JP2004201326A - ハイブリッド・データ修復システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイブリッド・データ修復システムを提供する。
【解決手段】データ修復回路では、各データ・ビットに対する着信データの複数のスライス回路の出力、たとえば、アイの中心で、またはその近くで取られた1つまたは複数のスライス回路の出力と、アイの立ち上がりおよび/または立下りで、またはそれらの近くで取られた1つまたは複数のスライス回路の出力が、従来技術と比較してビット誤り率を抑える方法で処理される。クロックおよびデータ修復(CDR)回路を改善するために、データ修復回路を最新技術のクロック修復回路と組み合わせることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高速光受信器および高速電子受信器に使用されるクロック修復システムおよびデータ修復システムに関し、より詳細には、データ修復のためのスライシング技術に関する。
高速(たとえば、2.5〜3.125Gb/秒)シリアル・リンクは、一般に、高速システムの光通信リンクで、またはチップ・ツー・チップ相互接続用に使用される。たとえば、同期式光ファイバー網(SONET)OC−192リンクは、送信器のレーザーの直前と受信器の光学検波器の後に光ファイバー網上への10−Gbpsシリアル・データ・ストリームとその電子表示とを生成する。これらの速度では、光の分散現象(たとえば、色分散または偏波モード分散)、電子相互接続の周波数減衰特性による電子分散、クロック・ジッター、干渉、および光学雑音および電気雑音が、送信中の信号を破損する傾向があり、これらの修復を困難にしている。
通常、このようなシステムの受信器は、シンボル間隔の中心でシリアル・データ信号をスライスすることを試みる。何故ならば、シンボル間隔の中心では、データ保全性(すなわち、信号対雑音比)が一般に最良であり、スライス回路素子に対するデータ信号のセットアップおよび保持時間が最大になるからである。たとえば、10Gbpsのシステムでは、シンボル間隔はほぼ100psであり、中心のスライシング点はシリアル・データ信号の所与のビットに関して前または後の見込みシンボル遷移点からほぼ50psの所である。スライス回路(すなわち、実際上は1ビットのアナログ・デジタル変換器(ADC))は、サンプリングされたデータが所与のしきい値電圧より上か下かを判定する。しきい値電圧は、一般に、所与の論理系統(たとえば、TTLまたはECL)に対して論理「0」を表す電圧と論理「1」を表す電圧の中間に設定される。しかし、本明細書で説明するように、論理1の値と論理0の値の中間点以外の位置にしきい値を置くことによってある種の利点が得られる場合がある。
Alexander,J.D.H.、「Clock Recovery From Random Binay Signals」、Electronic Letters、第11巻、541〜542頁、1975
別法として、シンボル間隔の中心でデータ信号をサンプリングするために複数の別個のスライス回路を使用することができる。たとえば、システムに対して論理「0」と論理「1」を表す電圧の間にある幅のほぼ25%と75%に設定されたそれぞれのしきい値と共に2つの追加のスライス回路を使用することができる。他のスライス回路のしきい値も別の数のスライス回路と同様に実現可能である。別法として、データ・ストリームをサンプリングするために、複数のスライス回路(すなわち、単一ビットのADC)の代わりに複数ビットの高位ADCを使用することができる。ADC内のビット数、すなわちスライス回路の数が増えるに従い、一般に、チップ面積、電力消費量、および/または時間サンプリング精度に対して支払うべきシステム価格も増える。したがって、このようなサンプリング回路は、一般に、高速データ修復システムでは望ましくなく、信頼性のある検出を達成するには絶対最小数のスライス回路を使用する必要がある。
高速システムでデータ修復の性能を改善するための別の技術に、オーバーサンプリングがある。オーバーサンプリング・システムでは、シンボル間隔当たり複数のサンプルが取られる。このようなサンプリング回路は、サンプルごとの信頼水準を改善するためにシンボル間隔当たり2、3、またはそれ以上のサンプルを取ることができる。入力信号をオーバーサンプリングし、次いで得られたサンプルをデジタル処理することによって、雑音による誤ったサンプルを排除することができ、改善された修復を達成することができる。しかし、ストレートなオーバーサンプリングは電力消費量の増加という犠牲を強いる。
従来技術の上記の欠陥に対処するため、本発明の一実施形態は、着信データのアイダイヤグラムの「アイ」の中心に3つと「アイ」のエッジに2つの、着信データの5つの別個のスライス回路を使用したデータ修復回路を含む。スライス回路の出力と計算されたデータ値との組合せは、重み付き投票構成で処理され、従来技術に対してデータ修復のビット誤り率を最小限に抑えるように動的に調整される。本発明のデータ修復回路は、クロックおよびデータ修復(CDR)回路を改善するために、最新技術のクロック修復回路と組み合わせることができる。オーバーサンプリング方式に関する本発明の利点は、実施態様の回路の電力消費量を最小限に抑えるために異なるサンプリングのフェーズで異なる数のスライス回路を使用すること、および(1)異なるサンプリングフェーズで異なるスライス回路しきい値を適用し、(2)着信信号のフェーズにスライシング時間を慎重に合わせることにより、スライス回路の出力で得られた情報を最大限に活用することを含む。
本発明の一実施形態は、受信したデータ信号からデータを修復する方法において、エッジ・サンプルを生成するために、受信したデータ信号を、1つまたは複数のスライス回路しきい値の第1の組を使用して実質的にシンボル間隔のエッジでスライスする工程と、中心サンプルを生成するために、受信したデータ信号を、1つまたは複数のスライス回路しきい値の第2の組を使用して実質的にシンボル間隔の中心でスライスする工程と、エッジ・サンプルと中心サンプルに基づいて、受信したデータ信号のデータ・ビットに対する値を決定する工程とを含む方法である。
本発明の別の実施形態は、受信したデータ信号からデータを修復するための装置である。この装置は、(i)エッジ・サンプルを生成するために、受信したデータ信号を、1つまたは複数のスライス回路しきい値の第1の組を使用して実質的にシンボル間隔のエッジでスライスし、(ii)中心サンプルを生成するために、受信したデータ信号を、1つまたは複数のスライス回路しきい値の第2の組を使用して実質的にシンボル間隔の中心でスライスするように構成された1組のスライス回路を含む。この装置は、エッジ・サンプルと中心サンプルに基づいて、受信したデータ信号のデータ・ビットに対する値を決定するように構成された論理ブロックも含む。
本発明のさらに別の実施形態は、受信したデータ信号を処理するために使用される局所的に生成されたクロックを同期する方法である。この方法は、エッジ・サンプルを生成するために、受信したデータ信号を、1つまたは複数のスライス回路しきい値の第1の組を使用して実質的にシンボル間隔のエッジでスライスする工程と、中心サンプルを生成するために、受信したデータ信号を、1つまたは複数のスライス回路しきい値の第2の組を使用して実質的にシンボル間隔の中心でスライスする工程と、エッジ・サンプルと中心サンプルに基づいて、局所的に生成されたクロックのフェーズと周波数の少なくとも1つを調整する工程とを含む。
本発明のさらに別の実施形態は、受信したデータ信号を処理するために使用される局所的に生成されたクロックを同期するための装置である。この装置は、(i)エッジ・サンプルを生成するために、受信したデータ信号を、1つまたは複数のスライス回路しきい値の第1の組を使用して実質的にシンボル間隔のエッジでスライスし、(ii)中心サンプルを生成するために、受信したデータ信号を、1つまたは複数のスライス回路しきい値の第2の組を使用して実質的にシンボル間隔の中心でスライスするように構成された1組のスライス回路を含む。この装置は、エッジ・サンプルと中心サンプルに基づいて、局所的に生成されたクロックのフェーズおよび周波数の少なくとも1つを調整するように構成された論理ブロックも含む。
本発明の他の態様、特徴、および利点は、以下の詳細な説明、首記の特許請求の範囲、および添付の図面からより完全に明らかになろう。
本明細書の「ある実施形態」または「一実施形態」の参照は、その実施形態に関して記載されている特定の特徴、構造、または特性を、本発明の少なくとも1つの実施形態に含めることができることを意味する。本明細書随所の「一実施形態では」という語句は、必ずしもそれと同じ実施形態を指すわけでも、別個のまたは代替の実施形態を他の実施形態と相互排他的に指すわけでもない。
(データ修復)
図1は、本発明の一実施形態による高速データ受信器のデータ修復回路(DRC)を示すブロック図である。図から分かるように、DRC 102は、シリアル・データ入力(SDI)104と受信クロック(RCLK)106の両方から供給され、シリアル・データ・アウト(SDO)108を出力する。特定の実施態様に基づいて、DRC 102を出入りする信号は、差動または非差動であってよく、いかなる所与の論理系統(たとえば、CMOS、TTL、ECL)にでも対応することができるということに留意されたい。同期システムでは典型的なことであるが、RCLK 106は、SDI 104と共に送信器によって供給することができる。別法として、非同期実施態様では、RCLK 106は、クロック修復回路によってSDI04から局所的に導出することができる。上述のように、図1に示すデータ修復機能を実施するには複数の手法がある。本発明のある実施形態によれば、次節で説明するように、着信データの別個のスライス回路の組合せが使用される。
(5つのスライス回路によるデータ修復回路)
図2のデータ修復のブロック図は、本発明の一実施形態を示している。図から分かるように、この実施形態は、5つの別個のスライス回路(すなわち、電圧比較器)を使用する。具体的には、SDI 104は202から210までの5つのスライス回路すべてに平行に供給する。RCLK 106は、第1の3つのスライス回路202〜206と、スライス回路論理212と、フェーズ・シフト回路214とを供給する。フェーズ・シフト回路214は、RCLKP 216を生成するためにRCLK 106を180度(すなわち、RCLK 106の1/2の期間だけ)フェーズ・シフトし、このRCLKP 216は最後の2つのスライス回路208および210とスライス回路論理212とに供給する。スライス回路論理212は、5つのスライス回路の出力、すなわちSOA 218、SOB 220、SOC 222、SOD 224、およびSOE 226を追加的に受信し、出力SDO 108を生成するためにそれらを使用する。これらの要素のそれぞれに関して次節でより詳細に検討する。
(スライス回路)
202から210のスライス回路のそれぞれは、シリアル・データ入力信号SDI 104とスライス回路固有の電圧しきい値の間の電圧比較を実行する。スライス回路が信号SDIをサンプリングする時点で、信号SDIに関連する電圧がスライス回路固有のしきい値電圧よりも大きい場合、スライス回路は論理「1」を出力する。そうでない場合、スライス回路は論理「0」を出力する。
第1の3つのスライス回路202、204および206は、RCLK 106の立ち上がりでスライスすることによって、SDI 104に関連するデータ・アイの中心(すなわち、2つの連続するデータ遷移のほぼ中間)に対応する時点でそれらの電圧比較を実行する。
最後の2つのスライス回路208および210は、フェーズ・シフトした受信したクロックRCLKP 216の立ち上がりでスライスすることによって、SDI 104に関連するデータ・アイのエッジに対応する時点でそれらの電圧比較を実行する。
図2の202から210のスライス回路に関連するタイミングとしきい値の詳細を図3に示す。図3は、とりわけ、入力データ・ストリームを監視するオシロスコープに表示することができるようにSDI 104の3つのシンボル間隔にまたがり、また3つのシンボル間隔に復帰期間を設定するアイダイヤグラムを示している。各データ・アイは、シリアル・データ・ストリームSDI 104の1ビットに対応している。第1のデータ・ビット、n−1はデータ・アイ304に対応しており、第2のデータ・ビット、nは、データ・アイ302に対応しており、第3のデータ・ビット、n+1は、データ・アイ306に対応している。
図2および図3を参照すると、「m」が「中間(middle)」を示すサンプル時間Smで、スライス回路A 202は、SDI 104の電圧をしきい値Hmと比較し、スライス回路B 204は、SDI 104の電圧をしきい値Cmと比較し、スライス回路C 206は、SDI 104の電圧をしきい値Lmと比較する。「Hm」、「Cm」および「Lm」という呼称は、これら3つのしきい値に対する便宜的な簡略記号として選定されたものであり、それぞれ「中間」サンプルでの「高」しきい値、「中間」サンプルでの「中心」しきい値、「中間」サンプルでの「低」しきい値と解釈できるということに留意されたい。これら3つのスライス回路から得られたブール出力は、それぞれSOA(Sm)、SOB(Sm)およびSOC(Sm)で示すことができる。
サンプル時間Sb(「b」は「前(before)を示す」)で、スライス回路D 208は、SDI 104の電圧を「高」しきい値Hbと比較し、スライス回路E 210は、SDI 104の電圧を「低」しきい値Lbと比較する。
各シンボル間隔中に、5つのスライス回路は、サンプル時間Sbでスライス回路208と210から始め、サンプル時間Smでスライス回路202、204および206をこれに続けて決定値を生成する。
サンプル時間SmはRCLK 106の立ち上がりに対応し、サンプル時間SaおよびSbはRCLKP 216の立ち上がりに対応する。SbはSmの「前」であるRCLKPの立ち上がりに対応し、SaはSmの「後」であるRCLKP216の立ち上がりに対応する。データ・ビットnに対するサンプル時間Saはデータ・ビットn+1に対するサンプル時間Sbに等しいということに留意されたい。
しきい値の値は、使用されている論理系統とアプリケーションによって異なる。たとえば、所与の実施態様の論理系統に関して論理高と論理低の中心にほぼ対応するしきい値Cmは、3.3V CMOS論理システムには、5V TTLシステムに設定されるよりも低く設定することができる。一方、歪んだアイダイヤグラムを生じる分散と光ドメインでの非対称雑音とを含む光リンクで受信器が使用される場合、Cmをアイダイヤグラムの中間点からオフセットして配置すると有利な場合がある。システムの性能、伝送媒体の周知の統計、および送信器と受信器の特性に基づいて、システムのビット誤り率を最小限に抑え、検出精度を最適化するために、推測的方法または動的方法で時間と電圧をシステムにより独立して調整することができる。
この実施形態の場合、しきい値の値は論理系統の切替レールに相関して図3に概要を示したようなものであり、HbはHaに等しく(これらは同じしきい値を表し、Haは後続周期で取られるしきい値Hbを表しているにすぎないので)、およびLbはLaに等しいということが想定される。しかし、Hb(すなわちHa)とたとえばHmは等価である必要はなく、またこれらしきい値の等価性に関する制約もない。同様に、Lb(すなわちLa)とLmは等価である必要もなく、またこれらしきい値の等価性に関する制約もない。
202から210のスライス回路によって実行されるしきい値の比較は、データ(SDI 104で表される)、その雑音特性、およびスライス回路の電圧比較回路の雑音許容範囲に基づいて結果の真偽を決定する。
しきい値比較のタイミングの精度に関して、この実施形態の場合、実際にはサンプリング時間Sm、SbおよびSaが、それを修復するようにこのシステムが設計されているデータ・ビットnのそれぞれエッジの中間、および前後のエッジにあるように、ソース、クロックRCLK 106およびRCLKP 216のどれでも十分に正確であるものと仮定する。
(スライス回路のアイの中心)
雑音がない場合、電圧しきい値Cmを使用して時間Smで取られるようなミッドデータまたは一時的な「アイの中心」しきい値比較は、SDI 104(図3の3つのアイダイヤグラムの中心のアイ302によって表される)のビットnのデータ情報を修復するために十分であるべきである。
しかし、現実の(すなわち、雑音のある)適用例でのデータ修復性能を改善するには、しきい値HmとLmでの追加の比較が使用される。しきい値Hm、CmおよびLmにそれぞれ対応する3つのスライス回路202、204、および206の出力SOA(Sm)、SOB(Sm)、およびSOC(Sm)の1つの解釈またはマッピングを表1に示す。表1によって示すように、3つのしきい値の比較には8つの実現可能な組合せがある。これらは、表の行1から行8に列挙されている。
理想的な信号の場合、表1の行1と行8に対応する2つの有効な組合せしかない。行1では、最初の3列のすべての0はしきい値比較SOA(Hm)、SOB(Cm)およびSOC(Lm)の3つとも偽であったことを示している。したがって、計算されたデータ・ビットnはこの表では論理「0」にマッピングされており、説明はスライス回路が3つとも計算されたデータ・ビットnが論理「0」と解釈されるべきであると一致していることを示している。同様に、行8では、列1〜3のすべてはしきい値比較が3つとも真であったことを示している。したがって、計算されたデータ・ビットnは論理「1」にマッピングされており、説明はスライス回路が3つとも計算されたデータ・ビットnが「1」であるべきであると一致していることを示している。スライス回路が3つとも一致している上記のどちらの場合でも、「高」の「信頼の重み」列6が割り当てられていることに留意されたい。
1と8以外のすべての行は、理想的な(すなわち、雑音のない)データ信号の存在下で3つのスライス回路から予測されるものとの何らかの不整合を示している。行2および4は自己一貫しているが、それぞれに「0」と「1」の計算されたデータ・ビットnの値に幾分の疑問点を残している。たとえば、データ・ビットが低であり、したがって関連する説明が「雑音あり0」である場合にLmしきい値スライス回路206がSOC(Sm)で真を出力するように切替システムの低レールに雑音を有するシステムの行2の結果を見ることができる。同様に、行4では、雑音は「雑音あり1」を示しているHmしきい値スライス回路202からの偽の出力をもたらすことができる。これら2つの場合、結果のある程度の不確かさと妥当な信頼の度合いとを示す媒体の信頼の重みが割り当てられる。
Figure 2004201326
表1の残りの行、すなわち3、5、6および7は矛盾を表しており、そのような結果を生じた実際のデータ・ビット値が何であるかに関して正確な結論を引き出すことは困難である。これらの場合に引き出される適切な結論は、スライス回路しきい値の校正は最早正確でなく、これらが再校正されるべきであるということである。しかし、表1は、3つのスライス回路202、204および206の結果だけが与えられた場合、それぞれの場合に対して計算されたビットnが何であるかの解釈を与えている。
(アイのエッジのスライス回路)
ある種の通信システムは、アイのエッジよりもアイの中心で、信号の雑音破損からより多く影響を受ける。したがって、たとえば、受信器で観察されるアイダイヤグラムが「閉じている」ように見えるほど雑音が多いシステムは、アイのエッジはまだ比較的クリーンな場合がある。このようなシステムでは、アイの中心だけでサンプリングすることによってデータを修復することは困難な場合がある。しかし、アイのエッジで特定の方法でサンプリングすることによって、データ修復性能を改善することができる。
再度図2および3を参照すると、それぞれしきい値HbとLb(すなわち、しきい値HaおよびLa)に対応する2つのエッジ・スライス回路208および210の出力SOD 224およびSOE 226の1つの解釈を表2に示す。表2で、列1および2は、アイのエッジでデータ・サンプリング時間のうちの1つで取られたスライス回路208および210の出力SOD 224およびSOE 226(すなわち、SbまたはSa)の実現可能な値に対応する。
Figure 2004201326
たとえば、サンプル時間Sbに関して表2は図3の3つのアイダイヤグラムのビットn−1とnの間のエッジで実現可能なサンプルを表している。具体的には、雑音がない場合、行1および4は、ビットn−1とビットnの間で遷移が発生しない状態に対応する。行1では、ビットn−1=「0」、かつビットn=「0」であり、一方、行4では、ビットn−1=「1」、かつビットn=「1」である。行2は、遷移は発生するが、遷移がビットn−1=「0」からビットn=「1」か、ビットn−1=「1」からビットn=「0」かを判定するためにより多くの情報が必要となる状態に対応する。行3は、スライス回路によって計測された電圧が高しきい値Hbより高く、低しきい値Lbよりも低いという内部的に不整合な場合に対応する。この場合、遷移が発生したか否かは知られておらず、引き出す適切な結論はしきい値が再校正されるべきであるということである。
行1がビットn−1からnまでの論理状態「0」のパーシステンスを示しているので、この場合、「0」のデータ・ビットnに対する値は、時間Sbでサンプリングする2つのエッジ・スライス回路から単独で判定することができる。同様に、行4の場合、「1」のデータ・ビットnに対する値は、時間Sbでサンプリングする2つのエッジ・スライス回路から単独で判定することができる。
表2がサンプル時間Saでのスライス回路202と210の出力を表していると仮定した場合、遷移がビットn−1とビットnの間ではなくビットnとビットn+1の間である場合、遷移(およびデータ値)の類似の解釈が存在する。
1つがサンプル時間Sbを表し、1つがサンプル時間Saを表す表2の2つの例を総合すると、いくつかの追加情報が得られる。図4の表3によって示されるこのような表は、(i)サンプリング時間Sbでの図2のスライス回路208および210の出力SOD 224およびSOE 226を表す第1および第2の列と、(ii)サンプルリング時間Saでのスライス回路208および210の出力を表す第3および第4の列とを含む。表3の列5および6は、それぞれにサンプル時間SbおよびSaに対応するエッジ・スライス回路の出力によって示される状態遷移を記録している。
たとえば、行1では、SOD(Sb)=「0」、かつSOE(Sb)=「0」は、データ・ビットn−1からデータ・ビットnへの論理値「0」のパーシステンスを示している。これは、その行の列5の「0」から「0」という項目によって表される。同様に、同じ行で、SOD(Sa)=「0」、かつSOE(Sa)=「0」は、データ・ビットnからデータ・ビットn+1への論理値「0」のパーシステンスを示している。これは、その行の列6の「0」から「0」という項目によって表される。ここで、2つの異なるサンプル時間SbおよびSaでのエッジ・スライス回路の結果は、データ・ビットnが「0」であるということに一致する。これは列7のラベルnの下に示されている。最終的に、この一致は、最後の列のラベル「信頼値」の下で1にスコアされる。
他の行は、表2に関して既に検討した解釈を考慮する同様の方法で完了される。
表2の行3の不整合な項目が表3の行3、7、9〜12、および15に見られるが、表3によって追加の不整合なシナリオが示されることに留意されたい。たとえば、行4の場合、列1および2は、ビットn−1とnに対する値「0」を示しており、一方、列3および4は、ビットnとn+1に対する値「1」を示している。どちらの結論も正しくあるはずはなく、これはスライス回路の結果に矛盾を生じる。同様の矛盾が行13の場合に存在する。この実施形態では、このような場合は同様に「1」または「0」である可能性がある。したがって、「0」の値は列7の「計算されたn」という項目に対して任意に選定することができ、最後の列には「信頼値」に0が割り当てられる。
別の実施例として、行3の列1および2は、ビットn−1とnの両方に対して値「0」を示し、一方、列3および4は、スライス回路の出力の不整合な組合せを表す。サンプルSOE(Sa)=「0」はサンプルSOD(Sb)とSOE(Sb)の両方と一致するので、サンプルSOD(Sa)がエラーであると仮定される。(他の解釈も実現可能であることに留意されたい。)したがって、「0」の「計算されたn」値が列7に割り当てられ、最後の列には0の「信頼値」が割り当てられる。
表1、2、および3から、非想像上の世界では、非常に雑音の多いデータを完全な精度を以って解決するためには、純粋なアイの中心のサンプリング技術も、純粋なアイのエッジのサンプリング技術も十分ではないということが明らかである。しかし、これらの技術を組み合わせると、データ修復プロセスの精度を大幅に改善し、また受信したデータの特性にデータ修復回路の強度を適応させる手段を得ることができる。
(アイの中心のスライス回路とアイのエッジのスライス回路の組合せ)
この実施態様によると、図2のデータ修復回路では、218から226の5つのスライス回路の出力を多くのさまざまな方法でスライス回路の論理回路212に複数のサンプル時間にわたって組み合わせることができる。さらに、5つのスライス回路の相対的しきい値を調整し、スライス回路の出力値の異なるマッピングを計算するために異なる重み付け方式を使用することは、通信システムの統計が与えられた場合に使用することができる、異なる実施態様の事実上無限のスペクトルを表す。既に示唆したように、これは、しきい値の推測的な設定により統計的に処理することも、またはビット誤り率の分析によって動的に処理することもできる。1つの実現可能な実施形態では、スライス回路の論理回路212は図5の表4の論理を実施する。
表4では、SOA(Sm)、SOB(Sm)、およびSOC(Sm)でラベリングされた列は、図3のサンプル時間Smに対応するRCLK 106の立ち上がりで図2のスライス回路202、204、および206からスライス回路の論理回路212への実現可能な入力に対応する。SOD(Sb)とSOE(Sb)でラベリングされた列は、図3の時間Sbに対応するRCLKP 216の立ち上がりで図2のスライス回路208および210からスライス回路の論理回路212への実現可能な入力に対応し、SOD(Sa)とSOE(Sa)でラベリングされた列は、図3の時間Saに対応するRCLKP 216の立ち上がりでスライス回路208および210からスライス回路の論理回路212への実現可能な入力に対応する。SDO(n)でラベリングされた列は、スライス回路の論理212への対応する入力が与えられた場合、n番目のビットに対するスライス回路の論理ブロック212の出力SDO108に対応する。
たとえば、行5では、見出しSOA(Sm)、SOB(Sm)、およびSOC(Sm)の下の最初の3つの項目「0」、「0」、および「0」は、他の項目から分離して表1に関して既に説明した「0」のビットnに対する値の信頼性の高い推定値を示す。見出しSOD(Sb)とSOE(Sb)の下の同じ行の項目4および5は遷移を示しているが、図2に関して既に説明したようにnに対する値に関しては固有ではない。しかし見出しSOD(Sa)とSOE(Sa)の下の項目6および7は、データ・ビットnとn+1はどちらも「0」であり、したがって項目1、2、および3と一致することを強く示している。このシナリオに関して全体的に「0」を選択することは、SDO(n)に対する「0」の項目によって示される。
類似の分析が表4の他の行のそれぞれに対して行われる。好ましい実施態様では、図2のスライス回路の論理212によって実施されるのは、表4の真理値表によって表されるマッピングに対応するブール論理であって、そのマッピングを導出するために使用される計算回路または分析方法ではないということに留意されたい。しかし、上述のように、スライス回路の論理212内で、受信器の統計の変化に応じて動的に選択された複数のマッピングをサポートすることが可能である。
スライス回路の論理212は、表4のブール論理に従ってこれらを平行処理することができるように、時間Smに到達するスライス回路202〜206と、時間SaおよびSbに到達するスライス回路208〜210からの入力を同期し、記憶するために適切なレジスタ(図示せず)も含むことに留意されたい。
最後の列の計算されたn値に7つの列の値をマッピングすることは、アルゴリズムまたは戦略によって推測的に判定されることが好ましいということに留意されたい。この戦略は、システムの統計とそれらの統計に関するしきい値の相対的な電圧を考慮する。マッピングは、通常、受信器の実行中に「その場で」計算されないが、受信器の変化する統計または受信器によってしきい値の値に行われた動的な変更に対応して、別のマッピングをリアルタイム実行のために受信器に動的に「切り替えて入れる」ことができる。表4によって表されるマッピングは一例である。データ修復のエラーの別の確率により別のマッピングを使用することができる。
上述のように、受信したデータに対して特定の一組の統計が与えられた場合、202から210の対応するスライス回路の所与の結果に対する相対的な確率に影響を与えるためにしきい値Hm、Cm、Lm、Ha、およびLaを調整することができることに留意されたい。
(マッピングの導出)
図2および3、ならびに図5の表4によって表される本発明の一実施形態では、表4のSDO(n)に対する値を導出するために一組の工程が行われる。まず、次式(1)に従って表1の8つの順列のそれぞれに対して重み付けされたアイの中心の推定値n(Sm)が計算される。
(Sm)=(2n1−1)CW1 (1)
上式で、CW1は表1の列7、行iの数値の「信頼値」であり(ここで、高=1、中=0.5、低=0である)、n1は表1の列4、行iのnの値である。次に、次式(2)に従って表3の16の順列のそれぞれに対して重み付けされた遷移の推定値n(Sab)が計算される。
(Sab)=(2n3−1)CW3 (2)
上式で、CW3は表3の列10、行jの「信頼値」であり(ここで、一貫した結果は数値による信頼値1にマッピングされ、不整合な結果は数値による信頼値0にマッピングされる)、n3は表3の列7、行jの値である。最後に、表4のSDO(n)に対する値nが図6のプロシージャに従って計算される。
このプロシージャに従い、行1ではインデックスkが1に初期化される。行2では、外部のforループが入力されるが、ここでターミナル・カウントを8としてiが1に初期化される。行3では、内部のforループが入力されるが、ここでターミナル・カウントを16としてjが1に初期化される。行4では、式(1)の重み付けされた推定値n(Sm)と式(2)の重み付けされた推定値n(Sab)が計算される。行5では、しきい値テストは0より大きな結果はどれでも論理値「1」にマッピングし、0と等価またはそれ以下の結果は論理「0」にマッピングされる。行6では、kが1だけ増分される。行7では、プロシージャの行4から6を16回反復した後、内部のforループは初めて完了し、制御は行2で外部forループに戻される。外部のforループ内のプロシージャ(内部のforループを含めて)はさらに7回実行され、次いで行8でnに対する128個すべての値が計算された後で外部のforループが完了する。
一例として、表1の行1では、SOA(Sm)=0、SOB(Sm)=0、かつSOC(Sm)=0の場合は、信頼値1に割り当てられ、表3の行4では、SOD(Sb)=0、SOE(Sb)=0、SOD(Sa)=1、かつSOE(Sa)=1の場合は、信頼値0に割り当てられた。これらのサンプル値は表4の行4に対応する。式(1)に従うと、
(Sm)=(2n1−1)CW1=(20−1)1=−1
である。式(2)に従うと、
(Sab)=(2n3−1)CW3=(20−1)0=0
である。図6の行4に従うと、
=n(Sm)+n(Sab)=−1+0=−1
である。図6の行5を適用すると、−1は0よりも大きくないのでn=0である。
別の実施例として、表4の行8では、SOA(Sm)、SOB(Sm)、およびSOC(Sm)に対する値は、表1に関して上述したように信頼値1のビットn=「0」に対応する。一方、SOD(Sb)、SOE(Sb)、SOD(Sa)、およびSOE(Sa)に対する値は、表3に関して上述したように信頼値1のビットn=「1」に対応する。式(1)および(2)ならびに図6の行4のプロシージャを適用することによってn=0が得られる。この値を行5のテストに掛けると、表4の行8の最後の列に示すように、このシナリオに関して論理値「0」が得られる。
最後の例として、表4の行20では、SOA(Sm)、SOB(Sm)、およびSOC(Sm)に対する値は、表1に関して上述したように、信頼値0.5のビットnに対する「雑音あり0」に対応する。一方、SOD(Sb)、SOE(Sb)、SOD(Sa)、およびSOE(Sa)に対する値は、表3に関して上述したように「0」に任意にマッピングされ、信頼の重み0を有する矛盾を表している。式(1)および(2)ならびに図6の行4のプロシージャを適用することによってn20=−0.5が得られ、これは、行5で表4の行20の最後の列の項目に示すように論理「0」にマッピングされる。
表4のマッピングを計算するために使用される表1および3ならびに図6のプロシージャからの信頼値は、一例としての一組の値と、1つの特定のマッピングをもたらす1つの実行可能な計算プロシージャまたは戦略だけを表すことに留意されたい。異なる受信器が動作している条件および受信器の静的または動的特徴および/または伝送路および受信器の統計に適切なマッピングを計算するために、他の重みおよび/または他のプロシージャを使用することができる。さらに、受信器によって実行されるリアルタイムの性能監視に基づいてスライス回路の論理212で使用するためにマッピングを動的に選定することができる。
(代替形態)
ここまで説明した実施形態は、対象のデータ・ビット(すなわち、ビットn)に関してアイの中心から得られるスライス回路の結果とアイの前後のエッジから得られるスライス回路の結果とを組み合わせることに焦点を合わせた。一般に、データ・ビットを推定するために使用される論理の対象データ・ビットの前および/または後の異なる時間のうちいくつかで取られたスライス回路情報の異なる組合せをいくつでも含むことができる。この情報は、限定はしないが、(1)ビットn−1に対して計算された値、(2)サンプル時間Sbで取られたアイのエッジのスライス回路出力SOD(Sb)とSOE(Sb)、(3)サンプル時間Smで取られたアイの中心のスライス回路出力SOA(Sm)、SOB(Sm)、およびSOC(Sm)、(4)サンプル時間Saで取られたアイのエッジのスライス回路出力SOD(Sa)およびSOE(Sa)、および(5)ビットn+1に対して計算された値を含む。別の実施態様では、ビットnに対する値を決定するためにこの情報の別の対象を組み合わせることができる。さらに、本発明の別の実施形態は、1つまたは複数のマルチビットのスライス回路(すなわち、高位ADC)を含めて異なる数のアイの中心のスライス回路とアイのエッジのスライス回路を有することができる。ある実施態様では、アイの中心の情報だけが計算されたデータ・ビットnの指定の信頼水準よりも少ない結果を生じる場合にだけアイのエッジの情報が使用される。別法として、他の実施態様では、アイのエッジの情報だけが計算されたデータ・ビットnの指定の信頼水準よりも少ない結果を生じる場合にだけアイの中心の情報が使用される。
表4の真理値表のマッピングは、アイの中心のスライス回路の結果とアイのエッジのスライス回路の結果に対して重みの1つの特定の割当てに基づいている。重みの別の割当ておよび/またはマッピングの別の計算方法は、アイの中心の情報対アイのエッジの情報に対する別の相対的焦点により別のマッピングを生じることに留意されたい。異なる通信システム特性に対処するために、これらの異なる重み付けおよび/またはマッピング方式を使用することができる。
(別の5つのスライス回路の実施形態)
図7の3つのアイダイヤグラムは、本発明の別の例示の実施形態を示している。このダイヤグラムでは、さまざまなスライス回路に対するしきい値、実現可能な結果、およびスライシング時間が示されている。これらのしきい値は、周期ごとに再利用される5つの固有のスライス回路のしきい値に対応する。ブロック702は、周期n中に適用されるような5つのスライス回路のしきい値を図示している。最初の2つのスライス回路は、時間T1(n)でn番目の周期の先頭のエッジでのしきい値704および706を使用し、一方、他の3つのスライス回路は、時間T2(n)でn番目の周期のアイの中心でのしきい値708、710、および712を使用する。これらのスライス回路の出力は、矛盾する結果を排除し、T1(n)およびT2(n)に対応する2タプルの値{V1(n)、V2a(n)}を得るように処理される。ここで、V1(n)は、「Hi」、「Mid」、または「Lo」の値を有し、V2a(n)は、「Hi」、「Mid−Hi」、「Mid−Lo」、または「Lo」の値を有する。V2a(n)はV2b(n)を得るよう処理される。ここで、V2b(n)は、次の関係に従って「Hi」または「Lo」の値に割り当てられる。
V2a(n)が「Hi」または「Mid−Hi」であれば、V2b(n)=「Hi」であり、
V2a(n)が「Mid−Lo」または「Lo」であれば、V2b(n)=「Lo」である。
周期nの場合に{V2b(n−1)、V1(n)、V2a(n)、V1(n+1)、V2b(n+1)}を処理するために次の5タプルの値が使用可能であるように、適切な値が記憶される。ここで、これらの値は、それぞれT2(n−1)、T1(n)、T2(n)、T1(n+1)、およびT2(n+1)の図7からのスライシング時間に対応する。一般に、この実施形態では、5タプルの3番目の要素であるV2a(n)に対応する時間T2(n)でのアイの中心のスライス回路の出力は、次の表5のマッピングに従ってビットnに対する出力を決定するために、他のすべての値と独立して使用される。
Figure 2004201326
しかし、この実施態様に基づいて、この決定を「上書き」するために、5タプルの他の値のさまざまな組合せを使用することができる。この実施例では、矛盾している事例は無視されるが、表5のマッピングを上書きするために使用される上記で定義された5タプルの有効な組合せは次の表6にある。
Figure 2004201326
表6で、各行がカテゴリ1、2、または3に割り当てられることに留意されたい。これらは、アイの中心のスライス回路によって示された決定の「上書き」に関連する信頼水準に対応する。たとえば、行1で、V2a(n)はMid−Lo(弱0)である。他のいかなるスライス回路情報がない場合、これはビット値0にマッピングされる。しかし、5タプルにすべてがビット値1を指し示す他の値が与えられた場合、アイの中心のスライス回路は上書きされる。より具体的には、行1に対する5タプルは{Lo、Mid、Mid Lo、Mid、Lo}である。これらの要素は、それぞれ{ビットn−1が0である、遷移が発生する、ビットnが0である、遷移が発生する、ビットn+1が0である}と解釈することができる。アイの中心のスライス回路から導出された「ビットnが0である」という情報を無視すると、5タプルのうちの残りは、ビットnに対する値は1であるべきであることを示唆している。同様に、他のカテゴリ1の5タプルはアイの中心の要素を上書きするための信頼性の高い基本原理を提示している。最初の4つの行は0が1に上書きされる場合であり、次の4つの行は1が0に上書きされる場合である。
カテゴリ2の5タプルに移動すると、ここでもまたアイの中心の値と他の間に矛盾があるが、アイの中心のスライス回路を上書きするための主張を弱める傾向のある非アイの中心の要素の間にもいくつかの不一致がある。たとえば、行9に対する5タプルは{Lo、Hi、Mid−Lo、Mid、Lo}である。これらの要素は、それぞれに{ビットn−1が0である、遷移は発生しない(より具体的には、ビットn−1は1でビットnも1である)、ビットnは(弱)0である、遷移が発生する、ビットn+1は低である}と解釈される。アイの中心のスライス回路から導出した「ビットnは(弱)0である」という情報をここでもまた無視すると、最初の2つの要素は不一致だが、最後の2つの要素はビットnに対する値は1であるべきであると強く示唆している。2番目の要素の値(Hi)がMidに近いと見なす場合、すべての非アイの中心の要素はアイの中心の値を上書きし、ビットnに1の値を割り当てることに賛成する。他のカテゴリ2の5タプルに対しても同様の解釈がなされる。カテゴリ1および2の5タプルのどちらでも、弱1(Mid−Hi)と弱0(Mid−Lo)だけが上書きされ、カテゴリ3の5タプルでは、後述するように、強1および0(V2a(n)=それぞれHiおよびLow)も、強いアイの中心のマッピングに矛盾することに強く賛成する非アイの中心の要素によって上書きされるということに留意されたい。
一例として、行25(カテゴリ3)のアイの中心のスライス回路は0のビットnに対する値を強く示唆している。しかし、他の要素は反対のことを強く示唆している。これらの2つの強い主張は、2つの対立する決定基準の間の信頼をほぼ均衡させる。5タプル{Hi、Hi、Lo、Hi、Lo}が分析される場合、最後の2つの要素は、アイの中心の基準の方に尺度を傾けた、ある程度の不整合を示す。しかし、上書きに対する強い主張なしに、この5タプルは信頼性が最低の上書きグループ(3)に分類される。この実施態様に基づいているが、アイの中心の決定を上書きするために実際にはカテゴリ3のタプルのどれでも使用されるという可能性はないが、カテゴリ1と、場合によっては2の5タプルは、アイが閉じているかほぼ閉じている場合には特に、上書き用に使用される可能性がある。
(組み合わされたクロックおよびデータ修復)
本発明の一実施形態は、図8に示すようなクロックおよびデータ修復回路(CDR)を改善するために、最新技術のクロック修復回路を図2のデータ修復回路と組み合わせる。
高速クロック修復回路の典型的な実施態様では、局所的に同期された(たとえば、PLLベースの)クロックを「早」または「遅」として特徴付けるためにアイの中心とアイのエッジのスライス回路の情報が組み合わされる。次いで受信したデータに固有のクロックを追跡するために、この特徴付けがローカル・クロックのフェーズ(総計で)および周波数を更新するために使用される。この種のクロック修復に使用される1つのこのような技術は、しばしば「Alexander」と呼ばれることがある(発明者と認められているJ.D.H.Alexanderに敬意を表して)。さらに多くの情報は、その全体を参照により本明細書に組み込んでいるAlexander,J.D.H.、「Clock Recovery From Random Binay Signals」、Electronic Letters、第11巻、541〜542頁、1975年10月に記載されている。
図8に示す本発明のこの実施形態では、追加の中位のアイのエッジのスライス回路(スライス回路F)802が、図2のデータ修復回路に対してクロック修復回路804と共に追加されている。スライス回路Fは、スライス回路DおよびEと同時に(たとえば、図3を参照すると時間SbおよびSaに)データをサンプリングし、その出力SOFをクロック修復回路804に渡す。クロック修復回路804は、従来の(たとえば、Alexander)手段によって早いか遅いかの判定を導出するためにデータ・ビットn(インターフェースSDO108を介して受信した)の以前と現在の推定値と共にSOFを使用する。これらの早いか遅いかの判定は、入力データSDIに対するフェーズおよび周波数追跡を実施するためにクロック修復回路804内のバンバン・フェーズ検出器とVCO/PLL回路に周期ごとに適用される。中位のアイのエッジのスライス回路の出力SOFを他のスライス回路の処理から得られた改善されたデータ推定値SDOに組み合わせることにより、クロック修復システムの改善が実現する。アイの中心でアイダイヤグラムがほぼ完全に閉じている極度な歪みの場合にクロックの同期を維持するためにこの改善は重要である。この場合、クロック修復回路が信頼する0−1または1−0の遷移を識別する際には、スライス回路Bからの出力だけではほぼ完全に信頼性がない。
フェーズ推定に複数のスライス回路を使用する他の方法も実現可能である。たとえば、局所的に同期されたクロックだけが大雑把に調整されている起動時には、アイのエッジのスライス回路の出力をアイの中心のスライス回路の出力と論理的に交換することができ、何らかの基準値(たとえば、ビット誤り率)をこれら2つの構成間で比較することができる。交換された結果が交換されていない結果よりも基準値のどれかのしきい値分だけ良い場合、ローカル・クロックのフェーズの大雑把な調整が必要であると見なすことができる。クロックは、基準値の計算およびしきい値処理によって別の大雑把な調整が保証される時点まで、フェーズを大雑把に調整しても、スライス回路の出力の交換された解釈をディフォルトの修復構成にしてもよい。
以上、本発明を例示としての実施形態を参照して説明したが、この説明は限定的な意味で解釈されるべきではない。当業者には明らかな、本発明が関係している上述の実施形態のさまざまな修正形態、ならびに本発明の他の実施形態は、首記の特許請求の範囲に示す本発明の原理および範囲内にあるものと見なされる。
首記の方法クレームに工程があるならば、それらは対応するラベリングを有する特定の順番で記述されるが、特許請求の範囲がそれらの工程の一部またはすべてを実施するために特定の順番を特に示さない限り、それらの工程をその特定の順番で実施するよう限定することを必ずしも意図するものではない。
本発明の一実施形態による高速データ受信器のデータ修復回路を示すブロック図である。 図1のデータ修復回路の5つのスライス回路の実施形態を示すブロック図である。 図2のスライス回路のタイミングおよびしきい値電圧を示すアイダイヤグラムである。 エッジ・スライス回路の出力の1つの解釈の概要を示す表3である。 図2のスライス回路論理212で実施される論理の概要を示す表4aである。 図2のスライス回路論理212で実施される論理の概要を示す表4bである。 図2のスライス回路論理212で実施される論理の概要を示す表4cである。 図2のスライス回路論理212で実施される論理の概要を示す表4dである。 表4の最後の列のデータを計算するために使用されるプロシージャに対する擬似コードを示す図である。 本発明の別の実施形態のタイミング、しきい値電圧、およびスライス回路の結果を示すアイダイヤグラムである。 組み合わされたクロックおよびデータ修復回路(CDR)を作成するために、最新技術のクロック修復回路と図2のデータ修復回路とを組み合わせる本発明の一実施形態のブロック図である。

Claims (10)

  1. 受信したデータ信号からデータを修復するための装置において、
    (a)(1)エッジ・サンプルを生成するために、受信したデータ信号を、1つまたは複数のスライス回路しきい値の第1の組を使用して実質的にシンボル間隔のエッジでスライスし、
    (2)中心サンプルを生成するために、受信したデータ信号を、1つまたは複数のスライス回路しきい値の第2の組を使用して実質的にシンボル間隔の中心でスライスする
    ように構成された1組のスライス回路と、
    (b)エッジ・サンプルと中心サンプルに基づいて、受信したデータ信号のデータ・ビットに対する値を決定するように構成された論理ブロックとを含む装置。
  2. エッジ・サンプルは、実質的に各シンボル間隔の前のエッジで取られた2つのスライス回路の出力と、実質的に各シンボル間隔の後のエッジで取られた2つのスライス回路の出力とを含み、
    中心サンプルは、実質的に各シンボル間隔の中心で取られた3つのスライス回路の出力を含む請求項1に記載の発明。
  3. シンボル間隔nに対して、中心サンプルが、実質的にシンボル間隔n−1の中心で取られたスライス回路の出力と、実質的にシンボル間隔n+1の中心で取られたスライス回路の出力とをさらに含む請求項2に記載の発明。
  4. データ・ビットに対する値が、エッジのサンプル値と中心のサンプル値の異なる組合せを対応するデータ・ビット値にマッピングする論理ブロックへの入力としてエッジ・サンプルと中心サンプルを使用して決定される請求項1に記載の発明。
  5. 異なるマッピングが、データを修復する際に使用するために動的に選択される請求項4に記載の発明。
  6. 受信したデータ信号の各スライシングが指定したしきい値レベルに基づく請求項1に記載の発明。
  7. スライス回路のしきい値の第1と第2の組が同一でない請求項1に記載の発明。
  8. 受信したデータ信号を処理するために使用される局所的に生成されたクロックのフェーズと周波数との少なくとも一方がエッジ・サンプルと中心サンプルに基づいて調整される請求項1に記載の発明。
  9. 受信したデータ信号を処理するために使用される局所的に生成されたクロックを同期する方法において、
    エッジ・サンプルを生成するために、受信したデータ信号を、1つまたは複数のスライス回路しきい値の第1の組を使用して実質的にシンボル間隔のエッジでスライスする工程と、
    中心サンプルを生成するために、受信したデータ信号を、1つまたは複数のスライス回路しきい値の第2の組を使用して実質的にシンボル間隔の中心でスライスする工程と、
    エッジ・サンプルと中心サンプルとに基づいて、局所的に生成されたクロックのフェーズと周波数との少なくとも一方を調整する工程と
    を含み、
    スライス回路しきい値の第1と第2の組は同一でなく、
    現在のシンボル間隔に対して局所的に生成されたクロックを調整するために、
    エッジ・サンプルが、実質的に現在のシンボル間隔の前のエッジで取られた単一スライス回路の出力を含み、
    中心サンプルが、現在のシンボル間隔と前のシンボル間隔とに対するスライス回路の出力を含む方法。
  10. 受信したデータ信号からデータを修復する方法において、
    エッジ・サンプルを生成するために、受信したデータ信号を、1つまたは複数のスライス回路しきい値の第1の組を使用して実質的にシンボル間隔のエッジでスライスする工程と、
    中心サンプルを生成するために、受信したデータ信号を、1つまたは複数のスライス回路しきい値の第2の組を使用して実質的にシンボル間隔の中心でスライスする工程と、
    エッジ・サンプルと中心サンプルとに基づいて、受信したデータ信号のデータ・ビットに対する値を決定する工程とを含む方法。
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