JP2004190506A - 風力発電装置、風力発電方法、並びに風力発電装置に用いられる風洞部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】風洞内の風の抵抗を無くし、風力を増幅して風力ファンの回転力を高める。
【解決手段】風洞4の側面部4aには風洞内外を連通して風を取り入れる風取り入れ口7が形成されている。風取り入れ口7は、風洞4の長手方向の中心軸を中心として略90度間隔で4箇所設けられており、風向に関係なく風洞4の側面部4aの周囲から風を取り入れることができる。風取り入れ口7は風洞4の側面部4aから拡径するフード部7aを備え、このフード部7aには下方に開口して風洞4の側面部4aに形成された開口部4bに連通する開口部7bが形成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】風洞4の側面部4aには風洞内外を連通して風を取り入れる風取り入れ口7が形成されている。風取り入れ口7は、風洞4の長手方向の中心軸を中心として略90度間隔で4箇所設けられており、風向に関係なく風洞4の側面部4aの周囲から風を取り入れることができる。風取り入れ口7は風洞4の側面部4aから拡径するフード部7aを備え、このフード部7aには下方に開口して風洞4の側面部4aに形成された開口部4bに連通する開口部7bが形成されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒状の風洞内部に風を吹き込んで風力ファンを回転させ、この風力ファンの回転力を用いて発電する風力発電装置、風力発電方法、並びに風力発電装置に用いられる風洞部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の風力発電装置として、特開平11−62811号公報に示されるように風上側の口径を大きく、風下側の口径を小さくした風洞の内部に複数のプロペラ風車と、このプロペラ風車に連結した発電機とを間隔をおいて設け、風洞の中で風速を加速させながら複数の風車に繰り返し当てて発電する構成がある。
【0003】
また、他の風力発電装置として、例えば特開2002−202045号公報に示されるように、風洞の風吹き込み口に径方向に拡大してエアを全周360度から取り入れるベルマウス構造の集風部を設け、風洞内部に回転自在に軸支された複数の風車を風力により回転させ、この風車の回転力を用いて発電する構成がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の風力発電装置のように、風洞の一端部から他端部に向けて風を送る構成では、風洞が長いほど風洞内の風が抵抗となって風が抜けず、風力が減衰されてしまい、風車の回転力(つまり、発電量)が十分に得られないという欠点がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、風洞内の風の抵抗を無くし、風力を増幅して風力ファンの回転力(発電量)を高めることができる風力発電装置、風力発電方法、並びに風力発電装置の風洞部材を提供することである。
【0006】
また、24時間の連続稼働が可能となり、弱風などで風力が得られないときでも風力ファンを回転させて発電ができる風力発電装置、風力発電方法、並びに風力発電装置の風洞部材を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決し、目的を達成するため、本発明の風力発電装置は、筒状の風洞内部に吹き込む風の風力により発電する風力発電装置において、前記風洞内部に回転自在に配設され、前記風力を受けて回転する風力ファンと、前記風力ファンの回転力を用いて発電する発電機とを備え、前記風洞の側面部に風を取り入れる風取り入れ口を設けた。
【0008】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風洞は風を吹き込むための風吹き込み口と前記風吹き込み口から吹き込んだ風を吹き出す風吹き出し口とを有する中空円筒状に形成され、前記風取り入れ口は前記風洞の径方向の側面部に設けられている。
【0009】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風取り入れ口は、前記風力ファンの上流側に設けられている。
【0010】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風力ファンは前記風洞内部に直列に複数設けられ、前記風洞内部を絞る流線型のボスヘッドと、当該ボスヘッドにより絞られた通路を通過した風を受けるプロペラとを有する軸流ターボ型ファンである。
【0011】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風吹き込み口を有する風洞には、前記風洞の側面部から径方向に拡大して風を取り入れる集風部が設けられている。
【0012】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風吹き込み口を有する風洞に、前記風洞の入口側にヨットの帆状に湾曲させた4枚の整流板を90度間隔で上端と下端で略90度位相をずらして配した集風部が設けられている。
【0013】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風吹き出し口を有する風洞内部には、前記風洞内部の風を前記風吹き出し口から強制的に排気して前記風洞内部に気流を発生させる排気ファンが設けられ、当該排気ファンは前記発電機による発電量が所定値以下となったときに当該発電機により発電された電力を用いて起動される。
【0014】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風洞は、前記風の流通方向に分割可能な複数の風洞ユニットの組立体で構成され、当該風洞ユニットは前記風力ファンを着脱自在に軸支する第1風洞ユニットと、前記風取り入れ口が設けられた第2風洞ユニットと、前記集風部が設けられた第3風洞ユニットと、前記風洞の側面部を画定する第4風洞ユニットと、発電機を回転自在に軸支する第5風洞ユニットと、前記排気ファンを回転駆動可能に軸支する第6風洞ユニットとを含む。
【0015】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風洞は、前記風吹き込み口を下端部として垂直に立設される。
【0016】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風洞は、水平に配置される。
【0017】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風洞がハニカム状に複数配置されている。
【0018】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風洞内部における風に触れる部位に光触媒材料が被覆されている。
【0019】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風吹き込み口を有する風洞端部の内面部には風を加熱するヒータが設けられている。
【0020】
本発明の風力発電方法は、筒状の風洞内部に吹き込む風の風力により発電する風力発電方法において、前記風洞の一端部に設けられた風吹き込み口から吹き込む風と、前記風洞の側面部に設けられた風取り入れ口から取り入れられた風とを受けて、前記風洞内部に回転自在に配設された風力ファンを回転させ、前記風力ファンの回転力を用いて発電する。
【0021】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風吹き込み口から吹き込む風と前記風取り入れ口から取り入れられた風とは、前記風洞の他端部に設けられた風吹き出し口から吹き出される。
【0022】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風取り入れ口は、前記風力ファンの上流側に設けられている。
【0023】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風力ファンは前記風洞内部に直列に複数設けられ、前記風洞内部を絞る流線型のボスヘッドと、当該ボスヘッドにより絞られた通路を通過した風を受けるプロペラとを有する軸流ターボ型ファンである。
【0024】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風吹き込み口を有する風洞には前記風洞の側面部から径方向に拡大して風を取り入れる集風部が更に設けられている。
【0025】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風吹き込み口を有する風洞には、前記風洞の入口側にヨットの帆状に湾曲させた4枚の整流板を90度間隔で上端と下端で略90度位相をずらして配した集風部が設けられている。
【0026】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風吹き出し口を有する風洞内部には、前記風洞内部の風を前記風吹き出し口から強制的に排気して前記風洞内部に気流を発生させる排気ファンが更に設けられ、当該排気ファンは前記発電機による発電量が所定値以下となったときに当該発電機により発電された電力を用いて起動される。
【0027】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風洞は前記風吹き込み口を下端部として垂直に立設され、前記風洞内部に吹き込む風を上端部の前記風吹き出し口から吹き出す。
【0028】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、風洞は前記水平に配置され、前記風洞内部に吹き込む風を他端部の前記風吹き出し口から吹き出す。
【0029】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風洞をハニカム状に複数配置して各風洞内部に風を流通させる。
【0030】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風洞内部における風に触れる部位に光触媒材料が被覆されている。
【0031】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風吹き込み口を有する風洞内部にヒータを設け、当該ヒータにより風を加熱する。
【0032】
本発明の風力発電装置に用いられる風洞部材は、筒状の風洞内部に回転自在に配設され、当該風洞内部に吹き込む風の風力を受けて回転する風力ファンと、前記風力ファンの回転力を用いて発電する発電機とを備える風力発電装置に用いられる風洞部材であって、前記風洞を前記風の流通方向に複数の風洞ユニットに分割可能に構成する。
【0033】
また、好ましくは、上記風洞部材において、前記風洞ユニットは、前記風力ファンを着脱自在に軸支する第1風洞ユニットと、前記風洞部材の側面部に風取り入れ口が設けられた第2風洞ユニットと、前記風洞部材の側面部から径方向に拡大して風を取り入れる集風部が設けられた第3風洞ユニットと、前記風洞部材の側面部を画定する第4風洞ユニットと、前記発電機を回転自在に軸支する第5風洞ユニットと、風を吹き出し口から強制的に排気して風洞内部に気流を発生させる排気ファンを回転駆動可能に軸支する第6風洞ユニットとを含む。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で下記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
【0035】
図1は、本発明に係る実施形態の風力発電装置の外観図である。図2は、図1の側断面図である。図3(a)は図1の風力発電装置を上方から見た図、図3(b)は図1の風力発電装置を下方から見た図である。
【0036】
図1乃至図3に示すように、本実施形態の風力発電装置(以下、発電装置ともいう)は、風洞中の気圧を利用して風速を高め、その風力を利用してプロペラを高速回転させることにより発電する風洞型風力発電装置(ウインドウ・タネル・エンジン)であり、以下に説明する煙突効果を用いた直立型、或いは後述する隙間風の効果を用いた横型のいずれかの形態で適用される。
【0037】
図1乃至図3は地面やビルの屋上などに設置される直立型風力発電装置1を例示し、筒状の風洞4の下端部には外部から風を吹き込むための風吹き込み口2が設けられ、その上端部には風吹き込み口2から吹き込んだ風を風洞4内部に流通させて外部に吹き出す風吹き出し口3が設けられている。
【0038】
また、風洞4には、この風洞4内部に回転自在に配置され、当該風洞4内部の気流による風力を受けて回転する風力ファン5と、この風力ファン5の回転力を用いて発電する発電機6とが設けられている。
【0039】
風洞4は、地面やビルの屋上などの設置面10から垂直上方に延びる支柱11と、この支柱11から風洞4の側面部4aに向けて水平に延びる複数の支持アーム12に接続されることにより直立状態に保持される。
【0040】
筒状の風洞4は、図示のように径方向の断面が中空円筒状の他、短手方向の断面が中空矩形状や多角形状に構成される場合もある。
【0041】
風洞4の側面部4aには風洞内外を連通して周囲の風を取り入れる風取り入れ口7が形成されている。風取り入れ口7は、風洞4の長手方向の中心軸を中心として略90度間隔で4箇所設けられており、風向に関係なく風洞4の側面部4aの周囲から風と取り入れることができるように構成されている。
【0042】
上記風取り入れ口7は、風洞4の側面部4aから拡径方向に膨出するフード部7aを備え、このフード部7aには下方に開口して風洞4の側面部4aに形成された開口部4bに連通する開口部7bが形成されている。
【0043】
風洞4の側面部4aに形成された開口部4bと風取り入れ口7の開口部7bとは、風洞4の直径φに対してφ/4以上の口径を有し、風力ファン5のプロペラ5aの(直)上流側(風上側)に形成される。風取り入れ口7を風力ファン5のプロペラ5aの(直)下流側(風下側)に配置した場合には、風洞4内部に乱流が発生して風力ファン5に回転力を与えられないからである。
【0044】
風力ファン5は、風洞4の長手方向、即ち、風吹き込み口2から風吹き出し口3に向けた風の流通方向に沿って風洞4内部に直列に複数(図示の発電装置では2つ)設けられ、風洞4内部を中心軸から外周方向に徐々に絞るように漸進的に狭めるボスヘッド5bを有する軸流ターボ型ファンである。好ましくは、プロペラ5aは複数枚の羽根で構成されている。尚、風力ファン5は2つに限られず、1つ或いは3つ以上配置される場合もある。
【0045】
ボスヘッド5bは、その側面部5cが風の流通方向とは反対方向に向けてプロペラ5aのボス部5dから延びつつ徐々に縮径する曲面で、先端部5eが尖った流線型の形状に構成され、風洞4内部の風速を高めつつ整流してプロペラ5aに吹き込む機能を有する。
【0046】
発電機6は風力ファン5の(直)下流側の風洞4の側面部4aに配置され、その回転軸6aが風力ファン5の回転軸6cにかさ歯車などを介して噛み合い、風力ファン5の回転力を電力に変換して発電する。
【0047】
風洞4における風吹き込み口2が形成された下端部は、下方に向かって縮径するテーパ状に形成され、そのテーパ状の側面部2aには周囲の風を取り入れる開口部2bが形成されている。また、テーパ状の側面部2aには風の流通方向に沿って所定間隔で径方向に斜め下方に拡大するベルマウス構造の複数の拡径部8A,8Bが設けられ、集風部として風を風洞4の下端部の全周360度から取り入れることができるように構成されている。また、上流側拡径部8Bは、下流側拡径部8Aより外形が小さくなっている。
【0048】
尚、本実施形態では拡径部を2つ設けた例を説明したが、これに限られず拡径部を1つだけ、或いは3つ以上設けることもできる。また、図示の拡径部は下端部から見て外形が矩形状に構成されているが、例えば、管楽器の音を出す先端部のように円形のスカート状に構成される場合もある。また、直立型や横型などの風洞の配置態様によって(特に、風洞を横型に配置する態様では)拡径部を設けない場合もある。
【0049】
また、上記テーパ状の側面部2aには、仕切壁2cが風洞4の長手方向の中心軸を中心として略90度間隔で4箇所設けられており、この仕切壁2cと風吹き込み口2の略中心に設けられた支持軸2dとが設置面10に当接することで、風吹き込み口2と設置面10との間に風を吹き込むための所定の隙間2eが形成される。
【0050】
風洞4における風吹き出し口3が形成された上端部には、風洞4内部の風を強制的に上方に排気して風洞4内部に気流を発生させる排気ファン9が排気ファンモータ13により回転駆動可能に設けられている。
【0051】
この排気ファン9は、後述するように発電機6での発電量が所定値以下となったときにバッテリ23の電力が供給されて起動される。
【0052】
発電機6により発電された電力は、制御部21から電源装置22を介して外部の電力線に送電されると共に、その電力の一部が排気ファンモータ13を駆動するためのバッテリ23に分配されて充電される。バッテリ23への充電量は発電機6の最大発電量(約5〜30KW)の10分の1以下程度であり、発電量の低下などの影響はほとんどない。
【0053】
風洞4は、風の流通方向に分割可能な複数のリング状の風洞ユニット4A〜4Gを所定長さに直線状に組み立てた組立体として構成されており、風洞ユニット4A〜4Gは、中空内部に風力ファン5を着脱自在かつ回転自在に軸支する第1風洞ユニット4Aと、側面部4aに風取り入れ口7が形成された第2風洞ユニット4Bと、拡径部8が設けられた第3風洞ユニット4C,4Dと、側面部4aの外形を画定する第4風洞ユニット4Eと、発電機6を回転自在に軸支する第5風洞ユニット4Fと、排気ファン9を回転駆動可能に軸支する第6風洞ユニット4Gとを含み、これら各風洞ユニット4A〜4Gの組み合わせ構成は、総発電量やシステム規模や周辺環境や設置場所などに応じて適宜決定される。
【0054】
尚、本実施形態は発電装置1をビルの屋上などに設置した場合には、冷暖房装置から排出される排気風やビル風などを有効に利用することができる。また、トンネルの出入口に設置することでトンネル内を吹き抜ける風を有効に利用することができる。その他、農業用ハウスの暖房や照明、山岳地帯の小屋などの送電施設がなく自家発電が不可欠な場所、或いは船舶や車両などの移動体に設置することもできる。また、停電などの非常時の予備電源として用いることもできる。
【0055】
第2風洞ユニット4Bは第1風洞ユニット4Aの(直)上流側に連結され、第5風洞ユニット4Fは第1風洞ユニット4Aの(直)下流側に連結され、第6風洞ユニット4Gは最も下流側に設置された第1風洞ユニット4Aより下流側であって風吹き出し口3の近傍に連結するのが好ましい。また、第1風洞ユニット4Aから風力ファン5を取り外した場合には、側面部4aの外形を画定する第4風洞ユニット4Eと同様の機能を有する構成となる。
【0056】
また、風に接触する部位として、例えば、風洞4の内面部、風取り入れ口7のフード部7aの内面部、風力ファン5のプロペラ5aやボスヘッド5bの表面部、ベルマウス構造の拡径部8の表面部、排気ファン9の表面部などに光触媒材料を塗布して被覆することにより、水滴や埃の付着を抑えて風力ファン5の回転数の低下を防止でき、更に空気抵抗を低減して風洞4内の風の流れがスムーズになるという効果が得られる。また、光触媒材料は外気中に含まれるCO2 、NOx、SOxなどを軽減する効能を持っており、この効能によって風洞内表面の汚れを防止する効果やマイナスイオン効果などを発揮させることができる。
【0057】
また、上記光触媒に代えて或いは光触媒と共に、風吹き込み口2を有する風洞端部の内面部やその近傍に風を加熱するヒータを設けることで、風吹き込み口2から吹き込む風が上昇気流となるため(トンネル効果)、風洞4内の風の流れがスムーズになるという効果が得られる。尚、上記ヒータとしては、抵抗発熱器や半導体熱交換素子などが適用可能である。
【0058】
また、降雨などにより雨滴が風洞内部に侵入するのを防止するために、風吹き出し口3の上端部を覆うと共に、側面部が格子戸などにより通気可能に構成された傘状のカバー部材を設置しても良い。
【0059】
図4は、本発明に係る実施形態の風力発電装の他例を示す外観図である。図5は、図4の集風部の斜視図である。図4に示すものも基本的構成は図1に示すものと同様であり、筒状の風洞4の下端部には風吹き込み口2が設けられ、その上端部には風吹き出し口3が設けられている。また、風洞4の側面部4aには風取り入れ口7が設けられている。
【0060】
そして、風洞4の風吹き込み口2側には、ヨットの帆状に湾曲させた4枚の整流板14が90度間隔で、その設置部の上端部15と下端部16で略90度位相をずらして捻ったように配置されて集風部となっている。
【0061】
更に、風洞4が設置面10に対して水平となる横型に配置して隙間風の効果を利用したシステムを構築したり、図6に示すように直立型(又は横型)の風洞4をハニカム状に複数束ねつつ各風洞4の風吹き込み口及び風取り入れ口から風が取り入れられるように配置した大型のシステムを構成してもよい。
【0062】
図7は、本発明に係る実施形態の風力発電装置を制御する制御部の機能ブロック図である。図8は、本発明に係る実施形態の風力発電装置の連続稼働制御を示すフローチャートである。
【0063】
図7に示すように、制御部21は、発電機6により発電された電力を直流に変換して電源装置22に送電すると共に、その電力の一部をバッテリ23に分配して充電する発電量検出部24と、排気ファン9を駆動するための排気ファンモータ13を駆動制御するモータ駆動部25と、バッテリ23から排気ファンモータ13に電力を供給する電力供給部26とを備える。
【0064】
図8にも示すように、発電量検出部24は発電機6による発電量を検出し(ステップS1)、発電量が所定値以下のときに(ステップS2でYES)、モータ駆動部25に起動指令を送り、モータ駆動部25は電力供給部26によりバッテリ23から排気ファンモータ13に電力を供給して駆動制御する(ステップS3)。また、発電量が所定値を超えるときには(ステップS2でNO)、モータ駆動部25に停止指令を送り、モータ駆動部25は電力供給部26によりバッテリ23から排気ファンモータ13に供給される電力を停止する(ステップS4)。
【0065】
上記連続稼働制御によれば、風が弱い状態や無風状態が数日続いたとしても、バッテリ23に蓄えられた電力によって排気ファン9を駆動させ、風洞4内部の風又は空気を強制的に排気して風洞4内部に高速の上昇気流を発生させることで風力ファン5を回転させることができるため、24時間の連続稼働が可能となる。尚、バッテリ23は、例えば、12V又は24Vの規格品が用いられ、停電などの非常時に備えるため排気ファン9を2〜3日連続稼働できる電力が蓄電可能な蓄電容量を有する。
【0066】
また、ボスヘッド5bの風速を高める効果と、排気ファン9の高速気流発生効果との相乗効果により風のエネルギを増幅することができる。
【0067】
上記実施形態によれば、風洞4の側面部4aに風取り入れ口7を設けたことで、風洞4内の風の抵抗を無くし、風力を増幅して風力ファン5の回転力(発電量)を高めることができる。
【0068】
また、従来の風車型の発電装置では、1日平均3〜4時間程度しか稼働できないのに対して、排気ファン9を設けたことで24時間の連続稼働が可能となり、弱風などで風力が得られないときでも風力ファン5を回転させて発電ができるようになるという効果が得られる。
【0069】
更に、従来の風車型の発電装置では地上高が高いほど強い風力が得られるため、高さ40〜50m,直径40〜50mにもなり、価格も1〜4億円以上となるが、本実施形態の発電装置では高さ10〜15m、直径2〜3m程度で済むため、耐用年数を長くし、材料費や建設費などの初期費用や管理費などのランニングコストを低減でき、小型で騒音も極力抑え、安全性も高い装置を実現できる。
【0070】
また、風洞4が複数の風洞ユニット4A〜4Gにより分離可能に構成されていることで、風洞4の長さや発電機6の数を設置場所や総発電量などに応じて調整でき、風洞4の長さを増すことで発電量を増加することができる。
【0071】
尚、一般家庭の消費電力は、30Aで約3KWとすると一日で平均10KW程度であり、本実施形態のは発電装置の発電容量が5〜30KW程度あれば、1台で数家庭分の電力をまとめてまかなうことができ、経済効果も大きく、余剰な電力を電力会社に買い取ってもらうことで更に経済的な負担が減少できる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、風洞の側面部に風取り入れ口を設けたことにより、風洞内の風の抵抗を無くし、風力を増幅して風力ファンの回転力(発電量)を高めることができる。
【0073】
また、排気ファンを設けたことで24時間の連続稼働が可能となり、弱風などで風力が得られないときでも風力ファンを回転させて発電ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の風力発電装置の外観図である。
【図2】図1の側断面図である。
【図3】(a)は図1の風力発電装置を上方から見た図、(b)は図1の風力発電装置を下方から見た図である。
【図4】本発明に係る風力発電装置の他の実施形態の外観図である。
【図5】図4の風力発電装置の集風部の斜視図である。
【図6】本発明に係る実施形態の風力発電装置をハニカム状に複数配置した場合の形態を示す図である。
【図7】本発明に係る実施形態の風力発電装置を制御する制御部の機能ブロック図である。
【図8】本発明に係る実施形態の風力発電装置の連続稼働制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 直立型風力発電装置
2 風吹き込み口
3 風吹き出し口
4 風洞
4A〜4G 風洞ユニット
5 風力ファン
6 発電機
7 風取り入れ口
8 拡径部
9 排気ファン
10 設置面
11 支柱
12 支持アーム
13 排気ファンモータ
14 整流板
21 制御部
22 電源装置
23 バッテリ
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒状の風洞内部に風を吹き込んで風力ファンを回転させ、この風力ファンの回転力を用いて発電する風力発電装置、風力発電方法、並びに風力発電装置に用いられる風洞部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の風力発電装置として、特開平11−62811号公報に示されるように風上側の口径を大きく、風下側の口径を小さくした風洞の内部に複数のプロペラ風車と、このプロペラ風車に連結した発電機とを間隔をおいて設け、風洞の中で風速を加速させながら複数の風車に繰り返し当てて発電する構成がある。
【0003】
また、他の風力発電装置として、例えば特開2002−202045号公報に示されるように、風洞の風吹き込み口に径方向に拡大してエアを全周360度から取り入れるベルマウス構造の集風部を設け、風洞内部に回転自在に軸支された複数の風車を風力により回転させ、この風車の回転力を用いて発電する構成がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の風力発電装置のように、風洞の一端部から他端部に向けて風を送る構成では、風洞が長いほど風洞内の風が抵抗となって風が抜けず、風力が減衰されてしまい、風車の回転力(つまり、発電量)が十分に得られないという欠点がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、風洞内の風の抵抗を無くし、風力を増幅して風力ファンの回転力(発電量)を高めることができる風力発電装置、風力発電方法、並びに風力発電装置の風洞部材を提供することである。
【0006】
また、24時間の連続稼働が可能となり、弱風などで風力が得られないときでも風力ファンを回転させて発電ができる風力発電装置、風力発電方法、並びに風力発電装置の風洞部材を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決し、目的を達成するため、本発明の風力発電装置は、筒状の風洞内部に吹き込む風の風力により発電する風力発電装置において、前記風洞内部に回転自在に配設され、前記風力を受けて回転する風力ファンと、前記風力ファンの回転力を用いて発電する発電機とを備え、前記風洞の側面部に風を取り入れる風取り入れ口を設けた。
【0008】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風洞は風を吹き込むための風吹き込み口と前記風吹き込み口から吹き込んだ風を吹き出す風吹き出し口とを有する中空円筒状に形成され、前記風取り入れ口は前記風洞の径方向の側面部に設けられている。
【0009】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風取り入れ口は、前記風力ファンの上流側に設けられている。
【0010】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風力ファンは前記風洞内部に直列に複数設けられ、前記風洞内部を絞る流線型のボスヘッドと、当該ボスヘッドにより絞られた通路を通過した風を受けるプロペラとを有する軸流ターボ型ファンである。
【0011】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風吹き込み口を有する風洞には、前記風洞の側面部から径方向に拡大して風を取り入れる集風部が設けられている。
【0012】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風吹き込み口を有する風洞に、前記風洞の入口側にヨットの帆状に湾曲させた4枚の整流板を90度間隔で上端と下端で略90度位相をずらして配した集風部が設けられている。
【0013】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風吹き出し口を有する風洞内部には、前記風洞内部の風を前記風吹き出し口から強制的に排気して前記風洞内部に気流を発生させる排気ファンが設けられ、当該排気ファンは前記発電機による発電量が所定値以下となったときに当該発電機により発電された電力を用いて起動される。
【0014】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風洞は、前記風の流通方向に分割可能な複数の風洞ユニットの組立体で構成され、当該風洞ユニットは前記風力ファンを着脱自在に軸支する第1風洞ユニットと、前記風取り入れ口が設けられた第2風洞ユニットと、前記集風部が設けられた第3風洞ユニットと、前記風洞の側面部を画定する第4風洞ユニットと、発電機を回転自在に軸支する第5風洞ユニットと、前記排気ファンを回転駆動可能に軸支する第6風洞ユニットとを含む。
【0015】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風洞は、前記風吹き込み口を下端部として垂直に立設される。
【0016】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風洞は、水平に配置される。
【0017】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風洞がハニカム状に複数配置されている。
【0018】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風洞内部における風に触れる部位に光触媒材料が被覆されている。
【0019】
また、好ましくは、上記風力発電装置において、前記風吹き込み口を有する風洞端部の内面部には風を加熱するヒータが設けられている。
【0020】
本発明の風力発電方法は、筒状の風洞内部に吹き込む風の風力により発電する風力発電方法において、前記風洞の一端部に設けられた風吹き込み口から吹き込む風と、前記風洞の側面部に設けられた風取り入れ口から取り入れられた風とを受けて、前記風洞内部に回転自在に配設された風力ファンを回転させ、前記風力ファンの回転力を用いて発電する。
【0021】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風吹き込み口から吹き込む風と前記風取り入れ口から取り入れられた風とは、前記風洞の他端部に設けられた風吹き出し口から吹き出される。
【0022】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風取り入れ口は、前記風力ファンの上流側に設けられている。
【0023】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風力ファンは前記風洞内部に直列に複数設けられ、前記風洞内部を絞る流線型のボスヘッドと、当該ボスヘッドにより絞られた通路を通過した風を受けるプロペラとを有する軸流ターボ型ファンである。
【0024】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風吹き込み口を有する風洞には前記風洞の側面部から径方向に拡大して風を取り入れる集風部が更に設けられている。
【0025】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風吹き込み口を有する風洞には、前記風洞の入口側にヨットの帆状に湾曲させた4枚の整流板を90度間隔で上端と下端で略90度位相をずらして配した集風部が設けられている。
【0026】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風吹き出し口を有する風洞内部には、前記風洞内部の風を前記風吹き出し口から強制的に排気して前記風洞内部に気流を発生させる排気ファンが更に設けられ、当該排気ファンは前記発電機による発電量が所定値以下となったときに当該発電機により発電された電力を用いて起動される。
【0027】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風洞は前記風吹き込み口を下端部として垂直に立設され、前記風洞内部に吹き込む風を上端部の前記風吹き出し口から吹き出す。
【0028】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、風洞は前記水平に配置され、前記風洞内部に吹き込む風を他端部の前記風吹き出し口から吹き出す。
【0029】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風洞をハニカム状に複数配置して各風洞内部に風を流通させる。
【0030】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風洞内部における風に触れる部位に光触媒材料が被覆されている。
【0031】
また、好ましくは、上記風力発電方法において、前記風吹き込み口を有する風洞内部にヒータを設け、当該ヒータにより風を加熱する。
【0032】
本発明の風力発電装置に用いられる風洞部材は、筒状の風洞内部に回転自在に配設され、当該風洞内部に吹き込む風の風力を受けて回転する風力ファンと、前記風力ファンの回転力を用いて発電する発電機とを備える風力発電装置に用いられる風洞部材であって、前記風洞を前記風の流通方向に複数の風洞ユニットに分割可能に構成する。
【0033】
また、好ましくは、上記風洞部材において、前記風洞ユニットは、前記風力ファンを着脱自在に軸支する第1風洞ユニットと、前記風洞部材の側面部に風取り入れ口が設けられた第2風洞ユニットと、前記風洞部材の側面部から径方向に拡大して風を取り入れる集風部が設けられた第3風洞ユニットと、前記風洞部材の側面部を画定する第4風洞ユニットと、前記発電機を回転自在に軸支する第5風洞ユニットと、風を吹き出し口から強制的に排気して風洞内部に気流を発生させる排気ファンを回転駆動可能に軸支する第6風洞ユニットとを含む。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で下記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
【0035】
図1は、本発明に係る実施形態の風力発電装置の外観図である。図2は、図1の側断面図である。図3(a)は図1の風力発電装置を上方から見た図、図3(b)は図1の風力発電装置を下方から見た図である。
【0036】
図1乃至図3に示すように、本実施形態の風力発電装置(以下、発電装置ともいう)は、風洞中の気圧を利用して風速を高め、その風力を利用してプロペラを高速回転させることにより発電する風洞型風力発電装置(ウインドウ・タネル・エンジン)であり、以下に説明する煙突効果を用いた直立型、或いは後述する隙間風の効果を用いた横型のいずれかの形態で適用される。
【0037】
図1乃至図3は地面やビルの屋上などに設置される直立型風力発電装置1を例示し、筒状の風洞4の下端部には外部から風を吹き込むための風吹き込み口2が設けられ、その上端部には風吹き込み口2から吹き込んだ風を風洞4内部に流通させて外部に吹き出す風吹き出し口3が設けられている。
【0038】
また、風洞4には、この風洞4内部に回転自在に配置され、当該風洞4内部の気流による風力を受けて回転する風力ファン5と、この風力ファン5の回転力を用いて発電する発電機6とが設けられている。
【0039】
風洞4は、地面やビルの屋上などの設置面10から垂直上方に延びる支柱11と、この支柱11から風洞4の側面部4aに向けて水平に延びる複数の支持アーム12に接続されることにより直立状態に保持される。
【0040】
筒状の風洞4は、図示のように径方向の断面が中空円筒状の他、短手方向の断面が中空矩形状や多角形状に構成される場合もある。
【0041】
風洞4の側面部4aには風洞内外を連通して周囲の風を取り入れる風取り入れ口7が形成されている。風取り入れ口7は、風洞4の長手方向の中心軸を中心として略90度間隔で4箇所設けられており、風向に関係なく風洞4の側面部4aの周囲から風と取り入れることができるように構成されている。
【0042】
上記風取り入れ口7は、風洞4の側面部4aから拡径方向に膨出するフード部7aを備え、このフード部7aには下方に開口して風洞4の側面部4aに形成された開口部4bに連通する開口部7bが形成されている。
【0043】
風洞4の側面部4aに形成された開口部4bと風取り入れ口7の開口部7bとは、風洞4の直径φに対してφ/4以上の口径を有し、風力ファン5のプロペラ5aの(直)上流側(風上側)に形成される。風取り入れ口7を風力ファン5のプロペラ5aの(直)下流側(風下側)に配置した場合には、風洞4内部に乱流が発生して風力ファン5に回転力を与えられないからである。
【0044】
風力ファン5は、風洞4の長手方向、即ち、風吹き込み口2から風吹き出し口3に向けた風の流通方向に沿って風洞4内部に直列に複数(図示の発電装置では2つ)設けられ、風洞4内部を中心軸から外周方向に徐々に絞るように漸進的に狭めるボスヘッド5bを有する軸流ターボ型ファンである。好ましくは、プロペラ5aは複数枚の羽根で構成されている。尚、風力ファン5は2つに限られず、1つ或いは3つ以上配置される場合もある。
【0045】
ボスヘッド5bは、その側面部5cが風の流通方向とは反対方向に向けてプロペラ5aのボス部5dから延びつつ徐々に縮径する曲面で、先端部5eが尖った流線型の形状に構成され、風洞4内部の風速を高めつつ整流してプロペラ5aに吹き込む機能を有する。
【0046】
発電機6は風力ファン5の(直)下流側の風洞4の側面部4aに配置され、その回転軸6aが風力ファン5の回転軸6cにかさ歯車などを介して噛み合い、風力ファン5の回転力を電力に変換して発電する。
【0047】
風洞4における風吹き込み口2が形成された下端部は、下方に向かって縮径するテーパ状に形成され、そのテーパ状の側面部2aには周囲の風を取り入れる開口部2bが形成されている。また、テーパ状の側面部2aには風の流通方向に沿って所定間隔で径方向に斜め下方に拡大するベルマウス構造の複数の拡径部8A,8Bが設けられ、集風部として風を風洞4の下端部の全周360度から取り入れることができるように構成されている。また、上流側拡径部8Bは、下流側拡径部8Aより外形が小さくなっている。
【0048】
尚、本実施形態では拡径部を2つ設けた例を説明したが、これに限られず拡径部を1つだけ、或いは3つ以上設けることもできる。また、図示の拡径部は下端部から見て外形が矩形状に構成されているが、例えば、管楽器の音を出す先端部のように円形のスカート状に構成される場合もある。また、直立型や横型などの風洞の配置態様によって(特に、風洞を横型に配置する態様では)拡径部を設けない場合もある。
【0049】
また、上記テーパ状の側面部2aには、仕切壁2cが風洞4の長手方向の中心軸を中心として略90度間隔で4箇所設けられており、この仕切壁2cと風吹き込み口2の略中心に設けられた支持軸2dとが設置面10に当接することで、風吹き込み口2と設置面10との間に風を吹き込むための所定の隙間2eが形成される。
【0050】
風洞4における風吹き出し口3が形成された上端部には、風洞4内部の風を強制的に上方に排気して風洞4内部に気流を発生させる排気ファン9が排気ファンモータ13により回転駆動可能に設けられている。
【0051】
この排気ファン9は、後述するように発電機6での発電量が所定値以下となったときにバッテリ23の電力が供給されて起動される。
【0052】
発電機6により発電された電力は、制御部21から電源装置22を介して外部の電力線に送電されると共に、その電力の一部が排気ファンモータ13を駆動するためのバッテリ23に分配されて充電される。バッテリ23への充電量は発電機6の最大発電量(約5〜30KW)の10分の1以下程度であり、発電量の低下などの影響はほとんどない。
【0053】
風洞4は、風の流通方向に分割可能な複数のリング状の風洞ユニット4A〜4Gを所定長さに直線状に組み立てた組立体として構成されており、風洞ユニット4A〜4Gは、中空内部に風力ファン5を着脱自在かつ回転自在に軸支する第1風洞ユニット4Aと、側面部4aに風取り入れ口7が形成された第2風洞ユニット4Bと、拡径部8が設けられた第3風洞ユニット4C,4Dと、側面部4aの外形を画定する第4風洞ユニット4Eと、発電機6を回転自在に軸支する第5風洞ユニット4Fと、排気ファン9を回転駆動可能に軸支する第6風洞ユニット4Gとを含み、これら各風洞ユニット4A〜4Gの組み合わせ構成は、総発電量やシステム規模や周辺環境や設置場所などに応じて適宜決定される。
【0054】
尚、本実施形態は発電装置1をビルの屋上などに設置した場合には、冷暖房装置から排出される排気風やビル風などを有効に利用することができる。また、トンネルの出入口に設置することでトンネル内を吹き抜ける風を有効に利用することができる。その他、農業用ハウスの暖房や照明、山岳地帯の小屋などの送電施設がなく自家発電が不可欠な場所、或いは船舶や車両などの移動体に設置することもできる。また、停電などの非常時の予備電源として用いることもできる。
【0055】
第2風洞ユニット4Bは第1風洞ユニット4Aの(直)上流側に連結され、第5風洞ユニット4Fは第1風洞ユニット4Aの(直)下流側に連結され、第6風洞ユニット4Gは最も下流側に設置された第1風洞ユニット4Aより下流側であって風吹き出し口3の近傍に連結するのが好ましい。また、第1風洞ユニット4Aから風力ファン5を取り外した場合には、側面部4aの外形を画定する第4風洞ユニット4Eと同様の機能を有する構成となる。
【0056】
また、風に接触する部位として、例えば、風洞4の内面部、風取り入れ口7のフード部7aの内面部、風力ファン5のプロペラ5aやボスヘッド5bの表面部、ベルマウス構造の拡径部8の表面部、排気ファン9の表面部などに光触媒材料を塗布して被覆することにより、水滴や埃の付着を抑えて風力ファン5の回転数の低下を防止でき、更に空気抵抗を低減して風洞4内の風の流れがスムーズになるという効果が得られる。また、光触媒材料は外気中に含まれるCO2 、NOx、SOxなどを軽減する効能を持っており、この効能によって風洞内表面の汚れを防止する効果やマイナスイオン効果などを発揮させることができる。
【0057】
また、上記光触媒に代えて或いは光触媒と共に、風吹き込み口2を有する風洞端部の内面部やその近傍に風を加熱するヒータを設けることで、風吹き込み口2から吹き込む風が上昇気流となるため(トンネル効果)、風洞4内の風の流れがスムーズになるという効果が得られる。尚、上記ヒータとしては、抵抗発熱器や半導体熱交換素子などが適用可能である。
【0058】
また、降雨などにより雨滴が風洞内部に侵入するのを防止するために、風吹き出し口3の上端部を覆うと共に、側面部が格子戸などにより通気可能に構成された傘状のカバー部材を設置しても良い。
【0059】
図4は、本発明に係る実施形態の風力発電装の他例を示す外観図である。図5は、図4の集風部の斜視図である。図4に示すものも基本的構成は図1に示すものと同様であり、筒状の風洞4の下端部には風吹き込み口2が設けられ、その上端部には風吹き出し口3が設けられている。また、風洞4の側面部4aには風取り入れ口7が設けられている。
【0060】
そして、風洞4の風吹き込み口2側には、ヨットの帆状に湾曲させた4枚の整流板14が90度間隔で、その設置部の上端部15と下端部16で略90度位相をずらして捻ったように配置されて集風部となっている。
【0061】
更に、風洞4が設置面10に対して水平となる横型に配置して隙間風の効果を利用したシステムを構築したり、図6に示すように直立型(又は横型)の風洞4をハニカム状に複数束ねつつ各風洞4の風吹き込み口及び風取り入れ口から風が取り入れられるように配置した大型のシステムを構成してもよい。
【0062】
図7は、本発明に係る実施形態の風力発電装置を制御する制御部の機能ブロック図である。図8は、本発明に係る実施形態の風力発電装置の連続稼働制御を示すフローチャートである。
【0063】
図7に示すように、制御部21は、発電機6により発電された電力を直流に変換して電源装置22に送電すると共に、その電力の一部をバッテリ23に分配して充電する発電量検出部24と、排気ファン9を駆動するための排気ファンモータ13を駆動制御するモータ駆動部25と、バッテリ23から排気ファンモータ13に電力を供給する電力供給部26とを備える。
【0064】
図8にも示すように、発電量検出部24は発電機6による発電量を検出し(ステップS1)、発電量が所定値以下のときに(ステップS2でYES)、モータ駆動部25に起動指令を送り、モータ駆動部25は電力供給部26によりバッテリ23から排気ファンモータ13に電力を供給して駆動制御する(ステップS3)。また、発電量が所定値を超えるときには(ステップS2でNO)、モータ駆動部25に停止指令を送り、モータ駆動部25は電力供給部26によりバッテリ23から排気ファンモータ13に供給される電力を停止する(ステップS4)。
【0065】
上記連続稼働制御によれば、風が弱い状態や無風状態が数日続いたとしても、バッテリ23に蓄えられた電力によって排気ファン9を駆動させ、風洞4内部の風又は空気を強制的に排気して風洞4内部に高速の上昇気流を発生させることで風力ファン5を回転させることができるため、24時間の連続稼働が可能となる。尚、バッテリ23は、例えば、12V又は24Vの規格品が用いられ、停電などの非常時に備えるため排気ファン9を2〜3日連続稼働できる電力が蓄電可能な蓄電容量を有する。
【0066】
また、ボスヘッド5bの風速を高める効果と、排気ファン9の高速気流発生効果との相乗効果により風のエネルギを増幅することができる。
【0067】
上記実施形態によれば、風洞4の側面部4aに風取り入れ口7を設けたことで、風洞4内の風の抵抗を無くし、風力を増幅して風力ファン5の回転力(発電量)を高めることができる。
【0068】
また、従来の風車型の発電装置では、1日平均3〜4時間程度しか稼働できないのに対して、排気ファン9を設けたことで24時間の連続稼働が可能となり、弱風などで風力が得られないときでも風力ファン5を回転させて発電ができるようになるという効果が得られる。
【0069】
更に、従来の風車型の発電装置では地上高が高いほど強い風力が得られるため、高さ40〜50m,直径40〜50mにもなり、価格も1〜4億円以上となるが、本実施形態の発電装置では高さ10〜15m、直径2〜3m程度で済むため、耐用年数を長くし、材料費や建設費などの初期費用や管理費などのランニングコストを低減でき、小型で騒音も極力抑え、安全性も高い装置を実現できる。
【0070】
また、風洞4が複数の風洞ユニット4A〜4Gにより分離可能に構成されていることで、風洞4の長さや発電機6の数を設置場所や総発電量などに応じて調整でき、風洞4の長さを増すことで発電量を増加することができる。
【0071】
尚、一般家庭の消費電力は、30Aで約3KWとすると一日で平均10KW程度であり、本実施形態のは発電装置の発電容量が5〜30KW程度あれば、1台で数家庭分の電力をまとめてまかなうことができ、経済効果も大きく、余剰な電力を電力会社に買い取ってもらうことで更に経済的な負担が減少できる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、風洞の側面部に風取り入れ口を設けたことにより、風洞内の風の抵抗を無くし、風力を増幅して風力ファンの回転力(発電量)を高めることができる。
【0073】
また、排気ファンを設けたことで24時間の連続稼働が可能となり、弱風などで風力が得られないときでも風力ファンを回転させて発電ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の風力発電装置の外観図である。
【図2】図1の側断面図である。
【図3】(a)は図1の風力発電装置を上方から見た図、(b)は図1の風力発電装置を下方から見た図である。
【図4】本発明に係る風力発電装置の他の実施形態の外観図である。
【図5】図4の風力発電装置の集風部の斜視図である。
【図6】本発明に係る実施形態の風力発電装置をハニカム状に複数配置した場合の形態を示す図である。
【図7】本発明に係る実施形態の風力発電装置を制御する制御部の機能ブロック図である。
【図8】本発明に係る実施形態の風力発電装置の連続稼働制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 直立型風力発電装置
2 風吹き込み口
3 風吹き出し口
4 風洞
4A〜4G 風洞ユニット
5 風力ファン
6 発電機
7 風取り入れ口
8 拡径部
9 排気ファン
10 設置面
11 支柱
12 支持アーム
13 排気ファンモータ
14 整流板
21 制御部
22 電源装置
23 バッテリ
Claims (27)
- 筒状の風洞内部に吹き込む風の風力により発電する風力発電装置において、
前記風洞内部に回転自在に配設され、前記風力を受けて回転する風力ファンと、
前記風力ファンの回転力を用いて発電する発電機とを備え、
前記風洞の側面部に風を取り入れる風取り入れ口を設けたことを特徴とする風力発電装置。 - 前記風洞は風を吹き込むための風吹き込み口と前記風吹き込み口から吹き込んだ風を吹き出す風吹き出し口とを有する中空円筒状に形成され、前記風取り入れ口は前記風洞の径方向の側面部に設けられている請求項1に記載の風力発電装置。
- 前記風取り入れ口は、前記風力ファンの上流側に設けられている請求項1又は請求項2記載の風力発電装置。
- 前記風力ファンは前記風洞内部に直列に複数設けられ、前記風洞内部を絞る流線型のボスヘッドと、当該ボスヘッドにより絞られた通路を通過した風を受けるプロペラとを有する軸流ターボ型ファンである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の風力発電装置。
- 前記風吹き込み口を有する風洞に、前記風洞の側面部から径方向に拡大して風を取り入れる集風部が設けられている請求項2乃至4のいずれか1項に記載の風力発電装置。
- 前記風吹き込み口を有する風洞に、前記風洞の入口側にヨットの帆状に湾曲させた4枚の整流板を90度間隔で上端と下端で略90度位相をずらして配した集風部が設けられている請求項2乃至4のいずれか1項に記載の風力発電装置。
- 前記風吹き出し口を有する風洞内部には、前記風洞内部の風を前記風吹き出し口から強制的に排気して前記風洞内部に気流を発生させる排気ファンが設けられ、当該排気ファンは前記発電機による発電量が所定値以下となったときに当該発電機により発電された電力を用いて起動される請求項2乃至6のいずれか1項に記載の風力発電装置。
- 前記風洞は、前記風の流通方向に分割可能な複数の風洞ユニットの組立体で構成され、当該風洞ユニットは前記風力ファンを着脱自在に軸支する第1風洞ユニットと、前記風取り入れ口が設けられた第2風洞ユニットと、前記集風部が設けられた第3風洞ユニットと、前記風洞の側面部を画定する第4風洞ユニットと、発電機を回転自在に軸支する第5風洞ユニットと、前記排気ファンを回転駆動可能に軸支する第6風洞ユニットとを含む請求項1乃至7のいずれか1項に記載の風力発電装置。
- 前記風洞は、前記風吹き込み口を下端部として垂直に立設されている請求項1乃至8のいずれか1項に記載の風力発電装置。
- 前記風洞は、水平に配置されている請求項1乃至8のいずれか1項に記載の風力発電装置。
- 前記風洞がハニカム状に複数配置されている請求項1乃至10のいずれか1項に記載の風力発電装置。
- 前記風洞内部における風に触れる部位に光触媒材料が被覆されている請求項1乃至11のいずれか1項に記載の風力発電装置。
- 前記風吹き込み口を有する風洞端部の内面部には風を加熱するヒータが設けられている請求項9に記載の風力発電装置。
- 筒状の風洞内部に吹き込む風の風力により発電する風力発電方法において、
前記風洞の一端部に設けられた風吹き込み口から吹き込む風と、前記風洞の側面部に設けられた風取り入れ口から取り入れられた風とを受けて、前記風洞内部に回転自在に配設された風力ファンを回転させ、
前記風力ファンの回転力を用いて発電することを特徴とする風力発電方法。 - 前記風吹き込み口から吹き込む風と前記風取り入れ口から取り入れられた風とは、前記風洞の他端部に設けられた風吹き出し口から吹き出される請求項14に記載の風力発電方法。
- 前記風取り入れ口は、前記風力ファンの上流側に設けられている請求項14又は請求項15に記載の風力発電方法。
- 前記風力ファンは前記風洞内部に直列に複数設けられ、前記風洞内部を絞る流線型のボスヘッドと、当該ボスヘッドにより絞られた通路を通過した風を受けるプロペラとを有する軸流ターボ型ファンである請求項14乃至16のいずれか1項に記載の風力発電方法。
- 前記風吹き込み口を有する風洞には、前記風洞の側面部から径方向に拡大して風を取り入れる集風部が更に設けられている請求項14乃至16のいずれか1項に記載の風力発電方法。
- 前記風吹き込み口を有する風洞には、前記風洞の入口側にヨットの帆状に湾曲させた4枚の整流板を90度間隔で上端と下端で略90度位相をずらして配した集風部が設けられている請求項14乃至16のいずれか1項に記載の風力発電方法。
- 前記風吹き出し口を有する風洞内部には、前記風洞内部の風を前記風吹き出し口から強制的に排気して前記風洞内部に気流を発生させる排気ファンが更に設けられ、当該排気ファンは前記発電機による発電量が所定値以下となったときに当該発電機より発電された電力を用いて起動される請求項14乃至19のいずれか1項に記載の風力発電方法。
- 前記風洞は前記風吹き込み口を下端部として垂直に立設され、前記風洞内部に吹き込む風を上端部の前記風吹き出し口から吹き出す請求項14乃至20のいずれか1項に記載の風力発電方法。
- 前記風洞は水平に配置され、前記風洞内部に吹き込む風を他端部の前記風吹き出し口から吹き出す請求項14乃至20のいずれか1項に記載の風力発電方法。
- 前記風洞をハニカム状に複数配置して各風洞内部に風を流通させる請求項14乃至22のいずれか1項に記載の風力発電方法。
- 前記風洞内部における風に触れる部位に光触媒材料が被覆されている請求項14乃至23のいずれか1項に記載の風力発電方法。
- 前記風吹き込み口を有する風洞内部にヒータを設け、当該ヒータにより風を加熱する請求項21に記載の風力発電方法。
- 筒状の風洞内部に回転自在に配設され、当該風洞内部に吹き込む風の風力を受けて回転する風力ファンと、前記風力ファンの回転力を用いて発電する発電機とを備える風力発電装置に用いられる風洞部材であって、
前記風洞を前記風の流通方向に複数の風洞ユニットに分割可能に構成することを特徴とする風洞部材。 - 前記風洞ユニットは、前記風力ファンを着脱自在に軸支する第1風洞ユニットと、前記風洞部材の側面部に風取り入れ口が設けられた第2風洞ユニットと、前記風洞部材の側面部から径方向に拡大して風を取り入れる集風部が設けられた第3風洞ユニットと、前記風洞部材の側面部を画定する第4風洞ユニットと、前記発電機を回転自在に軸支する第5風洞ユニットと、風を吹き出し口から強制的に排気して風洞内部に気流を発生させる排気ファンを回転駆動可能に軸支する第6風洞ユニットとを含む請求項26記載の風洞部材
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