JP2004202202A - 止血用の傷用包帯および布地およびこれらの作成および使用の方法 - Google Patents

止血用の傷用包帯および布地およびこれらの作成および使用の方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は一定の止血用の傷用包帯を提供する。
【解決手段】本発明の傷用包帯は生体相容性のアルデヒド変性した多糖類の繊維により作成した一定の布地、および当該布地の内部において少なくとも部分的に分散されている一定の生体相容性で水溶性または水膨潤性のポリマーにより作成した一定の多孔質の高分子基材を含み、さらに、本発明は上記のような傷用包帯を作成する方法および一定の傷に対して止血を行なう方法に関連している。
【選択図】 図3

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、アルデヒド変性した再生セルロース等の、一定のアルデヒド変性した多糖類を含む一定の布地、および一定の多孔質で水溶性のまたは水膨潤性の高分子基材を含むこれらにより作成されている止血用の傷用包帯、およびこのような布地および傷用包帯を作成する方法、および一定の傷に対して止血を行なう方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血液の損失を最小にして、手術後の合併症を減少し、手術室内における外科手術の継続時間を短縮するために各種の外科処置において出血を調整することが不可欠であり重要である。カルボン酸の部分を含むように酸化されているセルロース、すなわち、酸化セルロース(OC)は、その生体崩壊性、殺菌性、および止血性により、神経外科手術、腹部外科手術、心臓血管外科手術、胸部外科手術、頭部および頸部の外科手術、骨盤外科手術、および皮膚および皮下組織の各種処置を含む種々の外科処置における一定の局所的な止血用の傷用包帯として長期にわたり用いられている。
【0003】
上記の酸化セルロースの止血物質としての使用は1944年に非特許文献1により最初に記載されている。現在において利用可能な酸化セルロースの止血物質はカルボキシル酸化したセルロースを含む編み状または不織状の各種の布地である。酸化した再生セルロース(ORC)は反応性のカルボン酸基を含むカルボキシル酸化したセルロースである。市場において利用可能なORCの吸収性の止血物質の例はサージセル(Surgicel)(登録商標)吸収性止血物質と言うORCの編み状の布地、サージセルNu−ニット(Surgicel Nu-Knit)(登録商標)吸収性止血物質と言う高密度なORCの布地、およびサージセル(Surgicel)(登録商標)フィブリラー(Fibrillar)吸収性止血物質を含み、全て、ジョンソン・アンド・ジョンソン・カンパニー社(Johnson & Johnson Company)であるニュージャージー州サマービルのエシコン社(Ethicon, Inc.)の一事業部であるジョンソン・アンド・ジョンソン・ウンド・マネージメント・ワールドワイド社(Johnson & Johnson Wound Management Worldwide)から入手可能である。また、酸化セルロースを含有している商業的な吸収性の止血物質の別の例はオキセル(Oxycel)(登録商標)と言う吸収性のセルロース外科用包帯を含み、ニュージャージー州モリス・プレインズのベクトン・デイッキンソン・アンド・カンパニー社(Becton Dickinson and Company)から入手可能である。
【0004】
上記の酸化セルロース(OC)および酸化再生セルロース(ORC)の止血物質は、上述したように、カルボン酸基を含有している、編み状、織り状または不織状の布地である。しかしながら、このような酸を基材とするORCおよびOCは、それぞれの酸性のpH値により、接触する際に、トロンビンまたはフィブリノゲンを含む、酸性に感応性で止血性の各種のタンパク質を速やかに変性する。従って、トロンビンおよびフィブリノゲン、ならびに、その他の生物学的物質および薬剤等のような、酸に感応性の各種の物質のためのキャリヤーとして上記のOCまたはORCを使用することは最も不都合なことである。
【0005】
「酸に感応性の(acid-sensitive)」物質、例えば、各種のタンパク質、薬物等に対する従来のOCおよびORCの相容性に関する問題に加えて、現在において入手可能な酸化セルロースの止血物質における体液の吸収性および止血作用は穏やかなまたは適度な出血が生じる場合の用途に対して適しているが、比較的に多量の血液が比較的に速い速度で失われる多量の速い血流速度の深刻な出血を阻止または停止するために有効であることが知られておらず、速やかな止血を達成することも知られていない。例えば、動脈の穿刺、肝臓の切除、閉塞性肝臓傷害、閉塞性脾臓傷害、大動脈瘤、または過剰な抗凝固剤を伴う患者または血友病等のような凝血異常を伴う患者からの出血等のような場合に、高度な止血が速やかに必要とされる。改善された止血性を達成するための努力において、トロンビン、フィブリンおよびフィブリノゲン等のような血液凝固剤がゼラチンを基材とする各種のキャリヤーおよび一定のコラーゲン基材を含む上記のような物質のための別のキャリヤーまたは支持体と共に組み合わされていた。
【0006】
さらに、中和したOCを含む止血用の傷用包帯およびトロンビン、フィブリノゲンおよびフィブリン等のような止血物質が知られている。このような中和したOCはこのOCを一定の弱い有機酸の塩基性の塩の水溶液またはアルコール溶液により処理して上記トロンビンの添加の前にこのOCにおける酸性の基を中和してそのpH値を5乃至8に高めてトロンビンに対して相容性にすることにより調製される。このような中和したOCはトロンビンに対して相容性になることができるが、このOCにおける抗菌性の活性がその酸性の性質によるものであるので、もはや殺菌性ではない。
【0007】
トロンビン、フィブリノゲンまたはフィブリンのような止血物質は、上記のような支持体に化学的または物理的に有効に結合していなければ、一定の傷の部位における血液によりすすぎ流される可能性がある。さらに、このような未結合の物質が血液の流れの中に移動する可能性があり、このことは望ましくない。一定のヨウ素含有化合物および酸化窒素による連続的な処理による2段階の酸化を含む、止血材料としてセルロースの高度に酸化されている各種のトリ−カルボン酸誘導体を製造する方法が特許文献1および特許文献2において開示されている。これらの特許明細書において開示されているように、各種の酸化したセルロース材料がメタ過ヨウ素酸塩または過ヨウ素酸による予備的な酸化により調製されて過ヨウ素酸塩酸化したジアルデヒド・セルロースが得られ、これにより、OCを形成するための中間体が形成される。その後、このジアルデヒド・セルロース中間体はさらにNO2 により酸化されて上記のOCが得られ、この材料は一定の止血性で抗菌性の傷治癒用の物質として使用される。従って、従来のOC含有の止血用傷用包帯と同様の止血性および抗菌性を示すだけでなく、「酸性に感応性の(acid-sensitive)」各種物質に対して相容性である止血用の傷用包帯を提供することが有利であると考えられる。
【0008】
さらに、従来の傷用包帯に優る改善された止血性を示すだけでなく、止血物質の血流中への移動の危険性を伴うことなく上記のような止血性を示す抗菌性の止血用の傷用包帯を提供することが有利であると考えられる。
【0009】
【特許文献1】
ロシア国特許第2146264号(RU2146264)明細書
【特許文献2】
インド国特許第159322号(IN159322)明細書
【非特許文献1】
バージニア・フランツ(Virginia Franz),1994年
【考案の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は従来のOCを基材とする止血用の傷用包帯と同等であるかこれよりも優れている止血性および抗菌性を示すだけでなく、「酸性に感応性(acid-sensitive)」各種物質に対して相容性である上記のような傷用包帯を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は一定の布地を含む止血用の傷用包帯に関連している。この布地は第1の傷接触用の表面部分および当該傷接触用の表面部分と反対側の第2の表面部分を有している。この布地は複数の繊維を含み、一定の止血物質として使用するために効果的な柔軟性、強度および多孔質度を有している。上記の繊維は一定のアルデヒド変性した多糖類により調製されている。この傷用包帯はまた上記布地における少なくとも傷接触用の表面部分に供給されており、好ましくは、当該布地の内部において少なくとも部分的に分散している一定の多孔質の高分子基材を含む。この多孔質の高分子基材は一定の生体相容性で水溶性または水膨潤性のポリマーにより構成されている。さらに、本発明は上記のような傷用包帯を作成する方法および一定の傷に止血物質を供給する方法に関連しており、この供給方法は一定の傷に本発明の傷用包帯を供給する工程を含む。
【発明の効果】
【0012】
従って、本発明によれば、従来のOCを基材とする止血用の傷用包帯と同等であるかこれよりも優れている止血性および抗菌性を示すだけでなく、酸性に感応性の各種物質に対して相容性である傷用包帯が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は一定の布地および当該布地により少なくとも部分的に作成されている止血用の傷用包帯、および当該傷用包帯を作成および使用する方法に関連している。
【0014】
本発明の傷用包帯は一定の布地を含み、この布地は一定の生体相容性のアルデヒド変性した多糖類、好ましくは、一定の生体崩壊性の多糖類により調製されている。この布地は第1の傷接触用の表面部分、および当該第1の表面部分と反対側の第2の表面部分を有している。好ましくは、この布地は柔軟性、強度および多孔質度を含む一定の止血物質としての使用に適している物理的な諸特性を有している。
【0015】
上記の傷用包帯はさらに上記布地の第1の表面部分に供給されていて当該布地の内部において少なくとも部分的に分散されている一定の多孔質の生体相容性で水溶性または水膨潤性の高分子基材を含む。特定の実施形態において、この高分子基材は上記布地の内部において実質的に均質に分散されている。
【0016】
本発明の特定の実施形態において、上記傷用包帯はさらに一定の止血物質を含む。この物質は上記高分子基材の内部ならびに上記第1の布地の表面部分および/または当該布地の内部に結合できる。また、この物質は、体内の血液との接触時に傷用包帯から移動しないようにこの物質が結合する限りにおいて、種々の化学的または物理的な手段により結合できる。上記の高分子基材と同様に、上記止血物質は上記布地および/または高分子基材において部分的にまたは均質に分散可能である。好ましくは、上記止血物質は止血を必要する一定の傷に供給される場合に有効な止血を行ないこれを維持するための能力を有する傷用包帯を提供するために有効な量で存在している。
【0017】
本発明の止血用の傷用包帯は止血を必要とする一定の傷に供給される場合に有効な止血を行ないこれを維持する。有効な止血とは、本明細書において用いられているように、止血の技術分野における熟練者により認識されているような、一定の有効時間内において毛細血管、静脈、または小動脈の出血を調整および/または軽減するための能力である。さらに、この有効な止血の指示は政府の法規等により規定できる。
【0018】
本発明の止血用包帯は圧力または縫合処理等のような出血を調整および/または軽減するための従来の処置が無効であるか実施不能である場合に特に有用である。加えて、本発明の止血用の傷用包帯は各種の止血物質、またはその他の生物学的なまたは治療用の各種の化合物、またはその各部分または各物質、例えば、OC系の止血用傷用包帯により供給されるような酸性のpH値により崩壊または変性する可能性があり、あるいは、その他の悪影響を受ける可能性があることを意味する「酸に感応性の(acid-sensitive)」物質と共に使用できる。
【0019】
本発明の特定の実施形態において、上記の本発明において利用されている布地は、当該布地が一般に傷用包帯として、好ましくは止血用の傷用包帯として適している物理的な諸特性を有する限りにおいて、編み状、織り状または不織状にすることができる。好ましい織り状の布地は高密度な編み状の構造を有しており、この構造は上記の止血用の傷用包帯に対応する形態および形状を提供する。本発明において記載されている過ヨウ素酸またはその塩類により酸化された布地は傷用包帯において使用するために必要とされる物理的な諸特性および機構的な完全性を維持することが予想される。また、本発明による止血用の傷用包帯において有用な布地は本発明のアルデヒド変性した多糖類を含む布地を含み、米国特許第4,626,253号において記載されているような構造を有しており、この特許の内容はその全体が引用されているものとして本明細書に参考文献として含まれる。
【0020】
本発明の特定の実施形態において、本発明の止血用の傷用包帯は布地がアルデヒド部分を含むように過ヨウ素酸またはその塩により酸化されている白色のレーヨン糸により構成されている一定の縦編み状のトリコット布地を含む。走査電子顕微鏡(SEM)の画像および布地の機械的な特性の両方により、本発明において使用するアルデヒド変性した再生セルロース布地の物理的な特性(密度、厚さ)および物理的な性能、例えば、布地の引張強さよびミューレン破裂強さが米国特許第4,626,253号において開示されている布地の諸特性に匹敵することが分かる。
【0021】
本発明の止血用の傷用包帯は極めて柔軟である状態を維持して、一定の出血の部位に一致し、良好な引張強さおよび圧縮強さを維持して供給中における取り扱いに耐える。上記のアルデヒド変性した再生セルロース布地はその外科的な必要性に適合するために異なる大きさおよび形状に切断できる。また、この布地は不規則な解剖学的構造の領域に巻き付けることができ、その中に詰め込むことも可能である。
【0022】
もちろん、上記と同等の物理的な特性を示す別の縦編み状のトリコット布地の構成も本発明のアルデヒド変性した再生セルロースの止血用傷用包帯の製造において利用可能であり、このような構成はこの開示の恩恵を受けた後に当該技術分野における熟練者において明らかになる。
【0023】
本発明の傷用包帯において利用できる布地は一定の生体相容性のアルデヒド変性した多糖類を含む。好ましい傷用包帯において、この多糖類はその変性した多糖類を生体崩壊性にするために有効な一定量のアルデヒド部分を含み、このことは、この多糖類が身体により吸収可能であるか、その身体を速やかに通過できる各種の成分にその身体により崩壊可能であることを意味する。特に、これらの崩壊した各種の成分はこれらが身体に吸収されるために永久的で慢性的な異物反応を示さず、その移植部位においてその成分の永久的な痕跡または残留が維持されない。
【0024】
本発明において使用するアルデヒド変性した多糖類はセルロース、セルロース誘導体、例えば、アルキル・セルロース、例えば、メチル・セルロース、ヒドロキシアルキル・セルロース、アルキルヒドロキシアルキル・セルロース、硫酸セルロース、カルボキシメチル・セルロースの塩、カルボキシメチル・セルロース、カルボキシエチル・セルロース、キチン、カルボキシメチル・キチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、アルギネート、アルギン酸、プロピレン・グリコール・アルギネート、グリコーゲン、デキストラン、硫酸デキストラン、カルドラン(curdlan)、ペクチン、プルラン、キサンタン、コンドロイチン、硫酸コンドロイチン、カルボキシメチル・デキストラン、カルボキシメチル・キトサン、キトサン、ヘパリン、硫酸ヘパリン、ヘパラン、硫酸ヘパラン、硫酸デルマタン、硫酸ケラタン、カラジーナン、キトサン、デンプン、アミロース、アミロペクチン、ポリ−N−グルコサミン、ポリマンヌロン酸、ポリグルクロン酸、ポリグルロン酸(polyguluronic acid)、およびこれらの誘導体を含むがこれらに限らない。好ましい実施形態において、上記多糖類はそのアルデヒド変性した多糖類が確実に生体崩壊性になるように本明細書において説明されているように酸化されている。
【0025】
上記のような生体崩壊性のアルデヒド変性した再生多糖類は以下の構造式Iにより示すことができる。
【化学式1】
Figure 2004202202
この場合に、xおよびyはそれぞれモル%値を示しており、x+yは100%に等しく、xは約95乃至約5であり、yは約5乃至約95であり、
RはCH2 OR3 、COOR4 、スルホン酸、またはホスホン酸とすることができ、R3 およびR4 はH、アルキル、アリール、アルコキシまたはアリールオキシとすることができ、R1 およびR2 はH、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、スルホニルまたはホスホリルとすることができる。
【0026】
本発明の好ましい実施形態において、上記布地は一定の生体相容性で生体崩壊性のアルデヒド変性した再生多糖類により調製されている。再生セルロースは再生されていないセルロースに対してその比較的に高い均一性の程度により好ましいと考えられる。このような再生セルロースは、例えば、米国特許第3,364,200号において記載されており、この内容はその内容全体が引用されているものとして本明細書に参考文献として含まれる。
【0027】
特に、本発明において使用する好ましいアルデヒド変性した再生セルロースは以下の構造式IIの反復単位を含む。
【化学式2】
Figure 2004202202
この場合に、xおよびyはそれぞれモル%値を示しており、x+yは100%に等しく、xは約95乃至約5であり、yは約5乃至約95であり、RはCH2 OHであり、R1 およびR2 はHである。
【0028】
本発明による特定の実施形態において、xは約90乃至約10であり、yは約10乃至約90である。好ましくは、xは約80乃至約20であり、yは約20乃至約80である。さらに好ましくは、xは約70乃至約30である。最も好ましくはxが約70でありyが約30である。
【0029】
本発明の布地および止血用の傷用包帯はさらに有効量のアルデヒド部分の存在による抗菌性の活性も示す。酸性の基を実質的に含まないにもかかわらず、上記のアルデヒド変性した再生セルロースは本質的に抗菌性であることが既に示されており、このことは上記の布地および包帯が当該布地および包帯におけるまたはその近くの特定の微生物のコロニー化を実質的に抑制することを意味する。本発明の止血物質はメチシリン耐性の黄色ブドウ球菌(MRSA)および緑膿菌等のような微生物に対して有意義に有効であることが分かっている。また、このような非酸性のアルデヒド変性した再生セルロースの抗菌性の活性は従来から用いられている酸性のカルボキシル酸化した再生セルロース(ORC)の活性に匹敵することも示されている。しかしながら、本発明において利用されているアルデヒド変性した再生セルロースは比較的に長い時間の経過においてその抗菌性の活性を維持することが予想されるが、従来のORCはその酸性の基が体内において中和されるのに従って一定時間の期間にわたりその抗菌性の活性を失う。
【0030】
本発明の好ましい実施形態において、上記アルデヒド変性した再生多糖類、例えば、セルロース、はそのアルデヒド部分以外の官能性のまたは反応性の部分を実質的に含まない。この実質的に含まないとは、上記多糖類がそのアルデヒド変性した多糖類の特性を変えること、または約4.5よりも低い、さらに好ましくは約5よりも低い、あるいは、約9よりも高い、好ましくは約9.5よりも高い一定のpH値を有する多糖類により構成されている布地を提供することにおいて有効な量でそのような官能性のまたは反応性の部分を含まないことを意味する。このような部分は上記OCにより作成される傷用包帯において一般的に存在しているカルボン酸部分を含むがこれに限らない。さらに、過剰量のカルボン酸部分は上記布地および包帯のpH値を下げるので、これらの材料は、例えば、トロンビン等のような一定の低いpH値により崩壊または変性する可能性のある酸に感応性の物質に対する使用において相容性を有することができない。また、別の実質的に除外されている部分はスルホニルまたはホスホニルの部分を含むがこれらに限らない。
【0031】
本発明において使用する布地は上記のカルボキシル酸化した再生セルロース布地(ORC)または中和したORCの安定性に比して高められた熱的な安定性を示す。
【0032】
本発明の傷用包帯は一定の多孔質の高分子基材を含む。このような多孔質の高分子基材を作成する好ましい方法は上記の布地を適当な溶媒中における適当量の一定の水溶性または水膨潤性のポリマー溶液に接触させて、この溶解したポリマーをその布地の傷接触用の表面部分および当該布地の内部において少なくとも部分的に分散させて、これらのポリマーおよび布地をフラッシュ凍結(flash-freeze)することにより、その高分子基材を固定した後に、減圧下においてその凍結した構造から溶媒を除去する方法である。このような好ましい凍結乾燥の方法により、微孔質(microporous or nanoporous)の構造を有する水溶性または水膨潤性のポリマーの一定の基材を含む一定の布地が得られる。この凍結乾燥の条件は各種の体液が相互作用できる止血物質内の一定の大きな表面積を形成するためにその新規な多孔質構造において重要である。
【0033】
上記のような微孔質構造の特徴は凍結乾燥中に上記複合体の止血物質を形成するための諸条件を選択することにより一定の所望の用途に適合するように調整できる。本発明による多孔質基材の表面積を最大にするために、好ましい方法は0℃よりも低い温度において、好ましくは約−50℃において、上記布地/ポリマーの構造を速やかに凍結して、その溶媒を高い真空度において除去する方法である。これにより製造される多孔質基材はその止血用の傷用包帯に一定の大きな流体吸収能力を賦与する。すなわち、この止血用の傷用包帯が体液に接触すると、上記ポリマーの極めて大きな表面積が即時にその流体に対して曝される。この布地の水和力およびその後の粘着性のゼラチン質の層の形成がその傷用包帯と出血部位との間の接着性の相互作用を形成することに役立つ。さらに、上記高分子基材の微孔質構造は血液が上記布地の表面を水和反応が生じる前に速やかに通過することも可能にする。血液の接触時のアルデヒド変性したセルロース布地における一定のゼラチン質のシートの形成はその水溶性のゼラチン質の層の密封性を高め、このことは外科的な出血に対する迅速な止血において重要である。
【0034】
上記傷用包帯は外科的な出血の場合に有効な止血を行ないこれを維持するために有効な一定の量で上記布地の上またはその中に分散されている上記の高分子基材を含む。この布地に対するポリマーの比率が低すぎると、このポリマーはその出血を物理的に遮断するために有効な一定のシールを形成しない。また、上記の比率が高すぎると、その複合体の止血用傷用包帯は過度に硬くまたは脆くなり、外科的な各種の用途における傷の組織に対して一致できなくなる。また、このような過剰な比率は上記のシール特性または密封性を高めるために重要なゼラチン質の層を形成するための血液が上記基材を通過して布地の表面に到達することを妨げる。このようなポリマーの布地に対する好ましい重量比率は約1:99乃至約15:85である。さらに好ましいポリマーの布地に対する重量比率は約3:97乃至約10:90である。
【0035】
本発明の特定の実施形態において、上記多孔質の高分子基材は少なくとも上記布地の傷接触用の表面部分において、さらに当該布地の内部において実質的に均質に分散している。このような場合に、この布地はそのポリマー溶液中に浸漬して凍結乾燥処理の前に当該布地の内部における均質な分布を形成することができる。別の実施形態において、上記止血物質の傷接触面部のみが湿潤状態の表面に十分に浸けられて、医者が取り扱う側、すなわち、その布地の上面部は浸漬されないことが好ましい場合も有り得る。このような場合に、上記布地は少なくともその布地の傷接触面部にポリマーを供給するように上記ポリマー溶液に部分的に浸漬することができる。このようにして、上記布地におけるポリマーの一定の勾配が形成され、これにより、この布地はその傷接触面部の近くに一定の有効量の凍結乾燥処理したポリマーを含むが、この布地の上面部は分散されたポリマーをほとんどまたは全く含まずに医者の取り扱いの容易さを維持している。
【0036】
本発明の多孔質基材において使用するポリマーは一定の生体相容性で水溶性または水膨潤性のポリマーである。このような水溶性または水膨潤性のポリマーは血液またはその他の体液を速やかに吸収して、組織に対して接触した状態で配置される場合に、その組織に対して接着する粘着性または接着性のゲルを形成する。この流体吸収性のポリマーは、一定の乾燥した濃縮された状態の場合に、一定の水和過程を介して体液に対して相互作用する。一定の出血部位に供給される場合に、このポリマーは一定の水和過程を介して血液中の水分に対して相互作用する。この水和力は上記止血物質が出血部位に接着することを補助する一定の接着性の相互作用を生じる。このような接着により、その止血用包帯と出血部位との間に一定のシール層が形成されて、血液の流れが停止する。
【0037】
本発明の傷用包帯において使用する高分子基材において有用なポリマーは各種の多糖類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアミン、ポリイミン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリヌクレオチド、ポリ核酸、ポリペプチド、タンパク質、ポリ(アルキレン・オキシド)、ポリチオエステル、ポリチオエーテル、ポリビニル、各種の脂質を含むポリマー、およびこれらの誘導体を含むがこれらに限らない。
【0038】
好ましい実施形態において、上記ポリマーは一定の水溶性または水膨潤性の多糖類を含み、好ましくは、この多糖類はセルロース、セルロース誘導体、例えば、アルキル・セルロース、例えば、メチル・セルロース、ヒドロキシアルキル・セルロース、アルキルヒドロキシアルキル・セルロース、硫酸セルロース、カルボキシメチル・セルロースの塩、カルボキシメチル・セルロース、カルボキシエチル・セルロース、キチン、カルボキシメチル・キチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、アルギネート、アルギン酸、プロピレン・グリコール・アルギネート、グリコーゲン、デキストラン、硫酸デキストラン、カルドラン(curdlan)、ペクチン、プルラン、キサンタン、コンドロイチン、硫酸コンドロイチン、カルボキシメチル・デキストラン、カルボキシメチル・キトサン、キトサン、ヘパリン、硫酸ヘパリン、ヘパラン、硫酸ヘパラン、硫酸デルマタン、硫酸ケラタン、カラジーナン、キトサン、デンプン、アミロース、アミロペクチン、ポリ−N−グルコサミン、ポリマンヌロン酸、ポリグルクロン酸、ポリグルロン酸(polyguluronic acid)、およびこれらの誘導体から成る群から選択される。なお、最も好ましい材料はカルボキシメチル・セルロース・ナトリウム、メチル・セルロース、ヒドロキシエチル・セルロース、およびこれらのアルデヒド変性した各種誘導体である。
【0039】
上記の酸に感応性の物質が利用できる本発明の別の実施形態において使用する水溶性または水膨潤性のポリマーは好ましくは一定の非酸性で水溶性または水膨潤性の多糖類を含み、好ましくは、この多糖類はメチル・セルロース、ヒドロキシアルキル・セルロース、水溶性キトサン、カルボキシメチル・セルロースの塩、カルボキシエチル・セルロース、キチン、ヒアルロン酸の塩、アルギネート、プロピレン・グリコール・アルギネート、グリコーゲン、デキストラン、カラジーナン、キトサン、デンプン、アミロース、ポリ−N−グルコサミンおよびこれらのアルデヒド変性した各種誘導体から成る群から選択される。最も好ましい材料はカルボキシメチル・セルロース・ナトリウム、メチル・セルロース、ヒドロキシエチル・セルロース、およびアルデヒド変性した誘導体を含むこれらの各種誘導体である。
【0040】
本発明の特定の実施形態において、従来のOC含有の傷用包帯における低いpH値に対して感応する可能性のある、一定の生物学的物質、薬物、止血物質、薬剤、またはこれらの一定の組み合わせ物が包帯に組み込む前にそのpH値を調節することを必要とせずに本発明の傷用包帯に組み込むことができる。このような止血用の傷用包帯を作成するために、一定の薬物または物質を一定の適当な溶媒中に溶かすことができる。その後、上記の布地をこの薬物溶液により塗布して、その溶媒を除去することができる。好ましい生物学的物質、薬物および薬剤は鎮痛薬、抗感染剤、抗生物質、接着防止剤、凝固促進剤、および傷治癒用の各種増殖因子を含む。
【0041】
上述したように、本発明の傷用包帯は深刻な出血の場合に速やかな止血を行ない有効な止血状態を維持する。深刻な出血の例は動脈穿刺、肝臓切除、閉塞性肝臓傷害、閉塞性脾臓傷害、大動脈瘤、過剰抗凝固剤を伴う患者からの出血、または血友病等のような凝血異常を伴う患者からの出血を含むがこれらに限らない。本発明による傷用包帯において使用できる止血物質は各種の凝固促進用の酵素、タンパク質およびペプチドを含むがこれらに限らず、これらは天然のもの、組換えによるもの、または合成したものとすることができ、プロトロンビン、トロンビン、フィブリノゲン、フィブリン、フィブロネクチン、ヘパリナーゼ、第X/Xa因子、第VII/VIIa因子、第IX/IXa因子、第XI/XIa因子、第XII/XIIa因子、組織因子、バトロキソビン(batroxobin)、アンクロド、エカリン(ecarin)、フォン・ウィレブランド(von Willebrand)因子、コラーゲン、エラスチン、アルブミン、ゼラチン、血小板表面糖タンパク質、バソプレシンおよびバソプレシン類似体、エピネフリン、セレクチン、凝固促進ベノム、プラスミノゲン活性因子抑制因子、血小板活性化剤、止血活性を有する合成ペプチド、およびこれらの誘導体およびこれらの任意の組み合わせ物から成る群から選択できる。なお、本発明において好ましい止血物質はトロンビン、フィブリノゲンおよびフィブリンである。
【0042】
トロンビン、フィブリンまたはフィブリノゲン等のようなタンパク質を基材とする止血物質は、傷用包帯に結合した場合に、アルデヒド変性した再生セルロースの傷用包帯の止血特性を高めて血流中に移動する遊離の止血物質により生じる血栓症の危険性を減少する。各種の止血物質が化学的または物理的な手段により上記の傷用包帯に結合可能である。これらの物質は一例において上記多糖類におけるアルデヒド基の側鎖に対して共役的に結合し、これにより、この物質をその傷用包帯に対して化学的に結合させることができる。好ましくは、これらの止血物質は上記のアルデヒド変性した多糖類の布地の上またはその内部に分散されている高分子基材における組み込みを介してその傷用包帯に物理的に結合し、さらに、凍結乾燥処理により固定、すなわち、結合している。
【0043】
本発明の止血用の傷用包帯は深刻な出血の場合に速やかな止血を行ない有効な止血状態を維持するために有効な一定の量でトロンビン、フィブリノゲンまたはフィブリンを含むがこれらに限らない止血物質を含有している。この傷用包帯中の止血物質の濃度が過度に低いと、この止血物質は血液または血液の血漿に接触する時に速やかな凝固物形成を促進するために有効な凝固促進活性を示さない。このような傷用包帯におけるトロンビンの好ましい濃度範囲は約0.001重量%乃至約1重量%である。さらに好ましい傷用包帯中のトロンビンの濃度は約0.01重量%乃至約0.1重量%である。また、上記傷用包帯におけるフィブリノゲンの好ましい濃度範囲は約0.1重量%乃至約50重量%である。さらに好ましい傷用包帯中のフィブリノゲンの濃度は約2.5重量%乃至約10重量%である。また、上記傷用包帯におけるフィブリンの好ましい濃度範囲は約0.1重量%乃至約50重量%である。さらに好ましい傷用包帯中のフィブリンの濃度は約2.5重量%乃至約10重量%である。
【0044】
特定の実施形態において、本発明の傷用包帯において使用する布地は当該包帯において一定のアルデヒド反応性の部分を担持している一定の止血物質と共役的に結合した状態を含むことができる。このような実施形態において、上記アルデヒド変性した再生多糖類におけるアルデヒド部分はトロンビン、フィブリノゲンまたはフィブリンにおけるアミノ酸側鎖またはN−末端残基において存在している各種のアミン基に対して容易に反応して、一定の可逆的な結合を介して共役的に連結している止血物質とアルデヒド変性した再生多糖類における一定の結合状態を形成できる。さらに、このようにイミン結合したアルデヒド変性した再生多糖類/止血物質の結合体は水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウム等のような一定の還元剤と反応して一定の不可逆的な第二級アミン結合を形成する。本発明のこのような実施形態において、上記止血物質は、上記アルデヒド変性した多糖類に対して可逆的または不可逆的に、少なくともその布地の傷接触面部において、好ましくは、その布地の内部において少なくとも部分的に分散されている。
【0045】
過ヨウ素酸(またはその任意のアルカリ金属塩)による一定の炭化水素における2,3−位の各近位ヒドロキシ基の酸化は一定のジアルデヒドまたは各種のジアルデヒド誘導体を形成する。これらのアルデヒド部分(−RCH(O))はその後に、各種タンパク質におけるアミノ酸側鎖またはN−末端残基において存在しているような、第一級アミンの部分(−NH2 )と容易に反応して、その反応性生物、すなわち、一定の比較的に不安定な可逆的なイミン部分(−N=CHR)により共役的に結合している、一定のタンパク質と炭化水素との結合において一定の平衡状態が生じる。この生体分子と支持体の表面との間の結合を安定化するために、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、および水素化ホウ素アミン等のような還元剤(すなわち、安定化剤)によりそのイミン部分の後続の還元性のアルキル化を行なうことにより、一定の第二級アミン(−NH−CH2 −R)が形成される。
【0046】
上記アルデヒド変性した再生セルロースの傷用包帯に対して結合している上記のような共役的な結合状態の止血物質の特徴は結合中に上記複合体の止血物質を形成するための諸条件を選択することにより所望の用途に適合するように調整できる。
【0047】
上記のような本発明の実施形態において、トロンビン、フィブリノゲンまたはフィブリン等のような止血物質は上記傷用包帯の布地の内部において実質的に均質に分散している。このような場合に、アルデヒド変性した再生セルロース布地をトロンビン、フィブリノゲンまたはフィブリンの溶液中に浸漬することにより、その傷用包帯の内部において均質な分布状態にすることができる。
【0048】
本発明の特定の実施形態において、上記アルデヒド変性した再生セルロース布地のトロンビン結合体はさらに水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウム等のような還元剤と反応して一定の第二級アミン結合を形成する。この場合のアルデヒド変性した再生セルロース布地は所望量のトロンビンの水溶液に浸漬した後に、凍結乾燥処理の前にリン酸塩緩衝液(PH=8)中において再構成した水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムの水溶液に対して反応する。
【0049】
上記アルデヒド変性した再生セルロース−トロンビンの結合体の還元された形態はその第二級アミン結合の性質により比較的に安定である。この実施形態における止血用の傷用包帯は改善された止血特性、ならびに、高められた安定性を有しており、トロンビンが血流中に移動して深刻な血栓症を生じることなく速やかな止血を行なうことができる。
【0050】
本発明の好ましい実施形態において、上記のトロンビン、フィブリノゲンまたはフィブリン等のような止血物質は、上述したような、メチル・セルロース、ヒドロキシアルキル・セルロース、水溶性キトサン、カルボキシメチル・カルボキシエチル・セルロースの塩、キチン、ヒアルロン酸の塩、アルギネート、プロピレン・グリコール・アルギネート、グリコーゲン、デキストラン、カラジーナン、キトサン、デンプン、アミロース、ポリ−N−グルコサミンおよびこれらのアルデヒド変性した各種誘導体等の一定の非酸性で水溶性または水膨潤性のポリマーの水溶液中において構成されている。この場合のアルデヒド変性した再生セルロース布地は所望量の止血物質および水溶性または水膨潤性のポリマーの水溶液に浸漬して、治療的な活性を維持する既知の各種方法により速やかに凍結乾燥できる。このように構成されている場合に、上記止血物質は凍結乾燥処理中に形成される上記高分子基材の内部において実質的に均質に分散される。
【0051】
当該技術分野における熟練者であれば、本発明の開示の恩恵を受けた後に、特定の状況および特定の傷用包帯に求められる諸特性に応じて、上記の適当な止血物質、水溶性または水膨潤性のポリマーおよび溶媒、さらに、これらポリマーおよび止血物質の両方の使用量を選択することが可能になる。
【0052】
本発明は走査電子顕微鏡により用意されている各図面において最良に例証されている。これらのサンプルは一定の剃刀の使用により1cm2 の各断片に切断することにより調製されている。さらに、上面部および傷接触面部の両方および各断面はそれぞれカーボン・ペイントにより調製されてカーボン・スタブ上に取り付けられている。これらのサンプルは金スパッター処理して4KVにおいて高真空条件下に走査電子顕微鏡(SEM)により調べた。
【0053】
従来の布地および本発明による布地が図1乃至図4においてそれぞれ示されている。
【0054】
図1は繊維の束14に組織化されていて従来において用いられている方法により布地10に編まれて比較例の布地として調製されている無被覆状態のORC繊維12の断面図(75倍)である。このような布地の市販されている一例はサージセルNu−ニット(Surgicel Nu-Knit)(登録商標)と称する吸収性の止血用傷用包帯である。
【0055】
図2は図1の布地の傷接触面部の写真図である。個別の繊維12が一定の束の中において示されている。
【0056】
図3は繊維の束14に組織化されていて上述した本発明の好ましい各実施形態による布地10に編まれている無被覆状態のアルデヒド変性した再生セルロース(AMRC)の繊維12の断面図(75倍)である。
【0057】
図4は図3におけるAMRC布地の傷接触面部の写真図である。個別の繊維12が一定の束の中において示されている。
【0058】
さらに、本発明による止血用の傷用包帯が図5乃至図7において示されている。
【0059】
図5において示されているように、一定の多孔質のポリマー基材は布地30の傷接触面部32および当該布地30の内部において実質的に均一に分布されている。さらに、ポリマー36は編み状の各繊維33に一体化している一定の多孔質のポリマー基材を形成している。この多孔質のポリマー基材は一定のスポンジと同一様式の毛細管作用により有意義な液体の吸収特性を示す。
【0060】
図6および図7において示されているように、関連の各表面部分に配置されている上記ポリマー基材は約10ミクロン乃至約400ミクロンまたはそれ以上の大きさの直径範囲の無数の気孔を有している。図6は布地30の傷接触面部32を示している図である。上述したように、ポリマー36は各繊維33の周囲において一定の多孔質基材の形態で存在しており、これにより、接触時に各種の体液が相互作用できる十分なポリマー表面積を形成している。図7において示されている上面部34もまた各繊維33の周囲に分散している一定の多孔質基材の形態におけるポリマー36を含んでおり、これにより、各繊維と協働する一定のスポンジ様のポリマー基材構造を形成している。
【0061】
上記の図5乃至図7により、本発明の布地および傷用包帯が当該布地の傷接触面部の上および当該布地の内部において実質的に均質に分散している一定の多孔質のポリマー基材を含むことが明らかである。この基材の多孔質性により、各種体液がこの基材の中に流入可能になり、この場合に、そのポリマーの十分な表面積がこれら体液に対して相互作用するために存在している。このことにより、比較的に速やかで高度な止血が行なえる。
【0062】
また、図3および図4において説明されている本発明による止血用の布地が図1および図2において示されている従来の止血用の布地に比してこれに匹敵する構成、外観および寸法を有していることが明らかである。
【0063】
以下の各実施例は本発明の特定の実施形態を示しているが、これらは本発明の範囲を限定しているものとして解釈すべきではなく、むしろ、本発明の完全な説明に対して貢献しているものとして解釈すべきである。以下の各実施例における各種反応における処理の時間および温度は逆比例的に関連する傾向がある。すなわち、温度を高くすることは、その処理時間を比較的に短くすることを必要とする。また、この時間および温度の限定は上記止血物質の生物学的安定性における作用により決められる。
【0064】
実施例1:
編み状のアルデヒド変性した再生セルロース(AMRC)布地の調製
15.8gの一枚のNu−ニット(Nu-Knit)(登録商標)レーヨン布地を1.5インチ(3.8センチメートル)幅の一片の形態に切断した。この布片を一定のマンドレルに巻いて600mlの水性のイソプロピル・アルコール(IPA)(200mlのIPA/400mlの脱イオン(DI)水)中に吊り下げた。20.8gの過ヨウ素酸ナトリウム(アルドリッチ社(Aldrich)、ミルウォーキー,53201)を上記溶液に溶かして(1:1のモル比)、上記マンドレルを周囲温度において21時間にわたりその溶液中で適度な回転速度で回転した。なお、この布地の酸化は暗所中で行なうことが不可欠である。この溶液のpH値は3.8であった。この溶液を上記の反応後に廃棄した。この酸化した布地を付けたマンドレルを50mlのエチレン・グリコールを含む1リットルの冷温のDI水中において30分間にわたり洗浄した。その後、この布地およびマンドレルを15分間にわたり水性のIPA(50/50)により洗浄し、さらに、15分間にわたり純粋なIPA洗浄剤により洗浄した。その後、この布地を数時間にわたり周囲空気中において乾燥した。
【0065】
その後、上記の酸化した布地を以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表1において示されている。
【0066】
実施例2:
水溶性のアルデヒド変性したメチル・セルロースの調製
100gの5%メチル・セルロース(アルドリッチ社(Aldrich)、ウィスコンシン州ミルウォーキー,53201からのMC(メチル・セルロース)、平均分子量:63kD、ロット番号:06827ES)の水溶液を3gの過ヨウ素酸(アルドリッチ社(Aldrich)、ミルウォーキー,53201)と共に混合した後に、暗所中において周囲温度で5時間にわたり攪拌した。この反応溶液に1.5mlのエチレン・グリコールを加えて、30分間にわたり攪拌した。さらに、この反応溶液に2000mlのアセトンを徐々に加えて、アルデヒド変性したメチル・セルロース(AMMC)を沈殿させた。この反応混合物を20分間乃至30分間にわたり放置して、液相を固相から分離した。その後、この上澄み液を除去して、固相を遠心処理することにより固形物を沈殿させた。さらに、この固形の沈殿物を一晩にわたり100mlのDI水中に溶解して、72時間にわたり透析した。その後、この最終的な湿潤状態の混合物を凍結乾燥して一定のスポンジ/発泡体を得た。
【0067】
実施例3:
水溶性のアルデヒド変性したヒドロキシエチル・セルロースの調製
100gの5%ヒドロキシエチル・セルロース(アルドリッチ社(Aldrich)、ウィスコンシン州ミルウォーキーからのHEC(ヒドロキシエチル・セルロース)、平均分子量:720kD、ロット番号:02808DU)の水溶液を3gの過ヨウ素酸(アルドリッチ社(Aldrich)、ミルウォーキー,53201)と共に混合した後に、暗所中において周囲温度で5時間にわたり攪拌した。この反応溶液に1.5mlのエチレン・グリコールを加えて、30分間にわたり攪拌した。さらに、この反応溶液に2000mlのアセトンを徐々に加えて、アルデヒド変性したヒドロキシエチル・セルロースを沈殿させた。この反応混合物を20分間乃至30分間にわたり放置して、液相を固相から分離した。その後、この上澄み液を除去して、固相を遠心処理することにより固形物を沈殿させた。さらに、この固形の沈殿物を一晩にわたり100mlのDI水中に溶解して、72時間にわたり透析した。その後、この最終的な湿潤状態の混合物を凍結乾燥して一定のスポンジ/発泡体を得た。
【0068】
実施例4:
アルデヒド変性した再生セルロース(ARMC)/HECの多孔質パッチの調製
1gのヒドロキシエチル・セルロース(TCI社(TCI)、日本国東京からのHEC、ロット番号:GI01)を99gの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このHEC溶液の内の10gを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。一片のAMRC布地(約1.3g)を上記再結晶皿の中のHEC溶液の上に配置した。この布地を上記溶液に3分間にわたり浸漬した後に、その皿の中の湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、一定の極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに減圧下において室温で乾燥した。
【0069】
その後、上記のAMRC/HECパッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表1において示されている。
【0070】
実施例5:
AMRC/CSの多孔質パッチの調製
1gの硫酸セルロース(ACROSオーガニクス社(ACROS Organics)、ニュージャージー州からのCS(硫酸セルロース)、ロット番号:A013801301)を99gの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このCS溶液の内の10gを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。一片のAMRC布地(約1.3g)を上記再結晶皿の中のCS溶液の上に配置した。この布地を3分間にわたり浸漬した後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、一定の極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに減圧下において室温で乾燥した。
【0071】
その後、上記のAMRC/CSパッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表1において示されている。
【0072】
実施例6:
AMRC/MCの多孔質パッチの調製
1gのメチル・セルロース(アルドリッチ社(Aldrich)、ウィスコンシン州ミルウォーキー,53201からのMC、平均分子量:63kD、ロット番号:06827ES)を99gの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このMC溶液の内の10gを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。一片のAMRC布地(約1.3g)を上記再結晶皿の中のMC溶液の上に配置した。この布地を3分間にわたり浸漬した後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、一定の極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに減圧下において室温で乾燥した。
【0073】
その後、上記のAMRC/MCパッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表1において示されている。
【0074】
実施例7:
AMRC/CMC−Naの多孔質パッチの調製
1gのカルボキシメチル・セルロースのナトリウム塩(アクアロン社(Aqualon)、デラウェア州ウィルミントンからのCMC−Na(ナトリウム・カルボキシメチル・セルロース)、品種番号:7M8SF、ロット番号:77521)を99gの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このNa−CMC溶液の内の10gを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。一片のAMRC布地(約1.3g)を上記再結晶皿の中のCMC溶液の上に配置した。この布地を3分間にわたり浸漬した後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、一定の極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに減圧下において室温で乾燥した。
【0075】
その後、上記のAMRC/CMC−Naパッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表1において示されている。
【0076】
実施例8:
AMRC/CMC−Naの多孔質パッチの調製
1gのカルボキシメチル・セルロースのナトリウム塩(アクアロン社(Aqualon)、デラウェア州ウィルミントンからのCMC−Na、品種番号:7H4F、ロット番号:79673)を99gの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このNa−CMC溶液の内の10gを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。一片のAMRC布地(約1.3g)を上記再結晶皿の中のCMC溶液の上に配置した。この布地を3分間にわたり浸漬した後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、一定の極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに減圧下において室温で乾燥した。
【0077】
その後、上記のAMRC/CMC−Naパッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表1において示されている。
【0078】
実施例9:
AMRC/HECの多孔質パッチの調製
1gのヒドロキシエチル・セルロース(アルドリッチ社(Aldrich)、ウィスコンシン州ミルウォーキーからのHEC、平均分子量:720kD、ロット番号:02808DU)を99gの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このHEC溶液の内の10gを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。一片のAMRC布地(約1.3g)を上記再結晶皿の中のHEC溶液の上に配置した。この布地を3分間にわたり上記溶液中に浸漬した後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、一定の極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに減圧下において室温で乾燥した。
【0079】
その後、上記のAMRC/HECパッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表1において示されている。
【0080】
実施例10:
AMRC/HEC/トロンビンの多孔質パッチの調製
1gのヒドロキシエチル・セルロース(アルドリッチ社(Aldrich)、ウィスコンシン州ミルウォーキーからのHEC、平均分子量:720kD、ロット番号:02808DU)を99gの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このHEC溶液の20mlを用いて一定のビンの中にトロンビンを再構成した(20,000単位)。この曇った状態の溶液の2.5mlを一定の再結晶皿の中に移した。一片のAMRC布地(約1g)を上記再結晶皿の中のHEC溶液の上に配置した。この布地を3分間にわたり上記溶液中に浸漬した後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、一定の極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに減圧下において室温で乾燥した。
【0081】
その後、上記のAMRC/HEC/トロンビンの多孔質パッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表1において示されている。
【0082】
実施例11:
AMRC/MC/トロンビンの多孔質パッチの調製
1gのメチル・セルロース(アルドリッチ社(Aldrich)からのMC、平均分子量:63kD、ロット番号:06827ES)を99gの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このMC溶液の20mlを用いて一定のビンの中にトロンビンを再構成した(20,000単位)。この曇った状態の溶液の2.5mlを一定の再結晶皿の中に移した。一片のAMRC布地(約1g)を上記再結晶皿の中のMC溶液の上に配置した。この布地を3分間にわたり上記溶液中に浸漬した後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、一定の極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに減圧下において室温で乾燥した。
【0083】
その後、上記のAMRC/MC/トロンビンの多孔質パッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表1において示されている。
【0084】
実施例12:
AMRC/AMMC/トロンビンの多孔質パッチの調製
実施例2からの1gのアルデヒド変性したメチル・セルロース(AMMC)を99gの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このAMMC溶液の20mlを用いて一定のビンの中にトロンビンを再構成した(20,000単位)。この曇った状態の溶液の2.5mlを一定の再結晶皿の中に移した。一片のAMRC布地(約1g)を上記再結晶皿の中のAMMC溶液の上に配置した。この布地を3分間にわたり上記溶液中に浸漬した後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、一定の極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに減圧下において室温で乾燥した。
【0085】
実施例13:
AMRC/AMHEC/トロンビンの多孔質パッチの調製
上記実施例3と同様に合成した1gのアルデヒド変性したヒドロキシエチル・セルロース(AMHEC)(分子量:90kD、アルドリッチ社(Aldrich)から)を99gの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このAMHEC溶液の20mlを用いて一定のビンの中にトロンビンを再構成した(20,000単位)。この曇った状態の溶液の2.5mlを一定の再結晶皿の中に移した。一片のAMRC布地(約1g)を上記再結晶皿の中のAMHEC溶液の上に配置した。この布地を3分間にわたり上記溶液中に浸漬した後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、一定の極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに減圧下において室温で乾燥した。
【0086】
その後、上記のAMRC/AMHEC/トロンビンの多孔質パッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表1において示されている。
【0087】
実施例14:
ブタ脾臓切開モデルにおける異なる材料の止血性能
ブタの脾臓の切開モデルを異なる材料の止血評価において用いた。各材料を2.5cm×1.5cmの長方形に切断した。0.3cmの深さの1.5cmの線形の切開部分をブタの脾臓に一定の外科用ブレードを用いて作成した。試験品の供給後に、指によるタンポン挿入を2分間にわたり上記の切開部分に行なった。その後、止血について評価した。さらに、完全な止血が達成されるまで、それぞれ30秒間の指による付加的なタンポン挿入を行なった。この場合に、12分以内に止血を行なうことのできない布地を無効と見なした。表1はこの評価の結果を示している。
【0088】
実施例15:
30秒間にわたるタンポン挿入を伴うブタ脾臓切開モデルにおける異なる材料の止血性能
ブタの脾臓の切開モデルを異なる材料の止血評価において用いた。各材料を2.5cm×1.5cmの長方形に切断した。さらに、0.3cmの深さの1.5cmの線形の切開部分をブタの脾臓に一定の外科用ブレードを用いて作成した。試験品の供給後に、指によるタンポン挿入を30秒間にわたり上記の切開部分に行なった。その後、止血について評価した。さらに、完全な止血が達成されるまで、それぞれ30秒間の指による付加的なタンポン挿入を行なった。表1はこの評価の結果を示している。
【表1】
Figure 2004202202
【0089】
上記の結果により示されているように、本発明の傷用包帯は有効な止血を達成している。特に、比較的に大きな分子量の水溶性のポリマー(CMC−NaおよびHEC)が用いられる場合に、これらに対応する各種のパッチは比較的に良好な止血に要する時間を達成している。さらに、上記の結果により示されているように、例えば、包帯に結合しているトロンビン等のような止血物質を有している本発明の傷用包帯はさらに短縮された止血のための時間を達成している。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は一定の布地を含む止血用の傷用包帯に適用可能である。この布地は第1の傷接触用の表面部分および当該傷接触用の表面部分と反対側の第2の表面部分を有している。この布地は複数の繊維を含み、一定の止血物質として使用するために効果的な柔軟性、強度および多孔質度を有している。さらに、上記繊維は一定のアルデヒド変性した多糖類により調製されている。この傷用包帯はまた上記布地における少なくとも傷接触用の表面部分に供給されており、好ましくは、当該布地の内部において少なくとも部分的に分散している一定の多孔質の高分子基材を含む。この多孔質の高分子基材は一定の生体相容性で水溶性または水膨潤性のポリマーにより構成されている。さらに、本発明は上記のような傷用包帯を作成する方法および一定の傷に止血物質を供給する方法に適用可能であり、この供給方法は一定の傷に本発明の傷用包帯を供給する工程を含む。
【0091】
本発明の具体的な実施態様は以下のとおりである。
(1)前記アルデヒド変性した多糖類がセルロース、セルロース誘導体、キチン、カルボキシメチル・キチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、アルギネート、アルギン酸、プロピレン・グリコール・アルギネート、グリコーゲン、デキストラン、硫酸デキストラン、カルドラン(curdlan)、ペクチン、プルラン、キサンタン、コンドロイチン、硫酸コンドロイチン、カルボキシメチル・デキストラン、カルボキシメチル・キトサン、ヘパリン、硫酸ヘパリン、ヘパラン、硫酸ヘパラン、硫酸デルマタン、硫酸ケラタン、カラジーナン、キトサン、デンプン、アミロース、アミロペクチン、ポリ−N−グルコサミン、ポリマンヌロン酸、ポリグルクロン酸、ポリグルロン酸(polyguluronic acid)、およびこれらの誘導体から成る群から選択される請求項1に記載の傷用包帯。
(2)前記アルデヒド変性した多糖類が当該多糖類を生体崩壊性にするために有効な一定量のアルデヒドを含む実施態様(1)に記載の傷用包帯。
(3)前記アルデヒド変性した多糖類がデンプン、デキストラン、ペクチン、アルギネート、キチン、キトサン、グリコーゲン、アミロース、アミロペクチン、セルロールおよびこれらのセルロース誘導体から成る群から選択される実施態様(2)に記載の傷用包帯。
(4)前記アルデヒド変性した多糖類がアルデヒド変性した再生多糖類を含む実施態様(3)に記載の傷用包帯。
(5)前記アルデヒド変性した多糖類が以下の構造式IIの反復単位を含むアルデヒド変性した再生セルロースを含む実施態様(4)に記載の傷用包帯。
【化学式3】
Figure 2004202202
この場合に、x+yは100%に等しく、xは約95%乃至約5%であり、yは約5%乃至約95%であり、RはCH2 OHであり、R1 およびR2 はHである。
【0092】
(6)前記アルデヒド変性した多糖類がカルボン酸を実質的に含まない請求項1に記載の傷用包帯。
(7)前記アルデヒド変性したセルロースがカルボン酸を実質的に含まない実施態様(5)に記載の傷用包帯。
(8)さらに、一定の止血物質を含む請求項1に記載の傷用包帯。
(9)前記止血物質が合成、組換えまたは天然の物質である実施態様(8)に記載の傷用包帯。
(10)前記止血物質がプロトロンビン、トロンビン、フィブリノゲン、フィブリン、フィブロネクチン、ヘパリナーゼ、第X/Xa因子、第VII/VIIa因子、第IX/IXa因子、第XI/XIa因子、第XII/XIIa因子、組織因子、バトロキソビン(batroxobin)、アンクロド、エカリン(ecarin)、フォン・ウィレブランド(von Willebrand)因子、コラーゲン、エラスチン、アルブミン、ゼラチン、血小板表面糖タンパク質、バソプレシンおよびバソプレシン類似体、エピネフリン、セレクチン、凝固促進ベノム、プラスミノゲン活性因子抑制因子、血小板活性化剤、止血活性を有する合成ペプチド、およびこれらの誘導体から成る群から選択される実施態様(9)に記載の傷用包帯。
【0093】
(11)約0.001重量%乃至約50重量%の前記止血物質を含有する実施態様(10)に記載の傷用包帯。
(12)前記水溶性または水膨潤性のポリマーが非酸性のメチル・セルロース、ヒドロキシアルキル・セルロース、水溶性のキトサン、カルボキシメチル・カルボキシエチル・セルロースの塩、キチン、ヒアルロン酸の塩、アルギネート、プロピレン・グリコール・アルギネート、グリコーゲン、デキストラン、カラジーナン、キトサン、デンプン、アミロース、ポリ−N−グルコサミンおよびこれらの誘導体およびこれらのアルデヒド変性した誘導体から成る群から選択され、前記傷用包帯が約0.001乃至約50重量%のトロンビン、フィブリンおよびフィブリノゲンから成る群から選択される前記止血物質を含有している実施態様(7)に記載の傷用物質。
(13)約0.001%乃至約1%のトロンビンを前記止血物質として含有する実施態様(12)に記載の傷用包帯。
(14)約0.1重量%乃至約50重量%のフィブリノゲンを前記止血物質として含有する実施態様(12)に記載の傷用包帯。
(15)約0.1重量%乃至約50重量%のフィブリンを前記止血物質として含有する実施態様(12)に記載の傷用包帯。
【0094】
(16)前記止血物質が前記多孔質の高分子基材の内部において少なくとも部分的に分散されている実施態様(8)に記載の傷用包帯。
(17)前記止血物質が前記多孔質の高分子基材の内部において実質的に均質に分散されている実施態様(8)に記載の傷用包帯。
(18)前記布地の第1の傷接触用の表面部分が前記止血物質を含有している実施態様(8)に記載の傷用包帯。
(19)前記止血物質が前記布地の内部において実質的に均質に分散されている実施態様(8)に記載の傷用包帯。
(20)前記止血物質が前記布地の内部において少なくとも部分的に分散されている実施態様(8)に記載の傷用包帯。
【0095】
(21)前記水溶性または水膨潤性のポリマーが多糖類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアミン、ポリイミン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリヌクレオチド、ポリ核酸、ポリペプチド、タンパク質、ポリ(アルキレン・オキシド)、ポリチオエステル、ポリチオエーテル、ポリビニル、各種の脂質を含むポリマーから成る群から選択される請求項1に記載の傷用包帯。
(22)前記水溶性または水膨潤性のポリマーが多糖類である実施態様(21)に記載の傷用包帯。
(23)前記多糖類がセルロース、セルロース誘導体、キチン、カルボキシメチル・キチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、アルギネート、アルギン酸、プロピレン・グリコール・アルギネート、グリコーゲン、デキストラン、硫酸デキストラン、カルドラン(curdlan)、ペクチン、プルラン、キサンタン、コンドロイチン、硫酸コンドロイチン、カルボキシメチル・デキストラン、カルボキシメチル・キトサン、ヘパリン、硫酸ヘパリン、ヘパラン、硫酸ヘパラン、硫酸デルマタン、硫酸ケラタン、カラジーナン、キトサン、デンプン、アミロース、アミロペクチン、ポリ−N−グルコサミン、ポリマンヌロン酸、ポリグルクロン酸、ポリグルロン酸(polyguluronic acid)、およびこれらの誘導体から成る群から選択される実施態様(21)に記載の傷用包帯。
(24)前記多孔質の高分子基材が凍結乾燥したカルボキシメチル・セルロース・ナトリウムを含む請求項1に記載の傷用包帯。
(25)前記凍結乾燥したカルボキシメチル・セルロース・ナトリウムの前記布地に対する重量比率が約1:99乃至約20:80である実施態様(24)に記載の傷用包帯。
【0096】
(26)前記多孔質の高分子基材が前記布地の内部において実質的に均質に分散されている請求項1に記載の傷用包帯。
(27)前記多孔質の高分子基材が一定の勾配で前記布地の内部において分散されており、これにより、前記第1の傷接触用の表面部分の近くの前記水溶性または水膨潤性のポリマーの濃度が前記第2の反対側の表面部分の近くの前記水溶性または水膨潤性のポリマーの濃度よりも高い請求項1に記載の傷用包帯。
(28)前記布地が止血用である請求項2に記載の布地。
(29)前記繊維がアルデヒド変性した再生多糖類を含み、前記多孔質の高分子基材がセルロース、セルロース誘導体、キチン、カルボキシメチル・キチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、アルギネート、アルギン酸、プロピレン・グリコール・アルギネート、グリコーゲン、デキストラン、硫酸デキストラン、カルドラン(curdlan)、ペクチン、プルラン、キサンタン、コンドロイチン、硫酸コンドロイチン、カルボキシメチル・デキストラン、カルボキシメチル・キトサン、ヘパリン、硫酸ヘパリン、ヘパラン、硫酸ヘパラン、硫酸デルマタン、硫酸ケラタン、カラジーナン、キトサン、デンプン、アミロース、アミロペクチン、ポリ−N−グルコサミン、ポリマンヌロン酸、ポリグルクロン酸、ポリグルロン酸(polyguluronic acid)、およびこれらの誘導体から成る群から選択される一定の凍結乾燥した多糖類を含む実施態様(28)に記載の布地。
(30)前記布地がカルボン酸を実質的に含まない請求項2に記載の布地。
【0097】
(31)さらに、一定の止血物質を含む請求項2に記載の布地。
(32)さらに、一定の止血物質を含む実施態様(28)に記載の布地。
(33)前記布地が編み状である請求項3に記載の方法。
(34)前記繊維が一定のアルデヒド変性した再生セルロースを含む実施態様(33)に記載の方法。
(35)前記多孔質の高分子基材が多糖類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアミン、ポリイミン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリヌクレオチド、ポリ核酸、ポリペプチド、タンパク質、ポリ(アルキレン・オキシド)、ポリチオエステル、ポリチオエーテル、ポリビニル、各種の脂質を含むポリマー、およびこれらの誘導体から成る群から選択される一定のポリマーを含む実施態様(34)に記載の方法。
【0098】
(36)前記多孔質の高分子基材がセルロース、セルロース誘導体、キチン、カルボキシメチル・キチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、アルギネート、アルギン酸、プロピレン・グリコール・アルギネート、グリコーゲン、デキストラン、硫酸デキストラン、カルドラン(curdlan)、ペクチン、プルラン、キサンタン、コンドロイチン、硫酸コンドロイチン、カルボキシメチル・デキストラン、カルボキシメチル・キトサン、ヘパリン、硫酸ヘパリン、ヘパラン、硫酸ヘパラン、硫酸デルマタン、硫酸ケラタン、カラジーナン、キトサン、デンプン、アミロース、アミロペクチン、ポリ−N−グルコサミン、ポリマンヌロン酸、ポリグルクロン酸、ポリグルロン酸(polyguluronic acid)、およびこれらの誘導体から成る群から選択される一定の多糖類を含む実施態様(35)に記載の方法。
(37)前記多孔質の高分子基材がカルボキシメチル・セルロース・ナトリウムを含み、この場合に、当該カルボキシメチル・セルロース・ナトリウムの前記布地に対する重量比率が約1:99乃至約20:80である実施態様(36)に記載の方法。
(38)さらに、前記溶液に添加されている一定の有効量の止血物質を含む請求項3に記載の方法。
(39)前記アルデヒド変性した多糖類がセルロース、セルロース誘導体、キチン、カルボキシメチル・キチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、アルギネート、アルギン酸、プロピレン・グリコール・アルギネート、グリコーゲン、デキストラン、硫酸デキストラン、カルドラン(curdlan)、ペクチン、プルラン、キサンタン、コンドロイチン、硫酸コンドロイチン、カルボキシメチル・デキストラン、カルボキシメチル・キトサン、ヘパリン、硫酸ヘパリン、ヘパラン、硫酸ヘパラン、硫酸デルマタン、硫酸ケラタン、カラジーナン、キトサン、デンプン、アミロース、アミロペクチン、ポリ−N−グルコサミン、ポリマンヌロン酸、ポリグルクロン酸、ポリグルロン酸(polyguluronic acid)、およびこれらの誘導体から成る群から選択される請求項4に記載の方法。
(40)前記アルデヒド変性した多糖類が当該多糖類を生体崩壊性にするために有効な一定量のアルデヒドを含む実施態様(39)に記載の方法。
【0099】
(41)前記アルデヒド変性した多糖類がアルデヒド変性した再生多糖類を含む実施態様(40)に記載の方法。
(42)前記アルデヒド変性した多糖類が以下の構造式IIの反復単位を含むアルデヒド変性した再生セルロースを含む実施態様(41)に記載の方法。
【化学式4】
Figure 2004202202
この場合に、x+yは100%に等しく、xは約95%乃至約5%であり、yは約5%乃至約95%であり、RはCH2 OHであり、R1 およびR2 はHである。
(43)前記アルデヒド変性した多糖類がカルボン酸を実質的に含まない請求項4に記載の方法。
(44)前記アルデヒド変性したセルロースがカルボン酸を実質的に含まない実施態様(42)に記載の方法。
(45)前記傷用包帯がさらに一定の止血物質を含有している請求項4に記載の方法。
【0100】
(46)前記止血物質がプロトロンビン、トロンビン、フィブリノゲン、フィブリン、フィブロネクチン、ヘパリナーゼ、第X/Xa因子、第VII/VIIa因子、第IX/IXa因子、第XI/XIa因子、第XII/XIIa因子、組織因子、バトロキソビン(batroxobin)、アンクロド、エカリン(ecarin)、フォン・ウィレブランド(von Willebrand)因子、コラーゲン、エラスチン、アルブミン、ゼラチン、血小板表面糖タンパク質、バソプレシンおよびバソプレシン類似体、エピネフリン、セレクチン、凝固促進ベノム、プラスミノゲン活性因子抑制因子、血小板活性化剤、止血活性を有する合成ペプチド、およびこれらの誘導体から成る群から選択される実施態様(45)に記載の方法。
(47)前記多孔質の高分子基材が多糖類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアミン、ポリイミン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリヌクレオチド、ポリ核酸、ポリペプチド、タンパク質、ポリ(アルキレン・オキシド)、ポリチオエステル、ポリチオエーテル、ポリビニル、各種の脂質を含むポリマー、およびこれらの誘導体から成る群から選択される一定のポリマーを含む請求項4に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】比較例の傷用包帯のORC布地における断面の走査電子顕微鏡により作成した画像の写真図である(75倍)。
【図2】比較例の傷用包帯のORC布地における傷接触面部の走査電子顕微鏡により作成した画像の写真図である(75倍)。
【図3】本発明による布地における断面の走査電子顕微鏡により作成した画像の写真図である(75倍)。
【図4】本発明による布地における傷接触面部の走査電子顕微鏡により作成した画像の写真図である(75倍)。
【図5】本発明の傷用包帯における断面の走査電子顕微鏡により作成した画像の写真図である(75倍)。
【図6】本発明の傷用包帯における傷接触面部の走査電子顕微鏡により作成した画像の写真図である(75倍)。
【図7】本発明の傷用包帯における上面部の走査電子顕微鏡により作成した画像の写真図である(75倍)。
【符号の説明】
【0102】
10 布地
12 ORC繊維
14 繊維の束
30 布地
32 傷接触面部
33 繊維
34 上面部
36 ポリマー

Claims (4)

  1. 止血用の傷用包帯において、
    一定の布地を備えており、当該布地が第1の傷接触用の表面部分および当該傷接触用の表面部分と反対側の第2の表面部分を有しており、さらに、前記布地が繊維により構成されていて、一定の止血物質として使用するための柔軟性、強度および多孔度を有しており、前記繊維が一定の生体相容性のアルデヒド変性した多糖類を含み、さらに前記傷用包帯が、
    前記傷接触用の表面部分に供給されていて、前記布地の内部において少なくとも部分的に分散されている一定の多孔質の高分子基材を備えており、当該多孔質の高分子基材が一定の生体相容性で水溶性または水膨潤性のポリマーにより構成されており、
    この場合に前記傷用包帯が止血用である傷用包帯。
  2. 一定の布地において、
    第1の表面部分および当該第1の表面部分と反対側の第2の表面部分を有しており、当該布地が一定の生体相容性のアルデヒド変性した多糖類により構成されている布地。
  3. 一定の傷用包帯を作成するための方法において、
    一定の水溶性または水膨潤性で生体相容性のポリマーを実質的に溶かしている一定の溶液を供給する工程、
    上面部および当該上面部と反対側の下面部を有する一定の布地を供給する工程を含み、当該布地が繊維により構成されていて、一定の止血物質として使用するための柔軟性、強度および多孔度を有しており、前記繊維が一定のアルデヒド変性した多糖類により構成されており、さらに前記方法が
    前記溶液を前記布地に対して当該溶液を当該布地の内部に分布するために有効な条件下において接触させる工程、
    前記溶液が内部において分布している前記布地を凍結乾燥して、これにより、当該布地の内部に分散されている前記水溶性または水膨潤性のポリマーを含む一定の多孔質の高分子基材を供給する工程を含む方法。
  4. 一定の傷に対して止血を行なう方法において、
    一定の傷に一定の止血用の傷用包帯を供給する工程を含み、当該傷用包帯が
    一定の布地を備えており、当該布地が第1の傷接触用の表面部分および当該傷接触用の表面部分と反対側の第2の表面部分を有しており、当該布地が繊維により構成されていて、一定の止血物質として使用するために有効な柔軟性、強度および多孔度を有しており、前記繊維が一定の生体相容性のアルデヒド変性した多糖類により構成されており、さらに前記傷用包帯が
    前記傷接触用の表面部分に供給されていて、前記布地の内部において少なくとも部分的に分散されている一定の多孔質の高分子基材を備えており、当該多孔質の高分子基材が一定の生体相容性で水溶性または水膨潤性のポリマーにより構成されており、
    この場合に前記傷用包帯が止血用である方法。
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