JP2004197247A - 製紙用ベルト基礎布並びにそれを用いた製紙用ベルト及びシュープレス用ベルト - Google Patents

製紙用ベルト基礎布並びにそれを用いた製紙用ベルト及びシュープレス用ベルト Download PDF

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Abstract

【課題】寸法変化が少なく、安定した回転状態を維持すると共に、局部的な表面摩耗を防止できる製紙用ベルト基礎布及び製紙用ベルトを提供する。
【解決手段】本発明の製紙用ベルト基礎布Aは、第1層経糸11、第2層経糸12、第3層経糸13、第4層経糸14及び第5層経糸15を緯糸2で織り込んだ、メッシュ数が縦68×横48(本/インチ)の緯糸一重経糸五重の織布であり、上記第1層経糸11〜第3層経糸13は、線径が0.35mmのPETモノフィラメントであり、上記第5層経糸15は、線径が0.35mmのナイロンモノフィラメントである。また、上記第4層緯糸は、線径が40μmのPETモノフィラメント384本で構成されるPETマルチフィラメントである。また、本発明の製紙用ベルトは、上記製紙用ベルト基礎布と、コーティング樹脂層とを備えており、シュープレス用ベルト等に好適に使用できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製紙用ベルト基礎布並びにそれを用いた製紙用ベルト及びシュープレス用ベルトに関し、更に詳しくは、使用中の寸法変化が少なく、安定した回転状態を維持すると共に、表面摩耗を均一して局部的な表面摩耗を防止することができる製紙用ベルト基礎布並びにそれを用いた製紙用ベルト及びシュープレス用ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より製紙工程においては、ワイヤーパートで脱水された湿紙を受け取ってプレスパートへ運び、プレスロールの間を通してさらに水を絞り、同時に湿紙の表面を平滑にしてドライパートに送るために各種製紙用ベルトが利用されている。特に近年、抄紙工程のプレスパートにおいて、湿紙の脱水効率を高めるために、高速で走行するフェルトに載置された湿紙の一方の面をプレスロールで押さえ、他方の面をエンドレスのシュープレス用ベルトを介して加圧シューで加圧して湿紙の脱水を行なう、いわゆるシュープレスが普及している。そして、このようなシュープレスにおいて使用される製紙用ベルトは、通常、織布により構成される基布を樹脂でコーティングした構成である。また、特に高速で抄紙する場合、紙切れを防止し、安定して湿紙を搬送するためのシートトランスファー用としても、同様の製紙用ベルトを使用することが検討されている。そして、このような各製紙工程において使用される製紙用ベルトとして、下記特許文献1及び2に記載されているような製紙用ベルトが既に知られている。
【0003】
【特許文献1】
実開昭59−54598号公報
【特許文献2】
特開2002−180393号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年、製紙効率向上の観点から、シュープレス等の製紙工程の更なる高速化が進められているところ、繰り返し圧縮により、製紙用ベルトを構成する基布が扁平化するために糸の屈曲の程度が低下し、その結果、製紙用ベルトに寸法変化が生じる。このような寸法変化が生じると、製紙用ベルトの回転状態の安定性に欠け、また、フクレ等による局部的な表面摩耗が生じる結果、製紙用ベルトの寿命低下を招く恐れがある。
そこで従来より、高速での回転状態においても、使用中の寸法変化が少なく、回転状態が安定であり、使用中の表面摩耗が均一となる製紙用ベルトが求められていた。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、使用中の寸法変化が少なく、安定した回転状態を維持すると共に、表面摩耗を均一して局部的な表面摩耗を防止することができる製紙用ベルト基礎布並びにそれを用いた製紙用ベルト及びシュープレス用ベルトを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下に示す通りである。
(1)上下5層に配置された第1層経糸、第2層経糸、第3層経糸、第4層経糸及び第5層経糸と、これら経糸を織り成す緯糸とから構成されることを特徴とする製紙用ベルト基礎布。
(2)上記第2層経糸〜第4層経糸のうちの少なくとも1つがマルチフィラメントである上記(1)記載の製紙用ベルト基礎布。
(3)上記第1層経糸〜第5層経糸のうちの少なくとも1つがポリプロピレン、ポリエステルモノフィラメント又はポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントである上記(1)又は(2)記載の製紙用ベルト基礎布。
(4)上記第1層経糸、上記第4層経糸及び上記第5層経糸のうちの少なくとも1つがポリアミドモノフィラメントである上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の製紙用ベルト基礎布。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の製紙用ベルト基礎布と、該製紙用ベルト基礎布の製紙面側面及び/又は走行面側面に設けられたコーティング樹脂層とを備えることを特徴とする製紙用ベルト。
(6)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の製紙用ベルト基礎布と、該製紙用ベルト基礎布の製紙面側面及び/又は走行面側面に設けられたコーティング樹脂層とを備えることを特徴とするシュープレス用ベルト。
【0007】
【発明の効果】
本発明の製紙用ベルト基礎布によれば、従来にない経糸五重構造とすることにより、寸法安定性を高め、回転状態を安定化させ、表面摩耗を均一にすることができる結果、高速で使用しても、従来の製紙用ベルトよりも長期にわたって使用することができる。
また、上記第2層経糸〜第4層経糸のうちの少なくとも1つをマルチフィラメントとすることにより、様々な硬さの製紙用ベルトとすることができる。
更に、上記第1層経糸〜第5層経糸のうちの少なくとも1つをポリプロピレン、ポリエステルモノフィラメント又はポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントとすることにより、さらに寸法安定性を向上させることができる。
また、上記第1層経糸、上記第4層経糸及び上記第5層経糸のうちの少なくとも1つをポリアミドモノフィラメントとすることにより、強度を維持して、使用時に安定した回転状態を維持することができる。
本発明の製紙用ベルトは、上記の優れた特性を有する本発明の製紙用ベルト基礎布を備えることにより、上記の優れた作用効果を発揮することができ、シュープレス用等の様々な用途に用いることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の製紙用ベルト基礎布及び製紙用ベルトの一例を図1に示す。
本発明の製紙用ベルト基礎布Aは、上下5層に配置された第1層経糸11、第2層経糸12、第3層経糸13、第4層経糸14及び第5層経糸15と、これら各経糸を織り成す緯糸2とから構成されている緯糸一重経糸五重の五層織物である。尚、本発明の製紙用ベルト基礎布において、上記第1層経糸〜第5層経糸は、製紙面側(湿紙が載置される側)を基準として数えるものとする。即ち、最も製紙面側に位置する経糸が上記第1層経糸であり、最も走行面側(上記製紙面側の反対側、シュープレス用ベルトであればシュー側)に位置する経糸が上記第5層緯糸である。
【0009】
本発明の製紙用ベルト基礎布は、上記のように経糸の本数を増やして多層構造とすることにより、縦方向の強度が高くなり、その結果、経方向の寸法変化への伸びが抑えられる。また、経糸の本数が増えることによって、プレスの際に圧縮力が加わっても、基礎布が潰れにくくなり、これにより、基礎布を構成する糸の動きが抑えられて緯方向の寸法変化も抑えることができる。そして、寸法変化、特に緯方向での寸法変化を抑えることにより、本発明の製紙用ベルト基礎布を用いた製紙用ベルトを使用した際に回転状態を安定化させ、表面摩耗を均一にすることができる結果、高速で使用しても、従来の製紙用ベルトよりも長期にわたって使用することができる。また、基礎布の糸密度を高め、これにより樹脂と糸とのからみを高めることができる結果、製紙用ベルトを構成する樹脂と製紙用ベルト基礎布の剥離が抑えて製紙用ベルトの寿命延長を図ることができる。
【0010】
上記第1層経糸〜第5層経糸として使用される糸は、用途によって選択すればよい。例えば、モノフィラメントの他、マルチフィラメント、スパンヤーン、捲縮加工や嵩高加工等を施した一般的にテクスチャードヤーン、バルキーヤーン、ストレッチヤーンと称される加工糸、あるいはこれらを撚り合わせる等して組み合わせた撚糸が使用できる。また、糸の断面形状も円形だけでなく四角形状や星型等の矩形状の糸や楕円形状、中空等の糸が使用できる。
【0011】
特に、上記第1層経糸〜第5層経糸として、複数本のモノフィラメントで構成されたマルチフィラメントを用いると、基礎布の強度を向上させると共に、樹脂塗布時に樹脂止めとしての役割を果たすので好ましい。上記マルチフィラメントを構成するモノフィラメントの線径及び本数についても特に限定はないが、通常、上記マルチフィラメントを構成するモノフィラメントの線径は10〜50μm、好ましくは10〜40μmであり、上記マルチフィラメントを構成するモノフィラメントの本数は通常700本以下、好ましくは200〜700本、更に好ましくは200〜500本である。また、上記マルチフィラメントを構成する各モノフィラメントの材質は、全て同じ材質でもよいが、異なる2種以上の材質であってもよい。更に、上記マルチフィラメントは、上記第1層経糸〜第5層経糸のいずれかに用いてもよいが、特に、上記第2層経糸〜第4層経糸のうちの少なくとも1つ(好ましくは上記第3層経糸及び/又は上記第4層経糸)として使用すると、樹脂塗布時に樹脂止めとしての役割を果たすことから、製紙面側の織物層及び走行面側の織物層でそれぞれ異なる硬度の樹脂を塗布することができる結果、様々な硬さの製品を提供することができるので好ましい。
【0012】
また、上記第1層経糸〜第5層経糸の材質については特に限定はなく、必要に応じて種々のものとすることができる。例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアミド(6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン等の各種ナイロン等)、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、アラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、綿、ウール、金属等が使用できる。また、共重合体やこれらの材質に目的に応じて種々の物質をブレンド又は含有させた糸を使用することもできる。
【0013】
上記第1層経糸〜第5層経糸のうちの少なくとも1つ(好ましくは上記第1層経糸〜第4層経糸のうちの少なくとも1つ、更に好ましくは上記第1層経糸〜第5層経糸のうちの少なくとも1つ、より好ましくは上記第2層経糸及び/又は第3層経糸)として、ポリプロピレン、ポリエステルモノフィラメント(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)又はポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントを使用することができる。これらの糸は寸法安定性に優れていることから、これらの糸を使用することにより、回転中の寸法変化を抑制し、回転状態をより安定化することができるので好ましい。また、ポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントは高強度、高モジュラスであることから、より回転中の寸法変化を抑制できるので好ましい。更に、上記第1層経糸、上記第4層経糸及び上記第5層経糸のうちの少なくとも1つとして、ポリアミドモノフィラメントを用いることができる。ポリアミドモノフィラメントは屈曲疲労やせん断に対して強い性質を有することから、かかる糸を用いることにより、樹脂クラック発生時に見られる糸の切断を防止し、強度を維持して安定した回転状態を維持できるので好ましい。尚、上記ポリプロピレン、ポリエステルモノフィラメント(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)及びポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントは、1種のみ使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0014】
また、本発明の製紙用ベルト基礎布において、上記第1層経糸〜第5層経糸の材質は、全て同じ材質でもよいが、異なる2種以上の材質のものとすることができる。このように2種以上の材質の糸を用いることにより、様々な特性を有する製紙用ベルト基礎布とすることができるので好ましい。特に本発明の製紙用ベルト基礎布は、経糸五重の構成であることから、経糸の材質の組み合わせとして、従来以上の様々なバリエーションが考えられ、その結果、従来の基礎布と比べて、より必要な特性に応じた基礎布とすることができるので好ましい。
【0015】
上記第1層経糸〜第5層経糸の線径についても特に限定はなく、要求性能に応じて種々のものを用いることができる。上記第1層経糸〜第5層経糸の線径としては、通常0.15〜0.45mm、好ましくは0.20〜0.45mm、更に好ましくは0.25〜0.40mmとすることができる。また、マルチフィラメントを用いる場合、該マルチフィラメントを構成するモノフィラメントの線径としては通常、10〜50μm、好ましくは10〜40μmであり、上記マルチフィラメントを構成する糸の本数は通常700本以下、好ましくは200〜700本、更に好ましくは200〜500本である
【0016】
本発明の製紙用ベルト基礎布において、上記第1層経糸〜第5層経糸の配置パターンについては特に限定はなく、必要に応じて種々の配置パターンとすることができる。通常は、図1に示すように、上記第2層経糸〜第5層経糸は、それぞれ製紙面側に隣接して位置する経糸に対して対をなさずに配置されているものとすることができる。即ち、上記第2層経糸〜第5層経糸は、それぞれ製紙面側に隣接して位置する経糸の垂直方向からずれた方向に配置することができる。具体的には、上記第2層経糸〜第5層経糸を、それぞれ製紙面側に隣接して位置する経糸の垂直方向からa1/2未満、好ましくa1/3未満、更に好ましくはa1/5未満である(a1;製紙面側経糸の線径)。かかる配置パターンとすることにより、本発明の製紙用ベルト基礎布の厚さを薄くすることができるので好ましい。
【0017】
本発明の製紙用ベルト基礎布を構成する上記緯糸は、上記第1層経糸〜第5層経糸を織り込むための糸である。本発明の製紙用ベルト基礎布における上記緯糸の織り込みパターンについては、上記第1層経糸〜第5層経糸を織り込むことができる限り特に限定はない。また、上記緯糸の材質及び線径についても特に限定はなく、例えば、材質としては、上記第1層経糸〜第5層経糸の説明中で列挙した各種材質のものを用いることができる。また、線径としては、通常0.15〜0.50mm、好ましくは0.20〜0.45mm、更に好ましくは0.25〜0.40mmとすることができる。
【0018】
(2)製紙用ベルト
本発明の製紙用ベルトの一例を図2に示す。本発明の製紙用ベルトBは、本発明の製紙用ベルト基礎布と、該製紙用ベルト基礎布Aの製紙面側面及び/又は走行面側面に設けられたコーティング樹脂層と、を備える。
本発明の製紙用ベルトは通常、上記本発明の製紙用ベルト基礎布に樹脂を含浸させて、上記コーティング樹脂層を形成することにより得られる。上記コーティング樹脂層は、本発明の製紙用ベルト基礎布の片面のみを樹脂でコーティングすることにより、片面にのみ設けてもよく、あるいは、両面をコーティングする等の方法により、本発明の製紙用ベルト基礎布の両面に設けてもよい。
【0019】
上記コーティング樹脂層を構成する樹脂の種類については特に限定はなく、必要に応じて様々な種類の樹脂を使用することができる。上記樹脂として通常はウレタン樹脂が用いられるが、その他に、摩耗や屈曲疲労に強く、クラックの入りにくい樹脂であれば、上記コーティング樹脂層を構成する樹脂として用いることができる。ウレタン樹脂は弾性に優れていることから、上記コーティング樹脂層を構成する樹脂としてウレタン樹脂を用いると、シュープレス用ベルトのように高圧がかかる部位に使用されるベルトとして好適に使用することができる。
【0020】
また、本発明の上記製紙用ベルト基礎布の両面に上記コーティング樹脂層を設ける場合、両方の上記コーティング樹脂層を構成する樹脂の種類は同じでもよく、あるいは異なる樹脂を用いてもよい。更に、同じ種類の樹脂を用いる場合でも、性状の異なる樹脂を用いることができる。例えば、図2に示すように、製紙面側の上記コーティング樹脂層には、比較的硬度の高い樹脂を用い、走行面側には比較的硬度が低い樹脂を用いるように、両面で異なる硬度の樹脂により上記コーティング樹脂層を設けることができる。このような構成とすることにより、 走行面側においてクラックが入りにくくして、オイル漏れ等を防ぐことができ、また、上下で樹脂の硬さを異ならせることにより、製紙面側の樹脂にクラックが入ったとしても、走行面側の樹脂までクラックが進行することを抑制することができる結果、寿命延長を図ることができるので好ましい。更に、上記コーティング樹脂層は単層でもよいが、上記のように、種類又は性状の異なる2種以上の樹脂を用いた多層でもよい。
【0021】
本発明の製紙用ベルトは、製紙工程における各種パートで使用されるベルトとして使用することができる。例えば、シュープレス用、カレンダー用、シートトランスファー用等のベルトとして使用することができる。本発明の製紙用ベルトは、本発明の製紙用ベルト基礎布を備えることにより、高圧下においても寸法安定性に優れていることから、特に高圧が加わるシュープレス用ベルトとして好適に使用することができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
(1)製紙用ベルト基礎布
本実施例1の製紙用ベルト基礎布の緯糸方向断面模式図を図1に示す。本実施例1の製紙用ベルト基礎布Aは、第1層経糸11、第2層経糸12、第3層経糸13、第4層経糸14及び第5層経糸15を緯糸2で織り込んだ、メッシュ数が縦68×横48(本/インチ)の緯糸一重経糸五重の織布である。
上記第1層経糸11〜第3層経糸13は、線径が0.35mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)モノフィラメントであり、上記第5層経糸15は、線径が0.35mmのナイロンモノフィラメントである。また、上記第4層緯糸は、線径が40μmのPETモノフィラメント384本で構成されるPETマルチフィラメント(3000デニール)である。そして、これらを織り込んでいる上記緯糸2は、線径が0.40mmのPETモノフィラメントである。
【0023】
実施例2の製紙用ベルト基礎布は、上記実施例1の第1層経糸を線径が0.35mmのナイロンモノフィラメントとした他は、上記実施例1と同じ構成である。また、実施例3の製紙用ベルト基礎布は、上記実施例1の第3層経糸を線径が40μmのPETモノフィラメント384本で構成されるPETマルチフィラメント(3000デニール)とし、第4層経糸を線径が0.35mmのナイロンモノフィラメントとした他は、上記実施例1と同じ構成である。更に、実施例4の製紙用ベルト基礎布は、上記実施例3の第1層経糸を線径が0.35mmのナイロンモノフィラメントとした他は、上記実施例3と同じ構成である。
【0024】
(2)製紙用ベルト
上記実施例1〜4の製紙用ベルト基礎布を用いて、実施例5〜8の製紙用ベルトを製造した。実施例5の製紙用ベルトの緯糸方向断面模式図を図2に示す。
実施例5の製紙用ベルトBは、樹脂材料であるウレタン樹脂中に上記実施例1の製紙用ベルトAが含まれている構成である。具体的には、上記実施例1の製紙用ベルトAについて、製紙面側にウレタン樹脂のコーティング樹脂層31を備え、走行面側にウレタン樹脂のコーティング樹脂層32を供えている。上記実施例1の製紙用ベルトAの上記第4層経糸14として使用されているPETマルチフィラメントは、樹脂止めとしての作用を有していることから、これより製紙面側はコーティング樹脂層31となり、これより走行面側はコーティング樹脂層32となる。また、上記コーティング樹脂層31及び32はいずれも材質がウレタン樹脂であるが、両者の樹脂硬度は異なっている。即ち、上記コーティング樹脂層31の樹脂硬度は95°であり、上記コーティング樹脂層32の樹脂硬度は90°であることから、製紙面側の方が硬度が高い構成となっている。
【0025】
上記実施例5〜8の各製紙用ベルトは、以下の方法により製造した。即ち、上記実施例1〜4の各製紙用ベルト基礎布を用い、最初に、上記コーティング樹脂層32を構成するウレタン樹脂を上記実施例1〜4の各製紙用ベルト基礎布の走行面側に塗布し、乾燥硬化後、上記実施例1〜4の各製紙用ベルト基礎布を裏返して、上記コーティング樹脂層31を構成するウレタン樹脂を上記実施例1〜4の各製紙用ベルト基礎布の製紙面側に塗布し、乾燥硬化させることによって、コーティング樹脂層31及び32を設けて、実施例5〜8の各製紙用ベルトを製造した。
【0026】
尚、本発明においては、前記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて種々変更した実施例とすることができる。例えば、本発明の製紙用ベルトにおいて、搾水効率を高めるために、製紙面側コーティング樹脂層に搾水用の溝を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例1の製紙用ベルト基礎布の緯糸方向断面模式図である。
【図2】本実施例5の製紙用ベルトの緯糸方向断面模式図である。
【符号の説明】
A;製紙用ベルト基礎布、11;第1層経糸、12;第2層経糸、13;第3層経糸、14;第4層経糸、15;第5層経糸、2;緯糸。31,32;コーティング樹脂層。

Claims (6)

  1. 上下5層に配置された第1層経糸、第2層経糸、第3層経糸、第4層経糸及び第5層経糸と、これら経糸を織り成す緯糸とから構成されることを特徴とする製紙用ベルト基礎布。
  2. 上記第2層経糸〜第4層経糸のうちの少なくとも1つがマルチフィラメントである請求項1記載の製紙用ベルト基礎布。
  3. 上記第1層経糸〜第5層経糸のうちの少なくとも1つがポリプロピレン、ポリエステルモノフィラメント又はポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントである請求項1又は2記載の製紙用ベルト基礎布。
  4. 上記第1層経糸、上記第4層経糸及び上記第5層経糸のうちの少なくとも1つがポリアミドモノフィラメントである請求項1乃至3のいずれかに記載の製紙用ベルト基礎布。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の製紙用ベルト基礎布と、該製紙用ベルト基礎布の製紙面側面及び/又は走行面側面に設けられたコーティング樹脂層とを備えることを特徴とする製紙用ベルト。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載の製紙用ベルト基礎布と、該製紙用ベルト基礎布の製紙面側面及び/又は走行面側面に設けられたコーティング樹脂層とを備えることを特徴とするシュープレス用ベルト。
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