JP2004196601A - 軽量で耐凍害性に優れた無機質成型体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】20〜35重量%のセメント、10〜80重量の珪酸質材料、0〜15重量%のパーライト、2〜10重量%のマイカ、2〜10重量%のワラストナイト、3〜8重量%の繊維材料と適量の撥水剤と水とを混合して原料スラリーとし、次にこの原料スラリーをプレスにより脱水成型して成型体を製造し、さらに該成型体を養生および乾燥することを特徴とする軽量で耐凍害性に優れた無機質成型体の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の外壁材、天井材および内装材などに好適に使用される軽量で耐凍害性に優れた無機質成型体とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の外壁材、天井材あるいは内装材などに使用される建築材料の一つとして、窯業系の建築材料が知られている。例えば、20〜27重量部のポルトランドセメント、消石灰に換算して13〜18重量部の生石灰又は消石灰、43〜50重量部のパーライト、4〜7重量部のパルプ、0.2〜1重量部の有機質繊維と適量の混和剤と水とを混合してスラリーとし、次にこのスラリーをプレスにより脱水成型して成型体を製造し、更に該成型体をオートクレーブ養生および乾燥してなる珪酸カルシウム系内外装板が知られている(特許文献1参照。)。しかしながら、この珪酸カルシウム系内外装板ではある程度軽量な製品が得られる可能性はあるが、珪酸質中空体等を使用するものではないために、満足できる十分なレベルの耐凍害性は得られないという課題があった。
【0003】
また別に、20〜27%のポルトランドセメント、消石灰に換算して13〜18%の生石灰または消石灰、43〜50%の珪藻土と珪酸質中空体より成り珪酸質中空体が20%以上である珪酸質材料、4〜9%のパーライト、4〜7%のパルプ、0.2〜1%の有機質繊維と、適量の混和剤と水とを混合しスラリーとし、次にこのスラリーをプレスにより脱水成型して成型体を製造し、更に該成型体をオートクレーブ養生および乾燥してなる、耐凍害性および加工性に優れた珪酸カルシウム系成型体からなる外装板が提案されている(特許文献1参照。)。この外装板は、軽量で加工性と耐凍害性を満足すると推定されるが、使用されるケイ藻土と珪酸質中空体は原料単価が高く、これらを多く使用すると原料コストが高くなり、経済的に工場採算性が取れなくなる。それゆえ、特殊な用途である化粧部材等で市販されており、一般の内外装材としては流通していないのが現実である。
【0004】
そしてこのような建築材料の中で、特に窯業系外壁材(サイディング)の製品嵩比重は現在0.95から1.10の範囲にあり、外壁材として用いられる板1枚の重量は25〜60Kgにもなるので、壁材の施工にあたってはいわゆる重量物の取り扱いとなり、施工には2名以上の共同作業者が必要となる。このことから軽量化の要望が強く出されているにもかかわらず、性能面から嵩比重0.9以下のサイディングは未だ市販されていない。
【0005】
そこで、本発明者らは種々の原料で検討した結果、珪藻土とフライアッシュバルーンを新たに配合した組成物を用いることによって、窯業系の建築材料としての基本性能を満足していて、かつ嵩比重が0.9以下と軽量なサイディングの生産が可能であることを見いだした。
【0006】
【特許文献1】
特許第2611886号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2001−206762号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、強度特性等基本特性の点では十分なレベルの性能を示し、かつ、汎用的使用が十分可能なコストで生産可能な軽量性および耐凍害性に優れていることは勿論、加工性と不燃性にも優れた無機質成型体とその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らのサイディングに関する検討によれば、軽量化はパーライトを増量することによって達成できたが、強度特性と耐凍害性は満足できなかった。そこで、珪藻土やフライアッシュバルーンを配合することなど、更に組成の検討を行ない、前記課題を解決できることを見出し本発明に到達した。
【0010】
本発明の軽量で耐凍害性に優れた無機質成型体は、20〜35重量%のポルトランドセメント、10〜80重量の珪酸質材料、0〜15重量%のパーライト、2〜10重量%のマイカ、2〜10重量%のワラストナイトと3〜8重量%の繊維材料を含む無機質成型体である。
【0011】
また、本発明の軽量で耐凍害性に優れた無機質成型体は、20〜35重量%のセメント、10〜80重量の珪酸質材料、0〜15重量%のパーライト、2〜10重量%のマイカ、2〜10重量%のワラストナイト、3〜8重量%の繊維材料と適量の撥水剤と水とを混合して原料スラリーとし、次にこの原料スラリーを脱水成型して成型体を製造し、さらに該成型体を養生および乾燥することことによって製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の軽量で耐凍害性に優れた無機質成型体は、基本的に下記の組成成分で構成される。
【0013】
(a) 20〜35重量%のセメント、
(b) 10〜80重量%の珪酸質材料、
(c) 0〜15重量%のパーライト、
(d) 2〜10重量%のマイカ、
(e) 2〜10重量%のワラストナイト、
(f) 3〜8重量%の繊維材料。
【0014】
本発明の無機質成型体では、セメントの使用量を20〜35重量%の範囲とする。セメントの使用量が20重量%より少ないと、製品の曲げ強度や凍害性が低下する。一方、セメント量が35重量%より多いと、製品の嵩比重が大きくなり、さらに釘打ちやカット性等の低下につながる。セメントの好ましい使用量は、25〜30重量%である。
【0015】
本発明で使用することができるセメントとしては、ポルトランドセメントが最も好ましく、JISR5210に規定されている普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩あるいは低熱等のポルトランドセメントを挙げることができるが、普通ポルトランドセメントの使用で十分である。
【0016】
また、本発明では、他のセメントとしてJISR5211に規定されている高炉セメント、JISR5212に規定されているシリカセメントおよびJISR5213に規定されているフライアッシュセメント等も使用可能である。
【0017】
本発明の無機質成型体においては、10〜80重量%の珪酸質原料を使用する。本発明で用いられる珪酸質原料としては、フライアッシュと珪酸質中空体と珪藻土等が挙げられる。
【0018】
ここで、珪酸質原料として用いられるフライアッシュは、石炭火力発電所で排出される石炭の焼成灰を集塵したものであり、JISA6201で規定されている。フライアッシュには、I種、II種6およびIII種の3種類があり、いずれも使用可能である。さらに分級した比表面積の大きい高グレードのフライアッシュも使用可能である。
【0019】
フライアッシュの使用量は、好ましくは0〜25重量%である。フライアッシュの使用量が少ないと比重が高くなり、また、使用量が多くなると他の原料配合を圧迫することとなる。フライアッシュのより好ましい使用量は8〜15重量%である。
【0020】
また、本発明で珪酸質原料として用いられる珪酸質中空体としては、フライアッシュバルーン、シラスバルーン、マールライトおよびセラミックバルーン等が挙げられる。これらは単独あるいは混合して使用することができる。珪酸質中空体は、軽量化と耐凍害性向上の役割を担い、成型時のプレス圧力に耐え得るものであることが好ましい。珪酸質中空体は高温で焼成したものであり、外殻があり中が中空である。この外殻は厚く、また水を吸着せず、外圧(プレス圧)にも耐えれる程の剛性を持っている。また、嵩比重も0.05〜0.3程度で小さく軽量化に寄与するものである。
【0021】
この珪酸質中空体は吸水率が非常に小さい(0%)ことから、耐凍害性の向上に寄与している。フライアッシュバルーンは、フライアッシュを加熱発泡させて製造された珪酸カルシウムよりなる中空球状粒子であり、各種粒径のものが市販されており、これらを使用することができる。
【0022】
シラスバルーンは、シラスを加熱発泡させて製造された珪酸カルシウムを主成分としてなる中空球状粒子である。また、マールライトは、福島県福島市飯坂に産出する火山性細粒ガラス質凝灰岩を高温で加熱発泡させて製造される中空球状粒子である。セラミックバルーンは、各種市販されており、太平洋セメント(株)のアサノスーパーライトやイースファイアーズ(いずれも商品名)などが使用可能である。
【0023】
本発明では、珪酸質中空体として、JISA5007で規定されているパーライトLを使用することができる。パーライトLは、外殻が厚い中空状で嵩比重が0.25〜0.5と小さく、吸水率も低いので、珪酸質中空体として使用可能である。
【0024】
本発明で用いられる珪酸質中空体の使用量は、好ましくは5〜25重量%である。珪酸質中空体の使用量が少なすぎると、耐凍害性の低下となり、また、多すぎると、コストアップとなる。珪酸質中空体の好ましい使用量は、8〜20重量%である。
【0025】
本発明で用いられる珪藻土としては、国産、アメリカ産および中国産他全てのものが使用可能である。通常、珪藻土の嵩比重は0.2〜0.5である。珪藻土の焼成品も使用可能であるがやや反応性に乏しい。
【0026】
本発明で用いられる珪藻土の好ましい使用量は5〜30重量%である。珪藻土の使用量が5重量%より少ないと、曲げ強度の低下となり、また、30重量%を超えると、プレス成型時の脱水成型性が低下する傾向を示す。珪藻土のより好ましい使用量は、10〜25重量%である。
【0027】
本発明の無機質成型体では、パーライトを添加することができる。パーライトとしては、JISA5007で規定されているパーライトFやパーライトSが挙げられる。パーライトFの嵩比重は0.02〜0.10、パーライトSの嵩比重は0.1〜0.25である。これらは、JISA5007で規定されている一般的によく使用される軽量骨材で、発砲時に外殻が破れ易く、また水も入り易く、外殻は薄くて脆い部分が多のでプレス圧で破壊するものが多い。本発明では、パーライトFが軽量であり特に好ましく用いられる。
【0028】
パーライトの好ましい添加量は0〜15重量%である。パーライトは、製品の軽量化とスラリー脱水成型工程におけるろ過助剤の役目をするが、添加量が少なくてもフライアッシュバルーンがろ過助剤の役目をする。一方、パーライトの添加量が多すぎると、材料分離を生じ易くなり、スラリー上面にパーライトが浮き、そのままプレス成型すると製品表面の美観が損なわれるだけでなく、所定の比重、強度を持つ製品が得られなくなる。さらに、プレス成型時に圧力によるパーライトの破損が生じ、所定の比重を得られないだけでなく、耐凍害性能を阻害する傾向を示す。パーライトのより好ましい添加量は0〜10重量%である。
【0029】
本発明で用いられるマイカは、寸法安定性および耐火性能を付与する役割を持ち、その添加量は2〜10重量%である。マイカの添加量が少なすぎると寸法安定性および耐火性能を満足し難い。また、マイカの添加量は多いほど寸法安定性と耐火性能に効果はあるが、原料配合の割合から5重量%までとすることが好ましい。
【0030】
本発明で用いられるワラストナイトは、耐火性能および補強性能を付与する役割を持ち、その添加量は2〜10重量%である。添加量が少ないと耐火性能を満足し難い。また、ワラストナイトの添加量は多いほど耐火性能と補強性能に効果があるが、原料配合の割合から5重量%までとすることが好ましい。
【0031】
本発明の無機質成型体では、製品の強度向上と軽量化を図るため繊維材料を添加する。繊維材料の添加量は3〜8重量%であり、好ましい添加量は4〜7重量%である。好適な繊維材料としては、例えば、パルプと有機質繊維が挙げられる。
【0032】
パルプは、あらゆる種類のパルプが使用可能であり、中でもNUKP(針葉樹の未さらしクラフトパルプ)、麻パルプおよびサイザルパルプの使用が好ましい。さらにパルプとして回収故紙の使用も可能である。パルプの好ましい添加量は3〜8重量%である。パルプの添加量が少ないと曲げ強度が低くなり、さらに釘の引き抜き抵抗性や鋸引き等の加工性が低下する傾向を示す。またパルプの添加量が多すぎると、製品の不燃性が損なわれることおよび吸水による寸法の安定性が低下する傾向を示す。パルプのより好ましい使用量は、4〜7重量%である。
【0033】
パルプは繊維長が長いほど補強性能に優れており、できれば平均繊維長1.4mm以上のパルプの使用が好ましいが、1.4mm以下の繊維長のパルプも混合して使用される。繊維長の上限は通常2.5mm程度である。
【0034】
また有機質繊維は、市販されている通常の繊維を使用することができるが、アルカリ雰囲気下でのオートクレーブ養生に耐える有機質繊維が好ましい。特に、ポリプロピレン繊維またはアクリル系繊維が好ましく用いられる。有機質繊維の添加量は、好ましくは0.1〜1.0重量%である。添加量が少なすぎると分散性と補強性について十分な添加効果が得られず、多すぎると、製品の不燃性の低下を招くことがある。有機質繊維のより好ましい使用量は、0.2〜0.8重量%である。また、有機質繊維の繊維長は、好ましくは3〜15mm、より好ましくは6〜10mmであり、分散性と補強効果に寄与する。
【0035】
本発明の無機質成型体においては、上述した成分原料に加えて、適量の撥水剤を使用することができる。撥水剤としては、高級脂肪酸エステル系、ワックス系、シリコーンオイル系等の撥水剤が使用でき、アルカリ雰囲気下でオートクレーブ養生に耐える撥水剤が好ましく、例えば、高級脂肪酸エステル系の撥水剤としては、近代化学工業(株)製商品名ペルトールCS−104、竹本油脂(株)製商品名TKC−101D、中京油脂(株)商品名セロゾールJ160、ワックス系の撥水剤としてはアデカファインケミカル(株)商品名EX−105、また、シリコン系の撥水剤としては東レダウコーニングシリコーン(株)製商品名BY16−846などが市販されている。無機質成型体はその製造過程において、最高180℃の温度で高アルカリ(PH12以上)の雰囲気下でオートクレーブ養生されるので、撥水剤はこの条件に耐えられるものが使用される。
【0036】
撥水剤の好ましい添加量は、原料の固形分重量に対して0.05〜0.5重量%が好ましい。添加量が少なすぎると撥水性の効果が小さくなり、多すぎると耐凍害性の低下を生ずることがある。撥水剤のより好ましい添加量は、0.1〜0.3重量%であり、更に好ましくは0.1〜0.2重量%である。
【0037】
また、本発明の無機質成型体の製造においては、上述した成分原料に加えて、適量の水を使用する。水の使用量は、通常使用される量であり、原料の固形分重量に対して200〜300重量%が好ましい。添加量が少なすぎると原料の分散性の効果が小さくなり、多すぎると脱水成型性が低下することがある。本発明で好ましく用いられる水としては、PH10以上のアルカリ水が挙げられる。
【0038】
次に、本発明の無機質成型体の製造方法について例示説明する。本発明の無機質成型体の製造方法は、これに限定されない。
【0039】
本発明では、20〜35重量%のポルトランドセメント、0〜25%重量のフライアッシュ、5〜25重量%の珪酸質中空体、5〜30重量%の珪藻土、0〜15重量%のパーライト、2〜10重量%のマイカ、2〜10重量%のワラストナイト、4〜7重量%のパルプ、0.1〜1.0重量%の有機質繊維と適量の撥水剤と水とを混合して原料スラリーとし、次にこの原料スラリーをプレスにより脱水成型して成型体を製造し、さらに該成型体を養生および乾燥することにより、軽量で耐凍害性に優れた無機質成型体を製造することができる。
【0040】
具体的には、まず、繊維材料(パルプと有機質繊維)と水とを混合して、パルプ濃度が約5%程度の繊維材料スラリーを予め調整する。この繊維材料スラリーを混合槽に移し、所定量のポルトランドセメント、珪藻土、フライアッシュ、フライアッシュバルーン、パーライト、マイカ、ワラストナイトおよび撥水剤を加える。これを3〜5分間混合撹拌して原料スラリーを製造する。次に、得られた原料スラリーを型枠に流し込み、20〜200秒間予備脱水してからプレス成型機に移し、成型圧力20〜50Kg/cm2で30〜200秒間プレス成形して成型体(板)を製造する。
【0041】
この成型体をプレス成型機から取り出し、60℃、98%RHで6〜20時間1次養生を行なった後、オートクレーブ養生缶に移す。温度150〜180℃、圧力0.38〜0.92MPaの条件で、4〜10時間の温度保持を行い、オートクレーブ養生を実施する。さらに、100〜120℃で1時間以上の含水率調整を行い、含水率5〜15%の無機質成型成型体を得る。このようにして厚さ10〜100mm、嵩比重0.7〜0.9の軽量で耐凍害性に優れた無機質成型体を製造することができる。
【0042】
成型体の養生方法には、自然養生、蒸気養生、オートクレーブ養生および水中養生があり、一般に工業的に使用されるのは蒸気養生とオートクレーブ養生である。本発明の養生にはいずれの方法も適用できるが、上記のように1次養生後にオートクレーブ養生を行うことが好ましい。その目的は、成型後すぐに成型体をオートクレーブ養生の高温、高圧下にさらすと、成型体がまだ柔らかいために高温水の流速で板の変形や空隙欠陥、亀裂、爆裂などが生じて、均一な板を得ることができないので、成型後にまず1次養生を行い、ある程度の水和反応を進行させて板の形状を安定化させるのである。
【0043】
また、オートクレーブ養生により、安定な針状結晶であるトバモライト結晶を生成させることができる。このトバモライト結晶を多く生成することにより、無機質板の曲げ強度と寸法安定性を向上させることができる。
【0044】
本発明の無機質成型体は、好適には板状で、外装材、内装材、耐火材、防音材、断熱材、防水材および調湿材等に好ましく適用される。
【0045】
次に、本発明の無機質成型体とその製造方法を実施例により説明する。
【0046】
【実施例】
本発明において、無機質成型体の機械的特性は、それぞれ次のJIS法に準じて測定した。
嵩比重 :JIS A 5430
曲げ強度:JIS A 1408
凍結融解試験:JIS A 5422
難燃性試験:JIS A 1321
吸水による長さ変化試験:JIS A 5430
(実施例1〜5、比較例1〜2)
表1に示した組成成分に従い、次のとおり実施した。水11300リットルに、パルプ(米国製針葉樹の未さらしクラフトパルプ、商品名:サモアパルプ)486Kgとポリプロピレン繊維(ダイワボウ社製、6mm長)11Kgを加え、約4.2%の濃度のパルプスラリーを調整した。該パルプスラリ−2640リットルを混合槽に移し、さらに水3180Kg、ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製普通ポルトランドセメント)448Kg、フライアッシュ(四電産業(株)製フライアッシュII種)269Kg、珪藻土(秋田産)179Kg、フライアッシュバルーン(東京興業貿易商会:商品名Tビーズ)215Kg、パーライトF(三井金属工業(株)製商品名パーライト加工4号12179Kg、マイカ(中国産)45Kg、ワラストナイト(中国産)45Kg、リサイクル材(セメント、パルプ、マイカ他の組成で成型した生産時の不良屑を粉砕したもの)301Kg、撥水剤(東レダウコーニングシリコーン社製商品名BY16−846)18Kgを加えた後、20分間混合撹拌して原料スラリ−を調整した。得られた原料スラリー250Kgを型枠に流し込み、30秒間予備脱水後、3000トンプレス成型機に移し、成型圧力40Kg/cm2で35秒間プレスして成型体を得た。成型機から取り出された成型体を60℃で9時間1次養生した後、165℃(圧力0.6MPa)の条件下でオートクレーブ養生を行った。更に、120℃で1時間乾燥して、1100×3100×20mmの成型体を得た。測定結果を表1(実施例1〜5)と表2(比較例1〜2)に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
実施例1〜5においては、嵩比重0.9以下で高強度の製品が得られる。また、難燃性試験で合格となり、吸水長さ変化率を満足する。これに対し、ワラストナイトを用いていない比較例1では、難燃性試験の表面クラックが多く不合格である。また、マイカを用いていない比較例2では、吸水長さ変化率が大きく満足しない。
【0050】
(実施例6〜9)
上記実施例3において、撥水剤の種類と添加量を表3のとおり変えたこと以外は、実施例3と同様に実施して、成型体を得た。測定結果を表3に示す。なお、使用した撥水剤は次のとおりである。
・シリコン系とは:東レダウこーにング社製商品名BY16−846
・高級脂肪酸エステル系とは:近代化学工業社製商品名ペルトールCS−104
【0051】
【表3】
【0052】
表3に示すように、耐凍害性の評価として凍結融解試験を実施した。実施例6〜9の成型体においては、厚み増加率が非常に小さく、凍結融解性能を満足しており、耐凍害性の向上が認められる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、嵩比重が0.9以下の製品で軽量であることに加えて、十分な機械特性を持ち、耐凍害性が大幅に向上されていることは勿論のこと、加工性、軽量性、不燃性にも優れた無機質成型体(板)が得られる。すなわち、本発明の無機質成型体は本発明の課題を解消できる建築物内外装板の提供を可能にした。
【0054】
また、本発明の無機質成型体は、従来の製造工程で発生していた脱水成型不良等の問題を惹起することなく、安定した品質の成型体として製造することができる。
Claims (8)
- 20〜35重量%のセメント、10〜80重量の珪酸質材料、0〜15重量%のパーライト、2〜10重量%のマイカ、2〜10重量%のワラストナイトと3〜8重量%の繊維材料を含むことを特徴とする軽量で耐凍害性に優れた無機質成型体。
- 珪酸質材料が、0〜25%重量のフライアッシュ、5〜25重量%の珪酸質中空体および5〜30重量%の珪藻土からなる請求項1記載の軽量で耐凍害性に優れた無機質成型体。
- 珪酸質中空体が、フライアッシュバルーン、フライアッシュビーズ、シラスバルーンまたはマールライトからなる請求項2記載の軽量で耐凍害性に優れた無機質成型体。
- 繊維材料が4〜7重量%のパルプと0.1〜1.0重量%の有機質繊維からなる請求項1〜3のいずれかに記載の軽量で耐凍害性に優れた無機質成型体。
- 撥水剤を0.05〜0.5重量%含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の軽量で耐凍害性に優れた無機質成型体。
- 撥水剤が、高級脂肪酸エステルまたは/およびシリコーン系撥水剤からなる請求項5記載の軽量で耐凍害性に優れた無機質成型体。
- 無機質板の嵩比重が0.9以下である請求項1〜6のいずれかに記載の軽量で耐凍害性に優れた無機質成型体。
- 20〜35重量%のセメント、10〜80重量の珪酸質材料、0〜15重量%のパーライト、2〜10重量%のマイカ、2〜10重量%のワラストナイト、3〜8重量%の繊維材料と適量の撥水剤と水とを混合して原料スラリーとし、次にこの原料スラリーを脱水成型して成型体を製造し、さらに該成型体を養生および乾燥することを特徴とする軽量で耐凍害性に優れた無機質成型体の製造方法。
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