JP2004196616A - グラスウール廃材処理装置及びグラスウール廃材処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】処理装置2は、第1加熱室11と、第1加熱室11に並設された第2加熱室12とを備えた溶解炉10を有している。第1加熱室11と第2加熱室12は連通しており、第1加熱室11での処理によって溶解したグラスウール廃材6が第1加熱室11から第2加熱室12に流入するようになっている。第1加熱室11内の上部付近には、輻射熱を発生してグラスウール廃材6を加熱する輻射加熱部15が備えられている。また、第1加熱室11の上部には、第1加熱室11内に発生したガスを排出する排気口16が形成されている。第2加熱室12は、第1加熱室11と同様に、輻射加熱部17と排気口18とを備えている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラスウール製造工場等で発生するグラスウール廃材からガラスを得るグラスウール廃材処理装置及びグラスウール廃材処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、グラスウール製造工場等で発生するグラスウール廃材からガラスを得る装置としては、例えば、有機物で被覆されたガラス繊維の廃材を支燃性搬送ガス中に分散させた状態で燃焼火炎中に供給し、有機物を燃焼させるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、有機バインダーが付着したガラス繊維屑を原料室とノズル室とからなる溶融炉の原料室に投入し、このガラス繊維屑に圧縮空気を供給すると共に、ガスバーナーで原料室をガラス軟化点以下に加熱して有機バインダーを燃焼した後、ノズル室で溶融ガラスを完全溶融させるものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
更に、グラスウール屑をガラス歪点またはその付近の温度に加熱してガラスに付着する有機物の大部分を燃焼除去させるものが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−351633号公報
【特許文献2】
特開平8−217464号公報
【特許文献3】
特開2001−293456号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の装置はいずれも、酸素を含む雰囲気中でグラスウール廃材をバーナーによって燃焼させることでグラスウール廃材に付着した有機物を除去させている。このような方法においては、有機物の熱分解により発生した熱分解ガスが酸素と反応して燃焼ガスとなる。その際、酸素不足によってグラスウール廃材内部の有機物が不完全燃焼する虞がある。不完全燃焼が起こると有機物が十分に除去されず、いわゆるカーボン残渣が発生する。このカーボン残渣が溶融ガラスに取り込まれると、ガラスに泡が発生してしまう。すなわち、カーボン残渣が、ガラス中の酸素と反応することによりCO2ガスの泡が発生する。また、この反応によってガラスが還元されるので、ガラス中の硫酸塩の溶解度が低下し、硫酸塩がSO2ガスの泡となって放出される。
【0007】
このような還元性の泡を含むガラスをガラス原料として再利用した場合、ガラスを溶解させる輻射熱が泡で遮断されるので溶解効率が極めて悪い。また、仮に泡を含まないガラスを生成できたとしても、このガラスは還元性を有しているため、本来のガラス原料に混合して溶解した場合、本来のガラス原料が還元されてしまいSO2ガスが発生するという問題がある。更に、上記従来の方法では、グラスウール廃材の粉砕や加熱温度の調整などを行う必要があるため処理工程が煩雑となる。
【0008】
本発明の目的は、グラスウール廃材に付着した有機物を除去し、泡の少ないガラスを容易に得ることができるグラスウール廃材処理装置及びグラスウール廃材処理方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、グラスウール廃材からガラスを得るグラスウール廃材処理装置であって、投入されたグラスウール廃材を加熱して溶解する第1加熱室と、第1加熱室に並設され第1加熱室から流入したグラスウール廃材を更に加熱する第2加熱室と、第1及び第2加熱室内のガス排出用の排気口とを有する溶解炉を備え、第1及び第2加熱室は、輻射熱を発生してグラスウール廃材を加熱する輻射加熱部を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
このようなグラスウール廃材処理装置によれば、第1加熱室に投入されたグラスウール廃材の塊は、輻射加熱部が発生する輻射熱によって加熱され溶解すると共に、外側付近に付着した有機物が熱分解ガス化される。その後、溶解状態となったグラスウール廃材は第2加熱室に流入し、輻射熱によって更に加熱される。
【0011】
グラスウール廃材は第2加熱室に向けて流動する際に攪拌されるため、グラスウール廃材の塊の内部に存在し完全に除去しきれなかった有機物がグラスウール廃材の塊の外側付近に現れることとなり、熱分解ガス化される。また、その流動により、熱分解ガスや空気が取り込まれて発生した泡が除去される。その後、熱分解ガスは、グラスウール廃材に溶け込むことなく排気口を通って溶解炉外に排出されるため、グラスウール廃材から有機物がほぼ完全に除去される。
【0012】
また、加熱を輻射熱によって行うため、火炎による加熱と異なり溶解炉内に酸素を供給することはない。従って、グラスウール廃材の塊の内部に存する有機物が不完全燃焼を起こすことはなく、得られるガラスへの泡の発生を抑止することができる。尚、加熱前の溶解炉内には酸素が存在しているが、この酸素はグラスウール廃材の塊の表面付近に付着した有機物の完全燃焼に全て費やされるため、やがて溶解炉内は酸素のない雰囲気となる。
【0013】
輻射加熱部は、電気加熱によって輻射熱を発生するのが好ましい。これにより、燃料燃焼加熱に比べて排出ガスを大幅に少なくすることができ、環境に対する影響を低減させることができる。
【0014】
また、第2加熱室の底部には、溶解ガラス排出用の排出口が設けられているのが好ましい。これにより、溶解ガラスを自重によって流下させるだけで容易に第2加熱室から排出させることができる。
【0015】
この場合、第2加熱室の下方には、排出口から排出された溶解ガラスを冷却するための水槽が設置されているのが好ましい。これにより、第2加熱室から流下した溶解ガラスを急冷させて水砕ガラスを得ることができる。
【0016】
本発明のグラスウール廃材処理方法は、上記いずれかのグラスウール廃材処理装置を用い、グラスウール廃材を第1加熱室に投入し、輻射加熱部によって発生させた輻射熱でグラスウール廃材を加熱し、第1加熱室から第2加熱室へと流入した溶解状態のグラスウール廃材を輻射熱によって更に加熱した後、第2加熱室から取り出して冷却することを特徴とするものである。
【0017】
このようなグラスウール廃材処理方法によれば、上記いずれかのグラスウール廃材処理装置を用いることにより、第1加熱室に投入したグラスウール廃材を輻射加熱部によって輻射熱を発生させて加熱するだけの簡単な処理によって、グラスウール廃材に付着した有機物を除去することができると共に、泡の少ないガラスを得ることができる。
【0018】
また、グラスウール廃材を第1加熱室に投入する前に濡らすのが好ましい。これにより、グラスウール廃材の体積を小さくできるため、1回の処理量を増やすことができる。更に、グラスウール廃材が溶融段階で水蒸気酸化され、より泡の少ないガラスを得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
【0020】
図1は、本実施形態に係るグラスウール廃材処理装置を備えた処理設備の一例を示す概略図である。本実施形態の処理設備1は、グラスウール廃材処理装置(以下、処理装置という。)2、制御部3、プレス装置4、排気装置5などを備えている。
【0021】
制御部3は、処理装置2の稼働の開始や停止、処理温度の設定などを行うものである。
【0022】
プレス装置4は、加圧することによって、水分やバインダー等を含有して濡れた状態のグラスウール廃材6から任意量のバインダーを搾り出して回収するものである。これにより、グラスウール廃材6の体積を小さくできるため、1回の処理量を増やすことができる。また、回収したバインダーは、グラスウール用として再利用することができる。
【0023】
このような処理設備1によるグラスウール廃材6の処理の概要は、まず、グラスウール廃材6を搭載した投入機7を図1の点線で示すように処理装置2内に挿入させグラスウール廃材6を処理装置2内へ投入する。そして、制御部3によって処理装置2を制御しグラスウール廃材6の処理を行う。その後、処理装置2での処理によって溶解ガラスとなったグラスウール廃材6を水槽8に流下させて冷却する。
【0024】
次に、図1に示す処理装置2について説明する。
【0025】
図2は、本実施形態に係る処理装置を示す断面図であり、図3は、図2に示す処理装置に備えられた第1加熱室のIII−III線断面図であり、図4は、図2に示す処理装置に備えられた第2加熱室のIV−IV線断面図である。
【0026】
処理装置2は、溶解炉10を有している。この溶解炉10は、第1加熱室11と、第1加熱室11に並設された第2加熱室12とを備えている。第1加熱室11と第2加熱室12は連通しており、第1加熱室11での処理によって溶解したグラスウール廃材6が第1加熱室11から第2加熱室12に流入するようになっている。
【0027】
第1加熱室11は、側壁にグラスウール廃材6が投入される開口部13が形成されている。開口部13の形成位置は側壁に限られず、上壁(天井部)に形成してもよい。この開口部13は、処理装置2が稼働中の場合、溶解炉10の外壁に取り付けられた開閉扉14によって封止される。
【0028】
第1加熱室11内の上部付近には、輻射熱を発生してグラスウール廃材6を加熱する輻射加熱部15が備えられている。この輻射加熱部15は、対向する側壁に両端を支持された棒状の発熱体15aが複数連なって構成されている。このような輻射加熱部15は、電気加熱によって輻射熱を発生させるものであるのが望ましい。例えば、発熱体15aは、中空の金属円筒の内側に炭化珪素やケイ化モリブデンなどからなる抵抗発熱体を挿入して構成される。このように、電気加熱によって輻射熱を発生させることで、燃料燃焼加熱に比べて排出ガスを抑えることができ、環境への悪影響を低減できる。
【0029】
また、第1加熱室11の上部には、第1加熱室11内に発生したガスを排出する排気口16が形成されている。
【0030】
第2加熱室12は、第1加熱室11と同様に、複数の発熱体17aからなる輻射加熱部17と排気口18とを備えている。また、第2加熱室12の底部には、溶解ガラス排出用の排出口19が形成されている。このように、排出口19を底部に形成することで、溶解ガラスを自重によって流下させることができるため、排出を容易にすることができる。
【0031】
以上のような処理装置2によってグラスウール廃材6からガラスを得る場合は、まず、グラスウール廃材6の塊を第1加熱室11に投入し輻射加熱部15で発生させた輻射熱によって加熱する。グラスウール廃材6の塊は、加熱によって溶解すると共に、外側付近の有機物が熱分解ガス化される。熱分解ガスなどのガスは排気口16から溶解炉10の外に排出される。
【0032】
その後、溶解状態となったグラスウール廃材6は、第2加熱室12に流入する。そして、第2加熱室12に流入したグラスウール廃材6を輻射加熱部17で発生させた輻射熱によって再び加熱する。
【0033】
グラスウール廃材6は第2加熱室12に向けて流動する際に攪拌されるため、グラスウール廃材6の塊の内部に存在し完全に除去しきれなかった有機物がグラスウール廃材6の塊の外側付近に現れることとなり熱分解ガス化される。また、その流動により、熱分解ガスや空気が取り込まれて発生した泡20が除去される。第2加熱室12で発生した熱分解ガスなどのガスは、排気口18から溶解炉10の外へと排出される。第2加熱室12で加熱処理されたグラスウール廃材6は溶解ガラスとなる。
【0034】
そして、溶解ガラスを第2加熱室12の排出口19から排出し、処理装置2の下方に設置された水槽8に投入して冷却する。水槽8に流下した溶融ガラスは、急冷されて水砕ガラスとなり、ガラス原料として再利用することができる。
【0035】
第1加熱室11及び第2加熱室12において発生した熱分解ガスは、溶解状態となったグラスウール廃材6に溶け込むことなく排気口16,18を通って溶解炉10外に排出される。これにより、グラスウール廃材6は、有機物がほぼ完全に除去される。尚、排気口16,18から排出された熱分解ガスは可燃性ガスであるため、燃料用として再利用することができる。
【0036】
このように、グラスウール廃材6の加熱を輻射熱によって行うことにより、溶解炉10内に酸素を供給することはない。このため、グラスウール廃材6の塊の内部に存する有機物が不完全燃焼を起こすことはなく、得られるガラスへの泡の発生を抑止することができる。また、燃焼のための空間が必要ないため、第1加熱室11内空間のほぼ全体にグラスウール廃材6を投入して処理することができる。従って、高い処理効率を得ることができる。
【0037】
尚、グラスウール廃材6が比較的乾燥している場合は、第1加熱室11に投入する前にグラスウール廃材6を濡らすのが望ましい。濡れたグラスウール廃材6は、加熱すると乾燥したグラスウール廃材6よりも溶解炉10内の水蒸気分圧が高くなる。従って、グラスウール廃材6が溶融段階で水蒸気酸化され、より泡の少ないガラスを得ることができる。
【0038】
以上のように、本実施形態に係る処理装置2では、溶解炉10内に投入したグラスウール廃材6を輻射加熱部15,17によって輻射熱を発生させて加熱するだけで、グラスウール廃材6に付着した有機物を除去することができると共に、泡の少ないガラスを得ることができる。このため、処理が非常に簡単となる。
【0039】
また、グラスウール廃材6は、粉砕、裁断等の前処理が不要であり、グラスウール廃材6に付着している有機物の量にも関係無く処理出来る。例えば、不織布、ポリエチレンシート、クラフト紙、タイベック等の有機製外被材や、ガラスクロス化粧材のようなガラス製外被材で覆われている場合であっても、その外被材を剥がすことなくそのままの形態で処理することができる。従って、その分の作業時間が短縮されるため、処理効率が良い。
【0040】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、排気口を第1加熱室11及び第2加熱室12の両方に設けているが、いずれか一方に設けてあってもよく、溶解炉10に少なくとも一つ設けてあればよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、グラスウール廃材を2つの加熱室において輻射加熱するようにしたので、グラスウール廃材に付着した有機物を除去することができると共に、泡の少ないガラスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るグラスウール廃材処理装置を備えた処理設備の一例を示す概略図である。
【図2】図1に示す実施形態の処理装置を示す断面図である。
【図3】図2に示す処理装置に備えられた第1加熱室のIII−III線断面図である。
【図4】図2に示す処理装置に備えられた第2加熱室のIV−IV線断面図である。
【符号の説明】
1…処理設備、2… 処理装置(グラスウール廃材処理装置)、6…グラスウール廃材、8…水槽、10…溶解炉、11…第1加熱室、12…第2加熱室、15…輻射加熱部、15a…発熱体(輻射加熱部)、16,18…排気口、17…輻射加熱部、17a…発熱体(輻射加熱部)、19…排出口。
Claims (6)
- グラスウール廃材からガラスを得るグラスウール廃材処理装置であって、
投入された前記グラスウール廃材を加熱して溶解する第1加熱室と、前記第1加熱室に並設され前記第1加熱室から流入した前記グラスウール廃材を更に加熱する第2加熱室と、前記第1及び第2加熱室内のガス排出用の排気口とを有する溶解炉を備え、
前記第1及び第2加熱室は、輻射熱を発生して前記グラスウール廃材を加熱する輻射加熱部を備えていることを特徴とするグラスウール廃材処理装置。 - 前記輻射加熱部は、電気加熱によって前記輻射熱を発生することを特徴とする請求項1記載のグラスウール廃材処理装置。
- 前記第2加熱室の底部には、溶解ガラス排出用の排出口が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のグラスウール廃材処理装置。
- 前記第2加熱室の下方には、前記排出口から排出された前記溶解ガラスを冷却するための水槽が設置されていることを特徴とする請求項3記載のグラスウール廃材処理装置。
- 請求項1〜4いずれか一項記載のグラスウール廃材処理装置を用い、前記グラスウール廃材を前記第1加熱室に投入し、前記輻射加熱部によって発生させた輻射熱で前記グラスウール廃材を加熱し、前記第1加熱室から前記第2加熱室へと流入した溶解状態の前記グラスウール廃材を輻射熱によって更に加熱した後、前記第2加熱室から取り出して冷却することを特徴とするグラスウール廃材処理方法。
- 前記グラスウール廃材を前記第1加熱室に投入する前に濡らすことを特徴とする請求項5記載のグラスウール廃材処理方法。
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| JP2002368758A JP4002175B2 (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | グラスウール廃材処理装置及びグラスウール廃材処理方法 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102617014A (zh) * | 2012-04-01 | 2012-08-01 | 洛阳洛玻玻璃纤维有限公司 | 一种玻璃纤维微粉的拉丝生产工艺及拉丝炉 |
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2002
- 2002-12-19 JP JP2002368758A patent/JP4002175B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| CN102617014A (zh) * | 2012-04-01 | 2012-08-01 | 洛阳洛玻玻璃纤维有限公司 | 一种玻璃纤维微粉的拉丝生产工艺及拉丝炉 |
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