JP2004206100A - 配向膜用組成物、配向膜の製造方法、及び光学素子の製造方法 - Google Patents

配向膜用組成物、配向膜の製造方法、及び光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 配向膜の配向規制力により液晶層の液晶性化合物を容易に配向させることができ、耐久性に優れ、液晶層との密着性及び支持体との密着性に優れる配向膜を形成するための組成物、該組成物を用いた配向膜の製造方法及び光学素子の製造方法を提供する。 【解決手段】 支持体1、配向膜2、及び液晶性化合物からなる光学機能層3で構成される光学素子の製造に使用される配向膜用組成物であって、該配向膜用組成物は、A)ポリマー、B)エチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマー、及び、C)水及び/又は低級アルコール系溶剤を少なくとも含む。
【選択図】 図1

Description

液晶性化合物から作製する光学素子、例えば、位相差板、偏光子、ディスプレイ用のカラーフィルター等において、液晶分子の配向機能を担う配向膜に用いる配向膜用組成物、配向膜の製造方法、及び光学素子の製造方法に関する。
TN型やSTN型に代表されるディスプレイ素子等の液晶分子の可逆的運動を利用した表示媒体以外に、液晶はその配向性と屈折率、誘電率、磁化率等の物理的性質の異方性を利用して、位相差板、偏向板、光偏向プリズム、各種光フィルター等の様々な応用が検討されている。
近年、液晶化合物自体も様々な構造のものが開発されてきている。液晶化合物には、液晶性ポリマーや重合性液晶がある。液晶性ポリマーは配向させるために高温で長時間の熟成が必要で、生産性が極めて低く、大量生産に向いていないため、最近では生産性に優れた重合性液晶を利用した光学素子の作製が増えている。例えば、特許文献5には光学素子を製造するための重合性液晶化合物が開示されている。
また、液晶化合物を使用した光学素子としては、特許文献6に支持体と、液晶性を有し且つ正の複屈折を有する重合性棒状化合物の液晶層からなる位相差板が開示され、特許文献1、特許文献2には支持体と配向膜と円盤状構造液晶化合物の液晶層からなる位相差板が開示されている。
このような位相差板等の光学素子における配向膜は、液晶化合物の配向方向を規定する機能を有することが必要である。ポリイミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン等のポリマーは配向性があることで知られており、これらのポリマーの層を支持体上に形成し、ラビング処理等の配向処理を施すことにより、あるいは、無機化合物を斜蒸着することにより配向膜を形成することが知られている。生産性の点を考慮すると、ラビング処理が施されたポリマー層が好ましい。
また、最近における光学素子には、プラスチックフィルムを支持体とし、その支持体上に配向膜を形成するものが多いため、配向膜に用いるポリマーについては成膜時に高温を必要とするポリマーの使用は避けなければならない。配向膜に用いるポリマーのうち、ポリビニルアルコールは、ポリイミドよりも低温での製膜が可能なポリマーとして、近年、配向膜に使用されている。しかし、ポリビニルアルコールが未変性のままだと、液晶化合物からなる光学機能層との密着性が悪く、光学機能層が配向膜からはがれたりする問題や、高温高湿下で使用したり保存すると、光学機能層に網状のしわが発生するという問題が生じる。
特許文献1では、配向膜に架橋されたポリマーを使用することにより耐湿熱性を改善している。特許文献2では、配向膜に変性されたポリビニルアルコールを使用して、光学機能層と配向膜の界面における化学的な結合により、それらの層間の密着性を改善している。
以上のように、従来、光学素子における配向膜の耐湿熱性、密着性等の耐久性向上のために配向膜のポリマー変性や架橋が行われている。
特開平8−338913号公報 特開平9−152509号公報 特開2001−10023号公報 特開平11−142647号公報 特表2002−533742号公報 特開平5−215921号公報
しかし、特許文献2に例示されているポリビニルアルコールを変性して配向膜とする場合には、ポリビニルアルコールの変性反応に使用される溶媒は沸点が高く、該溶媒を含んだままでは塗布液としては使用できないため、ポリビニルアルコールを再沈殿して精製する工程が不可欠となり、製造コストが高くなるという欠点を有する。
また、特許文献1に示されている配向膜内の架橋は熱硬化により形成されるものであり、高温での加熱が必要であるため、プラスチックフィルムにダメージを与えるため好ましくない。
そこで本発明の目的は、配向膜の表面をラビング処理することにより、配向膜の配向規制力で液晶性化合物を容易に配向させることができ、耐久性に優れ、光学機能層との密着性に優れた配向膜を形成できる配向膜用組成物、配向膜の製造方法、及び該配向膜用組成物を用いた光学素子を安価に提供することである。
前記した課題を解決する本発明の配向膜用組成物は、支持体、配向膜、及び液晶性化合物からなる光学機能層で構成される光学素子の製造に使用される配向膜用組成物であって、該配向用組成物は、A)ポリマー、B)エチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマー、及び、C)水及び/又は低級アルコール系溶剤を少なくとも含むことを特徴とする。
本発明の配向膜用組成物は、この構成により、ポリマーに変性がなされていない場合であっても、配向膜と光学機能層の密着性を高めることができ、一方、ポリマーに変性がされている場合には、さらに配向膜と光学機能層の密着性を高めることができる。
また、本発明の配向膜用組成物は、ポリマーに対しエチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマーを添加することにより、配向膜と光学機能層の密着性を高めることができるため、ポリマー自体に光学機能層との密着性がなくても、配向膜と光学機能層の密着性を高めることが可能となる。したがって、ポリマーの種類の選択の幅が広がる。即ち、光学機能層との密着性の観点に限られることなく、光学機能層に使用される各種液晶化合物や光学素子の用途に適した配向用ポリマーの種類が幅広く選択できる。
本発明の配向膜の製造方法は、(1)前記の配向膜用組成物を支持体上に塗布、乾燥する工程、(2)得られた塗布膜に紫外線または電子線を照射して硬化させた後、ラビングする工程を有することを特徴とする。
或いは、別の本発明の配向膜の製造方法は、(1)前記の配向膜用組成物を支持体上に塗布、乾燥する工程、(2)得られた塗布膜をラビングした後に紫外線または電子線を照射して硬化させる工程、を有することを特徴とする。
本発明の配向膜の製造方法において、配向膜用組成物が塗布された塗膜に対して、紫外線または電子線を照射して、硬化させているので、本発明の配向膜の製造方法は、熱硬化と比べて反応が速く、生産性が高い。
本発明の配向膜の製造方法は、上記各方法により、光学機能層を形成するための液晶性化合物の塗布前に、配向膜が紫外線又は電子線照射により硬化されていることから、配向膜に耐熱性等の耐久性が付与されているので、光学機能層の形成時の配向温度が高い液晶の配向のための加熱処理に対して、配向膜が劣化することがない。
本発明の光学素子の製造方法は、支持体、配向膜、及び液晶性化合物からなる光学機能層がこの順で積層されて構成される光学素子の製造方法であって、該配向膜を前記に説明した配向膜用組成物を用いて製造することを特徴とする。
また、本発明の光学素子の製造方法は、支持体、配向膜、及び液晶性化合物からなる光学機能層がこの順で積層されて構成される光学素子の製造方法であって、該配向膜が前記の製造方法により製造されることを特徴とする。
本発明の配向膜用組成物を用いて形成した配向膜の表面をラビング処理することにより、配向膜の配向規制力により光学機能層の液晶性化合物を容易に配向させることができ、本発明の配向膜は耐久性に優れ、光学機能層との密着性及び支持体との密着性に優れる。
図1に本発明の光学素子の層構成を示す。図1において1は支持体、2は支持体1上に形成された配向膜、3は配向膜2上に形成された光学機能層である。
ポリマー
本発明の配向膜用組成物に使用されるポリマーは、液晶性化合物からなる光学機能層の液晶性化合物に対して配向規制力により配向性を与えることができるポリマーであり、水及び/又は低級アルコール系溶剤に可溶なポリマーであれば、どのようなポリマーでも使用できる。
本発明の配向膜用組成物に使用されるポリマーの例としては、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース等の多糖類、ビニルアルコール・ビニルアミン共重合体、或いは、ゼラチン等の水及び/又は低級アルコール系溶剤に可溶なポリマーを挙げることができる。また、これらのポリマーを変性したポリマーも好ましく使用できる。これらのポリマーを2種併用することも可能である。
ポリビニルアルコールの例としては、変性あるいは未変性(変性されていない)のポリビニルアルコールが使用できる。本発明の配向膜用組成物に使用されるポリビニルアルコールの重合度は、100乃至3000の範囲にあることが好ましく、また、ケン化度は50%乃至100%の範囲にあるポリビニルアルコールが好ましい。ケン化度が50%未満であるとガラス転移温度が低く、液晶化合物を配向させる加熱工程において、配向膜表面が乱れやすく、液晶配向能が低下するので好ましくない。
ところで、液晶性化合物と溶剤を少なくとも含む組成物を塗布・乾燥して光学機能層を形成する場合、エチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマーを添加していない、ケン化度が75%以下のケン化度の低いポリビニルアルコールを用いた配向膜は、溶剤に対して溶解しやすく、そのため液晶性化合物に配向性を与えることができないという問題があった。一方、ケン化度が低いポリビニルアルコールの方が支持体の形成材料であるセルロースエステルとの密着性良好であるという利点があった。即ち、液晶配向能と、支持体との密着性はトレードオフの関係にあり、配向能の向上と密着性とは両立できない性質であった。
しかしながら、本発明の配向膜の製造方法においては、液晶性化合物の塗布前に、紫外線または電子線の照射により配向膜が硬化され、硬化により液晶性化合物の塗布溶液中の溶剤に対する耐性が上がることになるので、ケン化度が、75%〜100%のみならず、75%以下50%以上のポリビニルアルコールについても光学機能層に対して配向性を与えることができるという利点がある。しかも、このような低いケン化度のポリビニルアルコールは支持体との密着性がよいという利点がある。したがって、本発明の配向膜用組成物は、50%乃至100%の広範囲のポリビニルアルコールが使用でき、しかも、支持体との密着性を確保しつつ光学機能層の液晶化合物の配向能を持たせることが可能となる。
変性ポリビニルアルコールには、種々の変性基を導入して変性されたものが使用できる。変性ポリビニルアルコールの例としては、共重合変性、連鎖移動による変性、またはブロック重合による変性をしたポリビニルアルコールなどを挙げることができる。共重合変性する場合の変性基の例としては、COONa、N(CH3 3Cl、C9 19COO、SO 3Na、C1225などが挙げられる。連鎖移動による変性をする場合の変性基の例としては、COONa、SH、C1225などが挙げられる。また、ブロック重合による変性をする場合の変性基の例としては、COOH、CONH2 、COOR、C6 5 などが挙げられる。
ポリビニルアルコール、上記の共重合変性、連鎖移動による変性、またはブロック重合による変性をしたポリビニルアルコールは、下記の一般式で表されるユニットを含んでいてもよい。
Figure 2004206100
(但し、L1 は、エーテル結合、ウレタン結合、アセタール結合またはエステル結合で表し、Aは、アリーレン基、またはハロゲン、アルキル、アルコキシ又は置換アルコキシで置換されたアリーレン基を表し(置換されたアルコキシの置換基としてはアルコキシ、アリール、ハロゲン、ビニル、ビニルオキシ、アクリロイル、メタアクリロイル、クロトノイル、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、クロトノイルオキシ、ビニルフェノキシ、ビニルベンゾイルオキシ、スチリル、1,2−エポキシエチル、1,2−エポキシプロピル、2,3−エポキシプロピル、1,2−イミノエチル、1,2−イミノプロピル又は2,3−イミノプロピルを挙げることができる。)、Rはアルキレン又はアルキルレンオキシ基を表す。前記アルキレン基は置換基を有していてもよい。L2 はRとQをつなぐ連結基を表し、具体的には、L2 は、−O−、−S−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CO−O−CO−、−NRCO−、−CONR−、−NR−、−NRCONR−、−NRCO−O−または−OCONR−(但し、Rは水素原子又は低級アルキル基を表す)を表すことが好ましい。p、q、sはそれぞれゼロ又は1である。Qはビニル基を表す。)
Figure 2004206100
(但し、式中R1 はアルキレン基を表し、R2 は水素原子又は低級アルコキシ基を表し、
Figure 2004206100
は四級化された芳香族性含窒素複素環基を表し、X−はSO3 −又はCO2 −を表し、mは0又は1,nは1〜6の整数を表す。)
本発明の配向膜用組成物に使用されるポリマーとして、エチレン性不飽和結合を導入したポリマーを用いて形成した配向膜は、液晶性化合物からなる光学機能層と密着性が向上する。また、このようにエチレン性不飽和結合により変性されたポリマーを用いて形成した配向膜は、耐溶剤性、耐熱性等の耐久性が向上する。
エチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマー
エチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマーの添加量を調整することにより、配向膜に必要とされる性質、即ち、光学機能層に対して密着性を高める性質、耐熱・耐溶剤等の耐久性を必要な分だけ付与することができる。
エチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマーは、水及び/又はアルコール系溶剤に可溶であればよく、分子中のエチレン性不飽和結合の数が、1個でも複数でもかまわない。
エチレン性不飽和結合を分子内に1個含むモノマーあるいはオリゴマーの例としては、複素環含有モノマー[N−ビニルピロリドン、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−((メタ)アクリロイルオキシエチル)モルホリン等]・アクリルアミド系モノマー[(メタ)アクリルアミド、そのN−アルキル(炭素数1〜4)、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)もしくはアルコキシ(炭素数1〜4)アルキル(炭素数1〜5)置換体およびN,N−ジアルキル(炭素数1〜5)置換体、例えばN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド;ジアセトン(メタ)アクリルアミド;N,N−ジアルキル(炭素数1〜5)アミノアルキル(炭素数2〜5)(メタ)アクリルアミド、例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等]、・アクリレート系モノマー[水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル〔ヒドロキシアルキル(炭素数1〜5)(メタ)アクリレート、例えばヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等;3価〜8価またはそれ以上の多価アルコールのモノ(メタ)アクリレート、例えばグリセロールモノ(メタ)アクリレート等;ポリアルキレングリコール(重合度2〜300またはそれ以上、アルキレン基の炭素数2〜4)のモノ(メタ)アクリレート、例えばポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等〕、およびそれらの低級アルキル(炭素数1〜4)エーテル〔2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート等〕等]、・カルボン酸基含有モノマー[(メタ)アクリル酸等]、・スルホン酸基含モノマー[3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルアミノ−2−メチルプロパンスルホン酸等]、・リン酸基含有モノマー[上記水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルのリン酸エステル、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等]、・4級アンモニウム塩基含有モノマー[(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数2または3)トリアルキル(炭素数1〜3)アンモニウム塩、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド等;(メタ)アクリルアミドアルキル(炭素数1または2)トリアルキル(炭素数1〜3)アンモニウム塩、例えば、(メタ)アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド等;ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩、例えばビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等]、・(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリアルコキシシラン[(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等]、(メタ)アクリロイルオキシアルキルアルキルジアルコキシシラン[(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン等]等が挙げられる。これらは1種または2種以上を併用することができる。
光学機能層の材料として重合性液晶化合物が使用される場合、具体的には、エチレン性不飽和結合含有液晶化合物が使用される場合には、配向膜用組成物に含ませるモノマーとして、(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリアルコキシシラン及び(メタ)アクリロイルオキシアルキルアルキルジアルコキシシランは、光学機能層との界面の親和性を上げ、光学機能層の配向性を向上させると同時に、配向膜と光学機能層との密着性を向上させる。また、該添加物は、配向膜の耐熱性、耐溶剤性向上に有利である。
エチレン性不飽和結合が分子内に複数あるモノマーあるいはオリゴマーは配向膜の紫外線照射または電子線照射による硬化過程において十分に架橋し、網目状のマトリックスを形成するために耐熱性および耐溶剤性が向上するので有利である。このようなエチレン性不飽和結合を分子内に複数含むモノマー、オリゴマーの例としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジ又はポリエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
光学機能層を形成する材料が、重合性液晶化合物であるエチレン性不飽和結合含有液晶化合物の場合、配向膜中のエチレン性不飽和結合を有するモノマー、オリゴマー、或いは配向膜が硬化の過程で形成される架橋したポリマーは、配向膜と光学機能層との界面において親和性を上げ、両塗膜の密着性を高める。
エチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマーが両親媒性である場合には、両親媒性物質は、配向膜と光学機能層との界面に集中して存在しやすいため、エチレン性不飽和結合を有するモノマー、オリゴマーの添加量が少なくても、配向膜との光学機能層の密着性を向上させることが出来る。このような両親媒性物質には、例えば、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテルが挙げられる。
溶剤
本発明の配向膜用組成物に含まれる溶剤は、水及び/又は低級アルコール系溶剤である。ここで「水及び/又は低級アルコール系溶剤」とは、水及び/又は低級アルコール系溶剤が主成分であり、水と低級アルコールの合計で70質量%〜100質量%であることをいう。低級アルコールとはメタノールあるいはエタノールを示す。水、低級アルコールと相溶する溶剤であり、30質量%未満であれば、ケトン系・エーテル系・エステル系などどのような種類の溶剤を含んでもよい。水と低級アルコールの比率は質量比で、水:低級アルコールが0:100〜90:10とすることが好ましい。これにより、塗布の際の泡の発生が抑えられ、配向膜、さらには光学機能層の表面の欠陥が著しく減少する。
光重合開始剤
本発明の配向膜用組成物は必要に応じて光重合開始剤を添加する。光重合開始剤は水及び/又は低級アルコール系溶剤に溶解するものであればよく、例えばイルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア1800、イルガキュア1850(商品名、チバ・スペシャリティケミカルズ製)が挙げられる。
支持体
支持体の種類は、目的とする光学素子(支持体、配向膜および光学機能層の積層体)の用途に応じて決定する。光学素子を、位相差板、偏光子、ディスプレイ用のカラーフィルター等の光学補償シートとして用いる場合、支持体としては透明ポリマーフイルムが用いられる。透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。
透明ポリマーフィルムの例としては、セルロース系ポリマー、商品名アートン(JSR(株)製)および商品名ゼオネックス(日本ゼオン(株)製)などのノルボルネン系ポリマー、商品名ゼオノア(日本ゼオン(株)製)等のシクロオレフィン系ポリマー、およびポリメチルメタクリレートなどが挙げられる。セルロース系ポリマーとしては、セルロースエステルが好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)であることが好ましい。セルロースエステルとしてはセルロースアセテートが好ましく、その例としては、ジアセチルセルロースおよびトリアセチルセルロースなどが挙げられる。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いても良い。
目的とする光学素子に光学的等方性が要求される場合は、支持体としては一般にガラスまたはセルロースエステルが用いられる。光学的異方性が要求される場合は、一般に合成ポリマー(例、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ノルボルネン樹脂、ポリエステル)が用いられる。合成ポリマーフイルムを延伸することによって、光学的異方性を得ることができる。
支持体をセルロースエステルまたは合成ポリマーのフイルムとする場合には、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。位相差板の支持体の厚さは、20μm乃至500μmであることが好ましく、50μm乃至200μmであることがさらに好ましい。位相差板の支持体とその上に設けられる層(配向膜、光学機能層)との接着性を改善するため、透明支持体に表面処理(例、ケン化処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよく、プライマー層(接着剤層)を形成してもよい。
配向膜の製造方法
本発明の配向膜の製造方法では、(I)前記の配向膜用組成物を支持体上に塗布、乾燥する工程、(II)得られた塗布膜にラビングする工程を有することが必須である。配向膜用組成物のポリマー種、エチレン不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマーの種類、及びその量により、塗膜への紫外線または電子線照射による硬化の必要性が決まる。エチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマーの添加量が少なく、光学機能層と配向膜の密着性を改善すればよい場合には、塗膜への紫外線または電子線照射をしなくてもよい。ただし、ポリマーのガラス転移温度が低い場合、及びエチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマーの添加量が多い場合は、塗膜への紫外線または電子線照射により硬化させることが必要である。この硬化により配向膜へ耐溶剤性、耐熱性、耐湿性等の付与をすることができる。紫外線または電子線照射をしない場合には、塗膜表面へのエチレン不飽和結合を有するモノマーのブリードアウトの問題が生じる可能性があるため、紫外線または電子線照射をすることがより好ましい。
紫外線または電子線照射をする工程は、前記の配向膜用組成物を支持体上に塗布、乾燥して得られた塗布膜をラビングする前、あるいはラビング後のどちらに導入してもよい。
エチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマーの添加量が多い場合は、配向膜用組成物を支持体上に塗布、乾燥して得られた塗布膜の表面にタックがあるため、紫外線または電子線照射をラビング前に行うことが好ましい。エチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマーの添加量が少ない場合は、紫外線または電子線照射をする工程をラビングする前、あるいはラビング後のどちらに導入してもよい。
光学機能層
本発明の光学素子は、支持体上に配向膜、さらにその上に光学機能層が形成された構造を有している。光学機能層としては、ネマチック液晶やコレステリック液晶を用いることができる。かかる材料としては、これらのみで光学機能層を形成した場合に、ネマチック規則性、スメクチック規則性、またはコレステリック規則性を有する液晶を形成し得る液晶材料であれば特に限定されるものではなく、ポリマー液晶及び重合性液晶化合物のどちらでもよい。また、重合性液晶化合物としては、分子の両末端に重合性官能基があることが耐熱性のよい光学素子を得る上で好ましい。光学機能層は二層以上積層されていてもよい。
このような重合性液晶化合物の一例としては、例えば下記の一般式(1)で表わされる化合物(化合物(I)という)や下記に示す化合物を挙げることができる。化合物(I)としては、一般式(1)に包含される化合物の2種を混合して使用することも可能である。
重合性液晶化合物としては、一般式(1)に包含される化合物や下記の化合物の2種以上を混合して使用することもできる。
Figure 2004206100
Figure 2004206100
一般式(1)において、R1 及びR2 はそれぞれ水素又はメチル基を示すが、液晶相を示す湿度範囲の広さからR1 及びR2 は共に水素であることが好ましい。Xは水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基、ニトロ基のいずれであっても差し支えないが、塩素又はメチル基であることが好ましい。また、化合物(I)の分子鎖両端の(メタ)アクリロイルオキシ基と、芳香環とのスペーサーであるアルキレン基の鎖長を示すa及びbは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数を取り得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜10の範囲であることがさらに好ましい。a=b=0の範囲である化合物(I)は、安定性に乏しく、加水分解を受けやすい上に、化合物自体の結晶性が高い。また、a及びbがそれぞれ13以上である化合物(I)は、アイソトロピック転移温度(TI)が低い。この理由から、これらの化合物はどちらも液晶性を示す温度範囲が狭く好ましくない。
上述した例では、重合性液晶モノマーの例を挙げたが、本発明においては、重合性液晶オリゴマーや重合性液晶ポリマー等を用いることも可能である。このような重合性液晶オリゴマーや重合性液晶ポリマーとしては、従来提案されているものを適宜選択して用いることが可能である。
本発明においては、また、ネマチック液晶にカイラル剤を加えた、コレステリック規則性を有するカイラルネマチック液晶を、好適に使用することができる。カイラル剤としては、光学活性な部位を有する低分子化合物であり、分子量1500以下の化合物を意味する。カイラル剤は主として化合物(I)が発現する正の一軸ネマチック規則性に螺旋ピッチを誘起させる目的で用いられる。この目的が達成される限り、化合物(I)や上記の化合物と、溶液状態あるいは溶融状態において相溶し、上記ネマチック規則性をとりうる重合性液晶化合物の液晶性を損なうことなく、これに所望の螺旋ピッチを誘起できるものであれば、下記に示すカイラル剤としての低分子化合物の種類は特に限定されないが、分子の両末端に重合性官能基があることが耐熱性のよい光学素子を得る上で好ましい。液晶に螺旋ピッチを誘起させるために使用するカイラル剤は、少なくとも分子中に何らかのキラリティーを有していることが必須である。従って、本発明で使用可能なカイラル剤としては、例えば1つあるいは2つ以上の不斉炭素を有する化合物、キラルなアミン、キラルなスルフォキシド等のようにヘテロ原子上に不斉点がある化合物、あるいはクムレン、ビナフトール等の軸不斉を持つ化合物が例示できる。さらに具体的には、市販のカイラルネマチック液晶、例えばMerck社製S−811(商品名)等が挙げられる。
しかし、選択したカイラル剤の性質によっては、化合物(I)が形成するネマチック規則性の破壊、配向性の低下、あるいは該化合物が非合重合性の場合には、液晶組成物の硬化性の低下、硬化フィルムの信頼性の低下を招く恐れがある。さらに、光学活性な部位を有するカイラル剤の多量使用は、組成物のコストアップを招く。従って、短ピッチのコレステリック規則性を有する円偏光制御光学素子を製造する場合には、液晶組成物に含有させる光学活性な部位を有するカイラル剤には、螺旋ピッチを誘発する効果の大きなカイラル剤を選択することが好ましく、具体的には一般式(2)、(3)または(4)で表されるような分子内に軸不斉を有する低分子化合物(II)の使用が好ましい。
Figure 2004206100
Figure 2004206100
Figure 2004206100
カイラル剤(II)を表す一般式(2)、(3)又は、(4)において、R4 は水索又はメチル基を示す。Yは上記に示す式(i)〜(xxiv)の任意の一つであるが、なかでも、式(i)、(ii)、(iii)、(v)及び(vii)の何れか一つであることが好ましい。また、アルキレン基の鎖長を示すc及びdは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜10の範囲であることがさらに好ましい。c又はdの値が0又は1である一般式(2)又は(3)で表される化合物は、安定性に欠け、加水分解を受けやすく、結晶性も高い。一方、c又はdの値が13以上である化合物は融点(Tm)が低い。これらの化合物は液晶性を示す化合物(I)との相溶性が低下し、濃度によっては相分離等が起こる恐れがある。
本発明において重合性液晶化合物に配合されるカイラル剤の量は、螺旋ピッチ誘起能力や最終的に得られる光学素子のコレステリック性を考慮して最適値が決められる。具体的には、用いる重合性液晶化合物により大きく異なるものではあるが、重合性液晶化合物の合計量100質量部当り、0.01から60質量部、最も好ましくは1〜20質量部の範囲で選ばれる。この配合量が上記範囲を超える場合は、分子の配向が阻害され、活性放射線によって硬化させる際に悪影響を及ぼす危惧がある。少ない場合は、充分なコレステリック性を付与できない場合がある。
本発明において、このようなカイラル剤としては、特に重合性を有することが必須ではない。しかしながら、得られる光学機能層の熱安定性等を考慮すると、上述した重合性液晶化合物と重合し、コレステリック規則性を固定化することが可能な重合性のカイラル剤を用いることが好ましい。特に、分子の両末端に重合性官能基があることが、耐熱性のよい光学素子を得る上で好ましい。
光学機能層は、液晶性ポリマーの場合、液晶性ポリマー及び他の化合物を溶剤に溶解した溶液を配向膜上に塗布し、乾燥し、次いで液晶相形成温度まで加熱し、その後配向状態を維持して冷却することにより得られる。あるいは、重合性液晶化合物及び他の化合物(更に、例えば重合性モノマー、光重合開始剤)を溶剤に溶解した溶液を配向膜上に塗布し、乾燥し、次いで液晶相形成温度まで加熱したのちUV照射、または電子線照射により重合させ、さらに冷却することにより光学機能層が得られる。
光学機能層は異なる液晶層の二層以上から形成されていてもよい。
光重合開始剤としては、ベンジル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイルー4’−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3、3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができる。なお、光重合開始剤の他に増感剤を、本発明の目的が損なわれない範囲で添加することもできる。
このような光重合開始剤の添加量としては、一般的には0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは、0.5〜5質量%の範囲で重合性液晶化合物に添加することができる。
光学機能層を形成するためのコーティング液には、上記液晶性化合物、カイラル剤、光重合開始剤以外に、界面活性剤、重合性モノマー(例えば、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基及びメタクリロイル基を有する化合物)、及びポリマーを液晶性化合物の配向を阻害しない限り添加してもよい。これらの界面活性剤、重合性モノマー及びポリマーを選択することにより表面側(空気側)の液晶の傾斜角を調整することができる。
また、光学機能層を形成するためのコーティング液に用いられる溶剤としては、上記液晶性化合物、カイラル剤が溶解し、かつ配向性を有する基材上の配向性を阻害しなければ特に限定されるものではない。具体的には炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、ケトン(例、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
光学素子の製造方法
本発明の光学素子は、支持体、配向膜、及び液晶性化合物からなる光学機能層の順で積層されたものである。このような積層構造の光学素子には、位相差板、偏光子、ディスプレイ用のカラーフィルターが挙げられる。
本発明の光学素子の製造方法は、次のようにして行うことができる。前記配向膜用組成物を前記支持体上に塗布する。配向膜用塗布液の塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、エクストルージョンコート法、バーコート法およびE型塗布法等を挙げることができる。次いで、得られた塗布膜に紫外線または電子線を照射して硬化させた後、ラビングすることにより、配向規制能を有する配向膜を得る。形成された配向膜の膜厚は、0.1μm〜10μmの範囲にあることが好ましい。配向膜用組成物を塗布した後、溶剤を乾燥して除去する方法としては、例えば、減圧乾燥もしくは加熱乾燥、さらにはこれらの乾燥を組み合わせる方法等により行う。加熱乾燥する際の温度は、20℃乃至110℃の範囲にあることが好ましい。
上記方法とは別の本発明の光学素子の製造方法は、前記の方法により塗布して得られた塗布膜をラビングした後に、紫外線または電子線を照射して硬化させることにより、配向規制能を有する配向膜を得る。
上記配向膜上に、液晶性ポリマー及び他の化合物を溶剤に溶解した溶液を塗布し、乾燥し、次いで液晶相形成温度まで加熱し、その後配向状態を維持して冷却することにより光学機能層を形成し、光学素子を得る。あるいは、重合性液晶化合物及び他の化合物(更に、例えば、重合性モノマー、光重合開始剤)を溶剤に溶解した溶液を上記配向膜上に塗布し、乾燥し、次いで液晶相形成温度まで加熱したのちUV照射、または電子線照射により重合させ、さらに冷却することにより光学機能相を形成し、光学素子を得る。
本発明の光学素子は、光学機能層が一層であっても、二層以上から形成されていてもよい。
配向膜の形成
ケン化処理したトリアセチルセルロースフィルム上に、下記の組成の配向膜用組成物をワイヤーバーコーターで塗布した後、80℃の温風で10分間乾燥し、膜厚0.8μmの塗膜を得た。その塗膜に高圧水銀灯を用いて50mJ/cm2 UV照射した後、表面をラビング処理して配向膜を形成した。
配向膜用組成物
ポリビニルアルコール(ケン化度99%、NM−11:商品名:日本合成化学製) 2質量部
メトキシポリエチレングリコールアクリレート(ライトアクリレート130A:商品名、共栄社化学製) 0.1質量部
水 72質量部
メタノール 8質量部
ネマチック液晶からなる層(光学機能層)の形成
次の化学式、
Figure 2004206100
で表される重合性液晶性化合物をトルエンに35質量%となるように溶解し、さらに重合開始剤(イルガキュアー907:商品名、チバスペシャルケミカルズ社製)を添加し、光学素子用形成用液晶組成溶液を得た。該液晶組成溶液を前記工程で作製した配向膜上にワイヤーバーにて塗工し、乾燥後、85℃で1分間加熱し、液晶分子を配向させた。液晶分子の配向は、膜面が透明になることにより確認された。さらに配向状態を維持しながら、高圧水銀灯を用いて50mJ/cm2 の紫外線を照射することにより光学機能層を硬化して、ネマチック液晶層を形成した。
前記実施例1中のメトキシポリエチレングリコールアクリレートの添加量を0.01質量部に変更する以外は前記実施例1と同様にして、配向膜上にネマチック液晶からなる層(光学機能層)を形成した。
前記実施例1中のメトキシポリエチレングリコールアクリレートをエチレンオキサイド変性ノニルフェノールアクリレート(ニューフロンティアN−177E:商品名、第一工業製薬製)0.01質量部に変更する以外は前記実施例1と同様にして、配向膜上にネマチック液晶からなる層(光学機能層)を形成した。
前記実施例1中のメトキシポリエチレングリコールアクリレートをエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR−9035:商品名:日本化薬製)0.01質量部に変更する以外は前記実施例1と同様にして、配向膜上にネマチック液晶からなる層(光学機能層)を形成した。
前記実施例4中の配向膜組成物を、ケン化処理したトリアセチルセルロースフイルム上に、ワイヤーバーコーターで塗布した後、80℃の温風で10分間乾燥し、膜厚0.8μmの塗膜を得た。その塗膜表面をラビング後に高圧水銀灯を用いて50mJ/cm2 UV照射して配向膜を作製した。
前記実施例1中の配向膜を本実施例5の配向膜に変更する以外は前記実施例1と同様にして、配向膜上にネマチック液晶からなる層(光学機能層)を形成した。
前記実施例4中の配向膜組成物を、ケン化処理したトリアセチルセルロースフイルム上に、ワイヤーバーコーターで塗布した後、80℃の温風で10分間乾燥し、膜厚0.8μmの塗膜を得た。その塗膜表面をラビングして配向膜を作製した。
前記実施例1中の配向膜を本実施例6の配向膜に変更する以外は前記実施例1と同様にして、配向膜上にネマチック液晶からなる層(光学機能層)を形成した。
前記実施例1中の配向膜用組成物を下記配向膜用組成物に変更する以外は前記実施例1と同様にして、配向膜上にネマチック液晶からなる層(光学機能層)を形成した。
配向膜用組成物
ポリビニルアルコール(ケン化度99%、NM−11:商品名、日本合成化学製) 1.4質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬 SR−9035(商品名)) 0.6質量部
重合開始剤 イルガキュア2959(商品名、チバスペシャルケミカルズ社製) 0.1質量部
水 72質量部
メタノール 8質量部
前記実施例7のポリビニルアルコール(ケン化度99%、NM−11:商品名、日本合成化学製)をポリビニルアルコール(ケン化度71%、KP−08(商品名、日本合成化学製)にする以外は前記実施例7と同様にして、配向膜上にネマチック液晶からなる層(光学機能層)を形成した。
前記実施例7中のポリビニルアルコールをカルボキシメチルセルロース(アンモニウム塩、CMCダイセルアンモニウム:商品名、ダイセル化学工業製)1.4質量部にする以外は前記実施例7と同様にして、配向膜上にネマチック液晶からなる層(光学機能層)を形成した。
アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103:商品名、信越化学工業製)0.6質量部を酢酸水溶液30質量部に滴下し、溶液を得た。ポリビニルアルコール(ケン化度99%、NM−11:商品名:日本合成化学製)1.4質量部、水42質量部とメタノール8質量部の混合溶液を上記シラン溶液に添加し、配向膜用組成物を得た。
前記実施例1中の配向膜用組成物を上記組成物に変更する以外は前記実施例1と同様にして、配向膜上にネマチック液晶からなる層(光学機能層)を形成した。
前記実施例10中のアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランをメタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランに変更する以外は前記実施例10と同様にして配向膜上にネマチック液晶からなる層(光学機能層)を形成した。
配向膜の形成
ケン化処理したトリアセチルセルロースフィルム上に、下記の組成の配向膜用組成物をワイヤーバーコーターで塗布した後、80℃の温風で10分間乾燥し、膜厚0.8μmの塗膜を得た。その塗膜に高圧水銀灯を用いて50mJ/cm2 UV照射した後、表面をラビング処理して配向膜を形成した。
配向膜用組成物
ポリビニルアルコール(ケン化度99%、NM−11、商品名:日本合成化学製) 1.4質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR−9035:商品名、日本化薬製) 0.6質量部
重合開始剤 イルガキュア2959(商品名、チバスペシャルケミカルズ社製) 0.1質量部
水 72質量部
メタノール 8質量部
コレステリック液晶層の形成
次の化学式、
Figure 2004206100
で表される重合性液晶性化合物をトルエンに35質量%となるように溶解し、さらに次の化学式、
Figure 2004206100
で表される重合性化合物と重合開始剤(イルギュアー907:商品名、チバスペシャルケミカルズ社製)を添加し、光学素子用形成用液晶組成溶液を得た。該液晶組成溶液を配向膜上にワイヤーバーにて塗工し、乾燥後、85℃で1分間加熱し、液晶分子を配向させた。液晶分子の配向は、膜面が透明になることにより確認された。さらに配向状態を維持しながら、高圧水銀灯を用いて50mJ/cm2 の紫外線を照射することにより光学機能層を硬化して、コレステリック液晶からなる層(光学機能層)を形成した。
前記実施例10と同様にして配向膜を形成した。
前記実施例12中の配向膜を本実施例13の配向膜に変更する以外は前記実施例12と同様にして、配向膜上にコレステリック液晶からなる層(光学機能層)を形成した。
〔比較例1〕
配向膜の作製
ケン化処理したトリアセチルセルロースフィルム上に、下記の組成の配向膜用組成物をワイヤーバーコーターで塗布した後、80℃の温風で10分間乾燥し、膜厚0.8μmの塗膜を得た。その塗膜の表面をラビング処理して配向膜を作製した。
配向膜用組成物
ポリビニルアルコール(ケン化度99%、NM−11:商品名、日本合成化学製)2質量部
水 72質量部
メタノール 8質量部
前記実施例1と同様にして、前記工程で得られた配向膜上にネマチック液晶からなる層(光学機能層)を形成した。
〔比較例2〕
前記比較例1のポリビニルアルコール(ケン化度99%、NM−11:商品名、日本合成化学製)をポリビニルアルコール(ケン化度71%、KP−08:日本合成化学製)にする以外は前記比較例1と同様にして、配向膜上にネマチック液晶からなる層(光学機能層)を形成した。
〔評価〕
表1にエチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマーの添加量が少ない場合として前記実施例1〜6、及び未添加の比較例1、2で得られた結果を示す。表2にエチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマーの添加量が多い場合として前記実施例7〜13、及び未添加の比較例1、2で得られた結果を示す。
Figure 2004206100
Figure 2004206100
表1及び表2に示す配向膜と光学機能層との密着性はセロハンテープ剥離により判断した。耐湿熱性は、フィルムを75℃、湿度95%の条件下に100時間放置後の状態で判断した。耐湿熱性の評価の欄に示した○は均一配向し、×は部分的に配向むら、はがれ発生したことを示す。
本発明の配向膜用組成物は、液晶分子の配向機能を担う配向膜に用いることができ、本発明の配向膜は光学機能層との密着性に優れるため、耐久性に優れる。このような配向膜は、例えば、位相差板、偏光子、ディスプレイ用のカラーフィルター等に使用可能である。
本発明の光学素子の層構成を示す図である。
符号の説明
1 支持体
2 配向膜
3 光学機能層

Claims (11)

  1. 支持体、配向膜、及び液晶性化合物からなる光学機能層で構成される光学素子の製造に使用される配向膜用組成物であって、該配向膜用組成物は、
    A)ポリマー、
    B)エチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマー、及び、
    C)水及び/又は低級アルコール系溶剤、
    を少なくとも含むことを特徴とする配向膜用組成物。
  2. 前記エチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマーが、分子中にエチレン性不飽和結合を複数有することを特徴とする請求項1に記載の配向膜用組成物。
  3. 前記エチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマーが、両親媒性であることを特徴とする請求項1又は2に記載の配向膜用組成物。
  4. 前記エチレン性不飽和結合を有するモノマーあるいはオリゴマーが、(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリアルコキシシラン、又は(メタ)アクリロイルオキシアルキルアルキルジアルコキシシランであることを特徴とする請求項1に記載の配向膜用組成物。
  5. 前記ポリマーが、未変性あるいは変性された、ケン化度が50%乃至100%のポリビニルアルコールである請求項1、2、3又は4に記載の配向膜用組成物。
  6. (1)請求項1乃至5の何れか1項に記載の配向膜用組成物を支持体上に塗布、乾燥する工程、
    (2)得られた塗布膜に紫外線または電子線を照射して硬化させた後、ラビングする工程、
    を有することを特徴とする配向膜の製造方法。
  7. (1)請求項1乃至5の何れか1項に記載の配向膜用組成物を支持体上に塗布、乾燥する工程、
    (2)得られた塗布膜をラビングした後に、紫外線または電子線を照射して硬化させる工程、
    を有することを特徴とする配向膜の製造方法。
  8. 支持体、配向膜、及び液晶性化合物からなる光学機能層で構成される光学素子の製造方法であって、該配向膜を請求項1乃至5の何れか1項に記載の配向膜用組成物を用いて製造することを特徴とする光学素子の製造方法。
  9. 支持体、配向膜、及び液晶性化合物からなる光学機能層で構成される光学素子の製造方法であって、該配向膜が請求項6又は7に記載の方法で形成されることを特徴とする光学素子の製造方法。
  10. 前記液晶性化合物が、重合性ネマチック液晶、又は重合性ネマチック液晶と重合性カイラル剤を主成分とすることを特徴とする請求項8又は9に記載の光学素子の製造方法。
  11. 前記支持体がセルロースエステルフィルムであることを特徴とする請求項8乃至10の何れか1項に記載の光学素子の製造方法。
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