JP2004193532A - 磁気吸着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】密閉されていて磁性体粉末を付着し難く、また永久磁石の磁気吸着力を大きく切り替えられる小型化可能な磁気吸着装置を実現する。
【解決手段】永久磁石2と、被吸着体1に対設される本体フレーム4と、この本体フレーム4に係止され永久磁石2を支持するばね機構と、永久磁石を被吸着体に対して動かす操作機構6を具備し、支持バネの生成力が永久磁石がどの位置にあっても、その磁気吸引力と平衡するように設定した特許文献1の磁気吸着装置において、永久磁石と被吸着体との間に挿入されるものであり本体フレーム4に固着された底板7を有し、そしてこの底板7は非磁性体で構成され、永久磁石と接触する部分に当該永久磁石の磁束を被吸着体に誘導する磁性体8を有し、また支持バネ機構を配置したことを特徴とした磁気吸着装置
【選択図】図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性体例えば軟鉄などで構成される構造物に対する部材の取り付け、磁性体構造物表面を移動する移動装置、さらにクラッチ機構などの動力伝達機構に応用可能とする磁気吸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、強磁性体などの強い磁気力を示す材料を用いて鉄製などの磁性材料で構成されている構造物に磁気的な吸着固定をする機構は以前から知られている。これによれば、構造物に対する吸着力を充分なものにするため強磁性体の中でも磁気力が強い永久磁石を用いると、被吸着体からの剥離作業には大きな力が必要となり困難である。この剥離作業の際に発生する力を微小にするものが報告されている(例えば、特許文献1参照)
【0003】
この機構は図1のように、磁性体でなる被吸着体▲1▼に永久磁石▲2▼の吸着面▲3▼が対設する状態に設定され、被吸着体▲1▼に対設される本体フレーム▲4▼と、このフレームに係止され上記永久磁石に対して被吸着体との間に磁気吸着力に抗する弾性力の作用する板バネ機構▲5▼と、この板バネ機構▲5▼で支持された上記永久磁石を被吸着体に接近あるいは離間する操作機構▲6▼を具備し、図2のように、永久磁石吸着面と被吸着体との間隙xのどの位置においても、被吸着体▲1▼に対して作用する永久磁石吸着面▲3▼の磁気吸引力(ア)と、板バネ機構▲5▼が生成するバネ力(イ)が、出来るだけ同じで逆向きに作用するように構成したものである。このように特許文献1によれば、永久磁石の吸着力とバネ力が同じで逆向きに作用するため、永久磁石吸着面と被吸着体との間隙xを距離0から磁気吸引力がゼロに減衰する最大距離xmaxまで変える上下運動を考えたとき、その上下運動は原理的にゼロの力で実施できる。しかし一方、本発明の本体フレーム▲3▼と被吸着体との吸着力については、間隙xがxmaxでは吸着力はゼロであるが、間隙xがゼロの場合本体フレーム▲4▼はバネ▲5▼でFmaxの力で被吸着体に押し付けられているため、永久磁石が生成する最大吸着力Fmax以上の力を生成しないと本体フレームを被吸着体から引き剥がすことは出来ない。つまり、原理的にゼロの力で、永久磁石を被吸着体から引き剥がせることを可能にするのが本発明である。
【0004】
この発明は、通常の永久磁石では、永久磁石が被吸着体に吸着する際に永久磁石が持っていた磁気ポテンシャルエネルギを熱の形で散逸するエネルギ散逸系として機能していたのに対し、本発明の磁気装置では、永久磁石が被吸着体に吸着する際に永久磁石が持っていた磁気ポテンシャルエネルギをバネの歪エネルギに変換して保存するというエネルギ保存系に変換することを実現したものであり、それがこのような効果を生み出していると考えられる。
この機構によれば十分強力な磁気吸着力を生成する永久磁石であっても微小な力で引き剥がし操作が可能であり、例えば鉄製の構造材への着脱可能な固着装置や磁気吸着移動型ロボットの吸着ユニット、さらにクラッチ機構などの動力伝達機構等に効果的に利用可能である。
【0005】
【特許文献1】
特許番号 1309531
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の磁気吸着装置の機構および構造は前記した通りであるが、この磁気吸着機には次の課題が発生している。
(1)永久磁石は被吸着材に対して露出して接触するため、被吸着材に付着していた磁性体粉末などが長時間使用してゆくと次第に永久磁石に付着し、結果的に正常な永久磁石の着脱動作が阻害される可能性がある。
(2)本機構における永久磁石の吸着力に対抗するバネ力は、永久磁石の上部に配置した板バネで生成しているが、板バネのバネ力を生成できるストロークは比較的短い。そのためコンパクトな装置を作成しようとすると、永久磁石の磁気吸着力を十分減衰する位置まで永久磁石を被吸着体から離間できず磁力が残された状態で引き剥がしをしなければならない。また逆に、十分ストロークが長いバネを実現しようとすると、板バネの幅が広がり磁気吸着装置が大型化してしまう。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、磁性体粉末などの付着による機能低下を防止できることと、磁気吸着力を最大吸着状態から吸着力を微弱に減衰した状態まで大きく変化できるコンパクトな磁気吸着装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気吸着装置は、上記課題を解決するものである。
【0009】
本発明の磁気吸着装置は、磁性体でなる被吸着体に吸着面が対設する状態に設定される永久磁石と、上記被吸着体に対設される本体フレームと、このフレームに係止され上記永久磁石に対して被吸着体との間に磁気吸着力に抗する弾性力の作用する板バネ機構と、このバネ機構で支持された上記永久磁石を被吸着体に接近あるいは離間する操作機構を具備し、上記被吸着体に対して作用する永久磁石の磁気吸引力に対して、上記板バネ機構はその力が平衡するように設定したことを特徴とする磁気吸着装置において、永久磁石と被吸着体との間に挿入されるものでありフレームに固着された底板を有し、そしてこの底板は非磁性体で構成され、永久磁石と接触する部分に当該永久磁石の磁束を被吸着体に誘導する磁性体を有し、また上記板バネ機構は、バネ常数や自然長などのバネ特性が等しい複数のバネセットを具備し、永久磁石を被吸着体から平衡した姿勢で離間させるときに加えるべき単一作用力の作用線ベクトルを中心軸とすると、その中心軸に対して上記バネセットを回転対称な位置に配置したことを特徴とした磁気吸着装置によって達成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
課題(1)を解決する手段として(請求項1)を示す。従来は、図1に示す様に、永久磁石▲2▼が直接、被吸着体▲1▼と接触していた。それにより強力な磁気力で吸着する優れた特徴が生成できる反面、被吸着面に付着していた磁性体粉末などの粉塵が永久磁石に付着することで、次第に永久磁石の磁力線が発散してしまい、本来得られる強力な磁気力が減少してしまうという現象が生じていた。
【0011】
そこで図4で示す様に、永久磁石▲2▼と被吸着体▲1▼との間に底板▲7▼を本体フレーム▲4▼に固着するように具備し、永久磁石▲2▼をフレームで全包することで磁性体粉末を永久磁石に直接付着することを防ぎ、また、たとえ磁性体粉末が底板▲7▼に設けられた磁性体▲8▼に付着した場合でも、永久磁石をこの底板▲7▼から十分離すと底板の磁性体▲8▼の磁気吸着力はほとんど完全に消滅するため、磁性体粉末は容易に取り除くことが可能となる。そのため永久磁石の着脱動作を繰り返すと、本装置に付着する磁性体粉末は自動的に除去することが可能となり、その結果磁気吸着力は常時最大値を生成できるようになる。さらに、底板の磁性体▲8▼は永久磁石の磁気誘導体として機能するため、底板に厚みがあり永久磁石がその厚み分以上被吸着体から離れた状態で作動しても、永久磁石の外部に対する磁気力は高く保持することが可能になる。
【0012】
課題(2)の解決手段を(請求項2)に示す。従来の磁気吸着装置は図1あるいは図3に示す様に板バネを永久磁石の上部に装着していた。そして、非線形特性を示す永久磁石の吸着力に対応した特性を生成するため、図3のように、板バネ(5.1)(5.2)(5.3)が本体フレームと接触する間隙を切り替えるなどの構造を導入していた。上記3種類のバネ力の非線形性は図2に示す様に表せる。しかしこのような構造だと全体的に形状が大きくする必要がありコンパクト化が難しかった.
これを解決する手段として(請求項2)に示す様に、上記板バネ機構は、バネ常数や自然長などのバネ特性が等しい複数のバネセットを具備し、永久磁石を被吸着体から平衡した姿勢で離間させるときに加えるべき単一作用力の作用線ベクトルを中心軸とすると、その中心軸に対して上記バネセットを回転対称な位置に配置したことを特徴とした構造を具備することで対応している。
【0013】
その効果を図4および図5を用いて以降具体的に説明する。図4,図5では、バネセットを中心軸に対して回転対称に配置する具体例として、2つのバネセットで構成され、それぞれのバネセットはバネ常数と自然長がお互いに等しく自然長が長い一対のバネP1とP2、およびバネ常数と自然長がお互いに等しく自然長が短い一対のバネQ1とQ2、の2種類で構成され、それらのバネセットを中心軸に対して180度回転した位置、具体的には、図5のように、円筒形の永久磁石の4隅に、バネセット同士が対角の位置に配置されるように構成している。このように一対のバネセットを永久磁石の中心軸から180度回転した対向する位置に配置しているため、両方のバネセットが生成するバネ力は、あたかもすべてのバネが中心軸に置かれているように、すべて中心軸に沿って作用することになる。そして、バネセットP1,P2とバネセットQ1,Q2の自然長が異なるため、非線形な特性を生成できる。この効果は特許文献1において板バネを用いて生成したものと同様なものとなっている。そしてこのように支持バネを構成すると、コンパクトでストロークの長いコイルバネが使用できるため、永久磁石を十分長いストロークにわたってバネ力を生成させながら被吸着体から離間させることが可能となり、またコイルバネを図4、図5のように永久磁石の周辺部に配置することが可能となるため、コンパクトな磁気吸着装置を構成可能である
【0014】
【発明の効果】
本発明である優れた連続使用性能と小型・軽量化を有する磁気吸着装置は、使用期間によらず安定した磁気吸着性能を有し、さらには永久磁石をバネ力でバランスしながら長い距離被吸着体から離間させられやすいため磁気吸着力を十分小さくすることが出来て、また装置全体を小型・軽量化可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の磁気吸着装置の断面図である。
【図2】磁気吸着力とバネ力に及ぼす永久磁石と被吸着体との間隔Xの影響を示す。
【図3】非線形性を特徴とする磁気吸着装置の断面図である。
【図4】本発明の磁気吸着装置を示す図5のA−A断面図である。
【図5】本発明の磁気吸着装置内部のバネの配置図である。
【符号の説明】
1・・・被吸着体
2・・・永久磁石
3・・・磁気吸着面
4・・・本体フレーム
5・・・板バネ機構
6・・・永久磁石を被吸着体に接近あるいは離間する操作機構
7・・・底面
8・・・磁性体
P1、P2、Q1、Q2・・・バネ機構
X・・・永久磁石と被吸着体との間隙

Claims (3)

  1. 磁性体でなる被吸着体に吸着面が対設する状態に設定される永久磁石と、上記被吸着体に対設される本体フレームと、このフレームに係止され上記永久磁石に対して被吸着体との間に磁気吸着力に抗する弾性力の作用する板バネ機構と、このバネ機構で支持された上記永久磁石を被吸着体に接近あるいは離間する操作機構を具備し、上記被吸着体に対して作用する永久磁石の磁気吸引力に対して、上記板バネ機構はその力が平衡するように設定したことを特徴とする磁気吸着装置において、永久磁石と被吸着体との間に挿入されるものであってフレームに固着される底板を有し、そしてこの底板は非磁性体で構成され、永久磁石と接触する部分に当該永久磁石の磁束を被吸着体に誘導するための磁性体を有する磁気吸着装置。
  2. 磁性体でなる被吸着体に吸着面が対設する状態に設定される永久磁石と、上記被吸着体に対設される本体フレームと、このフレームに係止され上記永久磁石に対して被吸着体との間に磁気吸着力に抗する弾性力の作用する板バネ機構と、このバネ機構で支持された上記永久磁石を被吸着体に接近あるいは離間する操作機構を具備し、上記被吸着体に対して作用する永久磁石の磁気吸引力に対して、上記板バネ機構はその力が平衡するように設定したことを特徴とする磁気吸着装置において、上記板バネ機構は、バネ常数と自然長が等しい複数のバネセットを具備し、永久磁石を被吸着体から離間させるときに加えるべき単一作用力の作用線ベクトルを中心軸とすると、その中心軸に対して上記バネセットを回転対称な位置に配置したことを特徴とした磁気吸着装置。
  3. 磁性体でなる被吸着体に吸着面が対設する状態に設定される永久磁石と、上記被吸着体に対設される本体フレームと、このフレームに係止され上記永久磁石に対して被吸着体との間に磁気吸着力に抗する弾性力の作用する板バネ機構と、このばね機構で支持された上記永久磁石を被吸着体に接近あるいは離間する操作機構を具備し、上記被吸着体に対して作用する永久磁石の磁気吸引力に対して、上記板バネ機構はその力が平衡するように設定したことを特徴とする磁気吸着装置において、永久磁石と被吸着体との間に挿入されるものであってフ レームに固着された底板を有し、そしてこの底板は非磁性体で構成され、永久磁石と接触する部分に当該永久磁石の磁束を被吸着体に誘導するための磁性体を有し、上記板バネ機構は、バネ常数や自然長などのバネ特性が等しい複数のバネセットを具備し、永久磁石を被吸着体から平衡した姿勢で離間させるときに加えるべき単一作用力の作用線ベクトルを中心軸とすると、その中心軸に対して上記バネセットを回転対称な位置に配置したことを特徴とした磁気吸着装置。
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