JP2004190365A - 掘進機 - Google Patents
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Abstract
【課題】地山の掘削速度と掘削土砂の排出速度を自由に調整することができ、鋼管等のエレメントの埋設に際して、地山を効率良く掘削することができる掘進機を提供する。
【解決手段】掘進機本体10の先端部に、地山を掘削するカッタヘッド20を第1の駆動装置21によって回転自在に設け、掘進機本体10の内部に、カッタヘッド20で掘削した土砂を後方に移送するスクリューコンベア30を回転自在に設け、当該スクリューコンベア30を第1の駆動装置21とは異なる第2の駆動装置31によって回転駆動するとともに、当該スクリューコンベア30をカッタヘッド20と軸心がほぼ平行になるように配置した。
【選択図】 図1
【解決手段】掘進機本体10の先端部に、地山を掘削するカッタヘッド20を第1の駆動装置21によって回転自在に設け、掘進機本体10の内部に、カッタヘッド20で掘削した土砂を後方に移送するスクリューコンベア30を回転自在に設け、当該スクリューコンベア30を第1の駆動装置21とは異なる第2の駆動装置31によって回転駆動するとともに、当該スクリューコンベア30をカッタヘッド20と軸心がほぼ平行になるように配置した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管等のエレメントを地中に埋設する際に用いて好適な掘進機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、道路や鉄道線路下にアンダーパス等の地下構造物を構築する場合には、その構築箇所の掘削に先だって、当該構築箇所の外周に沿って多数の鋼管(エレメント)を並列に埋設し、それら鋼管を互いに連結することにより、ルーフ状の構造体を築造し、この構造体で上方の地山等を支えた状態で、上記構築箇所の掘削を行うようにしている。この場合、上記鋼管の埋設には、例えば特許文献1に開示されるような掘進先導管などが用いられる。
【0003】
この掘進先導管は、筒状の先導管本体を備え、この先導管本体の後端部に上記鋼管が連結されるとともに、この先導管本体の内部に、土砂排出用のアースオーガが配設され、このアースオーガの先端に地山掘削用のカッタが取り付けられている。この掘進先導管においては、上記鋼管を先導しつつカッタで地山を掘削し、その掘削土砂をアースオーガで後方(発進立坑側)に排出するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−133191号公報(第二頁、第三頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の掘進先導管においては、アースオーガの先端にカッタが取り付けられて両者が一体に回転するように構成されていたため、例えば、地山の状態等に応じて掘削速度を調整しようとしても、それに合わせて掘削土砂の排出速度まで変わってしまい、各々を適切な状態に保つのが容易ではなかった。また、例えば、地山の崩壊や、排出流路における掘削土砂の閉塞など、掘削中に障害が発生した際に、土砂の排出と掘削の一方のみを停止したくても、それができず、結果として障害の復旧に手間取ることもあった。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、地山の掘削速度と掘削土砂の排出速度を自由に調整することができ、鋼管等のエレメントの埋設に際して、地山を効率良く掘削することができる掘進機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係る掘進機は、掘進機本体の先端部に、地山を掘削するカッタヘッドを第1の駆動装置によって回転自在に設け、上記掘進機本体の内部に、上記カッタヘッドで掘削した土砂を後方に移送するスクリューコンベアを回転自在に設け、当該スクリューコンベアを上記第1の駆動装置とは異なる第2の駆動装置によって回転駆動するとともに、当該スクリューコンベアを上記カッタヘッドと軸心が互いにほぼ平行になるように配置したことを特徴とするものである。
なお、ほぼ平行とは、スクリューコンベアとカッタヘッドの両軸心のなす角度が0度乃至4度の範囲に収まる状態を云い、その角度の範囲であれば、小口径の掘進機であっても、第1および第2の駆動装置等の妨げとならないようにスクリューコンベアを掘進機本体内に配置することができる状態を云う。
【0008】
この請求項1に記載の本発明に係る掘進機によれば、カッタヘッドを回転駆動する第1の駆動装置とは異なる第2の駆動装置によって、スクリューコンベアを回転駆動するようにしたので、地山の掘削速度と掘削土砂の排出速度を自由に調整することができる。したがって、地山の掘削速度と掘削土砂の排出速度を常に適切な状態に保つことができ、エレメントの埋設に際して、地山を効率良く掘削することができる。また、例えば、地山の崩壊や、排出流路における掘削土砂の閉塞など、掘削中に障害が発生した際には、それら障害から容易に復旧することもできる。
しかも、スクリューコンベアをカッタヘッドと軸心が互いにほぼ平行になるように配置するようにしたので、掘進機本体を小径化することが可能となり、当該掘進機をエレメント先導用の掘進機として好適に用いることができる。
なお、上記エレメントには、例えば、矩形筒状の鋼管、円筒状の鋼管、プレキャストコンクリート多孔管、ボックスカルバートなど、地中に埋設する種々の部材が含まれる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の掘進機において、上記カッタヘッドの後方には、内部に上記スクリューコンベアが配置されて掘削土砂を排出するための排出流路が設けられ、この排出流路が上記掘進機本体内に偏心配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
この請求項2に記載の発明によれば、排出流路が掘進機本体内に偏心配置されているので、小型の掘進機においても、排出流路用のスペースを広く確保することができる。したがって、排出流路内において礫等による閉塞が生じ難くなる。また、掘進機本体内にデッドスペースが生じ難くなり、掘進機本体内の限られた空間を有効に活用することができる。すなわち、排出流路が掘進機本体内に偏心配置されているので、掘進機本体内における排出流路の他端側に、上記第1の駆動装置と上記第2の駆動装置との収容スペースを容易に確保することができる。また、上記第1の駆動装置と上記第2の駆動装置とを前後にずらして配置するようにすれば、複数の駆動装置が必要な場合であっても、それら駆動装置を掘進機本体内に効率的に収容することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の掘進機において、上記掘進機本体は、矩形筒状の外側ケーシングと、この外側ケーシング内に収容され上記カッタヘッドおよび上記スクリューコンベアが取り付けられた円筒状の内側ケーシングとを備え、この内側ケーシングが上記外側ケーシング内から離脱可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0012】
この請求項3に記載の発明によれば、内側ケーシングが外側ケーシング内から離脱可能に構成されているので、例えば、カッタヘッドが巨礫等の障害物に当たって掘進不能に陥った場合などには、内側ケーシングを離脱させることにより、上記障害物を容易に排除することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の掘進機において、上記カッタヘッドは、回転自在に保持されたカッタ本体と、このカッタ本体の外周部から突出する方向に進退自在に保持された補助カッタとを備え、これらカッタ本体および補助カッタの前面に、それぞれ複数の掘削ビットが設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
この請求項4に記載の発明によれば、カッタ本体には、その外周部から突出する方向に進退自在な状態で補助カッタが取り付けられているので、カッタ本体で掘削しきれない範囲を補助カッタで掘削することができ、エレメントの断面形状に合わせて地山を掘削することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の掘進機において、上記スクリューコンベアは、正逆両方向に回転可能に構成され、その回転方向に応じて掘削土砂の移送方向を前方または後方に選択的に切換可能となっていることを特徴とするものである。
【0016】
この請求項5に記載の発明によれば、掘削土砂の移送方向を前方または後方に選択的に切換可能となっているので、例えば、地山が崩壊しそうなときには、掘削土砂の移送方向を前方に切り換えることにより、掘削土砂で地山を支えて、地山の崩壊を抑制することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の掘進機において、上記掘進機本体の前端隅部には、流体を噴射して地山を掘削するジェット噴射ノズルが設けられていることを特徴とするものである。
【0018】
この請求項6に記載の発明によれば、流体を噴射して地山を掘削するジェット噴射ノズルが掘進機本体の前端隅部に設けられているので、カッタヘッドで掘削しきれない範囲をジェット噴射ノズルで掘削することができ、掘削断面の形状をエレメントの断面形状により近付けることができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れかに記載の掘進機において、上記掘進機本体の外周部には、地山に対して押圧力を付与することで当該掘進機本体の軌道を修正するスタビライザが設けられていることを特徴とするものである。
【0020】
この請求項7に記載の発明によれば、掘進機本体の軌道を修正するスタビライザが掘進機本体の外周部に設けられているので、エレメントを正確な位置に埋設することができる。また、エレメントを先導する際に、掘進機本体とエレメントとの連結部分が屈曲するのを極力防止することができ、上記連結部分が掘進機本体の進行を妨げることのないようにすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1〜図5は、本発明に係る掘進機の一実施形態を示すもので、図中符号10が掘進機本体である。
この掘進機本体10の後端部にはエレメント(ここでは、矩形筒状の鋼管)が接続される一方、先端部には、前方の地山を掘削するカッタヘッド20が回転自在に設けられている。また、掘進機本体10の内部には、カッタヘッド20で掘削した土砂を排出するための排出流路32が形成され、この排出流路32内には、その軸線方向に掘削土砂を移送する螺旋形のスクリューコンベア30が回転自在に設けられている。このスクリューコンベア30は、カッタヘッド20と軸心が互いにほぼ平行になるように(ここでは、両軸心のなす角度が2度程度となるように)配置されている。さらに、掘進機本体10の内部には、カッタヘッド20を駆動するカッタモータ21(第1の駆動装置)と、スクリューコンベア30を駆動するスクリューモータ31(第2の駆動装置)とが設けられ、これらモータ21、31により、カッタヘッド20とスクリューコンベア30とが互いに独立に駆動されるようになっている。
【0022】
掘進機本体10は、図3〜図5に示すように、矩形筒状の外側ケーシング11と、円筒状の内側ケーシング12とを備え、この内側ケーシング12が外側ケーシング11内に収容された状態となっている。そして、外側ケーシング11の内周部には、その軸線方向に沿って一対のガイドレール(図示省略)が設けられる一方、内側ケーシング12の外周部には、上記ガイドレールに沿って摺動する一対のガイド(図示省略)が設けられ、この内側ケーシング12の底部には、図1および図5に示すように、複数の車輪13a、13bが設けられている。また、内側ケーシング12の後部には、図4に示すように、その外周面から突出する状態で内側連結板14が設けられる一方、外側ケーシング11の内周側には、内側連結板14と対向する状態で外側連結板が突設され、これら連結板がボルト等で互いに連結されることにより、内側ケーシング12が外側ケーシング11と一体化された状態となっている。したがって、上記連結板の結合を解除すれば、外側ケーシング11の軸線方向に沿って内側ケーシング12が移動自在な状態となり、この状態で内側ケーシング12を牽引または押圧すれば、外側ケーシング11内から内側ケーシング12を容易に離脱させることができる。
【0023】
内側ケーシング12の内部には、図1に示すように、その軸線方向に沿って排出流路32が設けられている。この排出流路32は、内側ケーシング12内の下部に偏心配置され、この排出流路32の後部上方には、図1および図5に示すように、スクリューモータ31が設置され、排出流路32の前部上方には、図1および図3に示すように、複数のカッタモータ21が設置されている。
【0024】
図1に示すように、スクリューモータ31の出力軸31aには歯車31bが外嵌され、このスクリューモータ31の上方には、上記歯車31bと噛み合うギア部を外周に有する駆動リング33がベアリング34を介して回転自在に設けられている。この駆動リング33は、排出流路32の後半部における一部区間を構成し、その内周側にはスクリューコンベア30が接合されて両者が一体的に回転するようになっている。すなわち、スクリューモータ31の駆動により、駆動リング33およびスクリューコンベア30が回転し、その回転に伴い、排出流路32内の掘削土砂が軸線方向に移送されるようになっている。スクリューコンベア30は、正逆両方向に回転可能に構成され、その回転方向に応じて掘削土砂の移送方向を前方または後方に選択的に切換可能となっている。なお、排出流路32の後端から排出された掘削土砂は、排出流路32の後方に配置されたベルトコンベアによって坑口側へと搬送されるようになっている。
【0025】
一方、カッタモータ21の出力軸には歯車21aが外嵌され、このカッタモータ21の前方には、上記歯車21aと噛み合うギア部を内周側に有する円筒状の駆動部材23がベアリング24を介して回転自在に設けられている。この駆動部材23の内側には、カッタヘッド20で掘削した土砂を受け入れて排出流路32へと導くチャンバ25が形成されている。また、駆動部材23の前端部にはカッタヘッド20が連結されて両者が一体的に回転するようになっている。すなわち、カッタモータ21の駆動により、駆動部材23およびカッタヘッド20が回転し、その回転に伴い、カッタヘッド20の前方の地山が掘削されて、その掘削土砂がチャンバ25を介して排出流路32内に流入するようになっている。なお、駆動部材23およびカッタヘッド20は、正逆両方向に回転可能に構成され、例えば地山の状態等に応じてその回転方向を選択的に切換可能となっている。
【0026】
カッタヘッド20は、図1および図2に示すように、駆動部材23が連結されたカッタディスク(カッタ本体)27と、このカッタディスク27の外周部から突出する方向に進退自在に保持されたコピーカッタ(補助カッタ)28とを備え、これらカッタディスク27およびコピーカッタ28の前面には、それぞれ複数の掘削ビット27a、28aが設けられている。また、カッタディスク27は、外側ケーシング11の前端部に形成された開口部11aから前方に突出する状態で設けられ、その内部には、コピーカッタ28を駆動する油圧式の伸縮ジャッキ29が格納されている。
【0027】
この伸縮ジャッキ29は、カッタディスク27が一回転する間に、複数回伸縮を繰り返すようになっていて、これにより、カッタディスク27が所定の回転角度範囲にあるときにコピーカッタ28がカッタディスク27の外周部から所要量突出して、コピーカッタ28がカッタディスク27で掘削しきれない範囲(カッタディスク27の回転軌跡の外側の範囲)を掘削するようになっている。この実施形態では、図7に示すように、コピーカッタ28が外側ケーシング11の隅角部を向くときに伸縮ジャッキ29が伸長し、コピーカッタ28が外側ケーシング11の左右両側部および下部を向くときに伸縮ジャッキ29が縮小するように、伸縮ジャッキ29が伸縮を繰り返す。また、コピーカッタ28が外側ケーシング11の上辺部を向いてる間は、伸縮ジャッキ29が伸長した状態で維持される。その結果、エレメントの断面形状に合わせてほぼ矩形状に地山が掘削されることとなる。
【0028】
また、外側ケーシング11の前端隅部には、図2に示すように、水等の流体を噴射して地山を掘削するジェット噴射ノズル15がそれぞれ設けられ、これらジェット噴射ノズル15によって、カッタヘッド20で掘削しきれない隅角部の掘削が行われるようになっている。
【0029】
また、外側ケーシング11の左右両側部には、図2に示すように、上下にスタビライザ40がそれぞれ設けられている。スタビライザ40は、図6に示すように、進退自在なラム42を有するジャッキ41と、前端側に設けられた支軸45を中心に揺動自在な傾斜板43と、ラム42の進退に伴い傾斜板43の自由端側(後側)を押圧または牽引するリンク部材44とを備えている。このスタビライザ40は、常時は、図6(a)に示すように、ラム42が後退状態にあって、傾斜板43が外側ケーシング11の外周面と面一となるように配置されている。この状態から、図6(b)に示すように、ジャッキ41の駆動によりラム42が前進すると、リンク部材44からの押圧を受けて傾斜板43が支軸45を中心に回動し、この回動に伴い、傾斜板43が外側ケーシング11から突出して地山を押圧することとなる。その結果、上記押圧方向と反対方向の力が掘進機本体10に作用して、この掘進機本体10の軌道が上記押圧方向と反対方向に向けて修正される。また、この状態から、ジャッキ41の駆動によりラム42が後退すると、傾斜板43がリンク部材44により牽引されて支軸45を中心に回動し、これにより、傾斜板43が元の位置(図6(a)の位置)に復帰する。
【0030】
上記構成からなる掘進機を用いてエレメントを地中に埋設する場合には、先ず、掘進機本体10を発進立坑内の所定位置に設置し、この掘進機本体10を到達立坑に向けて押圧するジャッキを発進立坑内に設置する。また、地中に埋設するエレメントを掘進機本体10の後端部に連結する。なお、到達立坑から掘進機本体10を牽引する場合には、水平ボーリング等により発進立坑と到達立坑との間に貫通孔を削孔し、この貫通孔に牽引用のケーブルを挿通させて、このケーブルの一端を掘進機本体10の前端に接続し、他端を到達立坑内のジャッキに接続する。
【0031】
その後、立坑内の上記ジャッキを駆動させるとともに、掘進機本体10内のカッタモータ21およびスクリューモータ31をそれぞれ駆動させる。また、カッタモータ21と同期させるようにして伸縮ジャッキ29を駆動させ、必要に応じて、ジェット噴射ノズル15から流体を噴射させる。その結果、カッタディスク27、コピーカッタ28およびジェット噴射ノズル15の協働により、掘進機本体10の前方の地山が所望形状(ここでは略矩形状)に掘削されて、その掘削土砂がチャンバ25を介して排出流路32内に流入する。この排出流路32内に流入した掘削土砂は、スクリューコンベア30の回転により後方に移送されて、排出流路32の後端より排出される。また、掘進機本体10の前方の地山が掘削された分、掘進機本体10とその後続のエレメントが前進する。
【0032】
なお、上記掘進機本体10の推進途中においては、例えば地山の状態等に基づき、スクリューモータ31を制御して掘削土砂の排出速度を調整したり、或いはカッタモータ21を制御して地山の掘削速度を調整したりすることで、地山の掘削速度と掘削土砂の排出速度をそれぞれ適切な状態に保つようにする。例えば、地山が崩壊しそうなときには、スクリューモータ31を制御して掘削土砂の排出速度を調整したり、或いは掘削土砂の移送方向を反転させることにより、掘削土砂で地山を支えて、地山の崩壊を抑制するようにする。また、掘削土砂の排出流路32が閉塞したときには、カッタモータ21を制御して地山の掘削を一時停止させ、閉塞が解消された後で、地山の掘削を再開させるようにする。
【0033】
また、上記掘進機本体10の推進途中において、例えば、掘進機本体10が進路から外れた場合には、複数あるスタビライザ40の何れかを作動させて、掘進機本体10の軌道を修正する。
このように軌道修正が行われつつ、掘進機本体10は、到達立坑に向かって徐々に掘進して行き、当該掘進機本体10が到達立坑に到達したところで、エレメントが予め定められた位置に埋設された状態となる。
【0034】
以上のように、本実施形態の掘進機によれば、カッタヘッド20を回転駆動するカッタモータ(第1の駆動装置)21とは異なるスクリューモータ(第2の駆動装置)31によって、スクリューコンベア30を回転駆動するようにしたので、地山の掘削速度と掘削土砂の排出速度を自由に調整することができる。したがって、地山の掘削速度と掘削土砂の排出速度を常に適切な状態に保つことができ、エレメントの埋設に際して、地山を効率良く掘削することができる。また、例えば、地山の崩壊や、排出流路における掘削土砂の閉塞など、掘削中に障害が発生した際には、それら障害から容易に復旧することもできる。
しかも、スクリューコンベア30をカッタヘッド20と軸心が互いにほぼ平行になるように配置したので、掘進機本体10を小径化することが可能となり、当該掘進機をエレメント先導用の掘進機として好適に用いることができる。
【0035】
また、スクリューコンベア30が正逆両方向に回転可能に構成され、その回転方向に応じて掘削土砂の移送方向を前方または後方に選択的に切換可能となっているので、例えば、地山が崩壊しそうなときには、掘削土砂の移送方向を前方に切り換えることにより、掘削土砂で地山を支えて、地山の崩壊を抑制することができる。
さらに、内側ケーシング12が外側ケーシング11内から離脱可能に構成されているので、例えば、カッタヘッド20が巨礫等の障害物に当たって掘進不能に陥った場合などには、内側ケーシング12を離脱させることにより、上記障害物を容易に排除することができる。
【0036】
また、排出流路32が掘進機本体10内に偏心配置されているので、排出流路を掘進機本体の中央に配置する場合と比べて、排出流路用のスペースを広く確保することができる。したがって、排出流路32内において礫等による閉塞が生じ難くなる。また、掘進機本体10内にデッドスペースが生じ難くなり、掘進機本体10内の限られた空間を有効に活用することができる。すなわち、排出流路32が掘進機本体10内に偏心配置されているので、掘進機本体10内における排出流路32の他端側(上側)に、カッタモータ21とスクリューモータ31の収容スペースを容易に確保することができる。また、この実施形態では、カッタモータ21とスクリューモータ31とを前後にずらして配置するようにしたので、それらモータを掘進機本体10内に効率的に収容することができ、モータが複数ある場合においても、排出流路用のスペースを広く確保することができる。
しかも、本実施形態では、掘進機本体10内の下寄りの位置に排出流路32の流入口が配置されているので、カッタヘッド20で掘削した土砂をチャンバ25から排出流路32内に円滑に流入させることができる。
また、駆動リング33が排出流路32の後部に配置されているので、駆動リング33の区間(プラグゾーン)で掘削土砂が滞留するのを防止することができ、上流側から送られてきた掘削土砂を効率良く下流側に送出することができる。
【0037】
また、カッタディスク27には、その外周部から突出する方向に進退自在な状態でコピーカッタ28が取り付けられているので、カッタディスク27で掘削しきれない範囲をコピーカッタ28で掘削することができ、余堀りを極力無くしてエレメントの断面形状に合わせて地山を掘削することができる。しかも、掘進機本体10の前端隅部には、それぞれジェット噴射ノズル15が設けられているので、コピーカッタ28でも掘削しきれない隅角部をジェット噴射ノズル15で掘削することができ、掘削断面の形状をエレメントの断面形状により近付けることができる。
【0038】
さらに、掘進機本体10の外周部には、掘進機本体10の軌道を修正するスタビライザ40が設けられているので、エレメントを正確な位置に埋設することができる。また、エレメントを先導する際に、掘進機本体10とエレメントとの連結部分が屈曲するのを極力防止することができ、上記連結部分が掘進機本体10の進行を妨げることのないようにすることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る掘進機によれば、地山の掘削速度と掘削土砂の排出速度を自由に調整することができる。また、掘進機本体を小径化することが可能となり、当該掘進機をエレメント先導用の掘進機として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る掘進機の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1の掘進機の正面図である。
【図3】図1のA−A線視断面図である。
【図4】図1のB−B線視断面図である。
【図5】図1のC−C線視断面図である。
【図6】図1の掘進機に備わるスタビライザを示す平断面図である。
【図7】図1のカッタヘッドによる掘削軌跡を示す図である。
【符号の説明】
10 掘進機本体
11 外側ケーシング
12 内側ケーシング
15 ジェット噴射ノズル
20 カッタヘッド
21 カッタモータ(第1の駆動装置)
27 カッタディスク(カッタ本体)
28 コピーカッタ(補助カッタ)
27a、28a 掘削ビット
30 スクリューコンベア
31 スクリューモータ(第2の駆動装置)
32 排出流路
40 スタビライザ
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管等のエレメントを地中に埋設する際に用いて好適な掘進機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、道路や鉄道線路下にアンダーパス等の地下構造物を構築する場合には、その構築箇所の掘削に先だって、当該構築箇所の外周に沿って多数の鋼管(エレメント)を並列に埋設し、それら鋼管を互いに連結することにより、ルーフ状の構造体を築造し、この構造体で上方の地山等を支えた状態で、上記構築箇所の掘削を行うようにしている。この場合、上記鋼管の埋設には、例えば特許文献1に開示されるような掘進先導管などが用いられる。
【0003】
この掘進先導管は、筒状の先導管本体を備え、この先導管本体の後端部に上記鋼管が連結されるとともに、この先導管本体の内部に、土砂排出用のアースオーガが配設され、このアースオーガの先端に地山掘削用のカッタが取り付けられている。この掘進先導管においては、上記鋼管を先導しつつカッタで地山を掘削し、その掘削土砂をアースオーガで後方(発進立坑側)に排出するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−133191号公報(第二頁、第三頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の掘進先導管においては、アースオーガの先端にカッタが取り付けられて両者が一体に回転するように構成されていたため、例えば、地山の状態等に応じて掘削速度を調整しようとしても、それに合わせて掘削土砂の排出速度まで変わってしまい、各々を適切な状態に保つのが容易ではなかった。また、例えば、地山の崩壊や、排出流路における掘削土砂の閉塞など、掘削中に障害が発生した際に、土砂の排出と掘削の一方のみを停止したくても、それができず、結果として障害の復旧に手間取ることもあった。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、地山の掘削速度と掘削土砂の排出速度を自由に調整することができ、鋼管等のエレメントの埋設に際して、地山を効率良く掘削することができる掘進機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係る掘進機は、掘進機本体の先端部に、地山を掘削するカッタヘッドを第1の駆動装置によって回転自在に設け、上記掘進機本体の内部に、上記カッタヘッドで掘削した土砂を後方に移送するスクリューコンベアを回転自在に設け、当該スクリューコンベアを上記第1の駆動装置とは異なる第2の駆動装置によって回転駆動するとともに、当該スクリューコンベアを上記カッタヘッドと軸心が互いにほぼ平行になるように配置したことを特徴とするものである。
なお、ほぼ平行とは、スクリューコンベアとカッタヘッドの両軸心のなす角度が0度乃至4度の範囲に収まる状態を云い、その角度の範囲であれば、小口径の掘進機であっても、第1および第2の駆動装置等の妨げとならないようにスクリューコンベアを掘進機本体内に配置することができる状態を云う。
【0008】
この請求項1に記載の本発明に係る掘進機によれば、カッタヘッドを回転駆動する第1の駆動装置とは異なる第2の駆動装置によって、スクリューコンベアを回転駆動するようにしたので、地山の掘削速度と掘削土砂の排出速度を自由に調整することができる。したがって、地山の掘削速度と掘削土砂の排出速度を常に適切な状態に保つことができ、エレメントの埋設に際して、地山を効率良く掘削することができる。また、例えば、地山の崩壊や、排出流路における掘削土砂の閉塞など、掘削中に障害が発生した際には、それら障害から容易に復旧することもできる。
しかも、スクリューコンベアをカッタヘッドと軸心が互いにほぼ平行になるように配置するようにしたので、掘進機本体を小径化することが可能となり、当該掘進機をエレメント先導用の掘進機として好適に用いることができる。
なお、上記エレメントには、例えば、矩形筒状の鋼管、円筒状の鋼管、プレキャストコンクリート多孔管、ボックスカルバートなど、地中に埋設する種々の部材が含まれる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の掘進機において、上記カッタヘッドの後方には、内部に上記スクリューコンベアが配置されて掘削土砂を排出するための排出流路が設けられ、この排出流路が上記掘進機本体内に偏心配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
この請求項2に記載の発明によれば、排出流路が掘進機本体内に偏心配置されているので、小型の掘進機においても、排出流路用のスペースを広く確保することができる。したがって、排出流路内において礫等による閉塞が生じ難くなる。また、掘進機本体内にデッドスペースが生じ難くなり、掘進機本体内の限られた空間を有効に活用することができる。すなわち、排出流路が掘進機本体内に偏心配置されているので、掘進機本体内における排出流路の他端側に、上記第1の駆動装置と上記第2の駆動装置との収容スペースを容易に確保することができる。また、上記第1の駆動装置と上記第2の駆動装置とを前後にずらして配置するようにすれば、複数の駆動装置が必要な場合であっても、それら駆動装置を掘進機本体内に効率的に収容することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の掘進機において、上記掘進機本体は、矩形筒状の外側ケーシングと、この外側ケーシング内に収容され上記カッタヘッドおよび上記スクリューコンベアが取り付けられた円筒状の内側ケーシングとを備え、この内側ケーシングが上記外側ケーシング内から離脱可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0012】
この請求項3に記載の発明によれば、内側ケーシングが外側ケーシング内から離脱可能に構成されているので、例えば、カッタヘッドが巨礫等の障害物に当たって掘進不能に陥った場合などには、内側ケーシングを離脱させることにより、上記障害物を容易に排除することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の掘進機において、上記カッタヘッドは、回転自在に保持されたカッタ本体と、このカッタ本体の外周部から突出する方向に進退自在に保持された補助カッタとを備え、これらカッタ本体および補助カッタの前面に、それぞれ複数の掘削ビットが設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
この請求項4に記載の発明によれば、カッタ本体には、その外周部から突出する方向に進退自在な状態で補助カッタが取り付けられているので、カッタ本体で掘削しきれない範囲を補助カッタで掘削することができ、エレメントの断面形状に合わせて地山を掘削することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の掘進機において、上記スクリューコンベアは、正逆両方向に回転可能に構成され、その回転方向に応じて掘削土砂の移送方向を前方または後方に選択的に切換可能となっていることを特徴とするものである。
【0016】
この請求項5に記載の発明によれば、掘削土砂の移送方向を前方または後方に選択的に切換可能となっているので、例えば、地山が崩壊しそうなときには、掘削土砂の移送方向を前方に切り換えることにより、掘削土砂で地山を支えて、地山の崩壊を抑制することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の掘進機において、上記掘進機本体の前端隅部には、流体を噴射して地山を掘削するジェット噴射ノズルが設けられていることを特徴とするものである。
【0018】
この請求項6に記載の発明によれば、流体を噴射して地山を掘削するジェット噴射ノズルが掘進機本体の前端隅部に設けられているので、カッタヘッドで掘削しきれない範囲をジェット噴射ノズルで掘削することができ、掘削断面の形状をエレメントの断面形状により近付けることができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れかに記載の掘進機において、上記掘進機本体の外周部には、地山に対して押圧力を付与することで当該掘進機本体の軌道を修正するスタビライザが設けられていることを特徴とするものである。
【0020】
この請求項7に記載の発明によれば、掘進機本体の軌道を修正するスタビライザが掘進機本体の外周部に設けられているので、エレメントを正確な位置に埋設することができる。また、エレメントを先導する際に、掘進機本体とエレメントとの連結部分が屈曲するのを極力防止することができ、上記連結部分が掘進機本体の進行を妨げることのないようにすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1〜図5は、本発明に係る掘進機の一実施形態を示すもので、図中符号10が掘進機本体である。
この掘進機本体10の後端部にはエレメント(ここでは、矩形筒状の鋼管)が接続される一方、先端部には、前方の地山を掘削するカッタヘッド20が回転自在に設けられている。また、掘進機本体10の内部には、カッタヘッド20で掘削した土砂を排出するための排出流路32が形成され、この排出流路32内には、その軸線方向に掘削土砂を移送する螺旋形のスクリューコンベア30が回転自在に設けられている。このスクリューコンベア30は、カッタヘッド20と軸心が互いにほぼ平行になるように(ここでは、両軸心のなす角度が2度程度となるように)配置されている。さらに、掘進機本体10の内部には、カッタヘッド20を駆動するカッタモータ21(第1の駆動装置)と、スクリューコンベア30を駆動するスクリューモータ31(第2の駆動装置)とが設けられ、これらモータ21、31により、カッタヘッド20とスクリューコンベア30とが互いに独立に駆動されるようになっている。
【0022】
掘進機本体10は、図3〜図5に示すように、矩形筒状の外側ケーシング11と、円筒状の内側ケーシング12とを備え、この内側ケーシング12が外側ケーシング11内に収容された状態となっている。そして、外側ケーシング11の内周部には、その軸線方向に沿って一対のガイドレール(図示省略)が設けられる一方、内側ケーシング12の外周部には、上記ガイドレールに沿って摺動する一対のガイド(図示省略)が設けられ、この内側ケーシング12の底部には、図1および図5に示すように、複数の車輪13a、13bが設けられている。また、内側ケーシング12の後部には、図4に示すように、その外周面から突出する状態で内側連結板14が設けられる一方、外側ケーシング11の内周側には、内側連結板14と対向する状態で外側連結板が突設され、これら連結板がボルト等で互いに連結されることにより、内側ケーシング12が外側ケーシング11と一体化された状態となっている。したがって、上記連結板の結合を解除すれば、外側ケーシング11の軸線方向に沿って内側ケーシング12が移動自在な状態となり、この状態で内側ケーシング12を牽引または押圧すれば、外側ケーシング11内から内側ケーシング12を容易に離脱させることができる。
【0023】
内側ケーシング12の内部には、図1に示すように、その軸線方向に沿って排出流路32が設けられている。この排出流路32は、内側ケーシング12内の下部に偏心配置され、この排出流路32の後部上方には、図1および図5に示すように、スクリューモータ31が設置され、排出流路32の前部上方には、図1および図3に示すように、複数のカッタモータ21が設置されている。
【0024】
図1に示すように、スクリューモータ31の出力軸31aには歯車31bが外嵌され、このスクリューモータ31の上方には、上記歯車31bと噛み合うギア部を外周に有する駆動リング33がベアリング34を介して回転自在に設けられている。この駆動リング33は、排出流路32の後半部における一部区間を構成し、その内周側にはスクリューコンベア30が接合されて両者が一体的に回転するようになっている。すなわち、スクリューモータ31の駆動により、駆動リング33およびスクリューコンベア30が回転し、その回転に伴い、排出流路32内の掘削土砂が軸線方向に移送されるようになっている。スクリューコンベア30は、正逆両方向に回転可能に構成され、その回転方向に応じて掘削土砂の移送方向を前方または後方に選択的に切換可能となっている。なお、排出流路32の後端から排出された掘削土砂は、排出流路32の後方に配置されたベルトコンベアによって坑口側へと搬送されるようになっている。
【0025】
一方、カッタモータ21の出力軸には歯車21aが外嵌され、このカッタモータ21の前方には、上記歯車21aと噛み合うギア部を内周側に有する円筒状の駆動部材23がベアリング24を介して回転自在に設けられている。この駆動部材23の内側には、カッタヘッド20で掘削した土砂を受け入れて排出流路32へと導くチャンバ25が形成されている。また、駆動部材23の前端部にはカッタヘッド20が連結されて両者が一体的に回転するようになっている。すなわち、カッタモータ21の駆動により、駆動部材23およびカッタヘッド20が回転し、その回転に伴い、カッタヘッド20の前方の地山が掘削されて、その掘削土砂がチャンバ25を介して排出流路32内に流入するようになっている。なお、駆動部材23およびカッタヘッド20は、正逆両方向に回転可能に構成され、例えば地山の状態等に応じてその回転方向を選択的に切換可能となっている。
【0026】
カッタヘッド20は、図1および図2に示すように、駆動部材23が連結されたカッタディスク(カッタ本体)27と、このカッタディスク27の外周部から突出する方向に進退自在に保持されたコピーカッタ(補助カッタ)28とを備え、これらカッタディスク27およびコピーカッタ28の前面には、それぞれ複数の掘削ビット27a、28aが設けられている。また、カッタディスク27は、外側ケーシング11の前端部に形成された開口部11aから前方に突出する状態で設けられ、その内部には、コピーカッタ28を駆動する油圧式の伸縮ジャッキ29が格納されている。
【0027】
この伸縮ジャッキ29は、カッタディスク27が一回転する間に、複数回伸縮を繰り返すようになっていて、これにより、カッタディスク27が所定の回転角度範囲にあるときにコピーカッタ28がカッタディスク27の外周部から所要量突出して、コピーカッタ28がカッタディスク27で掘削しきれない範囲(カッタディスク27の回転軌跡の外側の範囲)を掘削するようになっている。この実施形態では、図7に示すように、コピーカッタ28が外側ケーシング11の隅角部を向くときに伸縮ジャッキ29が伸長し、コピーカッタ28が外側ケーシング11の左右両側部および下部を向くときに伸縮ジャッキ29が縮小するように、伸縮ジャッキ29が伸縮を繰り返す。また、コピーカッタ28が外側ケーシング11の上辺部を向いてる間は、伸縮ジャッキ29が伸長した状態で維持される。その結果、エレメントの断面形状に合わせてほぼ矩形状に地山が掘削されることとなる。
【0028】
また、外側ケーシング11の前端隅部には、図2に示すように、水等の流体を噴射して地山を掘削するジェット噴射ノズル15がそれぞれ設けられ、これらジェット噴射ノズル15によって、カッタヘッド20で掘削しきれない隅角部の掘削が行われるようになっている。
【0029】
また、外側ケーシング11の左右両側部には、図2に示すように、上下にスタビライザ40がそれぞれ設けられている。スタビライザ40は、図6に示すように、進退自在なラム42を有するジャッキ41と、前端側に設けられた支軸45を中心に揺動自在な傾斜板43と、ラム42の進退に伴い傾斜板43の自由端側(後側)を押圧または牽引するリンク部材44とを備えている。このスタビライザ40は、常時は、図6(a)に示すように、ラム42が後退状態にあって、傾斜板43が外側ケーシング11の外周面と面一となるように配置されている。この状態から、図6(b)に示すように、ジャッキ41の駆動によりラム42が前進すると、リンク部材44からの押圧を受けて傾斜板43が支軸45を中心に回動し、この回動に伴い、傾斜板43が外側ケーシング11から突出して地山を押圧することとなる。その結果、上記押圧方向と反対方向の力が掘進機本体10に作用して、この掘進機本体10の軌道が上記押圧方向と反対方向に向けて修正される。また、この状態から、ジャッキ41の駆動によりラム42が後退すると、傾斜板43がリンク部材44により牽引されて支軸45を中心に回動し、これにより、傾斜板43が元の位置(図6(a)の位置)に復帰する。
【0030】
上記構成からなる掘進機を用いてエレメントを地中に埋設する場合には、先ず、掘進機本体10を発進立坑内の所定位置に設置し、この掘進機本体10を到達立坑に向けて押圧するジャッキを発進立坑内に設置する。また、地中に埋設するエレメントを掘進機本体10の後端部に連結する。なお、到達立坑から掘進機本体10を牽引する場合には、水平ボーリング等により発進立坑と到達立坑との間に貫通孔を削孔し、この貫通孔に牽引用のケーブルを挿通させて、このケーブルの一端を掘進機本体10の前端に接続し、他端を到達立坑内のジャッキに接続する。
【0031】
その後、立坑内の上記ジャッキを駆動させるとともに、掘進機本体10内のカッタモータ21およびスクリューモータ31をそれぞれ駆動させる。また、カッタモータ21と同期させるようにして伸縮ジャッキ29を駆動させ、必要に応じて、ジェット噴射ノズル15から流体を噴射させる。その結果、カッタディスク27、コピーカッタ28およびジェット噴射ノズル15の協働により、掘進機本体10の前方の地山が所望形状(ここでは略矩形状)に掘削されて、その掘削土砂がチャンバ25を介して排出流路32内に流入する。この排出流路32内に流入した掘削土砂は、スクリューコンベア30の回転により後方に移送されて、排出流路32の後端より排出される。また、掘進機本体10の前方の地山が掘削された分、掘進機本体10とその後続のエレメントが前進する。
【0032】
なお、上記掘進機本体10の推進途中においては、例えば地山の状態等に基づき、スクリューモータ31を制御して掘削土砂の排出速度を調整したり、或いはカッタモータ21を制御して地山の掘削速度を調整したりすることで、地山の掘削速度と掘削土砂の排出速度をそれぞれ適切な状態に保つようにする。例えば、地山が崩壊しそうなときには、スクリューモータ31を制御して掘削土砂の排出速度を調整したり、或いは掘削土砂の移送方向を反転させることにより、掘削土砂で地山を支えて、地山の崩壊を抑制するようにする。また、掘削土砂の排出流路32が閉塞したときには、カッタモータ21を制御して地山の掘削を一時停止させ、閉塞が解消された後で、地山の掘削を再開させるようにする。
【0033】
また、上記掘進機本体10の推進途中において、例えば、掘進機本体10が進路から外れた場合には、複数あるスタビライザ40の何れかを作動させて、掘進機本体10の軌道を修正する。
このように軌道修正が行われつつ、掘進機本体10は、到達立坑に向かって徐々に掘進して行き、当該掘進機本体10が到達立坑に到達したところで、エレメントが予め定められた位置に埋設された状態となる。
【0034】
以上のように、本実施形態の掘進機によれば、カッタヘッド20を回転駆動するカッタモータ(第1の駆動装置)21とは異なるスクリューモータ(第2の駆動装置)31によって、スクリューコンベア30を回転駆動するようにしたので、地山の掘削速度と掘削土砂の排出速度を自由に調整することができる。したがって、地山の掘削速度と掘削土砂の排出速度を常に適切な状態に保つことができ、エレメントの埋設に際して、地山を効率良く掘削することができる。また、例えば、地山の崩壊や、排出流路における掘削土砂の閉塞など、掘削中に障害が発生した際には、それら障害から容易に復旧することもできる。
しかも、スクリューコンベア30をカッタヘッド20と軸心が互いにほぼ平行になるように配置したので、掘進機本体10を小径化することが可能となり、当該掘進機をエレメント先導用の掘進機として好適に用いることができる。
【0035】
また、スクリューコンベア30が正逆両方向に回転可能に構成され、その回転方向に応じて掘削土砂の移送方向を前方または後方に選択的に切換可能となっているので、例えば、地山が崩壊しそうなときには、掘削土砂の移送方向を前方に切り換えることにより、掘削土砂で地山を支えて、地山の崩壊を抑制することができる。
さらに、内側ケーシング12が外側ケーシング11内から離脱可能に構成されているので、例えば、カッタヘッド20が巨礫等の障害物に当たって掘進不能に陥った場合などには、内側ケーシング12を離脱させることにより、上記障害物を容易に排除することができる。
【0036】
また、排出流路32が掘進機本体10内に偏心配置されているので、排出流路を掘進機本体の中央に配置する場合と比べて、排出流路用のスペースを広く確保することができる。したがって、排出流路32内において礫等による閉塞が生じ難くなる。また、掘進機本体10内にデッドスペースが生じ難くなり、掘進機本体10内の限られた空間を有効に活用することができる。すなわち、排出流路32が掘進機本体10内に偏心配置されているので、掘進機本体10内における排出流路32の他端側(上側)に、カッタモータ21とスクリューモータ31の収容スペースを容易に確保することができる。また、この実施形態では、カッタモータ21とスクリューモータ31とを前後にずらして配置するようにしたので、それらモータを掘進機本体10内に効率的に収容することができ、モータが複数ある場合においても、排出流路用のスペースを広く確保することができる。
しかも、本実施形態では、掘進機本体10内の下寄りの位置に排出流路32の流入口が配置されているので、カッタヘッド20で掘削した土砂をチャンバ25から排出流路32内に円滑に流入させることができる。
また、駆動リング33が排出流路32の後部に配置されているので、駆動リング33の区間(プラグゾーン)で掘削土砂が滞留するのを防止することができ、上流側から送られてきた掘削土砂を効率良く下流側に送出することができる。
【0037】
また、カッタディスク27には、その外周部から突出する方向に進退自在な状態でコピーカッタ28が取り付けられているので、カッタディスク27で掘削しきれない範囲をコピーカッタ28で掘削することができ、余堀りを極力無くしてエレメントの断面形状に合わせて地山を掘削することができる。しかも、掘進機本体10の前端隅部には、それぞれジェット噴射ノズル15が設けられているので、コピーカッタ28でも掘削しきれない隅角部をジェット噴射ノズル15で掘削することができ、掘削断面の形状をエレメントの断面形状により近付けることができる。
【0038】
さらに、掘進機本体10の外周部には、掘進機本体10の軌道を修正するスタビライザ40が設けられているので、エレメントを正確な位置に埋設することができる。また、エレメントを先導する際に、掘進機本体10とエレメントとの連結部分が屈曲するのを極力防止することができ、上記連結部分が掘進機本体10の進行を妨げることのないようにすることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る掘進機によれば、地山の掘削速度と掘削土砂の排出速度を自由に調整することができる。また、掘進機本体を小径化することが可能となり、当該掘進機をエレメント先導用の掘進機として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る掘進機の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1の掘進機の正面図である。
【図3】図1のA−A線視断面図である。
【図4】図1のB−B線視断面図である。
【図5】図1のC−C線視断面図である。
【図6】図1の掘進機に備わるスタビライザを示す平断面図である。
【図7】図1のカッタヘッドによる掘削軌跡を示す図である。
【符号の説明】
10 掘進機本体
11 外側ケーシング
12 内側ケーシング
15 ジェット噴射ノズル
20 カッタヘッド
21 カッタモータ(第1の駆動装置)
27 カッタディスク(カッタ本体)
28 コピーカッタ(補助カッタ)
27a、28a 掘削ビット
30 スクリューコンベア
31 スクリューモータ(第2の駆動装置)
32 排出流路
40 スタビライザ
Claims (7)
- 掘進機本体の先端部に、地山を掘削するカッタヘッドを第1の駆動装置によって回転自在に設け、上記掘進機本体の内部に、上記カッタヘッドで掘削した土砂を後方に移送するスクリューコンベアを回転自在に設け、当該スクリューコンベアを上記第1の駆動装置とは異なる第2の駆動装置によって回転駆動するとともに、当該スクリューコンベアを上記カッタヘッドと軸心が互いにほぼ平行になるように配置したことを特徴とする掘進機。
- 上記カッタヘッドの後方には、内部に上記スクリューコンベアが配置されて掘削土砂を排出するための排出流路が設けられ、この排出流路が上記掘進機本体内に偏心配置されていることを特徴とする請求項1に記載の掘進機。
- 上記掘進機本体は、矩形筒状の外側ケーシングと、この外側ケーシング内に収容され上記カッタヘッドおよび上記スクリューコンベアが取り付けられた円筒状の内側ケーシングとを備え、この内側ケーシングが上記外側ケーシング内から離脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の掘進機。
- 上記カッタヘッドは、回転自在に保持されたカッタ本体と、このカッタ本体の外周部から突出する方向に進退自在に保持された補助カッタとを備え、これらカッタ本体および補助カッタの前面に、それぞれ複数の掘削ビットが設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の掘進機。
- 上記スクリューコンベアは、正逆両方向に回転可能に構成され、その回転方向に応じて掘削土砂の移送方向を前方または後方に選択的に切換可能となっていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の掘進機。
- 上記掘進機本体の前端隅部には、流体を噴射して地山を掘削するジェット噴射ノズルが設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の掘進機。
- 上記掘進機本体の外周部には、地山に対して押圧力を付与することで当該掘進機本体の軌道を修正するスタビライザが設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の掘進機。
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