JP2004192921A - 陰極線管のリーク電流検出方法 - Google Patents

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真一 平野
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Abstract

【課題】陰極線管の低電位部のリーク電流を加速的に短時間で正確に測定する、陰極線管のリーク電流検出方法を提供するものである。
【解決手段】本発明に係る陰極線管のリーク電流検出方法は、ノッキング処理後の陰極線管のリーク電流検査工程において、電圧を供給する検査用ソケットを陰極線管に接続しない無負荷状態で、定常のフォーカス電圧印加時の前記検査用ソケット側の外部リーク電流を測定し、検査用ソケットを陰極線管に接続し、電子銃のフォーカス電極に定常電圧と該定常電圧より高いパルス電圧を印加し、パルス電圧の印加後の定常電圧の戻したときのトータルリーク電流と外部リーク電流との差分を測定して陰極線管のリーク電流を検出する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、陰極線管のコールドエミッション、いわゆるリーク電流を加速的に検出できる陰極線管のリーク電流検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カラー陰極線管は耐電圧特性を向上させるためにノッキング処理を行っている。ノッキング処理は、カラー陰極線管の電子銃を構成する電極パーツ表面の微小突起及び異物を除去し、カラー陰極線管の実使用段階においての異常音、フォーカスボケ、明るさ変動などの画面異常を長期にわたり起こさないようにする目的が行われている。しかし、このノッキング処理だけでは画面異常を起こす要因を取り除くことが不十分である。そこで、カラー陰極線管の検査工程として、コールドエミッション(以下、リーク電流)の検出工程を設けていた。
【0003】
図5は、カラー陰極線管に備えられた例えばユニポテンシャル型電子銃の例を示す。この電子銃20は、赤、緑及び青に対応した3つのカソードK〔K,K,K〕に共通の第1グリッドG、第2グリッドG、第3グリッドGフォーカス電極となる第4グリッドG及び第5グリッドGが同軸上に配列して構成される。第3グリッドGと第5グリッドGは、接続線21により互いに接続され例えば20kV〜30kVの高圧(いわゆるアノード電圧)が供給される。第4グリッドGには例えば6.0kV〜8.5kV程度のダイナミックフォーカス電圧が供給される。この第3、第4及び第5のグリッドG、G及びGによりユニポテンシャル型の主電子レンズが形成される。第1グリッドGには例えば0V、第2グリッドGには例えば400V〜900V程度が夫々供給される。この電子銃20では、カソードK,K,Kから出射した3つの電子ビームが主電子レンズの中心で交差した後、図示せざるも第5グリッドGの後段に配した4枚の偏向板からなる静電コンバーゼンス手段により蛍光面上でコンバーゼンスされる。
【0004】
高圧(アノード電圧)は、ファンネル部に設けられた高圧供給用のいわゆるネックボタンから供給される。それ以外の低圧電圧、フォーカス電圧はステムピン22側から接続線23を介して供給される。リーク電流は、例えば、第2グリッドG、第1グリッドGとこれらの近傍に引き回された第4グリッドGの接続線22との間で生じる。
【0005】
従来、例えばユニポテンシャル型電子銃において、低電位部の第2グリッドG及び第1グリッドGのリーク電流検出方法としては、図6に示すように、第3グリッドG及び第5グリッドGにアノード電圧VG5を印加し、第4グリッドGに検出用ソケットを介して固定のフォーカス電圧VG4、例えば7kV程度の固定電圧を印加し、検出用ソケット側に接続された第1グリッドG及び第2グリッドGの接続端子と接地間に接続された電流検出器26により、ソケット側の外部リーク電流IL1と電子銃側のリーク電流IL2とのトータルのリーク電流I(=IL1+IL2)を測定している。
他のリーク電流検出方法としては、第3グリッドG及び第5グリッドGに高圧電圧を印加すると共に、第4グリッドGに接地電位を印加した状態で、第3、第5のグリッドG、G及び第4グリッドG間のリーク電流並びに第3、第5のグリッドG、G及び第1、第2のグリッドG、G間のリーク電流を測定し、第3グリッドG及び第5グリッドGに高圧電圧を印加すると共に、第4グリッドGに中圧電圧を印加し状態で、第4グリッドGに接続された継線と第1、第2のグリッドG、Gとの間のリーク電流を測定する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、他のリーク電流検出方法として、陰極線管の高圧電極と低圧電極の間に定格電圧の最大1.0〜2.0倍のパルスまたは脈流波電圧を繰り返し印加して陰極線管のネック内側に発生したコールドエミッション(放電の発光)を受光素子で検出する方法が提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−85795号公報(第2頁−3頁、第1図)
【特許文献2】
特開平5−290739号公報(第2頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、生産工程において、カラー陰極線管のリーク電流を短時間で検出するには、例えばアノード電圧の定格を5%増加して検出の感度を上げている。しかし、持続的に定格以上の電圧を設定しているため、ネックガラスに負荷が掛かり絶縁破壊を引き起こしていた。また、カラー陰極線管のリーク電流測定では、測定する雰囲気内の湿度が上昇すると外部リーク電流が変動して正確な判定ができない問題があった。この外部リーク電流は、陰極線管に接続される検出用ソケット(ステムソケット)側で生じるリーク電流である。
【0008】
事実、この外部リーク電流は、例えば第4グリッドGに中圧電位のフォーカス電圧を印加した場合ステムソケットにおいて必ず数十nA程度のリーク電流を発生させる。更に外部リーク電流は配線の引き回し、塵埃、湿度の影響等でステムソケットのリーク電流に加え、最大数百nAに達するため、真値の外部リーク電流を判別することができない問題があった。特許文献1、2においては、この外部リーク電流に関する考慮はなされていない。
【0009】
更に、低電位部の第1グリッド又は第2グリッドのリーク電流検出方法では、定格以上の電圧を長時間印加することができなかった。長時間に渡る定格以上の電圧印加は、ステムピン間の放電によりガラス表面のカーボナイズやアウターフィレット(ステムピンの基部に対応したステムガラスの盛り上がり部分)の欠け等の問題を発生させていた。これらの問題が起きないようカラー陰極線管の生産工程では、一般的にステムベースにシリコーンを塗布することで、ステムピン間の耐電圧を確保させている。しかし、このシリコーンが完全に硬化するためには数十時間以上を必要としており、実際の量産ラインでは、シリコーンが硬化する以前に測定を行っているのが実状であった。
【0010】
上述した図6に示す陰極線管のリーク電流検出方法では、ソケット側の外部リーク電流IL1と電子銃側の第1、第2のグリッドG、Gのリーク電流IL2とのトータルリーク電流I(=IL1+IL2)を測定して陰極線管のリーク電流を検出するようにしている。しかし、量産ラインの自動機では、稼働部、検出回路において配線の引回し及びステムソケットにおける外部リーク電流IL1が考慮されておらず、且つ湿度等における外的環境にも大きく左右され、リーク電流の真値を見いだすことが困難であった。
【0011】
本発明は、上述の点に鑑み、陰極線管の低電位部のリーク電流を加速的に短時間で正確に測定する、陰極線管のリーク電流検出方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る陰極線管のリーク電流検出方法は、ノッキング処理後の陰極線管のリーク電流検査工程において、電子銃のフォーカス電極に定常電圧と該定常電圧より高いパルス電圧を印加し、パルス電圧の印加後の定常電圧の戻したときのリーク電流の挙動を測定して、陰極線管のリーク電流を検出する。
【0013】
フォーカス電圧を定常電圧からパルス電圧に変化したとき、それに伴ってトータルリーク電流は上昇する。次にフォーカス電圧を定常電圧に戻すと、戻した直後から所要時間までのトータルリーク電流の挙動を見ると、正常品の陰極線管の場合には、トータルリーク電流がパルス電圧印加時のリーク電流より下がる。異常品の陰極線管の場合には、トータルリーク電流が下がらず、パルス電圧印加時のリーク電流を持続し、あるいは上昇する。このパルス電圧印加後の定常電圧に戻したときのトータルリーク電流の挙動を測定することにより、リーク電流の検出ができる。
【0014】
本発明に係る陰極線管のリーク電流検出方法は、ノッキング処理後の陰極線管のリーク電流検査工程において、電圧を供給する検査用ソケットを陰極線管に接続しない無負荷状態で、定常のフォーカス電圧印加時の前記検査用ソケット側の外部リーク電流を測定し、検査用ソケットを陰極線管に接続し、電子銃のフォーカス電極に定常電圧と該定常電圧より高いパルス電圧を印加し、パルス電圧の印加後の定常電圧の戻したときのトータルリーク電流と外部リーク電流との差分を測定して陰極線管のリーク電流を検出する。
【0015】
フォーカス電圧を定常電圧からパルス電圧に変化したとき、それに伴ってトータルリーク電流は上昇する。次にフォーカス電圧を定常電圧に戻すと、戻した直後から所要時間までのトータルリーク電流の挙動を見ると、正常品の陰極線管の場合には、トータルリーク電流がパルス電圧印加時のリーク電流より下がる。異常品の陰極線管の場合には、トータルリーク電流が下がらず、パルス電圧印加時のリーク電流を持続し、あるいは上昇する。このパルス電圧の印加後の定常電圧の戻したときのトータルリーク電流と外部リーク電流との差分を測定することにより、陰極線管のリーク電流が検出される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は、本発明に係るカラー陰極線管のリーク電流検出方法の一実施の形態を示す。同図は、ユニポテンシャル型電子銃を備えたカラー陰極線管に適用した場合であり、その電子銃部分の概略構成を示す。
本実施の形態に係るユニポテンシャル型電子銃1は、前述と同様に、赤、緑及び青に対応した3つのカソードK〔K,K,K〕に共通の第1グリッドG、第2グリッドG、第3グリッドGフォーカス電極となる第4グリッドG及び第5グリッドGが同軸上に配列しされて構成される。第3グリッドGと第5グリッドGは接続線2により互いに接続される。実使用状態においては、例えば、第3グリッドG及び第5グリッドGにはアノードボタンから例えば20kV〜30kV程度の高電圧(いわゆるアノード電圧)が供給される。第4グリッドGにはステムピンから例えば6.0kV〜8.5kV程度のダイナミックフォーカス電圧が供給される。この第3、第4及び第5のグリッドG、G及びGによりユニポテンシャル型の主電子レンズが形成される。第1グリッドGにはステムピンから例えば0V、第2グリッドGにはステムピンから例えば400V〜900V程度が夫々供給される。この電子銃20では、カソードK,K,Kから出射した3つの電子ビームが主電子レンズの中心で交差した後、図示せざるも第5グリッドGの後段に配した4枚の偏向板からなる静電コンバーゼンス手段により蛍光面上でコンバーゼンスされる。
【0018】
図1において、破線3を境に右側は電子銃1を備えたカラー陰極線管4であり、左側は電子銃1にリーク電流検出用の所要の電圧を供給する検出用ソケット(いわゆるステムソケット)、検出回路等を含むリーク電流自動検出装置5である。破線3の線上の点7、8及び9は、第1グリッドGに接続されたステムピン、第2グリッドGに接続されたステムピン及び第4グリッドGに接続されたステムピンに対応する。
【0019】
本実施の形態に係るカラー陰極線管4のリーク電流検出は、次のように行う。第3グリッドG第5グリッドGには実使用時のアノード電圧VG5が印加される。第1グリッドG及び第2グリッドGには検出用ソケットを介して接地電位が印加される。リーク電流自動検出装置5側において、第1グリッドG及び第2グリッドGの接続中点と接地電位との間に電流計6が設けられる。一方、第4グリッドGには、検出用ソケットを介して後述する実使用電圧である定常のフォーカス電圧と、この定常電圧より高いパルス状のキック電圧(以下、パルス電圧という)を含む検出用フォーカス電圧VG4が印加されるようになす。本例では 検出用フォーカス電圧VG4の定常電圧を7kVとし、パルス電圧を7kVより20%高い8.4kVでパルス幅が500msであるパルス電圧としている。検出用フォーカス電圧を供給する電源の負端子は接地される。なお、このパルス電圧は、例えば定常のフォーカス電圧より10%〜50%、好ましくは20%〜30%高くしたパルス電圧とする。パルス電圧がフォーカス電圧の10%増より小さくする。またはフォーカス電圧の50%増を越えると、好ましくない理由は次の通りである。
【0020】
セットラインでフォーカス調整は、人手でフォーカスボリュームを左右に回動させる。この際、瞬時と言えども調整範囲の最大電圧が陰極線管に加わる可能性が充分ある。セットのフォーカス電圧は、陰極線管のバラツキを吸収するため、例えば8KV±2KV程度の調整範囲を有する。故に、フォーカス電圧調整時に実使用電圧以上の印加が予測される。
セット調整時に加わる最大印加電圧は、通常、実使用電圧の15%から20%程度高い電圧である。従って、パルス電圧が実使用のフォーカス電圧の10%増より低いとセットラインでリーグ電流が流れてしまう陰極線管が発生する。
【0021】
陰極線管は、電子銃のステムピンから各電極パーツに所定の電圧を印加する。このステムピンから印加する最大の電圧はフォーカス電圧である。通常、大気中であるならば0.6〜1KV/mmでリークが開始すると言われている。一般的な電子銃のフォーカスピンとそれに隣接するステムピンの距離は、4mm程度である。よって、リークが起こらないよう例えばシリコンを塗布し、リークを防いでいる。
フォーカスピンとそれに隣接するステムピン間でリークを防ぐため、通常シリコンを塗布しているが、パルス電圧が実使用のフォーカス電圧の50%増より高いと例えば12KV以上の電圧が印加されるとシリコンが塗布されていてもステムピン間リークを起こす可能性が充分予測できる。又、各ステムピンに外部から電圧を供給するためステムソケットが用いられるが、このソケットのピン間耐圧は、実験結果から12KV以上印加するとリークが発生する。
【0022】
先ず、リーク電流自動検出装置5において、その検出用ソケットをカラー陰極線管4のステムピンに接続する前、いわゆる無電荷の状態で、フォーカス電圧の定常電圧11、即ち7kVを印加する(図2B参照)。このとき電流計に流れる外部リーク電流IL1を測定する(図2A参照)。次に、リーク電流自動検出装置5の検出用ソケットをカラー陰極線管4のステムピンに接続し、電子銃1の第4グリットGに図2Bに示すような定常電圧11(7kV)とパルス電圧12を含む検出用フォーカス電圧13を印加する。第1グリットG及び第2グリットGには接地電圧が印加される。
【0023】
第4グリッドGにこのような定常電圧11とパルス電圧12を含む検査用フォーカス電圧VG4を印加することにより、外部リーク電流IL1と電子銃1側のリーク電流IL2が加算されたトータルリーク電流I測定する。そして、パルス電流12を印加し、定常電圧11に戻して所要時間経過するまでのトータルリーク電流Iと外部リーク電流IL1との差分IL2(=I−IL1)を検出してカラー陰極線管4側で発生しているリーク電流IL2を検出し、カラー陰極線管の正常品と異常品を選別する。
【0024】
異常品の場合、初期のパルス電圧11の印加でリーク電流が許容できる基準値I0 を越える「なだれ現象」を引き起し、その後、定常電圧12に戻してもこの異常放電は持続するため、図2Aの破線15に示すリーク電流を呈し、異常品として判断できる。図3Aは、異常品のリーク電流のヒステリシスループを示す。この特性は、一般的な放電現象及び実験結果からも証明されている。
正常品の場合、初期のパルス電圧11の印加でリーク電流が許容できる基準値I0 を越える異常放電は起こらず、その後、定常電圧12に戻したときにリーク電流はパルス電圧11におけるリーク電流より下がり、図2の実線16に示すリーク電流を呈し、正常品として判断できる。図3Bは、正常品のリーク電流のヒステリシスループを示す。
【0025】
本実施の形態によれば、負荷が無い状態でパルス電圧印加時の外部リーク電流IL1を読み込み、負荷有りのリーク電流値Iから減算した値で合否の判定を行うことにより配線の引き回し、検出用ソケット(ステムソケット)の固定外部リーク電流分、湿度の変化による変動外部リークがキャンセルでき、微小リーク電流IL2を正確に判定することができる。
【0026】
カラー陰極線管の電子銃の量産ラインで短時間にリーク電流を検出するため、実使用電圧より高い電圧をパルス的に印加することにより、外部放電によるステムピン間のアウターフィレット欠け、ステムベース(ガラス)表面のカーボナイズによるステムピン間リークの問題を解決することができる。
【0027】
外部リーク電流の固定分と変動分をキャンセルすることでブラウン管1本毎に日間変動及び季節変動に正確に対応できる。一般的に目視で異常放電が確認できるリーク電流は50nAと微小であり、この微小電流を短時間で正確に検出しようとするとこの外部リークは無視できなかった。今回、この外部リークをトータルリーク電流値から減算することにより微小電流を正確に判定できるようになった。
【0028】
本発明に係る陰極線管のリーク電流の検出方法は、バイポテンシャル型電子銃を備えたカラー陰極線管にも適用できる。図4は、その実施の形態を示す。3ガン型のバイポテンシャル型電子銃18は、赤、緑及び青に対応した3つのカソードK(図4では1つのカソードを代表して示す)、第1グリッドG〜第6Gを有し、第4グリッドG及び第6グリッドGに高電圧(アノード電圧)が供給され、第5グリッドG及び第3グリッドGにフォーカス電圧が供給され、第1グリッドG、第2グリッドGに所定の低電圧が印加される。
リーク電流(コールドエミッション)の検出に際しては、前述と同様にリーク電流検出装置の検出用ソケットを陰極線管のステムピンに挿入し、第1グリッドG及び第2グリッドGを接地し、第5グリッドG及び第3グリッドGに図2の検出用フォーカス電圧13を印加し、トータルリーク電流I(=IL1+IL2)測定する。また、無負荷時の検出用ソケット側に定常電圧11を印加して外部リーク電流IL1を測定する。そして、トータルリーク電流Iと外部リーク電流IL1との差分IL2を検出して陰極線管の正常品と異常品を選定する。
本実施の形態においても、前述したユニポテンシャル型電子銃を備えた陰極線管の場合と同様の効果を奏することができる。
【0029】
連続して複数のパルス電圧11を印加するようにしても良い。複数のパルス電圧11を印加するときは、正常品と異常品の判別がよりはっきりと確認することができ、リーク電流を加速的に短時間で検出することができる。
【0030】
上例では、検出用ソケットに陰極線管を接続しない無負荷時の外部リーク電流IL1を測定し、検出用ソケットに陰極線管を接続した有負荷時のトータルリーク電流Iを測定し、その差分IL2(=I−IL1)検出するようにしたが、その他、パルス電圧11を印加し定常電圧12に戻したあとのリーク電流の挙動、つまり、図2の実線16あるいは破線15を検知することにより、同様にリーク電流を加速的に短時間で検出することができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明の陰極線管のリーク電流検出方法によれば、非常に短いパルス中のパルス電圧を第4グリッドに印加することにより、実動状態より高い電圧印加が可能になり、精度が良く短時間且つ加速的なリーク電流の検出を可能とする。また、キック電圧印加以降、実動電圧に戻しても既知の放電現象により、異常品は、ほぼそのままのリーク電流値で維持する特性を持っており、その時点においても異常検出が可能である。更に、パルス電圧が数百ms程度の短い時間ならステムピン間の異常放電によるカーボナイズ及びアウターフィレット欠けを防止できる。
【0032】
負荷が無い状態で初期の外部リーク電流を測定しておくことにより、陰極線管が本来持っているリーク電流の測定が可能になる。陰極線管が持っているリーク電流とは数十nAという微小電流であり、外部リーク電流は無視できない。この外部リーク電流は、数十nA〜数百nAという陰極線管が持っているリーク電流と同等な値であり、湿度、塵埃、配線の引き回しに大きく左右され正確な数値を見極めるのが困難であったが、トータルリーク電流から初期に測定した外部リーク電流を減算することにより数十nAという微小電流を高精度に測定することができる。
【0033】
パルス電圧を実行状態のフォーカス電圧より10〜50%高圧電圧にすることにより、測定時に不要なリーク電流が流れず、正確にコールドエミッション、いわゆるリーク電流を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る陰極線管のリーク電流検出方法の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】A 本実施の形態で測定されるリーク電流の波形図である。
B 本実施の形態で印加する検出用フォーカス電圧の波形図である。
【図3】A 本実施の形態での陰極線管の異常品のリーク電流−フォーカス電圧特性図である。
B 本実施の形態での陰極線管の正常品のリーク電流−フォーカス電圧特性図である。
【図4】本発明に係るバイポテンシャル型電子銃を備えた陰極線管のリーク電流検出方法の他の実施の形態を示す構成図である。
【図5】ユニポテンシャル型電子銃を備えた陰極線管の要部の構成図である。
【図6】従来の陰極線管のリーク電流の検出方法の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1・・ユニポテンシャル型電子銃、2・・接続線、3・・破線、4・・カラー陰極線管、5・・リーク電流自動検出装置、6・・電流計、7,8,9・・点、11・・定常電圧、12・・パルス電圧、13・・検出用フォーカス電圧、15・・破線、16・・実線、18・・バイポテンシャル型電子銃、20・・電子銃、21,23・・接続線、22・・ステムピン、26・・電流検出器

Claims (4)

  1. ノッキング処理後の陰極線管のリーク電流検査工程において、
    電子銃のフォーカス電極に定常電圧と該定常電圧より高いパルス電圧を印加し、
    前記パルス電圧の印加後の定常電圧に戻したときのリーク電流の挙動を測定して、陰極線管のリーク電流を検出する
    ことを特徴とする陰極線管のリーク電流検出方法。
  2. ノッキング処理後の陰極線管のリーク電流検査工程において、
    電圧を供給する検査用ソケットを陰極線管に接続しない無負荷状態で、定常のフォーカス電圧印加時の前記検査用ソケット側の外部リーク電流を測定し、
    前記検査用ソケットを陰極線管に接続し、電子銃のフォーカス電極に定常電圧と該定常電圧より高いパルス電圧を印加し、
    前記パルス電圧を印加した後のトータルリーク電流と前記外部リーク電流との差分を測定して陰極線管のリーク電流を検出する
    ことを特徴とする陰極線管のリーク電流検出方法。
  3. 前記パルス電圧は、前記定常電圧の10%〜50%高いパルス電圧である
    ことを特徴とする請求項1記載の陰極線管のリーク電流検出方法。
  4. 前記パルス電圧は、前記定常電圧の10%〜50%高いパルス電圧である
    ことを特徴とする請求項2記載の陰極線管のリーク電流検出方法。
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