JP2004196858A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP2004196858A JP2002363776A JP2002363776A JP2004196858A JP 2004196858 A JP2004196858 A JP 2004196858A JP 2002363776 A JP2002363776 A JP 2002363776A JP 2002363776 A JP2002363776 A JP 2002363776A JP 2004196858 A JP2004196858 A JP 2004196858A
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Hitoshi Yamaguchi
仁志 山口
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Abstract

【課題】使用末期における外観性(耐カット性)と発熱性能とを良好に両立させた、特に、重荷重用タイヤに好適な空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】(A)天然ゴムおよびジエン系合成ゴムのうちから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分と、該ゴム成分100重量部に対し、(B)融点120〜180℃のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン3〜20重量部と、(C)窒素吸着比表面積が180〜270m2/gであるシリカと、(D)下記一般式(I)、
Figure 2004196858

で表されるヒドラジド化合物0.1〜5.0重量部と、が配合されてなるゴム組成物が、ベース部材に使用されている。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、優れた耐カット性と発熱性能とを兼ね備えた重荷重用空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
悪路や建設現場など、外傷を受けやすい路面で使用されることの多い重荷重用空気入りタイヤにおいては、耐久性が重要な要求特性である。特に、使用末期までの耐久性を考慮した場合、悪路でのベース露出時における末期外観性(耐カット性)の向上が重要となる。
【0003】
耐カット性の向上に関しては、例えば、syn−1,2−ポリブタジエン(SPB)を配合する技術が公知であり、トレッドへの使用については特許文献1等に、また、サイドへの使用については特許文献2や特許文献3等に、夫々記載があるが、ベース部材に使用したものは知られていない。
【0004】
また、発熱性能の改良に関しては、重荷重用タイヤ特有の問題として、加硫時間が長く熱老化しやすいことから、弾性率を高くすることが困難である点が挙げられるが、これに対し、例えば、特許文献4には、特定の構造を有するヒドラジド化合物をトレッドゴムに用いて、発熱性能と耐摩耗性とを改良する技術が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−199103号公報
【特許文献2】
特開平7−062152号公報
【特許文献3】
特開平7−062153号公報
【特許文献4】
2001−139728号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、従来より、耐カット性の向上にはゴムの硬度を高めることが有効であると考えられており、このため、カーボンブラックや硫黄等の充填剤を高配合にして架橋密度を高める手法が用いられてきた。しかし、このような充填剤の高配合は発熱性能の悪化を招くので、発熱性能改良の観点からは充填剤の配合量は低部数にならざるを得ない。従って、発熱性能と、末期外観性のメジャーである耐カット性とを同時に向上させることは、配合上困難であった。また、硬化性の樹脂を用いて弾性率を維持する方法も考えられるが、樹脂由来の発熱性能の悪化より、十分な改良は得られなかった。
【0007】
そこで本発明の目的は、使用末期における外観性(耐カット性)と発熱性能とを良好に両立させた、特に、重荷重用タイヤに好適な空気入りタイヤを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、重荷重用タイヤのベース部材のゴム組成物中に、以下に(B)成分および(D)成分として示す2種類の所定の薬品を組み合わせて適用することにより、これらの相乗効果により耐カット性および発熱性能をともに改良して、特に末期外観性に優れた空気入りタイヤを提供することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の空気入りタイヤは、(A)天然ゴムおよびジエン系合成ゴムのうちから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分と、該ゴム成分100重量部に対し、(B)融点120〜180℃のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(SPB)3〜20重量部と、(C)窒素吸着比表面積が180〜270m2/gであるシリカと、(D)下記一般式(I)、
Figure 2004196858
(式中、Aはアリーレン基、二価のヒダントイン残基または炭素数1〜18の飽和若しくは不飽和の二価の鎖状炭化水素基であり、Xは水素原子、水酸基、アミノ基または下記式、
Figure 2004196858
で表される基であり、R1〜R4は、夫々独立に水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基であり、R1とR2、R3とR4は、夫々互いに結合して環構造を形成していてもよい)で表されるヒドラジド化合物0.1〜5.0重量部と、が配合されてなるゴム組成物が、ベース部材に使用されていることを特徴とするものである。本発明においては、上記SPBと特定のヒドラジド化合物とを組み合わせることにより、発熱性能および耐カット性を飛躍的に向上させることが可能となった。
【0010】
本発明においては、前記一般式(I)中、Aがアリーレン基であり、かつ、Xが水酸基であることが好ましく、特には、前記(D)成分が、下記一般式(I−a)または一般式(I−b)、
Figure 2004196858
(式中、R1およびR2は前記と同様である)で表されるヒドラジド化合物であることが好ましい。
【0011】
また、前記ゴム組成物中に、無水マレイン酸と(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステルからなる添加剤が、0.1〜5.0重量部にて配合されていることが好ましく、前記ゴム成分が、天然ゴムを20重量%以上含むことも好ましい。
【0012】
さらに、前記ゴム組成物が、窒素吸着比表面積50〜160m2/gで、DBP吸油量60〜150ml/100gであるカーボンブラックを、前記ゴム成分100重量部に対して、20〜80重量部にて含有することが好ましい。さらにまた、本発明の空気入りタイヤは、特に、オフロードタイヤとして好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の空気入りタイヤは、以下に説明する(A)〜(D)成分が配合されてなるゴム組成物をベース部材に用いたことにより、優れた発熱性能および耐カット性の両立を実現したものである。
【0014】
本発明に係るゴム組成物における(A)成分は、天然ゴム(NR)およびジエン系合成ゴム、例えば、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリクロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等のうちから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分であり、好適には、天然ゴムを20重量%以上含む。なお、以下において、(B)〜(D)成分の配合量は、かかるゴム成分を100重量部としたときの重量部で表す。
【0015】
本発明に係るゴム組成物は、(B)成分として、融点が120〜180℃であるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(SPB)3〜20重量部を含有する。SPBの量がこの範囲よりも少ないと十分な弾性率が得られず、即ち、カット性の向上が得られない。一方、この範囲よりも多いと、弾性率が著しく上昇して、破壊特性との両立が困難となる。また、融点については、この範囲よりも高いと混練中に融解しないので、作業性が著しく悪化してしまう。
【0016】
SPBの重合触媒としては、可溶性コバルト、例えば、コバルトオクトエート、コバルト1−ナフテート、コバルトベンゾエート等と、有機アルミニウム化合物、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム等と、二硫化炭素とからなる触媒系等を挙げることができる。具体的重合方法としては、特公昭53−39917号公報、特公昭54−5436号公報および特公昭56−18005号公報等に記載の方法を使用することができるが、本発明に用いるSPBの重合方法はこれらに限定されるものではない。
【0017】
また、本発明に係る(D)成分は、下記一般式(I)、
Figure 2004196858
で表されるヒドラジド化合物である。上記一般式(I)中、Aはアリーレン基、二価のヒダントイン残基または炭素数1〜18の飽和若しくは不飽和の二価の鎖状炭化水素基を示し、アリーレン基は、二価の芳香族性複素環式基を包含する。
【0018】
ここで、アリーレン基としては、フェニレン基またはナフチレン基が好ましく、また、その環上には、低級アルキル基や低級アルコキシル基などの適当な置換基を有していてもよい。また、二価のヒダントイン残基は、その環上に、低級アルキル基や低級アルコキシル基などの適当な置換基を有していてもよい。炭素数1〜18の飽和若しくは不飽和の二価の鎖状炭化水素基としては、炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数2〜18のアルケニレン基が挙げられ、これらは直鎖状、分岐状のいずれであってもよい。このようなアルキレン基やアルケニレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ビニレン基、アリレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ヘキセニレン基、オクテニレン基、デセニレン基などが挙げられる。
【0019】
また、上記式中のXは、水素原子、水酸基、アミノ基または下記式、
Figure 2004196858
で表される基であり、R1〜R4は、夫々独立に水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基であり、R1とR2、R3とR4は、夫々互いに結合して環構造を形成していてもよい。
【0020】
ここで、炭素数1〜18の炭化水素基としては、炭素数1〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルケニル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基および炭素数7〜18のアラルキル基を挙げることができる。上記シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基の環上には、低級アルキル基や低級アルコキシル基アミノ基、アルキル置換アミノ基、水酸基などの適当な置換基を有していてもよい。
【0021】
上記アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが、アルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、デセニル基などが、シクロアルキル基の例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基などが、アリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基などが、アラルキル基の例としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
【0022】
前記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物の中でも、Aがアリーレン基で、かつXが水酸基であるものが好ましく、特に、下記一般式(I−a)または一般式(I−b)、
Figure 2004196858
(式中、R1およびR2は前記と同様である)で表されるヒドラジド化合物が、性能の点から好ましい。前記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物の例としては、1−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド,1−ヒドロキシ−N’−(1−メチルプロピリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド,1−ヒドロキシ−N’−(1−メチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド,1−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド,1−ヒドロキシ−N’−(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルプロピリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,イソフタル酸ジ(1−メチルエチリデン)ヒドラジド,イソフタル酸ジ(1−メチルプロピリデン)ヒドラジド,イソフタル酸ジ(1−メチルブチリデン)ヒドラジド,イソフタル酸ジ(1,3−ジメチルブチリデン)ヒドラジド,イソフタル酸ジ(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)ヒドラジド,イソニコチン酸(1−メチルエチリデン)ヒドラジド,イソニコチン酸(1−メチルプロピリデン)ヒドラジド,イソニコチン酸(1−メチルブチリデン)ヒドラジド,イソニコチン酸(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)ヒドラジド,イソニコチン酸(1,3−ジメチルブチリデン)ヒドラジド,N’−(1−メチルエチリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(1−メチルプロピリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(1−メチルブチリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(1−メチルエチリデン)安息香酸ヒドラジド,N’−(1−メチルプロピリデン)安息香酸ヒドラジド,N’−(1,3−ジメチルブチリデン)安息香酸ヒドラジド,N’−(ベンジリデン)安息香酸ヒドラジド,N’−(4−ジメチルアミノフェニルメチレン)安息香酸ヒドラジド,N’−(4−メトキシフェニルメチレン)安息香酸ヒドラジド,N’−(4−ヒドロキシフェニルメチレン)安息香酸ヒドラジド,N’−(1−フェニルエチリデン)安息香酸ヒドラジド,N’−(ジフェニルメチレン)安息香酸ヒドラジド,N’−(1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)ベンジリデン)安息香酸ヒドラジド,N’−(1−メチルエチリデン)1−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(1−メチルプロピリデン)1−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(1,3−ジメチルブチリデン)1−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(ベンジリデン)1−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(4−ジメチルアミノフェニルメチレン)1−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(4−メトキシフェニルメチレン)1−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(4−ヒドロキシフェニルメチレン)1−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(1−フェニルエチリデン)1−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(ジフェニルメチレン)1−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)ベンジリデン)1−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(1−メチルエチリデン)2−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(1−メチルプロピリデン)2−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(1,3−ジメチルブチリデン)2−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(ベンジリデン)2−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(4−ジメチルアミノフェニルメチレン)2−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(4−メトキシフェニルメチレン)2−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(4−ヒドロキシフェニルメチレン)2−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(1−フェニルエチリデン)2−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(ジフェニルメチレン)2−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(1−(2,4−ヒドロキシフェニル)ベンジリデン)2−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(1−メチルエチリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N’−(1−メチルプロピリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N’−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N’−(ベンジリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N’−(4−ジメチルアミノフェニルメチレン)プロピオン酸ヒドラジド,N’−(4−メトキシフェニルメチレン)プロピオン酸ヒドラジド,N’−(4−ヒドロキシフェニルメチレン)プロピオン酸ヒドラジド,N’−(1−フェニルエチリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N’−(ジフェニルメチレン)プロピオン酸ヒドラジド,N’−(1−(2,4−ヒドロキシフェニル)ベンジリデン)プロビオン酸ヒドラジド,N’−(1−メチルエイチリデン)2−メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1−メチルプロピリデン)2−メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1,3−ジメチルブチリデン),2−メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(ベンジリデン)2−メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(4−ジメチルアミノフェニルメチレン)2−メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(4−メトキシフェニルメチレン)2−メチルプロピオンヒドラジド,N’−(4−ヒドロキシフェニルメチレン)2−メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1−フェニルエチリデン)2−メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(ジフェニルメチレン)2−メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)ベンジリデン)2−メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1−メチルエチリデン)2,2−ジメチルンプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1−メチルプロビリデン)2,2−ジメチルンプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1,3−ジメチルブチリデン)2,2−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(ベンジリデン)2,2−ジメチルンプロピオン酸ヒドラジド,N’−(4−ジメチルアミノフェニルメチレン)2,2−ジメチルンプロピオン酸ヒドラジド,N’−(4−メトキシフェニルメチレン)2,2−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(4−ヒドロキシフェニルメチレン)2,2−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1−フェニルエチリデン)2,2−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(ジフェニルメチレン)2,2−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)ベンジリデン)2,2−ジメチルプロピオン酸ヒドラジドなどを挙げることができる。
【0023】
これらの中で好ましいヒドラジド化合物としては、1−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド,1−ヒドロキシ−N’−(1−メチルプロピリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド,1−ヒドロキシ−N’−(1−メチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド,1−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド,1−ヒドロキシN’−(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルプロピリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,イソフタル酸ジ(1−メチルエチリデン)ヒドラジド,イソフタル酸ジ(1−メチルプロピリデン)ヒドラジド,イソフタル酸ジ(1−メチルブチリデン)ヒドラジド,イソフタル酸ジ(1,3−ジメチルブチリデン)ヒドラジド,イソフタル酸ジ(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)ヒドラジド,イソニコチン酸(1−メチルエチリデン)ヒドラジド,イソニコチン酸(1−メチルプロピリデン)ヒドラジド,イソニコチン酸(1−メチルブチリデン)ヒドラジド,イソニコチン酸(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)ヒドラジド,イソニコチン酸(1,3−ジメチルブチリデン)ヒドラジド,N’−(1−メチルエチリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(1−メチルプロピリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(1−メチルブチリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)−サリチル酸ヒドラジドなどであり、特に好ましいヒドラジド化合物は、前記一般式(I−a)及び(I−b)で表される化合物、具体的には2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルプロピリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,2−ヒドロキシ−N’−(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド,N’−(1−メチルエチリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(1−メチルプロピリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(1−メチルブチリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−サリチル酸ヒドラジド,N’−(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)−サリチル酸ヒドラジドである。
【0024】
前記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物の配合量は、0.1〜5.0重量部の範囲である。この配合量が0.1重量部よりも少ないと低発熱化の効果に乏しく、一方、5.0重量部を超えるとコスト・作業性に悪影響を及ぼす。好ましくは、かかるヒドラジド化合物を0.2〜1.5重量部の範囲で配合する。
【0025】
また、本発明に係るゴム組成物には、(C)成分として、窒素吸着比表面積(N2SA)が180〜270m2/gのシリカを配合する。N2SAがこの範囲よりも小さいと、十分な弾性率や破壊特性が得られず、一方、この範囲よりも大きいと、作業性が著しく悪化してしまう。ここで、N2SAは、ASTM D3037−84B法に従い測定した値である。かかるシリカの好適配合量としては、3〜30重量部程度である。
【0026】
本発明においては、上記(C)成分としてのシリカ以外の充填剤として、通常のカーボンブラック、水酸化アルミニウム、アルミナ、クレーのうち、いずれか1種または2種以上を含有してもよい。これらの中でも、カーボンブラックについては、窒素吸着比表面積(N2SA)50〜160m2/gで、DBP吸油量60〜150ml/100gのものが好ましい。この範囲よりも小さいと、発熱性能には優れるが、カット性の低下が著しく低下してしまう。一方、この範囲よりも大きいと、作業性が著しく低下してしまう。ここで、N2SAは前記と同様に測定した値であり、DBP吸油量については、ASTM D2414−93法に従い測定した値である。かかるカーボンブラックの配合量としては、好適には20〜80重量部である。
【0027】
また、本発明のゴム組成物中には、上記充填剤以外にも、作業性改良剤として、無水マレイン酸と(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステルからなる添加剤を、0.1〜5.0重量部にて配合することができる。配合量がこの範囲よりも少ないと、未加硫ゴムの粘度低減効果が少なく、この範囲より多くても、効果は頭打ちとなる。好ましくは、0.5〜3.0重量部である。
【0028】
かかる部分エステルとしては、下記一般式(II)、
Figure 2004196858
(式(II)中、mは平均重合度を表す1以上の数であり、R5はアルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基またはアシル基である)で表されるものを好適に用いることができる。なお、上記一般式(II)において、より好ましくは、mが3〜7であり、R5が炭素数8〜18のアルキル基またはアルケニル基である。
【0029】
このエステルは、(i)無水マレイン酸と、(ii)(ポリ)オキシプロピレン誘導体とを反応させることにより得ることができる。(ii)(ポリ)オキシプロピレン誘導体としては、ポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンミリスチルエーテル、ポリオキシプロピレンデシルエーテル、ポリオキシプロピレンオクチルエーテル、ポリオキシプロピレン−2−エチルへキシルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテルなどのポリオキシプロピレン脂肪族エーテル;ポリオキシプロピレンベンジルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンベンジル化フェニルエーテルなどのポリオキシプロピレン芳香族エーテルなどが挙げられるが、このうちポリオキシプロピレン脂肪族エーテルが好ましく、中でも特にポリオキシプロピレンラウリルエーテルが好ましい。
【0030】
また、ポリプロピレンの重合度が3〜7、アルキル基またはアルケニル基の炭素数が8〜18であることが好ましい。具体的には、ポリオキシプロピレンをPOP(r)と略し、rを各々平均重合度とすれば、POP(3)オクチルエーテル、POP(4)2−エチルへキシルエーテル、POP(3)デシルエーテル、POP(5)デシルエーテル、POP(3)ラウリルエーテル、POP(5)ラウリルエーテル、POP(8)ラウリルエーテル、POP(1)ステアリルエーテル、POP(5)ミリスチルエーテルなどが挙げられる。
なお、(ii)(ポリ)オキシプロピレン誘導体は、単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
【0031】
さらに、本発明に係る上記部分エステルは、原料の(i)無水マレイン酸を含有してもよい。かかる無水マレイン酸の含有量は、好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。さらにまた、上記部分エステルは、原料の(ii)(ポリ)オキシプロピレン誘導体を含有してもよく、その含有量としては、好ましくは40重量%以下、特に好ましくは20重量%以下である。
【0032】
上記(A)〜(D)成分が配合されてなるゴム組成物をベース部材に用いた本発明の空気入りタイヤは、優れた発熱性能および耐カット性を兼ね備えるものであり、特に、オフロードタイヤとして好適に用いることができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
下記の表1および表2に示す配合のタイヤゴム部材をトレッド部のベース部材として適用して、サイズ3700R57の供試タイヤを夫々作製した。なお、下記の各表中の配合量の単位は、全て重量部を表す。
【0034】
<発熱性能の評価>
各供試タイヤにつき、一定速度・ステップロード条件でのドラムテストを実施して、タイヤトレッド内部の一定深さ位置における温度を測定し、その結果を、コントロール(比較例1)の値を100として指数で表示した。指数の値が大きい程、低発熱化の効果が大きいことを示す。
【0035】
<耐カット性(外観性)の評価>
耐カット性については、2000時間走行後の各供試タイヤにおけるトレッドゴム表面30cm×30cmあたりのゴムの欠落していない面積率を求めて、その結果を、コントロールの値を100として指数で表示した。指数の値が大きい程、耐カット性が改良されたことを示す。
これらの結果につき、各供試タイヤの配合と併せて、下記の表1および表2中に示す。
【0036】
【表1】
Figure 2004196858
1)2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド
2)ノクラック6C(商品名、大内新興化学工業(株)製)
3)ノクセラーCZ(商品名、大内新興化学工業(株)製)
【0037】
【表2】
Figure 2004196858
1)2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド
2)ノクラック6C(商品名、大内新興化学工業(株)製)
3)ノクセラーCZ(商品名、大内新興化学工業(株)製)
【0038】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、従来技術における諸問題を解決して、重荷重用タイヤ、特に、悪路用大型タイヤに好適であって、発熱性能に優れ、かつ使用末期における外観性(耐カット性)が改良された空気入りタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例の発熱性能と耐カット性(外観性)の評価結果を示すグラフである。

Claims (7)

  1. (A)天然ゴムおよびジエン系合成ゴムのうちから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分と、該ゴム成分100重量部に対し、(B)融点120〜180℃のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン3〜20重量部と、(C)窒素吸着比表面積が180〜270m2/gであるシリカと、(D)下記一般式(I)、
    Figure 2004196858
    (式中、Aはアリーレン基、二価のヒダントイン残基または炭素数1〜18の飽和若しくは不飽和の二価の鎖状炭化水素基であり、Xは水素原子、水酸基、アミノ基または下記式、
    Figure 2004196858
    で表される基であり、R1〜R4は、夫々独立に水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基であり、R1とR2、R3とR4は、夫々互いに結合して環構造を形成していてもよい)で表されるヒドラジド化合物0.1〜5.0重量部と、が配合されてなるゴム組成物が、ベース部材に使用されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記一般式(I)中、Aがアリーレン基であり、かつ、Xが水酸基である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記(D)成分が、下記一般式(I−a)または一般式(I−b)、
    Figure 2004196858
    (式中、R1およびR2は前記と同様である)で表されるヒドラジド化合物である請求項2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ゴム組成物中に、無水マレイン酸と(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステルからなる添加剤が、0.1〜5.0重量部にて配合されている請求項1〜3のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ゴム成分が、天然ゴムを20重量%以上含む請求項1〜4のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ゴム組成物が、窒素吸着比表面積50〜160m2/gで、DBP吸油量60〜150ml/100gであるカーボンブラックを、前記ゴム成分100重量部に対して20〜80重量部にて含有する請求項1〜5のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  7. オフロードタイヤである請求項1〜6記載の空気入りタイヤ。
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