JP2004197848A - 軸封装置及びターボ圧縮機 - Google Patents

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【課題】加工が容易で、また支持部材への固定が容易な軸封装置及び該軸封装置を備えることによりケーシングへの固定が容易なターボ圧縮機を提供する。
【解決手段】軸受12が支持部材(ケーシング)14で支持され、支持部材14の支持部で軸封部を構成している軸封装置において、軸封部は、ガス雰囲気側に配置されガスの漏洩を防止するガスシールラビリンス11と、油雰囲気側に配置され油の漏洩を防止する油シールラビリンス13とから構成され、ガスシールラビリンス11の外径と油シールラビリンス13の外径とが、略同一になっている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸封装置及び該軸封装置を備えるターボ圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遠心羽根車、斜流羽根車もしくは軸流羽根車を備えるターボ圧縮機は羽根車を回転させることで、対象ガスの圧力を吸い込みガスよりも高める回転流体機械である。ターボ圧縮機は、回転部分すなわち回転軸を、非回転部分すなわちケーシングで支持しなければならない。回転軸が動作するためにはケーシングと適当な隙間を有する必要があるが、ターボ圧縮機では、隙間部分から圧力を高めた対象ガスが漏洩するためリング状のガスシールラビリンスを回転軸に取り付けて漏れを最小限に抑えている。
【0003】
また、摩擦や摩耗を防ぐために軸受等の支持部と駆動部との間には潤滑油が適用されるが、潤滑油が対象ガスへ漏洩しない方が望ましい。この潤滑油の漏れを防ぐためには、リング状の油シールラビリンスを回転軸に装着することが有効である。軸受側(油雰囲気側)に油シールラビリンスを配置し、羽根車側(ガス雰囲気側)にガスシールラビリンスを配置することによって効果的に潤滑油と対象ガスの漏洩を防ぐことができる。
【0004】
さらに、潤滑油と対象ガスとの漏洩を防ぎつつ円滑に回転軸を回転させるために、各ラビリンスの内外径およびケーシング内径、回転軸外径には厳格な加工精度が要求される。各ラビリンスの内側は回転軸と接触しないように隙間が必要とされ、各ラビリンス外側は漏れを防ぐために隙間は少ない方がよい。また回転軸外径、各ラビリンス外径、ケーシング内径が同心であることも重要である。
【0005】
従来の技術では、油シールラビリンスとガスシールラビリンスとをケーシングに固定する軸封装置として、該油シールラビリンスもしくはガスシールラビリンスをボルトなどにより直接ケーシングと固定する構造や、ケーシングに各シールラビリンスに対応するインローが設けられ、シールラビリンスの軸方向の動きを拘束する構造のものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−280383号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、シールラビリンスを固定するために、ボルトなどによりケーシングに直接固定するか、油シールラビリンスとガスシールラビリンスの外径を変え、各々のラビリンスがケーシングのインロー部分によって軸方向に拘束される構造が採用されている。しかし、こういった構造では組み立ての工程が増え、また、ケーシングに高い加工精度が必要とされる。
【0008】
本発明の目的は、加工が容易であり、またケーシングなどの支持部材への固定、組み立てが容易な軸封装置を提供することにある。
また本発明の目的は、上記軸封装置を備えることによってケーシングへの固定、組み立てが容易なターボ圧縮機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る軸封装置は、軸受が支持部材で支持され、該支持部材の支持部で軸封部が構成されている軸封装置において、前記軸封部は、ガス雰囲気側に配置されガスの漏洩を防止するガスシールラビリンスと、油雰囲気側に配置され油の漏洩を防止する油シールラビリンスとから構成され、該ガスシールラビリンスの外径と油シールラビリンスの外径とが、略同一になっているものである。
より詳しくは、前記油シールラビリンスの外周表面に環状突起が形成され、該油シールラビリンスを支持する支持部材の孔内周面に環状溝が形成され、該環状溝に該環状突起が嵌合して油シールラビリンスが支持部材に支持されるものである。
【0010】
また、前記ガスシールラビリンス及び前記油シールラビリンスは2分割され、該ガスシールラビリンス及び油シールラビリンスのいずれか一方の外周表面に環状溝が形成され、該ガスシールラビリンスもしくは油シールラビリンスと対面する他方の油シールラビリンスもしくはガスシールラビリンス外周表面に環状突起が形成され、該環状溝に該環状突起が嵌合して両者が結合しているものである。また、前記ガスシールラビリンスと前記油シールラビリンスと前記軸受の外径は、略同一とするものである。
【0011】
上記目的を達成するために本発明に係る軸封装置を備えるターボ圧縮機は、羽根車と、該羽根車を回転駆動する回転軸と、該回転軸を支持する軸受と、該軸受を支持するケーシングに軸封装置を備えるターボ圧縮機において、前記軸封装置は、羽根車側に配置されガスの漏洩を防止するガスシールラビリンスと、軸受側に配置され油の漏洩を防止する油シールラビリンスとから構成され、該ガスシールラビリンスの外径と油シールラビリンスの外径とが、略同一になっている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、遠心羽根車を備えるターボ圧縮機の例を示すもので、その縦断面図である。
【0013】
まず、ターボ圧縮機の概略構造について説明する。
ターボ圧縮機は、ケーシング1、該ケーシング1内に螺旋状流路を形成するためのシュラウド2、該シュラウド2の中心に吸込口側が位置し、吐出口側が該シュラウド2に位置するように配置された遠心羽根車3、前記ケーシング1にボルト5によって固定され、該ケーシング1を密閉して吸込流路4を形成する蓋6から構成されている。
【0014】
上記構成において、遠心羽根車3が図示しない回転駆動源により回転されると吸込口側からガスが吸い込まれる。該吸い込まれたガスは遠心羽根車3により圧縮されて螺旋状流路に流入し、螺旋状流路を旋回しながら所定の圧力まで昇圧され、該昇圧したガスは、例えば多段ターボ圧縮機の場合には次段の圧縮機に吸い込まれる。
【0015】
遠心羽根車3を回転駆動する回転軸7は、回転駆動源から伝わるトルクによってギヤー8、該ギヤー8と噛み合うピニオン9を介して回転駆動される。羽根車3とスラストカラー10A,10Bとは、キーもしくは焼嵌めなどにより回転軸7と一体構造になっている。回転軸7に伝わったトルクは羽根車3へ伝達され、該羽根車3の回転によって対象ガスが圧縮される。対象ガスを圧縮する際に、羽根車3の吸込口側と吐出口側とで圧力差が生じ、該圧力差が主な原因となって回転軸7に左方向へスラスト力が発生する。該スラスト力は、前記スラストカラー10A,10Bのうち、10Bによって受け止められる。より詳しくは、該スラストカラー10A,10Bはギヤー8の左右側面の端部に接触することによって左右方向のスラスト力が受け止められる構造になっている。またギヤー8は、ラジアル力及びスラスト力の両方を受け止める図示しない軸受によって支持されている。
【0016】
次に軸封部について説明する。
羽根車3の背面部分のケーシング1には、該ケーシング1を貫通する孔内にガスシールラビリンス6が挿入され、該圧縮ガスが回転軸7とラビリンス11B(図2参照)との間から軸受側(油雰囲気側)へ漏洩することを防止している。また、ピニオン9及び軸受12(実施例では、すべり軸受)には、回転を円滑にするために潤滑油が図示しない方法によって噴射される。また、該潤滑油が回転軸7とラビリンス13B(図2参照)との間から羽根車3側(ガス雰囲気側)へ漏洩することを防止するために油シールラビリンス13が設けられる。該油シールラビリンス13は、ガスシールラビリンス11と軸受12との間に配置される。これらガスシールラビリンス11と油シールラビリンス13とは、後述する方法により結合して軸封部が構成されている。
【0017】
図2は、軸封部を構成するガスシールラビリンス11及び油シールラビリンス13の斜視図である。
ガスシールラビリンス11は2分割され、その外周表面には断面がL字型の環状溝11Aが形成され、孔内周面には回転軸7との間の間隙が適正に維持され、ガスの漏洩を防止できるようにラビリンス11Bが形成されている。同様に、油シールラビリンス13も2分割され、ガスシールラビリンス11と対面する外周表面にも断面がL字型の環状突起13Aが形成されており、前記環状溝11Aと嵌合するようになっている。また、油シールラビリンス13の孔内周面にも回転軸7との間の間隙が適正に維持され、油の漏洩を防止できるようにラビリンス13Bが形成されている。
【0018】
さらに油シールラビリンス13の外周表面には、環状突起13Cが形成されている。該環状突起13Cは、ケーシング14(支持部材)の孔内周面に形成されている環状溝14B(図1、後述する図3参照)に嵌合して、油シールラビリンス13がケーシング14に固定、支持されるためのものである。
【0019】
図3は、ターボ圧縮機を一部要素のみ分解図で示したものであり、本実施例は複数個の圧縮機(図では1個)を配列し圧力を徐々に高める多段ターボ圧縮機の例である。
ケーシング14の軸封部の内周表面には、油シールラビリンス13の環状突起13Cと嵌合するように環状溝14Bが形成されている。ケーシング14の箱内には、ギヤー8、ピニオン9などが収納されるギヤー室14Cが形成されている。
【0020】
上記構成において、ターボ圧縮機の組み立て方の例を説明する(ただし、この例にとらわれることはない)。
(1)ガスシールラビリンス11及び油シールラビリンス13が配置され
る部分の孔径が、同一もしくは略同一に加工されたケーシング14が準備される。油シールラビリンス13の配置部にはさらに環状溝14Bが加工され、また、軸受12が配置される部分の孔径も前記孔径と同一もしくは略同一に加工されている。ケーシング14は、2分割構造であるので、上方,下方部材が準備される。またケーシング1は、ケーシング14の下方部材に、すでに取り付けられている。
(2)ケーシング14の下方部材に、回転軸7(すでに羽根車3、スラストカラー10A,10B、ピニオン9が取り付けられた状態)が設置される(ただし、両端に羽根車を要する回転軸の場合には、片側の羽根車が後の工程で取り付けられる)。
(3)回転軸7を支持しながら、軸受17の半割れ(下方部材)が設置される。その後、軸受12の片割れ(上方部材)が設置される。
(4)ガスシールラビリンス11の下方部材が所定の位置に設置され、油シールラビリンス13の下方部材の環状突起13A及び環状突起13Cが、該ガスシールラビリンス11の環状溝11A及びケーシング14の環状溝14Bと嵌合するようにして、該油シールラビリンス13の下方部材が設置される。
(5)同様に、ガスシールラビリンス11及び油シールラビリンス13の上方部材が設置される。
(6)回転軸両端に羽根車が取り付けられる場合には、残りの羽根車を取り付ける。
(7)ギヤー8及びその他回転駆動源の部材がケーシング14に取り付けられる。
(8)シュラウド2、蓋6が取り付けられる。
(9)ケーシング14の上方部材が、下方部材に取り付けられる。
【0021】
以上に説明したように、ガスシールラビリンス11と油シールラビリンス13とをケーシング14に固定する際に、及びガスシールラビリンス11を油シールラビリンス13に固定する際に、ボルトなどの固定具を用いる必要が全くない。このため、ガスシールラビリンス11及び油シールラビリンス13のケーシング14(支持部材)への固定が容易な軸封装置が得られる。また、ケーシング14の軸封部の孔径が同一もしくは略同一であるので加工工数が低減され、加工が容易になる。
したがって、上記軸封装置を備えるターボ圧縮機のケーシング14への固定が容易になる。
なお、環状溝14Bの加工も必要となるが、各ラビリンスシール外径とケーシング孔径に要求される加工精度ほど高精度が要求されない。そのため、ケーシング14の加工工数が低減される。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、加工が容易であり、またシールラビリンスの位置決め、支持部材への固定が容易な軸封装置が得られる。
また本発明によれば、上記軸封装置を備えることによってケーシングなどへの固定が容易なターボ圧縮機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遠心羽根車を備えるターボ圧縮機の縦断面図である。
【図2】軸封部を構成するガスシールラビリンス及び油シールラビリンスの斜視図である。
【図3】ターボ圧縮機を分解図で、一部要素のみ示したものである。
【符号の説明】
1…ケーシング、2…シュラウド、3…羽根車、4…吸込流路、5…ボルト、6…蓋、7…回転軸、ピニオン、8…ギヤー、9…ピニオン、10A,10B…スラストカラー、11…ガスシールラビリンス、11A…環状溝、12…軸受、13…油シールラビリンス、13A…環状突起、13B…ラビリンス、13C…環状突起、14…ケーシング(支持部材)、14B…溝、14C…ギヤー室。

Claims (5)

  1. 軸受が支持部材で支持され、該支持部材の支持部で軸封部が構成されている軸封装置において、
    前記軸封部は、前記ガス雰囲気側に配置されガスの漏洩を防止するガスシールラビリンスと、油雰囲気側に配置され油の漏洩を防止する油シールラビリンスとから構成され、
    該ガスシールラビリンスの外径と油シールラビリンスの外径とが、略同一になっていることを特徴とする軸封装置。
  2. 前記油シールラビリンスの外周表面に環状突起が形成され、該油シールラビリンスを支持する支持部材の孔内周面に環状溝が形成され、該環状溝に該環状突起が嵌合して油シールラビリンスが支持部材に支持されることを特徴とする請求項1記載の軸封装置。
  3. 前記ガスシールラビリンス及び前記油シールラビリンスは2分割され、該ガスシールラビリンス及び油シールラビリンスのいずれか一方の外周表面に環状溝が形成され、該ガスシールラビリンスもしくは油シールラビリンスと対面する他方の油シールラビリンスもしくはガスシールラビリンス外周表面に環状突起が形成され、該環状溝に該環状突起が嵌合して両者が結合していることを特徴とする請求項1記載の軸封装置。
  4. 前記ガスシールラビリンスと前記油シールラビリンスと前記軸受の外径は、略同一とすることを特徴とする請求項1記載の軸封装置。
  5. 羽根車と、該羽根車を回転駆動する回転軸と、該回転軸を支持する軸受と、該軸受を支持するケーシングに軸封装置を備えるターボ圧縮機において、
    前記軸封装置は、前記羽根車側に配置されガスの漏洩を防止するガスシールラビリンスと、前記軸受側に配置され油の漏洩を防止する油シールラビリンスとから構成され、該ガスシールラビリンスの外径と油シールラビリンスの外径とが、略同一になっていることを特徴とするターボ圧縮機。
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