JP2004199765A - 情報処理装置および情報処理方法、並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録媒体からデータを読み出すときの読み出しデータ量の推移を表すメディア読み出しラインLrを近似するライン近似図形に基づき、要求再生レートでのデータのリアルタイム再生に必要とされるバッファの最小のバッファサイズである最小バッファ量と、データの読み出しの開始からデータの再生が開始されるまでの再生遅延時間の最小値である最小再生遅延時間とが算出され、その最小バッファ量と最小再生遅延時間に基づき、要求再生レートでのデータのリアルタイム再生の可否が判定される。
【選択図】 図15
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理装置および情報処理方法、並びにプログラムに関し、特に、例えば、光ディスク等の記録媒体に記録されたデータをリアルタイムで再生することができるかどうかのリアルタイム再生可否判定を、容易に行うことができるようにする情報処理装置および情報処理方法、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、光ディスクなどの記録媒体に対して、ビデオデータやオーディオデータなどのAV(Audio Visual)データの書き込みと消去を繰り返し行うと、連続して再生されるべきAVデータが、光ディスク上に分断されて記録されるようになる。
【0003】
また、このような連続して再生されるべきAVデータの光ディスク上における分断は、その他、例えば、光ディスクに欠陥がある場合や、いわゆる非破壊編集が行われた場合にも生じる。
【0004】
ここで、非破壊編集とは、例えば、光ディスク等に記録された素材データとしてのAVデータに対して、いわゆる編集点(IN点、OUT点)を設定するだけで、素材データそのものを編集しない(破壊しない)編集方法である。非破壊編集においては、例えば、プレイリストなどと呼ばれる、編集時に設定された編集点のリストが作成される。そして、その編集結果の再生は、プレイリストにしたがって行われる。即ち、非破壊編集結果の再生は、プレイリストに記述されている編集点にしたがって、光ディスクに記録された素材データを再生することにより行われる。非破壊編集結果の再生は、上述のように、プレイリストに記述されている編集点にしたがって、光ディスクに記録された素材データを再生することにより行われるので、結果として、連続して再生されるべき一連のAVデータが分断されて光ディスクに記録されている状態と等価になる。
【0005】
以上のように、光ディスクに分断されて記録されたAVデータを再生する場合、光ディスク上のある記録領域に記録されているAVデータの次に再生すべきAVデータが、他の離れた記録領域に記録されていることがある。この場合、光ディスクのある記録領域に記録されたAVデータを読み出した後に、他の離れた記録領域に記録されているAVデータを読み出す必要があり、ある記録領域から他の離れた記録領域へのシークが発生する。
【0006】
そして、このシークに要するシーク時間が大である場合には、いま再生すべきAVデータの読み出しが、その再生時刻に間に合わず、再生が途切れること、即ち、AVデータのリアルタイム再生ができないことがある。
【0007】
具体的には、光ディスクに記録されたAVデータの再生は、例えば、光ディスクに記録されたAVデータを読み出し、所定のバッファにバッファリングした後、そのバッファにバッファリングされたAVデータを処理することによって行われる。
【0008】
この場合、一般に、光ディスクからのAVデータの読み出しレートは、AVデータの再生レートよりも大にされ、これにより、バッファに入力されるAVデータのレートの方が、バッファから出力されるAVデータのレートよりも大にされる。従って、バッファには、基本的には、光ディスクから読み出されたAVデータが徐々に蓄積されていく。しかしながら、シークが発生すると、その間、光ディスクからのAVデータの読み出しが行われないため、バッファからは、AVデータが、その再生のために出力されるだけとなり、バッファにおけるAVデータのデータ量は減少していく。そして、バッファにおけるAVデータがなくなるまでに、シークが終了し、光ディスクからのAVデータの読み出しが再生されないと、バッファがアンダーフローし、再生が途切れることになる。
【0009】
従って、シーク前の、バッファにおけるAVデータのデータ量が十分であれば、シークによって、再生が途切れることを防止することができる。バッファにおけるAVデータのデータ量は、光ディスクからのAVデータの読み出しが連続して行われていれば増加し、読み出しが行われていないと(シークが発生すると)減少するから、シーク前の、バッファにおけるAVデータのデータ量を十分とするには、シーク前に、光ディスクからのAVデータの読み出しを十分なデータ量だけ連続して行えば良い。そして、光ディスクからのAVデータの読み出しを十分なデータ量だけ連続して行うには、光ディスクにおいて、AVデータがある程度の大きさの連続した記録領域に連続して記録されていれば良い。
【0010】
そこで、例えば、特許文献1においては、光ディスクの記録領域を同心円状に分割して得られる各領域に、ビデオデータとオーディオデータを記録することにより、ビデオデータとオーディオデータそれぞれを、ある程度の連続した記録領域に連続して記録することが記載されている。
【0011】
【特許文献1】
特開平11-98447号公報。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光ディスクのある程度の連続した記録領域に、AVデータを連続して記録した場合であっても、その光ディスクの再生を行うディスク装置によっては、やはり、シークによって、リアルタイム再生を行うことができないことがある。
【0013】
即ち、例えば、光ディスクから読み出されたAVデータをバッファリングするバッファの記憶容量であるバッファサイズは、ディスク装置によって異なり、バッファサイズが大のディスク装置では、リアルタイム再生を行うことができても、バッファサイズが小のディスク装置では、リアルタイム再生を行うことができないことがある。
【0014】
また、AVデータについては、通常再生だけでなく、高速再生を行うことが要求されることがあるが、通常再生時に、リアルタイム再生を行うことができても、高速再生に、リアルタイム再生(ここでいうリアルタイム再生とは、要求される再生レートでの再生を途切れさせずに行うことを意味する)を行うことができるとは限らない。
【0015】
そして、ディスク装置において、ユーザが要求した再生レートでのAVデータの再生が開始された後に、その再生が途切れることは、ユーザに違和感を感じさせる。
【0016】
そこで、AVデータの再生を開始する前に、ユーザが要求した再生レートでのリアルタイム再生が可能であるかどうかのリアルタイム再生可否判定を行い、その判定結果を、ユーザに報知することが要請される。
【0017】
このリアルタイム再生可否判定を行うには、光ディスクに記録されているAVデータを実際に読み出し、その読み出しが、ユーザから要求された再生レートでの再生に間に合うかどうかをチェックする必要がある。
【0018】
しかしながら、ユーザが再生を指令するごとに、光ディスクに記録されているAVデータを実際に読み出し、リアルタイム再生可否判定を行うのは、時間を要し、面倒である。
【0019】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザが要求した再生レートでのリアルタイム再生が可能であるかどうかのリアルタイム再生可否判定を、容易に行うことができるようにするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報処理装置は、記録媒体からデータを読み出すときの読み出しデータ量の推移を表すメディア読み出しラインを近似するライン近似図形を特定する図形データを取得する図形データ取得手段と、図形データによって特定されるライン近似図形に基づき、要求再生レートでのデータのリアルタイム再生に必要とされるバッファの最小のバッファサイズである最小バッファ量と、データの読み出しの開始からデータの再生が開始されるまでの再生遅延時間の最小値である最小再生遅延時間とを算出する算出手段と、最小バッファ量と最小再生遅延時間に基づき、要求再生レートでのデータのリアルタイム再生の可否を判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
本発明の情報処理方法は、記録媒体からデータを読み出すときの読み出しデータ量の推移を表すメディア読み出しラインを近似するライン近似図形を特定する図形データを取得する図形データ取得ステップと、図形データによって特定されるライン近似図形に基づき、要求再生レートでのデータのリアルタイム再生に必要とされるバッファの最小のバッファサイズである最小バッファ量と、データの読み出しの開始からデータの再生が開始されるまでの再生遅延時間の最小値である最小再生遅延時間とを算出する算出ステップと、最小バッファ量と最小再生遅延時間に基づき、要求再生レートでのデータのリアルタイム再生の可否を判定する判定ステップとを備えることを特徴とする。
【0022】
本発明のプログラムは、記録媒体からデータを読み出すときの読み出しデータ量の推移を表すメディア読み出しラインを近似するライン近似図形を特定する図形データを取得する図形データ取得ステップと、図形データによって特定されるライン近似図形に基づき、要求再生レートでのデータのリアルタイム再生に必要とされるバッファの最小のバッファサイズである最小バッファ量と、データの読み出しの開始からデータの再生が開始されるまでの再生遅延時間の最小値である最小再生遅延時間とを算出する算出ステップと、最小バッファ量と最小再生遅延時間に基づき、要求再生レートでのデータのリアルタイム再生の可否を判定する判定ステップとを備えることを特徴とする。
【0023】
本発明の情報処理装置および情報処理方法、並びにプログラムにおいては、記録媒体からデータを読み出すときの読み出しデータ量の推移を表すメディア読み出しラインを近似するライン近似図形を特定する図形データが取得される。そして、図形データによって特定されるライン近似図形に基づき、要求再生レートでのデータのリアルタイム再生に必要とされるバッファの最小のバッファサイズである最小バッファ量と、データの読み出しの開始からデータの再生が開始されるまでの再生遅延時間の最小値である最小再生遅延時間とが算出され、その最小バッファ量と最小再生遅延時間に基づき、要求再生レートでのデータのリアルタイム再生の可否が判定される。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用したディスク装置の一実施の形態の構成例を示している。
【0025】
このディスク装置は、記録再生制御部1とディスクドライブ2から構成され、光ディスク31にデータを記録し、また、光ディスク31に記録されたデータを再生するようになっている。
【0026】
即ち、記録再生制御部1は、ディスクドライブ2による光ディスク31に対するデータの記録と再生を制御するようになっている。
【0027】
具体的には、記録再生制御部1において、システム制御部11は、記録再生制御部1を構成する他のブロックを制御する。また、システム制御部11は、入力部12、図形データ演算部13、図形データ記憶部14、リアルタイム再生可否判定部15、再生条件記憶部16、読み書き制御部17、データ記憶部18、出力部20と接続されており、あるブロックから他のブロックに、必要なデータを供給する。
【0028】
入力部12は、キーボードや、スイッチ、ボタン等の操作部を有し、ディスク装置に対する指令や必要なデータを入力するときに、ユーザによって操作される。そして、入力部12は、ユーザの操作に対応した操作信号を、システム制御部11に供給する。なお、入力部12は、ディスク装置とは別に、リモコン(リモートコントローラ)として構成することが可能である。
【0029】
ここで、ユーザが入力部12を操作することによって入力する指令や情報としては、例えば、光ディスク31の再生を要求する指令や、その再生を行うときにユーザが要求する再生レート(以下、適宜、要求再生レートという)などがある。
【0030】
図形データ演算部13は、ディスクドライブ2において、光ディスク31からデータを読み出すときの読み出しデータ量の推移を表すメディア読み出しラインを近似するライン近似図形を特定する図形データを演算する。図形データ記憶部14は、図形データ演算部13によって求められた図形データを記憶する。
【0031】
リアルタイム再生可否判定部15は、図形データ記憶部14に記憶された図形データによって特定されるライン近似図形に基づき、光ディスク31に記録されたデータを、要求再生レートにより、リアルタイムで再生することができるかどうかのリアルタイム再生可否判定を行う。
【0032】
再生条件記憶部16は、図1のディスク装置において、光ディスク31が再生されるときに課される各種の再生条件を記憶する。なお、再生条件としては、上述の要求再生レート、ディスクドライブ2が光ディスク31からデータを読み出すときの読み出しレート、さらには、許容再生遅延時間、許容バッファ量、シーク時間関数、メディアアクセス情報などがある。
【0033】
ここで、再生要求レートは、入力部12からシステム制御部11を介して、再生条件記憶部16に供給され、再生条件の1つとして記憶される。さらに、読み出しレートは、例えば、ディスクドライブ2に記憶されており、ディスクドライブ2から、読み書き制御部17およびシステム制御部11を介して、再生条件記憶部16に供給され、再生条件の1つとして記憶される。
【0034】
また、許容再生遅延時間とは、光ディスク31からのデータの読み出しの開始から、そのデータの再生が開始されるまでの再生遅延時間として、ユーザが許容している時間、またはディスク装置において許容されている時間である。許容バッファ量とは、後述するバッファ19のバッファサイズ(総記憶容量)として、ユーザが許容しているサイズ、またはディスク装置において許容されているサイズである。なお、許容再生遅延時間と許容バッファ量は、例えば、ユーザが入力部12を操作することにより入力することができる。但し、許容再生遅延時間と許容バッファ量の最大値は、ディスク装置の仕様または性能として、例えば、システム制御部11に記憶されており、ユーザが入力部12を操作することにより入力した許容再生遅延時間または許容バッファ量が、システム制御部11に記憶されている許容再生遅延時間または許容バッファ量の最大値を超えている場合は、再生条件記憶部16に再生条件として記憶される許容再生遅延時間または許容バッファ量は、それぞれ、システム制御部11に記憶されている許容再生遅延時間または許容バッファ量の最大値に制限される。
【0035】
シーク時間関数とは、光ディスク31のある論理ブロックであるシーク元の論理ブロックから他の論理ブロックであるシーク先の論理ブロックへのシークを行うのに要するシーク時間を、例えば、シーク元の論理ブロックとシーク先の論理ブロックの論理ブロック番号(LBN(Logical Block Number))を引数として表す関数である。即ち、例えば、光ディスク31の記録領域は、所定のサイズの論理ブロック(に割り当てられた物理ブロック)に区分されており、各論理ブロックには、光ディスク31に対する読み書き順に、シーケンシャルな番号としてのLBNが付されている。シーク時間関数によれば、ある2つのLBNを引数として与えると、その2つのLBNによって特定される2つの論理ブロックのうちの一方をシーク元の論理ブロックとするとともに、他方をシーク先の論理ブロックとして、シーク元の論理ブロックからシーク先の論理ブロックへのシークに要するシーク時間を求めることができる。なお、ここでは、シーク時間関数によって求められるシーク時間は、例えば、シーク元の論理ブロックからシーク先の論理ブロックへのシークに要するシーク時間の最悪値で、光ディスク31の回転待ちの時間も含むものとする。また、シーク時間関数は、例えば、ディスクドライブ2に記憶されており、ディスクドライブ2から、読み書き制御部17およびシステム制御部11を介して、再生条件記憶部16に供給され、再生条件の1つとして記憶される。
【0036】
メディアアクセス情報とは、光ディスク31に記録されたデータを、どのような順序で読み出すかを表す。即ち、光ディスク31においては、前述したように、ある一連のデータが、1つの連続した記録領域に記録されるとは限らず、複数の連続した記録領域に、いわば分断されて記録されることがある。メディアアクセス情報は、このように、光ディスク31に分断されてデータが記録されている記録領域に、どのような順番でアクセスするかを表す。メディアアクセス情報は、システム制御部11が、光ディスク31に記録されたデータを再生するスケジューリングを行うことで求められる。即ち、システム制御部11は、読み書き制御部17を介して、光ディスク31から、そこに記録されたデータの管理情報を読み出し、再生対象のファイルのデータが記録されている光ディスク31の記録領域を認識し、その記録領域を、データの再生順に並べるスケジューリングを行うことにより、例えば、再生順序にしたがったデータの読み出し順序としてのメディアアクセス情報を得る。そして、システム制御部11は、メディアアクセス情報を、再生条件記憶部16に供給して記憶させる。
【0037】
読み書き制御部17は、ディスクドライブ2を制御することにより、光ディスク31に対するデータの読み書きを制御する。データ記憶部18は、例えば、半導体メモリなどで構成され、記録再制御部1の処理上必要なデータを一時記憶する。なお、データ記憶部18の一部の記憶領域は、光ディスク31から読み出されたデータをバッファリングするバッファ19として確保されている。また、バッファ19のバッファサイズは、ユーザが入力部12を操作することにより変更することができるようになっている。即ち、バッファ19のバッファサイズは、入力部12から入力される、上述した再生条件の1つである許容バッファ量とされる。但し、システム制御部11は、バッファ19のバッファサイズの下限値と上限値を制限しており、入力部12から入力されたバッファ19のバッファサイズが、その下限値を下回る場合、または上限値を上回る場合、バッファ19のバッファサイズを、それぞれ下限値または上限値に制限する。
【0038】
出力部20は、ディスプレイやスピーカなどで構成され、光ディスク31から読み出されて再生されたデータを出力(表示)する。さらに、出力部20は、リアルタイム再生可否判定部15において行われたリアルタイム再生可否判定の結果なども表示する。なお、出力部20は、ディスク装置とは別に、ディスク装置に接続される外部の装置として構成することが可能である。
【0039】
ディスクドライブ2には、光ディスク31を容易に着脱することができるようになっている。そして、ディスクドライブ2は、例えば、図示せぬ1つのピックアップを有し、読み書き制御部17の制御にしたがい、光ディスク31にデータを書き込み、また、光ディスク31からデータを読み出す。
【0040】
なお、以下においては、光ディスク31には、リアルタイムでの再生が特に要求されるAVデータが記録されているものとする。
【0041】
以上のように構成されるディスク装置では、例えば、ユーザが入力部12を操作することにより、光ディスク31の再生を指令すると、システム制御部11は、読み書き制御部17に、光ディスク31からのAVデータの再生を要求する。
【0042】
即ち、この場合、読み書き制御部17は、ディスクドライブ2に、光ディスク31からのAVデータの読み出しを要求する。ディスクドライブ2は、読み書き制御部17からの要求にしたがい、光ディスク31からAVデータを読み出し、データ記憶部18のバッファ19に供給して記憶させる。バッファ19に記憶されたAVデータは、読み書き制御部17によって読み出され、必要な処理が施されることにより再生される。このAVデータは、読み書き制御部17から、システム制御部11を介して出力部20に供給され、出力部20では、AVデータが出力、即ち、画像が表示され、または音声が出力される。
【0043】
なお、以上の再生処理においては、光ディスク31から読み出されたAVデータが、ディスクドライブ2からバッファ19に入力されるが、このディスクドライブ2からバッファ19に入力されるAVデータのレートは、例えば、光ディスク31からのAVデータの読み出しレートに等価である。また、バッファ19にバッファリングされたAVデータは、読み書き制御部17に出力されるが、このバッファ19から読み書き制御部17に出力されるAVデータのレートは、例えば、要求再生レートに等価である。即ち、バッファ19から読み書き制御部17に対して、要求再生レートで、AVデータが出力されることにより、そのAVデータは、要求再生レートでリアルタイム再生される。
【0044】
図1のディスク装置では、以上のように、光ディスク31に記録されたAVデータを再生する再生処理を行う他、その再生処理において、AVデータをリアルタイムで再生することができるかどうかのリアルタイム再生可否判定処理を行う。また、リアルタイム再生可否判定処理では、ディスクドライブ2において光ディスク31からデータを読み出すときの読み出しデータ量の推移を表すメディア読み出しラインを近似するライン近似図形に基づき、AVデータをリアルタイムで再生することができるかどうかの判定を行うため、図1のディスク装置では、そのリアルタイム再生可否判定処理で用いられるライン近似図形を特定する図形データを求める図形データ演算処理も行われる。
【0045】
そこで、まず最初に、図2のフローチャートを参照して、図形データ演算処理について説明する。
【0046】
図形データ演算処理は、例えば、ディスクドライブ2に対して、光ディスク31が装着されたときや、光ディスク31にAVデータが記録された直後などに開始される。
【0047】
即ち、図形データ演算処理では、ステップS1において、システム制御部11が、読み書き制御部17を制御することにより、ディスクドライブ2に、光ディスク31から、そこに記録されているAVデータのファイルの管理情報を読み出させる。さらに、システム制御部11は、その管理情報に基づいて、光ディスク31に記録されたAVデータを再生するスケジューリングを行うことで、光ディスク31からデータを読み出すときの読み出しデータ量の総量の時間推移を表すメディア読み出しラインを求め、再生条件記憶部16に記憶させる。
【0048】
そして、ステップS2に進み、図形データ演算部13は、再生条件記憶部16に記憶されたメディア読み出しラインを近似するライン近似図形を特定する図形データを演算し、ステップS3に進む。ステップS3では、図形データ演算部13は、ステップS2で求めた図形データを、システム制御部11を介して、図形データ記憶部14に供給して書き込み、図形データ演算処理を終了する。
【0049】
なお、以上の図形データ演算処理において、図形データが求められた後は、再生条件記憶部16に記憶されたメディア読み出しラインは不要であり、再生記憶部16から、削除することができる。
【0050】
次に、図3のフローチャートを参照して、リアルタイム再生可否判定処理について説明する。
【0051】
リアルタイム再生可否判定処理は、例えば、図2の図形データ演算処理の直後や、ユーザが入力部12を操作することによって、光ディスク31に記録されたAVデータの再生が指令されたときなどに行われる。
【0052】
即ち、リアルタイム再生可否判定処理では、ステップS11において、リアルタイム再生可否判定部15が、例えば、システム制御部11を介して、図形データ記憶部14から図形データを読み出すことにより取得する。
【0053】
ここで、図1のディスク装置では、例えば、図2の図形データ演算処理において求めた図形データを、光ディスク31に記録しておくようにすることができる。光ディスク31に、図形データが記録されている場合、リアルタイム再生可否判定部15は、図3のリアルタイム再生可否判定処理を、例えば、光ディスク31がディスクドライブ2に装着されたときに開始し、ステップS11において、光ディスク31から図形データを読み出すことにより、図形データを取得する。このように、図形データが光ディスク31に記録されている場合のように、リアルタイム再生可否判定部15が、図形データを取得することができる状態となっている場合には、図2の図形データ演算処理を行う必要はない。
【0054】
ステップS11において、図形データが取得された後は、ステップS12に進み、リアルタイム再生可否判定部15は、再生条件記憶部16から、システム制御部11を介して、再生条件である許容再生遅延時間と許容バッファ量を読み出すことにより取得して、ステップS13に進む。ステップS13では、リアルタイム再生可否判定部15は、再生条件記憶部16から、システム制御部11を介して、再生条件である要求再生レートを読み出すことにより取得して、ステップS14に進む。
【0055】
ここで、再生条件記憶部16には、許容再生遅延時間、許容バッファ量、および要求再生レートとして、例えば、デフォルトの値(例えば、1倍速再生に対応する再生レート)、または入力部12から入力された値(例えば、1倍速再生に対応する再生レートや、スロー再生または高速再生などの変速再生に対応する再生レート)が既に記憶されているものとする。
【0056】
ステップS14では、リアルタイム再生可否判定部15は、図形データによって特定されるライン近似図形に基づき、光ディスク31に記録されたAVデータの、再生要求レートでのリアルタイム再生に必要とされる最小限のバッファ19のバッファサイズである最小バッファ量を算出するとともに、そのリアルタイム再生に必要とされる最小限の再生遅延時間である最小再生遅延時間を算出し、ステップS15に進む。
【0057】
ステップS15では、リアルタイム再生可否判定部15は、ステップS14で求めた最小バッファ量と最小再生遅延時間に基づき、即ち、最小バッファ量と、再生条件記憶部16に記憶された許容バッファ量との大小関係、および最小再生遅延時間と再生条件記憶部16に記憶された許容再生遅延時間との大小関係に基づき、要求再生レートでのリアルタイム再生が可能であるかどうかを判定する。
【0058】
ステップS15において、要求再生レートでのリアルタイム再生が可能であると判定された場合、即ち、許容バッファ量が最小バッファ量以上であり、かつ許容再生遅延時間が最小再生遅延時間以上である場合(バッファ19のバッファサイズとして、最小バッファ量以上の値が許容されており、再生遅延時間として、最小再生遅延時間以上の時間が許容されている場合)、ステップS16に進み、リアルタイム再生可否判定部15は、必要に応じて、システム制御部11を介して、出力部20に、リアルタイム再生が可能である旨のメッセージを表示させる。さらに、ステップS16では、リアルタイム再生可否判定部15は、システム制御部11を介して、読み書き制御部17に対して、光ディスク31に記録されたAVデータの再生の開始を要求し、リアルタイム再生可否判定処理を終了する。
【0059】
この場合、図1のディスク装置では、上述したようにして、光ディスク31に記録されたAVデータが、要求再生レートでリアルタイム再生される。
【0060】
一方、ステップS15において、要求再生レートでのリアルタイム再生が可能でないと判定された場合、即ち、許容バッファ量が最小バッファ量未満であるか(バッファ19のバッファサイズとして、最小バッファ量以上の値が許容されていないか)、または許容再生遅延時間が最小再生遅延時間未満である場合(再生遅延時間として、最小再生遅延時間以上の時間が許容されていない場合)、ステップS17に進み、リアルタイム再生可否判定部15は、システム制御部11を介して、出力部20に、リアルタイム再生が可能でない旨のメッセージを表示させ、リアルタイム再生可否判定処理を終了する。
【0061】
即ち、この場合、図1のディスク装置では、光ディスク31に記録されたAVデータを要求再生レートでリアルタイム再生することができない旨が、ユーザに報知される。
【0062】
なお、ステップS17において、AVデータをリアルタイムで再生することができない旨が、ユーザに報知された場合、ユーザは、入力部12を操作することにより、許容バッファ量または許容再生遅延時間を大に設定するか、あるいは、要求再生レートを下げることができる。この場合、図3のリアルタイム再生可否判定処理が再度行われる。
【0063】
また、ステップS17では、AVデータをリアルタイムで再生することができない旨を報知する他、リアルタイム再生可否判定部15からシステム制御部11に対して、コンパイルを要求するようにすることが可能である。
【0064】
ここで、コンパイルとは、光ディスク31に記録されているAVデータのうちの、連続して再生されるAVデータを、例えば、光ディスク31上の、ある程度連続した空き領域に再配置することを意味する。このコンパイルが行われることにより、連続して再生されるAVデータは、光ディスク31上の、ある程度連続した記録領域に記録されることとなるから、少なくとも、その連続した記録領域から連続してAVデータを読み出すことができ、その間、シークは発生しない。従って、コンパイルによれば、シークが頻発することによって、AVデータの読み出しが、その再生すべき時刻までに行われず、再生が途切れてしまうことを防止することが可能となる。
【0065】
次に、図1のディスク装置で行われる図形データ演算処理とリアルタイム再生可否判定処理について、さらに説明する。
【0066】
図1のディスク装置において、バッファ19のバッファサイズが光ディスク31に記録されたAVデータのデータ量以上であり、さらに、光ディスク31からAVデータの読み出しを開始してから、そのAVデータの再生が開始されるまでの再生遅延時間が制限されていない場合には、光ディスク31に記録されたAVデータをすべて読み出し、バッファ19に記憶した後に、そのAVデータの再生を行えば、光ディスク31に、どのような配置状態でAVデータが記録されていても、ディスクドライブ2におけるシークによって、AVデータのリアルタイム再生が妨げられることはない。
【0067】
即ち、バッファ19のバッファサイズと、再生遅延時間が制限されていない場合には、シークにより妨げられずに、AVデータのリアルタイム再生を行うことができるかどうかのリアルタイム再生可否判定を行う実益はない。
【0068】
従って、リアルタイム再生可否判定を行うにあたっては、AVデータの再生を、どのような条件(再生条件)の下で行うかを、明確にしておく必要がある。再生条件としては、上述したように、メディアアクセス情報、読み出しレート、シーク時間(シーク時間関数)、要求再生レート、許容バッファ量、許容再生遅延時間がある。
【0069】
なお、メディアアクセス情報は、光ディスク31に記録されているAVデータ(一連のAVデータが、どのような配置で光ディスク31に記録されているか)に依存し、読み出しレートおよびシーク時間(シーク時間関数)は、ディスクドライブ2の仕様(あるいは性能)に依存する。要求再生レートは、ユーザによる入力部12の操作に依存し、許容バッファ量および許容再生遅延時間は、ユーザによる入力部12の操作、またはディスク装置の仕様に依存する。
【0070】
リアルタイム再生可否判定処理では、図3で説明したように、AVデータを要求再生レートでリアルタイム再生するのに必要な最低限のバッファ19のバッファサイズである最小バッファ量と、AVデータを要求再生レートでリアルタイム再生するのに必要な最低限の再生遅延時間である最小再生遅延時間を求め、許容バッファ量が最小バッファ量以上であり、かつ許容再生遅延時間が最小再生遅延時間以上であれば、リアルタイム再生が可能であると判定される。
【0071】
従って、リアルタイム再生可否判定の問題は、最小バッファ量および最小再生遅延時間の導出の問題へと帰着させることができる。
【0072】
最小バッファ量および最小再生遅延時間は、ディスクドライブ2において、光ディスク31からデータを読み出すときの読み出しデータ量の推移を表すメディア読み出しラインから作図的に求めることができる。そこで、最小バッファ量と最小再生遅延時間を求めるには、まず、メディア読み出しラインを求めることが必要となる。
【0073】
メディア読み出しラインは、メディアアクセス情報から求めることができる。
【0074】
即ち、光ディスク31に対するデータの書き込みと削除が繰り返されることや、光ディスク31の記録領域に欠陥が存在することによって、光ディスク31上には、連続した空き領域が分断して存在するようになる。そして、そのように連続した空き領域が分断して存在する光ディスク31に、ある一連のAVデータ(のストリーム)が記録された場合、そのAVデータは、分断されている各空き領域に、その空き領域のサイズを限度として配置される。いま、光ディスク31において、連続したAVデータが記録されている連続した記録領域を、エクステント(extent)と呼ぶこととして、メディアアクセス情報を、エクステントによって表すこととすると、メディアアクセス情報は、例えば、図4に示すように表すことができる。
【0075】
ここで、図4において、1つの長方形がエクステントを表す。また、図4において、エクステントを表す長方形の中の左端と右端には、そのエクステントの先頭の論理ブロックのLBN(先頭LBN)と、最後の論理ブロックのLBN(末尾LBN)を、それぞれ示してある。また、図4において、エクステントを表す長方形の左右方向の長さは、そのエクステントのサイズに対応している。
【0076】
図4のメディアアクセス情報は、その左から右方向に、エクステント(を表す長方形)が、再生順に配置されて構成されている。従って、図4のメディアアクセス情報は、エクステント#1,#2,#3,#4の順で再生すべきことを表している。
【0077】
また、図4において、エクステント#1は、LBNが100乃至139の論理ブロックから、エクステント#2は、LBNが200乃至219の論理ブロックから、エクステント#3は、LBNが300乃至309の論理ブロックから、エクステント#4は、LBNが500乃至539の論理ブロックから、それぞれ構成されている。
【0078】
エクステントは、連続したAVデータが記録されている連続した記録領域であるから、あるAVデータが配置されたエクステントと、次に再生すべきAVデータが配置されたエクステントとの間は不連続になっている。従って、ディスクドライブ2において、その2つのエクステントに亘って、AVデータの読み出しを行うときには、シークが発生する。
【0079】
即ち、図4では、ディスクドライブ2において、例えば、エクステント#1の読み出し後、エクステント#2が読み出されるが、エクステント#1の末尾LBNは139となっており、エクステント#2の先頭LBNは、139に続く140ではなく、200になっている。従って、AVデータの読み出しが、エクステント#1から#2に移行する際には、LBNが139の論理ブロックから、LBNが200の論理ブロックへのシークが発生する。
【0080】
このシーク時間は、上述したように、シーク元の論理ブロックのLBNと、シーク先の論理ブロックのLBNを用い、シーク時間関数によって求めることができる。
【0081】
また、ディスクドライブ2おいて、エクステントのAVデータの読み出しは、読み出しレートで行われる。
【0082】
以上から、図4のエクステント#1乃至#4を光ディスク31から読み出すときのメディア読み出しライン、即ち、光ディスク31からデータを読み出すときの読み出しデータ量の総量の時間推移は、次のようになる。
【0083】
即ち、図5は、図4のエクステント#1乃至#4を光ディスク31から読み出すときのメディア読み出しラインLrを示している。
【0084】
図5において、メディア読み出しラインLrは、エクステント#1乃至#4のAVデータの読み出しが行われている場合、ディスクドライブ2によるデータの読み出しレートRrの傾きをもって変化する。また、あるエクステントの読み出しの終了後、次に再生すべきエクステントの読み出しの開始までの間には、シークが発生するが、シーク中は、AVデータの読み出しは行われないため、メディア読み出しラインLrの傾きは0となる。その結果、図4のエクステント#1乃至#4を光ディスク31から読み出すときのメディア読み出しラインは、図5に示すように、右上がりの階段状になる。
【0085】
なお、ディスクドライブ2においては、最初のエクステントの読み出し、即ち、エクステント#1の読み出しを開始する直前にもシークが発生する。このシークのシーク時間は、ディスクドライブ2における図示せぬヘッド(ピックアップ)が、どの位置に存在するかによるが、ここでは、この最初のエクステントの読み出しを開始する直前に生じるシークのシーク時間は、メディア読み出しラインLrに含めないものとする。
【0086】
次に、図6は、リアルタイム再生ラインLpを示している。なお、図6には、リアルタイム再生ラインLpの他、バッファ上限ラインLupも図示してあるが、このバッファ上限ラインLupについては、後述する。
【0087】
光ディスク31からのAVデータの読み出しが、メディア読み出しラインLrを描いて行われる場合に、そのAVデータのリアルタイム再生を行うことができるかどうかを判定するには、リアルタイム再生ラインLpを導入する必要がある。
【0088】
リアルタイム再生ラインLpは、バッファ19から出力されるAVデータのデータ量の総量の時間推移を表す。
【0089】
例えば、ある一連のAVデータの再生を行うときの再生レートが、一定であるとすると、リアルタイム再生ラインLpは、図6に示すように、傾きが再生レートの直線となる。
【0090】
なお、光ディスク31からのAVデータの読み出しの開始時刻を0とすると、リアルタイム再生ラインLpは、正確には、AVデータの読み出しの開始後、バッファ19からAVデータが出力されるまでの間は0となり、その後、再生レートの傾きで変化する折れ線となる。
【0091】
図6において(上述の図5および後述する図においても、同様)、横軸(x軸)には時間をとってあり、縦軸(y軸)にはデータ量(の総量)をとってあるが、この場合、リアルタイム再生ラインLpが、時間を表すx軸と交わる点(x切片)によって示される時間が、再生遅延時間となる。
【0092】
上述したように、リアルタイム再生ラインLpは、バッファ19から出力されるAVデータのデータ量を表し、メディア読み出しラインLrは、光ディスク31から読み出されてバッファ19に入力されるAVデータのデータ量を表すから、リアルタイム再生ラインLpが、メディア読み出しラインLrを上回ることは、バッファ19にアンダーフローが発生することを意味する。そして、バッファ19がアンダーフローするということは、再生が途切れることを意味する。
【0093】
従って、AVデータのリアルタイム再生を保証するには、リアルタイム再生ラインLpが、なるべく右方向に位置するのが望ましい。
【0094】
しかしながら、リアルタイム再生ラインLpが右方向に位置するほど、再生遅延時間は大になる。
【0095】
従って、再生遅延時間をなるべく短くして、リアルタイム再生を保証するには、リアルタイム再生ラインLpが、メディア読み出しラインLrを上回らない、最も左方向の位置に存在する必要がある。
【0096】
即ち、図6に示すように、リアルタイム再生ラインLpが、メディア読み出しラインLrに対して、下から、1以上の点において接している場合が、再生遅延時間を最も短くして、リアルタイム再生を行うことができる場合となる。
【0097】
なお、リアルタイム再生ラインLpが、メディア読み出しラインLrに対して、下から1以上の点において接している場合の再生遅延時間が、リアルタイム再生に必要とされる最小限の再生遅延時間である最小再生遅延時間Twである。
【0098】
ここで、リアルタイム再生ラインLpが、メディア読み出しラインLrに対して、下から接する1以上の点を、以下、適宜、律速点という。
【0099】
なお、AVデータのフレームあたりのデータ量が固定である場合には、リアルタイム再生ラインLpは、厳密には、フレームに相当する時間単位で階段状に変化する。
【0100】
また、光ディスク31に記録されているAVデータが、例えば、可変長データである場合には、リアルタイム再生ラインLpは、可変長データをデコードして得られるAVデータが再生される再生時刻を基準として描く必要がある。また、AVデータとして、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式などによるエンコードの対象となる一定のレートのものを扱う場合には、例えば、読み書き制御部17に、MPEGデコーダを内蔵させ、光ディスク31から読み出されたバッファ19に記憶されたAVデータをMPEGデコードさせることとなるが、この場合のリアルタイム再生ラインLp等の描画にあたっては、MPEGデコーダにおけるVBV(Videobuffering Verifier)バッファによる遅延時間を加味する必要がある。
【0101】
図1の図形データ演算部13は、図2のステップS2において、メディア読み出しラインLrを近似するライン近似図形を求めるにあたって、リアルタイム再生ラインLpを用いる。
【0102】
そこで、図7のフローチャートを参照して、リアルタイム再生ラインLpを求めるリアルタイム再生ライン算出処理について説明する。
【0103】
リアルタイム再生ライン算出処理では、まず最初に、ステップS21において、図形データ演算部13は、再生レートRpを取得する。ここで、図形データ演算部13がステップS21において取得する再生レートRpは、メディア読み出しラインLrを近似するライン近似図形を求めるにあたって基準となる再生レートであり、以下、適宜、基準再生レートという。基準再生レートの値は、特に限定されるものではなく、例えば、光ディスク31に記録されているAVデータを1倍速で再生するときの再生レートその他を採用することができる。
【0104】
図形データ演算部13は、再生レートRpを取得した後は、ステップS21からS22に進み、メディア読み出しラインLrについて、シークが終了した直後の点(Xi,Yi)を検出する。
【0105】
ここで、メディア読み出しラインLrにおいて、シークが終了した直後の点は、光ディスク31からのエクステントのAVデータの読み出しが開始される点でもあり、以下、適宜、読み出し開始点という。
【0106】
なお、読み出し開始点(Xi,Yi)のx座標Xiは、時間を表し、y座標Yiは、データ量(の総量)を表す。また、x座標Xiおよびy座標Yiのサフィックスiは、読み出し開始点(Xi,Yi)が、時刻0から何番目のものであるかを表す。
【0107】
図形データ演算部13は、ステップS22において、メディア読み出しラインLrにおけるすべての読み出し開始点(Xi,Yi)を検出すると、ステップS23に進み、図8に示すように、すべての読み出し開始点について、その読み出し開始点(Xi,Yi)を通り、傾きが基準再生レートRpの直線L(i)を、リアルタイム再生ラインの候補として求め、ステップS24に進む。
【0108】
ここで、リアルタイム再生ラインの候補としての直線L(i)は、例えば、次式で表すことができる。
【0109】
y=Rpx+Yi−RpXi
【0110】
ステップS24では、図形データ演算部13は、ステップS23で求めたリアルタイム再生ラインの候補L(i)それぞれに対する再生遅延時間T(i)を求め、ステップS25に進む。
【0111】
ここで、再生遅延時間は、上述したように、リアルタイム再生ラインのx切片で表される。従って、リアルタイム再生ラインの候補L(i)に対する再生遅延時間T(i)は、例えば、次式により求めることができる。
【0112】
T(i)=−(Yi−RpXi)/Rp
【0113】
ステップS25では、図形データ演算部13は、ステップS24で求められた再生遅延時間T(i)を最大にするサフィックスiを求める。いま、再生遅延時間T(i)を最大にするサフィックスiをIと表すこととすると、ステップS25では、さらに、図形データ演算部13が、そのサフィックスIで特定される読み出し開始点(XI,YI)を律速点として求める。そして、図形データ演算部13は、サフィックスIで特定されるリアルタイム再生ラインの候補L(I):y=Rpx+YI−RpXIをリアルタイム再生ラインとして求め、リアルタイム再生ライン算出処理を終了する。
【0114】
以上のリアルタイム再生ライン算出処理によれば、時刻が0からT(I)までは、式y=0で、時刻がT(I)以降は、式y=Rpx+YI−RpXIで、それぞれ表されるリアルタイム再生ラインLpが求められるとともに、最小再生遅延時間Twが、T(I)として求められる。ここで、時間T(I)に代えて、最小再生遅延時間Twを用いると、リアルタイム再生ラインLpは、時刻が0からTwまでは、式y=0で、時刻がTw以降は、式y=Rpx+YI−RpXIで、それぞれ表される。
【0115】
なお、再生遅延時間T(i)を最大にするサフィックスiが複数存在する場合には、そのうちのいずれのサフィックスiを、再生遅延時間T(i)を最大にするサフィックスIとして用いてもかまわない。
【0116】
次に、光ディスク31からのAVデータの読み出しが、メディア読み出しラインLrを描いて行われる場合に、そのAVデータのリアルタイム再生を行うことができるかどうかを判定するには、リアルタイム再生ラインLpの他、バッファ上限ラインLupを導入する必要がある。
【0117】
そこで、図9は、バッファ上限ラインLupを示している。
【0118】
バッファ上限ラインLupは、バッファ19に記憶することができるデータのデータ量の上限値の総量の時間推移を表し、リアルタイム再生ラインLpを上方向に平行移動した折れ線となる。
【0119】
上述したように、メディア読み出しラインLrは、光ディスク31から読み出されてバッファ19にバッファリングされるAVデータのデータ量を表し、バッファ上限ラインLupは、バッファ19に記憶することができるデータのデータ量の上限値を表すから、バッファ上限ラインLupが、メディア読み出しラインLrを下回ることは、バッファ19にオーバーフローが発生することを意味する。従って、バッファ上限ラインLupが、メディア読み出しラインLrを下回ると、再生が途切れることとなるから、これを回避する必要がある。なお、あるバッファ上限ラインLupが、メディア読み出しラインLrを下回ることを回避する方法としては、ディスクドライブ2において回転待ち(トラックジャンプ)を行い、その間、AVデータの読み出しを行わないようにする方法がある。但し、この方法によって、バッファ上限ラインLupが、メディア読み出しラインLrを下回ることを回避した場合、その回避後のメディア読み出しラインLrが、右方向にシフトするように変化してしまうので、メディア読み出しラインLrを求め直す必要がある。
【0120】
バッファ上限ラインLupとリアルタイム再生ラインLpとの差(バッファ上限ラインLupとリアルタイム再生ラインLpとの間のy軸方向(垂直方向)の距離)は、バッファ19に必要とされるバッファサイズを表す。従って、バッファ19に必要とされるバッファサイズを小さくするには、バッファ上限ラインLupは、なるべく下方向に位置するのが望ましい。
【0121】
以上から、AVデータのリアルタイムでの再生を保証しながら、バッファ19に必要とされるバッファサイズを最小とするには、バッファ上限ラインLupを、図9に示すように、メディア読み出しラインLrに対して、上から1以上の点において接するように配置する必要がある。
【0122】
なお、バッファ上限ラインLupが、メディア読み出しラインLrに対して、上から1以上の点において接している場合のバッファ19のバッファサイズ(バッファ上限ラインLupとリアルタイム再生ラインLpとの間の垂直方向の距離)が、リアルタイム再生に必要とされる最小限のバッファ19のバッファである最小バッファ量Bminである。
【0123】
この最小バッファ量Bminは、ディスクドライブ2において回転待ちを行うようにすることによって、小さくすることが可能である。但し、回転待ちは、メディア読み出しラインLr上の、律速点よりも右側の点の位置でなければ行うことができない。
【0124】
ここで、バッファ上限ラインLupが、メディア読み出しラインLrに対して上から接する1以上の点を、以下、適宜、最小バッファ点という。
【0125】
図1の図形データ演算部13は、図2のステップS2において、メディア読み出しラインLrを近似するライン近似図形を求めるにあたって、リアルタイム再生ラインLpの他、バッファ上限ラインLupを用いる。
【0126】
そこで、図10のフローチャートを参照して、バッファ上限ラインLupを求めるバッファ上限ライン算出処理について説明する。
【0127】
バッファ上限ライン算出処理では、まず最初に、ステップS31において、図形データ演算部13は、メディア読み出しラインLrについて、シークが開始する点であるシーク開始点を検出し、ステップS32に進む。ステップS32では、図形データ演算部13は、メディア読み出しラインLrの、時間経過方向に向かって最初のシーク開始点におけるAVデータの読み出しデータ量Dを検出し、ステップS33に進む。
【0128】
ステップS33では、図形データ演算部13は、リアルタイム再生ラインLpを、ステップS32で検出したデータ量Dだけ上方向(y軸方向)に移動し、その移動後のリアルタイム再生ラインLpを、バッファ上限ラインLupの候補(候補ライン)とする。
【0129】
ここで、上述のように、リアルタイム再生ラインLpを移動したものが、バッファ上限ラインLupの候補とされるため、バッファ上限ライン算出処理は、図7のリアルタイム再生ライン算出処理において、リアルタイム再生ラインLpが求められた後に行う必要がある。
【0130】
なお、図7のリアルタイム再生ライン算出処理において、上述したように、時刻が0からT(I)までは、式y=0で、時刻がT(I)以降は、式y=Rpx+YI−RpXIで、それぞれ表されるリアルタイム再生ラインLpが求められた場合、ステップS33で求められるバッファ上限ラインLupの候補である候補ラインは、時刻が0からT(I)までは、式y=Dで、時刻がT(I)以降は、式y=Rpx+YI−RpXI+Dで、それぞれ表される。
【0131】
図形データ演算部13は、ステップS33において、バッファ上限ラインLupの候補である候補ラインを求めると、ステップS34に進み、ステップS31で検出したメディア読み出しラインLr上の2番目以降のシーク開始点の中で、候補ラインよりも上方向に位置するものがあるかどうかを判定する。
【0132】
ステップS34において、メディア読み出しラインLr上の2番目以降のシーク開始点の中で、候補ラインよりも上方向に位置するものがないと判定された場合、即ち、図11に示すように、メディア読み出しラインLr上の2番目以降のシーク開始点すべてが、候補ラインよりも下方向に位置するか、または候補ラインに接している場合(候補ラインが、メディア読み出しラインLrを下回らない場合)、ステップS35に進み、図形データ演算部13は、候補ラインを、バッファ上限ラインLupとして求め、バッファ上限ライン算出処理を終了する。
【0133】
また、ステップS34において、メディア読み出しラインLr上の2番目以降のシーク開始点の中で、候補ラインよりも上方向に位置するものがあると判定された場合、即ち、メディア読み出しラインLr上の2番目以降の任意のシーク開始点の座標を(X,Y)として、式Y>RpX+YI−RpXI+Dを満たすシーク開始点(X,Y)が存在する場合、ステップS36に進み、図形データ演算部13は、候補ラインよりも上方向に位置するシーク開始点それぞれを通る、傾きが、基準再生レートRpの直線を求める。さらに、ステップS36では、図形演算部13は、候補ラインよりも上方向に位置するシーク開始点それぞれを通る、傾きが、基準再生レートRpの直線の中から、y切片が最大のものを、バッファ上限ラインLupを構成する直線として検出し、ステップS37に進む。
【0134】
ステップS37では、図形演算部13は、図12に示すように、バッファ上限ラインLupを構成する直線について、その直線が、シーク開始点と接する点を、最小バッファ点として、その最小バッファ点とリアルタイム再生ラインLpとの垂直方向の距離を、最小バッファ量Bminとして求める。さらに、ステップS37では、図形演算部13は、時刻が0から最小再生遅延時間Twまでは、式y=Bminで、時刻が最小再生遅延時間Tw以降は、y切片最大直線で、それぞれ表される折れ線を、バッファ上限ラインLupとして求め、バッファ上限ライン算出処理を終了する。
【0135】
以上のバッファ上限ライン算出処理によれば、バッファ上限ラインLupとともに、最小バッファ量Bminが求められる。
【0136】
次に、光ディスク31に、ビデオデータだけや、オーディオデータだけの、単一のAVデータだけのファイルが記録されており、そのAVデータ、即ち、ビデオデータまたはオーディオデータだけを再生する場合には、上述の方法を、そのまま用いて、リアルタイム再生ラインLpおよび最小再生遅延時間Tw、並びにバッファ上限ラインLupおよび最小バッファ量Bminを求めれば良いが、例えば、光ディスク31に別々のファイルとして記録されているビデオデータとオーディオデータを、全体としては、1つファイルのAVデータとして再生する場合には、以下のように、リアルタイム再生ラインLpおよび最小再生遅延時間Tw、並びにバッファ上限ラインLupおよび最小バッファ量Bminを求める必要がある。
【0137】
即ち、光ディスク31において、ビデオデータとオーディオデータ等の複数のデータが、別々のファイルとして記録されていても、再生するときには、1つのAVデータのファイルとみなせるように、ビデオデータとオーディオデータのファイルのリストを、VFL(Virtual File List)ファイルと呼ばれるファイルに記述しておき、そのVFLファイルにしたがい、例えば、ビデオデータとそれに付随するオーディオデータを同時に再生する方法がある。
【0138】
この場合、ビデオデータとオーディオデータを、光ディスク31から並列に読み出す必要がある。そこで、まず、上述したようにして、ビデオデータとオーディオデータについて、図13に示すように、メディア読み出しラインVLrとALrをそれぞれ求め、さらに、リアルタイム再生ラインVLpとALpをそれぞれ求める。なお、ビデオデータとオーディオデータを、光ディスク31から並列に読み出すといっても、実際には、図13に示すように、ビデオデータとオーディオデータは、例えば、再生順に、必要に応じてシークを行いながら、時分割で、光ディスク31から読み出される。
【0139】
ビデオデータとオーディオデータについて、リアルタイム再生ラインVLpとALpをそれぞれ求めた後、ビデオデータのリアルタイム再生ラインVLpから得られる最小再生遅延時間VTwと、オーディオデータのリアルタイム再生ラインALpから得られる最小再生遅延時間ATwとが異なる場合は、ビデオデータのリアルタイム再生ラインVLpと、オーディオデータのリアルタイム再生ラインALpのうちの、最小再生遅延時間が小さい方を、大きい方に一致させるように、右方向にずらす。一般には、ビデオデータの最小再生遅延時間VTwの方が、オーディオデータの最小再生遅延時間ATwよりも大となるので、オーディオデータの最小再生遅延時間ATwが、ビデオデータの最小再生遅延時間VTwに一致するように、オーディオデータのリアルタイム再生ラインALpが、右方向にずらされ、これにより、リアルタイム再生ラインALp’とされる。
【0140】
そして、以上のようにして得られたビデオデータのリアルタイム再生ラインVLpを用いて、図9乃至図12で説明したように、ビデオデータのバッファ上限ラインVLupを求めるとともに、オーディオデータのリアルタイム再生ラインALp’を用いて、やはり、図9乃至図12で説明したように、オーディオデータのバッファ上限ラインALupを求める。
【0141】
なお、ここでは、光ディスク31から読み出されたビデオデータとオーディオデータそれぞれを記憶するバッファ19として、独立のバッファを採用することを前提としている。但し、光ディスク31から読み出されたビデオデータとオーディオデータそれぞれを記憶するバッファ19としては、共通のバッファを採用することも可能であり、この場合、ビデオデータとオーディオデータの最小バッファ量は、独立のバッファを採用する場合に比較して小さくなるケースが存在する。
【0142】
また、多くのエクステントから構成されるファイルについては、基準再生レートでの最小バッファ量Bminと最小再生遅延時間Twの算出には、時間を要する場合があるので、基準再生レートでの最小バッファ量Bminと最小再生遅延時間Twは、光ディスク31にファイルを作成したときに求めておき、リアルタイム再生可否判定を行うときに、即座に参照することができるようにしておくようにすることができる。なお、ファイルの作成時求めた基準再生レートでの最小バッファ量Bminと最小再生遅延時間Twは、例えば、そのファイルのエントリ(file entry)や、そのファイルの各種の属性が記述される拡張属性ファイルが存在する場合には、その拡張属性ファイル中に記述しておくことが可能である。
【0143】
ところで、上述の場合においては、リアルタイム再生ラインLpの傾きである基準再生レートRpを、1倍速再生を行うときの再生レートとして、最小バッファ量Bminと最小再生遅延時間Twを求めるようにしたことから、ユーザが入力部12を操作することにより入力する要求再生レートが、1倍速再生に対応する再生レート、即ち、基準再生レートRpに一致していれば、基準再生レートRpについて求められた最小バッファ量Bminと最小再生遅延時間Twを、許容バッファ量と許容再生遅延時間とそれぞれ比較することにより、リアルタイム再生可否判定を、容易に行うことができる。即ち、最小バッファ量Bminが許容バッファ量以下であり、最小再生遅延時間Twも許容再生遅延時間以下であれば、要求再生レートである1倍速再生に対応する再生レートでのリアルタイム再生を行うことができ、最小バッファ量Bminが許容バッファ量より大であるか、または最小再生遅延時間Twが許容再生遅延時間より大であれば、要求再生レートである1倍速再生に対応する再生レートでのリアルタイム再生は行うことができない。
【0144】
一方、要求再生レートが、基準再生レートRpに一致していない場合、その要求再生レートを傾きとして有するリアルタイム再生ラインLpとバッファ上限ラインLupを求め、さらに、その要求再生レートについて、最小バッファ量Bminと最小再生遅延時間Twを求めて、許容バッファ量と許容再生遅延時間とそれぞれ比較しなければ、要求再生レートでのリアルタイム再生が可能であるかどうかのリアルタイム再生可否判定を行うことができず、面倒である。さらに、要求再生レートを傾きとして有するリアルタイム再生ラインLpとバッファ上限ラインLupを求めるには、メディア読み出しラインLrが必要であり、従って、要求再生レートが変更されるたびに、メディア読み出しラインLrが必要となる。このため、メディア読み出しラインLrも、要求再生レートが変更されるたびに求め直すか、あるいは、記憶しておかなければならず、やはり、面倒である。
【0145】
そこで、図1のディスク装置では、要求再生レートでのリアルタイム再生が可能であるかどうかのリアルタイム再生可否判定を、以下のようにして、容易に行うことができるようになっている。
【0146】
即ち、メディア読み出しラインLrは、図14に示すように、基準再生レートRpについて、最小再生遅延時間Twを与えるリアルタイム再生ラインLpと、最小バッファ量Bminを与えるバッファ上限ラインLupに挟まれる範囲に含まれる。そこで、いま、そのリアルタイム再生ラインLpおよびバッファ上限ラインLup、さらには、y軸、光ディスク31からのAVデータの読み出しが終了する読み出し終了点(メディア読み出しラインLr上の最後の点(時間的に最も後の点))を通るx軸に平行な直線で囲まれる領域の外形(図14において影を付してある部分)を、その形状から、ホッケースティック形と呼ぶこととすると、このホッケースティック形は、メディア読み出しラインLrを近似する図形であるということができる。
【0147】
ホッケースティック形は、例えば、基準再生レートRp、その基準再生レートRpでの最小再生遅延時間Twと最小バッファ量Bmin、読み出し終了点によって特定することができる。そこで、図1の図形データ演算部13は、例えば、これらの基準再生レートRp、最小再生遅延時間Tw、最小バッファ量Bmin、読み出し終了点を、メディア読み出しラインLrを近似するライン近似図形としてのホッケースティック形を特定する図形データとして求め、図形データ記憶部14に記憶させる。なお、読み出し終了点は、光ディスク31からのAVデータの読み出しが終了する読み出し終了時刻Tendと、それまでに光ディスク31から読み出されたAVデータのデータ量(の総量)を、それぞれx座標とy座標とするが、図形データとしては、読み出し終了点のx座標とy座標の両方は、必ずしも必要ではなく、いずれか一方だけであっても良い。また、ホッケースティック形を特定する図形データは、上述したものに限定されるものではない。
【0148】
図1のリアルタイム再生可否判定部15は、以上のようなホッケースティック形のライン近似図形に基づき、要求再生レートでのデータのリアルタイム再生に必要とされる最小バッファ量(要求再生レートでの最小バッファ量)と、最小再生遅延時間(要求再生レートでの最小再生遅延時間)とを、次にようにして算出する。
【0149】
即ち、要求再生レートでのリアルタイム再生を保証するには、その要求再生レートでのリアルタイム再生ラインが、メディア読み出しラインLrを上回ることがあってはならない。
【0150】
一方、基準再生レートについて求められたホッケースティック形のライン近似図形は、メディア読み出しラインLrを含むから、要求再生レートでのリアルタイム再生ラインが、基準再生レートについて求められたホッケースティック形のライン近似図形よりも下の位置か、または接する位置に存在すれば、要求再生レートでのリアルタイム再生ラインが、メディア読み出しラインLrを上回ることはない。
【0151】
従って、要求再生レートでのリアルタイム再生を保証するには、要求再生レートでのリアルタイム再生ラインが、図15に示すように、基準再生レートについて求められたホッケースティック形のライン近似図形よりも下の位置か、または接する位置(以下、適宜、ライン図形以下の位置という)に描画されなければならない。
【0152】
このような要求再生レートでのリアルタイム再生ラインは、例えば、ライン図形以下の位置に存在し、ライン図形の1点以上と接する直線であって、要求再生レートを傾きとする直線(以下、適宜、再生要求直線という)を算出し、その再生要求直線のx切片を算出することによって求めることができる。即ち、この場合、要求再生レートでのリアルタイム再生ラインは、図15に示すように、時刻0からx切片までが式y=0の直線で表され、時刻がx切片以降が再生要求直線で表される折れ線となる。
【0153】
さらに、この場合、図15に示すように、要求再生レートでのリアルタイム再生ライン(再生要求直線)のx切片は、再生要求レートでの最小再生遅延時間を近似する値となり、要求再生レートでのリアルタイム再生ラインから、ホッケースティック形のライン近似図形を構成するバッファ上限ラインLupまでの垂直方向の距離の最大値は、再生要求レートでの最小バッファ量を近似する値となる。
【0154】
このようにして、再生要求レートでの最小再生遅延時間(の近似値)と最小バッファ量(の近似値)を求め、許容バッファ量と許容再生遅延時間とそれぞれ比較することにより、再生要求レートでのリアルタイム再生可否判定を、容易に行うことができる。
【0155】
なお、図15の実施の形態では、要求再生レートが、基準再生レートRpの2倍になっている。
【0156】
ここで、以下、適宜、基準再生レートRpでのリアルタイム再生ラインLp、バッファ上限ラインLup、最小再生遅延時間Tw、最小バッファ量Bminを、それぞれ基準リアルタイム再生ラインLp、基準バッファ上限ラインLup、基準最小再生遅延時間Tw、基準最小バッファ量Bminという。
【0157】
以上のように、基準再生レートRp、基準最小再生遅延時間Tw、基準最小バッファ量Bmin、読み出し終了点が、図形データとして、図形データ記憶部14に記憶されていれば、その図形データによって特定されるホッケースティック形に基づき、要求再生レートでの最小再生遅延時間と最小バッファ量を求め、再生要求レートでのリアルタイム再生が可能であるかどうかのリアルタイム再生可否判定を行うことができる。
【0158】
なお、要求再生レートでのリアルタイム再生を保証するには、要求再生レートでのリアルタイム再生ラインが、メディア読み出しラインLrを上回ってはならない他、メディア読み出しラインLrが、要求再生レートでのバッファ上限ラインを上回ってはならない。但し、メディア読み出しラインLrが、要求再生レートでのバッファ上限ラインを上回るケース、即ち、バッファ19がオーバーフローするケースは、上述したように、ディスクドライブ2において回転待ちを行うことにより回避することができる。
【0159】
ところで、上述の場合には、ホッケースティック形を求めるときに、基準再生レートとして、1倍速再生に対応する再生レートを用いることとしたが、ホッケースティック形が分かれば、要求再生レートでの最小再生遅延時間と最小バッファ量を求めることができるから、基準再生レートとしては、1倍速再生に対応する再生レートを、必ずしも用いる必要はない。むしろ、基準再生レートとして、1倍速再生に対応する再生レートを用いることによって、メディア読み出しラインLrをそれほど精度良く近似しないホッケースティック形が得られることがある。
【0160】
即ち、メディア読み出しラインLrが、例えば、図16に示すように、光ディスク31からのAVデータの読み出し開始後まもなく、長時間のシークが行われ、その後、シークが行われずに、AVデータの読み出しが連続して行われるようなケースを表す場合には、基準再生レートとして、1倍速再生に対応する再生レートを用いると、メディア読み出しラインLrを近似するライン近似図形として、幅が広いホッケースティック形が得られることがある。
【0161】
この場合、基準再生レートよりも大きい要求再生レートでのリアルタイム再生ライン(再生要求直線)は、図16に示すように、x切片が大きなものとなる。要求再生レートでのリアルタイム再生ラインのx切片は、再生要求レートでの最小再生遅延時間を表すから、この場合、再生要求レートでの最小再生遅延時間(の近似値)としては、本来必要とされる最小再生遅延時間の真の値よりも非常に大きな値が得られることになる。さらに、要求再生レートでのリアルタイム再生ラインのx切片が大になると、そのリアルタイム再生ラインと、ホッケースティック形のライン近似図形を構成する基準バッファ上限ラインLupとの垂直方向の距離で表される再生要求レートでの最小バッファ量(の近似値)も大になり、本来必要とされる最小バッファ量の真の値よりも非常に大きな値が得られることになる。
【0162】
一方、その再生レートでの再生が可能であるかどうか、あるいは、その再生レートで再生が行われ得るかどうか等にかかわらず、ある仮想的な再生レートを想定することによって、メディア読み出しラインLrを、より精度良く近似するライン近似図形としてのホッケースティック形を得ることができる。
【0163】
そこで、いま、メディア読み出しラインLrを、より精度良く近似するライン近似図形を得ることができる仮想的な再生レートを、仮想再生レートというものとすると、基準再生レートとしては、この仮想再生レートを採用することができる。
【0164】
仮想再生レートを用いて求められるライン近似図形によれば、図17に示すように、メディア読み出しラインLrを、より精度良く近似することができる。そして、そのようなライン近似図形を用いて、要求再生レートでのリアルタイム再生ラインを求め、さらに、再生要求レートでの最小再生遅延時間と最小バッファ量を求めることにより、それぞれの値として、本来必要とされる最小再生遅延時間と最小バッファ量の真の値に近い値が得られることになる。
【0165】
図16と図17は、同一のメディア読み出しラインLrについて、基準再生レートとして、1倍速再生に対応する再生レートと、仮想再生レートをそれぞれ用いて、ライン近似図形としてのホッケースティック形を求め、さらに、再生要求レートでの最小再生遅延時間および最小バッファ量を求めた場合をそれぞれ示しているが、図16と図17の比較して明らかなように、仮想再生レートを用いてホッケースティック形を求めた場合(図17)の方が、1倍速再生に対応する再生レートを用いてホッケースティック形を求めた場合(図16)よりも、再生要求レートでの最小再生遅延時間および最小バッファ量として、小さな値が得られている。
【0166】
次に、仮想再生レートを基準再生レートとしてホッケースティック形を求める場合、その仮想再生レートを、どのような再生レートとするかが問題となる。
【0167】
そこで、仮想再生レートは、例えば、図18に示すように、最小バッファ量Bminがより小さくなるように、リアルタイム再生ラインを描くことができる値とすることができる。
【0168】
即ち、仮想再生レートでのリアルタイム再生ラインを、仮想再生ラインというものとすると、仮想再生ラインは、メディア読み出しラインLrの1点以上において、下から接するように描けば良いから、仮想再生ラインの候補となる直線は、無数に存在する。そこで、仮想再生ラインとしては、そのような無数の候補の中の最小バッファ量を最小にするものを採用することができる。
【0169】
具体的には、例えば、図18に示すように、x切片と傾きが小の仮想再生ラインの候補Lp#1と、x切片と傾きが大の仮想再生ラインの候補Lp#2とについて考えた場合、x切片が小の仮想再生ラインの候補Lp#1の最小再生遅延時間Tw#1は、x切片が大の仮想再生ラインの候補Lp#2の最小再生遅延時間Tw#2よりも小になる。
【0170】
一方、仮想再生ラインと、メディア読み出しラインLrとの垂直方向の距離の最大値で表される最小バッファ量Bminについては、x切片と傾きが小の仮想再生ラインの候補Lp#1の最小バッファ量Bmin#1より、x切片と傾きが大の仮想再生ラインの候補Lp#2の最小バッファ量Bmin#2の方が小さくなる。
【0171】
従って、最小バッファ量Bminがより小さい、という基準で、仮想再生ラインを求める場合には、仮想再生ラインの候補Lp#2が、仮想再生ラインとして決定され、その傾きが仮想再生レートとして求められる。なお、最小再生遅延時間Twが短い、という基準で、仮想再生ラインを求める場合には、仮想再生ラインの候補Lp#1が、仮想再生ラインとして決定される。
【0172】
上述のように、仮想再生レートを基準再生レートとして用いてホッケースティック形を求める場合には、図1の図形データ演算部13は、そのホッケースティック形を特定する図形データを求めるために、図2のステップS2において仮想再生ラインを決定する。
【0173】
そこで、図19のフローチャートを参照して、仮想再生ラインを決定する仮想再生ライン決定処理について説明する。
【0174】
いま、メディア読み出しラインLr上の、i番目の読み出し開始点の座標を、(Xi,Yi)と表すこととすると、図形データ演算部13は、ステップS41において、メディア読み出しラインLr上の隣接する2つの読み出し開始点(Xi-1,Yi-1)および(Xi,Yi)のセットすべてについて、図20Aに示すように、その2つの読み出し開始点(Xi-1,Yi-1)および(Xi,Yi)を通る直線L(i)を求め、ステップS42に進む。
【0175】
ステップS42では、図形データ演算部13は、ステップS41で求めた直線L(i)の中から、メディア読み出しラインLrと交わっていないもののみを選択する。即ち、2つの読み出し開始点(Xi-1,Yi-1)および(Xi,Yi)を通る直線L(i)は、式y=(Yi−Yi-1)/(Xi−Xi-1)×x+(Yi-1Xi−YiXi-1)/(Xi−Xi-1)で表される。そして、メディア読み出しラインLr上の読み出し開始点(Xi-1,Yi-1)および(Xi,Yi)以外の任意の読み出し開始点の座標を、(X,Y)と表すこととすると、式Y≧(Yi−Yi-1)/(Xi−Xi-1)×X+(Yi-1Xi−YiXi-1)/(Xi−Xi-1)が満たされる場合、直線L(i)は、メディア読み出しラインLrと交わっていないこととなる。ステップS42では、このようにメディア読み出しラインLrと交わっていない直線L(i)だけが選択される。
【0176】
その後、ステップS43に進み、図形データ演算部13は、ステップS42で選択された直線を、仮想再生ラインの候補とし、その仮想再生ラインの候補それぞれについて、最小バッファ量を求める。即ち、図形データ演算部13は、図20Bに示すように、式y=(Yi−Yi-1)/(Xi−Xi-1)×x+(Yi-1Xi−YiXi-1)/(Xi−Xi-1)で表される仮想再生ラインの候補L(i)について、メディア読み出しラインLr上の読み出し開始点(Xi-1,Yi-1)および(Xi,Yi)以外のすべての読み出し開始点との垂直方向の距離(読み出し開始点における仮想再生ラインの候補L(i)とメディア読み出しラインLrとの差)を、最小バッファ量の候補として求める。そして、図形データ演算部13は、仮想再生ラインの候補L(i)について求められた最小バッファ量の候補のうち、値が最も大きいものを、その仮想再生ラインの候補L(i)の最小バッファ量として求める。
【0177】
以上のようにして、ステップS43において、ステップS42で選択された直線である仮想再生ラインの候補すべてについて、それぞれの最小バッファ量が求められた後は、ステップS44に進み、図形データ演算部13は、ステップS43において仮想再生ラインの候補それぞれについて求められた最小バッファ量の中から、値が最も小さいものを選択する。さらに、図形データ演算部13は、値が最も小さい最小バッファ量を与える仮想再生ラインの候補を、仮想再生ラインとして決定し、仮想再生ライン決定処理を終了する。
【0178】
なお、仮想再生ライン決定処理においては、最小バッファ量が最も小さい仮想再生ラインの候補が複数存在するケースがあり得るが、この場合には、いずれの候補を、仮想再生ラインとして決定してもかまわない。但し、最小バッファ量が最も小さい仮想再生ラインの候補が複数存在する場合において、その複数の仮想再生ラインの候補の傾きが異なるときには、例えば、傾きが、要求再生レートとしてユーザに要求されやすい再生レートに近い方を、仮想再生ラインとして決定することができる。また、複数の仮想再生ラインの候補の傾きが大きく異なるときには、例えば、その複数の仮想再生ラインの候補すべてを、仮想再生ラインとして決定することが可能である。この場合、仮想再生ラインが複数存在するので、ホッケースティック形も、その複数の仮想再生ラインと同様に複数得られることになる。そして、この場合、その複数のホッケースティック形のうちのいずれかから得られる最小バッファ量と最小再生遅延時間が、それぞれ許容バッファ量と許容再生遅延時間以下であれば、リアルタイム再生が可能であるということになる。
【0179】
次に、上述の場合には、最小バッファ量Bminがより小さくなるように、リアルタイム再生ライン(仮想再生ライン)を描くことができる再生レートを仮想再生レートとするようにしたが、その他、例えば、バッファ19に最大のデータ量のAVデータが記憶されるケースが、AVデータのリアルタイム再生中に均等に出現する場合の再生レートを、仮想再生レートとして求めるようにすることが可能である。
【0180】
即ち、いま、リアルタイム再生中にバッファ19に記憶されるAVデータのデータ量を、バッファ量というものとすると、ある時刻のバッファ量は、その時刻におけるメディア読み出しラインLrとリアルタイム再生ラインとの垂直方向の距離で表される。そして、バッファ量の最大値を、バッファ最大量というものとすると、例えば、図21に示すように、メディア読み出しラインLrの1つの点において下から接する直線を、仮想再生ライン(リアルタイム再生ライン)の候補とし、その仮想再生ラインの候補がメディア読み出しラインLrと接する点の左右それぞれにおいて、バッファ最大量が出現する仮想再生ラインの候補を、仮想再生ラインとして決定することができる。
【0181】
そこで、図22のフローチャートを参照して、上述のようにして仮想再生ラインを決定する仮想再生ライン決定処理について説明する。
【0182】
まず最初に、ステップS51において、図形データ演算部13は、メディア読み出しラインLr上のすべての読み出し開始点について、その読み出し開始点を通り、かつその読み出し開始点の右側と左側それぞれにバッファ最大量が出現する傾きを有する直線を、仮想再生ラインの候補として求める。即ち、ある読み出し開始点の座標を、(Xi,Yi)とすると、その読み出し開始点(Xi,Yi)を通る傾きがAの直線L(i)は、式y=Ax+Yi+AXiで表すことができる。図形データ演算部13は、直線L(i)の傾きAを少しずつ変化させ、その直線L(i)について、読み出し開始点(Xi,Yi)の右側と左側それぞれにバッファ最大量が出現する傾きAを求め、その傾きAを有し、読み出し開始点(Xi,Yi)を通る直線L(i)を、仮想再生ラインの候補として求める。
【0183】
なお、直線L(i)について、読み出し開始点(Xi,Yi)の右側と左側それぞれにバッファ最大量が出現しているかどうかは、例えば、次のようにして判定することができる。即ち、読み出し開始点(Xi,Yi)の右側と左側それぞれに存在する読み出し開始点におけるバッファ量(読み出し開始点と直線L(i)との垂直方向の距離)を求め、読み出し開始点(Xi,Yi)の右側と左側それぞれについて、最大のバッファ量を求める。この読み出し開始点(Xi,Yi)の右側と左側それぞれの最大のバッファ量が等しい場合には、読み出し開始点(Xi,Yi)の右側と左側それぞれにバッファ最大量が出現していることとなる。
【0184】
その後、ステップS52に進み、図形データ演算部42は、ステップS51で求めた仮想再生ラインの候補の中から、メディア読み出しラインLrを交わっていないものを選択する。即ち、ステップS52では、図形データ演算部42は、図23に示すように、ステップS51で求めた仮想再生ラインの候補のうち、メディア読み出しラインLrと交わっているものを、仮想再生ラインの候補から除外し、これにより、図24に示すように、メディア読み出しラインLrを交わっていないものだけを、仮想再生ラインの候補として残す。
【0185】
そして、ステップS53に進み、図形データ演算部42は、ステップS52で選択された仮想再生ラインの候補の中から、例えば、バッファ最大量が最小のものを選択し、その仮想再生ラインの候補を、仮想再生ラインに決定して、仮想再生ライン決定処理を終了する。
【0186】
図19の仮想再生ライン決定処理では、仮想再生ラインの候補の中から、単に、最小バッファ量Bminが小さいものを、仮想再生ラインとして決定するようにしたが、図22の仮想再生ライン決定処理では、読み出し開始点(Xi,Yi)の右側と左側それぞれにバッファ最大量が出現する仮想再生ラインの候補の中から、最小バッファ量Bminとなるバッファ最大量が最小のものを、仮想再生ラインとして決定するようにしたので、最小バッファ量Bminと最小再生遅延時間Twの両方を、ある程度小さくすることができる。
【0187】
即ち、仮想再生ラインの候補の中から、単に、最小バッファ量Bminが小さいものを、仮想再生ラインとして決定する場合、最小バッファ量Bminは小さくなるが、最小再生遅延時間Twは、一般に大きくなる。一方、読み出し開始点(Xi,Yi)の右側と左側それぞれにバッファ最大量が出現する仮想再生ラインの候補の中から、最小バッファ量Bminとなるバッファ最大量が小さいものを、仮想再生ラインとして決定する場合には、最小バッファ量Bminと最小再生遅延時間Twの両方を、ある程度小さくすることができる。
【0188】
なお、その他、例えば、図25に示すように、メディア読み出しラインLr上の最初の読み出し開始点と、最後の読み出し開始点を結んだ直線が、メディア読み出しラインLrと交わらない(交差しない)場合には、その直線を、仮想再生ラインとすることが可能である。この場合、最小再生遅延時間Twを0とすることができる。
【0189】
また、メディア読み出しラインLr上の最後の点である読み出し終了点と、その読み出し終了点におけるデータ量(y座標)に一致するデータ量となる仮想再生ライン上の点(以下、適宜、再生終了点という)との時間間隔(水平方向の距離)を、終了時先行時間というものとすると、この終了時先行時間が0となるリアルタイム再生ラインを、仮想再生ラインとすることが可能である。この場合、仮想再生ラインは、図26に示すように、メディア読み出しラインLr上の最後の読み出し開始点と読み出し終了点とを結んだ直線となり、仮想再生レートは、読み出しレートRrに等しくなる。終了時先行時間が0となるリアルタイム再生ラインを、仮想再生ラインとする場合、最小バッファ量Bminは、比較的大きな値になり得るが、最小再生遅延時間Twは、例えば、読み出しレートRrに近い再生レートでの再生が行われる場合に必要とされる最小再生遅延時間の真の値を、比較的精度良く近似する。ここで、終了先行時間は、AVデータの読み出しが終了してから、そのAVデータの再生が終了するまでの時間を表す。
【0190】
なお、一連のAVデータが、光ディスク32に連続して記録されており、その読み出し時にシークが発生しない場合、メディア読み出しラインLrは原点を通る直線となり、さらに、この場合、仮想再生ラインは、上述したいずれの方法で決定しても、メディア読み出しラインLrに一致する。
【0191】
次に、以上の場合においては、メディア読み出しラインLrそのものを、ホッケースティック形で、いわば直接的に近似することとしたが、メディア読み出しラインLrは、幾つかの成分に分け、その成分を近似する図形によって、いわば間接的に近似することが可能である。
【0192】
即ち、メディア読み出しラインLrは、メディアアクセス情報、読み出しレートRr、シーク時間(シーク時間関数)から求めることができる。従って、例えば、将来的に、高速な読み出しレートを有するディスクドライブが出現した場合や、ディスクドライブ2として、複数のピックアップを有し、実質的に高速な読み出しレートで、光ディスク31からAVデータを読み出すものを採用した場合などを考慮すると、メディア読み出しラインLrを構成するメディアアクセス情報に関する成分、読み出しレートに関する成分、シーク時間に関する成分は、それぞれ独立に扱うのが望ましい。
【0193】
そこで、メディア読み出しラインLrを、メディアアクセス情報に関する成分、読み出しレートに関する成分、シーク時間に関する成分に分けることを考える。
【0194】
メディア読み出しラインLrの成分のうち、読み出しレートに関する成分は、読み出しレートRrを傾きとして有し、原点を通る直線であるから、メディア読み出しラインLrから、容易に分離することができる。
【0195】
一方、メディア読み出しラインLrから、メディアアクセス情報に関する成分と、シーク時間に関する成分とを、それぞれ独立に分離しようとすると、その情報量が多くなる。そこで、メディア読み出しラインLrから、読み出しレートに関する成分を分離した残り、即ち、メディアアクセス情報に関する成分とシーク時間に関する成分との合成成分を考えると、その合成成分は、ディスクドライブ2において光ディスク31からデータを読み出すときに生じるシークの時間推移と、光ディスク31からデータの読み出しを無限大の読み出しレートで行うときの読み出しデータ量の総量の時間推移とを表すラインとなる。
【0196】
そこで、図27に示すように、メディア読み出しラインLrを、読み出しレートに関する成分を表すラインと、メディアアクセス情報に関する成分およびシーク時間に関する成分の合成成分を表すラインとに分離して取り扱うこととする。
【0197】
ここで、読み出しレートに関する成分を表すラインは、上述したように、読み出しレートRrを傾きとして有し、原点を通る直線であり、シークが発生しないと仮定した場合の、光ディスク31からのデータの読み出しデータ量の総量の時間推移を表す。そこで、以下、適宜、読み出しレートに関する成分を表すラインを、無シーク読み出しラインLnsという。また、メディアアクセス情報に関する成分およびシーク時間に関する成分の合成成分を表すラインを、以下、適宜、メディアシークラインLsという。
【0198】
メディア読み出しラインLrを、無シーク読み出しラインLnsとメディアシークラインLsに分離した場合、メディア読み出しラインLrは、無シーク読み出しラインLnsとメディアシークラインLsとを、いわば時間方向(x軸方向)に加算することで求めることができる。
【0199】
無シーク読み出しラインLnsは、光ディスク31を駆動するディスクドライブ2の読み出しレートRr(さらには、ディスクドライブ2が有するピックアップの数などのディスクドライブ2の仕様)にのみ依存する。従って、無シーク読み出しラインLnsは、再生対象のAVデータのファイルごとに用意する必要はない。また、無シーク読み出しラインLnsは、読み出しレートRrの傾きを有する、原点を通る直線であるから、読み出しレートRrが分かっていれば描画することができ、図形によって近似するまでもなく、読み出しレートRrだけで特定することができる。
【0200】
一方、メディアシークラインLsは、メディアアクセス情報に関する成分およびシーク時間に関する成分の合成成分を表すラインであるから、ディスクドライブ2の仕様の他、再生対象のAVデータの、光ディスク31上の配置位置などにも依存する。そして、メディアシークラインLsは、シークが行われているときには、傾きが0となり、光ディスク31からのデータの読み出しが行われているときには、傾きが無限大となるから、その特定には、例えば、シークの開始時刻、シークが行われている時間、光ディスク31からのデータの読み出しが行われている各時刻において光ディスク31から読み出されるデータ量といった多くの情報が必要となる。そこで、ここでは、メディア読み出しラインLrを図形によって近似した場合と同様に、メディアシークラインLsを図形によって近似し、その図形を、少ないデータで特定することを考える。
【0201】
メディアシークラインLsを図形によって近似する場合、まず最初に、基準再生レートとなる仮想再生レートを決定する必要がある。ここでは、例えば、図28に示すように、メディアシークラインLsの始点と終点とを結んだ直線を、平均再生ラインというものとして、その平均再生ラインの傾きを、仮想再生レートとすることとする。この場合、仮想再生レートでのリアルタイム再生ラインである仮想再生ラインは、傾きが仮想再生レートで、メディアシークラインLsに対して下から接する直線となる。また、仮想再生レートでのバッファ上限ラインを、仮想バッファ上限ラインというものとすると、仮想バッファ上限ラインは、傾きが仮想再生レートで、メディアシークラインLsに対して上から接する直線となる。なお、仮想再生ラインと仮想バッファ上限ラインは、平均再生ラインを、右または左に、それぞれ平行移動した直線に一致する。
【0202】
そして、仮想再生ラインと仮想バッファ上限ライン、さらには、x軸、およびメディアシークラインLsの終点を通り、x軸に平行な直線で構成される平行四辺形を考えると、メディアシークラインLsは、この平行四辺形に含まれることとなる。この平行四辺形は、メディアシークラインLsを近似しており、以下、適宜、シークライン近似平行四辺形という。
【0203】
いま、シークライン近似平行四辺形の底辺の長さを、底辺時間といい、原点からシークライン近似平行四辺形の右下の頂点までの水平距離を、基準遅延時間ということとする。この場合、シークライン近似平行四辺形は、例えば、仮想再生レート、底辺時間、基準遅延時間、およびメディアシークラインLsの終点(のx座標またはy座標のうちの少なくとも一方)という少ないデータによって特定される。なお、シークライン近似平行四辺形を特定するデータは、上述のものに限定されるものではなく、その他、例えば、シークライン近似平行四辺形の4つの頂点の座標などを採用することが可能である。
【0204】
ところで、上述したように、メディア読み出しラインLrは、無シーク読み出しラインLnsとメディアシークラインLsとを、いわば時間方向に加算することで求めることができる。一方、シークライン近似平行四辺形は、メディアシークラインLsを含んでいる。従って、図29に示すように、無シーク読み出しラインLnsとシークライン近似平行四辺形とを、時間方向に加算した場合には、メディア読み出しラインLrを含み、そのメディアシークラインLsを近似する図形、即ち、ライン近似図形を得ることができる。
【0205】
ここで、無シーク読み出しラインLnsとシークライン近似平行四辺形とを、時間方向に加算して得られるライン近似図形は、底辺を、シークライン近似平行四辺形と同一とし、シークライン近似平行四辺形の上底(上辺)を実質読み出し時間だけ時間方向に移動した平行四辺形(図29において右側に示す影を付してある部分)となる。なお、実質読み出し時間とは、無シーク読み出しラインLnsの終点の時刻を意味し、例えば、再生対象のAVデータのファイルのデータ量を、読み出しレートRrで除算することにより求めることができる。
【0206】
この場合、ライン近似図形における基準遅延時間が、(基準)最小再生遅延時間Twとなり、その最小再生遅延時間Twにおけるライン近似図形の垂直方向の幅が(基準)最小バッファ量Bminとなる。
【0207】
なお、無シーク読み出しラインLnsとシークライン近似平行四辺形とを時間方向に加算して得られるライン近似図形としての平行四辺形においては、ライン近似図形をホッケースティック形とする場合と同様に、リアルタイム再生ライン、バッファ上限ライン、仮想再生レートを規定することができる。即ち、ライン近似図形としての平行四辺形においては、その左右の辺のうちの右側の辺が、リアルタイム再生ライン(仮想再生ライン)を表し、左側の辺が、バッファ上限ラインを表す。そして、リアルタイム再生ラインおよびバッファ上限ラインは、同一の傾きを有し、その傾きが、仮想再生レートを表す。図29では、ライン近似図形としての平行四辺形において規定されるリアルタイム再生ライン、バッファ上限ライン、仮想再生レートを、それぞれ、合成後仮想再生ライン、合成後バッファ上限ライン、合成後仮想再生レートとして示してある。
【0208】
また、上述の場合には、メディアシークラインLsを近似する図形として、平行四辺形を採用することとしたが、メディアシークラインLsを近似する図形としては、その他、例えば、上述したホッケースティック形などを採用することも可能である。但し、メディアシークラインLsを近似する図形として、平行四辺形を採用する場合には、メディア読み出しラインLrを近似するライン近似図形は、その平行四辺形を右方向に延ばしたような平行四辺形となるため、そのライン近似図形によって規定される最小バッファ量は、メディアシークラインLsを近似する平行四辺形によって規定される最小バッファ量より小さくなる。これに対して、メディアシークラインLsを近似する図形として、ホッケースティック形を採用する場合には、メディア読み出しラインLrを近似するライン近似図形によって規定される最小バッファ量は、メディアシークラインLsを近似するホッケースティック形によって規定される最小バッファ量と基本的に変わらない。
【0209】
次に、図30のフローチャートを参照して、上述のように、メディアシークラインLsを近似する平行四辺形と、無シーク読み出しラインLnsとから、メディア読み出しラインLrを近似するライン近似図形を特定する図形データを求める場合の、図2のステップS2の処理の詳細について説明する。
【0210】
図形データ演算部13は、まず最初に、ステップS61において、例えば、メディア読み出しラインLrから、メディアシークラインLsと無シーク読み出しラインLnsとを求める。ここで、メディアシークラインLsと無シーク読み出しラインLnsは、メディア読み出しラインLrから、例えば、図31に示すようにして求めることができる。
【0211】
即ち、まず、無シーク読み出しラインLnsは、読み出しレートRrを傾きとして有する、原点を通る直線として求めることができる。また、メディアシークラインLsは、光ディスク31からのデータの読み出しが無シーク読み出しラインLnsにしたがって行われるとした場合に、メディア読み出しラインLr上の各点におけるデータ量dだけのデータを読み出すのに要する時間d/Rrを求め、メディア読み出しラインLr上の各点を、時間d/Rrだけ左方向(時間的に遡る方向)にシフトすることによって求めることができる。
【0212】
図30に戻り、ステップS61において、メディアシークラインLsと無シーク読み出しラインLnsとを求めた後は、ステップS62に進み、図形データ演算部13は、メディアシークラインLsの始点と終点と結ぶ直線である平均再生ラインを求め、その平均再生ラインの傾きを、基準再生レートとなる仮想再生レートとして求める。
【0213】
そして、ステップS63に進み、図形データ演算部13は、メディアシークラインを囲む平行四辺形であって、平均再生ラインに平行な辺を有するものであるシークライン近似平行四辺形を求める。即ち、図形データ演算部13は、傾きが仮想再生レートで、メディアシークラインLsに対して下から接する直線となる仮想再生ラインを求めるとともに、傾きが仮想再生レートで、メディアシークラインLsに対して上から接する直線となるバッファ上限ラインを求める。そして、図形データ演算部13は、その仮想再生ラインと仮想バッファ上限ライン、さらには、x軸、およびメディアシークラインLsの終点を通り、x軸に平行な直線で構成される平行四辺形を、シークライン近似平行四辺形として求める。
【0214】
その後、ステップS64に進み、図形データ演算部13は、シークライン近似平行四辺形を特定するデータとして、例えば、仮想再生レート、底辺時間、基準遅延時間、およびメディアシークラインLsの終点(のx座標またはy座標のうちの少なくとも一方)を求め、そのデータと、無シーク読み出しラインLnsの傾き、即ち、読み出しレートRrを、メディア読み出しラインLrを近似するライン近似図形を特定する図形データとして、処理を終了する。
【0215】
次に、上述のように、メディア読み出しラインLrを近似するライン近似図形を特定する図形データとして、シークライン近似平行四辺形を特定するデータと、読み出しレートRrとを採用する場合には、図3のステップS14において、その図形データから、ライン近似図形を求める必要がある。
【0216】
そこで、図32のフローチャートを参照して、メディア読み出しラインLrを近似するライン近似図形を特定する図形データとして、シークライン近似平行四辺形を特定するデータと、読み出しレートRrとを採用する場合の、ライン近似図形の算出方法について説明する。
【0217】
この場合、リアルタイム再生可否判定部15は、ステップS71において、シークライン近似平行四辺形を特定するデータから、シークライン近似平行四辺形を求め、ステップS72に進む。ステップS72では、リアルタイム再生可否判定部15は、シークライン近似平行四辺形と、読み出しレートRrから、ライン近似図形を求め、即ち、図29で説明したように、シークライン近似平行四辺形と同一の底辺を有し、シークライン近似平行四辺形の上底(上辺)を実質読み出し時間だけ時間方向に移動した平行四辺形を、ライン近似図形として求め、処理を終了する。
【0218】
なお、ライン近似図形は、その他、例えば、図33に示すようにして求めることが可能である。
【0219】
即ち、いま、平均再生ラインと同一の傾きを有し、メディアシークラインLsに上から接する直線#1と下から接する直線#2を考え、直線#1上の任意の1点P1の座標が(t1,d1)で表されるとともに、直線#2上の任意の1点P2の座標が(t2,d2)で表されるものとする。さらに、直線#1と#2のx切片は、それぞれb1とb2であるとする。なお、図33では、点P1(t1,d1)は、直線#1上の点となっている他、メディアシークラインLs上のシークが開始される点ともなっている。また、点P2(t2,d2)は、直線#2上の点となっている他、メディアシークラインLs上のシークが終了する点ともなっている。
【0220】
この場合、直線#1は、式y=−d1×(b1−t1)×x+d1/(b1−t1)で表され、直線#2は、式y=−d2×(b2−t2)×x+d2/(b2−t2)で表される。
【0221】
一方、無シーク読み出しラインLnsにおいて、y座標がd1またはd2の点のx座標を、それぞれdt1またはdt2とする。
【0222】
そして、点P1を、dt1だけ右方向(時間が進行する方向)に平行移動した点を、点P1’とするとともに、点P2を、dt2だけ右方向に平行移動した点を、点P2’とする。この場合、点P1’と、直線#1のx切片(b1,0)とを結んだ直線#1’は、式y=−d1×(b1−t1−dt1)×x+d1/(b1−t1−dt1)で表される。また、点P2’と、直線#2のx切片(b2,0)とを結んだ直線#2’は、式y=−d2×(b2−t2−dt2)×x+d2/(b2−t2−dt2)で表される。
【0223】
ライン近似図形は、以上のようにして求められる直線#1’および#2’、並びに、x軸、および無シーク読み出しラインLnsの終点を通るx軸に平行な直線で囲まれる平行四辺形として求めることができる。
【0224】
この場合、ライン近似図形を特定する図形データとしては、例えば、点P1,P2、直線#1(または#1’)のx切片、直線#2(または#2’)のx切片、無シーク読み出しラインLnsの終点(のx座標またはy座標のうちの少なくとも一方)、無シーク読み出しラインLnsの傾き(読み出しレートRr)を採用することができる。
【0225】
以上のように、メディア読み出しラインを近似するライン近似図形に基づき、要求再生レートでのAVデータのリアルタイム再生に必要とされる最小バッファ量と最小再生遅延時間とを算出し、最小バッファ量と最小再生遅延時間に基づき、要求再生レートでのAVデータのリアルタイム再生の可否を判定するようにしたので、要求再生レートでのリアルタイム再生に必要な最小バッファ量と最小再生遅延時間を、容易に求めることができ、さらに、要求再生レートでのリアルタイム再生の可否を、容易に判定することができる。
【0226】
次に、記録再生制御部1による上述した一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータ等にインストールされる。
【0227】
そこで、図34は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
【0228】
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスク105やROM103に予め記録しておくことができる。
【0229】
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体111に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体111は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0230】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体111からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを、通信部108で受信し、内蔵するハードディスク105にインストールすることができる。
【0231】
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)102を内蔵している。CPU102には、バス101を介して、入出力インタフェース110が接続されており、CPU102は、入出力インタフェース110を介して、ユーザによって、キーボードや、マウス、マイク等で構成される入力部107が操作等されることにより指令が入力されると、それにしたがって、ROM(Read Only Memory)103に格納されているプログラムを実行する。あるいは、また、CPU102は、ハードディスク105に格納されているプログラム、衛星若しくはネットワークから転送され、通信部108で受信されてハードディスク105にインストールされたプログラム、または図1のディスクドライブ2に対応するドライブ109に装着されたリムーバブル記録媒体111から読み出されてハードディスク105にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory)104にロードして実行する。これにより、CPU102は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU102は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース110を介して、LCD(Liquid Crystal Display)やスピーカ等で構成される出力部106から出力、あるいは、通信部108から送信、さらには、ハードディスク105に記録等させる。
【0232】
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0233】
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
【0234】
なお、本実施の形態では、光ディスク31から読み出されたAVデータをバッファリングするバッファ19を、記録再生制御部1に設けるようにしたが、バッファ19は、記録再生制御部1ではなく、ディスクドライブ2に内蔵させることが可能である。
【0235】
また、本発明は、光ディスク31以外の、光磁気ディスクや、磁気ディスク、その他の記録媒体に記録されたデータを再生する場合にも適用可能である。
【0236】
さらに、本発明は、AVデータ以外のデータを再生する場合にも適用可能である。
【0237】
また、本実施の形態では、ディスクドライブ2において、光ディスク31から最初にデータを読み出すときに生じるシークを、メディア読み出しラインLrに考慮しなかったが、図1のディスク装置を実施するにあたっては、光ディスク31から最初にデータの読み出しが行われるときに生じるシーク(以下、適宜、先行シークという)を考慮する必要がある。具体的には、図3のステップS14において、ライン近似図形に基づいて求められた最小再生遅延時間に、先行シークのシーク時間を加算した値を、ステップS15での判定に用いる最終的な最小再生遅延時間とする必要がある。
【0238】
なお、AVデータの再生が開始される直前のディスクドライブ2のピックアップ(ヘッド)の位置が分かる場合には、その位置に基づき、シーク時間関数を用いて、先行シークのシーク時間を求めることができるが、AVデータの再生が開始される直前のディスクドライブ2のピックアップの位置を認識することができない場合には、先行シークのシーク時間としては、例えば、最大シーク時間(光ディスク31の最内周と最外周との間のシークに要する時間)などを採用することができる。
【0239】
【発明の効果】
以上の如く、本発明によれば、ユーザが要求した再生レートでのリアルタイム再生が可能であるかどうかのリアルタイム再生可否判定を、容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したディスク装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】図形データ演算処理を説明するフローチャートである。
【図3】リアルタイム再生可否判定処理を説明するフローチャートである。
【図4】メディアアクセス情報を説明する図である。
【図5】メディア読み出しラインを示す図である。
【図6】リアルタイム再生ラインを説明する図である。
【図7】リアルタイム再生ラインを算出する処理を説明するフローチャートである。
【図8】リアルタイム再生ラインを算出する処理を説明する図である。
【図9】バッファ上限ラインを説明する図である。
【図10】バッファ上限ラインを算出する方法を説明する図である。
【図11】バッファ上限ラインを算出する処理を説明するフローチャートである。
【図12】バッファ上限ラインを算出する処理を説明する図である。
【図13】ビデオデータとオーディオデータとを並列して読み出す場合のリアルタイム再生ラインとバッファ上限ラインの算出方法を説明する図である。
【図14】メディア読み出しラインを近似するライン近似図形としてのホッケースティック形を示す図である。
【図15】要求再生レートでのリアルタイム再生の可否を、ライン近似図形を用いて行う方法を説明する図である。
【図16】ライン近似図形としてのホッケースティック形を示す図である。
【図17】ライン近似図形としての他のホッケースティック形を示す図である。
【図18】仮想再生ラインの決定方法を説明する図である。
【図19】仮想再生ラインを決定する処理を説明するフローチャートである。
【図20】仮想再生ラインを決定する処理を説明する図である。
【図21】仮想再生ラインの決定方法を説明する図である。
【図22】仮想再生ラインを決定する処理を説明するフローチャートである。
【図23】仮想再生ラインの決定方法を説明する図である。
【図24】仮想再生ラインの決定方法を説明する図である。
【図25】仮想再生ラインの決定方法を説明する図である。
【図26】仮想再生ラインの決定方法を説明する図である。
【図27】メディア読み出しラインが、無シーク読み出しラインとメディアシークラインに分離することができることを説明する図である。
【図28】メディアシークラインを近似するシークライン近似平行四辺形を示す図である。
【図29】シークライン近似平行四辺形と無シーク読み出しラインから求められるライン近似図形を示す図である。
【図30】メディア読み出しラインを、無シーク読み出しラインとメディアシークラインに分離した場合の、図形データの演算処理を説明するフローチャートである。
【図31】メディア読み出しラインを、無シーク読み出しラインとメディアシークラインに分離する方法を説明する図である。
【図32】シークライン近似平行四辺形と無シーク読み出しラインから、ライン近似図形を求める処理を説明するフローチャートである。
【図33】シークライン近似平行四辺形と無シーク読み出しラインから、ライン近似図形を求める方法を説明する図である。
【図34】本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 記録再生制御部, 2 ディスクドライブ, 11 システム制御部, 12 入力部, 13 図形データ演算部13 図形データ記憶部, 15 リアルタイム再生可否判定部, 16 再生条件記憶部, 17 読み書き制御部, 18 データ記憶部, 19 バッファ, 20 出力部, 31 光ディスク, 101 バス, 102 CPU, 103 ROM, 104 RAM, 105 ハードディスク, 106 出力部, 107 入力部, 108 通信部, 109 ドライブ, 110 入出力インタフェース, 111 リムーバブル記録媒体
Claims (10)
- 記録媒体に記録されたデータを読み出し、所定のバッファにバッファリングして再生する場合の、前記データのリアルタイム再生の可否を判定する情報処理装置において、
前記記録媒体から前記データを読み出すときの読み出しデータ量の推移を表すメディア読み出しラインを近似するライン近似図形を特定する図形データを取得する図形データ取得手段と、
前記データの再生に要求される再生レートである要求再生レートを取得する要求再生レート取得手段と、
前記図形データによって特定されるライン近似図形に基づき、前記要求再生レートでの前記データのリアルタイム再生に必要とされる前記バッファの最小のバッファサイズである最小バッファ量と、前記データの読み出しの開始から前記データの再生が開始されるまでの再生遅延時間の最小値である最小再生遅延時間とを算出する算出手段と、
前記最小バッファ量と最小再生遅延時間に基づき、前記要求再生レートでの前記データのリアルタイム再生の可否を判定する判定手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。 - 前記要求再生レートでのデータの再生を行うときに許容される前記バッファのバッファサイズである許容バッファ量と、前記要求再生レートでのデータの再生を行うときに許容される前記再生遅延時間である許容再生遅延時間とを取得する情報取得手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記最小バッファ量と許容バッファ量との大小関係、および前記最小再生遅延時間と許容再生遅延時間との大小関係に基づき、前記要求再生レートでの前記データのリアルタイム再生の可否を判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記図形データを求める図形データ算出手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記図形データ算出手段は、
基準となる再生レートである基準再生レートでの前記データのリアルタイム再生を行うときの前記バッファからのデータの読み出しデータ量の推移を表すリアルタイム再生ラインと、前記基準再生レートでの前記データのリアルタイム再生を行うときに前記バッファに記憶されるデータのデータ量の上限値の推移であるバッファ上限ラインとを求め、
前記リアルタイム再生ラインおよびバッファ上限ラインを用いて描かれる図形を、前記ライン近似図形として、そのライン近似図形の前記図形データを求める
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。 - 前記図形データ算出手段は、前記データのリアルタイム再生を行うときに前記バッファに最大のデータ量のデータが記憶されるケースが、前記データのリアルタイム再生中に均等に出現する場合の再生レートを、前記基準再生レートとする
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。 - 前記図形データ算出手段は、前記再生遅延時間を0にする再生レートを、前記基準再生レートとする
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。 - 前記図形データ算出手段は、前記記録媒体からの前記データの読み出しが終了してから、その最後のデータが再生されるまでの時間である終了時先行時間を0にする再生レートを、前記基準再生レートとする
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。 - 前記図形データ算出手段は、
前記メディア読み出しラインに基づき、前記記録媒体からデータを読み出す読み出し手段のシーク動作の推移を表すメディアシークラインと、シークを行わない前記読み出し手段による前記データの読み出しデータ量の推移を表す無シーク読み出しラインを求めるライン算出手段と、
前記メディアシークラインを近似する図形を求める図形算出手段と、
前記メディアシークラインを近似する図形を特定するデータと、前記無シーク読み出しラインの傾きを、前記メディア読み出しラインを近似するライン近似図形を特定する図形データとして求めるデータ演算手段と
を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。 - 記録媒体に記録されたデータを読み出し、所定のバッファにバッファリングして再生する場合の、前記データのリアルタイム再生の可否を判定する情報処理方法において、
前記記録媒体から前記データを読み出すときの読み出しデータ量の推移を表すメディア読み出しラインを近似するライン近似図形を特定する図形データを取得する図形データ取得ステップと、
前記データの再生に要求される再生レートである要求再生レートを取得する要求再生レート取得ステップと、
前記図形データによって特定されるライン近似図形に基づき、前記要求再生レートでの前記データのリアルタイム再生に必要とされる前記バッファの最小のバッファサイズである最小バッファ量と、前記データの読み出しの開始から前記データの再生が開始されるまでの再生遅延時間の最小値である最小再生遅延時間とを算出する算出ステップと、
前記最小バッファ量と最小再生遅延時間に基づき、前記要求再生レートでの前記データのリアルタイム再生の可否を判定する判定ステップと
を備えることを特徴とする情報処理方法。 - 記録媒体に記録されたデータを読み出し、所定のバッファにバッファリングして再生する場合の、前記データのリアルタイム再生の可否を判定する情報処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
前記記録媒体から前記データを読み出すときの読み出しデータ量の推移を表すメディア読み出しラインを近似するライン近似図形を特定する図形データを取得する図形データ取得ステップと、
前記データの再生に要求される再生レートである要求再生レートを取得する要求再生レート取得ステップと、
前記図形データによって特定されるライン近似図形に基づき、前記要求再生レートでの前記データのリアルタイム再生に必要とされる前記バッファの最小のバッファサイズである最小バッファ量と、前記データの読み出しの開始から前記データの再生が開始されるまでの再生遅延時間の最小値である最小再生遅延時間とを算出する算出ステップと、
前記最小バッファ量と最小再生遅延時間に基づき、前記要求再生レートでの前記データのリアルタイム再生の可否を判定する判定ステップと
を備えることを特徴とするプログラム。
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