JP2004190416A - 車両用自動開閉装置 - Google Patents

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Kazuya Tateoka
和弥 舘岡
Narimitsu Kobori
成光 小堀
Toru Furusawa
透 古沢
Masahiro Fueki
正弘 笛木
Masami Sayama
雅美 佐山
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Abstract

【課題】開閉部材の位置を正確に検出して車両用自動開閉装置の誤作動を防止することである。
【解決手段】スライドアクチュエータには、スライドドアを駆動する電動モータの回転に比例するパルス信号を出力するホールICが設けられており、ECUはスライドドアが全閉位置となったときを起点としてパルス信号を積算することによりスライドドアの開閉位置を検出することができるようになっている。また、スライドドアにはクローザ機構が設けられており、ラッチとラチェットとがハーフラッチ位置とされたときにはラッチSWおよびラチェットSWがONされるようになっている。そして、ECUはラッチSWとラチェットSWが共にONとなり、且つ、パルスカウントによりスライドドアが全閉位置となったことが検出されたときにパルスカウントをリセットするようになっている。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に開閉自在に装着された開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車等の車両には、ドア、ドアガラス、サンルーフ、ハッチゲート等、車両に開閉自在に装着された開閉部材が随所に設けられている。例えば、ワゴン車やワンボックス車等では、車両の側部にスライドドアを設けて車両側方からの乗降や荷物の積み下ろし等を容易に行い得るようにしたものが多くみられる。
【0003】
ところが、このようなスライドドアはドア開閉用のスペースをとらずに比較的大きな開口部を得ることができる反面、その分大きく、その開閉が重くなりがちである。そのため、女性や子供などでは開閉動作を自在に行うことが困難な場合があり、特に、坂道では自重によりさらに開閉が重くなったり、逆に、自重により開閉が軽くなりすぎて急に閉じてしまうなどの問題があった。
【0004】
そこで、ワンボックス車等のファミリーユースが増加している状況の下、女性や子供でも容易に開閉できるようにスライドドアの自動開閉装置を搭載した車両が登場し、増加する傾向にある。また、自動開閉装置を設置すれば運転席から手が届かなくともスライドドアを遠隔操作できるため、この利便性からも自動開閉装置の取り付け要請は少なくない。
【0005】
このような自動開閉装置ではその駆動源として電動モータを用いており、スライドドアはこの電動モータに駆動されて開閉動作するようになっている。そして、この電動モータの制御には、挟み込みの検出やスローストップ等の制御を行うことができるように、スライドドアの開閉位置が反映されている。そのため、自動開閉装置には電動モータの回転数に比例したパルス信号を出力する回転センサが設けられており、開閉部材が全閉位置となったときを起点としてパルス信号を積算することにより、スライドドアの開閉位置を検出することができるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
一方、このようなスライドドアには、全閉付近まで閉まったドアを完全な全閉位置まで引き込むためのクローザ機構が用いられている。このクローザ機構は車体に固定されたストライカに回転係合するラッチを電動モータにより駆動するようにしたものであり、ストライカに当接してハーフラッチ位置となったラッチは電動モータにより自動的にフルラッチ位置にまで回転移動されるようになっている。また、クローザ機構にはラッチに係合するラチェットが回転自在に設けられており、ハーフラッチ位置、フルラッチ位置となったラッチはこのラチェットが係合することによりアンラッチ方向への移動が規制されるようになっている。ラッチとラチェットにはそれぞれラッチスイッチ、ラチェットスイッチが接続されており、これらのスイッチはラッチがハーフラッチ位置まで移動し、ラチェットがラッチに係合したときに共にONされるようになっている。そして、ラッチスイッチとラチェットスイッチが共にONされると電動モータが作動してラッチはフルラッチ位置まで自動的に回転駆動されるようになっている。
【0007】
このようなクローザ機構への給電はジャンクションスイッチを介して行われる。このジャンクションスイッチはバッテリに接続された車体側端子と、スライドドアの前端部に設けられたドア側端子とを有しており、スライドドアが全閉位置近傍にまで移動したときに両端子が接触するようになっている。つまり、スライドドアが全閉位置付近まで移動してジャンクションスイッチが接続されたときにクローザ機構に対する給電が行われるようになっている。
【0008】
このような自動開閉装置では、車両の経年変化等により電動モータとスライドドアとの間の伝達誤差等が累積されると、パルス信号の積算値とスライドドアの開閉位置との間にずれが生じて位置検出が不正確になる恐れがある。そのため、開閉部材の全閉状態が検出されたとき、つまり、この場合ではラッチスイッチとラチェットスイッチとが共にONしたときにパルス信号の積算値をリセットして、パルス信号の積算が常に開閉部材が全閉位置となったときを起点として行われるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−36703号公報(第3頁、第3図)
【0010】
【特許文献2】
特公平6−27454号公報(第3−4頁、第7図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
一方、スライドドアにパワーウインドが設けられた車両では、スライドドアが開いた状態であってもパワーウインドの操作を可能とすることが必要であるため、可撓性のフラットワイヤ等を用いてスライドドア側に常に電力を供給するようにしている。
【0012】
しかし、このような常時給電式のスライドドアが設けられた車両ではクローザ機構にも常時電力が供給されることになり、ラッチスイッチやラチェットスイッチの作動も常に監視されることになる。そのため、スライドドアが開いた状態のときに悪戯等によりラッチがハーフラッチ位置まで回されると、スライドドアが開いているにも拘わらずパルス信号の積算値がリセットされることになる。
【0013】
その結果、スライドドアの開閉位置が全閉位置であると誤認識されてスライドドアを自動閉動作させることができず、また、自動開動作させたときにはドアのストローク分移動する前に全開位置に到達し、これを挟み込みと誤認識して反転動作するなどの誤作動を生じることになっていた。
【0014】
本発明の目的は、開閉部材の位置を正確に検出して車両用自動開閉装置の誤作動を防止することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両用自動開閉装置は、車両に開閉自在に装着された開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、前記開閉部材を駆動する電動モータの回転数に比例したパルス信号を出力するパルス信号出力手段と、前記開閉部材が基準位置にあるときを起点として前記パルス信号を積算することにより前記開閉部材の開閉位置を検出する位置検出手段と、前記開閉部材が前記基準位置となったときに作動するスイッチ部材を有し、前記スイッチ部材が作動したときに前記パルス信号の積算値をリセットするリセット手段とを備え、前記位置検出手段により前記開閉部材が前記基準位置以外にあることが検出されているときには前記スイッチ部材が作動しても前記パルス信号の積算値をリセットしないことを特徴とする。
【0016】
本発明の車両用自動開閉装置は、前記基準位置を前記開閉部材の全閉位置もしくは全開位置に設定し、前記スイッチ部材が最初に作動したときには前記パルス信号の積算値を仮リセットし、仮リセットされた後、前記パルス信号が前記開閉部材の開閉ストローク分だけ積算されたときに前記パルス信号の積算値を正規値とすることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施の形態であるパワースライドドア装置が設けられた車両を示す説明図であり、図2は図1に示すパワースライドドア装置の詳細を示す拡大平面図である。
【0019】
図1に示すように、車両11には車両用自動開閉装置としてのパワースライドドア装置12が設けられている。このパワースライドドア装置12は開閉部材としてのスライドドア13を有しており、スライドドア13は車両11の側部に固定されたスライドレレール14に沿って車両11の前後方向に移動可能となっている。つまり、このスライドドア13は実線で示す全開位置と一点鎖線で示す全閉位置との間で車両11に開閉自在に装着されている。そして、車室内に設けられたセカンドシート15やサードシート16に乗降する際や、荷物を載せる際などには、スライドドア13は全開位置まで開けて使用される。
【0020】
図2に示すように、スライドレール14にはスライドレール14に沿って移動するローラアッシィ17が組み込まれており、このローラアッシィ17にはスライドドア13に固定されたアーム18の先端部が揺動自在に取り付けられている。これにより、スライドドア13はアーム18とローラアッシィ17とを介してスライドレール14に案内されて車両前後方向に移動可能となっている。また、スライドレール14の車両後方端にはストッパゴム21とチェッカー22とが設けられており、スライドドア13を全開位置まで開いたときにはローラアッシィ17はこのストッパゴム21とチェッカー22との間に保持されて不用意な移動が規制されるようになっている。
【0021】
スライドレール14の車両前方端には曲部14aが形成されており、この曲部14aにローラアッシィ17が案内されることによりスライドドア13は車両11の側面と同一面に収まるように車両11の内側に引き込まれて閉じられるようになっている。
【0022】
スライドドア13にはアーム18、ローラアッシィ17を介してケーブル23が取り付けられている。このケーブル23はスライドレール14の両端に設けられた反転プーリ24,25に向けて車両11の前方側と後方側とに案内されており、このケーブル23のいずれか一方側を引くことによって、スライドドア13の開閉動作が行われるようになっている。そして、このケーブル23を駆動してスライドドア13を自動的に開閉するために、このパワースライドドア装置12にはスライドアクチュエータ26が設けられている。
【0023】
スライドアクチュエータ26はスライドレール14の略中央部に位置して車両11の内側に固定されており、ケーブル23は反転プーリ24,25を介して車両前方側と後方側とからスライドアクチュエータ26の内部に案内されるようになっている。
【0024】
図3は図1に示すスライドアクチュエータの詳細を示す平面図であり、図4は図3におけるA−A線に沿う断面図である。
【0025】
図3、図4に示すように、スライドアクチュエータ26にはその駆動源として電動モータ27が設けられている。この電動モータ27は図示しない電源端子間に電圧が印加、つまり電流が供給されることにより作動するようになっており、供給される電流の方向に応じて、その回転軸28が正転もしくは逆転するようになっている。
【0026】
回転軸28には10極に着磁された多極着磁磁石31が固定されており、この多極着磁磁石31の回転軌道近傍には互いに90度の位相差をもって2つのホールIC32a,32bが設けられている。これらのホールIC32a,32bはそれぞれ多極着磁磁石31が回転して磁界が変化する度にパルス信号Psを出力することができ、回転軸28が1回転すると、これらのホールIC32a,32bからは位相が90度ずれた10周期分のパルス信号Psが出力されるようになっている。つまり、パルス信号出力手段としてのこれらのホールIC32a,32bからは電動モータ27の回転数に比例したパルス信号Psが出力されるようになっている。なお、ホールICとは磁界の変化を電圧に変換するセンサである。
【0027】
この電動モータ27の出力は駆動ギヤ33、大径スパーギヤ34および小径スパーギヤ35を介して従動ギヤ36に伝達されるようになっている。つまり、駆動ギヤ33は回転軸28に固定されており、この駆動ギヤ33は大径スパーギヤ34に噛み合わされ、この大径スパーギヤ34と同軸且つ一体的に回転するように形成された小径スパーギヤ35が従動ギヤ36と噛み合わされている。また、このスライドアクチュエータ26には出力軸37が回転自在に設けられており、従動ギヤ36はこの出力軸37に固定されている。これにより、電動モータ27の出力は減速して出力軸37に伝達されるようになっている。
【0028】
出力軸37には螺旋状の案内溝38aが形成されたドラム38が固定されており、このドラム38は出力軸37と一体に回転するようになっている。つまり、このドラム38はギヤ33〜36および出力軸37を介して電動モータ27により回転駆動されるようになっている。そして、スライドアクチュエータ26に案内されたケーブル23はこのドラム38に案内溝38aに沿って複数回巻き付けられており、ドラム38が回転するとケーブル23の車両前方側もしくは車両後方側のいずれか一方側が巻き取られて、スライドドア12が開閉動作するようになっている。
【0029】
ドラム38と2つの反転プーリ24,25との間にはそれぞれテンショナ41,42が設けられており、これらのテンショナ41,42によりドラム38が電動モータ27に回転駆動された直後に生じるケーブル23の弛みやローラアッシィ17がスライドレール14の曲部14aを通過する際に生じるケーブル23の周長変化が吸収されて、ケーブル23の張力が常に一定範囲に維持されるようになっている。
【0030】
このような構造により、電動モータ27を正転させてドラム38を図3において時計回りとなる開方向に回転させると、車両後方側のケーブル23がドラム38に巻き取られてスライドドア13はケーブル23に引かれながら全開位置へ向かって移動することになる。逆に、電動モータ27を逆転させてドラム38を図3において反時計回りとなる閉方向に回転させると、車両前方側のケーブル23がドラム38に巻き取られてスライドドア13はケーブル23に引かれながら全閉位置へ向かって移動することになる。このように、スライドドア13は電動モータ27により駆動されて自動開閉動作するようになっている。
【0031】
図5は図1に示すパワースライドドアの制御形態を示す説明図であり、図6はスライドドアの開閉位置とパルスカウントとの関係を示す説明図である。
【0032】
図5に示すように、このスライドアクチュエータ26には電動モータ27の作動を制御するために電子制御ユニットつまりECU43が設けられている。このECU43には車両11に搭載された図示しないバッテリが接続されており、このバッテリから供給される電力により作動するようになっている。
【0033】
ECU43はマイクロプロセッサ(以下CPU44とする)を備えており、このCPU44には、ROM45、RAM46、タイマ47およびI/Oポート48が接続されている。ROM45には制御プログラム、演算式およびマップデータなどが格納されており、RAM46はCPU44で演算処理したデータを一時的に格納することができるようになっている。また、I/Oポート48には、ホールIC32a,32bと図示しないスライドドア開閉スイッチ(以下開閉スイッチとする)が接続されており、これらの部材からのパルス信号Psもしくは指令信号はI/Oポート48を介してCPU44に入力されるようになっている。
【0034】
そして、ECU43は、ホールIC32a,32bから入力されるパルス信号Psの周期に基づいて電動モータ27の回転速度つまりスライドドア13の移動速度を検出することができ、これらのパルス信号Psの出現タイミングを基に電動モータ27の回転方向つまりスライドドア13の移動方向を検出することができるようになっている。
【0035】
また、位置検出手段としてのECU43は、スライドドア13が基準位置つまり全閉位置にあるときを起点としてホールIC32a,32bから入力されるパルス信号Psを積算つまりカウントすることによりスライドドア13の開閉位置を検出することができるようになっている。例えば、スライドドア13が全閉位置にあるときにはパルス信号Psの積算値つまりパルスカウントCpは0(ゼロ)に設定されており、パルスカウントCpが0±α(αは正数)であるときには、ECU43はスライドドア13が全閉位置にあることを検出する。ここで、αはスライドドア13が全閉位置であることを検出する際の全閉位置検出範囲を設定するために予め実験等により設定された許容範囲定数であり、パルスカウントCpが0に対して全閉位置検出範囲内にあればスライドドア13が全閉位置にあることが検出されるようにしている。
【0036】
次に、パルスカウントCpが増加すると、それに応じた開閉位置が検出され、パルスカウントCpが開閉ストローク値N以上となったときにはスライドドア13が全閉位置から開閉ストローク分だけ移動して全開位置となったことが検出される。この開閉ストローク値Nはスライドドア13が全開位置となったと検出することができる程度の許容範囲を含んで設定されており、これにより、スライドドア13が全開位置となったことをパルスカウントCpが開閉ストローク値N以上となったときに検出されるようにしている。
【0037】
電動モータ27の図示しない給電端子はI/Oポート48に接続されており、CPU44はスライドドア13の開閉位置および開閉スイッチからの入力信号をROM45に格納された制御プログラムに従って演算して、電動モータ27の駆動制御を実行するようになっている。
【0038】
図7は図2に示すクローザ機構のドアロック機構部を示す正面図である。
【0039】
スライドドア13の車両前方側の端部にはクローザ機構50が設けられており、全閉位置となったスライドドア13はこのクローザ機構50のドアロック機構部51によりドアロックされるようになっている。
【0040】
このクローザ機構50は従来から知られたものであり、ドアロック機構部51に設けられたラッチ52とラチェット53、クローザモータ54およびクローザ制御ユニット55とを有している。
【0041】
ラッチ52は車両の開口端部に固定されたストライカ56に係合する係合溝52aが形成されたフォーク形状に形成されており、ラッチ軸52bに支持されてスライドドア13の車両前方側の端部に回動自在に設けられている。そして、スライドドア13が全閉位置近傍にまで移動されて車両11の内側に引き込まれると、ストライカ56に当接してアンラッチ位置L1からハーフラッチ位置L2にまで回転されるようになっている。
【0042】
クローザモータ54はラッチ軸52bに連結されており、このラッチ軸52bを介してラッチ52をハーフラッチ位置L2からフルラッチ位置L3まで回転駆動することができるようになっている。
【0043】
ラッチ軸52bにはラッチスイッチ57(以下ラッチSW57とする)が設けられており、このラッチSW57はラッチ52がハーフラッチ位置L2となったときに作動つまりONするようになっている。つまり、スイッチ部材としてのラッチSW57は、スライドドア13が基準位置つまり全閉位置となったときにONとされるようになっている。
【0044】
ラチェット53はラチェット軸53aに支持されてラッチ52と同一面上にて回動自在に設けられている。そして、アンラッチ位置L1からハーフラッチ位置L2さらにフルラッチ位置L3に移動するラッチ52に押されながら回転して、ラッチ52に係合した状態となってラッチ52のアンラッチ位置L1への回転を規制するようになっている。また、スライドドアが全閉位置から移動を開始する際には、クローザモータ54によりラッチ52との係合が外れる位置にまで回転駆動されるようになっている。
【0045】
ラチェット軸53aにはラチェットスイッチ58(以下ラチェットSW58とする)が設けられており、ラチェットSW58はラッチ52がハーフラッチ位置L2となってラチェット53がラッチ52に係合したときに作動つまりONするようになっている。つまり、スイッチ部材としてのラチェットSW58は、スライドドア13が基準位置つまり全閉位置となったときにONとされるようになっている。
【0046】
そして、これらのスイッチ57,58はそれぞれクローザ制御ユニット55に接続されており、クローザモータ54はラッチSW57およびラチェットSW58が共にONされたときにクローザ制御ユニット55により駆動されるようになっている。
【0047】
クローザ制御ユニット55は制御信号を演算する図示しないマイクロプロセッサと、制御プログラム、演算式およびマップデータなどが格納される図示しないROMと、一時的にデータを格納する図示しないRAMなどを有しており、図示しないフラットワイヤによりECU43に接続されている。そして、ECU43との間で制御信号の入出力を行うことができるとともに、このフラットケーブルを介してスライドドア13が開いた状態であっても常に電力が供給されるようになっている。
【0048】
これにより、ECU43はクローザ制御ユニット55からの制御信号により、ラッチSW57およびラチェットSW58がONとなったことを検出することができるようになっている。そして、リセット手段としてのECU43は、ラッチSW57およびラチェットSW58が共にONとなったときにはパルスカウントCpをリセットすることができるようになっている。
【0049】
次に、このような構造のパワースライドドア装置12の作動について説明する。
【0050】
このパワースライドドア装置12では、図示されない開閉スイッチが操作されるとスライドドアは自動開閉作動つまりオート作動される。
【0051】
まず、スライドドア13が全閉状態のときに運転者等により開閉スイッチの開側が投入されると、ECU43にスライドドア13を開動作させる旨の指令信号が入力されて、ECU43はスライドドア13を開方向にオート作動させることになる。このオート作動は以下の手順で行われる。
【0052】
まず、ECU43はクローザ制御ユニット55に対して制御信号を送ってクローザモータ54によりラッチ52とラチェット53との係合を解除させてラッチ52をアンラッチ位置L1への移動させる。次に、電動モータ27を正転つまり開方向に作動させてドラム38を開方向に回転させる。これにより、ケーブル23の車両後方側がドラム38に巻き上げられ、スライドドア13はケーブル23に引かれながら全開位置に向けて移動を開始する。このとき、ECU43はホールIC32a,32bから出力されるパルス信号Psからスライドドア13の移動方向と移動速度を検出し、また、ホールIC32a,32bから出力されるパルス信号Psのカウントを開始してパルスカウントCpによるスライドドア13の位置検出を開始する。そして、ローラアッシィ17がチェッカー22を乗り越えてスライドドア13が全開位置まで移動すると、パルスカウントCpが開閉ストローク値Nとなってスライドドア13が全開位置であることがECU43にて検出され、電流の供給が遮断されて電動モータ27が停止される。
【0053】
逆に、スライドドア13が全開状態のときに運転者により開閉スイッチの閉側が投入されると、ECU43にスライドドア3を閉動作させる旨の指令信号が入力されて、スライドドア3は閉方向にオート作動される。このオート作動は以下の手順で行われる。
【0054】
まず、ECU43は電動モータ27を逆転つまり閉方向に作動させてドラム38を閉方向に回転させる。これにより、ケーブル23の車両前方側がドラム38に巻き上げられ、スライドドア13はケーブル23に引かれながら全閉位置に向けて移動を開始する。このとき、開動作の場合と同様に、ECU43はスライドドア13の移動方向と移動速度およびスライドドア13の開閉位置を検出する。そして、スライドドア13が全閉位置の近傍にまで達すると、ラッチ52がストライカ56と当接してハーフラッチ位置L2にまで移動され、ラチェット53がラッチ52に係合してラッチSW57、ラチェットSW58がともにONとなる。そして、クローザモータ54によりラッチ52がフルラッチ位置L3に回転駆動されるとスライドドア13が全閉位置に保持され、同時にパルスカウントCpによりスライドドア13の開閉位置が全閉位置であることが検出されて電動モータ27が停止される。
【0055】
図8は、図1に示すパワースライドドア装置におけるパルスカウントのリセット動作の制御手順を示すフローチャート図である。
【0056】
このパワースライドドア装置12では、車両11の経年変化等により生じるスライドドア13の開閉位置とパルスカウントCpとのずれを吸収するために、スライドドア13が全閉位置となったときにパルスカウントCpをリセットつまり0に再設定するリセット動作が行われるようになっている。以下に、リセット動作の制御手順について、図8に示すフローチャート図にしたがって説明する。
【0057】
まず、車両11に設けられた図示しない開閉スイッチがONとされてパワースライドドア装置12に対して電力の供給が開始されると、ステップS1にてパルスカウントCpがリセット済みか否かが判断され、パルスカウントCpが未だリセットされていないと判断されたときにはステップS2においてラッチSW57およびラチェットSW58が共にONとなっているか否かが判断される。
【0058】
そして、ステップS2においてラッチSW57およびラチェットSW58が共にONであると判断された場合には、ステップS3にてパルスカウントCpが仮リセットされてルーチンはリターンされる。
【0059】
つまり、パワースライドドア装置12に電力の供給が開始されてから最初にラッチSW57およびラチェットSW58が共にONとなったときには、パルスカウントCpは仮リセットされるのである。この仮リセットは正規のリセット動作ではなく、その後のパルスカウントは正規値としてではなく仮パルスカウントCptとして扱われることになる。
【0060】
一方、ステップS2においてラッチSW57およびラチェットSW58が共にONではないと判断された場合には、ステップS4にてパルスカウントCpが仮リセット済みか否かが判断され、ステップS3において既にパルスカウントCpが仮リセットされている場合には、スライドドア13の移動にともなって出力されるパルス信号Psは仮パルスカウントCptとして積算つまりカウントされる。なお、ステップS4においてパルスカウントCpが仮リセットされていないと判断された場合はルーチンはリターンされる。
【0061】
そして、ステップS5においてこの仮パルスカウントCptがドアストローク分以上つまり開閉ストローク値Nとなったか否かが判断され、ステップS5において仮パルスカウントがドアストローク分以上となったと判断されると、ステップS6にて仮パルスカウントCptは正規値つまり正規のパルスカウントCpとして設定される。一方、ステップS5において仮パルスカウントCptがドアストローク分以下であると判断された場合には、ルーチンはリターンされる。
【0062】
つまり、ステップS3にてパルスカウントCpが仮リセットされた後、仮パルスカウントCptがドアストローク分以上となったときには、仮リセットを実行したときのスライドドア13の開閉位置は全閉位置であることが確認されることになるので、この仮パルスカウントCptを正規値に設定することができるのである。
【0063】
これにより、ステップS6にて仮パルスカウントCptが正規値に設定されると、ステップS3で行われた仮リセットは正規のリセット動作とされることになるので、ステップS7にてパルスカウントリセット済みのフラグが立てられ、その後、仮パルスカウントCptは正規のパルスカウントCpとして取り扱われることになる。そして、ステップS8にて以後のオート動作が許可され、ECU43はこのパルスカウントCpに基づいてスライドドア13のオート作動の制御を行うことになる。
【0064】
このように、本発明のパワースライドドア装置12では、最初にラッチSW57およびラチェットSW58が共にONとなったときには、スライドドア13が開閉ストローク分だけ移動したことを確認した後でパルスカウントCpが正規値に設定されるので、常にスライドドア13の開閉位置を正確に検出して、このパワースライドドア装置12の誤作動を防止することができる。
【0065】
ステップS6にてパルスカウントCptが正規値に設定された後にルーチンがリターンされると、ステップS1にてパルスカウントリセット済みと判断される。そして、以下のステップにおいてはスライドドア13が全閉位置となる度にリセット動作が行われる。
【0066】
ステップS9にてラッチSW57およびラチェットSW58が共にONであるか否かが判断される。そして、ステップS9にてラッチSW57およびラチェットSW58が共にONであると判断されると、ステップS10にてパルスカウントCpが全閉位置検出範囲内つまり0±αか否かが判断される。そして、ステップS10においてパルスカウントCpが全閉位置検出範囲内であると判断されたときにはステップS11にてパルスカウントCpのリセットが実行され、ステップS12にてオート作動が許可される。一方、ステップS11にてパルスカウントCpが全閉位置検出範囲内となっていないと判断された場合にはステップS13にてオート作動が禁止される。
【0067】
つまり、パルスカウントCpのリセット動作は、ラッチSW57およびラチェットSW58が共にONであり、且つ、パルスカウントCpにより検出されるスライドドア13の開閉位置が全閉位置検出範囲内のときに行われるようになっており、パルスカウントCpによりスライドドア13の開閉位置が全閉位置以外であることが検出されているときには、ラッチSW57およびラチェットSW58が共にONとなってもパルスカウントCpはリセットされない。例えば、ラッチSW57およびラチェットSW58が共にONでであることが検出された場合であっても、パルスカウントCpにより検出されるスライドドア13の開閉位置が、図6に示す位置Aのように、全閉位置以外にあることが検出されているときにはパルスカウントCpはリセットされない。
【0068】
このように、ステップS9にてラッチSW57およびラチェットSW58とが共にONとなったときにスライドドア13の開閉位置が全閉位置であることを検出することはできるが、このパワースライドドア装置12では、これに加えて、パルスカウントCpによるスライドドア13の開閉位置をも参照して、より正確にスライドドア13が全閉位置となったことを確認するようにしている。これにより、例えば、スライドドア13が開いた状態のときにラッチ52が悪戯等により回されてラッチSW57およびラチェットSW58とが共にONとなった場合であっても、このときパルスカウントCpは全閉位置検出範囲内となっていないので、ラッチ52が悪戯等により誤作動させられたと判断してパルスカウントCpが誤ってリセットされることを防止することができる。
【0069】
このように、本発明のパワースライドドア装置12では、スライドドア13が全閉位置以外にあるときにはラッチSW57およびラチェットSW58とが共にONとなってもパルスカウントCpはリセットされないので、悪戯等によりラッチ52が回転されてもパルスカウントCpが誤ってリセットされることを防止することができる。したがって、スライドドア13とパルスカウントCpとのずれが防止されることになり、スライドドア13の開閉位置を常に正確に検出して、このパワースライドドア装置12の誤作動を防止することができる。
【0070】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前記実施の形態おいては、この本発明をスライドドア13を自動的に開閉するパワースライドドア装置に適用しているが、これに限らず、例えば、ドアに開閉自在に装着されるドアガラスを自動的に開閉するパワーウインド装置や車両後端部にヒンジを介して上下方向に開閉自在に装着されたバックドアを自動的に開閉するパワーバックドア装置等、他の自動開閉装置に適用してもよい。
【0071】
また、前記実施の形態においては、スライドドア13の基準位置は全閉位置とされているが、これに限らず、全開位置としてもよい。この場合、全開位置におけるスライドドアを保持するドアロックをスライドドア13の車両後方側の端部に設けるようにしてもよい。
【0072】
さらに、前記実施の形態においては、ステップS11にてパルスカウントCpが全閉位置検出範囲内となっていないと判断された場合にはステップS13にてオート作動が禁止されるようにしているが、これに限らず、ラッチ52をアンラッチ位置L1に戻してから再度ルーチンを実行させたり、スライドドア13を手動にて全閉位置に移動させてからオート作動を許可するようにしてもよい。
【0073】
さらに、前記実施の形態においては、スイッチ部材としてはラッチSW57およびラチェットSW58が用いられているが、これに限らず、開閉部材が基準位置となったときに作動するものであればよい。このようなものとしては、例えば、開閉部材をドアガラスとした場合には、ドアガラスが全開位置もしくは全閉位置となったときにドアガラスと当接して作動するリミットスイッチ等が考えられる。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、開閉部材が基準位置以外にあるときにはスイッチ部材が作動してもパルス信号の積算値はリセットされないので、悪戯等によりスイッチ部材が誤作動された場合であっても、開閉部材の開閉位置とパルス信号の積算値とのずれが防止される。したがって、開閉部材の開閉位置は常に正確に検出されることになり、この車両用自動開閉装置の誤作動が防止される。
【0075】
また、本発明によれば、最初にスイッチ部材が作動したときには、開閉部材が開閉ストローク分だけ移動したことを確認した後でパルス信号の積算値が正規値とされるので、開閉部材の開閉位置が常に正確に検出されることになり、この車両用自動開閉装置の誤作動が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるパワースライドドア装置が設けられた車両を示す説明図である。
【図2】図1に示すパワースライドドア装置の詳細を示す拡大平面図である。
【図3】図1に示すスライドアクチュエータの詳細を示す平面図である。
【図4】図3におけるA−A線に沿う断面図である。
【図5】図1に示すパワースライドドアの制御形態を示す説明図である。
【図6】スライドドアの開閉位置とパルスカウントとの関係を示す説明図である。
【図7】図2に示すクローザ機構のドアロック機構部を示す正面図である。
【図8】図1に示すパワースライドドア装置におけるパルスカウントのリセット動作の制御手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
11 車両
12 パワースライドドア装置
13 スライドドア
14 スライドレール
14a 曲部
15 セカンドシート
16 サードシート
17 ローラアッシィ
18 アーム
21 ストッパゴム
22 チェッカー
23 ケーブル
24,25 反転プーリ
26 スライドアクチュエータ
27 電動モータ
28 回転軸
31 多極着磁磁石
32a,32b ホールIC
33 駆動ギヤ
34 大径スパーギヤ
35 小径スパーギヤ
36 従動ギヤ
37 出力軸
38 ドラム
38a 案内溝
41,42 テンショナ
43 ECU
44 CPU
45 ROM
46 RAM
47 タイマ
48 I/Oポート
50 クローザ機構
51 ドアロック機構部
52 ラッチ
52a 係合溝
52b ラッチ軸
53 ラチェット
53a ラチェット軸
54 クローザモータ
55 クローザ制御ユニット
56 ストライカ
57 ラッチスイッチ(ラッチSW)
58 ラチェットスイッチ(ラチェットSW)
Ps パルス信号
Cp パルスカウント
α 許容範囲定数
N 開閉ストローク値
L1 アンラッチ位置
L2 ハーフラッチ位置
L3 フルラッチ位置
Cpt 仮パルスカウント
A 位置

Claims (2)

  1. 車両に開閉自在に装着された開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、
    前記開閉部材を駆動する電動モータの回転数に比例したパルス信号を出力するパルス信号出力手段と、
    前記開閉部材が基準位置にあるときを起点として前記パルス信号を積算することにより前記開閉部材の開閉位置を検出する位置検出手段と、
    前記開閉部材が前記基準位置となったときに作動するスイッチ部材を有し、前記スイッチ部材が作動したときに前記パルス信号の積算値をリセットするリセット手段とを備え、
    前記位置検出手段により前記開閉部材が前記基準位置以外にあることが検出されているときには前記スイッチ部材が作動しても前記パルス信号の積算値をリセットしないことを特徴とする車両用自動開閉装置。
  2. 請求項1記載の車両用自動開閉装置において、前記基準位置を前記開閉部材の全閉位置もしくは全開位置に設定し、前記スイッチ部材が最初に作動したときには前記パルス信号の積算値を仮リセットし、仮リセットされた後、前記パルス信号が前記開閉部材の開閉ストローク分だけ積算されたときに前記パルス信号の積算値を正規値とすることを特徴とする車両用自動開閉装置。
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