JP2004200934A - スピーカ装置及びスピーカ装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】MFB方式のスピーカ装置において、MFBの帰還制御を正帰還および負帰還いずれにも連続して自在に調整可能とする。
【解決手段】音声信号入力を増幅するアンプ1と、アンプ1の出力信号を音声に変換するスピーカユニット2と、スピーカユニット2に付属してスピーカユニット2の振動系の運動を電圧値として検出する検出器3と、検出器3の出力電圧を調整してアンプ1への帰還量(負帰還量または正帰還量)を連続可変に設定して出力する帰還制御回路4とを備える。
【選択図】 図3
【解決手段】音声信号入力を増幅するアンプ1と、アンプ1の出力信号を音声に変換するスピーカユニット2と、スピーカユニット2に付属してスピーカユニット2の振動系の運動を電圧値として検出する検出器3と、検出器3の出力電圧を調整してアンプ1への帰還量(負帰還量または正帰還量)を連続可変に設定して出力する帰還制御回路4とを備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスピーカ装置に関し、特に、振動系の運動に比例した振動情報を駆動するアンプに帰還させることにより、振動系の運動を制御するモーショナル・フィードバック(Motional Feed Back:MFBと以下略記する)方式のスピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スピーカ装置に期待されていた改善の方向、及びスピーカ装置に求められていた技術的課題は、音響特性の改善が主たるものであり、そのため、その技術開発の趨勢は、音源に忠実な音質を追求する方向にある。すなわち、ハイファイ化の方向に向かっている。
【0003】
スピーカ装置の音質、特に高音域におけるスピーカ装置の歪みを改善して音質を向上する有力な技術としては、従来から、スピーカの振動系の運動に比例した電圧を、駆動系であるアンプに負帰還することにより、前記振動系の運動を制御するMFB方式のスピーカ装置の制御方法が周知である。
【0004】
図1は、従来のMFB方式の制御方法を採用したスピーカ装置の回路構成の一例を示す回路図である(例えば、非特許文献1)。
図1において、ボイスコイル101は、音声信号入力を増幅する出力増幅器103からの出力電圧により駆動するが、このボイスコイル101により生じた機械振動に比例する電圧値は、ピックアップコイル104により検出されて、上記の出力増幅器103に負帰還される。
【0005】
従来のMFB方式のスピーカ装置の場合、特定のスピーカ装置に対する特定のアンプ(スピーカ装置製造メーカの純正アンプ)に対して予め調整された所定の帰還量が入力される構成であるので、ユーザが勝手に非純正アンプに取り替えると、音響特性が変化してしまうという問題があった。
【0006】
上記問題を解決する技術として、例えば特許文献1では、アンプ及びボイスコイルを二重化し、第1のアンプは入力音声を増幅してスピーカの第1のボイスコイルに出力し、第2のアンプは振動情報検出手段より出力された信号を増幅して、第2のボイスコイルに帰還をかけるスピーカ装置が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−287293号公報(全般)
【0008】
【非特許文献1】
中島 平太郎著、「ハイファイスピーカ」、日本放送出版協会、昭和50年5月20日、第226−227頁、第9−11図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、MFB方式には、振幅型MFB、速度型MFB、加速度型MFBの3種類の制御方式がある。これらの制御方式は各々振幅、速度、加速度に比例した電圧を帰還するものであり、それぞれ特徴ある音圧特性を得ることができる。
【0010】
MFB方式のスピーカ装置の音圧特性として基本となるスピーカ装置の総合利得Goは、図2に示すように、アンプの利得をGaとし、スピーカの帰還電圧利得をGsとし、帰還回路の利得をβとすると、以下の(1)式で表される。
【0011】
【数1】
【0012】
なお、(1)式において、Evはスピーカへの入力電圧、Eiは入力端子の音声信号入力電圧、Esはスピーカからの出力電圧である。
【0013】
次に、上述の各制御方式の特徴を説明する。
速度型MFBは、Q(肩特性)のみ変化し負帰還量が多いほどQが低下する。これは機械抵抗が増加したのと同様の効果であり、ダンピングの制御に有効である。
【0014】
加速度型MFBは、変化するファクターが多く、f0は1/√負帰還量、Qは√負帰還量倍、音圧は1/負帰還量に変化する。すなわち、負帰還量が多くなると音圧は低下し、低音再生限界が広くなる。これは、振動系の質量を帰還量倍にしたのと同様の効果がある。
【0015】
振幅型MFBは、f0およびQがともに変化する方式であり、ともに√負帰還量倍に変化する。これはサスペンションを堅くしたり、キャビネットを小さくしたのと同様の効果があり、正帰還を用いると用いると逆の効果が生じ、f0およびQが低下し、低音再生限界が広くなる。
【0016】
上述のように、MFBの制御方式によってそれぞれ異なった特徴があり、これら3種類のMFBの制御方式を組み合わせて制御することにより、低域再生帯域の拡大、低域肩特性(Q)の制御、低域振幅制限などができ、例えば、f0(最低共振周波数)の肩特性(Q)の制御では、正帰還でQが大きくなり、負帰還でQが小さくなる。この変化は、低域での音色の制御に効果的である。
また、低域の再生帯域の拡大には、振幅型MFBの正帰還と加速度型MFBの負帰還とを調整することが効果的である。
【0017】
このため、製造されたスピーカの個体の音響特性をそれぞれの個体の特性に応じて調整する場合など、スピーカ装置の特性の調整においては、MFBの帰還制御を正帰還および負帰還を連続して行うことができるようにすることが望ましい。
【0018】
ところが、MFB方式の制御方法を採用した従来のスピーカ装置では、MFBの帰還制御では正帰還あるいは負帰還のいずれか一方に予め設定されているものであり、MFBの帰還制御を正帰還および負帰還を連続して行うことができなかった。
【0019】
さらに、音源の種類、曲目等やスピーカ装置の設置された部屋の状態等に合わせて音色(特に低音の音色)を調整可能なように、ユーザの手操作によりMFBの帰還制御を正帰還および負帰還を連続して行うことができるようにすることが望ましい。
【0020】
本発明が解決しようとする課題としては、MFB方式のスピーカ装置において、MFBの帰還制御を正帰還および負帰還いずれにも連続して自在に調整可能とすることが一例として挙げられる。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した発明は、振動系の運動に比例した振動情報を、駆動するアンプに帰還させて前記振動系の運動を制御するモーショナル・フィードバック(MFB)方式のスピーカ装置において、前記振動情報の帰還量を所定の最大負帰還量から所定の最大正帰還量までの範囲内で任意の値に設定して前記アンプに帰還させる帰還制御手段を有することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスピーカ装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図3は、本発明に係る実施の形態のスピーカ装置の構成を示すブロック図である。
【0023】
本実施の形態のスピーカ装置10は、図3に示すように、外部から入力された音声信号入力5を増幅するアンプ1と、アンプ1の出力信号を音声に変換するスピーカユニット2と、スピーカユニット2に付属してスピーカユニット2の振動系の運動を電圧値として検出する検出器3(検出手段)と、検出器3の出力電圧を調整してアンプ1への帰還量(負帰還量、または正帰還量)を連続可変に設定して出力する帰還制御回路4(帰還制御手段)とからなり、この帰還制御回路4は、検出器3の出力電圧の位相を反転させる位相反転器41(位相反転手段)と、検出器3の出力電圧を正極(+)側端子に入力し、かつ位相反転器41の出力電圧を負極(−)側端子に入力する可変抵抗器42(帰還量調整手段)とを具備する。
【0024】
スピーカユニット2としては、磁気回路内でボイスコイルに電磁駆動を与えることにより、ボイスコイルが振動板と一体となった振動系が運動し、音声が再生されるダイナミックスピーカが挙げられる。
【0025】
図4は、本発明に係る実施の形態のスピーカ装置の可変抵抗器42の具体的な回路を示す図であり、(a)は最大正帰還量が得られる場合を示し、(b)は中立的な帰還量が得られる場合を示し、(c)は最大負帰還量が得られる場合を示す。
以下、図3および図4を参照して、本実施の形態のスピーカ装置の動作を説明する。
【0026】
アンプ1は、スピーカ装置の外部から入力された音声信号入力5を増幅して出力する。このアンプ1には、上記の音声信号入力5の他に、帰還制御回路4からの所定の帰還量が入力される。
【0027】
スピーカユニット2にアンプ1の出力が入力されて、その振動系の運動を生じせしめ、音響エネルギーが放射されて音声が再生される。
【0028】
検出器3は、スピーカユニット2に付属する要素であり、アンプ1に帰還する帰還量の元になる電圧値として、スピーカユニット2の振動系の運動を電圧値として検出するが、この振動系の運動に比例した電圧値の検出を担う構成要素としては、ボイスコイルを使用するスピーカユニットの場合、検出用のコイル、圧電素子、及びマイクロフォン等の使用が可能である。
【0029】
また、ホーン型のスピーカの場合は、静電形検出器等の使用が可能である。さらに、振動系の運動の物理的な属性としては、ボイスコイルの運動の振幅の他に、ボイスコイルの運動速度や加速度などを検出することが可能である。
【0030】
帰還制御回路4は、検出器3の出力電圧を調整してアンプ1への所定の帰還量に変換するが、手動で操作可能な可変抵抗器42の出力点の出力電圧(電位)は、すなわちアンプ1への所定の帰還量となる。
【0031】
位相反転器41と可変抵抗器42を結ぶ閉回路内にはループ電流は流れないが、可変抵抗器42の外部に流出する電流は零ではないので、可変抵抗器42の正極(+)側端子と出力点間、および負極側端子と出力点間で電圧降下が生じ、その出力点では両者の差電圧に相当する電位を示す。
【0032】
この可変抵抗器42の出力点が、最上端(すなわち、正極(+)側端子に近い側)にまで引き上げられた場合は最大正帰還量が(図4(a)参照)、また、最上端から最下端に至る中間地点に位置する場合は中立的な帰還量が(図4(b)参照)、さらに、最下端(すなわち、負極(−)側端子に近い側)にまで引き下げられた場合は最大負帰還量が(図4(c)参照)、それぞれアンプ1に与えられる。
【0033】
この出力点を例えば、ユーザ自身の手操作により、最上端から最下端の範囲内で移動させることにより、アンプ1に与える帰還量を、最大負帰還量から最大正帰還量までの範囲内で連続的に変化させることができる。
【0034】
すなわち、ユーザは、可変抵抗器42を手動で操作することにより、アンプ1への帰還量を最大負帰還量から最大正帰還量までの範囲内で任意に選択して設定することが可能となる。
【0035】
なお、本実施の形態では検出器3が出力する電圧値を、アンプ1に帰還する負帰還量の元になる電圧値としたが、これをアンプ1に帰還する正帰還量の元になる電圧値とすることも可能である。
【0036】
以上のように、本実施の形態に係るスピーカ装置10は、振動系の運動に比例した振動情報を、駆動するアンプ1に帰還させて振動系の運動を制御するモーショナル・フィードバック(MFB)方式のスピーカ装置10であり、振動情報の帰還量を所定の最大負帰還量から所定の最大正帰還量までの範囲内で任意の値に設定してアンプ1に帰還させる帰還制御回路4(帰還制御手段)を有するものである。
【0037】
これにより、アンプ1への帰還量を最大負帰還量から最大正帰還量までの範囲内で任意に選択して設定することができるので、製造されたスピーカの個体の音響特性をそれぞれの個体の特性に応じて調整する等が実現できる。
【0038】
また、例えばユーザ自身が手操作によりMFBの帰還制御を正帰還および負帰還を連続して行うことができるので、音源の種類、曲目等やスピーカ装置の設置された部屋の状態等に合わせて音色(特に低音の音色)を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態のスピーカ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る実施の形態のスピーカ装置の可変抵抗器の具体的な回路を示す図である。
【図3】従来のMFB方式のスピーカ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】従来のMFB方式のスピーカ装置の音圧特性を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 アンプ
2 スピーカユニット
3 検出器
4 帰還制御回路
41 位相反転器
42 可変抵抗器
【発明の属する技術分野】
本発明はスピーカ装置に関し、特に、振動系の運動に比例した振動情報を駆動するアンプに帰還させることにより、振動系の運動を制御するモーショナル・フィードバック(Motional Feed Back:MFBと以下略記する)方式のスピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スピーカ装置に期待されていた改善の方向、及びスピーカ装置に求められていた技術的課題は、音響特性の改善が主たるものであり、そのため、その技術開発の趨勢は、音源に忠実な音質を追求する方向にある。すなわち、ハイファイ化の方向に向かっている。
【0003】
スピーカ装置の音質、特に高音域におけるスピーカ装置の歪みを改善して音質を向上する有力な技術としては、従来から、スピーカの振動系の運動に比例した電圧を、駆動系であるアンプに負帰還することにより、前記振動系の運動を制御するMFB方式のスピーカ装置の制御方法が周知である。
【0004】
図1は、従来のMFB方式の制御方法を採用したスピーカ装置の回路構成の一例を示す回路図である(例えば、非特許文献1)。
図1において、ボイスコイル101は、音声信号入力を増幅する出力増幅器103からの出力電圧により駆動するが、このボイスコイル101により生じた機械振動に比例する電圧値は、ピックアップコイル104により検出されて、上記の出力増幅器103に負帰還される。
【0005】
従来のMFB方式のスピーカ装置の場合、特定のスピーカ装置に対する特定のアンプ(スピーカ装置製造メーカの純正アンプ)に対して予め調整された所定の帰還量が入力される構成であるので、ユーザが勝手に非純正アンプに取り替えると、音響特性が変化してしまうという問題があった。
【0006】
上記問題を解決する技術として、例えば特許文献1では、アンプ及びボイスコイルを二重化し、第1のアンプは入力音声を増幅してスピーカの第1のボイスコイルに出力し、第2のアンプは振動情報検出手段より出力された信号を増幅して、第2のボイスコイルに帰還をかけるスピーカ装置が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−287293号公報(全般)
【0008】
【非特許文献1】
中島 平太郎著、「ハイファイスピーカ」、日本放送出版協会、昭和50年5月20日、第226−227頁、第9−11図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、MFB方式には、振幅型MFB、速度型MFB、加速度型MFBの3種類の制御方式がある。これらの制御方式は各々振幅、速度、加速度に比例した電圧を帰還するものであり、それぞれ特徴ある音圧特性を得ることができる。
【0010】
MFB方式のスピーカ装置の音圧特性として基本となるスピーカ装置の総合利得Goは、図2に示すように、アンプの利得をGaとし、スピーカの帰還電圧利得をGsとし、帰還回路の利得をβとすると、以下の(1)式で表される。
【0011】
【数1】
【0012】
なお、(1)式において、Evはスピーカへの入力電圧、Eiは入力端子の音声信号入力電圧、Esはスピーカからの出力電圧である。
【0013】
次に、上述の各制御方式の特徴を説明する。
速度型MFBは、Q(肩特性)のみ変化し負帰還量が多いほどQが低下する。これは機械抵抗が増加したのと同様の効果であり、ダンピングの制御に有効である。
【0014】
加速度型MFBは、変化するファクターが多く、f0は1/√負帰還量、Qは√負帰還量倍、音圧は1/負帰還量に変化する。すなわち、負帰還量が多くなると音圧は低下し、低音再生限界が広くなる。これは、振動系の質量を帰還量倍にしたのと同様の効果がある。
【0015】
振幅型MFBは、f0およびQがともに変化する方式であり、ともに√負帰還量倍に変化する。これはサスペンションを堅くしたり、キャビネットを小さくしたのと同様の効果があり、正帰還を用いると用いると逆の効果が生じ、f0およびQが低下し、低音再生限界が広くなる。
【0016】
上述のように、MFBの制御方式によってそれぞれ異なった特徴があり、これら3種類のMFBの制御方式を組み合わせて制御することにより、低域再生帯域の拡大、低域肩特性(Q)の制御、低域振幅制限などができ、例えば、f0(最低共振周波数)の肩特性(Q)の制御では、正帰還でQが大きくなり、負帰還でQが小さくなる。この変化は、低域での音色の制御に効果的である。
また、低域の再生帯域の拡大には、振幅型MFBの正帰還と加速度型MFBの負帰還とを調整することが効果的である。
【0017】
このため、製造されたスピーカの個体の音響特性をそれぞれの個体の特性に応じて調整する場合など、スピーカ装置の特性の調整においては、MFBの帰還制御を正帰還および負帰還を連続して行うことができるようにすることが望ましい。
【0018】
ところが、MFB方式の制御方法を採用した従来のスピーカ装置では、MFBの帰還制御では正帰還あるいは負帰還のいずれか一方に予め設定されているものであり、MFBの帰還制御を正帰還および負帰還を連続して行うことができなかった。
【0019】
さらに、音源の種類、曲目等やスピーカ装置の設置された部屋の状態等に合わせて音色(特に低音の音色)を調整可能なように、ユーザの手操作によりMFBの帰還制御を正帰還および負帰還を連続して行うことができるようにすることが望ましい。
【0020】
本発明が解決しようとする課題としては、MFB方式のスピーカ装置において、MFBの帰還制御を正帰還および負帰還いずれにも連続して自在に調整可能とすることが一例として挙げられる。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した発明は、振動系の運動に比例した振動情報を、駆動するアンプに帰還させて前記振動系の運動を制御するモーショナル・フィードバック(MFB)方式のスピーカ装置において、前記振動情報の帰還量を所定の最大負帰還量から所定の最大正帰還量までの範囲内で任意の値に設定して前記アンプに帰還させる帰還制御手段を有することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスピーカ装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図3は、本発明に係る実施の形態のスピーカ装置の構成を示すブロック図である。
【0023】
本実施の形態のスピーカ装置10は、図3に示すように、外部から入力された音声信号入力5を増幅するアンプ1と、アンプ1の出力信号を音声に変換するスピーカユニット2と、スピーカユニット2に付属してスピーカユニット2の振動系の運動を電圧値として検出する検出器3(検出手段)と、検出器3の出力電圧を調整してアンプ1への帰還量(負帰還量、または正帰還量)を連続可変に設定して出力する帰還制御回路4(帰還制御手段)とからなり、この帰還制御回路4は、検出器3の出力電圧の位相を反転させる位相反転器41(位相反転手段)と、検出器3の出力電圧を正極(+)側端子に入力し、かつ位相反転器41の出力電圧を負極(−)側端子に入力する可変抵抗器42(帰還量調整手段)とを具備する。
【0024】
スピーカユニット2としては、磁気回路内でボイスコイルに電磁駆動を与えることにより、ボイスコイルが振動板と一体となった振動系が運動し、音声が再生されるダイナミックスピーカが挙げられる。
【0025】
図4は、本発明に係る実施の形態のスピーカ装置の可変抵抗器42の具体的な回路を示す図であり、(a)は最大正帰還量が得られる場合を示し、(b)は中立的な帰還量が得られる場合を示し、(c)は最大負帰還量が得られる場合を示す。
以下、図3および図4を参照して、本実施の形態のスピーカ装置の動作を説明する。
【0026】
アンプ1は、スピーカ装置の外部から入力された音声信号入力5を増幅して出力する。このアンプ1には、上記の音声信号入力5の他に、帰還制御回路4からの所定の帰還量が入力される。
【0027】
スピーカユニット2にアンプ1の出力が入力されて、その振動系の運動を生じせしめ、音響エネルギーが放射されて音声が再生される。
【0028】
検出器3は、スピーカユニット2に付属する要素であり、アンプ1に帰還する帰還量の元になる電圧値として、スピーカユニット2の振動系の運動を電圧値として検出するが、この振動系の運動に比例した電圧値の検出を担う構成要素としては、ボイスコイルを使用するスピーカユニットの場合、検出用のコイル、圧電素子、及びマイクロフォン等の使用が可能である。
【0029】
また、ホーン型のスピーカの場合は、静電形検出器等の使用が可能である。さらに、振動系の運動の物理的な属性としては、ボイスコイルの運動の振幅の他に、ボイスコイルの運動速度や加速度などを検出することが可能である。
【0030】
帰還制御回路4は、検出器3の出力電圧を調整してアンプ1への所定の帰還量に変換するが、手動で操作可能な可変抵抗器42の出力点の出力電圧(電位)は、すなわちアンプ1への所定の帰還量となる。
【0031】
位相反転器41と可変抵抗器42を結ぶ閉回路内にはループ電流は流れないが、可変抵抗器42の外部に流出する電流は零ではないので、可変抵抗器42の正極(+)側端子と出力点間、および負極側端子と出力点間で電圧降下が生じ、その出力点では両者の差電圧に相当する電位を示す。
【0032】
この可変抵抗器42の出力点が、最上端(すなわち、正極(+)側端子に近い側)にまで引き上げられた場合は最大正帰還量が(図4(a)参照)、また、最上端から最下端に至る中間地点に位置する場合は中立的な帰還量が(図4(b)参照)、さらに、最下端(すなわち、負極(−)側端子に近い側)にまで引き下げられた場合は最大負帰還量が(図4(c)参照)、それぞれアンプ1に与えられる。
【0033】
この出力点を例えば、ユーザ自身の手操作により、最上端から最下端の範囲内で移動させることにより、アンプ1に与える帰還量を、最大負帰還量から最大正帰還量までの範囲内で連続的に変化させることができる。
【0034】
すなわち、ユーザは、可変抵抗器42を手動で操作することにより、アンプ1への帰還量を最大負帰還量から最大正帰還量までの範囲内で任意に選択して設定することが可能となる。
【0035】
なお、本実施の形態では検出器3が出力する電圧値を、アンプ1に帰還する負帰還量の元になる電圧値としたが、これをアンプ1に帰還する正帰還量の元になる電圧値とすることも可能である。
【0036】
以上のように、本実施の形態に係るスピーカ装置10は、振動系の運動に比例した振動情報を、駆動するアンプ1に帰還させて振動系の運動を制御するモーショナル・フィードバック(MFB)方式のスピーカ装置10であり、振動情報の帰還量を所定の最大負帰還量から所定の最大正帰還量までの範囲内で任意の値に設定してアンプ1に帰還させる帰還制御回路4(帰還制御手段)を有するものである。
【0037】
これにより、アンプ1への帰還量を最大負帰還量から最大正帰還量までの範囲内で任意に選択して設定することができるので、製造されたスピーカの個体の音響特性をそれぞれの個体の特性に応じて調整する等が実現できる。
【0038】
また、例えばユーザ自身が手操作によりMFBの帰還制御を正帰還および負帰還を連続して行うことができるので、音源の種類、曲目等やスピーカ装置の設置された部屋の状態等に合わせて音色(特に低音の音色)を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態のスピーカ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る実施の形態のスピーカ装置の可変抵抗器の具体的な回路を示す図である。
【図3】従来のMFB方式のスピーカ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】従来のMFB方式のスピーカ装置の音圧特性を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 アンプ
2 スピーカユニット
3 検出器
4 帰還制御回路
41 位相反転器
42 可変抵抗器
Claims (5)
- 振動系の運動に比例した振動情報を、駆動するアンプに帰還させて前記振動系の運動を制御するモーショナル・フィードバック(MFB)方式のスピーカ装置において、
前記振動情報の帰還量を所定の最大負帰還量から所定の最大正帰還量までの範囲内で任意の値に設定して前記アンプに帰還させる帰還制御手段を有することを特徴とするスピーカ装置。 - 前記帰還制御手段は、前記帰還量を連続的に変化可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
- 前記帰還制御手段は、前記帰還量を手操作により変化可能に構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のスピーカ装置。
- 前記帰還制御手段は、前記振動情報を検出する検出手段の出力電圧の位相を反転させる位相反転手段と、
前記検出手段の出力電圧を正極側端子に入力させ、かつ位相反転手段の出力電圧を負極側端子に入力させて前記帰還量を調整する帰還量調整手段と、
を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスピーカ装置。 - 前記振動情報は、前記振動系の振動速度、加速度および振幅のいずれかに比例する電圧値であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスピーカ装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002365776A JP2004200934A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | スピーカ装置及びスピーカ装置の制御方法 |
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|---|---|---|---|---|
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-
2002
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