実施形態における伸縮装置7を示す外観斜視図、図13は図12におけるC−C線矢視方向断面図である。
【0100】
図において、7は伸縮装置で、71は伸縮ゴム、72a,72bはフェースプレート、73はカバーゴム、74はアンカーバー、75は接続フランジである。
【0101】
伸縮ゴム71は、短か手方向に上下に波形にうねりを持った形状を有し、その短か手方向の両側にフェースプレート72a,72bが固定され、その上部にはフェースプレート72a,72bの上片部との間に板状のカバーゴムが設けられている。
【0102】
フェースプレート72a,72bは、断面が略T字形状を有し、上片部の互いに対応する側面は波形にうねりを持たせて形成されている。これにより2つのフェースプレート72a,72b間に波形形状の溝76が形成されている。
【0103】
フェースプレート72a,72bの下片部の外側側面には複数の円柱鋼製のアンカーバー74が水平方向に延びるように固定されている。さらに、フェースプレート72a,72bの長手方向の両端部には接続フランジ75が設けられている。
【0104】
第2実施形態における伸縮装置7では、図13に示すように、フェースプレート72a,72bの内側に検知装置5が固定されている。検知装置5は、フェースプレート72a,72bの上片部の底面及び下片部の内側面のそれぞれに固定されている。
【0105】
上記構成よりなる伸縮装置7は、検知装置5によってフェースプレート72a,72bの腐食や亀裂の発生状態、或いは、フェースプレート72a,72bと伸縮ゴム71やアンカーバー74との間の固定状態の異常を検出することができる。
【0106】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
【0107】
図14は本発明の第3実施形態における伸縮装置8を示す外観斜視図、図15は図14におけるD−D線矢視方向断面図である。
【0108】
図において、8は伸縮装置で、81は本体ゴム(止水ゴム)、82a,82bは断面L字形状の鋼製の側板、83は荷重支持鋼板、84はU字形状の鋼製のアンカーバー、85は接続フランジである。
【0109】
本体ゴム81は、その断面が略エ字形状をなし、上片部の両端部は伸縮性を持たせるために断面略M字形状をなし、その端部が側板82a、82bの上片部の内側面に固定されている。また、本体ゴム81の下片部の両端は側板82a、82bの下片部の上面に固定されている。これにより本体ゴム81と側板82a、82bとの間に空洞部86a,86bが形成されている。
【0110】
また、本体ゴム81の下片部の中央部分内には板状の荷重支持鋼板83が埋設されている。
【0111】
側板82a,82bの上片部の外側側面には複数のアンカーバー84が水平方向に延びるように固定されている。さらに、側板82a,82bの長手方向の両端部には接続フランジ85が設けられている。
【0112】
第3実施形態における伸縮装置8では、図15に示すように、側板82a,82bの内側に形成された空洞部86a,86bの底面に接するように検知装置9が固定されている。
【0113】
検知装置9の構成は前述した第1実施形態の検知装置5の構成とほぼ同様で、検知装置5との相違点はセンサ素子551として電気抵抗値を検知するセンサ素子を用いたことである。このセンサ素子によって空洞部86a,86b内に水がたまったことを検知できるようになっている。
【0114】
すなわち、例えば図16に示すように、伸縮装置8を橋梁の橋桁連結部分に固定部材6によって固定して使用しているときに、本体ゴム81の上片部に亀裂89が生じて空洞部86bの内部に水90が溜まったとき、これを検知装置9によって検知することができる。これにより、本体ゴムの81に亀裂が生じたことを検出して早期の修理を行うことができると共に、空洞部86b内に溜まった水90による側板82bの腐食等を防止することができる。
【0115】
前述したように、上記故障検知システムによれば、点検車両1を走行させるだけで各伸縮装置4,7,8の故障を容易に検知することができるので、従来のように交通規制を行い、人手による点検作業を行う必要がない。これにより、点検作業に要する時間の短縮を図ることができる。
【0116】
さらに、従来は点検作業員の経験的な感覚に頼っていた点検が不要であるので、点検作業経験の無い作業員による誤判断も無くすことができる。
【0117】
尚、上記実施形態および各実施例は本発明の一具体例であって、本発明がこれらの一具体例の構成のみに限定されることはなく、各実施形態或いは各実施例を組み合わせた構成も含むものであることは言うまでもないことである。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の伸縮装置の故障検知システム及び伸縮装置によれば、モニタ装置を装備した点検車両を走行し、検知装置から送信された検知情報を受信し、この検知情報に基づいて、故障検出手段により前記伸縮装置の故障を検出することができるので、従来の目視点検による故障発生の見落としがなくなるため、2次災害の発生を未然に防ぐことが可能となる。また、交通規制等を実施することなく伸縮装置の点検作業を行うことができる。さらに、従来のような目視点検に比較して、大幅に点検作業時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における伸縮装置の故障検知システムを示す構成図
【図2】本発明の第1実施形態における伸縮装置を示す外観斜視図
【図3】本発明の第1実施形態における伸縮装置を示す平面図
【図4】図3におけるA−A線矢視方向断面図
【図5】図3におけるB−B線矢視方向断面図
【図6】本発明の第1実施形態における伸縮装置への検知装置の装着状態を示す断面図
【図7】本発明の第1実施形態における第1実施例のモニタ装置の電気系回路を示すブロック図
【図8】本発明の第1実施形態における第1実施例の検知装置の電気系回路を示すブロック図
【図9】本発明の第1実施形態における第2実施例の伸縮装置を示す断面図
【図10】本発明の第1実施形態における第3実施例の伸縮装置を示す断面図
【図11】本発明の第1実施形態における第4実施例の伸縮装置を示す断面図
【図12】本発明の第2実施形態における伸縮装置を示す外観斜視図
【図13】図12におけるC−C線矢視方向断面図
【図14】本発明の第3実施形態における伸縮装置を示す外観斜視図
【図15】図14におけるD−D線矢視方向断面図
【図16】本発明の第3実施形態における伸縮装置の異常発生時の状態を説明する断面図
【符号の説明】
1…点検車両、2…モニタ装置、3…橋梁、4…伸縮装置、5…検知装置、6…固定部材、7…伸縮装置、8…伸縮装置、9…検知装置、20…装置本体、21…受信用アンテナ、22…受信部、23…中央処理部、24…キーボード、25…表示部、26…発信部、27…送信用アンテナ、28…電源部、221…受信機、222…A/D変換回路、231…CPU、232…メモリ、41…本体ゴム、42a,42b…定着板、43…荷重支持鋼板、44…アンカーボルト、45…ナット挿入孔、46…ナット、47…凹部、48a,48b,49a,49b…溝、51…アンテナ、52…電子スイッチ、53…整流回路、54…検波部、55…センサ部、56…中央処理部、57…発信部、531,532…ダイオード、533…コンデンサ、534…抵抗器、551…センサ素子、552…A/D変換回路、561…CPU、562…D/A変換回路、563…記憶部、571…発振回路、572…変調回路、573…高周波増幅回路、71…伸縮ゴム、72a,72b…フェースプレート、73…カバーゴム、74…アンカーバー、75…接続フランジ、76…溝、81…本体ゴム(止水ゴム)、82a,82b…側板、83…荷重支持鋼板、84…アンカーバー、85…接続フランジ、86a,86b…空洞部、87…凹部、88a〜88d…溝、89…亀裂、90…水。
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸縮装置の故障検知システム及び伸縮装置に関し、特に橋梁などの繋ぎ目部分に用いる伸縮装置の故障検知システム及び伸縮装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、橋梁の建設は、橋脚などの下部構造の上に橋桁などの上部構造を建設し、この橋桁間を伸縮装置によって連結した構造となっており、上部構造は、車両荷重、交通振動、温度変化などで変形・伸縮し、下部構造も地震などで変位する。
【0003】
このため、周囲の温度変化による橋桁の伸縮による歪みを吸収するするために、例えば実開昭60−76106号公報に開示されるような伸縮装置が用いられている。
【0004】
この伸縮装置は、2つの橋桁のそれぞれに固定される部材間をゴム等の伸縮部材によって連結するものであり、この伸縮装置をクッション材として前述した変化によって起きる歪みを吸収し、構造物の損傷を防いでいる。
【0005】
また、このような伸縮装置は半永久的に使用できるものではなく、磨耗や劣化を生じるため、定期的な人手による見回りを行い、損傷等を生じている伸縮装置は交換される。
【0006】
また、定期的な人手による見回りを不要とするための異常診断装置が特開2002−257625号公報に開示されている。
【0007】
【特許文献1】実開昭60−76106号公報
【特許文献2】特開2002−257625号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、橋梁等の構造物に使用される伸縮装置は、経年劣化や環境条件、車両走行に伴う繰り返し負荷等により劣化し、摩耗、亀裂腐食等の故障が生じる。これらの故障の進行は構成部材の強度低下を誘発し、最終的には装置破損に至り、通行車両が被災するなどの2次災害が発生する恐れもある。
【0009】
また、ゴム製の伸縮装置は、車両の通過に伴うタイヤとの接触により摩耗が進行する。荷重支持鋼板がゴムに被覆されたタイプの伸縮装置ではゴムの摩耗により荷重支持鋼板が露出すると、荷重支持鋼板が腐食する。この荷重支持鋼板の腐食は、荷重支持鋼板とゴムとの剥離を誘発し、最終的には荷重支持鋼板が分離したり、飛散したりするに至り、第3者に被害を及ぼす災害が発生する恐れがある。また、路面側ゴムの摩耗により、伸縮装置の表面と橋桁の舗装面との間に過度の段差が発生することもある。
【0010】
従来は上記災害の発生防止のために、目視にて点検が実施されており、詳細点検を実施するためには交通規制が必要である。また、装置内部に発生している故障の発見は難しく、故障発生を発見できないために、2次災害を予防できないこともある。さらに、荷重支持鋼板が露出する前に補修することが必要であるが、ゴムの被覆厚を判断することは困難なことである。
【0011】
また、伸縮装置内部に発生している漏水の発見は難しく、漏水発生を発見できないがために、2次災害を予防できない事例が発生している。
【0012】
また、ボルト或いはナットにて路面より締結するタイプの鋼製及びゴム製の伸縮装置は、車両通過に伴う繰り返し負荷、振動等によりボルト或いはナットに緩みが生じることがある。緩みにより伸縮装置本体は振動、バタツキを起こすようになると、さらに緩みはひどくなり、ボルト或いはナットは脱落、最終的には本体が脱落、飛散し、第3者に被害を及ぼす災害が発生する恐れがある。
【0013】
このようなタイプの伸縮装置の場合、従来は目視点検やハンマーによる打音点検が実施されている。しかし、点検を実施するためには交通規制が必要であることはもちろんのこと、異常打音の判定基準は別途製作したサンプルにて決められ、人間の聴覚によるもので、点検者には個人差が必然的に生じてくる。
【0014】
さらに、伸縮装置を橋桁に固定するための後打ちコンクリートが、経年劣化や環境条件、車両通過に伴う繰り返し負荷等により劣化し、亀裂、欠け等の損傷が発生する場合がある。後打ちコンクリートの損傷により伸縮装置側面へ雨水等が浸水し、伸縮装置が腐食していく場合がある。このような腐食の進行は鋼製部材の強度低下を誘発し、最終的には伸縮装置の破損に至り、第3者に被害を及ぼす災害が発生する恐れがある。
【0015】
このような後打ちコンクリートの点検も目視にて実施されており、詳細点検を実施するためには交通規制が必要である。後打ちコンクリートに発生している亀裂の深さ等の推測は困難である。
【0016】
また、上記従来例の特開2002−257625号公報に開示されている異常診断装置は装置設備にコストがかかりすぎて実用的ではない。
【0017】
本発明の目的は上記の問題点に鑑み、交通規制を行うことなく、走行する点検車両から伸縮装置の故障を検出できる伸縮装置の故障検知システム及び伸縮装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために、橋梁の繋ぎ目部分に設けられた伸縮装置の故障を前記橋梁上を走行する点検車両から検知する伸縮装置の故障検知システムであって、前記伸縮装置或いは前記伸縮装置の近傍の少なくとも何れか一方に設けられた検知装置と、前記点検車両に設けられたモニタ装置とを備え、前記検知装置は、第1周波数の電磁波を受波し、該電磁波のエネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換手段と、前記電気エネルギーによって動作し、周囲の所定物理量を検出して該検出した物理量に対応する電気信号を出力するセンサ部と、前記電気エネルギーによって動作し、前記センサ部から出力される電気信号に基づいて前記物理量の検出結果を検知情報として第2周波数の電磁波を用いて送信する送信手段とを備え、前記モニタ装置は、前記第1周波数の電磁波を輻射する電磁波輻射手段と、前記第2周波数の電磁波を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した電磁波から前記検知情報を検出する手段と、前記検知情報に基づいて、前記伸縮装置の故障を検出する故障検出手段とを備えている伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0019】
本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、点検車両が橋梁上を走行する際に、モニタ装置の電磁波輻射手段から第1周波数の電磁波が輻射されると、伸縮装置に設けられている検知装置は、前記第1周波数の電磁波を受波し、該電磁波のエネルギーをエネルギー変換手段によって電気エネルギーに変換し、検知装置は、この電気エネルギーによって動作する。
【0020】
さらに、検知装置のセンサ部によって、周囲の所定物理量が検出されて該検出された物理量に対応する電気信号が出力され、送信手段によって、センサ部から出力される電気信号に基づいて前記物理量の検出結果が検知情報として第2周波数の電磁波を用いて送信される。
【0021】
また、モニタ装置は、受信手段によって、検知装置から送信された第2周波数の電磁波を受信し、受信した電磁波から検知情報を検出し、この検知情報に基づいて、故障検出手段により前記伸縮装置の故障を検出する。
【0022】
従って、橋梁上で点検車両を走行させている間に各伸縮装置の故障検出をおこなうことができる。
【0023】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記検知装置のセンサ部は、前記伸縮装置の所定部分に設けられ、前記所定部分の歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度、電気抵抗値のうちの何れかを前記物理量として検知する伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0024】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、前記物理量として、所定部分の歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度、電気抵抗値が検出される。
【0025】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記モニタ装置は、前記伸縮装置に異常がない状態で使用されているときの、定常状態及び非定常状態のそれぞれにおける前記検出結果を基準値として記憶している基準値記憶手段を有し、前記故障検出手段は、前記基準値と前記検出結果とを比較することにより故障を検出する故障検出手段を有する伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0026】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、モニタ装置における基準値記憶手段に、伸縮装置に異常がない状態で使用されているときの、定常状態及び非定常状態のそれぞれにおける前記検出結果が基準値として記憶されており、故障検出手段によって、前記基準値と前記検出結果とが比較されて伸縮装置の故障が検出される。
【0027】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記モニタ装置の電磁波輻射手段は、駆動開始後に、所定の時間間隔T1で所定時間t1だけ前記第1周波数の電磁波を輻射する伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0028】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、モニタ装置の電磁波輻射手段によって、所定の時間間隔T1で所定時間t1だけ第1周波数の電磁波が輻射される。これにより、検知装置が検出範囲内、例えば、モニタ装置から輻射される電磁波を受信でき且つ前記時間t1で駆動に十分なエネルギーを取得できる範囲内に存在する場合は、モニタ装置は前記時間間隔T1毎に検出結果を受信することができる。
【0029】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記検知装置は、前記電気エネルギーが供給されて駆動している間に、前記検出結果を複数回送信する伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0030】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、モニタ装置は前記時間間隔T1毎に検出結果を複数回受信することが可能になるので、検知装置から送信される検知結果を確実に受信可能になる。
【0031】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記第1周波数と前記第2周波数は同一周波数に設定されている伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0032】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、第1周波数と第2周波数が同一周波数に設定され、モニタ装置と検知装置との間の通信が1つの周波数を用いて行われる。
【0033】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記第1周波数と前記第2周波数は互いに異なる周波数に設定されており、前記モニタ装置の電磁波輻射手段は、駆動開始後に、連続して前記第1周波数の電磁波を輻射する手段を有し、前記検知装置は、前記電気エネルギーが供給されて駆動している間、所定の時間間隔T2で前記検出結果を送信する伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0034】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、モニタ装置の電磁波輻射手段によって連続して電磁波が輻射される。これにより、検知装置が検出範囲内、例えば、モニタ装置から輻射される第1周波数の電磁波を受信でき且つ駆動に十分なエネルギーを取得できる範囲内に存在する場合は、モニタ装置は前記時間間隔T2で検出結果を受信することができる。
【0035】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、少なくとも前記検知装置のセンサ部は、前記伸縮装置を前記橋梁に固定する固定部材内に埋設され、前記固定部材の、歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度、電気抵抗値のうちの何れかを前記物理量として検知する伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0036】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、少なくとも検知装置のセンサ部が、伸縮装置を橋梁に固定する固定部材内、例えば伸縮装置を橋梁に固定する後打ちコンクリート内に埋設され、この固定部材の、歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度、電気抵抗値のうちの何れかが物理量として検知される。これにより、固定部材の劣化や破損を検出することができ、固定部材の劣化や破損によって引き起こされる伸縮装置の故障発生を未然に防ぐことが可能になる。
【0037】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記固定部材がコンクリートである伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0038】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、前記固定部材が上記のような後打ちコンクリートであり、少なくとも検知装置のセンサ部がこのコンクリート内に埋設される。
【0039】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記伸縮装置は前記検知装置を複数個備え、各検知装置は、個々に固有の識別情報を記憶している識別情報記憶手段を有すると共に、前記検知装置の送信手段は、前記検出結果と共に前記識別情報を送信する手段を有する伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0040】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、1つの伸縮装置に複数個の検知装置が設けられ、各検知装置によって検出結果と共に識別情報が送信される。これにより、モニタ装置はこれらの検知装置を個々に固有の識別情報によって識別可能となる。
【0041】
また、本発明は、上記伸縮装置の故障検知システムにおいて、前記センサ部は、振動センサを有し、周囲の所定時間内の振動数を前記物理量として検出して該検出した物理量に対応する電気信号を出力する伸縮装置の故障検知システムを提案する。
【0042】
上記本発明の伸縮装置の故障検知システムでは、センサ部の振動センサによって伸縮装置の所定部位の振動数が検出され、この振動数が検出結果として送信される。伸縮装置に部分的な異常、例えば亀裂や、破損、腐食、剥がれ、欠け等の異常が発生した場合、その振動数が大きく変化するため、振動数の変化を検出することにより伸縮装置の故障を検知することができる。
【0043】
また、本発明は、上記の目的を達成するために、上記システムで使用可能な伸縮装置として、橋梁の繋ぎ目部分に設けられる伸縮装置であって、第1周波数の電磁波を受波し、該電磁波のエネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換手段と、前記電気エネルギーによって動作し、周囲の所定物理量を検出して該検出した物理量に対応する電気信号を出力するセンサ部と、前記電気エネルギーによって動作し、前記センサ部から出力される電気信号に基づいて前記物理量の検出結果を検知情報として第2周波数の電磁波を用いて送信する送信手段とを有する検知装置を備えている伸縮装置を提案する。
【0044】
本発明の伸縮装置は検知装置を備え、該検知装置は受波した第1周波数の電磁波のエネルギーを電気エネルギーに変換して、該電気エネルギーによって動作する。また、伸縮装置に故障や破損或いは亀裂等が生じたときに、これに伴って変化する物理量が検知装置のセンサ部によって検出され、前記物理量の検出結果が検知情報として第2周波数の電磁波を用いて送信手段によって送信される。
【0045】
従って、伸縮装置の外部から前記第1周波数の電磁波を検知装置に向けて輻射することにより検知装置を駆動させることができ、検知装置から送信される第2周波数の電磁波を受信することにより前記物理量の検出結果を取得することで、この検出結果に基づいて伸縮装置の故障を検知することができる。
【0046】
また、本発明は、上記伸縮装置において、前記検知装置は、前記電気エネルギーが供給されて駆動している間、所定の時間間隔T2で前記検出結果を複数回送信する伸縮装置を提案する。
【0047】
上記本発明の伸縮装置では、前記検知装置に前記電気エネルギーが供給されて検知装置が駆動している間、検知装置によって所定の時間間隔T2で検出結果が複数回送信される。
【0048】
また、本発明は上記伸縮装置において、前記センサ部は、前記伸縮装置の所定部分に設けられ、前記所定部分の歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度、電気抵抗値の内の何れかを前記物理量として検知する伸縮装置を提案する。
【0049】
上記本発明の伸縮装置では、前記物理量として、所定部分の歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度、電気抵抗値が検出される。
【0050】
また、本発明は、上記伸縮装置において、前記検知装置のセンサ部は、前記伸縮装置を構成するゴム部材に埋設され、前記ゴム部材の、歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度のうちの何れかを前記物理量として検知する伸縮装置を提案する。
【0051】
上記本発明の伸縮装置では、検知装置のセンサ部によって伸縮装置のゴム部材の歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度のうちの何れかが検出され、この検出結果が送信される。伸縮装置のゴム部材に部分的な異常、例えば亀裂や、破損、腐食、剥がれ、欠け等の異常が発生した場合、その歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度のうちの何れかが大きく変化するため、これの変化を検出することにより伸縮装置の故障を検知することができる。
【0052】
また、本発明は、上記伸縮装置において、前記検知装置のセンサ部は、前記伸縮装置を構成する金属製のアンカーバー或いはアンカーバーに連結されている金属部材のうちの少なくとも何れか一方に装着され、前記アンカーバー或いは前記金属部材の、歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度のうちの何れかを前記物理量として検知する伸縮装置を提案する。
【0053】
上記本発明の伸縮装置では、検知装置のセンサ部によって伸縮装置のアンカーバー或いはアンカーバーに連結されている金属部材のうちの少なくとも何れかの歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度のうちの何れかが検出され、この検出結果が送信される。伸縮装置のアンカーバー或いはアンカーバーに連結されている金属部材のうちの少なくとも何れかに部分的な異常、例えば亀裂や、破損、腐食、剥がれ、欠け等の異常が発生した場合、その歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度のうちの何れかが大きく変化するため、これの変化を検出することにより伸縮装置の故障を検知することができる。
【0054】
また、本発明は、上記伸縮装置において、前記伸縮装置は内部に空洞部を有し、前記検知装置のセンサ部は、空洞部内の底部に設けられ、前記空洞部の底部に水分が溜まっているか否かを前記物理量として検知する手段を有する伸縮装置を提案する。
【0055】
上記本発明の伸縮装置では、検知装置のセンサ部によって伸縮装置内部の空洞部に水分が溜まったときに、水分が溜まったことが検出され、この検出結果が検知装置から送信される。これにより、伸縮装置にひび割れや亀裂或いは欠け等が生じて空洞部内に水分が浸透したことを検知することができる。
【0056】
また、本発明は、上記伸縮装置において、前記検知装置を複数個備え、各検知装置は、個々に固有の識別情報を記憶している識別情報記憶手段を有すると共に、前記検知装置の送信手段は、前記検出結果と共に前記識別情報を送信する手段を有する伸縮装置を提案する。
【0057】
上記本発明の伸縮装置では、1つの伸縮装置に複数個の検知装置が設けられ、各検知装置によって検出結果と共に識別情報が送信される。これにより、各検知装置を個々に固有の識別情報によって識別可能になると共に、伸縮装置の全体に亘った細かな故障検出が可能になる。
【0058】
また、本発明は、上記伸縮装置において、前記センサ部は、振動センサを有し、周囲の所定時間内の振動数を前記物理量として検出して該検出した物理量に対応する電気信号を出力する伸縮装置を提案する。
【0059】
上記本発明の伸縮装置では、センサ部の振動センサによって伸縮装置の所定部位の振動数が検出され、この振動数が検出結果として送信される。伸縮装置に部分的な異常、例えば亀裂や、破損、腐食、剥がれ、欠け等の異常が発生した場合、その振動数が大きく変化するため、振動数の変化を検出することにより伸縮装置の故障を検知することができる。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説明する。
【0061】
図1は本発明の第1実施形態における伸縮装置の故障検知システムを示す構成図である。第1実施形態におけるシステムは、モニタ装置を備えた点検車両を走行させ、橋梁を通過することによって橋梁に設けられている伸縮装置の故障を自動的に検知することができるシステムである。
【0062】
図1において、1は点検車両、2はモニタ装置で、装置本体20と送受信アンテナ21,27から構成される。3は橋梁の路面、4は伸縮装置、5は検知装置である。伸縮装置4は後打ちコンクリート等の固定部材6によって橋梁の繋ぎ目部分、すなわち隣り合う橋桁を連結する部分に固定されている。また、検知装置5は、伸縮装置4の故障検出を行えるような所定部位に設けられている。
【0063】
図2は第1実施形態における伸縮装置4を示す外観斜視図、図3は第1実施形態における伸縮装置4を示す平面図、図4は図3におけるA−A線矢視方向断面図、図5は図3におけるB−B線矢視方向断面図である。
【0064】
これらの図において、41は本体ゴム、42a及び42bは本体ゴム41の幅方向両側の底面に固定された直方体形状の鋼板からなる定着板、43は幅方向中央部に埋設された直方体形状の鋼板からなる荷重支持鋼板である。
【0065】
44は鉄鋼などの金属製のアンカーボルトで、略L型をなし、伸縮装置4の幅方向両側に突き出すように複数個設けられている。アンカーボルト44の一端にはネジ溝が形成され、その一端が定着板42a,42b及び本体ゴム41に設けられた挿入孔に挿入されて、ナット挿入孔45に挿入されたナット46によって定着板42a,42b及び本体ゴム41に固定されている。
【0066】
47は、2つの定着板42a,42b間に、伸縮装置4の長手方向に延びるように本体ゴム41の底面に形成された凹部である。
【0067】
48a及び48bは、本体ゴム41の表面に形成された溝で、本体ゴム41の幅方向の両側に設けられ、波形に蛇行して伸縮装置4の長手方向に延びるように形成されている。
【0068】
49a及び49bは、本体ゴム41の表面に形成された溝で、本体ゴムの41の幅方向の中央部に、長手方向に延びるように形成されている。
【0069】
(第1実施例)
第1実施形態における第1実施例では、図6に示すように、伸縮装置4の凹部47に1個以上の検知装置5が装着され、検知装置5によって本体ゴム41の所定時間内の振動数を検出できるようになっている。
【0070】
図7は、第1実施形態における第1実施例のモニタ装置2の電気系回路を示すブロック図である。図において、2はモニタ装置で、受信用アンテナ21、受信部22、中央処理部23、キーボード24、表示部25、発信部26、送信用アンテナ27、及びこれらへ電源を供給する電源部28から構成されている。ここで、本発明におけるモニタ装置とは、後述するように検知装置5に対して第1の周波数の電磁波を輻射し、これに伴って検知装置5から送信される第2の周波数の電磁波を受信することにより、検知装置5が検知した検出結果を検知情報として取得し、この検知情報に基づいて伸縮装置4の異常、すなわち故障を検出する装置を言う。
【0071】
モニタ装置2の装置本体20は運転席近傍に配置され、受信用アンテナ21と送信用アンテナ27はアンテナユニットとして点検車両1の底部に固定されている。
【0072】
また、モニタ装置2の受信部22は、受信機221とアナログ/ディジタル(以下、A/Dと称する)変換回路222から構成され、受信器221の入力側は受信用アンテナ21に接続され、例えば300MHz(第2周波数)の電磁波を受信し、これを検波した後、A/D変換回路222を介して中央処理部23に出力する。
【0073】
中央処理部23は、周知のCPU231及びメモリ232から構成され、メモリ232に記憶されているプログラムによって故障検出処理を行う。CPU231はキーボード24から入力された命令に基づいて、受信部22から入力した上記検知情報をメモリ232に記憶すると共に、メモリ232に予め記憶されているデータベースの情報及び上記受信した検知情報に基づいて、伸縮装置4の状態情報を表示部25に表示する。
【0074】
ここで、上記データベースには、各伸縮装置4のセリアルナンバーとその設置場所及びそれに設けられている検知装置5の識別情報並びに各検知装置5の検知情報の基準値が対応づけられて格納されている。前記検知情報の基準値としては、車両通行がないときの定常値すなわち定常状態における検出結果と、車両通行があるときの非定常値すなわち非定常状態における検出結果の情報が格納されている。
【0075】
CPU231は、取得した検知情報を各検知装置5毎に受信した日時情報に対応づけてメモリ232に記憶すると共に、検知情報に含まれる検出結果とデータベースに記憶されている基準値とを比較して、各検知装置5の検出結果が異常であるか否かを判定し、その判定結果を各検知装置5毎にメモリ232に記憶する。
【0076】
上記中央処理部23が表示部に表示する状態情報としては、例えば、伸縮装置4のセリアルナンバーとその設置場所及びそれに設けられている検知装置5の識別情報並びに各検知装置5の検出結果が異常であるか正常であるかの情報が表示される。
【0077】
さらに、発信部26はCPU231からの制御信号に基づいて、例えば100KHz〜300KHz(第1周波数)の電磁波を送信用アンテナ27を介して外部に連続して輻射すると共に、所定時間間隔T1で搬送波に所定の送信命令をのせて送信する。ここで、発信部26による高周波出力は、微小なものであり、本実施例では送信用アンテナ27から例えば半径5m以内に存在する検知装置5に対して駆動用のエネルギーを供給できる値に設定されている。また、上記送信命令の送信時間間隔T1は、例えば基準値としては300msに設定されており、キーボード24からの命令入力によって変更できるようになっている。
【0078】
図8は、第1実施形態における第1実施例の検知装置5の電気系回路を示すブロック図である。図において、51は送受信用のアンテナ、52は電子スイッチ、53は整流回路、54は検波部、55はセンサ部、56は中央処理部、57は発信部である。
【0079】
アンテナ51は、前述した100KHz〜300KHz(第1周波数)及び300MHz(第2周波数)に共振するように設定されている。
【0080】
電子スイッチ52は、後述するCPU561によって切替が行われ、定常状態すなわち検知装置5が駆動していない状態では、アンテナ51を後述する整流回路53と検波部54に接続する。尚、検知装置5の送受信周波数が異なる場合は、電子スイッチ52に代えて帯域通過型フィルタ或いは低域通過型フィルタ及び広域通過型フィルタ等を組み合わせたデュープレクサを用いても良い。
【0081】
整流回路53は、ダイオード531,532、コンデンサ533、及び抵抗器534から構成され、周知の全波整流回路を形成している。この整流回路53の入力側には電子スイッチ52を介して送受信用アンテナ51が接続され、送受信用アンテナ51に誘起した高周波電流を整流して直流電流に変換し、中央処理部53、記憶部563及び発信部57の駆動電源として出力するものである。
【0082】
検波部54は、ダイオード541とA/D変換回路542からなり、ダイオード541のアノードは電子スイッチ52を介してアンテナ51に接続され、カソードはA/D変換回路542を介して中央処理部56のCPU561に接続されている。
【0083】
センサ部55は、センサ素子551とA/D変換回路552から構成されている。本実施例ではセンサ素子551として自己のかかる加速度の変化を検出する振動センサを用い、センサ素子551から加速度に対応するアナログ電気信号がA/D変換回路552に出力される。A/D変換回路552は、センサ素子551から入力した電気信号の値をディジタル値に変換して中央処理部56に出力する。
【0084】
中央処理部56は、周知のCPU561、ディジタル/アナログ(以下、D/Aと称する)変換回路562及び記憶部563から構成され、CPU561は電源が供給されて駆動するとEEPROM等の半導体メモリからなる記憶部563内に記憶されているプログラムに従って動作する。記憶部563には、上記プログラムと、個々の検知装置5に固有の識別情報が記憶されている。
【0085】
CPU561は、動作を開始した後、センサ部55から取得したディジタル値に基づいて所定時間毎に該時間内の振動数を計数すると共に、検波部54から送信命令を受信したときに計数した振動数の情報を自己の識別情報と共にD/A変換回路562を介して発信部57に出力し、これらの情報を送信する。この情報送信時には、CPU561は電子スイッチ52を切り替えて発信部57をアンテナ51に接続すると共に、時間間隔T2で同じ情報を複数回繰り返して送信する。本実施例では、例えば時間T2を10ms、繰り返し数を5回に設定している。
【0086】
発信部57は、発振回路571、変調回路572及び高周波増幅回路573から構成され、発振回路571によって発振された、例えば300MHzの搬送波を、中央処理部56から入力した情報信号に基づいて、変調回路572で変調して、これを高周波増幅回路573及び電子スイッチ52を介してアンテナ51に供給する。
【0087】
上記構成よりなる故障検知システムでは、点検車両1が橋梁3上を走行する際に、モニタ装置2の送信用アンテナ27から上記第1周波数の電磁波が輻射されると、伸縮装置4に設けられている検知装置5は、第1周波数の電磁波を受波し、この電磁波のエネルギーを整流回路53によって電気エネルギーに変換し、検知装置5はこの電気エネルギーによって動作する。
【0088】
さらに、検知装置5のセンサ部55によって、本体ゴム41の振動数が検出されて、これに対応する電気信号が出力され、検知装置5からその検出結果が検知情報として上記第2周波数の電磁波を用いて送信される。
【0089】
これにより、モニタ装置2は、受信用アンテナ21を介して、検知装置5から送信された第2周波数の電磁波を受信し、受信した電磁波から検知情報を検出し、この検知情報に基づいて、伸縮装置4の故障を検出する。
【0090】
従って、橋梁3上で点検車両1を走行させている間に各伸縮装置4の故障検出をおこなうことができる。即ち、本体ゴム41に異常が生じると本体ゴム41の振動数が変化するので、この振動数の変化に基づいて伸縮装置4の故障を検出することができる。本体ゴム41の異常とは、例えば、本体ゴム41に亀裂が生じる、本体ゴム41の表面が摩耗して厚さが薄くなる、本体ゴム41の一部が欠ける、ナット46が緩んで本体ゴム41と定着板42a,42bとの間に隙間が生じる、本体ゴム41と荷重支持鋼板43との間が剥離する等の異常であり、これらの異常を生じたときに検知装置5が検出する振動数が変化する。
【0091】
また、モニタ装置2は、上記のように所定時間間隔T1で検知情報を収集することができるので、点検車両1の前輪が伸縮装置4にかかる前、前輪が伸縮装置4上にあるとき、前輪が伸縮装置4を通過し後輪が伸縮装置4にかかる前、後輪が伸縮装置4上にあるとき、後輪が伸縮装置4を通過した後等における検出結果を全て取得することができる。
【0092】
(第2実施例)
図9は第1実施形態における第2実施例の伸縮装置を示す断面図である。第2実施例の伸縮装置4は、その幅方向の両側に検知装置5が設けられ、これらの検知装置5は金属部材に触れないように本体ゴム41内に埋設されている。
【0093】
(第3実施例)
図10は第1実施形態における第3実施例の伸縮装置を示す断面図である。第3実施例の伸縮装置4は、その幅方向の両側に検知装置5が設けられ、これらの検知装置5は定着板42a,42bに接触して本体ゴム41内に埋設されている。
【0094】
(第4実施例)
図11は第1実施形態における第4実施例の伸縮装置の設置状態を示す断面図である。第4実施例では、伸縮装置4を橋梁に固定しているコンクリート等の固定部材6の中に検知装置5が埋設されている。これにより、主として固定部材6の異常を検知することができ、固定部材6の異常に伴う伸縮装置4の故障を防止することができる。固定部材の異常としては亀裂の発生や、アンカーボルト44との間の剥離の発生などが挙げられる。
【0095】
尚、上記第1実施形態の故障検知システムでは、上記第1周波数と第2周波数を異なる周波数に設定したが、これらを同一周波数としても良い。この場合、モニタ装置2は、駆動開始後に、所定の時間間隔T1で所定時間t1(<T1)だけ第1周波数の電磁波を輻射し、輻射後に受信状態に移行すればよい。また、使用周波数は上記実施例に限定されることはなく、電波法に基づく周波数の割り当て範囲内で適宜設定することが好ましい。
【0096】
また、上記実施形態では、検知装置5はセンサ部55を用いて、振動数を検出するようにしたが、これに限定されることはなく、伸縮装置4の異常或いは異常を引き起こす要因を検出できればよいのであって、伸縮装置4の所定部分の歪み度や、振動加速度、電気抵抗値などの物理量を検知することによって異常を検出することも可能であることは言うまでもない。
【0097】
また、モニタ装置2に記憶しておくデータベースの情報は、伸縮装置4の設置状況に合わせて適宜設定することが望ましい。例えば、1つの伸縮装置が2車線以上に跨って設置される場合には、各車線の車両通行状況に合わせた複数の情報を基準値として記憶しておくことが望ましい。
【0098】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
【0099】
図12は本発明の第2実施形態における伸縮装置7を示す外観斜視図、図13は図12におけるC−C線矢視方向断面図である。
【0100】
図において、7は伸縮装置で、71は伸縮ゴム、72a,72bはフェースプレート、73はカバーゴム、74はアンカーバー、75は接続フランジである。
【0101】
伸縮ゴム71は、短か手方向に上下に波形にうねりを持った形状を有し、その短か手方向の両側にフェースプレート72a,72bが固定され、その上部にはフェースプレート72a,72bの上片部との間に板状のカバーゴムが設けられている。
【0102】
フェースプレート72a,72bは、断面が略T字形状を有し、上片部の互いに対応する側面は波形にうねりを持たせて形成されている。これにより2つのフェースプレート72a,72b間に波形形状の溝76が形成されている。
【0103】
フェースプレート72a,72bの下片部の外側側面には複数の円柱鋼製のアンカーバー74が水平方向に延びるように固定されている。さらに、フェースプレート72a,72bの長手方向の両端部には接続フランジ75が設けられている。
【0104】
第2実施形態における伸縮装置7では、図13に示すように、フェースプレート72a,72bの内側に検知装置5が固定されている。検知装置5は、フェースプレート72a,72bの上片部の底面及び下片部の内側面のそれぞれに固定されている。
【0105】
上記構成よりなる伸縮装置7は、検知装置5によってフェースプレート72a,72bの腐食や亀裂の発生状態、或いは、フェースプレート72a,72bと伸縮ゴム71やアンカーバー74との間の固定状態の異常を検出することができる。
【0106】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
【0107】
図14は本発明の第3実施形態における伸縮装置8を示す外観斜視図、図15は図14におけるD−D線矢視方向断面図である。
【0108】
図において、8は伸縮装置で、81は本体ゴム(止水ゴム)、82a,82bは断面L字形状の鋼製の側板、83は荷重支持鋼板、84はU字形状の鋼製のアンカーバー、85は接続フランジである。
【0109】
本体ゴム81は、その断面が略エ字形状をなし、上片部の両端部は伸縮性を持たせるために断面略M字形状をなし、その端部が側板82a、82bの上片部の内側面に固定されている。また、本体ゴム81の下片部の両端は側板82a、82bの下片部の上面に固定されている。これにより本体ゴム81と側板82a、82bとの間に空洞部86a,86bが形成されている。
【0110】
また、本体ゴム81の下片部の中央部分内には板状の荷重支持鋼板83が埋設されている。
【0111】
側板82a,82bの上片部の外側側面には複数のアンカーバー84が水平方向に延びるように固定されている。さらに、側板82a,82bの長手方向の両端部には接続フランジ85が設けられている。
【0112】
第3実施形態における伸縮装置8では、図15に示すように、側板82a,82bの内側に形成された空洞部86a,86bの底面に接するように検知装置9が固定されている。
【0113】
検知装置9の構成は前述した第1実施形態の検知装置5の構成とほぼ同様で、検知装置5との相違点はセンサ素子551として電気抵抗値を検知するセンサ素子を用いたことである。このセンサ素子によって空洞部86a,86b内に水がたまったことを検知できるようになっている。
【0114】
すなわち、例えば図16に示すように、伸縮装置8を橋梁の橋桁連結部分に固定部材6によって固定して使用しているときに、本体ゴム81の上片部に亀裂89が生じて空洞部86bの内部に水90が溜まったとき、これを検知装置9によって検知することができる。これにより、本体ゴムの81に亀裂が生じたことを検出して早期の修理を行うことができると共に、空洞部86b内に溜まった水90による側板82bの腐食等を防止することができる。
【0115】
前述したように、上記故障検知システムによれば、点検車両1を走行させるだけで各伸縮装置4,7,8の故障を容易に検知することができるので、従来のように交通規制を行い、人手による点検作業を行う必要がない。これにより、点検作業に要する時間の短縮を図ることができる。
【0116】
さらに、従来は点検作業員の経験的な感覚に頼っていた点検が不要であるので、点検作業経験の無い作業員による誤判断も無くすことができる。
【0117】
尚、上記実施形態および各実施例は本発明の一具体例であって、本発明がこれらの一具体例の構成のみに限定されることはなく、各実施形態或いは各実施例を組み合わせた構成も含むものであることは言うまでもないことである。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の伸縮装置の故障検知システム及び伸縮装置によれば、モニタ装置を装備した点検車両を走行し、検知装置から送信された検知情報を受信し、この検知情報に基づいて、故障検出手段により前記伸縮装置の故障を検出することができるので、従来の目視点検による故障発生の見落としがなくなるため、2次災害の発生を未然に防ぐことが可能となる。また、交通規制等を実施することなく伸縮装置の点検作業を行うことができる。さらに、従来のような目視点検に比較して、大幅に点検作業時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における伸縮装置の故障検知システムを示す構成図
【図2】本発明の第1実施形態における伸縮装置を示す外観斜視図
【図3】本発明の第1実施形態における伸縮装置を示す平面図
【図4】図3におけるA−A線矢視方向断面図
【図5】図3におけるB−B線矢視方向断面図
【図6】本発明の第1実施形態における伸縮装置への検知装置の装着状態を示す断面図
【図7】本発明の第1実施形態における第1実施例のモニタ装置の電気系回路を示すブロック図
【図8】本発明の第1実施形態における第1実施例の検知装置の電気系回路を示すブロック図
【図9】本発明の第1実施形態における第2実施例の伸縮装置を示す断面図
【図10】本発明の第1実施形態における第3実施例の伸縮装置を示す断面図
【図11】本発明の第1実施形態における第4実施例の伸縮装置を示す断面図
【図12】本発明の第2実施形態における伸縮装置を示す外観斜視図
【図13】図12におけるC−C線矢視方向断面図
【図14】本発明の第3実施形態における伸縮装置を示す外観斜視図
【図15】図14におけるD−D線矢視方向断面図
【図16】本発明の第3実施形態における伸縮装置の異常発生時の状態を説明する断面図
【符号の説明】
1…点検車両、2…モニタ装置、3…橋梁、4…伸縮装置、5…検知装置、6…固定部材、7…伸縮装置、8…伸縮装置、9…検知装置、20…装置本体、21…受信用アンテナ、22…受信部、23…中央処理部、24…キーボード、25…表示部、26…発信部、27…送信用アンテナ、28…電源部、221…受信機、222…A/D変換回路、231…CPU、232…メモリ、41…本体ゴム、42a,42b…定着板、43…荷重支持鋼板、44…アンカーボルト、45…ナット挿入孔、46…ナット、47…凹部、48a,48b,49a,49b…溝、51…アンテナ、52…電子スイッチ、53…整流回路、54…検波部、55…センサ部、56…中央処理部、57…発信部、531,532…ダイオード、533…コンデンサ、534…抵抗器、551…センサ素子、552…A/D変換回路、561…CPU、562…D/A変換回路、563…記憶部、571…発振回路、572…変調回路、573…高周波増幅回路、71…伸縮ゴム、72a,72b…フェースプレート、73…カバーゴム、74…アンカーバー、75…接続フランジ、76…溝、81…本体ゴム(止水ゴム)、82a,82b…側板、83…荷重支持鋼板、84…アンカーバー、85…接続フランジ、86a,86b…空洞部、87…凹部、88a〜88d…溝、89…亀裂、90…水。
Claims (19)
- 橋梁の繋ぎ目部分に設けられた伸縮装置の故障を前記橋梁上を走行する点検車両から検知する伸縮装置の故障検知システムであって、
前記伸縮装置或いは前記伸縮装置の近傍の少なくとも何れか一方に設けられた検知装置と、
前記点検車両に設けられたモニタ装置とを備え、
前記検知装置は、
第1周波数の電磁波を受波し、該電磁波のエネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換手段と、
前記電気エネルギーによって駆動し、周囲の所定物理量を検出して該検出した物理量に対応する電気信号を出力するセンサ部と、
前記電気エネルギーによって駆動し、前記センサ部から出力される電気信号に基づいて前記物理量の検出結果を検知情報として第2周波数の電磁波を用いて送信する送信手段とを備え、
前記モニタ装置は、
前記第1周波数の電磁波を輻射する電磁波輻射手段と、
前記第2周波数の電磁波を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信した電磁波から前記検知情報を検出する手段と、
前記検知情報に基づいて、前記伸縮装置の故障を検出する故障検出手段とを備えている
ことを特徴とする伸縮装置の故障検知システム。 - 前記検知装置のセンサ部は、前記伸縮装置の所定部分に設けられ、前記所定部分の歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度、電気抵抗値のうちの何れかを前記物理量として検知する
ことを特徴とする請求項1に記載の伸縮装置の故障検知システム。 - 前記モニタ装置は、前記伸縮装置に異常がない状態で使用されているときの、定常状態及び非定常状態のそれぞれにおける前記検出結果を基準値として記憶している基準値記憶手段を有し、
前記故障検出手段は、前記基準値と前記検出結果とを比較することにより故障を検出する故障検出手段を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の伸縮装置の故障検知システム。 - 前記モニタ装置の電磁波輻射手段は、駆動開始後に、所定の時間間隔T1で所定時間t1だけ前記第1周波数の電磁波を輻射する
ことを特徴とする請求項1に記載の伸縮装置の故障検知システム。 - 前記検知装置は、前記電気エネルギーが供給されて駆動している間に、前記検出結果を複数回送信する
ことを特徴とする請求項4に記載の伸縮装置の故障検知システム。 - 前記第1周波数と前記第2周波数は同一周波数に設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の伸縮装置の故障検知システム。 - 前記第1周波数と前記第2周波数は互いに異なる周波数に設定されており、
前記モニタ装置の電磁波輻射手段は、駆動開始後に、連続して前記第1周波数の電磁波を輻射する手段を有し、
前記検知装置は、前記電気エネルギーが供給されて駆動している間、所定の時間間隔T2で前記検出結果を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の伸縮装置の故障検知システム。 - 少なくとも前記検知装置のセンサ部は、前記伸縮装置を前記橋梁に固定する固定部材内に埋設され、前記固定部材の、歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度、電気抵抗値のうちの何れかを前記物理量として検知する
ことを特徴とする請求項1に記載の伸縮装置の故障検知システム。 - 前記固定部材がコンクリートであることを特徴とする請求項8に記載の伸縮装置の故障検知システム。
- 前記伸縮装置は前記検知装置を複数個備え、
各検知装置は、個々に固有の識別情報を記憶している識別情報記憶手段を有すると共に、
前記検知装置の送信手段は、前記検出結果と共に前記識別情報を送信する手段を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の伸縮装置の故障検知システム。 - 前記センサ部は、振動センサを有し、周囲の所定時間内の振動数を前記物理量として検出して該検出した物理量に対応する電気信号を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の伸縮装置の故障検知システム。 - 橋梁の繋ぎ目部分に設けられる伸縮装置であって、
第1周波数の電磁波を受波し、該電磁波のエネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換手段と、
前記電気エネルギーによって駆動し、周囲の所定物理量を検出して該検出した物理量に対応する電気信号を出力するセンサ部と、
前記電気エネルギーによって駆動し、前記センサ部から出力される電気信号に基づいて前記物理量の検出結果を検知情報として第2周波数の電磁波を用いて送信する送信手段とを有する検知装置を備えている
ことを特徴とする伸縮装置。 - 前記センサ部は、前記伸縮装置の所定部分に設けられ、前記所定部分の歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度、電気抵抗値のうちの何れかを前記物理量として検知する
ことを特徴とする請求項12に記載の伸縮装置。 - 前記検知装置は、前記電気エネルギーが供給されて駆動している間、所定の時間間隔T2で前記検出結果を複数回送信する
ことを特徴とする請求項12に記載の伸縮装置。 - 前記検知装置のセンサ部は、前記伸縮装置を構成するゴム部材に埋設され、前記ゴム部材の、歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度のうちの何れかを前記物理量として検知する
ことを特徴とする請求項12に記載の伸縮装置。 - 前記検知装置のセンサ部は、前記伸縮装置を構成する金属製のアンカーバー或いはアンカーバーに連結されている金属部材のうちの少なくとも何れか一方に装着され、前記アンカーバー或いは前記金属部材の、歪み度、所定時間内の振動数、振動加速度のうちの何れかを前記物理量として検知する
ことを特徴とする請求項12に記載の伸縮装置。 - 前記伸縮装置は内部に空洞部を有し、
前記検知装置のセンサ部は、空洞部内の底部に設けられ、前記空洞部の底部に水分が溜まっているか否かを前記物理量として検知する手段を有する
ことを特徴とする請求項12に記載の伸縮装置。 - 前記検知装置を複数個備え、
各検知装置は、個々に固有の識別情報を記憶している識別情報記憶手段を有すると共に、
前記検知装置の送信手段は、前記検出結果と共に前記識別情報を送信する手段を有する
ことを特徴とする請求項12に記載の伸縮装置。 - 前記センサ部は、振動センサを有し、周囲の所定時間内の振動数を前記物理量として検出して該検出した物理量に対応する電気信号を出力する
ことを特徴とする請求項12に記載の伸縮装置。
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- 2002-12-09 JP JP2002357015A patent/JP2004190264A/ja active Pending
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