JP2004205430A - 超音波検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属材料の微細な割れ欠陥を、超音波を用いて精度良く検査する方法を提供する。
【解決手段】超音波を金属材料に入射し、透過波を受信して欠陥検査を行う超音波検査方法において、被検査材料と同一の無欠陥材料について求めた透過波の振幅に対する被検査材料について求めた透過波の振幅の比、および被検査材料と同一の無欠陥材料について求めた透過波の透過時間に対する被検査材料について求めた透過時間の比、とから欠陥の有無を判定することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材料の微細な欠陥を、超音波を用いて検査する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高温高圧流体や腐食性を有する流体を扱うボイラーの水管、ナフサやLPGの分解炉の加熱管、水素、アンモニア工場の改質炉の加熱管等では、長期間の使用により、クリープ損傷や粒界腐食割れ、水素浸食等による微細な割れが発生することがある。
これらの金属材料の微細な割れ欠陥を、超音波を用いて検査する方法は広く行われており、材料形状、欠陥の種類等に合わせて種々の方法が提案されている。これらの方法においては、欠陥の判定は超音波の減衰(振幅)から(例えば、特許文献1参照)または透過時間から(例えば、特許文献2参照)行なわれている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−211700号公報(段落番号「0019」)
【0004】
【特許文献2】
特開2001−272382号公報(段落番号「0019」)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1および特許文献2に記載の方法は優れた方法であるが、なお欠陥の検出漏れや誤検出をすることがあり、更なる精度向上が望まれている。本発明の目的は、金属材料の微細な割れ欠陥を、超音波を用いて精度良く検査する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、かかる課題を解決するために金属材料の微細な欠陥を、超音波を用いて検査する方法について鋭意検討した結果、透過波の振幅および透過時間のそれぞれについて、被検査材料と同一の無欠陥材料について求めた値に対する被検査材料について求めた値の比を用いて判定することによって、微細な欠陥を精度良く検出できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、超音波を金属材料に投射し、透過波を受信して欠陥検査を行う超音波検査方法において、被検査材料と同一の無欠陥材料について求めた透過波の振幅に対する被検査材料について求めた透過波の振幅の比、および被検査材料と同一の無欠陥材料について求めた透過波の透過時間に対する被検査材料について求めた透過時間の比、とから欠陥の有無を判定することを特徴とする。
また、上記の構成において、振幅の比が0.73以下で透過時間の比が1.000〜1.05である場合に欠陥があると判定することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下では被検査材料が配管として説明する。なお、平板等についても、それに適応したプローブを用いて同様に検査することができる。
図1は超音波検査装置を使用した超音波検査方法を示す断面図である。図1において、6は被検査材料の配管である。この配管6の外面に超音波検査装置のプローブ1を接触させる。このプローブ1は、前記配管1の管壁内に送信される超音波のうち最も音圧の高い中心ビームが管壁中心を通過するように管外面に対して所定の斜角θに調整された送信用探触子4と、この送信用探触子4から送信され管壁内を通過したビームを受信するように管外面に対して所定の斜角θに調整された受信用探触子5とをそれぞれホルダー2および斜角ウェッジ3で前記配管6の周方向に所定の間隔でかつ前記した所定の斜角θで保持したものである。
【0008】
斜角ウェッジ3としては、市販の斜角ウェッジ等が使用可能である。このような斜角ウェッジとしては、例えばクラウトクレーマー社製のKBL70(鋼中縦波屈折角:70°)、KBL60(鋼中縦波屈折角:60°)等の異なる斜角θのものが種々市販されているので、配管6の外径に応じて必要とする斜角θを有する斜角ウェッジを選択使用することができる。
【0009】
使用する探触子4、5としては、例えば周波数5MHz、振動子径が0.25インチ(6.35mm)のものが挙げられる。管壁内に入射する超音波は、波長の短いほうが微細な割れに対する感受性が高く検査精度が向上することから、高い周波数を使用するのが好ましい。
【0010】
次にこのプローブ1を用いて配管6の超音波検査を行う方法を説明する。
この状態で配管6の管壁内にパルサー・レシーバー7から送信用探触子4を経て超音波を入射させ、超音波の中心ビームが管中心を通過するように伝播させる。このとき、管壁内にクリープ等による割れがあると、超音波の伝播が阻害される。この超音波を受信用探触子5を経てパルサー・レシーバー7で受信し、波形をオシロスコープ等に記録して、超音波の伝播阻害を検知することにより、割れ欠陥の存在を検出する。
上記した超音波の入射および透過波の受信、記録は従来と同様の方法である。
【0011】
図2は入射波および透過波を模式的に示す図である。配管中に割れが存在すると超音波の透過が阻害されるため,受信される透過波のエネルギーが減少し振幅値が低下する。また透過する超音波が割れを迂回して進行するため透過時間が長くなる。
本発明においては、振幅値および透過時間の両方から欠陥の有無を判定する。
【0012】
具体的には、被検査配管と同一の無欠陥配管について求めた透過波の振幅に対する被検査配管について求めた透過波の振幅の比、および被検査配管と同一の無欠陥配管について求めた透過波の透過時間に対する被検査配管について求めた透過時間の比、とから欠陥の有無を判定する。
被検査配管と同一の無欠陥配管としては、通常、被検査配管と同じ材料、形状の未使用の配管が用いられる。被検査配管と同一の無欠陥配管について求めた透過波の振幅および透過時間としては、測定値の平均値を使用する。
【0013】
本発明においては、振幅比が0.73以下で透過時間比が1.000〜1.05である場合に欠陥があると判定することによって欠陥を精度良く検出できる。
本発明の方法は、金属配管が特に遠心鋳造管である場合に精度良く欠陥が検出される。
【0014】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0015】
実施例1
加熱管として使用した遠心鋳造管(KHR24C)を図1に示す超音波検査装置を用いて欠陥検査を行った。使用機器は以下の通りである。
パルサー・レシーバー : パナメトリクス社製のモデル5072PR
オシロスコープ : ソニーテクトロニクス社製のTDS3014
超音波探触子 : クラウトクレーマー社製のMSWQC−GAMMA
(周波数:5.0MHz、振動子径:0.25インチ(6.35mm))
斜角ウェッジ : クラウトクレーマー社製のKBL70[縦波70°]
接触媒質 : 日合アセチレン社製のソニコートBS400
【0016】
試験配管(外径110mm×内径94mm×長さ50mm)として下記の表1に示す4種を使用した。
【表1】
Figure 2004205430
【0017】
試験配管の両端面より軸方向にそれぞれ10mmの位置において、周方向に任意(断面観察による欠陥の有無を参考にして選定)に12点/面の測定位置を選定し、1つの試験配管について合計24点(2面×12測定点/面)の測定を実施した。なお測定位置は、送・受信探触子間の超音波透過経路の中心とし、断面を見た時、一方の面において反時計回り方向に順に1〜12、他方の面において反時計回り方向に順に13〜24とした。
【0018】
試験は以下の手順で行った。
(1)送信用および受信用の各探触子4、5をそれぞれ斜角ウェッジ3、3に取り付けた。
(2)探触子4、5を取り付けた斜角ウェッジ3、3をホルダー2に装着し、セットビスにて各斜角ウェッジ3、3をホルダー2に固定した。
(3)対照となる感度調整用試験片に接触媒質を塗布し探触子を接触させた。透過エコーの高さが最大となるように,ホルダーに装着した各斜角ウェッジ3、3を動かし、再度ホルダー2に固定した。
(4)パルサー・レシーバー7の感度調節つまみを操作し、透過エコー振幅がオシロスコープ8上で1vとなるように設定する。
(5)また、その時の超音波波形をオシロスコープに記録した。
(6)試験配管について上記の操作をし、波形情報をCSV形式のデジタルデータに変換し、フロッピー(登録商標)ディスク9を介してパーソナルコンピューター10にデータを取り込み、エクセルソフトでデータ処理を行った。
試験結果を表2〜5に示す。
なお、補正振幅は基準感度値(30dB)で測定した場合への換算値である。
【0019】
次に、測定位置(切削・研磨代を加味)で切断し、その断面のマクロ組織観察および溶剤除去性浸透探傷試験(JIS Z2343-1992)を行い、欠陥の有無を確認した。そのうちで試験配管TP−Aの断面マクロ組織の写真を図3に、溶剤除去性浸透探傷試験結果の写真を図4に示した。
更に詳細に観察するために、測定点を中心に周方向左右10mmの位置で切断し、樹脂に埋め込んで研磨、エッチング処理し、断面のマクロ組織を観察した。そのうちで試験配管TP−Aの測定位置20における断面マクロ組織の写真を図5に示した。
また、代表的な測定点について断面のミクロ組織を観察した。そのうちで試験配管TP−Aの測定位置20における断面ミクロ組織の写真を図6に示した。
割れ欠陥の有無を表2〜5に示した。
【0020】
表2〜5に示した結果を図7に示す。欠陥の有無の判定基準を振幅比が0.73以下、透過時間比が1.000〜1.05とすることによって、欠陥を精度良く検出することができる。
振幅比だけでは、欠陥が見られなかったTP−Cの多くの部位で欠陥があると判定してしまう。また透過時間比だけでも、欠陥がなくても(例えば、TP−D)欠陥があると判定してしまうことがある。
【0021】
【表2】
Figure 2004205430
【0022】
【表3】
Figure 2004205430
【0023】
【表4】
Figure 2004205430
【0024】
【表5】
Figure 2004205430
【0025】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、金属材料の微細な割れ欠陥を、超音波を用いて精度良く検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する超音波検査装置の断面図である。
【図2】入射波および透過波の模式図である。
【図3】試験配管TP−Aの断面マクロ組織の写真である。
【図4】試験配管TP−Aの断面の溶剤除去性浸透探傷試験結果の写真である。
【図5】試験配管TP−Aの測定位置20における断面の詳細マクロ組織の写真である。
【図6】試験配管TP−Aの測定位置20における断面のミクロ組織の写真である。
【図7】実施例の結果を示す図である。
【符号の説明】
1:プローブ
2:ホルダー
3:斜角ウェッジ
4:送信用探触子
5:受信用探触子
6:配管
6:パルサー・レシーバー
7:オシロスコープ
8:フロッピー(登録商標)ディスク
9:コンピューター

Claims (3)

  1. 超音波を金属材料に入射し、透過波を受信して欠陥検査を行う超音波検査方法において、被検査材料と同一の無欠陥材料について求めた透過波の振幅に対する被検査材料について求めた透過波の振幅の比、および被検査材料と同一の無欠陥材料について求めた透過波の透過時間に対する被検査材料について求めた透過時間の比、とから欠陥の有無を判定することを特徴とする超音波検査方法。
  2. 振幅の比が0.73以下で透過時間の比が1.000〜1.05である場合に欠陥があると判定する請求項1記載の方法。
  3. 金属材料が遠心鋳造管である請求項1記載の方法。
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