JP2004190762A - ラジアルフォイル軸受用フォイルおよびそれを用いたラジアルフォイル軸受 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】このトップフォイル1は、外輪10の内周円筒面13の周方向の長さ以下の帯状の金属板をロール加工で成形して成る円筒形の主部2と、この円筒形の主部2の半径方向外側に位置する係合部3,3とを有する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジアルフォイル軸受用フォイルおよびそれを用いたラジアルフォイル軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ラジアルフォイル軸受としては、特開平9−88950号公報(特許文献1)の第1図に示されたものがある。このラジアルフォイル軸受の外輪は、肉厚円筒から成り、この肉厚円筒の一部には内周円筒面と外周円筒面の間を径方向に貫通する係合溝が設けられている。一方、このラジアルフォイル軸受のラジアルフォイル軸受用フォイルは、ラジアルフォイル軸受用フォイルが配置される外輪の内周円筒面の周方向の長さよりも長い帯状の金属板から形成されている。
【0003】
上記ラジアルフォイル軸受用フォイルは、上記帯状の金属板の長手方向の両端部を重ねるようにして金属板を円筒形状に成形した後、この円筒形状の金属板の重なり部分を構成する径方向の外側の一方の端部を塑性加工で折り曲げて形成されている。
【0004】
上記ラジアルフォイル軸受用フォイルの円筒部である主部を、外輪の内周面に沿うように配置すると共に、ラジアルフォイル軸受用フォイルの折り曲げ部である係合部を、上記外輪の係合溝に係合配置して、ラジアルフォイル軸受用フォイルを、上記外輪に取り付けている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−88950号公報(第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のラジアルフォイル軸受では、ラジアルフォイル軸受用フォイルを、ラジアルフォイル軸受用フォイルが配置される外輪の内周円筒面の周方向の長さよりも長い金属板から形成しているので、ラジアルフォイル軸受用フォイルを円筒形状に成形したとき、この円筒形状のラジアルフォイル軸受用フォイルの周方向の一部に重なり部分が生じて、ラジアルフォイル軸受用フォイルの軸方向の断面形状が、上記重なり部分によって、回転軸の浮上特性を最良にする真円形状から遠ざかって、支持能力(負荷能力)および浮上特性(浮上を開始する回転速度)が悪くなるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、回転軸の支持能力が高くて、かつ、回転軸の浮上特性を最良にできる高性能なラジアルフォイル軸受を実現できるラジアルフォイル軸受用フォイルおよびそれを用いたラジアルフォイル軸受を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明のラジアルフォイル軸受用フォイルは、外輪の内周円筒面の周方向の長さ以下の略帯状の板材からなり、かつ、上記板材は主部と係合部からなり、上記板材の主部を上記外輪の内周円筒面の内側に位置するように円筒面に形成しているときに、上記係合部は上記板材の主部が定義する外周円筒面の外側に位置していることを特徴としている。
【0009】
尚、この明細書では、上記「略帯状の板材」に、帯状の板材の周囲に一個または複数個の凸部または凹部を有する形状の板材等の帯状以外の板材も含めるものとする。
【0010】
上記請求項1の発明のラジアルフォイル軸受用フォイルを、例えば、以下のようにラジアルフォイル軸受の外輪に取り付ける。
【0011】
上記請求項1の発明のラジアルフォイル軸受用フォイルによれば、ラジアルフォイル軸受用フォイルを、外輪の内周円筒面の周方向の長さ以下の略帯状の板材から形成するので、略帯状の板材の主部の長手方向の両端部が重ならなくて、曲率半径が一定で真円度が高い円筒形状に成形できる。したがって、このラジアルフォイル軸受用フォイルを備えたラジアルフォイル軸受の回転軸の支持性能を向上させることができると共に、回転軸の浮上特性も最良にすることができる。また、上記係合部は、例えば、帯状の板材の弾性により、上記主部を円筒形状に成形するだけで、外周円筒面の外側に位置する。あるいは、上記係合部は、上記主部を円筒形状に成形した後、塑性変形させて、上記外周円筒面の外側に位置させても良い。
【0012】
また、上記請求項1の発明のラジアルフォイル軸受用フォイルによれば、ラジアルフォイル軸受用フォイルを、外輪の内周円筒面の周方向の長さ以下の板材から形成したので、板材を円筒形に成形するのに、重なり部分がない円筒を形成するのに好適なロール加工を用いることができて、真円度が高い主部を簡単に形成できる。
【0013】
また、上記請求項1の発明のラジアルフォイル軸受用フォイルによれば、外輪の内周円筒面の周方向の長さ以下の板材からラジアルフォイル軸受用フォイルを形成するので、ラジアルフォイル軸受用フォイルの材料費を低減できて、ラジアルフォイル軸受用フォイルの製造コストを低減できる。
【0014】
また、請求項2の発明のラジアルフォイル軸受用フォイルは、請求項1に記載のラジアルフォイル軸受用フォイルにおいて、上記板材の主部を円筒面に成形したとき、上記板材の主部は周方向に略連なっていることを特徴としている。
【0015】
上記請求項2の発明のラジアルフォイル軸受用フォイルによれば、上記板材の主部を円筒面に成形したとき、上記板材の主部は周方向に略連なっているので、回転軸の外周円筒面の略全周を、ラジアルフォイル軸受用フォイルで支持することができて、回転軸の支持能力および回転軸の浮上特性を更に向上できる。
【0016】
また、請求項3の発明のラジアルフォイル軸受は、
回転軸の外側に軸受隙間を隔てて配置されるトップフォイルと、
このトップフォイルの径方向の外側に配置されるバンプフォイルと、
このバンプフォイルの径方向の外側に配置される外輪と
を備えるラジアルフォイル軸受であって、
上記トップフォイルが、請求項1または2に記載のラジアルフォイル軸受用フォイルであることを特徴としている。
【0017】
上記請求項3の発明のラジアルフォイル軸受によれば、軸方向の断面において真円度が非常に高い請求項1または2に記載のラジアルフォイル軸受用フォイルを回転軸の外側に配置するので、このラジアルフォイル軸受の回転軸の支持能力(負荷能力)を向上でき、かつ、回転軸の浮上特性を向上できる(回転軸を浮上させる回転速度を小さくできる)。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0019】
図1に、図示しないラジアル(ジャーナル)フォイル軸受の外輪の内周円筒面に配置できる円筒形状に成形された本発明の第1実施形態のラジアル(ジャーナル)フォイル軸受用フォイルの一例としてのトップフォイル1を示す。
【0020】
このトップフォイル1は、上記外輪の内周円筒面の周方向の長さ以下の例えば厚さ0.1mm〜2mm程度のステンレス鋼製の帯板から成る帯状の金属板から形成されている。詳細には、上記トップフォイル1は、上記帯状の金属板の長手方向の両端が隣接するように、上記帯状の金属板をロール加工で周方向の重なりがない円筒形に成形した後、この円筒形に成形された金属板の一端部の軸方向の両端部を径方向に切り起こして先端を屈曲させて形成されている。
【0021】
上記円筒形に成形された金属板の切り起こされた部分以外の円筒部2は、トップフォイル1の主部2になっており、上記円筒形に成形された金属板から切り起こされた二つの部分3,3は、トップフォイル1の係合部3,3になっている。また、上記係合部3,3の先端は、屈曲して屈曲部3a,3aと成っている。上記トップフォイル1の主部2は、僅かな隙間dを介して略周方向に連なっている。
【0022】
図2は、図1に示すトップフォイル1が配置されたラジアルフォイル軸受の軸方向に直角方向の断面図である。
【0023】
図2に示すように、このラジアルフォイル軸受の外輪10の内周円筒面13には、略径方向に延びる一つの係合溝15が形成されている。
【0024】
また、図2に示すように、外輪10の内周円筒面13の内側には、バンプフォイル8が配置されている。このバンプフォイル8は、例えばステンレス鋼から成る金属の波形板材を円筒形に成形して形成した円筒部である主部16と、この主部16の一端に連なると共に、主部16の径方向の外側に位置する係合部17とから成っている。上記係合部17の先端17aは、屈曲部17aと成っている。
【0025】
上記トップフォイル1とバンプフォイル8を、外輪10に次のように配置して、図2に示すラジアルフォイル軸受を形成する。
【0026】
先ず、上記外輪10の内周円筒面13の内側に、バンプフォイル8の円筒部である主部16を、外輪10の内周円筒面に沿うように配置すると共に、主部16の外側に位置する係合部17を、外輪10の係合溝15に係合させて、バンプフォイル8を外輪10に取り付ける。
【0027】
次に、上記バンプフォイル8の径方向の内側と回転軸7の間に、トップフォイル1の主部2を、バンプフォイル8の円筒部である主部16に沿うように配置すると共に、トップフォイル1の係合部3を、外輪10の係合溝15およびバンプフォイル8の係合部17に係合させて、トップフォイル1を外輪10に取り付ける。このとき、上記トップフォイル1の係合部3の屈曲部3aと、バンプフォイル8の係合部17の屈曲部17aとは、同じ方向に屈曲して係合している。このようにして、外輪10の内周円筒面13の内側にバンプフォイル8、トップフォイル1を順に配置して、ラジアルフォイル軸受を形成する。
【0028】
上記第1実施形態のトップフォイル1によれば、トップフォイル1を、外輪10の内周円筒面13の周方向の長さ以下の帯状の板材から形成するので、帯状の板材の長手方向の両端部が重ならなくて、曲率半径が一定で真円度が高い円筒形の主部2を形成できる。したがって、このトップフォイル1を備えたラジアルフォイル軸受は、回転軸7の支持性能が高く、かつ、回転軸7の浮上特性も良好である。
【0029】
また、上記第1実施形態のトップフォイル1によれば、帯状の金属製板材から重なり部分がない円筒を形成するので、ロール加工を用いて真円度が高い主部2を簡単に形成できる。もし、重なり部分があると、ロール加工では、真円度が高い円筒形を成形できないのである。
【0030】
また、上記第1実施形態のトップフォイル1によれば、外輪10の内周円筒面13の周方向の長さ以下の金属板からトップフォイル1を形成するので、板材を短くできて、材料費を低減できて、トップフォイル1の製造コストを低減できる。
【0031】
また、上記第1実施形態のトップフォイル1によれば、金属板の主部13を円筒面に成形したとき、金属板の主部13は周方向に略連なっているので、回転軸7の外周円筒面18を全周にわたって支持することができて、回転軸7の支持能力および回転軸7の浮上特性を更に向上できる。
【0032】
上記第1実施形態のトップフォイル1では、帯状の金属板をロール加工で周方向の重なりがない円筒形に成形した後、この円筒形に成形された金属板の一端部の軸方向の両端部を径方向に切り起こして、一端が凸状である主部2を、周方向に略連なるようにすると共に、切り起こして塑性加工された部分である二つの係合部3,3を、円筒部である主部2が定義する外周円筒面の外側に位置させるようにしたが、係合部3,3を、金属板の弾性で径方向に起立させるようにしても良い。
【0033】
図3に、本発明の第2実施形態のトップフォイルを示す。このトップフォイルを、帯状の金属板をロール加工で周方向の重なりがない円筒形に成形した後、この円筒形に成形された金属板の周方向の一端部に、軸方向に並ぶ2個の略コ字状の切り込みを入れて、このコ字状の切り込みの内側の部分を径方向外側に起こして形成している。このトップフォイルの円筒部である主部32は、周方向に略連なり、切り起こされた部分である二つの係合部33,33は、主部32が定義する外周円筒面の外側に位置している。この第2実施形態のトップフォイルは、第1実施形態のトップフォイル1と同様の作用効果を有する。
【0034】
また、図4に、本発明の第3実施形態のトップフォイルを示す。このトップフォイルを、帯状の金属板の長手方向の一端部の軸方向の略中央部に凹部47、他端部の軸方向の略中央部に上記凹部47に嵌合できる凸部48を形成した略帯状の金属板を、ロール加工で周方向の重なりがない円筒形に成形した後、凹部47の両端を径方向外側に起こして形成している。このトップフォイルの円筒部である主部42は、周方向に略連なり、径方向外側に起こされた部分である二つの係合部43,43は、主部42が定義する外周円筒面の外側に位置している。
【0035】
また、図5に、第4実施形態のトップフォイルを示す。このトップフォイルを、帯状の金属板をロール加工で周方向の重なりがない円筒形に成形した後、この円筒形に成形された金属板の周方向の一端部を径方向の外側に起こして形成している。このトップフォイルの円筒部である主部52は、周方向に連なっておらず、起こした一端部である係合部53は、円筒部である主部52が定義する外周円筒面の外側に位置している。
【0036】
尚、上記第1および第2実施形態のトップフォイルでは、トップフォイルをロール加工で円筒形に成形した後に、円筒形のトップフォイルに切り込みを入れるようにしたが、トップフォイルをロール加工する前の帯状の金属板に、予め切り込みを入れるようにしても良い。
【0037】
また、上記第1、第2、第3および第4実施形態のトップフォイルでは、トップフォイルを、ロール加工で金属板を円筒形に成形することによって形成したが、トップフォイルを、プレス加工で金属板を円筒形に成形することによって形成しても良い。
【0038】
また、上記第1、第2、第3および第4実施形態のトップフォイルでは、トップフォイルを、金属板から形成したが、トップフォイルを、樹脂の板材等の金属以外の材料の板材から形成しても良い。
【0039】
また、上記第1、第2、第3および第4実施形態では、トップフォイルを用いて本発明のラジアルフォイル軸受用フォイルを実践したが、バンプフォイルを用いて本発明のラジアルフォイル軸受用フォイルを実践しても良い。
【0040】
また、上記実施形態のラジアルフォイル軸受では、外輪10の内周側にバンプフォイル8とトップフォイル1を配置して、トップフォイル1のみに本件発明を適用する例を示したが、本発明のラジアルフォイル軸受では、外輪の内周側にバンプフォイルとトップフォイルを配置して、バンプフォイルのみに本件発明を適用しても良い。また、本発明のラジアルフォイル軸受では、外輪の内周側にバンプフォイルとトップフォイルを配置して、バンプフォイルとトップフォイルの両方に本件発明を適用しても良い。
【0041】
また、上記実施形態のラジアルフォイル軸受では、外輪10の内周側にバンプフォイル8と、トップフォイル1とを配置したが、本発明のラジアルフォイル軸受では、トップフォイルを配置せずに、外輪の内周側に本件発明を適用したバンプフォイルのみを配置しても良い。また、本発明のラジアルフォイル軸受では、バンプフォイルを配置せずに、外輪の内周側に本件発明を適用したトップフォイルのみを配置しても良い。
【0042】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1の発明のラジアルフォイル軸受用フォイルによれば、ラジアルフォイル軸受用フォイルを、外輪の内周円筒面の周方向の長さ以下の略帯状の板材から形成したので、上記板材の円筒部分である主部の軸方向の断面形状を、真円形状にでき、このラジアルフォイル軸受用フォイルを用いたラジアルフォイル軸受の支持能力および浮上特性を向上できる。
【0043】
また、請求項1の発明のラジアルフォイル軸受用フォイルによれば、ラジアルフォイル軸受用フォイルを、外輪の内周円筒面の周方向の長さ以下の板材から形成したので、ロール加工を用いて、真円度が高い主部を簡単に形成できる。
【0044】
また、請求項1の発明のラジアルフォイル軸受用フォイルによれば、外輪の内周円筒面の周方向の長さ以下の板材からラジアルフォイル軸受用フォイルを形成するので、材料費を低減できて、ラジアルフォイル軸受用フォイルの製造コストを低減できる。
【0045】
また、請求項2の発明のラジアルフォイル軸受用フォイルによれば、上記板材の主部を円筒面に成形したとき、上記板材の主部は周方向に略連なっているので、回転軸の外周円筒面を全周にわたって支持することができて、回転軸の支持能力および回転軸の浮上特性を更に向上できる。
【0046】
また、請求項3の発明のラジアルフォイル軸受によれば、軸方向の断面において真円度が非常に高い請求項1または2に記載のラジアルフォイル軸受用フォイルを回転軸の外側に配置するので、回転軸の支持能力および回転軸の浮上特性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のラジアルフォイル軸受用フォイルとしてのトップフォイルの斜視図である。
【図2】図1に示すトップフォイルを配置したラジアルフォイル軸受の軸方向に直角方向の断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態のラジアルフォイル軸受用フォイルとしてのトップフォイルの斜視図である。
【図4】本発明の第3実施形態のラジアルフォイル軸受用フォイルとしてのトップフォイルの斜視図である。
【図5】本発明の第4実施形態のラジアルフォイル軸受用フォイルとしてのトップフォイルの斜視図である。
【符号の説明】
1 トップフォイル
2,32,42,52 主部
3,33,43,53 係合部
7 回転軸
10 外輪
13 内周円筒面
15 係合溝
Claims (3)
- 外輪の内周円筒面の周方向の長さ以下の略帯状の板材からなり、かつ、上記板材は主部と係合部からなり、上記板材の主部を上記外輪の内周円筒面の内側に位置するように円筒面に形成しているときに、上記係合部は上記板材の主部が定義する外周円筒面の外側に位置していることを特徴とするラジアルフォイル軸受用フォイル。
- 請求項1に記載のラジアルフォイル軸受用フォイルにおいて、
上記板材の主部を円筒面に成形したとき、上記板材の主部は周方向に略連なっていることを特徴とするラジアルフォイル軸受用フォイル。 - 回転軸の外側に軸受隙間を隔てて配置されるトップフォイルと、
このトップフォイルの径方向の外側に配置されるバンプフォイルと、
このバンプフォイルの径方向の外側に配置される外輪と
を備えるラジアルフォイル軸受であって、
上記トップフォイルが、請求項1または2に記載のラジアルフォイル軸受用フォイルであることを特徴とするラジアルフォイル軸受。
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