JP2004197871A - 電磁式動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転ケースに対する、ダストシールのシール性とベアリングの支持性とを高く保ちながら、回転ケースを軽量な非磁性材料で作り、低コストで構成し、トルク伝達機能と車両の操縦性や走行性を安定させる。
【解決手段】収容された防護ケーシング15の開口部109側で、回転ケース3をケーシング15に支承するベアリング17と、回転ケース3と摺動するシール部103,105を有するダストシール19とを備え、シール部103,105と接触する回転ケース3側に、シール部103,105との摺動による摩耗を低減させる摩耗低減手段127を設けた。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、4輪駆動車で2輪駆動時に切り離される前輪側または後輪側のプロペラシャフト上に配置され、防護ケーシングに収容された電磁式動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来の駆動力伝達装置501を示している(特許文献1参照)。
【0003】
この駆動力伝達装置501は、回転ケース503、インナーシャフト505、多板式のメインクラッチ507、ボールカム509、プレッシャープレート511、カムリング513、多板式のパイロットクラッチ515、アーマチャ517、電磁石519などから構成されている。
【0004】
駆動力伝達装置501は4輪駆動車において、2輪駆動走行時に切り離される後輪とトランスファとを連結する後輪側駆動系に配置されており、回転ケース503はプロペラシャフトに連結され、インナーシャフト505はリアデファレンシャルのドライブピニオンシャフトに連結されている。
【0005】
電磁石519を励磁すると、磁束ループが形成されてアーマチャ517が吸引され、パイロットクラッチ515を押圧し締結させる。パイロットクラッチ515が締結されると、パイロットトルクが生じてボールカム509にエンジンの駆動力が掛かり、発生したカムスラスト力によってメインクラッチ507が押圧され、駆動力伝達装置501(メインクラッチ507)が連結されて後輪側に駆動力が伝達され、車両は4輪駆動状態になる。
【0006】
また、電磁石519の励磁電流を制御すると、パイロットクラッチ515の滑り率に変化が生じてボールカム509のカムスラスト力が変わり、メインクラッチ507の押圧力が変化して後輪に送られる駆動力の大きさが変わるから、前後輪間の駆動力配分比を制御できる。
【0007】
また、電磁石519の励磁を停止すると、パイロットクラッチ515が開放されてボールカム509のカムスラスト力が消失し、メインクラッチ507が開放されて駆動力伝達装置501の連結が解除され、後輪側が切り離されて車両は2輪駆動状態になる。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−153157号公報(第9頁、図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、駆動力伝達装置501のように、プロペラシャフトと共にシャシーの裏面に配置された動力伝達装置は、走行中に衝突する恐れのある飛石のような飛来物や段差部などから保護するために、防護ケーシング521に収容されており、動力伝達装置の外側ケーシング(回転ケース503)は、ベアリング523によってこの防護ケーシング521に支承されている。
【0010】
また、防護ケーシング521の軸方向には、動力伝達装置とプロペラシャフト側とを連結するための開口部525が設けられており、通常この開口部525では、防護ケーシングと回転ケース503との間に、異物や塵埃などの侵入を防止するためのシール(ダストシール)が配置される。このダストシールは、防護ケーシング521側に固定され、回転ケース503と摺動するように配置される。
【0011】
一方、電磁式動力伝達装置では、電磁石の磁束の漏洩を防止するために、また、軽量化して慣性モーメントを小さくしエンジンの燃費を向上させるために、外側ケーシング(回転ケース503)が非磁性材料のアルミニューム合金で軽量に作られている。
【0012】
しかし、アルミニューム合金は比較的軟質であるから、シールとの摺動によって摩耗が生じることは避け難い。
【0013】
回転ケース503が摩耗すると、生じた摩耗粉が、近接して配置されている上記のベアリング523に侵入してベアリング523を摩耗させることがあり、ベアリング523が摩耗するとセンターリング機能が低下し、動力伝達装置やプロペラシャフトなどに振動が発生するから、トルク伝達機能が不安定になり、車両の操縦性や安定性が低下する上に、動力伝達装置とプロペラシャフトやこれらの周辺の継ぎ手などに無理な力が掛かり、耐久性を低下させる恐れがある。
【0014】
しかし、摩耗粉の侵入を軽減させるために、ベアリング523をダストシールから離して配置しても、微細な摩耗粉は振動などによって広い範囲に拡散するから、摩耗粉の侵入は防止できない。
【0015】
また、ベアリング523を開口部525から離して配置すると、動力伝達装置の支持機能とセンターリング機能がそれだけ低下して、動力伝達装置に振動が発生する恐れがある。
【0016】
また、動力伝達装置では、レイアウトによっては電磁石が防護ケーシング等に支持される場合があり、この場合、動力伝達装置に振動が発生すると、駆動力伝達装置501では、磁路の相手側部材527と電磁石519との間に設けられているエアギャップ529の隙間を所定の値に保つことができなくなる。
【0017】
エアギャップ529が変動すると、磁束ループ(磁力)も変動し、パイロットクラッチ515のパイロットトルクとメインクラッチ507の伝達トルクが不安定になり、上記と同様に、車両の操縦性や安定性が低下し、さらに、エアギャップ529で、相手側部材527と電磁石519とが接触すると、双方が摩耗して、耐久性を低下させる恐れが生じる。
【0018】
しかし、磁束の漏洩と摩耗を防止するために回転ケース503を、非磁性材料のオーステナイト系ステンレス鋼で作ると、加工が困難であることと、高価な材料であることによって、コストが大きく上昇する。
【0019】
そこで、この発明は、ケーシングに収容され、シールのシール性と回転ケースに対するベアリングの支持性とを高く保ちながら、回転ケースを軽量な非磁性材料で作ることができ、低コストに構成されると共に、トルク伝達機能及び車両の操縦性や走行性を安定させる電磁式動力伝達装置の提供を目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された電磁式動力伝達装置は、回転ケースを有すると共に、少なくとも軸方向一側に開口部が設けられたケーシングに収容され、前記開口部から外部に露出した電磁式動力伝達装置であって、前記開口部側で、前記回転ケースの外周面を前記ケーシングの内周面に支承するベアリングと、前記ケーシングの内周面に支持され、前記回転ケースの外周面と接触しながら摺動するシール部を有するシールとを備え、前記シールのシール部と接触する前記回転ケースの摺動部に、前記シール部との摺動による摩耗を低減させる摩耗低減手段を設けたことを特徴としている。
【0021】
このように、請求項1の電磁式動力伝達装置では、シールのシール部と接触する回転ケースの摺動部に、摩耗低減手段を設けたことによって摩耗を低減させ、摩耗粉の量を大幅に低減させている。
【0022】
従って、シールとベアリングとが近接して配置されていても、摩耗粉がベアリングに侵入することが実質的に防止されるから、摩耗粉の侵入や噛み込みによるベアリングの摩耗や回転ロック、ベアリングの摩耗による支持機能やセンターリング機能の低下、電磁式動力伝達装置とこれに連結されたプロペラシャフトや継ぎ手などの振動、これらに無理な力が掛かって生じる耐久性の低下などが防止される。
【0023】
また、摩耗粉の侵入を軽減させるためにベアリングをシールから離して配置する必要がなくなるから、これに伴って、電磁式動力伝達装置の支持機能及びセンターリング機能の低下、振動の発生なども防止される。
【0024】
また、電磁式動力伝達装置の振動が防止されると、ケーシングに支持されている電磁石と磁路の相手側部材とのエアギャップが所定の値に保たれるから、エアギャップの変動による磁力の変動、磁力の変動による電磁式動力伝達装置の性能低下が防止され、さらに、エアギャップでの電磁石と相手側部材との接触、双方の摩耗、耐久性の低下なども防止される。
【0025】
これらの理由により、電磁式動力伝達装置のトルク伝達機能が安定し、車両の操縦性や安定性が高く保たれる。
【0026】
また、シールとの摺動による摩耗が生じないから、例えば、アルミニューム合金のような軽量の非磁性材料で回転ケースを作ることが可能になり、電磁石の磁力ロスが防止されて電磁式動力伝達装置の性能が向上し安定すると共に、電磁式動力伝達装置が軽量化されて慣性モーメントが小さくなり、エンジン(原動機)の燃費が向上する。
【0027】
また、アルミニューム合金でも摩耗が防止されるから、摩耗を防止するために回転ケースをオーステナイト系ステンレス鋼のような高価で加工が難しい材料で作る必要がなくなり、材料コストと加工コストの上昇が避けられる。
【0028】
請求項2の発明は、請求項1に記載された電磁式動力伝達装置であって、前記摩耗低減手段が、前記シールのシール部より高い硬度を持つことにより摩耗を低減させる表面硬化部であることを特徴とし、請求項1の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0029】
また、この表面硬化部を回転ケースの摺動部にだけ施せば、本発明を極めて低コストに実施できる。
【0030】
請求項3の発明は、請求項2に記載された電磁式動力伝達装置であって、前記回転ケースが、アルミニューム合金製であり、前記表面硬化部が、前記回転ケースに施され、前記シールのシール部に対して高い耐摩耗性を有するアルマイト皮膜であることを特徴とし、請求項2の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0031】
また、請求項1で説明したように、回転ケースをアルミニューム合金で作ったことにより、電磁石の磁力ロスが防止され、電磁式動力伝達装置の性能が向上し安定すると共に、電磁式動力伝達装置が軽量化されて慣性モーメントが小さくなり、エンジンの燃費が向上する。
【0032】
また、アルマイト処理は回転ケースの摺動部にだけ施すことが可能であるから、この構成は、極めて低コストに実施できる。
【0033】
請求項4の発明は、請求項2に記載された電磁式動力伝達装置であって、前記表面硬化部が、前記回転ケースに施され、前記シールのシール部に対して高い耐摩耗性を有するメッキ層であることを特徴とし、請求項2の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0034】
また、例えば、クロム(Cr)やニッケル(Ni)のようなメッキ層は、表面処理コストが安価である上に、極めて大きい耐摩耗性が得られる。
【0035】
請求項5の発明は、請求項1に記載された電磁式動力伝達装置であって、前記摩耗低減手段が、前記回転ケースに装着され、前記シールのシール部に対して高い耐摩耗性を有するリングであることを特徴とし、請求項1の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0036】
また、このように回転ケースと摩耗低減手段(リング)とを別体にしたことにより、リングを自由に選択して高い耐摩耗性を得ることができる上に、例え、このリングが比較的高価であっても、使用量が僅かであるから、コストに対して大きな負担を与えない。
【0037】
請求項6の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載された電磁式動力伝達装置であって、前記ケーシングと前記回転ケースの一方に装着されて前記開口部を覆うと共に、前記ケーシングと前記回転ケースの他方との間にエアギャップを介してオーバーラップ部を形成するカバーが配置され、前記シールには、前記カバーと接触するシール部が設けられており、このシール部には、前記オーバーラップ部のエアギャップからの空気圧を受けて前記カバーに押圧される方向の傾斜が与えられていることを特徴とし、請求項1〜請求項5の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0038】
また、この構成では、ケーシングと回転ケース間に配置したカバーのカバー機能により、走行中に飛来し、ケーシングの開口部から侵入する小石のような障害物からシールが保護され、シール機能が保全される。
【0039】
また、カバーと接触するシール部(リップ)をシールに設けると共に、回転ケースとの間にエアギャップを介して設けられたオーバーラップ部からの塵埃等の浸入を受けるとカバーに押圧される方向の傾斜を、このシール部に与えたことにより、塵埃がエアギャップから侵入しても、このシール部で遮断されるから、その内側のリップに対する負担が大きく軽減され、耐久性が向上する。
【0040】
請求項7の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載された電磁式動力伝達装置であって、前記回転ケースを一側のトルク伝達部材とし、その内側に同軸配置された他側のトルク伝達部材と、両トルク伝達部材の間に配置されたメインクラッチと、前記トルク伝達部材の一方と中間部材との間に配置されたパイロットクラッチと、前記トルク伝達部材の他方に対して移動自在に連結されたプレッシャープレートと、アーマチャを移動操作し、前記パイロットクラッチを押圧して締結させる電磁石と、プレッシャープレートと前記中間部材との間に配置され、前記パイロットクラッチが連結されると前記両トルク伝達部材間のトルクを受けて作動し、前記プレッシャープレートを移動させて前記メインクラッチを連結させるカム機構とを備えたことを特徴とし、請求項1〜請求項6の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図1によって第1実施形態の電磁式カップリング1(電磁式動力伝達装置)を説明する。
【0042】
この電磁式カップリング1は、4輪駆動車において2輪駆動時に切り離される後輪側の動力伝達系に配置されており、図1の左方はこの車両の前方(エンジン側)に相当する。
【0043】
電磁式カップリング1は、回転ケース3(一側のトルク伝達部材)、インナーシャフト5(他側のトルク伝達部材)、多板式のメインクラッチ7、ボールカム9(カム機構)、多板式のパイロットクラッチ11、電磁石13、防護ケーシング(ケーシング)15、両側シール型のボールベアリング17(ベアリング)、ダストシール(シール)19、ダストカバー(カバー)21、コントローラなどから構成されている。
【0044】
電磁式カップリング1は、トランスファ側プロペラシャフトとリヤデフ側ドライブピニオンシャフトとの間に配置されている。
【0045】
また、防護ケーシング15は、リアデフキャリア前部側に設けられた開口にボルト止めされ車体側に支承されている。
【0046】
これらの防護ケーシング15とデフキャリアは、それぞれが鉄系合金で作られており、スタッドピンによって位置合わせをした後、上記のように、ボルトで互いに連結されている。
【0047】
電磁式カップリング1は、防護ケーシング15に収容されており、走行中に飛来する石などの異物や、走行中に遭遇する段差部や凸部との衝突から保護されている。
【0048】
回転ケース3は、アルミニューム合金(非磁性体)で作られている有底の円筒部材25、鉄系合金(磁性体)で作られているロータ27などから構成されている。
【0049】
ロータ27は、円筒部材25の後部側開口に螺着され、ナット28のダブルナット機能によって固定されている。
【0050】
円筒部材25の前端は、ボールベアリング17を介して防護ケーシング15に支承されており、ロータ27は、両側シール型のボールベアリング29と電磁石13のコア31とを介してデフキャリアに支承されている。
【0051】
円筒部材25の前端はスタッドボルト33によってコンパニオンフランジが固定されており、このコンパニオンフランジには継ぎ手のジョイントフォークが一体に形成されている。
【0052】
円筒部材25はこの継ぎ手を介してトランスファ側のプロペラシャフトに連結されており、エンジンの駆動力はこれらの動力伝達部材を介して円筒部材25(回転ケース3)に伝達される。
【0053】
インナーシャフト5は、後方から回転ケース3に貫入しており、前端部をボールベアリング35によって円筒部材25に支承され、後部側をニードルベアリング37によってロータ27に支承されている。また、インナーシャフト5はスナップリング39,41とボールベアリング35により回転ケース3に対して軸方向に位置決めされている。
【0054】
インナーシャフト5にはドライブピニオンシャフトがスプライン連結されており、インナーシャフト5の回転はリヤデフに伝達される。
【0055】
回転ケース3の円筒部材25とロータ27との間にはOリング43が配置されている。また、ロータ27とインナーシャフト5との間には、ニードルベアリング37の後方に、断面がX字状のシールであるXリング45が配置されている。これらのOリング43とXリング45によって電磁式カップリング1(回転ケース3)は密封されている。
【0056】
密封された回転ケース3には、円筒部材25に設けられたオイル孔47からオイルが注入されており、オイルを注入した後このオイル孔47はチェックボール49を圧入してシールされている。また、円筒部材25には、オイル孔47と対応した位置に、オイル流路になる空間51が設けられている。
【0057】
メインクラッチ7は、回転ケース3とインナーシャフト5との間に配置されており、そのアウタープレート53は回転ケース3(円筒部材25)の内周に形成されたスプライン部55に連結され、インナープレート57はインナーシャフト5の外周に形成されたスプライン部59に連結されている。
【0058】
ボールカム9は、プレッシャープレート61とカムリング63(中間部材)との間に配置されている。
【0059】
プレッシャープレート61は、内周をインナーシャフト5のスプライン部59に連結されており、下記のように、ボールカム9のカムスラスト力によってメインクラッチ7を回転ケース3との間で押圧し、締結させる。
【0060】
カムリング63は、インナーシャフト5の外周に相対回転自在に配置されており、カムリング63とロータ27との間には、ボールカム9のカム反力を受けるスラストベアリング65とワッシャ67が配置されている。
【0061】
パイロットクラッチ11は、回転ケース3とカムリング63との間に配置されており、そのアウタープレート69は回転ケース3のスプライン部55に連結され、インナープレート71はカムリング63の外周に形成されたスプライン部73に連結されている。
【0062】
パイロットクラッチ11とプレッシャープレート61との間には、アーマチャ75が配置され、外周を回転ケース3のスプライン部55に連結して軸方向移動自在に配置されている。
【0063】
電磁石13のコア31は、デフキャリアに形成された円筒孔に支持されており、上記のように、ボールベアリング29を介してロータ27を支承している。また、コア31はロータ27に形成された凹部77に所定間隔のエアギャプを介して貫入しており、スナップリング79,81とボールベアリング29とを介しロータ27との間で軸方向に位置決めされている。
【0064】
また、コア31は、連結部材を介して防護ケーシング15に回り止めされている。
【0065】
電磁石13のリード線は上記の連結部材にクリップされ、グロメットを通して防護ケーシング15の外部に引き出され、コントローラを介して車載のバッテリに接続されている。
【0066】
コア31とロータ27とパイロットクラッチ11とアーマチャ75とによって電磁石13の磁路が構成されている。
【0067】
ロータ27は非磁性体であるオーステナイト系ステンレス鋼のリング83によって径方向の外側と内側に分断されている。また、パイロットクラッチ11の各プレート69,71には、リング83と対応する径方向位置に、周方向等間隔に設けられた切り欠き85と、これらの切り欠き85を連結するブリッジ部が設けられている。これらのリング83と切り欠き85とによって、磁路上での磁束の短絡が防止されている。
【0068】
コントローラは、電磁石13の励磁、励磁電流の制御、励磁停止などを行う。
【0069】
電磁石13が励磁されると、磁路に磁束ループ87が発生してアーマチャ75が吸引され、パイロットクラッチ11を押圧して締結させ、パイロットトルクを発生させる。
【0070】
パイロットトルクが発生すると、回転ケース3からパイロットクラッチ11とカムリング63とを介してボールカム9に、パイロットトルクの大きさに応じて、エンジンの駆動力が掛かり、発生したカムスラスト力によりプレッシャープレート61を介してメインクラッチ7が押圧されて締結し、電磁式カップリング1が連結される。
【0071】
また、上記のように回転ケース3の円筒部材25が非磁性体のアルミニューム合金で作られており、磁束ループ87から円筒部材25側に磁束が漏洩することが防止され、アーマチャ75に磁束が効率良く導かれるから、パイロットクラッチ11は所定のパイロットトルクが得られ、電磁式カップリング1は所定の連結トルク(伝達トルク)が得られる。
【0072】
電磁式カップリング1が連結されると、エンジンの駆動力はインナーシャフト5からドライブピニオンシャフトを介してリヤデフに伝達され、リヤデフから左右の後輪に配分されて車両は4輪駆動状態になり、悪路などの走破性や、車体の安定性が向上する。
【0073】
このとき、コントローラにより電磁石13の励磁電流を調整し磁力を制御すると、パイロットクラッチ11の滑り率が変化してパイロットトルクが変わり、ボールカム9のカムスラスト力が変化し、メインクラッチ7の連結力(電磁式カップリング1を介して後輪側に送られる伝達トルクの大きさ)を調整することができる。
【0074】
このような連結力調整によって、前後輪間の駆動力配分比を任意に制御することができ、例えば、旋回走行中にこのような制御を行うと、車両の操縦性や安定性などが向上する。
【0075】
また、電磁石13の励磁を停止すると、パイロットクラッチ11が開放されてボールカム9のカムスラスト力が消失し、メインクラッチ7が開放されて電磁式カップリング1の連結が解除される。
【0076】
電磁式カップリング1の連結が解除されると、インナーシャフト5から後輪までが切り離されて、車両は前輪駆動の2輪駆動状態になり、エンジンの燃費が向上する。
【0077】
中空のインナーシャフト5は壁部89によって前後に区画され、オイルの封入量を増大させる容量増大空間部91が形成されている。この容量増大空間部91には、回転ケース3内部の他の部分と同様に、注入されたオイルと空気が収容されている。
【0078】
電磁式カップリング1(インナーシャフト5)が回転すると、容量増大空間部91のオイルは遠心力によってボールベアリング35と、インナーシャフト5の複数箇所に設けられた径方向流路を通り、ベアリング35、メインクラッチ7、ボールカム9、パイロットクラッチ11、スラストベアリング65、ワッシャ67などを潤滑・冷却する。
【0079】
また、メインクラッチ7の各インナープレート57にはオイル孔93が設けられており、ボールカム9、パイロットクラッチ11、ベアリング65側へのオイルの移動を促進し、これらの潤滑・冷却効果を向上させている。
【0080】
また、プレッシャープレート61には貫通孔95が形成されている。この貫通孔95は、オイルによるプレッシャープレート61の移動抵抗を軽減してメインクラッチ7の操作レスポンスを向上させると共に、オイルの流路になり、ボールカム9、パイロットクラッチ11側へのオイルの移動を促進し、これらの潤滑・冷却効果を向上させている。
【0081】
図2に拡大して示したように、ダストシール19は、シール部97と、シール部97と一体の外周部99と、くの字型断面の保持部材101から構成されており、シール部97には内周側のリップ103,105と前方のリップ107が設けられている。
【0082】
ダストシール19は、防護ケーシング15の前端に設けられた開口部109の内周に、保持部材101により外周部99を接触させて装着されており、内周側のリップ103,105は回転ケース3外周の摺動部111と接触し、シール部を形成している。なお、この摺動部111はボールベアリング17のインナーレース113(内輪)の内径(軸受内径)より小径に形成されている。
【0083】
ダストカバー21は鉄系合金製であり、径方向部115と、その外周側と内周側にそれぞれ設けられた軸方向部117,119からなり、内周側の軸方向部119により、回転ケース3の前端に設けられた小径部121の外周に圧入されている。なお、この小径部121は摺動部111より小径に形成されている。
【0084】
また、外周側の軸方向部117と防護ケーシング15の前端部とは、互いの径方向の投影が重なるオーバーラップ部123を形成しており、このオーバーラップ部123では、軸方向部117と防護ケーシング15との間にエアギャップ125が形成されている。
【0085】
また、ダストカバー21を回転ケース3に取り付けると、ダストシール19の前方のリップ107は、ダストカバー21の径方向部115と接触してシール部を形成する。
【0086】
ダストシール19のリップ107とリップ103,105には、エアギャップ125から入る塵埃等の浸入物がリップ107に当接した際に、(図2の各矢印)、ダストカバー21の径方向部115とリップ107との接触部の押圧力が増強されてシール機能が向上する。
【0087】
また、ダストシール19のリップ103,105と摺動する回転ケース3の摺動部111には、ダストシール19の各リップ103,105より硬度の高いアルマイト皮膜127(表面硬化部:摩耗低減手段)が形成されており、電磁式カップリング1(回転ケース3)の回転に伴って、摺動部111と静止側のリップ103,105とが摺動することによる摩耗を低減させ、摩耗粉の発生を大幅に低減させている。
【0088】
なお、上記のように回転ケース3の摺動部111がボールベアリング17(インナーレース113)の内径より小径であり、回転ケース3の小径部121が摺動部111より小径であるから、ボールベアリング17を介して回転ケース3を防護ケーシング15に組み付けた後、ダストシール19を防護ケーシング15に取り付けてリップ103,105をアルマイト皮膜127に接触させ、さらに、ダストカバー21を回転ケース3の小径部121に圧力してリップ107に接触させる。
【0089】
また、エアギャップ125にはシール機能があり、このエアギャップ125とダストカバー21とダストシール19とによって、防護ケーシング15の開口部109から、塵や水分のような異物が侵入することが防止される。
【0090】
このように、摩耗粉の発生と、水や塵などの侵入が防止されるから、ボールベアリング17で、塵の噛み込み、摩耗、水分の凍結、錆の発生、回転ロックなどが防止される。
【0091】
また、同じ理由により、電磁石13のコア31とロータ27とのエアギャップに水や塵などが侵入することが防止され、塵の噛み込み、水分の凍結、錆の発生などによるロータ27(回転ケース3)のロックが防止される。
【0092】
また、防護ケーシング15の外周には、多数の冷却フィン129が設けられており、防護ケーシング15の内側の空間と、この空間に配置された電磁式カップリング1の冷却効果を高めている。
【0093】
こうして、電磁式カップリング1が構成されている。
【0094】
電磁式カップリング1では、上記のように、ダストシール19のリップ103,105と摺動する回転ケース3の摺動部111に、リップ103,105より硬度の高いアルマイト皮膜127を設けたことによって摩耗を低減させ、摩耗粉の量を大幅に低減させている。
【0095】
従って、ボールベアリング17がダストシール19に近接配置されていても、摩耗粉がボールベアリング17に侵入することが実質的に防止され、摩耗粉の噛み込みによるボールベアリング17の摩耗や回転ロックが避けられるから、ボールベアリング17の摩耗による電磁式カップリング1(回転ケース3)の支持機能とセンターリング機能の低下、電磁式カップリング1とプロペラシャフトや継ぎ手などに発生する振動、これらに無理な力が掛かって生じる耐久性の低下などが防止される。
【0096】
また、摩耗粉の侵入を低減させるためにボールベアリング17をダストシール19から離して配置する必要がなくなり、これに伴って、ボールベアリング17による電磁式カップリング1の支持機能とセンターリング機能の低下、振動の発生なども防止される。
【0097】
また、電磁式カップリング1の振動が防止されると、デフキャリアに支持されている電磁石13とロータ27間のエアギャップが所定の値に保たれるから、エアギャップの変動による磁力の変動、磁力の変動による電磁式カップリング1の性能低下が防止され、さらに、エアギャップでのロータ27と電磁石13との接触による双方の摩耗、耐久性の低下なども防止される。
【0098】
これらの理由により、電磁式カップリング1のトルク伝達機能が安定し、車両の操縦性や安定性が高く保たれる。
【0099】
また、ダストシール19(リップ103,105)との摺動による摩耗から解放されて、上記のように、回転ケース3を軽量で非磁性のアルミニューム合金で作ることができるから、電磁式カップリング1は、電磁石13の磁力ロスが防止されて性能が向上し、安定すると共に、軽量化されて慣性モーメントが小さくなり、エンジンの燃費が向上する。
【0100】
また、このようにアルミニューム合金でも摩耗が防止されるから、摩耗を防止するために回転ケース3をオーステナイト系ステンレス鋼のような高価で加工が難しい材料で作る必要がなくなり、これに伴う材料コストと加工コストの上昇が避けられる。
【0101】
また、アルマイト皮膜127は回転ケース3の狭い必要範囲である摺動部111だけに施すことができるから、必要な表面処理コストが極めて安価に抑えられる。
【0102】
また、防護ケーシング15の開口部109に配置したダストカバー21のカバー機能により、走行中に飛来する小石のような障害物からダストシール19が保護され、シール機能が保全される。
【0103】
また、ダストカバー21と接触するリップ107をダストシール19に設けると共に、回転ケース3との間に形成されたエアギャップ125からの空気圧を受けると、このリップ107がダストカバー19に押圧されてシール性が強化され、外気と共に侵入した塵埃などがこのリップ107で遮断されるから、内側のリップ103,105に対する負担が大きく軽減され、耐久性が向上する。
【0104】
なお、請求項4の発明のように、回転ケース3の摺動部111に、例えば、クロム(Cr)やニッケル(Ni)のようなメッキ層(表面硬化部:摩耗低減手段)を設けてもよい。
【0105】
これらのメッキ層は、表面処理コストが安価である上に、極めて大きい耐摩耗性が得られる。
【0106】
さらに、摩耗粉の発生と、水や塵などの侵入が防止されるから、両側シール型のボールベアリング17の代わりにノンシール型のベアリングを用いることも可能であり、コストをそれだけ低減することができる。
【0107】
[第2実施形態]
図3によって本発明の第2実施形態である電磁式カップリング201(電磁式動力伝達装置)の説明をする。
【0108】
電磁式カップリング201は、第1実施形態の電磁式カップリング1を用いた4輪駆動車において、電磁式カップリング1と置き換えて用いられている。また、図3の左方はこの車両の前方(エンジン側)に相当し、符号のない部材等は図示されていない。
【0109】
以下、電磁式カップリング1と同機能の部材に同一の符号を与えて引用しながら、相違点を説明する。
【0110】
電磁式カップリング201では、ダストシール19のリップ103,105と対向する回転ケース3の外周に小径部203が設けられており、この小径部203には、ダストシール19の各リップ103,105より硬度の高い炭素鋼のリング205(摩耗低減手段)が圧入され、段差部207で軸方向に位置決めされている。
【0111】
リング205を配置したことにより、電磁式カップリング201(回転ケース3)の回転に伴って静止側のリップ103,105と回転ケース3側とが摺動することによる摩耗を低減させ、摩耗粉の発生を大幅に低減させている。
【0112】
また、回転ケース3の小径部203は、ボールベアリング17(インナーレース113)の内径より小径であり、小径部121は小径部203よりさらに小径である。
【0113】
従って、回転ケース3の小径部203にリング205を圧力した後、ボールベアリング17を介して回転ケース3を防護ケーシング15に組み付け、ダストシール19を防護ケーシング15に取り付けてリップ103,105をリング205の外周に接触させ、さらに、ダストカバー21を回転ケース3の小径部121に圧入してリップ107に接触させる。
【0114】
こうして、電磁式カップリング201が構成されている。
【0115】
電磁式カップリング201では、上記のように、ダストシール19のリップ103,105と摺動する回転ケース3に、リップ103,105より硬度の高いリング205を配置したことによって摩耗を低減させ、摩耗粉の量を大幅に低減させている。
【0116】
従って、電磁式カップリング201は、摩耗低減手段がアルマイト皮膜127やメッキ層である効果を除いて、電磁式カップリング1と同等の効果が得られる。
【0117】
また、回転ケース3とリング205(摩耗低減手段)とを別体にしたことにより、リング205の材料を自由に選択して高い耐摩耗性を得ることができる上に、例え、このリング205が比較的高価であっても、使用量が僅かであるから、コストに対して大きな負担を与えない。
【0118】
なお、本発明の電磁式動力伝達装置は、デファレンシャル装置の差動回転部材の間に配置すれば、差動制限機構に用いることもできる。
【0119】
【発明の効果】
請求項1の電磁式動力伝達装置は、シールのシール部と摺動する回転ケース側に摩耗低減手段を設けて摩耗を低減させ、摩耗粉の量を大幅に低減させている。
【0120】
従って、シールとベアリングとを近接配置しても、摩耗粉の侵入や噛み込みによるベアリングの摩耗や回転ロック、ベアリングの支持機能やセンターリング機能の低下、電磁式動力伝達装置及び連結されたプロペラシャフトなどの振動、無理な力が掛かることによる耐久性の低下などが防止される。
【0121】
また、ベアリングをシールから離して配置する必要がなくなり、これに伴って、電磁式動力伝達装置の支持機能とセンターリング機能の低下、振動の発生などが防止される。
【0122】
また、電磁式動力伝達装置の振動が防止され、ケーシング側の電磁石と磁路の相手側部材とのエアギャップが所定の値に保たれるから、エアギャップの変動による磁力の変動と、電磁式動力伝達装置の性能低下が防止され、さらに、エアギャップでの電磁石と相手側部材との接触、双方の摩耗、耐久性の低下なども防止される。
【0123】
これらの理由により、電磁式動力伝達装置のトルク伝達機能が安定し、車両の操縦性や安定性が高く保たれる。
【0124】
また、シールとの摺動による摩耗が生じないから、アルミニューム合金のような軽量の非磁性材料で回転ケースを作ることが可能になり、電磁石の磁力ロスが防止されて電磁式動力伝達装置の性能が向上し安定すると共に、電磁式動力伝達装置が軽量化されて慣性モーメントが小さくなり、エンジンの燃費が向上する。
【0125】
また、アルミニューム合金でも摩耗が防止されるから、摩耗を防止するために回転ケースをオーステナイト系ステンレス鋼で作る必要がなくなり、これに伴う材料コストと加工コストの上昇が避けられる。
【0126】
請求項2の電磁式動力伝達装置は、請求項1の構成と同等の効果を得ることができる。
【0127】
また、表面硬化部を回転ケースの摺動部にだけ施せば、本発明を極めて低コストに実施できる。
【0128】
請求項3の電磁式動力伝達装置は、請求項2の構成と同等の効果を得ることができる。
【0129】
また、アルマイト処理は回転ケースの摺動部にだけ施すことが可能であり、極めて低コストに実施できる。
【0130】
請求項4の電磁式動力伝達装置は、請求項2の構成と同等の効果を得ることができる。
【0131】
また、クロム(Cr)やニッケル(Ni)のようなメッキ層は、表面処理コストが安価である上に、極めて大きい耐摩耗性が得られる。
【0132】
請求項5の電磁式動力伝達装置は、請求項1の構成と同等の効果を得ることができる。
【0133】
また、回転ケースと摩耗低減手段(リング)とを別体にしたことにより、リングを自由に選択して高い耐摩耗性を得ることができる上に、例え、このリングが比較的高価であっても、使用量が僅かであるから、コストに対して大きな負担を与えない。
【0134】
請求項6の電磁式動力伝達装置は、請求項1〜請求項5の構成と同等の効果を得ることができる。
【0135】
また、ケーシングの開口部に配置したカバーにより、走行中に飛来する小石のような障害物からシールが保護され、シール機能が保全される。
【0136】
また、カバーと回転ケースとの間に形成されたエアギャップからの空気圧を受けると、シール部がカバーに押圧されてシール性が強化され、外気と共に侵入した塵埃などが遮断されるから、シールは負担が大きく軽減され、耐久性が向上する。
【0137】
請求項7の電磁式動力伝達装置は、請求項1〜請求項6の構成と同等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】第1実施形態の要部を拡大して示す断面図である。
【図3】第2実施形態の断面図である。
【図4】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 電磁式カップリング(電磁式動力伝達装置)
3 回転ケース(一側のトルク伝達部材)
5 インナーシャフト(他側のトルク伝達部材)
7 メインクラッチ
9 ボールカム(カム機構)
11 パイロットクラッチ
13 電磁石
15 防護ケーシング(ケーシング)
17 両側シール型のボールベアリング(ベアリング)
19 ダストシール(シール)
21 ダストカバー(カバー)
61 プレッシャープレート
63 カムリング(中間部材)
103,105 リップ(ダストシール19のシール部)
107 リップ(ダストカバー21と接触するダストシール19のシール部)
109 防護ケーシング15の開口部
111 回転ケース3の摺動部
123 オーバーラップ部
125 エアギャップ
127 アルマイト皮膜(表面硬化部:摩耗低減手段)
201 電磁式カップリング(電磁式動力伝達装置)
205 リング(摩耗低減手段)

Claims (7)

  1. 回転ケースを有すると共に、少なくとも軸方向一側に開口部が設けられたケーシングに収容され、前記開口部から外部に露出した電磁式動力伝達装置であって、
    前記開口部側で、前記回転ケースの外周面を前記ケーシングの内周面に支承するベアリングと、
    前記ケーシングの内周面に支持され、前記回転ケースの外周面と接触しながら摺動するシール部を有するシールとを備え、
    前記シールのシール部と接触する前記回転ケースの摺動部に、前記シール部との摺動による摩耗を低減させる摩耗低減手段を設けたことを特徴とする電磁式動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載された発明であって、
    前記摩耗低減手段が、前記シールのシール部より高い硬度を持つことにより摩耗を低減させる表面硬化部であることを特徴とする電磁式動力伝達装置。
  3. 請求項2に記載された発明であって、
    前記回転ケースが、アルミニューム合金製であり、
    前記表面硬化部が、前記回転ケースに施され、前記シールのシール部に対して高い耐摩耗性を有するアルマイト皮膜であることを特徴とする電磁式動力伝達装置。
  4. 請求項2に記載された発明であって、
    前記表面硬化部が、前記回転ケースに施され、前記シールのシール部に対して高い耐摩耗性を有するメッキ層であることを特徴とする電磁式動力伝達装置。
  5. 請求項1に記載された発明であって、
    前記摩耗低減手段が、前記回転ケースに装着され、前記シールのシール部に対して高い耐摩耗性を有するリングであることを特徴とする電磁式動力伝達装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載された発明であって、
    前記ケーシングと前記回転ケースの一方に装着されて前記開口部を覆うと共に、前記ケーシングと前記回転ケースの他方との間にエアギャップを介してオーバーラップ部を形成するカバーが配置され、
    前記シールには、前記カバーに所定の押圧力を保持して接触するシール部が設けられており、
    このシール部を、前記オーバーラップ部のエアギャップからの浸入物の浸入方向と前記所定の押圧力の押圧方向を略一致させる様設けたことを特徴とする電磁式動力伝達装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載された発明であって、
    前記回転ケースを一側のトルク伝達部材とし、
    その内側に同軸配置された他側のトルク伝達部材と、
    両トルク伝達部材の間に配置されたメインクラッチと、
    前記トルク伝達部材の一方と中間部材との間に配置されたパイロットクラッチと、
    前記トルク伝達部材の他方に対して移動自在に連結されたプレッシャープレートと、
    アーマチャを移動操作し、前記パイロットクラッチを押圧して締結させる電磁石と、
    プレッシャープレートと前記中間部材との間に配置され、前記パイロットクラッチが連結されると前記両トルク伝達部材間のトルクを受けて作動し、前記プレッシャープレートを移動させて前記メインクラッチを連結させるカム機構とを備えたことを特徴とする電磁式動力伝達装置。
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