JP2004199403A - 熱電併給システムおよびその設計方法 - Google Patents

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浩一 川本
Hakaru Ogawa
斗 小川
Toshiya Miyajima
俊哉 宮島
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Abstract

【課題】電力消費機器および熱消費機器の消費特性に合わせて可能な限り自立的にエネルギー利用効率を高めしかも低コストで電力および熱を供給することである。
【解決手段】電力消費機器11の運転状態によらずに、1台または複数台の電力主熱電併給装置13は最大電力負荷運転を行う。1台または複数台の電力主熱電併給装置13が供給する電力の不足分は、1台または複数台の負荷変動熱電併給装置14の最大電力負荷運転または部分負荷運転にて供給する。これにより、電力主熱電併給装置13は常に最大電力負荷運転を行うことができるので、全体としてエネルギー利用効率を高めることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力消費機器に電力を供給し熱消費機器に熱を供給する熱電併給システムおよびその設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複数の電力消費機器および複数の熱消費機器に対して、1台または複数台の熱電併給装置を用いて電力および熱を供給する熱電併給システムでは、電力消費機器および熱消費機器の最大消費量を基に熱電併給装置を選定するようにしている。そして、電力や熱の消費量が減少した場合、熱電併給装置を部分負荷状態で運転したり、複数の熱電併給装置で構成された熱電併給システムの場合には、運転する台数を減少させるなどして対応している。
【0003】
一方、熱電併給装置は最大負荷運転時に最大のエネルギー利用効率が得られ、部分負荷運転時にはその効率が低下する。そこで、なるべく部分負荷運転を行う機会が減るようなシステム構成や運転方法の設計が望まれている。
【0004】
また、図3に示すように、一般に、熱電併給装置は、発電規模が大きくなるほどエネルギー利用効率が高くなる傾向があるので、同一の電力および熱負荷に対しては、小規模の熱電併給装置を多数用いて構成する熱電併給システムよりも、大規模の熱電併給装置を少ない台数で構成した熱電併給システムの方がエネルギー利用効率が得られる。
【0005】
従って、部分負荷時の性能低下を考えると、小規模の熱電併給装置を多数並べた熱電併給システムが有利であるが、最大負荷運転時のエネルギー効率を考えると、大規模の熱電併給装置を少数並べた熱電併給システムの方が有利となり、電力および熱消費機器の電力および熱消費量の大きさとその変化の仕方によって、最適なシステム構成または運用方法が存在することがわかる。
【0006】
従来、システムの運用方法の観点から最適な運用方法を探索する方法として、決ったシステム構成下でエネルギー利用効率や運用コストを最適化することができるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、システム構成を設計する観点から、最適なシステムを構成する方法として、小規模の多数の熱電併給装置を常に最大負荷運転を用いてエネルギー利用効率、運用コスト、資本コストを最適化することができるようにしたものや(例えば、特許文献2)、熱電併給装置の部分負荷運転も考慮してエネルギー利用効率、運用コスト、資本コストを最適化することができるようにしたものがある(例えば、特許文献3)。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−273007号公報
【0009】
【特許文献2】
特開2000−105019号公報
【0010】
【特許文献3】
特開2000−73863号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、システムの運用方法の観点から最適な運用方法を探索する方法では、システム構成が決った状態での最適化であり、システム構成自体が電力消費機器および熱消費機器の消費特性に合わせて最適化されていない場合には、エネルギー利用効率が最適化されないことがある。
【0012】
一方、小規模の多数の熱電併給装置を常に最大負荷運転を用いてエネルギー利用効率、運用コスト、資本コストを最適化するものでは、常に熱電併給システムが最大負荷運転されることを前提とするため、小規模な熱電併給システムが多数必要となり、最適化条件の設定方法によっては部分負荷運転を考慮した場合の方が良くなる場合を見落とすことがある。
【0013】
また、熱電併給装置の部分負荷運転も考慮してエネルギー利用効率、運用コスト、資本コストを最適化するものでは、エネルギー利用効率、運用コスト、資本コストを最適化することができるが、系統からの買電や補助ボイラの利用を当初から想定しているため、自立的な供給が行えない場合がある。
【0014】
また、これら従来の方法では、最適化条件を満たすシステムや運用方法が複数存在したり見つからない場合には、全くシステムを構築できなくなる問題点がある。
【0015】
本発明の目的は、電力消費機器および熱消費機器の消費特性に合わせて可能な限り自立的にエネルギー利用効率を高めしかも低コストで電力および熱を供給することができる熱電併給システムおよびその設計方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係わる熱電併給システムは、全体として常に一定値以上の電力を消費する複数の電力消費機器および熱を消費する複数の熱消費機器に対して電力および熱を同時に供給する複数の熱電併給装置を備えた熱電併給システムにおいて、最大電力負荷運転時の最大電力の合計が前記複数の電力消費機器全体で消費する最低消費電力量より小さく熱出力の合計は複数の熱消費機器全体で消費する最大消費熱量を賄える1台または複数台の電力主熱電併給装置と、前記電力主熱電併給装置から供給される電力量と複数の電力消費機器全体で消費する電力量との差分の電力量を最大電力負荷運転または部分負荷運転にて供給する1台または複数台の負荷変動熱電併給装置とを備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項1の発明に係わる熱電併給システムにおいては、電力消費機器の運転状態によらずに、1台または複数台の電力主熱電併給装置は最大電力負荷運転を行う。1台または複数台の電力主熱電併給装置が供給する電力の不足分は、1台または複数台の負荷変動熱電併給装置の最大電力負荷運転または部分負荷運転にて供給する。これにより、電力主熱電併給装置は常に最大電力負荷運転を行うことができるので、全体としてエネルギー利用効率を高めることができる。
【0018】
請求項2の発明に係わる熱電併給システムの設計方法は、電力消費機器の消費電力の変動を過去の実績から予測すると共に熱消費機器の熱消費量の変動を過去の実績から予測し、予測された消費電力の最小値に基づいて常に最大電力負荷運転を行うことが可能な1台または複数台の電力主熱電併給装置の組合せ候補を複数種選定し、予測された消費電力量の変動に基づいて最大電力負荷運転または部分負荷運転を行う1台または複数台の負荷変動熱電併給装置の組合せ候補を複数種選定し、予測された消費電力量および熱消費量に基づいて熱電併給システム全体の電力量供給パターンおよび熱量供給パターンの運転計画を複数種選定し、熱電併給システムの運転性能以外の付帯的制約条件を加味したとき前記電力消費機器および前記熱消費機器が必要とする電力量および熱量を常には供給できない熱電併給装置の組合せ種および運転計画を除外し、熱電併給システムの運転性能に関する性能制約条件を加味したとき電力消費機器および熱消費機器が必要とする電力量および熱量を常には供給できない熱電併給装置の組合せ種および運転計画を除外し、前記付帯的制約条件および前記性能制約条件を満たす熱電併給装置の組合せ種および運転計画の中から最適な一つを選定することを特徴とする。
【0019】
請求項2の発明に係わる熱電併給システムの設計方法においては、予測された消費電力の最小値に基づいて常に最大電力負荷運転を行うことが可能な1台または複数台の電力主熱電併給装置の組合せ候補を複数種選定すると共に、最大電力負荷運転または部分負荷運転を行う1台または複数台の負荷変動熱電併給装置の組合せ候補を複数種選定する。一方、予測された消費電力量および熱消費量に基づいて熱電併給システム全体の電力量供給パターンおよび熱量供給パターンの運転計画を複数種選定する。そして、熱電併給システムの運転性能以外の付帯的制約条件を満たさない熱電併給装置の組合せ種および運転計画を除外した後に、熱電併給システムの運転性能に関する性能制約条件を判定し、付帯的制約条件および性能制約条件を満たす熱電併給装置の組合せ種および運転計画の中から最適な一つを選定する。従って、性能計算を行う対象が絞られるので迅速に最適な熱電併給システムの設計が行える。
【0020】
請求項3の発明に係わる熱電併給システムの設計方法は、請求項2の発明において、前記付帯的制約条件および性能制約条件を満たす電力消費機器および運転計画が存在しない場合、前記付帯的制約条件または性能制約条件を段階的に緩和することを特徴とする。
【0021】
請求項3の発明に係わる熱電併給システムの設計方法においては、請求項2の発明の作用に加え、付帯的制約条件および性能制約条件を満たす電力消費機器および運転計画が存在しない場合には、付帯的制約条件または性能制約条件を段階的に緩和して適切な熱電併給装置の組合せ種および運転計画を選択する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係る熱電併給システムのブロック構成図である。図1において、熱電併給システムには複数の電力消費機器11および複数の熱消費機器12が設けられ、電力主熱電併給装置13や負荷変動熱電供給装置14から電力消費機器11に電力が供給され熱消費機器12に熱が供給される。
【0023】
電力消費機器11は電力を消費する機器であり、例えば電灯負荷や各種電気機器等である。また、熱消費機器12は熱を消費する機器であり、冷暖房設備や給湯設備等である。電力主熱電併給装置13や負荷変動熱電供給装置14は、電力と熱とを供給できる熱電併給装置であり、例えば排熱を利用できる発電設備(コージェネレーションシステム)である。
【0024】
電力主熱電併給装置13は常に最大負荷運転が行われる熱電併給装置であり、第1の実施の形態では、1台または複数台の電力主熱電併給装置13が設けられている。また、負荷変動熱電併給装置14は最大負荷運転だけでなく、電力消費量の変動に応じて運転状態を変化させる部分負荷運転も行われる熱電併給装置であり、第1の実施の形態では、電力主熱電併給装置13と同様に、1台または複数台の負荷変動熱電併給装置14が設けられている。
【0025】
電力主熱電併給装置13および負荷変動熱電併給装置14で発生した電力は、配電装置15を介して電力消費機器11へ分配供給され、電力主熱電併給装置13および負荷変動熱電併給装置14で発生した熱は、ヘッダ装置16を介して温水または蒸気の形で熱消費機器12へ分配供給される。
【0026】
電力主熱電併給装置13は、その最大負荷運転時の送電端出力が電力消費機器11全体の最低電力消費量を超えないという制約条件の下で最大の発電効率をもつ熱電併給装置が選定され、かつ選定された電力主熱電併給装置13は、熱消費機器12の最大消費熱量を供給することが可能なように選定されている。
【0027】
すなわち、電力消費機器11の電力消費量が最低量であるときは、このような制約条件下で選定された電力主熱電併給装置13を運転し、負荷変動熱電併給装置14はすべて停止する。このとき、熱消費機器12に対する熱供給は、熱消費機器12の消費熱量によらず電力主熱電併給装置13で行う。一方、電力消費機器11の電力消費量が最大量であるときは、電力主熱電併給装置13は最大負荷運転を行い、不足する電力は負荷変動熱電併給装置14の何台かを運転するか、部分負荷運転することにより供給する。熱供給は、熱消費機器12の熱消費量に応じて、運転されている熱電併給装置13、14全体であらかじめ選定された運転計画に基づき供給を行う。
【0028】
このように、電力消費機器11の運転状態によらずに最大電力負荷運転を行うことが可能であるような電力主熱電併給装置13が少なくとも1台存在し、その電力主熱電併給装置13は熱消費機器12の最大消費熱量をも供給する能力を有するので、電力主熱電併給装置13の最大電力負荷運転(エネルギー利用効率は最大)により、電力消費機器11および熱消費機器12に対して電力および熱を同時に供給することが可能となる。
【0029】
第1の実施の形態によれば、電力消費機器11の負荷特性に合わせて、最大規模の電力主熱電併給装置13が選択され、選択された電力主熱電併給装置13は常に最大負荷運転が行われるのでエネルギー利用効率が最大となる。残りの負荷変動熱電併給装置14は、電力を自立供給する観点から部分負荷運転を余儀なくされるため、エネルギー利用効率の低下は避けられないが、自立供給するという制約条件を満たすシステム構成の中で、全体としてのエネルギー利用効率は最大となる。また、熱供給についても補助ボイラなどの補助的な熱供給設備を有せずに自立供給が可能である。
【0030】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図2は本発明の第2の実施の形態に係る熱電併給システムの設計方法の工程を示すフローチャートである。図1に示す熱電併給システムの設計にあたって、電力主熱電併給装置13および負荷変動熱併給装置14の台数や容量を決定するにあたって、まず、電力消費機器11の負荷変動予測値を収集し(S11)、同様に熱消費機器12の負荷変動予測値を収集する(S12)。例えば、電力消費量予測プロセスS11では、電力消費機器11の時間ごとの消費量に関する過去のデータを収集したり予測したりし、熱消費量予測プロセスS12では、熱消費機器12の時間ごとの消費量に関する過去のデータを収集したり予測したりする。このように、電力消費機器11の消費電力の変動を過去の実績から予測すると共に(S11)、熱消費機器12の熱消費量の変動を過去の実績から予測する(S12)。
【0031】
次に、電力消費量予測プロセスS11および熱消費量予測プロセスS12で収集した電力消費量および熱消費量を統計処理して、少なくとも電力消費量の最小値、最大値、熱消費量の最小値、最大値を算出する(S13)。すなわち、消費量データ統計処理計算プロセスS13では、電力消費装置11全体としての電力消費量の最大値や最小値を求めると共に熱消費機器12全体としての熱消費量の最大値や最小値を求める。
【0032】
次に、電力消費装置11全体の電力消費量の最小値に合わせてベースロード用の電力主熱電併給装置13の候補を選定する(S14)。このベースロード電力主熱併給装置選定プロセスS14では、最大負荷運転時の送電端出力が電力消費機器11全体の最低電力消費量を超えないこと、および熱消費機器12の最大消費熱量を供給可能であることの制約条件を満たす、例えばm種の電力主熱電併給装置13の候補が選定される。つまり、予測された消費電力の最小値に基づいて常に最大電力負荷運転を行うことが可能な1台または複数台の電力主熱電併給装置13の組合せ候補が複数種選定される。
【0033】
一方、電力主熱電併給装置13では供給できない不足分の電力を補うために、電力消費特性および熱消費特性に合わせて必要となる他の負荷変動熱電併給装置14の組み合わせ候補を設定する(S15)。この負荷変動熱電併給装置選定プロセスS15においても、ベースロード電力主熱併給装置選定プロセスS14と同様に、例えばn種の負荷変動熱電併給装置14の候補が選定される。つまり、予測された消費電力量の変動に基づいて最大電力負荷運転または部分負荷運転を行う1台または複数台の負荷変動熱電併給装置14の組合せ候補を複数種選定する。
【0034】
また、電力消費機器11への電力供給パターンおよび熱消費機器12への熱供給パターンをそれぞれの消費特性に応じて決める熱電併給システム運転計画を立案する(S16)。この熱電併給システム運転計画プロセスS16においても、その運転計画をk種立案する。つまり、予測された消費電力量および熱消費量に基づいて熱電併給システム全体の電力量供給パターンおよび熱量供給パターンの運転計画を複数種選定する。
【0035】
次に、熱電併給システムの運転性能以外の付帯的制約条件を設定する(S17)。この付帯的制約条件設定プロセスS17では、例えば、熱電併給装置13、14の起動速度に対する要求や負荷変化への応答性に対する要求など制御上の制約条件や、売買電の可能性、補助ボイラの設置可能性、資本コストなど、選定情報のみによって判断することが可能な熱電併給システムに要求される制約条件を設定する。また、熱電併給システムの運転性能に関する性能制約条件を設定する(S18)。この性能制約条件設定プロセスS18では、例えば、実質的なエネルギー利用効率、CO排出量、運用コストなどの性能上の制約条件を設定する。
【0036】
そして、ベースロード電力主熱併給装置選定プロセスS14で選定されたm種、負荷変動熱電併給装置選定プロセスS15で選定されたn種、熱電併給システム運転計画プロセスS16で選定されたk種が付帯的制約条件設定プロセスS17で設定された付帯的制約条件を満たすか否かを判定する(S19)。
【0037】
すなわち、付帯的制約条件判定プロセスS19では、選定システム構成および運転計画が付帯的制約条件を満たすかどうかを判定し、熱電併給システムの運転性能以外の付帯的制約条件を加味したときに、電力消費機器11および熱消費機器12が必要とする電力量および熱量を常には供給できない熱電併給装置13、14の組合せ種および運転計画を除外する。
【0038】
そして、付帯的制約条件を満たす熱電併給装置13、14の組合せ種および運転計画について、熱電併給システムの実質的なエネルギー利用効率、CO排出量、運用コストを計算する(S20)。この性能計算プロセスS20で計算された性能が性能制約条件設定プロセスS18で設定された性能制約条件を満たすかどうか判定する(S21)。つまり、性能制約条件判定プロセスS21では、熱電併給システムの運転性能に関する性能制約条件を加味したとき、電力消費機器11および熱消費機器12が必要とする電力量および熱量を常には供給できない熱電併給装置13、14の組合せ種および運転計画を除外する。
【0039】
次に、ベースロード電力主熱併給装置選定プロセスS14で選定されたm種、負荷変動熱電併給装置選定プロセスS15で選定されたn種、熱電併給システム運転計画プロセスS16で選定されたk種のすべての組合せについて検討したか否かを判定する(S22)。この組合せ判定プロセスS22では、すべての組合せ数(k×m×n)を判定したか否かを判定する。そして、すべての制約条件を満たす組み合わせが存在するか否かを判定する(S23)。この選択判定プロセス23では、付帯的制約条件判定プロセスS19および性能制約条件判定プロセスS21で除外された組み合わせの数Lを用いてk×m×n−Lを計算することで、すべての制約条件を満たす組み合わせが存在することを確認する。最後に、k×m×n−Lが1以上の場合に、制約条件を満たす複数のシステム構成および運転計画から最適なものを選択する(S24)。
【0040】
このように、電力消費量予測プロセスS11〜消費量データ統計処理計算プロセスS13によって、電力消費機器11の負荷特性の最小値がわかるので、ベースロード電力主熱併給装置選定プロセスS14において常に最大負荷運転を行える最大の電力主熱電併給装置13、すなわちベースロード用熱電併給装置を選定する。
【0041】
次に、負荷変動熱電併給装置選定プロセスS15と熱電併給システム運転計画プロセスS16において、電力消費の変動にあわせた熱電併給システムと運転計画を立案する。この時点では、熱供給特性が条件を満たすかどうかの判断はせず、考えられる熱電併給装置13、14と運転計画とが複数種考慮されるので、性能計算を実施する必要はない。次に、付帯的制約条件設定プロセスS17において設定された付帯的な制約条件を基に付帯的制約条件判定プロセスS19において、システム構成と運転計画との絞り込みが行われる。ここでも、性能計算を実施する必要はない。
【0042】
次に、性能計算プロセスS20において性能計算が実施され、性能制約条件判定プロセスS21で、性能制約条件設定プロセスS18において設定された性能制約条件を当該システム構成および運転計画が満たすかどうかの判断を行う。従って、性能計算プロセスS20での性能計算を実施する対象を絞り込むことができる。性能計算プロセスS20では、例えば、365日×24時間の電力消費特性、熱消費特性に対して、与えられたシステム構成および運転計画によって、燃料消費量、CO排出量、エネルギー利用効率、運用コストなどの大量の計算を実施しなければならないため、かなりの時間を必要とするが、その前段階で、付帯的制約条件判定プロセスS19による絞り込みが行われるので、最適なシステム構成および運転計画の候補を多く想定した場合でも、計算時間を短縮できる。
【0043】
第2の実施の形態によれば、電力消費機器11および熱消費機器12の電力および熱消費特性に応じて、現実的に電力および熱の自立供給することが可能なシステムが存在する場合、最大電力負荷運転を行う熱電併給装置13を選定し、さらに負荷変動熱電併給装置14を選定できるので、エネルギー利用効率を高めた熱電併給システムの設計ができる。また、付帯的制約条件で絞り込みを行い性能計算を行うので設計時間を短縮できる。
【0044】
以下に本発明に係る熱電併給システムの第1の実施の形態を図3に基づき説明する。本実施の形態は、電力消費機器のたとえば時間ごとの消費量に関する過去のデータを収集したり予測したりする電力消費量予測プロセス11と、同様に熱消費機器のたとえば、時間ごとの消費量に関する過去のデータを収集したり予測したりする熱消費量予測プロセス12と、プロセス11およびプロセス12で収集した電力消費量および熱消費量を統計処理して、少なくとも電力消費量の最小値、最大値、熱消費量の最小値、最大値を算出する消費量データ統計処理計算プロセス13と電力消費量の最小値にあわせて、ベースロード用の熱電併給装置の候補をたとえばm種選定するプロセス14と、電力消費特性および熱消費特性に合わせて必要となる他の熱電併給装置の組み合わせ候補をたとえばn種選定するプロセス15と、電力消費機器への電力供給パターンおよび熱消費機器への熱供給パターンを、それぞれの消費特性に応じて決める熱電併給システム運転計画をたとえばk種立案するプロセス16と、起動速度に対する要求、負荷変化への応答性に対する要求など制御上の制約条件や、売買電の可能性、補助ボイラの設置可能性、資本コストなど、選定情報のみによって判断することが可能な熱電併給システムに要求される制約条件を設定する付帯的制約条件設定プロセス17と、実質的なエネルギー利用効率、CO排出量、運用コストなどの性能上の制約条件を設定する性能制約条件設定プロセス18と、選定システム構成および運転計画が付帯的制約条件を満たすかどうかを判定するプロセス19と、熱電併給システムの実質的なエネルギー利用効率、CO排出量、運用コストを計算する性能計算プロセス20と、計算された上記性能が性能制約条件設定プロセス18で設定された性能制約条件を満たすかどうか判定するプロセス21と、プロセス14、15、16であらかじめ選定したシステム構成および運転計画のk×m×nの組み合わせについてすべて検討したかどうかを判定するプロセス22と、プロセス19とプロセス21で除外された組み合わせの数Lを用いてk×m×n−Lを計算することで、すべての制約条件を満たす組み合わせが存在ことを確認するプロセス23と、k×m×n−Lが1以上の場合に、制約条件を満たす複数のシステム構成および運転計画から、最適なものを選択するプロセス
24とからなる、
ここで、選択判定プロセス23での判定結果として該当する組合せが存在しない場合、つまり、k×m×n−Lが0の場合には、付帯的制約条件設定プロセスS17、性能制約条件設定プロセスS18を部分的に緩和させる。
【0045】
例えば、最初に付帯的制約条件設定プロセスS17において、売買電不可、補助ボイラ設置不可の自立供給条件を設定し、想定した運転計画、ベースロード用熱電併給装置、電力および熱消費量の負荷変動熱電併給装置14の組み合わせの中に、自立供給条件を満たすものがなければ、補助ボイラの設置のみ可能という制約条件の緩和を行う。従って、自立供給できる熱電併給システム構成および運転計画の組み合わせを見落とすことなく、また、自立供給可能なシステム構成および運転計画が存在しない場合でも、次善のシステム構成および運転計画を決定することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の熱電併給システムによれば、与えられた電力消費特性において、最大負荷運転できる最大規模の熱電併給装置が選択できるので、システム構成としては、エネルギー利用効率を最大とするシステム構成とすることができる。
【0047】
また、本発明の熱電併給システムの設計方法によれば、電力消費特性および熱消費特性に応じて、与えられた付帯的制約条件の基で第1段階の選択を行い、その後に、性能計算を実施して第2段階の選択を行うので、設計にかかる時間を短縮することができる。また、段階的に制約条件を緩和しながら、システム構成および運転計画を決定できるので、自立供給可能なシステム構成を見落とすことなく、また、そのようなシステム構成が存在しない場合にも次善のシステム構成を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る熱電併給システムのブロック構成図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る熱電併給システムの設計方法の工程を示すフローチャート。
【図3】熱電併給システムの発電規模と発電効率の関係を表す特性図。
【符号の説明】
11…電力消費機器、12…熱消費機器、13…電力主熱電併給装置、14…負荷変動熱電併給装置、15…配電装置、16…ヘッダ装置

Claims (3)

  1. 全体として常に一定値以上の電力を消費する複数の電力消費機器および熱を消費する複数の熱消費機器に対して電力および熱を同時に供給する複数の熱電併給装置を備えた熱電併給システムにおいて、最大電力負荷運転時の最大電力の合計が前記複数の電力消費機器全体で消費する最低消費電力量より小さく熱出力の合計は複数の熱消費機器全体で消費する最大消費熱量を賄える1台または複数台の電力主熱電併給装置と、前記電力主熱電併給装置から供給される電力量と複数の電力消費機器全体で消費する電力量との差分の電力量を最大電力負荷運転または部分負荷運転にて供給する1台または複数台の負荷変動熱電併給装置とを備えたことを特徴とする熱電併給システム。
  2. 電力消費機器の消費電力の変動を過去の実績から予測すると共に熱消費機器の熱消費量の変動を過去の実績から予測し、予測された消費電力の最小値に基づいて常に最大電力負荷運転を行うことが可能な1台または複数台の電力主熱電併給装置の組合せ候補を複数種選定し、予測された消費電力量の変動に基づいて最大電力負荷運転または部分負荷運転を行う1台または複数台の負荷変動熱電併給装置の組合せ候補を複数種選定し、予測された消費電力量および熱消費量に基づいて熱電併給システム全体の電力量供給パターンおよび熱量供給パターンの運転計画を複数種選定し、熱電併給システムの運転性能以外の付帯的制約条件を加味したとき前記電力消費機器および前記熱消費機器が必要とする電力量および熱量を常には供給できない熱電併給装置の組合せ種および運転計画を除外し、熱電併給システムの運転性能に関する性能制約条件を加味したとき電力消費機器および熱消費機器が必要とする電力量および熱量を常には供給できない熱電併給装置の組合せ種および運転計画を除外し、前記付帯的制約条件および前記性能制約条件を満たす熱電併給装置の組合せ種および運転計画の中から最適な一つを選定することを特徴とする熱電併給システムの設計方法。
  3. 前記付帯的制約条件および性能制約条件を満たす電力消費機器および運転計画が存在しない場合、前記付帯的制約条件または性能制約条件を段階的に緩和することを特徴とする請求項2記載の熱電併給システムの設計方法。
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