JP2004194864A - 家具などの転倒防止具 - Google Patents

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Abstract

【課題】横方向の揺れに対して強い家具などの転倒防止具を提供する。
【解決手段】伸縮パイプ2脚部3との間に伸縮パイプ2に掛かる振動を吸収するダンパー部6を設けて、伸縮パイプ2にかかる力(揺れ)をダンパー部6の変形を利用して吸収する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家具などが地震などの揺れによって転倒するのを防止するための転倒防止具に関し、さらに詳しく言えば、特に横揺れに対する耐震構造を強化した転倒防止具に関する。
【0002】
【従来の技術】
タンスなどの家具や棚などは、地震などの大きな振動によって転倒するおそれがあり、万が一人の上に倒れてきた場合、人体に対して大きな危害を加えるおそれがある。そこで、既設のタンスや棚などの家具に簡易に設置できる後付けタイプの転倒防止具が数多く提案されているが、そのひとつに例えば特許文献1がある。
【0003】
この転倒防止具は、通常、同一軸方向に伸縮可能な伸縮パイプを有し、この伸縮パイプをタンスなどの転倒防止物と同転倒防止物に隣接する壁面(例えば天井)との間に介装させて、その間で伸張力を作用させることにより、転倒防止物を固定するようにしている。
【0004】
これによれば、転倒防止物が地震などによって揺れたとしても、転倒防止物が揺れ動くための空間が転倒防止具によって規制されているため、転倒防止物を固定することができる。また、脚部先端には、ゴムなどの弾性体が取り付けられており、これにより、転倒防止具にかかる揺れなどを吸収することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−280468号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、いままでの転倒防止具の多くには次のような課題が残されていた。すなわち、従来の転倒防止具は、伸縮パイプの先端に設けられた脚部と被設置面との間にゴムやスポンジなどの弾性体を配置してあるため、縦方向(上下方向)の揺れにはある程度対応できるが、横方向(左右方向)に力が加わった場合、弾性体が変形して、転倒防止具全体の長さが変化し、転倒防止具が外れてしまうおそれがあった。
【0007】
また、従来の弾性体は伸縮パイプの先端側に取り付けられているため、設置中は伸縮パイプの伸張力によって常に負荷がかけられた状態にあり、経時的に使用するにつれて、ゴムの弾性がへたるおそれもある。
【0008】
一般に家具などが地震によって転倒するのは、縦揺れよりも横揺れによるものが多いと言われており、縦揺れよりも横揺れに対しての耐震設計を強くする方が好ましい。そこで、本発明は地震などの揺れ、特に横方向の揺れに対して強い家具などの転倒防止具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明は、家具などの転倒防止物と上記転倒防止物に隣接する壁面との間に介装され、上記転倒防止物と上記壁面とを互いに離反する方向に押圧して、上記転倒防止物が地震などによって転倒するのを防止する家具などの転倒防止具において、同一軸線方向に伸縮可能な伸縮パイプと、上記伸縮パイプの両端にそれぞれ取り付けられる一対の脚部とを含み、上記伸縮パイプの両端には、上記伸縮パイプにかかる振動を吸収する一対のダンパー部が設けられており、上記各ダンパー部は、上記伸縮パイプの端面に沿って当接する底部と、同底部の周縁から上記伸縮パイプの外周面に沿って所定深さに延設された外周部とを有する有底のキャップ状に形成されているとともに、上記脚部には、上記各ダンパー部を含む上記伸縮パイプが挿入可能な筒状のパイプ収納部が設けられていることを特徴としている。
【0010】
これによれば、伸縮パイプと脚部とがダンパー部を介して連結されているため、揺れが生じた場合には、伸縮パイプに加わる縦方向および横方向の力をダンパー部が変形して効果的に吸収することができ、脚部が被設置面からずれたりしない。
【0011】
また、ダンパー部がキャップ状に形成され、伸縮パイプの端部に被せられていることにより、伸縮パイプの外周方向には負荷が加わらないため、経時的に使用しても、弾性特性が落ちない。さらには、ダンパー部を設けたことにより、脚部に対する衝撃緩和を図ることができ、ひいては、成型品を薄肉化することができるため、材料のコストダウンも可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、装着状態にある本発明の一実施形態に係る防振補助具の正面図であり、図2は脚部の構造を説明する要部断面図であり、図3は伸縮パイプの構造を説明するための説明図である。
【0013】
この転倒防止具1は、同一軸方向に伸縮可能な伸縮パイプ2と、同伸縮パイプ2の両端に係合され、天井面Cやタンスなどの転倒防止物Aに当接される一対の脚部3,3とを備えている。この実施形態において、伸縮パイプ2および脚部3,3はともに合成樹脂の成型品からなる。なお、材質は、耐震強度など仕様に応じて適宜選択できる。
【0014】
伸縮パイプ2は、大径な第1パイプ21と、同第1パイプ21の中にスライド可能に差し込まれる小径な第2パイプ22とを備えたいわゆる入れ子式パイプからなり、同一軸線方向に伸縮するようになっている。
【0015】
なお、第1パイプ21および第2パイプ22の長さおよび径は、仕様に応じて任意であるが、この実施形態では各パイプ長さが150〜400mmで、第1パイプ21の内径がφ38mm、第2パイプ22の内径がφ35mmとされている。
【0016】
図3(a)に示すように、第2パイプ22には、伸縮パイプ2を所定長さで固定する一方の固定手段としての固定孔23が軸方向に沿って多数穿設されている。
【0017】
第1パイプ21の先端(図1では上端)には、伸縮パイプ2を所定長さで固定する他方の固定手段としての固定ネジ541を有する中間スリーブ4が設けられている。図3(b)に示すように、中間スリーブ4は合成樹脂製の円筒状の成型品からなり、第1パイプ21の先端に嵌合されている。
【0018】
中間スリーブ4の側面には、上述した第2パイプ22の固定孔23に向けて挿入される固定ネジ41が螺合されている。この固定ネジ41を各固定孔23に向けて選択的に挿入することにより、伸縮パイプ2の長さを好みの長さで固定することができる。
【0019】
この実施形態において、固定手段は第2パイプ22の固定孔23と中間スリーブ4の固定ネジ41とから構成されているが、例えば固定ネジ41にドリルネジを用いて、このドリルネジを第2パイプ22に強制的にねじ込んで任意の位置に固定孔23を形成するようにしてもよい。すなわち、本発明において固定手段はあくまで任意的な構成要素である。
【0020】
第1パイプ21の後端側(下端側)にはさらに、伸縮パイプ2の先端を互いに離反させる方向に反発させるための図示しないネジを有する調節ナット5が第1パイプ21の外周に沿って回転可能に取り付けられている。
【0021】
この調節ナット5を右回転(時計回り)に回転させることで、伸縮パイプ2の内部に設けられた図示しないネジが駆動され、伸縮パイプ2の両端が互いに離反する方向に進出する。
【0022】
なお、この実施形態においては、伸縮パイプ2はネジ式で進退するようになっているが、伸縮パイプ2の進退構造は本発明においてあくまで任意的な構成要素であり、例えばいわゆる突っ張り棒などに用いられているバネによる突っ張り技術を応用してもよい。
【0023】
図2に示すように、各脚部3は全体が立体な長方台形状に形成されている。脚部3の底面(天井面に接する場合は上面)には、タンスなどの転倒防止物Aや天井面Cの被設置面に沿って平行に当接する平坦面31が設けられており、平坦面31には、滑り止め用のスリップマット32が貼り付けられている。
【0024】
この実施形態において、平坦面31には、滑り止め用としてスリップマット32が貼着されているが、これ以外に平坦面31をローレット面としてもよく、滑り止め効果が得られるものであれば、適宜選択できる。
【0025】
脚部3の上面中央には、伸縮パイプ2の先端が差し込まれるパイプ収納部33が設けられている。パイプ収納部33は、伸縮パイプ2が挿入可能な円筒状の丸穴からなり、この例において、その深さは32mmである。
【0026】
このパイプ収納部33に伸縮パイプ2がダンパー部材6を介して嵌入される。ダンパー部材6は、例えばEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)などの高弾性材料の形成品からなり、伸縮パイプ2の端面に沿って当接する底部61と、底部61の周縁から伸縮パイプ2の外周面に沿って所定深さに延設された外周部62とを有する有底の円筒キャップ状に形成されている。なお、ダンパー部材6の材質は、伸縮パイプ2にかかる応力を吸収可能なものであれば任意に選択できる。
【0027】
この例において、ダンパー部6の厚さは3mmで、深さ(外周部332の長さ)が32mmであり、上端側がほぼ脚部3のパイプ挿通穴33の上端縁と同一平面上になるように形成されている。
【0028】
パイプ収納部33は、ダンパー部材6を収納するダンパー収納部としても用いられる。これによれば、ダンパー部材6を介して伸縮パイプ2が脚部3に固定されるため、図4に示すように、伸縮パイプ2に縦方向および横方向の揺れがかかっても、ダンパー部材6が変形して揺れを効果的に吸収し、脚部3に加わる応力が減衰される。
【0029】
また、ダンパー部6の外周部62が伸縮パイプ2の外周面を囲むように形成されているため、外周部62には、伸縮パイプ2の伸張力がかからず、経時的に使用しても、その減衰特性が衰えることがない。
【0030】
なお、転倒防止具1は、出荷状態において全体を組み立てた状態にしておいてもよいし、また、組立前の状態で出荷し、使用者の手によって組み立ててもよい。後者であれば、前者よりも梱包体積を減らすことができる。
【0031】
次に、転倒防止具1の使用手順の一例について図1を参照しながら説明する。まず、上述した方法で組み立てられた転倒防止具1の長さを転倒防止物Aと天井面Cとの隙間に併せて調節する。パイプ長さを調節するに当たっては、まず中間スリーブ4の固定ネジ41を取り外し、第1パイプ21と第2パイプ22の固定を解除する。
【0032】
次に、第1パイプ21の脚部3を転倒防止物Aに当接させた状態で第2パイプ22を引き出していき、天井面Cとの隙間が最も小さくなる位置となる固定孔23に固定ネジ41を再び締め付けることで、パイプ長さが仮位置決めされる。
【0033】
この状態のまま、第1パイプ21の調節ネジ5を例えば時計回りに右回転させることで、図示しないネジが駆動され、伸縮パイプ2の両端が互いに離反する方向、すなわち天井面Cと転倒防止物Aとを押圧する方向に伸び、隙間に確実に固定される。
【0034】
この実施形態において、転倒防止具1は図面上では転倒防止物Aに1つしか設けられていないが、転倒防止物Aの幅に合わせて複数が設けられてもよい。
【0035】
また、転倒防止具1は、上述したような転倒防止物Aと天井面Cとの間の隙間に設置しているが、これ以外の設置例としては、転倒防止物Aと側面側の壁面との間に固定するようにしてもよい。また、2つの転倒防止物Aの間に形成された隙間に設置してもよく、その設置方法はあくまで耐震を目的とすれば任意である。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、伸縮パイプと脚部との間に伸縮パイプに掛かる振動を吸収するダンパー部を設けて、ダンパー部を有底な円筒キャップ状に形成して、伸縮パイプに被せるようにしたことで、縦方向および横方向の揺れを効果的に吸収でき、結果、両脚部にかかる揺れを減衰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る転倒防止具を設置した状態の側面図。
【図2】上記実施形態の転倒防止具の脚部周辺の要部断面図。
【図3】上記実施形態の伸縮パイプの要部断面図。
【図4】上記実施形態の転倒防止具の使用状態を説明する説明図。
【符号の説明】
1 転倒防止具
2 伸縮パイプ
3,3 脚部
4 中間スリーブ
5 調節ネジ
6 ダンパー部材
A 転倒防止物
C 天井面

Claims (1)

  1. 家具などの転倒防止物と上記転倒防止物に隣接する壁面との間に介装され、上記転倒防止物と上記壁面とを互いに離反する方向に押圧して、上記転倒防止物が地震などによって転倒するのを防止する家具などの転倒防止具において、
    同一軸線方向に伸縮可能な伸縮パイプと、上記伸縮パイプの両端にそれぞれ取り付けられる一対の脚部とを含み、上記伸縮パイプの両端には、上記伸縮パイプにかかる振動を吸収する一対のダンパー部が設けられており、上記各ダンパー部は、上記伸縮パイプの端面に沿って当接する底部と、同底部の周縁から上記伸縮パイプの外周面に沿って所定深さに延設された外周部とを有する有底のキャップ状に形成されているとともに、
    上記脚部には、上記各ダンパー部を含む上記伸縮パイプが挿入可能な筒状のパイプ収納部が設けられていることを特徴とする転倒防止具。
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