JP2004196617A - 水素製造方法および水素製造装置 - Google Patents

水素製造方法および水素製造装置 Download PDF

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幸男 田中
Yoshimasa Fujimoto
芳正 藤本
Shinya Tachibana
晋也 立花
Kazuto Kobayashi
一登 小林
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Abstract

【課題】制御系が簡略化でき、さらにオンライン制御ができる水素製造方法および水素製造装置を提供すること。
【解決手段】炭化水素を含む原料ガス8を改質触媒37に接触させ、水蒸気改質反応を行わせて水素32を製造する方法において、化学平衡状態の組成が得られる速度で前記原料ガス8を改質触媒37に接触させ、製造された前記水素32の流量を計測する。そして、製造される水素32の量と、水素32が取り除かれた前記原料ガス8の燃焼に必要な空気21の流量との所定の関係に基づき、前記空気21の流量を決定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素製造に関し、さらに詳しくは、水素分離型改質器のオフガス燃焼を有する水素製造方法および水素製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素分離型改質器を用いた水素製造装置では、都市ガス等の炭化水素や水蒸気を含む原料ガスを、水蒸気改質反応とCOシフト反応によって主に水素と二酸化炭素に分解し、発生した水素を水素分離型改質器に内蔵された水素分離膜を通して選択的に分離するようにしている(例えば、特許文献1参照)。水素分離は該分離膜の透過側に不活性ガスや水蒸気を流すか、あるいは減圧にすることにより実施されている。前記水素分離膜として、例えばパラジウム合金からなるものが利用される。
【0003】
水素を取り除いた後のガスは冷却、気液分離し、CH4、CO、CO2及びH2(以下、オフガスという)は、燃料としてバーナーで燃焼させている。オフガスの量及び組成は反応条件に依存するため、これを安定的に燃焼させるためには適量な空気量を決定しなければならない(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
つまり、オフガスの量は、流量計、例えば、オリフィス流量計等で、組成は、分析計、例えば、赤外線ガス分析計やガスクロマトグラフ等で測定を行い、以下の式(1)〜(5)を基にバーナーを安定的に燃焼させる空気の流量を求めて、制御している。
H2+1/2O2→H2O ・・・(1)
CO+1/2O2→CO2 ・・・(2)
CH4+2O2→CO2+2H2O ・・・(3)
理論空気量=必要なO2量/0.21・・・(4)
空気比=バーナーを安定的に燃焼させる空気量/理論空気量・・・(5)
ここで、空気比はバーナーのカタログ等に記載されており既知である。また、オリフィス流量計等は設計したガスと組成が異なると補正を加える必要がある。
【0005】
【特許文献1】
特許第3035038号公報
【非特許文献1】
通商産業省環境立地局監修、公害防止の技術と法規編集委員会編、公害防止の技術と法規 大気編」、産業環境管理協会、1998年11月、p.80−82
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の空気流量の求め方は、下記の6段階の手順を踏まなければならず、シーケンスがかなり複雑化する。
▲1▼ 流量計でオフガスの仮流量を測定する。
▲2▼ 分析計でオフガスの組成を分析する。
▲3▼ 流量計の補正を行い、オフガスの流量を求める。
▲4▼ オフガスの流量と組成から、各成分の流量を求める。
▲5▼ オフガスを完全に燃焼させる空気量(理論空気量)を求める。
▲6▼ 式(4)より燃焼器に送る空気量を決定する。
【0007】
また、ガスクロマトグラフによる分析では、分析に約5分程度かかるため、分析値からのフィードバッグに時間を要し、オンライン制御ができない。そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、制御系が簡略化でき、さらにオンライン制御ができる水素製造方法および水素製造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明に係る水素製造方法は、炭化水素を含む原料ガスを改質触媒に接触させ、水蒸気改質反応を行わせて水素を製造する方法において、化学平衡状態の組成が得られる速度で前記原料ガスを改質触媒に接触させる工程と、製造された前記水素の流量を計測する工程と、製造される水素の量と、水素の取り除かれた前記原料ガスの燃焼に必要な空気の流量との所定の関係に基づき、前記空気の流量を決定する工程と、を有することを特徴とする。
【0009】
このように、化学平衡状態の組成が得られる速度で前記原料ガスを前記改質触媒に接触させると、水蒸気改質反応にて発生するガスの組成は、熱力学のデータより計算できる。製造された前記水素の流量を計測することにより、前記水素の流量と、水素の取り除かれた前記燃料ガスであるオフガスの燃焼に必要な理論空気量との所定の関係に基づいて、前記オフガスの燃焼に必要な理論空気量が算出できる。この算出された理論空気量の空気をオフガスが燃焼する燃焼器に供給し、前記オフガスを燃焼させる。
【0010】
したがって、オフガスの不完全燃焼を防止でき、一酸化炭素の排出を防ぐことができる。さらに、製造される水素の流量を計測することで、前記オフガスの燃焼に必要な理論空気量が決定できるので、制御系が簡略化できる。
【0011】
ここで、化学平衡状態とは、いわゆる化学平衡状態または化学平衡状態近く含む概念をいう(以下同様)。また、化学平衡状態の組成が得られる速度とするためには、前記原料ガスの供給量(Nm3/h)を前記改質触媒の量(m3)で割った値が、25000(h-1)以下とすることが好ましい。ここで、改質触媒の量とは、改質媒体が空間内に占める総体積をいう。
【0012】
また、ガスクロマトグラフのような分析計を必要とせず、前記オフガスの燃焼に必要な理論空気量のフィードバックが素早くできるので、オンライン制御が可能となる水素製造方法が提供できる。さらに、分析計は高価であるが、必要とされないので、製造コストを低くすることができる。
【0013】
また、この発明に係る水素製造方法は、運転条件が複数ある場合には、前記複数の運転条件に対応した複数の前記所定の関係に基づき、前記空気の流量を決定する工程を有することを特徴とする。ここで、運転条件とは、製造される水素の量を多くさせる、少なくさせる等の条件をいう。前記水素の流量と前記オフガスの燃焼に必要な理論空気量との複数の所定の関係に基づき、運転条件に応じて前記所定の関係を使い分けることにより、容易に複数の運転条件に対応することができる。
【0014】
また、この発明に係る水素製造装置は、炭化水素を含む原料ガスを改質触媒に接触させ、水蒸気改質反応を行わせて水素を製造する水素製造装置において、化学平衡状態の組成が得られる速度で前記原料ガスを改質触媒に接触させる原料ガス供給手段と、製造された前記水素の流量を計測する水素流量計測手段と、水素の取り除かれた前記原料ガスを燃焼するオフガス燃焼手段と、製造される水素の量と、前記燃焼手段に供給する空気の流量との所定の関係に基づき、前記空気の流量を増減する空気流量決定手段と、決定された前記空気の流量に従い、前記空気の流量を増減する空気流量調整手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
このような水素製造装置とすることで、ガスクロマトグラフのような分析計を用いる必要が無く、水素流量計測手段としての流量計を用いて、機器構成が簡略化できる。また、流量計は、分析計に比べコストが安いので、水素製造装置のコストを低減することができる。
【0016】
また、前記オフガスの燃焼に必要な前記空気の流量は、前記水素の流量との所定の関係に基づき、算出され、素早くフィードバックされるので、オンライン制御ができ、さらに、オフガスを完全燃焼することができるので、一酸化炭素の排出を防ぐことができ、環境に配慮したものとすることができる。また、オフガスを完全燃焼できるので、水蒸気改質反応に必要な熱の供給を効率が良くでき、水素製造装置としての熱効率の改善をすることができる。
【0017】
また、この発明に係る水素製造装置は、運転条件が複数ある場合には、前記複数の運転条件に対応した複数の前記所定の関係を、前記空気流決定手段に有することを特徴とする。このように、運転条件に応じて、前記水素の流量と前記オフガスの燃焼に必要な理論空気量との所定の関係を使い分けることにより、複数の運転条件に対して容易に対応することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0019】
(実施の形態1)
図を用いて、本発明の水素製造装置30を説明する。図1は、本発明に係る水素製造装置30の説明図であり、図1(a)は、水素製造装置の全体説明図であり、図1(b)は、改質触媒層に邪魔板を設けたときの一例を示す説明図である。図2は、空気量を決定するまでのフローチャートである。図3は、製造される水素の量と理論空気量との関係の一例を示す説明図である。
【0020】
都市ガス等の炭化水素からなる原料ガス8は、ガス中の硫黄分を脱硫器36で除去される。脱硫後の脱硫原料ガス9は、水素分離型改質器1の燃焼器7へ供給するガス10と、改質触媒37を入れられた改質触媒層3側へ供給するガス11とに分割された後、ガス11は水蒸気25と混合する。該混合ガス12を混合ガス予熱器18で反応温度まで加熱して高温反応ガス13とし、改質触媒層3へ導入する。改質触媒層3では下記式(6)〜(8)の反応によって原料ガス8が水素、一酸化炭素及び二酸化炭素に分解される。
CnHm+nH2O=nCO+(n+m/2)H2 ・・・(6)
CnHm+2nH2O=nCO2+(2n+m/2)H2・・・(7)
CnHm+nCO2=2nCO+m/2H2 ・・・(8)
【0021】
これら分解ガスのうち水素だけが、例えばパラジウム合金からなる水素分離膜4を通して透過部5に分離される。主に二酸化炭素からなるオフガス14は、冷却器15において冷却水35によって冷却された後、低温オフガス6となり、前記ガス10と混合後、ストリーム16として水素分離型改質器1の燃焼器7に導入され、燃焼用の燃料とされる。ここで、前記ガス10は、水素製造装置30の起動時に、燃焼器7の昇温のために用いられる。なお、水素製造装置30の動作開始後は、前記低温オフガス6の燃焼のみで温度を保つが、補助的に、前記ガス10を導入することがある。
【0022】
燃焼器7からの燃焼ガスは燃焼側2を通過し、水蒸気改質反応を行わせるために必要な熱を改質触媒層3へ供給した後、燃焼排ガス17として水素分離型改質器1から排出される。燃焼排ガス17は、まず混合ガス予熱器18で熱交換し、次に空気予熱器19で空気を加熱した後、ストリーム20となりベントから排出される。
【0023】
一般に、熱交換の順序は加熱されるガスの加熱後における温度レベルの順序によって決まり、より高温まで加熱されるストリームを初めに加熱した方が熱効率上有利となる。この装置では、原料ガス8を脱硫したガス11と水蒸気25との混合ガス12をほぼ500℃まで、空気21を100〜400℃まで加熱する必要がある。このため、まず混合ガス12を加熱し、次に空気21を加熱している。
【0024】
透過部5には、熱交換器26で加熱された水蒸気24が、高温水蒸気27として供給される。水素分離型改質器1で発生し、該高温水蒸気27によって払い出される分離水素ガスと水蒸気との混合ガス28は、前記のごとく熱交換器26において水蒸気24を加熱する。次に、冷却器29でスチームが凝縮する際に発生した水を、水分離器31でドレン33として分離した後、水素32を回収する。
【0025】
前記混合ガス28の冷却には空気21を用いることも考えられるが、前記混合ガス28中に水素を含むことから安全上問題となる。このため、冷却用のストリームとしては水蒸気24か、あるいは冷却水34が適切なものとなる。また、空気21は空気予熱器19で加熱後、高温空気22となり燃焼器7へ送られる。
【0026】
改質触媒層3からのオフガス14は、400〜600℃である。このオフガス14は一旦冷却された後、燃焼用燃料として利用される。このオフガス14中には水素等の可燃ガスが含まれているために、不活性ガスか冷却水で冷却する必要がある。この実施の形態では、冷却器15においてオフガス14を冷却水35によって冷却してガス10と混合した後、両者の混合ガスを燃焼用燃料として水素分離型改質器1の燃焼器7へ供給する。
【0027】
さて、都市ガス等の炭化水素からなる原料ガス8の水蒸気改質反応は、温度及び圧力により決定される化学平衡状態が存在する。前記原料ガス8を脱硫されたガス11は、水蒸気25と混合し、混合ガス予熱器18で加熱され、高温反応ガス13となっており、この高温反応ガス13を改質触媒層3に入れられた改質触媒37に十分遅い速度で接触させれば、化学平衡状態が得られる。
【0028】
前記ガス11および前記水蒸気25は、それぞれ原料ガス供給手段である流量調節弁39および40により、化学平衡状態にて水蒸気改質反応が行われるように流量が調節されている(ステップS101)。ここで、前記原料ガス供給手段は、単にガスを供給するだけでなく、ガスの供給量も変化できる機能を持つものである。さらに、前記流量調節弁39および40以外に、図示はしないが、前記原料ガス供給手段は、吐出量を変化させることができるポンプや回転数を変化させて流量および流速を調整できるブロア等を使用することができる。また、流量調節弁39および40と前記ブロア等とを組み合わせて使用しても良い。
【0029】
この時の前記水素32および前記オフガス14の組成は、熱力学のデータより計算できる。この原理を利用し、水素分離型改質器1には平衡状態もしくは平衡状態近くの組成が得られる速度で原料ガス8を供給する。そして、前記原料ガス8の供給量や水蒸気改質反応における温度および圧力は、運転条件であり既知である。したがって、変数は製造される水素32の量のみであり、前記水素32の量とオフガス14の各成分流量との関係を求めて、さらに前記水素32の量と、ストリーム16の燃焼に必要な空気21の量との関係を求めておけば、容易に空気21の量を制御することが可能である。
【0030】
ここで、前記改質触媒37の材料としては、ニッケル系、ルテニウム系等が用いられる。前記改質触媒37の形状は、前記高温反応ガス13との接触効率を向上できるようペレット状、ハニカム状、板状等とすることができるが、ペレット状やハニカム状とした方が、板状よりも前記高温反応ガス13との接触面積を多く取ることができるので、好ましい。また、板状とした場合でも、板を多数並べた形状、いわゆるフィン状とすることで、前記高温反応ガス13との接触面積を増やすことができるので、好ましい。
【0031】
また、化学平衡状態の組成が得られる速度とするためには、前記原料ガス8の供給量(Nm3/h)を前記改質触媒37の量(m3)で除算した値が、25000(h-1)以下とすることが好ましい。
【0032】
ここで、より短時間で化学平衡状態にするには、
▲1▼ 水蒸気改質反応の水素を製造する性能が高い改質触媒37を用いる。
▲2▼ 高温反応ガス13を遅い速度、例えば、前記原料ガス8の供給量(Nm3/h)を前記改質触媒37の量(m3)で除算した値が、10,000(h-1)以下で改質触媒37に接触させる。
▲3▼ 図1(b)に示すように、改質触媒層3に前記高温反応ガス13の流れを乱す邪魔板38を挿入し、高温反応ガス13の改質触媒層3内での通過時間を延ばすおよび/または前記改質触媒37と接触する面積を増やすことにより改質触媒37との接触効率を上げる。
等の工夫をすればよい。これらは個々にて用いても良いし、2以上を組み合わせて用いても良い。
【0033】
図3に示すように、製造される水素32の量が少ないときには、多くの空気21を必要とするが、製造される水素32の量が多いときには、少量の空気21で十分である。そして、空気21の量は、製造される水素32の量の1次式で近似することができ、非常に単純な計算で空気21の流量を決定できる。また、空気21の流量に精度が必要な場合は、1次式に代え、2次式や3次式のような多次式を使って、製造される水素32の量から空気21の流量を算出すればよい。
【0034】
また、製造される水素32の量と空気21の流量との関係式は、供給される原料ガス8や水蒸気改質反応時の圧力および温度に依存されるので、図3に示す関係に限定されるものではない。なお、原料負荷(原料ガス8の供給量)によって、理論空気量の絶対値が大きく変化する。
【0035】
空気流量決定手段50は処理部51と記憶部52からなる。前記製造される水素32の量と空気21の流量の関係式を、前記記憶部52に記憶させておく。前記水素32の流量を水素流量計測手段である流量計41にて計測し(ステップS102)、この計測値を前記処理部51に送り、前記処理部51は、前記記憶部に記憶している前記製造される水素32の量と空気21の流量との関係式に用いて、空気21の流量を算出する(ステップS103)。
【0036】
そして、空気流量調整手段である流量調節弁42にて流量を調節された空気21は、空気予熱器19にて加熱され、ストリーム16と共にオフガス燃焼手段である燃焼器7に供給される(ステップS104)。
【0037】
このように、化学平衡状態または化学平衡状態に近傍の組成が得られる速度で前記原料ガス8を前記改質触媒層3内に供給すると、水蒸気改質反応にて発生するガスの組成は熱力学のデータより計算できるので、製造された前記水素の流量を計測することで、オフガス14の燃焼に必要な理論空気量が算出できる。
【0038】
また、流量調節弁39、40や流量計41は単一組成または予め組成が分かっているものを扱っているので、補正の必要が無い。よって、制御系を簡略化でき、さらに分析計を必要としないので、オフガス14の燃焼に必要な空気量を素早くフィードバックできるので、オンライン制御でき、制御が安定して行える。
【0039】
さらに、オフガスを完全燃焼することができるので、一酸化炭素の排出を防ぐことができ、環境に配慮したものとすることができる。また、オフガスを完全燃焼できるので、水蒸気改質反応に必要な熱の供給を効率良くでき、水素製造装置としての熱効率の改善をすることができ、省エネルギーにて水素を製造できるので、水素の製造コストを低減することができる。
【0040】
また、分析計を必要とせず、安価な流量計で水素製造装置30を構成できるので、製造コストを抑えることができる。さらに、構成が簡単なため、メンテナンスも容易となり、維持コスト低減をすることができ、水素製造装置30の稼働時間を長くできる。
【0041】
また、水蒸気改質反応は温度と圧力とにより化学平衡状態が決定されるが、水素分離型改質器1内に温度分布がある場合には、改質触媒層3の出口側温度を使用することで、精度よくオフガス14の燃焼に必要な空気量を決定することができる。
【0042】
また、この水素製造装置30によって製造された水素32は、燃料電池などのクリーンエネルギーの原料として使うことができる。
【0043】
(実施の形態2)
実施の形態2における水素製造装置は、上記実施の形態1に係る水素製造装置と略同一の構成であるが、製造される水素の量とオフガスの燃焼に必要な空気量との関係式を複数個空気流量決定手段の記憶部に記憶させている点が異なる。その他の構成は実施の形態1と同様なのでその説明を省略すると共に、同一の構成要素には同一の符号を付する。
【0044】
原料ガス8が脱硫器36を通過したガス10は、水素製造装置30の起動時に、燃焼器7の昇温のために用いられる。水素製造装置30の動作開始後は、低温オフガス6の燃焼のみで温度を保つ(定常時)が、補助的に、前記ガス10を供給する(加熱時)ことがある。このように、燃焼器7には、前記低温オフガスのみではなく、前記ガス10も供給される。
【0045】
供給される前記ガス10の組成は、予め分かっているので、製造される水素32の量と燃焼に必要な空気21の量との所定の関係に基づき、製造される水素32の量と燃焼に必要な空気21の量との関係式を求めることができる。よって、起動時、定常時、加熱時での3つの運転条件の前記関係式を空気流量決定手段50の記憶部52に記憶させておき、前記運転条件に合わせて、前記関係式を使用すればよい。
【0046】
また、例えば水素製造装置30にて水素32を製造し、前記水素32を燃料電池等に供給するときには、水素32の供給対象である燃料電池等が必要とする水素32の量の変化に合わせた運転条件に対応した複数の関係式を準備することで、水素32の供給量の変化にも対応することができる。
【0047】
(実施の形態3)
実施の形態3における水素ステーションは、上記実施の形態1または2に係る水素製造装置を有し、水素を貯蔵する蓄ガス器を少なくとも備えている。なお、次の説明において、水素製造装置の構成は実施の形態1または2と同様なのでその説明を省略すると共に、同一の構成要素には同一の符号を付する。このようにすると、水素を製造と同時に使用しなくて良い。つまり、前もって、水素を製造し、蓄ガス器にて貯蔵しておけば、必要なときに必要な分だけ水素を使えるので、効率的な運用ができる。
【0048】
さらに、製造された水素を圧縮する圧縮機と、貯蔵された水素を充填する充填器とを備えると、実用上好ましい。つまり、圧縮器にて水素を圧縮すると、貯蔵するときの水素の体積が小さくできるので、貯蔵に必要な体積を減らすことができ、水素ステーションの占有する敷地を小さくすることができるので、都心等の地価の高いところでも低コストにて水素ステーションを設置することができる。また、充填器を有すると、ガスステーションでノズルにて給油するように、容易に燃料電池等に水素を充填できるので、使い勝手が向上する。
【0049】
図4は、本発明に係る水素ステーション60の構成の一例を示す図である。水素製造装置30によって製造された水素32は、圧縮機61に送られ、圧縮された水素32aとして、蓄ガス器62に貯蔵される。蓄ガス器62に貯蔵された水素32aは、使用される分だけ充填機63から取り出される。ここで、貯蔵する水素の圧力は、高圧ガスの規制を避けるためには1MPa以下が好ましく、貯蔵タンクをコンパクトにするためには、できるだけ高い圧力で貯蔵することが好ましい。また、貯蔵タンクをさらにコンパクト化するためには、液化水素として貯蔵することが好ましい。この他にも、製造した水素を水素吸蔵合金等に貯蔵してもよい。また、水素ステーション60用の水素として好ましい純度は、99.999体積%以上である。
【0050】
水素ステーション60に水素製造装置30によって水素32を供給するとき、昼間は、大量の水素32が必要とされるが、夜間は、昼間よりも少ない量の水素32で十分な場合がある。このような場合、必要とされる水素32の量の変化に合わせて水素32を製造するが、水素32の供給対象である蓄ガス器62が必要とする水素32の量の変化に合わせた運転条件に対応した複数の所定の関係に基づく、複数の関係式を準備する。そして、各運転条件に対応した関係式を適宜選択すれば、このような水素32の供給量の変化にも容易に対応することができる。
【0051】
また、水素ステーション60を完全にシャットダウンすると、再起動するためには数時間を要する。ここで、シャットダウンする代わりに少量の水素を製造しておけば、水素の必要なときに水素ステーション60は稼動している状態なので、大量の水素を製造する場合でも即座に対応できる。このように少量の水素を製造する、または大量の水素を製造する等の複数の運転条件を有していれば、水素ステーション60を完全にシャットダウンすることなしに、効率よく水素32を製造および貯蔵することができるので、有益である。
【0052】
また、水素製造装置30のコストを安くすることができるので、水素ステーション60自体のコストも安くすることができる。さらに、水素製造装置30の構成が簡単であるので、水素ステーション60自体のメンテナンスを簡単とすることができる。これにより、維持コスト低減をすることができ、稼働時間も長くできる。なお、本発明に係る水素製造装置30は、水素ステーションの他にも、半導体工場などの純水素を必要とする水素製造装置等に対して適用できる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、オフガスの燃焼に必要な空気量の決定のためのフィードバックが製造される水素の量によって決定できるので、制御系が簡略化できる水素製造方法および水素製造装置を提供することができる。また、分析器を必要とせず、流量計で計測される流体が単一組成または既知のものであるので、流量の補正を必要としないので、オフガスの燃焼に必要な空気量の決定のためのフィードバックが素早く行え、オンライン制御ができる。
【0054】
さらに、前記水素の流量と前記オフガスの燃焼に必要な理論空気量との所定の関係、すなわち、関係式を複数用意して、運転条件に応じて前記関係式を使い分けることにより、容易に複数の運転条件に対応することができる。また、オフガスを完全燃焼することができるので、一酸化炭素の排出を防ぐことができ、環境に配慮したものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水素製造装置の説明図である。
【図2】空気量を決定するまでのフローチャートである。
【図3】製造される水素の量と理論空気量との関係の一例を示す説明図である。
【図4】本発明に係る水素ステーションの構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 水素分離型改質器
7 燃焼器
8 原料ガス
14 オフガス
21 空気
25 水蒸気
30 水素製造装置
32 水素
37 改質触媒
39、42 流量調節弁
41 流量計
50 空気流量決定手段

Claims (4)

  1. 炭化水素を含む原料ガスを改質触媒に接触させ、水蒸気改質反応を行わせて水素を製造する方法において、
    化学平衡状態の組成が得られる速度で前記原料ガスを改質触媒に接触させる工程と、
    製造された前記水素の流量を計測する工程と、
    製造される水素の量と、水素の取り除かれた前記原料ガスの燃焼に必要な空気の流量との所定の関係に基づき、前記空気の流量を決定する工程と、
    を有することを特徴とする水素製造方法。
  2. 運転条件が複数ある場合には、前記複数の運転条件に対応した複数の前記所定の関係に基づき、前記空気の流量を決定する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の水素製造方法。
  3. 炭化水素を含む原料ガスを改質触媒に接触させ、水蒸気改質反応を行わせて水素を製造する水素製造装置において、
    化学平衡状態の組成が得られる速度で前記原料ガスを改質触媒に接触させる原料ガス供給手段と、
    製造された前記水素の流量を計測する水素流量計測手段と、
    水素の取り除かれた前記原料ガスを燃焼するオフガス燃焼手段と、
    製造される水素の量と、前記燃焼手段に供給する空気の流量との所定の関係に基づき、前記空気の流量を増減する空気流量決定手段と、
    決定された前記空気の流量に従い、前記空気の流量を増減する空気流量調整手段と、
    を有することを特徴とする水素製造装置。
  4. 運転条件が複数ある場合には、前記複数の運転条件に対応した複数の前記所定の関係を、前記空気流決定手段に有することを特徴とする請求項3に記載の水素製造装置。
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