JP2004196697A - ピペラジン誘導体の製造方法 - Google Patents

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JP2004196697A JP2002366223A JP2002366223A JP2004196697A JP 2004196697 A JP2004196697 A JP 2004196697A JP 2002366223 A JP2002366223 A JP 2002366223A JP 2002366223 A JP2002366223 A JP 2002366223A JP 2004196697 A JP2004196697 A JP 2004196697A
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Masao Morimoto
正雄 森本
Haruyo Sato
治代 佐藤
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Abstract

【課題】ピペラジン誘導体のモノオキシカルボニル化反応の収率を向上させる。
【解決手段】一般式(1)
【化1】
Figure 2004196697

(R、R、R、Rは同一であっても異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、カルボキシル基、カルバモイル基、またはN−アルキルカルバモイル基を示すが、R、R、R、Rの全てが水素原子である場合を除く。)で表されるピペラジン誘導体に、一般式(2)
【化2】
Figure 2004196697

(Xはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、またはアリール基、Yはハロゲン原子)または一般式(3)
【化3】
Figure 2004196697

で表される反応剤を作用させて、一般式(4)
【化4】
Figure 2004196697

で表されるピペラジン誘導体を製造するに際し、含窒素芳香族化合物を共存させる。共存させる含窒素芳香族化合物は、ピリジン、クロロピリジン、メトキシピリジン、ピラゾール、アニリンなどである。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピペラジン誘導体をオキシカルボニル化させて、オキシカルボニル置換ピペラジン誘導体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アミノ基をオキシカルボニル化させる反応は、種々の方法が知られており、一般的な方法は非特許文献1および非特許文献2に記載されている。特に、アミノ基の保護基として代表的なベンジルオキシカルボニル(Z−)基を導入する反応としては、有機溶媒−水の混合溶媒中、アルカリ条件下で2相系反応を行う、いわゆるSchotten−Baumannの方法が採用される。アミノ酸をベンジルオキシカルボニルクロリドを用いてベンジルオキシカルボニル化する方法については、非特許文献2に記載の通りであり、水酸化ナトリウムまたはトリエチルアミンを系内に共存させ、アルカリ条件下で反応を実施している。この反応では、水酸化ナトリウムやトリエチルアミンは、反応により副生した塩酸と原料中のアミノ基が塩を形成して失活または原料自身が系外に析出することを防ぐために共存させている。
【0003】
しかし、同様の反応をピペラジン誘導体について実施した場合、トリエチルアミンや水酸化ナトリウムを共存させてモノベンジルオキシカルボニル体を生成させる反応を行った場合、目的物の収率が低下することが分かった。例えば、2−メチルピペラジンのように分子内に2個のアミノ基が存在する化合物とベンジルオキシカルボニルクロリドの反応を例に挙げて説明する。この化合物では、2個のアミノ基の塩基性が殆ど変わらないために、従来公知の技術として用いられるトリエチルアミンを共存させて反応性を向上させた場合、2個のアミノ基にベンジルオキシカルボニル化が起こるという副反応が併発して、却って、目的物の収率が低下することが分かった。特に、系内に水が共存する場合に顕著であり、含水溶媒中では、含水率に比例して反応収率が低下することが公知であり(特許文献2)、このような含水条件では従来公知のトリエチルアミンを添加した方法によっては反応収率が改善されないことに本発明者等は気付いた。
【0004】
つまり、従来公知の一般的な方法によっては、ピペラジン誘導体のベンジルオキシカルボニル化収率を向上させることが不可能であると言える。
【0005】
一方、2−メチルピペラジンのZ化反応として、特許文献1では、参考例10において、2−メチルピペラジンに対して0.25モル倍のZ-Clを用い、工業的には一般設備における実施が困難な−78℃の極低温下、ジクロロメタン溶媒中で実施している。この場合、Z-Clによる副反応を抑制するため、Z-Clよりも基質である2−メチルピペラジンを多く使用し、極低温下で実施しているが、収率はZ-Clに対して85%、基質に対して21%であった。光学活性体のような高価な基質を用いる場合には、基質/Z-Clのモル比が1より大きい方法は経済的に不利である。本公知例では、トリエチルアミンのような塩基を共存させていない。
【0006】
また、非特許文献3および非特許文献4では、N−メシル−N−アシルアニリン誘導体を用いたアシル化、特にZ化、ベンゾイル化、tert−ブトキシカルボニル化(Boc化)等を実施しており、反応収率90%以上をオキシカルボニル化剤を別途合成する必要があり、工業的には効率的な方法とは言い難い。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−328938号公報
【0008】
【特許文献2】
特願2002−260376号公報
【0009】
【非特許文献1】
プロテクテイブ・グループス・イン・オルガニック・シンセシス(JOHN WILEY & SONS,New York, 1980)p.218
【0010】
【非特許文献2】
実験化学講座22(第4版)有機合成IV(日本化学会,1992)p.230
【0011】
【非特許文献3】
J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,2973(1998)
【0012】
【非特許文献4】
Tetrahedron,56,5843(2000)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ピペラジン誘導体を、従来技術に示された方法、つまり、水酸化ナトリウムまたはトリエチルアミン共存下でベンジルオキシカルボニルクロリドと反応させた場合、原料ピペラジンの2個の窒素原子の両方ともにオキシカルボニル基が置換した副生物が目的のオキシカルボニル置換ピペラジン誘導体よりも多く生成する。そのため、オキシカルボニル置換ピペラジン誘導体の簡便で高収率な製造法の創出が求められていた。
【0014】
本発明の目的は、ピペラジン誘導体をオキシカルボニル化させてオキシカルボニル置換ピペラジン誘導体を高収率で製造する方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ピペラジン誘導体をオキシカルボニル化させて、オキシカルボニル置換ピペラジン誘導体の製造法について鋭意検討し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、一般式(1)
【0016】
【化5】
Figure 2004196697
【0017】
(式中、R、R、R、Rは同一であっても異なっていても良く、i)水素原子、ii)炭素数1〜4のアルキル基、iii)炭素数1〜4のアルコキシ基、iv)ハロゲン基、v)カルボキシル基、vi)カルバモイル基、またはvii)アルキル基の炭素数が1〜4のN−アルキルカルバモイル基を示すが、R、R、R、Rの全てが水素原子である場合を除く。)で表されるピペラジン誘導体に、一般式(2)
【0018】
【化6】
Figure 2004196697
【0019】
(式中、Xはi)炭素数1〜4のアルキル基、ii)炭素数2〜4のアルケニル基、iii)炭素数2〜4のアルキニル基、iv)芳香環が無置換または炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたアラルキル基、v)芳香環が無置換または炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたアリール基を示し、Yはハロゲン原子を示す。)または一般式(3)
【0020】
【化7】
Figure 2004196697
【0021】
(式中、Xは前記と同様。)で表される反応剤を作用させて、一般式(4)
【0022】
【化8】
Figure 2004196697
【0023】
(式中、R、R、R、R、Xは前記と同様。)で表されるオキシカルボニル置換ピペラジン誘導体を製造するに際し、含窒素芳香族化合物を共存させることを特徴とするピペラジン誘導体の製造方法である。ここで、本発明におけるピペラジン誘導体およびオキシカルボニル置換ピペラジン誘導体は、ラセミ体および光学活性体のいずれでも良い。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0025】
本発明で用いる一般式(1)
【0026】
【化9】
Figure 2004196697
【0027】
で表されるピペラジン誘導体は、1つないし4つの置換基で置換されたピペラジン誘導体であり、それらの具体例として、2−メチルピペラジン、2−エチルピペラジン、2,3−ジメチルピペラジン、2−メトキシピペラジン、2−イソプロポキシピペラジン、2−メトキシ−5−n−ブトキシピペラジン、2−クロロピペラジン、2−ブロモピペラジン、2,6−ジクロロピペラジン、2−メチル−3−クロロピペラジン、2−ピペラジンカルボン酸、2−エチル−3−ピペラジンカルボン酸、2−t−ブチル−3−ピペラジンカルボン酸、2−ピペラジンカルボキサミド、2−エチル−3−ピペラジンカルボキサミド、N−t−ブチル−2−ピペラジンカルボキサミド、3−メトキシ−N−t−ブチル−2−ピペラジンカルボキサミド、N−n−ブチル−2−ピペラジンカルボキサミドなどを例示することができるが、好ましくは、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2−エチルピペラジン、2,3−ジメチルピペラジンであり、より好ましくは、2−メチルピペラジンである。また、それらはいずれも、ラセミ体、光学活性体のいずれでもよい。
【0028】
また、ピペラジン誘導体は、フリーの状態であっても良く、また塩を形成していても良い。例えば、酒石酸塩、,ジ−p−トルオイル酒石酸(PTTA)塩、ジ−o−トルオイル酒石酸(OTTA)塩、ジベンゾイル酒石酸(DBTA)塩、,ジ−p−アニソイル酒石酸(DATA)塩等の酒石酸類、安息香酸塩、3,5−ジニトロ安息香酸塩、1,3−ベンゼンジカルボン酸塩等の安息香酸類、フェノール、ニトロフェノール、レゾルシノール、カテコール等のフェノール塩、塩酸、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、四塩化銅塩、四臭化銅塩、三塩化コバルト塩等の金属ハロゲン化物塩などを例示できるが、好ましくは酒石酸またはその誘導体との塩である。
【0029】
次に、本発明において用いられる一般式(2)
【0030】
【化10】
Figure 2004196697
【0031】
または一般式(3)
【0032】
【化11】
Figure 2004196697
【0033】
で表される反応剤(以下「オキシカルボニル化剤」ともいう。)の具体例として、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸ビニル、クロロギ酸アリル、クロロギ酸フェニル、クロロギ酸ベンジルなどで代表されるクロロギ酸エステルやジメチルジカーボネート、ジエチルジカーボネート、ジ−t−ブチルジカーボネート(DiBoc)、ジフェノキシジカーボネート、ジベンジルオキシジカーボネートなどのジカーボネートエステルを挙げることができるが、好ましくは、クロロギ酸ベンジルやクロロギ酸エチルなどのクロロギ酸エステル類、およびジ−t−ブチルジカーボネート(DiBoc)である。
【0034】
オキシカルボニル化は、一般式(1)で表されるピペラジン誘導体に一般式(2)または一般式(3)で表されるオキシカルボニル化剤を作用させて実施される。
【0035】
オキシカルボニル化剤の添加量は、原料ピペラジン誘導体に対して、通常0.9〜1.2モルが用いられるが、好ましくは0.95〜1.1モルであり、さらに好ましくは0.98〜1.05モルである。その使用量が1モル以上の場合、オキシカルボニル化剤がピペラジン誘導体の2個の窒素と結合する可能性があるし、1モル未満の場合、ピペラジン誘導体が未反応原料として残る可能性がある。したがって、使用量は、目的に応じて変更するのが好ましい。
【0036】
オキシカルボニル化剤の添加条件に特に制限はないが、一般には温度−25〜60℃の範囲で滴下されるが、好ましくは−10〜40℃、より好ましくは−5〜30℃の範囲である。添加時間は温度に応じて調整すれば良く、特に制限されるものではないが、通常、2〜12時間である。
【0037】
反応に用いる有機溶媒は、水に溶解しても、溶解しなくても良いが、20℃における水との相互溶解度が1重量%以上であるものが好ましい。
【0038】
有機溶媒の具体例として、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、イソペンタノールなどのアルコール類、ジエチエルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、メチル−t−ブチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノンなどのケトン類、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンなどの芳香族炭化水素類、ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素を用いることができるが、好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、イソペンタノールなどのアルコール類、および、ジエチエルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、メチル−t−ブチルエーテルなどのエーテル類であり、より好ましくは、、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、イソペンタノールなどのアルコール類であり、さらに、好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノールなどの低級アルコール類である。ここで用いる溶媒類は単独で用いても良く、また複数の有機溶媒同士の混合溶媒として用いても良い。
【0039】
また、水を含んだ溶媒は、均一溶液であっても、相分離していても構わないが、均一溶液の状態である方がより好ましい。
【0040】
有機溶媒の使用量は、特に制限されるものではないが、通常、反応剤を添加する前のピペラジン誘導体の濃度が、5〜20重量%になる様にする。
【0041】
本発明において含窒素芳香族化合物とは、複素環式含窒素芳香族化合物または含窒素芳香族炭化水素であり、複素環式含窒素芳香族化合物とは、環を構成する原子に窒素原子を含み、芳香族性(「ヘテロ環化合物の化学」講談社、p.81に準ずる)を有する化合物をいい、含窒素芳香族炭化水素とは、アミノ基などの窒素原子を含む置換基を有する芳香族炭化水素をいう。複素環式含窒素芳香族化合物の具体例として、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−n−プロピルピリジン、3−n−プロピルピリジン、4−n−プロピルピリジン、2−イソプロピルピリジン、2−フェニルピリジン、2−ビニルピリジン、3−アミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、2−クロロピリジン、3−フルオロピリジン、4−ブロモピリジン、3−ヨードピリジン、2−ホルミルピリジン、3−アセチルピリジン、2−ピリジンカルボン酸、3−ピリジンカルボン酸メチル、3−ピリジンカルボン酸アミド、2−シアノピリジン、3−ニトロピリジン、ピロール、インドール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、インダゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ベンズイミダゾール、キノリン、イソキノリン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、キノキサリン、カルバゾール、2,6−ルチジンなどを挙げることができ、含窒素芳香族炭化水素の具体例として、α−アミノナフタレン、β−アミノナフタレン、アニリンなどを挙げることができるが、好ましくは、pKaが7以下の含窒素芳香族化合物であり、特に好ましくは、ピリジンおよびその誘導体である。
【0042】
こうした含窒素芳香族化合物は、トリエチルアミンなどに代表される脂肪族含窒素化合物に比べて塩基性が弱く、オキシカルボニル化剤を活性化する能力が低いと考えることが出来る。つまり、脂肪族含窒素化合物を添加した場合、ピペラジン誘導体の2個の窒素原子に対してオキシカルボニル化が進行するため、ジオキシカルボニル置換体がモノオキシカルボニル置換体よりも多く生成する。
【0043】
一方、含窒素芳香族化合物を添加した場合、ジオキシカルボニル置換体の生成を抑えながらオキシカルボニル化剤の活性を向上させて、目的のモノオキシカルボニル置換体の生成収率が向上することを見いだした。
【0044】
したがって、分子内に2個の窒素原子を有する化合物を選択的にオキシカルボニル化する際、系内に添加する塩基性化合物は、含窒素芳香族化合物であることが必須である。
【0045】
以上のように、含窒素芳香族化合物の存在下、一般式(1)で表されるピペラジン誘導体に、一般式(2)または一般式(3)で表されるオキシカルボニル化剤を作用させて一般式(4)
【0046】
【化12】
Figure 2004196697
【0047】
で表されるピペラジン誘導体を製造することができる。こうして得られるオキシカルボニル置換ピペラジン誘導体の具体例として、1−メトキシカルボニル−2−メチルピペラジン、1−メトキシカルボニル−3−メチルピペラジン、2−エチル−1−メトキシカルボニルピペラジン、1−エトキシカルボニル−2−メチルピペラジン、1−t−ブトキシカルボニル−3−メチルピペラジン、1−t−ブトキシカルボニル−2−メチルピペラジン、1−t−ブトキシカルボニル−3−メチルピペラジン、1−t−ブトキシカルボニル−2,3−ジメチルピペラジン、1−t−ブトキシカルボニル−2−メトキシ−3−メチルピペラジン、1−ビニルオキシカルボニル−3−メチルピペラジン、1−ビニルオキシカルボニル−2−メチルピペラジン、1−ビニルオキシカルボニル−3−メチルピペラジン、1−アリルオキシカルボニル−3−メチルピペラジン、1−アリルオキシカルボニル−2−メチルピペラジン、1−アリルオキシカルボニル−3−メチルピペラジン、1−メチルプロピニルオキシカルボニル−3−メチルピペラジン、1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチルピペラジン、1−ベンジルオキシカルボニル−2−メチルピペラジン、1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチルピペラジン、1−ベンジルオキシカルボニル−3,5−ジメチルピペラジン、1−ベンジルオキシカルボニル−3−メトキシピペラジン、1−(p−メチルフェニルメチル)オキシカルボニル−3−メチルピペラジン、1−(p−メチルフェニルメチル)オキシカルボニル−3−メチルピペラジン、1−フェノキシカルボニル−3−メチルピペラジン、1−フェノキシカルボニル−2−メチルピペラジン、1−フェノキシカルボニル−3−メチルピペラジン、1−フェノキシカルボニル−2,5−ジメチルピペラジンなどを挙げることができる。
【0048】
本発明で得られるピペラジン誘導体は、ラセミ体、光学活性体のいずれでもよい。
【0049】
こうして得たオキシカルボニル置換ピペラジン誘導体は、反応液中では塩を形成している場合が多く、濃縮等により析出した塩を濾過により回収することもでき、さらにはアルカリ条件下で抽出することによりフリーの状態で回収することもできる。
【0050】
また、芳香族含窒素化合物は、抽出または蒸留などの手法により、オキシカルボニル置換ピペラジン誘導体から分離し、回収することでリサイクル使用することが可能である。
【0051】
本発明の方法は光学活性な一般式(1)の化合物を原料とし、光学活性な一般式(2)の化合物を得る際に適している。
【0052】
かくして得たピペラジン誘導体は、医薬品の原料等として有用な化合物である。
【0053】
【実施例】
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0054】
なお、反応液中の生成物含量および主な副生物含量の分析および生成物の光学純度は、それぞれ異なった分析条件の液体クロマトグラフィーにより行い、光学純度はR−体ピークとS−体ピークの面積比から算出した。S体が選択的に生成する場合は、次式にしたがって算出される。
【0055】
光学純度(%e.e.)=(S体ピークの面積値−R体ピークの面積値)/(R体ピークの面積値+S体ピークの面積値)×100
ここで、2−メチルピペラジンのZ化反応時の分析条件を以下に示した。
【0056】
<含量分析>
機種: 島津LC−10Vp
カラム: CAPCELLPAK C18,12nm,5μm,4.6mm×250mm(資生堂)
移動相: 5mM SDSaq.(pH2.5,with HPO)/CHCN=69/31(0−15min),55/45(25−40min)
流量: 1.0ml/min
温度: 40℃
検出器: UV(210nm)
<光学純度分析>
機種: 島津LC−10Vp
カラム: Mightysil RP18 GP, 4.6mm×150mm(関東化学)
移動相: 0.03%NHaq.(pH4.7,with AcOH)/CHCN=67/33(v/v)
流量: 1.0ml/min
温度: 40℃
検出器: UV(243nm)
サンプル前処理
50mlメスフラスコに1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチルピペラジン約0.1g相当のサンプルを採取し、アセトニトリルを用いて標線まで希釈する。次に、この溶液の内、0.3mlを5mlサンプル瓶に採取し、O,O’−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸無水物(D−PTAN)溶液1.5mlを添加し、攪拌後、70℃の温浴で1h静置する。その後、2%リン酸水0.5mlを添加し、10分間静置する。
【0057】
参考例
100ml四つ口フラスコにラセミ体の2−メチルピペラジン5.0g(=0.0499モル)を取り、イソプロパノール22gと水22gを加え、溶解させた。その溶液を0℃まで冷却後、クロロギ酸ベンジル8.47g(=0.0489モル,純度98.5重量%;HPLC定量分析)を液温が0〜8℃の範囲で滴下した。その後、0℃で2時間攪拌し、反応液を採取して、内標法(内標:アニソール)により定量した。その結果、1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチルピペラジンの反応収率は、61.3%(対2−メチルピペラジン)であった。
【0058】
以下に、含窒素芳香族化合物を添加した場合の実験結果を例示するが、それらのpKa値は、ハンドブック・オブ・ケミストリー、イレブンス・エデイション(McGRAW・HILL・BOOK・COMPANY,1973)及びヘテロ環化合物の化学(講談社サイエンティフィック,1988)から、ピリジン5.23、2−メトキシピリジン6.62、2−クロロピロジン0.72、ピラゾール2.5、トリエチルアミン10.7及びトリエタノールアミン7.76であった。
【0059】
実施例1(ピリジン添加量=1.0当量/2−メチルピペラジン)
100ml四つ口フラスコにラセミ体のラセミ体の2−メチルピペラジン5.0g(=0.0499モル)を取り、イソプロパノール22gと水22gを加え、溶解させた。その溶液に、ピリジン4.01g(=0.0507モル)を添加した後、0℃まで冷却し、クロロギ酸ベンジル8.58g(=0.0496モル,純度98.5重量%;HPLC定量分析)を液温が0〜8℃の範囲で滴下した。その後、0℃で2時間攪拌し、反応液を採取して、内標法(内標:アニソール)により定量した。その結果、1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチルピペラジンの反応収率は、83.5%(対2−メチルピペラジン)であった。
【0060】
実施例2(ピリジン添加量=1.1当量/2−メチルピペラジン)
実施例1において、ピリジンの仕込量を4.29g(=0.054モル)に変える以外は、実施例1と同様の条件で反応を実施した。その結果、1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチルピペラジンの反応収率は、84.1%(対2−メチルピペラジン)であった。
【0061】
実施例3(ピリジン添加量=0.51当量/2−メチルピペラジン)
実施例1において、ピリジンの仕込量を2.01g(=0.025モル)に変える以外は、実施例1と同様の条件で反応を実施した。その結果、1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチルピペラジンの反応収率は、80.8%(対2−メチルピペラジン)であった。
【0062】
実施例4(ピリジン添加量=0.12当量/2−メチルピペラジン)
実施例1において、ピリジンの仕込量を0.49g(=0.0062モル)に変える以外は、実施例1と同様の条件で反応を実施した。その結果、1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチルピペラジンの反応収率は、69.0%(対2−メチルピペラジン)であった。
【0063】
実施例5(ピリジン添加量=0.12当量/2−メチルピペラジン)
実施例1において、ピリジンの仕込量を0.49g(=0.0062モル)に変える以外は、実施例1と同様の条件で反応を実施した。その結果、1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチルピペラジンの反応収率は、69.0%(対2−メチルピペラジン)であった。
【0064】
実施例6(ピリジン添加量=1.0当量/2−メチルピペラジン)
実施例1において、ラセミ体の2−メチルピリジンを光学活性(S)−2−メチルピリジン(光学純度99.5%e.e.)に変える以外は、実施例1と同様の条件で反応を実施した。その結果、1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチルピペラジンの反応収率は、83.8%(対2−メチルピペラジン)であり、光学純度は99.5%e.e.であった。
【0065】
実施例7(2−クロロピリジン添加量=1.0当量/2−メチルピペラジン)実施例1において、ピリジン4.01g(=0.0507モル)を2−クロロピリジン5.90g(=0.0520モル)に変える以外は、実施例1と同様の条件で反応を実施した。その結果、1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチルピペラジンの反応収率は、69.3%(対2−メチルピペラジン)であった。
【0066】
実施例8(2−メトキシピリジン添加量=0.97当量/2−メチルピペラジン)
実施例1において、ピリジン5.28g(=0.0484モル)を2−メトキシピリジン5.90g(=0.0520モル)に変える以外は、実施例1と同様の条件で反応を実施した。その結果、1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチルピペラジンの反応収率は、67.8%(対2−メチルピペラジン)であった。
【0067】
実施例9(ピラゾール添加量=1.0当量/2−メチルピペラジン)
実施例1において、ピリジン4.01g(=0.0507モル)をピラゾール3.43g(=0.0504モル)に変える以外は、実施例1と同様の条件で反応を実施した。その結果、1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチルピペラジンの反応収率は、67.6%(対2−メチルピペラジン)であった。
【0068】
比較例1(トリエチルアミン添加量=1.0当量/2−メチルピペラジン)
実施例1において、ピリジンの代わりにトリエチルアミン5.11g(=0.0506モル)に変える以外は、実施例1と同様の条件で反応を実施した。その結果、1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチルピペラジンの反応収率は、17.9%(対2−メチルピペラジン)であった。
【0069】
比較例2(トリエタノールアミン添加量=1.0当量/2−メチルピペラジン)
実施例1において、ピリジンの代わりにトリエタノールアミン7.44g(=0.049モル)に変える以外は、実施例1と同様の条件で反応を実施した。その結果、1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチルピペラジンの反応収率は、18.4%(対2−メチルピペラジン)であった。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、安価な試薬および穏和な反応条件を用いて、経済的にピペラジン誘導体をモノオキシカルボニル化させてモノオキシカルボニル置換ピペラジン誘導体を高収率で製造することができる。

Claims (8)

  1. 一般式(1)
    Figure 2004196697
    (式中、R、R、R、Rは同一であっても異なっていても良く、i)水素原子、ii)炭素数1〜4のアルキル基、iii)炭素数1〜4のアルコキシ基、iv)ハロゲン基、v)カルボキシル基、vi)カルバモイル基、またはvii)アルキル基の炭素数が1〜4のN−アルキルカルバモイル基を示すが、R、R、R、Rの全てが水素原子である場合を除く。)で表されるピペラジン誘導体に、一般式(2)
    Figure 2004196697
    (式中、Xはi)炭素数1〜4のアルキル基、ii)炭素数2〜4のアルケニル基、iii)炭素数2〜4のアルキニル基、iv)芳香環が無置換または炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたアラルキル基、v)芳香環が無置換または炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたアリール基を示し、Yはハロゲン原子を示す。)または一般式(3)
    Figure 2004196697
    (式中、Xは前記と同様。)で表される反応剤を作用させて、一般式(4)
    Figure 2004196697
    (式中、R、R、R、R、Xは前記と同様。)で表されるピペラジン誘導体を製造するに際し、含窒素芳香族化合物を共存させることを特徴とするピペラジン誘導体の製造方法。
  2. 含窒素芳香族化合物のpKaが7以下であることを特徴とする請求項1記載のピペラジン誘導体の製造方法。
  3. 含窒素芳香族化合物が、ピリジンまたはピリジン誘導体であることを特徴とする請求項1または2記載のピペラジン誘導体の製造方法。
  4. 一般式(1)および一般式(4)におけるRがメチル基であり、且つ、R、R、Rが水素原子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のピペラジン誘導体の製造方法。
  5. 一般式(2)におけるXが、t−ブチル基またはベンジル基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のピペラジン誘導体の製造方法。
  6. 一般式(2)で表される反応剤が、クロロギ酸ベンジルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のピペラジン誘導体の製造方法。
  7. 一般式(3)で表される反応剤が、ジ−t−ブチルジカーボネートであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のピペラジン誘導体の製造方法。
  8. 一般式(4)で表されるピペラジン誘導体が、光学活性体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のピペラジン誘導体の製造方法。
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