JP2004207018A - 光源駆動回路、プロジェクタ、光源の点灯制御方法、及びこの方法を実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】定格電力モード及び省電力モードに対応でき、光源の長寿命化を図ることのできる光源駆動回路を提供すること。
【解決手段】放電管からなる光源417を駆動し、該光源417を定格電力及び省電力で点灯させる複数の点灯モードに切り換える制御手段94を備えた光源駆動回路9において、制御手段94は、複数の点灯モードのいずれかに設定する点灯モード設定部944と、光源の点灯開始時、放電管のハロゲンサイクルが安定するまで、該光源に定格電力を与える定格電力付与部941とを備え、放電管のハロゲンサイクルの安定化後、点灯モード設定部944で設定された点灯モードに移行するような制御を行う。
【選択図】 図10
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【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電管からなる光源を駆動し、該光源を定格電力及び省電力で点灯させる複数の点灯モードに切り換える制御手段を備えた光源駆動回路、この光源駆動回路を備えたプロジェクタ、放電管からなる光源を駆動し、該光源を定格電力及び省電力で点灯させる複数の点灯モードに切り換える制御手段を備えた光源駆動回路で実施され、光源の点灯を制御する光源の点灯制御方法、及びプログラムに関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し、拡大投写するプロジェクタが利用されており、近年、このようなプロジェクタは、企業におけるパーソナルコンピュータでプレゼンテーションを行ったり、家庭内で映画等を見たり、種々の用途に用いられている。
ここで、企業等におけるプレゼンテーションでは、遠くにいる観察者に対しても投写画像がよく見えるように、光源を高輝度で点灯させる必要がある一方、家庭内では、比較的近接した距離で観察するので、プレゼンテーションの場合のように高輝度に点灯させる必要がない。
このため、近年のプロジェクタでは、プレゼンテーション用の定格電力モード、ホームシアター用途の省電力モードの複数種類で光源を点灯させ、いずれの用途にも適用できるようになってきている。
一方、このようなプロジェクタに使用される光源として、高輝度及び安定発光をさせるために、放電管内にハロゲンガスを封入した高圧水銀ランプや、メタルハライドランプが採用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平11−297268号公報(〔0002〕段落)
【特許文献2】
特開平9−274886号公報(〔0003〕段落)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1及び特許文献2に示されるような光源において、省電力モードで点灯を開始させると、初めから定格電力を下回る電力で光源を点灯させることとなるため、電極が十分に暖められず、適切なハロゲンサイクルを確保できず、放電管の黒色化等により光源の寿命が少なくなる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、定格電力モード及び省電力モードに対応でき、光源の長寿命化を図ることのできる光源駆動回路、プロジェクタ、光源の点灯制御方法、及びこの方法を実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の光源駆動回路は、放電管からなる光源を駆動し、該光源を定格電力及び省電力で点灯させる複数のモードに切り換える制御手段を備えた光源駆動回路であって、前記制御手段は、前記複数の点灯モードのいずれかに設定する点灯モード設定部と、前記光源の点灯開始時、前記放電管のハロゲンサイクルが安定するまで、該光源に定格電力を与える定格電力付与部とを備え、前記放電管のハロゲンサイクルの安定化後、前記点灯モード設定部で設定された点灯モードに移行することを特徴とする。
【0007】
ここで、光源としては、放電方式の発光体であれば種々のものを採用することができ、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ等を採用することができる。
また、制御手段は、光源駆動回路上に実装されるマイクロコンピュータとして構成することができ、前記機能を達成するのであれば、4ビット程度のマイコンを採用することができる。
【0008】
この発明によれば、光源の点灯開始時、定格電力付与部により、一定時間光源が定格電力で点灯されるため、放電管の電極が十分に加熱され、適切なハロゲンサイクルを確保することができる。従って、その後、省電力モードに移行しても、放電管の発光により、内部の温度が保持されるので、ハロゲンサイクルが維持され、光源を省電力モード、定格電力モードのいずれにも対応することができ、かつ光源の長寿命化を図ることができる。
【0009】
本発明では、複数の点灯モード間の移行は、1秒以上の時間をかけて行われるのが好ましい。
ここで、点灯モード間の移行方法としては、次に示されるような方法が考えられる。
(1)移行時の電力を段階的に変化させて点灯モード間の移行を行うことが考えられる。
(2)移行時の電力を直線的に変化させて点灯モード間の移行を行うことが考えられる。
(3)移行時の電力を、時間とともに電力の変化率を変えて曲線的に変化させて行われることが考えられる。
【0010】
これらの発明によれば、点灯モード間の切り換えを1秒以上の時間をかけて行っているため、プロジェクタ等の光源として使用した際、画面の明るさのちらつきを防止することができる。
すなわち、時間をかけずに瞬時に点灯モード間の切り換えを行うと、放電管の電極の温度分布が変わり、放電ポイントが変化することにより、アークのちらつきが生じ、これに伴い画面にちらつきが生じてしまう。これらの発明では、1秒という時間をかけて徐々に点灯モード間の移行を行っているので、電極の放電面に凹凸が形成されることがなく、画面のちらつきを防止することができる。
また、(1)のような移行方法を採用することにより、電力の変化がデジタル的に行われるため、マイコン等で制御する際に好適である。
さらに、(2)、(3)のような移行方法を採用することにより、電力の変化が連続的に行われるため、移行をスムースに行うことができる。
【0011】
本発明では、光源駆動回路入力される直流電流を交流電流に変換するインバータブリッジを備えているのが好ましい。
ここで、インバータブリッジを構成する回路素子としては、トランジスタや電界効果トランジスタを採用することができる。
この発明によれば、インバータブリッジを備えることにより、交流駆動式の光源を採用することができるため、直流式の光源に比較して光源を明るく発光させることができる。
【0012】
本発明のプロジェクタは、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、該光学像を拡大投写するプロジェクタであって、前述したいずれかの光源駆動回路を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、前述の通り、光源の定格モード及び省電力モードに対応でき、かつ光源の長寿命化を図ることのできるプロジェクタとすることができる。また、このように光源を省電力モードで点灯させることができるため、プロジェクタ内部の温度上昇を少なくすることができ、プロジェクタ内部の冷却ファンの回転数を落として運転させることができ、プロジェクタの静粛性が向上する。
【0013】
本発明の光源の点灯制御方法は、放電管からなる光源を駆動し、該光源を定格電力及び省電力で点灯させる複数の点灯モードに切り換える制御手段を備えた光源駆動回路で実施され、前記光源の点灯を制御する光源の点灯制御方法であって、前記制御手段が、前記複数の点灯モードのいずれかを設定するステップと、前記光源の点灯時、前記放電管のハロゲンサイクルが安定するまで、前記光源に定格電力を与えるステップと、前記放電管のハロゲンサイクルの安定化後、前記点灯モード設定ステップで設定された点灯モードに移行するステップとを実施することを特徴とする。
本発明のコンピュータ読み取り可能なプログラムは、前記各ステップを光源駆動回路の制御手段に実行させることを特徴とする。
これらの発明によっても、前述した作用及び効果と同様の作用及び効果を享受することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
(1)外観構成
図1および図2には、本発明の実施形態に係るプロジェクタ1が示されており、図1は上方前面側から見た斜視図であり、図2は下方背面側から見た斜視図である。
このプロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し、スクリーン等の投写面上に拡大投写する光学機器であり、後述する光学ユニットを含む装置本体を内部に収納する外装ケース2および外装ケース2から露出する投写レンズ3を備えている。このプロジェクタ1は、大型店舗内や、パブリックスペース等に設置され、投写画像を大画面表示することによって、多数の観察者に映像情報を提供するものである。
投写レンズ3は、後述する光変調装置としての液晶パネルにより光源から射出された光束を画像情報に応じて変調形成された光学像を拡大投写する投写光学系としての機能を具備するものであり、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成される。
【0015】
筐体としての外装ケース2は、投写方向に沿った奥行き寸法がこれに直交する幅方向寸法よりも大きな直方体形状をなし、装置本体を覆う面状体10と、ケース強度を負担する後述するフレーム体とを備えて構成されている。
面状体10は、装置本体の上部を覆うアッパーケース11と、装置本体の下部を覆うロアーケース12と、装置本体の前面部分を覆うフロントケース13とを備えている。これら各ケース11〜13は、射出成形等によって成形された合成樹脂製の一体成形品である。
【0016】
アッパーケース11は、装置本体の上部を覆う筐体上面部11Aと、この筐体上面部11Aの幅方向端部から略垂下する筐体側面部11B、11Cと、筐体上面部11Aの後端部から略垂下する筐体背面部11Dとを備えている。
このアッパーケース11の筐体上面部11Aと、筐体側面部11B、11Cとが交差する稜線部分には、プロジェクタ1の投写方向略中央から後端側に向かって面取加工が施され、稜線に沿って凹状にへこんだ凹部111が形成されている。この凹部111は、プロジェクタ1を2台スタックさせた際に、2台のプロジェクタ1を連結するパイプ状の支持部材を挿入するために形成されている。
また、筐体側面部11Bには、冷却空気導入用のスリット状の開口部112が形成されている。
【0017】
筐体上面部11Aの略中央部分には、プロジェクタ1の起動・調整操作を行うための操作パネル14が設けられている。この操作パネル14は、起動スイッチ、画像・音声等の調整スイッチを含む複数のスイッチを備え、プロジェクタ1による投写時には、操作パネル14中の調整スイッチ等を操作することにより、画質・音量等の調整を行うことができる。
また、筐体上面部11Aの投写方向前方には、複数の孔141が形成されていて、この内部には、後述する音声出力用のスピーカが収納されている。
これら操作パネル14およびスピーカは、後述する装置本体を構成する制御基板と電気的に接続され、操作パネル14による操作信号はこの制御基板で処理される。
【0018】
筐体背面部11Dは、ほぼ全面が開口された枠状に構成され、この開口部分には、画像信号等を入力するためのコネクタ群15が露出するとともに、その隣は、光源装置を収納する開口部とされ、通常は、光源装置収納用の蓋部材16によって覆われている。尚、コネクタ群15は、後述する制御基板と電気的に接続され、コネクタ群15を介して入力した画像信号は、制御基板によって処理される。
また、筐体上面部11Aの後端部及び筐体背面部11Dの上端部分は、アッパーケース11から脱着可能な蓋部材113が取り付けられていて、詳しくは後述するが、この蓋部材113内部には、LANボード等の拡張基板を挿入することができるようになっている。
【0019】
ロアーケース12は、アッパーケース11との係合面を中心としてアッパーケース11と略対称に構成され、筐体底面部12A、筐体側面部12B、12C、および筐体背面部12Dを備えている。
そして、筐体側面部12B、12C、および筐体背面部12Dは、その上端部分でアッパーケース11の筐体側面部11B、11C、及び筐体背面部11Dの下端部分と係合する。尚、筐体背面部12Dは、アッパーケース11の筐体背面部11Dと同様に、ほぼ全面が開口され、係合後の開口部分から前述したコネクタ群15が露出するとともに、両開口部分に跨って蓋部材16が取り付けられる。
また、筐体背面部12Dの角隅部には、さらに開口部が形成されており、この開口部からインレットコネクタ17が露出している。さらに、筐体側面部12Bには、アッパーケース11の筐体側面部11Bに形成された開口部112に応じた位置に開口部122が形成されている。
【0020】
筐体底面部12Aには、プロジェクタ1の後端側略中央に固定脚部18が設けられているとともに、先端側幅方向両端に調整脚部19が設けられている。
調整脚部19は、筐体底面部12Aから面外方向に進退自在に突出する軸状部材から構成され、軸状部材自体は、外装ケース2の内部に収納されている。このような調整脚部19は、プロジェクタ1の側面部分に設けられる調整ボタン191を操作することにより、筐体底面部12Aからの進退量を調整することができる。
これにより、プロジェクタ1から射出された投写画像の上下位置を調整し、適切な位置に投写画像を形成することができるようになる。
【0021】
また、筐体底面部12Aには、筐体底面部12Aの略中央に投写方向に沿って延びる凸条のリブ状部20と、このリブ状部20と直交するようにプロジェクタ1の幅方向に沿って延びる複数のリブ状部21、22とが形成されている。そして、中間部分の2本のリブ状部21の間には、詳しくは後述するが、外部から冷却空気を取り込むための吸気用開口部が形成されていて、フィルタ23によって覆われている。このフィルタ23で塞がれた吸気用開口部の後端側には、やはり冷却空気取り込み用の吸気用開口部24が形成されているが、フィルタで覆われる構成とはなっていない。
プロジェクタ1の幅方向に沿って延びるリブ状部21、22の端部には、ねじ孔21Aが4箇所形成されている。このねじ孔21Aには、プロジェクタ1を天井吊り下げとした場合の天井吊り下げ用の金具が装着される。
さらに、筐体底面部12Aの装置後端側端縁には、係合部26が形成されており、この係合部26には、前述したコネクタ群15を覆って塵埃等がこれらに付着することを防止するためのカバー部材が取り付けられるようになっている。
【0022】
フロントケース13は、前面部13Aおよび上面部13Bを備えて構成され、前面部13Aの外周部分には、面外方向に延びるリブ13Cが形成されており、アッパーケース11、ロアーケース12の投写方向先端側とこのリブ13Cが係合する。
前面部13Aは、ロアーケース12の筐体底面部12Aからアッパーケース11の筐体上面部11Aに向かって装置後端側に傾斜しており、投写面から遠ざかるように傾斜している。このようにしたのは、プロジェクタ1を天井吊り下げにした際に、フロントケース13の前面部13Aが下面を向くので、フロントケース13に塵埃が付着しにくくなるためであり、通常設置の状態よりもメンテナンスしにくい天井吊り下げの場合を考慮したためである。
【0023】
このような前面部13Aの略中央部分には開口部27が形成されており、この開口部27からは投写レンズ3が露出する。
この開口部27には、隣接してスリット状の開口部28が形成されており、プロジェクタ1の装置本体内部を冷却した空気は、この開口部28から排出される。
さらに、前面部13Aの角隅部近傍には、孔29が形成されており、この孔29からは、不図示のリモートコントローラの操作信号を受信するための受光部30がある。
尚、本例においては、プロジェクタ1の背面側にも受光部30が設けられており、図2に示されるようにアッパーケース11の筐体背面部11Dの角隅部に受光部30がある。これにより、リモートコントローラを使用する場合、装置前面側、装置背面側のいずれの方向からもリモートコントローラの操作信号を受信することができるようになっている。
【0024】
上面部13Bは、アッパーケース11の筐体上面部11Aの略中央まで延出し、具体的には図示を略したが、投写レンズ3の基端部近傍まで達している。このようにしたのは、投写レンズ3を変更する際に、フロントケース13を取り外すだけで投写レンズ3を交換できるようにするためであり、アッパーケース11およびロアーケース12からフロントケース13を取り外すと、上面部13Bが外れて開口され、投写レンズ3の基端部取付部分が露出するようになっている。
【0025】
(2)内部構成
このような外装ケース2の内部には、図3〜図5に示されるように、プロジェクタ1の装置本体が収納されており、この装置本体は、光学ユニット4、制御基板5、および電源ブロック6を備えて構成される。
(2-1)光学ユニット4の構造
光学エンジンとしての光学ユニット4は、光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、投写レンズ3を介してスクリーン上に投写画像を形成するものであり、図5に示されるように、ライトガイド40という光学部品用筐体内に、光源装置や、種々の光学部品等を組み込んだものとして構成される。
このライトガイド40は、下ライトガイド401、上ライトガイド402から構成され、それぞれは、射出成形等による合成樹脂製品である。
【0026】
下ライトガイド401は、図6に示されるように、後述する光源装置が収納される光源収納部401A及び光学部品を収納する部品収納部401Bを備え、この部品収納部401Bは、底面部401C及び側壁部401Dからなる上部が開口された容器状に形成され、側壁部401Dには、複数の溝部401Eが設けられている。この溝部401Eには、光学ユニット4を構成する種々の光学部品が装着され、これにより各光学部品は、ライトガイド40内に設定された照明光軸上に精度よく配置される。上ライトガイド402は、この下ライトガイド401に応じた平面形状を有し、下ライトガイド401の上面を塞ぐ蓋状部材として構成される。
また、下ライトガイド401の光束射出側端部には、金属製の側面略L字状のヘッド体403が配置され、このヘッド体403のL字水平部分には、後述する光学装置44が取り付けられるとともに、L字垂直部分には、投写レンズ3の基端部分が接合固定される。
【0027】
このようなライトガイド40内は、図7に示されるように、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光変調光学系および色合成光学系を一体化した光学装置44とに機能的に大別される。尚、本例における光学ユニット4は、三板式のプロジェクタに採用されるものであり、ライトガイド40内で光源から射出された白色光を三色の色光に分離する空間色分離型の光学ユニットとして構成されている。
インテグレータ照明光学系41は、光源から射出された光束を照明光軸直交面内における照度を均一にするための光学系であり、光源装置411、平行化凹レンズ412、第1レンズアレイ413、第2レンズアレイ414、偏光変換素子415、および重畳レンズ416を備えて構成される。
【0028】
光源装置411は、放射光源としての光源ランプ417、リフレクタ418、およびリフレクタ418の光束射出面を覆うフロントガラス419を備え、光源ランプ417から射出された放射状の光線を、平行化凹レンズ412及びリフレクタ418で反射して略平行光線とし、外部へと射出する。本例では、光源ランプ417として高圧水銀ランプを採用しているが、これ以外にメタルハライドランプやハロゲンランプを採用することもある。また、本例では、楕円面鏡からなるリフレクタ418の射出面に平行化凹レンズ412を配置した構成を採用しているが、リフレクタ418として放物面鏡を採用することもできる
【0029】
第1レンズアレイ413は、照明光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備している。各小レンズは、光源ランプ417から射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸方向に射出する。各小レンズの輪郭形状は、後述する液晶パネル441R、441G、441Bの画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定される。例えば、液晶パネル441R、441G、441Bの画像形成領域のアスペクト比(横と縦の寸法の比率)が4:3であるならば、各小レンズのアスペクト比も4:3に設定される。
第2レンズアレイ414は、第1レンズアレイ413と略同様の構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備する。この第2レンズアレイ414は、重畳レンズ416とともに、第1レンズアレイ413の各小レンズの像を液晶パネル441R、441G、441B上に結像させる機能を有する。
【0030】
偏光変換素子415は、第2レンズアレイ414からの光を1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、光学装置44での光の利用率が高められている。
具体的に、偏光変換素子415によって1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ416によって最終的に光学装置44の液晶パネル441R、441G、441B上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル441R、441G、441Bを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプ417からの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子415を用いることにより、光源ランプ417から射出された光束を全て1種類の偏光光に変換し、光学装置44における光の利用効率を高めている。なお。このような偏光変換素子415は、例えば、特開平8−304739号公報に紹介されている。
【0031】
色分離光学系42は、インテグレータ照明光学系41から射出された光束を曲折する反射ミラー421と、2枚のダイクロイックミラー422,423と、反射ミラー424とを備え、ダイクロイックミラー422、423によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を有している。尚、本例では、反射ミラー424は、下ライトガイド401に対して姿勢を調整することができるようになっている。
リレー光学系43は、入射側レンズ431と、リレーレンズ433と、反射ミラー432、434とを備え、色分離光学系42で分離された色光である赤色光を液晶パネル441Rまで導く機能を有している。
【0032】
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー422では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束のうち、赤色光成分と緑色光成分とは反射し、青色光成分は透過する。ダイクロイックミラー422によって透過した青色光は、反射ミラー424で反射し、フィールドレンズ425を通って、青色用の液晶パネル441Bに到達する。このフィールドレンズ425は、第2レンズアレイ414から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441G、441Rの光入射側に設けられたフィールドレンズ425も同様である。
【0033】
また、ダイクロイックミラー422を反射した赤色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー423によって反射し、フィールドレンズ425を通って、緑色用の液晶パネル441Gに到達する。一方、赤色光は、ダイクロイックミラー423を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ425を通って、赤色光用の液晶パネル441Rに到達する。
なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ425に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
【0034】
光学装置44は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、色分離光学系42で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板442と、各入射側偏光板442の後段に配置される光変調装置としての液晶パネル441R、441G、441Bと、各液晶パネル441R、441G、441Bの後段に配置される視野角補正板443および射出側偏光板444と、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム445とを備える。
【0035】
液晶パネル441R、441G、441Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、図8に示されるように、液晶パネル441Gを例に取れば、パネル本体4411と、このパネル本体4411を収納する保持枠4412とを備えている。尚、以下の説明では、液晶パネル441R、441Bについては特段言及しないが、液晶パネル441Gと略同様の構成である。
パネル本体4411は、図示を略したが、対向配置される一対の透明基板内に液晶が密封封入されたものであり、一対の透明基板の入射側及び射出側には防塵ガラスが貼り付けられている。
保持枠4412は、パネル本体4411を収納する凹部を有する部材であり、その四隅部分には、孔4413が形成されている。
【0036】
このような液晶パネル441R、441G、441Bの前段に配置される入射側偏光板442(図7参照)は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイアガラス等の基板に偏光膜が貼付されたものである。また、基板を用いずに、偏光膜をフィールドレンズ425に貼り付けてもよい。
視野角補正板443は、基板上に液晶パネル441Gで形成された光学像の視野角を補正する機能を有する光学変換膜が形成されたものであり、このような視野角補正板443を配置することにより、投写画像の視野角が拡大され、かつ投写画像のコントラストが大幅に向上する。
【0037】
射出側偏光板444は、液晶パネル441Gで光変調された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、本例では、2枚の第1偏光板(プリポラライザ)444P及び第2偏光板(アナライザ)444Aから構成されている。このように射出側偏光板444を2枚構成としたのは、入射する偏光光を、第1偏光板444P、第2偏光板444Aのそれぞれで按分させて吸収することにより、偏光光で発生する熱を両偏光板444P、444Aで按分させ、それぞれの過熱を抑えるためである。
【0038】
クロスダイクロイックプリズム445は、射出側偏光板444から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。
クロスダイクロイックプリズム445には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
このクロスダイクロイックプリズム445の下面には、プリズム固定板4451が紫外線硬化型接着剤により固着されている。このプリズム固定板4451は、クロスダイクロイックプリズム445の対角線に沿って伸びる脚部4452を備え、各脚部4452の先端部分には孔4453が形成されている。
そして、光学装置44は、この孔4453部分に挿入される不図示のねじ等によって前述したヘッド体403のL字水平分に接合固定される。
【0039】
前述した液晶パネル441G、視野角補正板443、第1偏光板444P及び第2偏光板444Aは、パネル固定板446を介してクロスダイクロイックプリズム445の光束入射端面に固定される。
パネル固定板446は、平面視略C字形状の固定部本体4461と、この固定部本体4461の先端側に腕部4462を介して突設されるピン4463とを備える。このうち、固定部本体4461のC字先端側縁には、視野角補正板443が固定される台座4464と、C字先端側縁に沿って延出し、視野角補正板443の外形位置基準となる位置決め部4464Aが形成されている。
そして、液晶パネル441G、視野角補正板443、第1偏光板444P及び第2偏光板444Aを、パネル固定板446によってクロスダイクロイックプリズム445の光束入射端面に固定する場合、まず、固定部本体4461のC字内側の空間に第1偏光板444P、第2偏光板444Aを挿入し、バネ部材4465によって該空間内に、これら偏光板444P、444Aが一定距離離間配置するように付勢しながら固定する。
【0040】
次に、視野角補正板443の外形位置を位置決め部4464Aにて合わせながら、視野角補正板443の端面を台座4464に熱伝導性テープまたは接着剤で貼り付けた後、クロスダイクロイックプリズム445の光束入射端面にパネル固定板446を固定する。
そして、パネル固定板446のピン4463に紫外線硬化型接着剤を塗布した後、未硬化の状態で液晶パネル441Gの孔4413を挿通する。
同様の手順で液晶パネル441R、441Bも、紫外線硬化型接着剤が未硬化の状態でパネル固定板446に仮止めしておき、各液晶パネル441R、441G、441Bに赤、青、緑の各色光を導入し、クロスダイクロイックプリズム445の光束射出端面から射出された各色光を観察しながら、液晶パネル441R、441G、441B相互の位置調整を行い、位置調整が終了したら、紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して、液晶パネル441R、441G、441Bの位置決め固定を行う。
【0041】
(2-2)制御基板5の構造
制御基板5は、図4及び図5に示すように、光学ユニット4の上側を覆うように配置され、2段に積層配置されるメイン基板51を備え、上段側基板511には、演算処理装置等の制御部本体が実装され、下側基板512には、各液晶パネル441R、441G、441Bの駆動用ICが実装されている。また、この制御基板5は、図示を略したが、このメイン基板51の後端側で接続され、外装ケース2の筐体背面部11D、12Dに起立するインターフェース基板を備えている。
インターフェース基板の背面側には、前述したコネクタ群15が実装されていて、コネクタ群15から入力する画像情報は、このインターフェース基板を介してメイン基板51に出力される。
メイン基板51上の演算処理装置は、入力した画像情報を演算処理した後、液晶パネル駆動用ICに制御指令を出力する。駆動用ICは、この制御指令に基づいて駆動信号を生成出力して液晶パネル441R、441G、441Bを駆動させ、これにより、画像情報に応じて光変調を行って光学像が形成される。
【0042】
(2-3)電源ブロック6の構造
電源ブロック6は、光学ユニット4に隣接して、プロジェクタ1の外装ケース2の投写方向に沿って延出して設けられ、図示を略したが、電源ユニット及びランプ駆動ユニットを備えている。
電源ユニットは、前述したインレットコネクタ17に接続された電源ケーブルを通して外部から供給された電力をランプ駆動ユニットや制御基板5等に供給するものである。
ランプ駆動ユニットは、前述した光源装置411に安定した電圧で電力を供給するための変換回路であり、電源ユニットから入力した商用交流電流は、このランプ駆動ユニットによって整流、変換されて、直流電流や交流矩形波電流となって光源装置411に供給される。
このような電源ブロック6の前方には、図3に示すように、排気ファン61が設けられており、プロジェクタ1内部の各構成部材を冷却した空気は、この排気ファン61によって集められ、外装ケース2の開口部28から装置外部に排出される。
【0043】
(2-4)冷却構造
このようなプロジェクタ1内部は、光源装置411や電源ブロック6の発熱により加熱されるため、内部に冷却空気を循環させて、光源装置411、光学装置44、電源ブロック6を効率的に冷却させる必要がある。このため、本例では、図9に示されるように3つの冷却流路C1、C2、C3が設定されている。
冷却流路C1は、インテグレータ照明光学系41を構成する光源装置411及び偏光変換素子415を冷却する流路であり、図2における吸気用開口部24の装置内部に設けられるシロッコファン71で吸引した冷却空気を、ダクト72によってライトガイド40の光源収納部401Aの側方から光源装置411、偏光変換素子415に供給し、これらを冷却する。冷却後の空気は、排気ファン61によって吸引され、プロジェクタ1の外部に排出される。
【0044】
冷却流路C2は、光変調及び色合成を行う光学装置44を冷却する流路であり、図2におけるフィルタ23が設けられた位置に形成される吸気用開口部の装置内側に設けられるシロッコファン(後述)で吸引した冷却空気を、光学装置44の下方から上方に向かって供給して、前記の液晶パネル441R、441G、441Bや、入射側偏光板442、視野角補正板443、射出側偏光板444を冷却する。冷却後の空気は、メイン基板51の下面及びアッパーケース11の筐体上面部11Aに沿って流れ、メイン基板51に実装された回路素子を冷却しながら、排気ファン61によって外部に排出される。
【0045】
冷却流路C3は、電源ブロック6を冷却する流路であり、電源ブロック6の後端側に設けられる吸気ファン62により、アッパーケース11の筐体側面部11Bに形成された開口部112、ロアーケース12の筐体側面部12Bに形成された開口部122から冷却空気を取り込み、取り込まれた冷却空気の一部は、電源ユニット及びランプ駆動ユニットに供給され、これらを冷却した後、排気ファン61によって外部に排出される。
【0046】
(3)ランプ駆動ユニットの構造
前述した電源ブロック6を構成する光源駆動回路としてのランプ駆動ユニット9は、図10に示すように、電源ユニットから入力される直流電流を、交流矩形波電流に変換して、光源ランプ417を点灯させる回路であり、ダウンチョッパ91、インバータブリッジ92、イグナイタ93、制御手段としてのコントローラ94、及びメモリ95を備えて構成される。
ダウンチョッパ91は、略300〜400Vで入力する直流電圧を、光源ランプ417の点灯に適した略50〜150Vに降下させる回路であり、直列接続されるコイル911及びダイオード912と、これらの素子から分岐して接続されるトランジスタ913及びコンデンサ914とを備えている。
【0047】
コイル911、ダイオード912、及びコンデンサ914は、入力する直流電流の高周波成分を除去したり、整流したり、入力される直流電圧を定電力にする素子として機能する。
トランジスタ913は、コイル911及びダイオード912と接続される側とは反対側がグランドに接続されており、このトランジスタ913をスイッチング素子として利用することにより、入力した直流電流の一部がグランドに流れて、電圧が降下する。具体的には、このトランジスタ913のスイッチングスピード及び時定数を制御することにより、入力した直流電圧を、所望の電圧に降下させることができる。
【0048】
インバータブリッジ92は、直流電流を交流矩形波電流に変換する部分であり、一対のトランジスタ921及び一対のトランジスタ922を備えたブリッジ回路として構成され、光源ランプ417は、トランジスタ921及びトランジスタ922の間に接続されている。
このブリッジ回路には、ダウンチョッパ91を経て整流された直流電流が入力され、トランジスタ921及びトランジスタ922にパルス信号を与えると、一対のトランジスタ921を含む経路と、一対のトランジスタ922を含む経路とが交互に短絡して電流が流れ、これにより、その間に接続された光源ランプ417に交流矩形波電流が流れるようになる。
【0049】
イグナイタ93は、光源ランプ417の電極間の絶縁破壊を行って、光源ランプ417の始動を促す回路として構成され、ダウンチョッパ91及びインバータブリッジ92を含む点灯装置と、光源ランプ417の間に、光源ランプ417と並列となるように接続されている。
このイグナイタ93は、本例では、図示を略したが、高圧パルス発生回路及びこの高圧パルス発生回路が一次側に接続されるパルストランスを備え、高圧パルス発生回路で発生した高電圧パルスを、パルストランスの二次側で昇圧し、昇圧した電圧を光源ランプ417に印加することにより、光源ランプ417の電極間の絶縁が破壊され、電気的導通が確保されて光源ランプ417が点灯を開始する。
【0050】
コントローラ94は、前述したダウンチョッパ91、インバータブリッジ92、及びイグナイタ93を制御する部分である。このコントローラ94は、4ビットのマイコンチップとして構成され、内部で実行可能なプログラムとして動作するチョッパ制御部941、インバータ制御部942、イグナイタ制御部943、点灯モード設定部944、及び点灯起動検出部945を備えている。
定格電力付与部としてのチョッパ制御部941は、ダウンチョッパ91の動作制御を行って光源ランプ417に定格電力を付与したり、これよりも少ない電力を付与して光源ランプの点灯を制御する部分であり、具体的には、ダウンチョッパ91のスイッチング素子として働くトランジスタ913に対してパルス信号を出力して制御する。
【0051】
インバータ制御部942は、インバータブリッジ92の動作制御を行う部分であり、トランジスタ921及びトランジスタ922に対して同じパルス信号を出力してトランジスタ921、922のスイッチングを制御する。
イグナイタ制御部943は、イグナイタ93の動作制御を行う部分であり、プロジェクタ1に起動操作信号が入力させると、前述したイグナイタ93に制御信号を出力して、イグナイタ93を動作させる。
【0052】
点灯モード設定部944は、光源ランプ417を定格電力で点灯させるか、省電力モードで点灯させるかを設定する部分であり、詳しくは後述するが、プロジェクタ1の操作者が操作パネル14上の操作ボタンを操作することにより設定された点灯モードを取得し、チョッパ制御部941に点灯モードに応じた制御を行うように促す。
点灯起動検出部945は、光源ランプ417の点灯起動がされたか否かを検出する部分であり、この点灯起動検出部945が起動を検出すると、点灯モード設定部944に設定されている点灯モードを取得するように促すとともに、イグナイタ制御部943にイグナイタ93を駆動させる制御を行うように促す。
メモリ95は、前述したチョッパ制御部941、インバータ制御部942、イグナイタ制御部943、点灯モード設定部944、及び点灯起動検出部945の各プログラムを格納する記憶領域として設定され、これらのプログラムは、プロジェクタ1の起動とともにコントローラ94上に呼び出されて機能する。
【0053】
(4)光源ランプ417の点灯制御方法
次に、前述した構造のプロジェクタ1における光源ランプ417の点灯制御方法を、図11に示されるフローチャートに基づいて説明する。
(4-1)操作者によりプロジェクタ1の操作パネル14の電源スイッチが押されると、メモリ95からコントローラ94に、前述したチョッパ制御部941、インバータ制御部942、イグナイタ制御部943、点灯モード設定部944、点灯起動検出部945がプログラムとして呼び出され、光源ランプ417の点灯準備を行い、点灯起動検出部945が電源スイッチが起動されたことを検出し(処理S1)、イグナイタ制御部943に制御指令を出力し、イグナイタ制御部943は、この指令に基づいてイグナイタ93の駆動制御を開始する。
【0054】
(4-2)点灯モード設定部944は、メモリ95に記録された前回の点灯モード設定がどのような設定であったかを判定し(処理S2)、前回設定に応じた点灯制御をするように、チョッパ制御部941に制御指令を出力する。
(4-3)前回の点灯モードが定格電力モードであると判定された場合、チョッパ制御部941に制御指令を出力し、チョッパ制御部941は、これに基づいて、ダウンチョッパ91に定格電力を出力するような駆動制御を行う(処理S3)。
(4-4)一方、前回の点灯モードが省電力モードであると判定された場合でも、起動当初、チョッパ制御部941は、ダウンチョッパ91に定格電力を出力をするような駆動制御を行う(処理S4)。ここで、上記処理S3、S4における起動当初のダウンチョッパ91による光源ランプ417は、電力の供給は、図12のグラフG1に示されるように、起動開始から一定の時間をかけて直線状に増加するような方法を採用する。
【0055】
(4-5)点灯モード設定部944は、起動開始からコントローラ94に付設されるタイマ回路により時間を計測し、光源ランプ417が定格電力で点灯する時間が1分経過したか否かを判定する(処理S5)。ここで、本例における1分という時間は、光源ランプ417のハロゲンサイクルが適切となる時間として設定されたものであり、光源ランプ417の種類、仕様に応じて適宜変更することができる。
(4-6)点灯モード設定部944が1分経過したと判定すると、点灯モード設定部944は、省電力モードで光源ランプ417を点灯させるよう、チョッパ制御部941に制御指令を出力する(処理S6)。チョッパ制御部941は、この制御指令に基づいて、ダウンチョッパ91のトランジスタ913にパルス信号を出力して、ダウンチョッパ91に入力する直流電流の一部をグランド側に流して、定格電力よりも少ない電力を光源ランプ417に供給する。この移行に際、チョッパ制御部941は、瞬時に省電力モードに移行するような制御ではなく、図12のグラフG1の右側部分のように移行に1秒間以上かけるような移行を行う。
【0056】
(4-7)このようにしてダウンチョッパ91を制御することにより、光源ランプ417は、設定された点灯モードに応じて点灯される(処理S7)。この間、点灯モード設定部944は、操作パネル14の操作により点灯モードが変更されたか否かを監視する(処理S8)。
(4-8)点灯モード設定部944が点灯モードの変更を検出すると、前記と同様に変更された点灯モードへの移行を開始する(処理S9)。例えば、省電力モードから定格電力モードに移行するような変更があった場合、図13に示されるグラフG2のように、1秒以上の時間をかけて省電力モードから定格電力への移行を行う。尚、操作パネル14の操作による点灯モードは、操作パネル14内に設けられるメニューボタンが押されると、図14に示されるメニュー画面G3が投写画面上に表示され、そのメニュー画面中のG4部分にカーソルを移動させ、選択することにより変更することができる。また、プロジェクタ1の起動中変更された点灯モードは、メモリ95内に記録保存され、次回起動時の点灯モードとして使用される。
【0057】
(5)実施形態の効果
前述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(5-1)光源ランプ417の点灯起動時、定格電力付与部としてのチョッパ制御部941により、1分間光源ランプ417が定格電力で点灯するため、放電管の電極が十分に加熱され、適切なハロゲンサイクルを確保することができる。従ってその後、省電力モードに移行しても、放電管の発光により内部の温度が保持されるので、ハロゲンサイクルが維持され、光源ランプ417を省電力モード及び定格電力モードのいずれでも点灯させることが可能となり、かつ光源ランプ417を適切なハロゲンサイクルの状態で点灯させることができるため、光源ランプ417の長寿命化を図ることができる。
【0058】
(5-2)点灯モード間の切り換えを1秒以上の時間をかけて行うことにより、光源ランプ417の電極放電面の凹凸の発生を防止することができるため、アークジャンプによる発光のちらつきを防止して、プロジェクタ1の画面の明るさのちらつきを防止することができる。また、移行に際して電力の変化を直線的に行っているため、点灯モードの移行をスムースに行うことができる。
(5-3)ランプ駆動ユニット9がインバータブリッジ92を備えていることにより、入力される直流電流を交流矩形波電流に変換して、光源ランプ417を点灯させることができるため、光源ランプ417として交流駆動式のものを採用することができ、直流式の光源に比較して明るく発光させることができる。
【0059】
(5-4)チョッパ制御部941、インバータ制御部942、イグナイタ制御部943、点灯モード設定部944、及び点灯起動検出部945がコントローラ94内で動作するプログラムとして構成されているため、ダウンチョッパ91、インバータブリッジ92、イグナイタ93等の構造に変更があっても、プログラムを修正変更するだけで対応することができ、これらの制御を行うに際して、大きな構造上の変更をする必要がない。
(5-5)このようにプロジェクタ1の光源ランプ417を省電力モードで点灯させることにより、プロジェクタ1内部の温度上昇を少なくすることができるため、ファン61、62、71の回転数を落として運転することができ、プロジェクタ1の静粛性を向上することができ、ホームシアター用途として好適である。
【0060】
(6)実施形態の変形
尚、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含むものである。
前記実施形態では、省電力モード及び定格電力モード間の移行を1秒以上の時間をかけて直線的に変化させていたが、本発明は、これに限られない。すなわち、図15に示されるグラフG5のように、移行を段階的に徐々に変化させるような移行方法を採用してもよく、図16に示されるグラフG6のように、移行を曲線的に変化させるような移行方法を採用してもよい。このような移行方法は、チョッパ制御部941から出力されるパルス信号のパルス幅、パルス周期、パルス振幅を適宜設定することにより、種々変更することができる。グラフG5のような移行方法であれば、デジタル的に移行しているため、マイコン等による制御に好適である。
【0061】
また、前記実施形態では、点灯モードが定格電力モード、省電力モードの2段階しか設定されていなかったが、本発明はこれに限られない。すなわち、複数の省電力モードを備えている場合にも、本発明を採用することができ、前記と同様の作用及び効果を享受することができる。
さらに、前記実施形態では、光変調を行う装置として液晶パネル441R、441G、441Bを採用していたが本発明はこれに限られない。すなわち、マイクロミラーを用いた光変調装置や、他の変調方法の光変調装置を備えたプロジェクタに本発明を採用してもよい。
【0062】
そして、前記実施形態では、プロジェクタ1に本発明に係る光源駆動回路を利用していたが、本発明はこれに限られず、要するに、放電管からなる光源を備えた機器であれば本発明を採用することができ、前記と同様の作用及び効果を享受できる。
また、前記実施形態では、チョッパ制御部941、点灯モード設定部944を含む種々の制御をコントローラ94内に展開されるプログラムとして構成していたが、本発明はこれに限らず、例えば、基板上に種々の回路素子を実装して構成することもできる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るプロジェクタの外観構成を表す概要斜視図。
【図2】前記実施形態におけるプロジェクタの外観構成を表す概要斜視図。
【図3】前記実施形態におけるプロジェクタの内部構成を表す概要斜視図。
【図4】前記実施形態におけるプロジェクタの内部構成を表す概要斜視図。
【図5】前記実施形態におけるプロジェクタの内部構成を表す概要斜視図。
【図6】前記実施形態における光学ユニットを収納するライトガイドの構造を表す概要斜視図。
【図7】前記実施形態における光学ユニット構造を表す模式図。
【図8】前記実施形態における光学装置の構造を表す概要斜視図。
【図9】前記実施形態における冷却流路を表す概要斜視図。
【図10】前記実施形態における光源駆動回路の構造を表す模式図。
【図11】前記実施形態における作用を説明するためのフローチャート。
【図12】前記実施形態における点灯起動時の光源への供給電力の変化を表すグラフ。
【図13】前記実施形態における点灯モード変更時の供給電力の変化を表すグラフ。
【図14】前記実施形態における点灯モードの変更画面を表す模式図。
【図15】前記実施形態の変形となる供給電力の変化を表すグラフ。
【図16】前記実施形態の変形となる供給電力の変化を表すグラフ。
【符号の説明】
1…プロジェクタ、9…ランプ駆動ユニット(光源駆動回路)、417…光源ランプ(光源)、94…コントローラ(制御手段)、941…チョッパ制御部(定格電力付与部)、944…点灯モード設定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電管からなる光源を駆動し、該光源を定格電力及び省電力で点灯させる複数の点灯モードに切り換える制御手段を備えた光源駆動回路、この光源駆動回路を備えたプロジェクタ、放電管からなる光源を駆動し、該光源を定格電力及び省電力で点灯させる複数の点灯モードに切り換える制御手段を備えた光源駆動回路で実施され、光源の点灯を制御する光源の点灯制御方法、及びプログラムに関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し、拡大投写するプロジェクタが利用されており、近年、このようなプロジェクタは、企業におけるパーソナルコンピュータでプレゼンテーションを行ったり、家庭内で映画等を見たり、種々の用途に用いられている。
ここで、企業等におけるプレゼンテーションでは、遠くにいる観察者に対しても投写画像がよく見えるように、光源を高輝度で点灯させる必要がある一方、家庭内では、比較的近接した距離で観察するので、プレゼンテーションの場合のように高輝度に点灯させる必要がない。
このため、近年のプロジェクタでは、プレゼンテーション用の定格電力モード、ホームシアター用途の省電力モードの複数種類で光源を点灯させ、いずれの用途にも適用できるようになってきている。
一方、このようなプロジェクタに使用される光源として、高輝度及び安定発光をさせるために、放電管内にハロゲンガスを封入した高圧水銀ランプや、メタルハライドランプが採用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平11−297268号公報(〔0002〕段落)
【特許文献2】
特開平9−274886号公報(〔0003〕段落)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1及び特許文献2に示されるような光源において、省電力モードで点灯を開始させると、初めから定格電力を下回る電力で光源を点灯させることとなるため、電極が十分に暖められず、適切なハロゲンサイクルを確保できず、放電管の黒色化等により光源の寿命が少なくなる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、定格電力モード及び省電力モードに対応でき、光源の長寿命化を図ることのできる光源駆動回路、プロジェクタ、光源の点灯制御方法、及びこの方法を実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の光源駆動回路は、放電管からなる光源を駆動し、該光源を定格電力及び省電力で点灯させる複数のモードに切り換える制御手段を備えた光源駆動回路であって、前記制御手段は、前記複数の点灯モードのいずれかに設定する点灯モード設定部と、前記光源の点灯開始時、前記放電管のハロゲンサイクルが安定するまで、該光源に定格電力を与える定格電力付与部とを備え、前記放電管のハロゲンサイクルの安定化後、前記点灯モード設定部で設定された点灯モードに移行することを特徴とする。
【0007】
ここで、光源としては、放電方式の発光体であれば種々のものを採用することができ、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ等を採用することができる。
また、制御手段は、光源駆動回路上に実装されるマイクロコンピュータとして構成することができ、前記機能を達成するのであれば、4ビット程度のマイコンを採用することができる。
【0008】
この発明によれば、光源の点灯開始時、定格電力付与部により、一定時間光源が定格電力で点灯されるため、放電管の電極が十分に加熱され、適切なハロゲンサイクルを確保することができる。従って、その後、省電力モードに移行しても、放電管の発光により、内部の温度が保持されるので、ハロゲンサイクルが維持され、光源を省電力モード、定格電力モードのいずれにも対応することができ、かつ光源の長寿命化を図ることができる。
【0009】
本発明では、複数の点灯モード間の移行は、1秒以上の時間をかけて行われるのが好ましい。
ここで、点灯モード間の移行方法としては、次に示されるような方法が考えられる。
(1)移行時の電力を段階的に変化させて点灯モード間の移行を行うことが考えられる。
(2)移行時の電力を直線的に変化させて点灯モード間の移行を行うことが考えられる。
(3)移行時の電力を、時間とともに電力の変化率を変えて曲線的に変化させて行われることが考えられる。
【0010】
これらの発明によれば、点灯モード間の切り換えを1秒以上の時間をかけて行っているため、プロジェクタ等の光源として使用した際、画面の明るさのちらつきを防止することができる。
すなわち、時間をかけずに瞬時に点灯モード間の切り換えを行うと、放電管の電極の温度分布が変わり、放電ポイントが変化することにより、アークのちらつきが生じ、これに伴い画面にちらつきが生じてしまう。これらの発明では、1秒という時間をかけて徐々に点灯モード間の移行を行っているので、電極の放電面に凹凸が形成されることがなく、画面のちらつきを防止することができる。
また、(1)のような移行方法を採用することにより、電力の変化がデジタル的に行われるため、マイコン等で制御する際に好適である。
さらに、(2)、(3)のような移行方法を採用することにより、電力の変化が連続的に行われるため、移行をスムースに行うことができる。
【0011】
本発明では、光源駆動回路入力される直流電流を交流電流に変換するインバータブリッジを備えているのが好ましい。
ここで、インバータブリッジを構成する回路素子としては、トランジスタや電界効果トランジスタを採用することができる。
この発明によれば、インバータブリッジを備えることにより、交流駆動式の光源を採用することができるため、直流式の光源に比較して光源を明るく発光させることができる。
【0012】
本発明のプロジェクタは、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、該光学像を拡大投写するプロジェクタであって、前述したいずれかの光源駆動回路を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、前述の通り、光源の定格モード及び省電力モードに対応でき、かつ光源の長寿命化を図ることのできるプロジェクタとすることができる。また、このように光源を省電力モードで点灯させることができるため、プロジェクタ内部の温度上昇を少なくすることができ、プロジェクタ内部の冷却ファンの回転数を落として運転させることができ、プロジェクタの静粛性が向上する。
【0013】
本発明の光源の点灯制御方法は、放電管からなる光源を駆動し、該光源を定格電力及び省電力で点灯させる複数の点灯モードに切り換える制御手段を備えた光源駆動回路で実施され、前記光源の点灯を制御する光源の点灯制御方法であって、前記制御手段が、前記複数の点灯モードのいずれかを設定するステップと、前記光源の点灯時、前記放電管のハロゲンサイクルが安定するまで、前記光源に定格電力を与えるステップと、前記放電管のハロゲンサイクルの安定化後、前記点灯モード設定ステップで設定された点灯モードに移行するステップとを実施することを特徴とする。
本発明のコンピュータ読み取り可能なプログラムは、前記各ステップを光源駆動回路の制御手段に実行させることを特徴とする。
これらの発明によっても、前述した作用及び効果と同様の作用及び効果を享受することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
(1)外観構成
図1および図2には、本発明の実施形態に係るプロジェクタ1が示されており、図1は上方前面側から見た斜視図であり、図2は下方背面側から見た斜視図である。
このプロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し、スクリーン等の投写面上に拡大投写する光学機器であり、後述する光学ユニットを含む装置本体を内部に収納する外装ケース2および外装ケース2から露出する投写レンズ3を備えている。このプロジェクタ1は、大型店舗内や、パブリックスペース等に設置され、投写画像を大画面表示することによって、多数の観察者に映像情報を提供するものである。
投写レンズ3は、後述する光変調装置としての液晶パネルにより光源から射出された光束を画像情報に応じて変調形成された光学像を拡大投写する投写光学系としての機能を具備するものであり、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成される。
【0015】
筐体としての外装ケース2は、投写方向に沿った奥行き寸法がこれに直交する幅方向寸法よりも大きな直方体形状をなし、装置本体を覆う面状体10と、ケース強度を負担する後述するフレーム体とを備えて構成されている。
面状体10は、装置本体の上部を覆うアッパーケース11と、装置本体の下部を覆うロアーケース12と、装置本体の前面部分を覆うフロントケース13とを備えている。これら各ケース11〜13は、射出成形等によって成形された合成樹脂製の一体成形品である。
【0016】
アッパーケース11は、装置本体の上部を覆う筐体上面部11Aと、この筐体上面部11Aの幅方向端部から略垂下する筐体側面部11B、11Cと、筐体上面部11Aの後端部から略垂下する筐体背面部11Dとを備えている。
このアッパーケース11の筐体上面部11Aと、筐体側面部11B、11Cとが交差する稜線部分には、プロジェクタ1の投写方向略中央から後端側に向かって面取加工が施され、稜線に沿って凹状にへこんだ凹部111が形成されている。この凹部111は、プロジェクタ1を2台スタックさせた際に、2台のプロジェクタ1を連結するパイプ状の支持部材を挿入するために形成されている。
また、筐体側面部11Bには、冷却空気導入用のスリット状の開口部112が形成されている。
【0017】
筐体上面部11Aの略中央部分には、プロジェクタ1の起動・調整操作を行うための操作パネル14が設けられている。この操作パネル14は、起動スイッチ、画像・音声等の調整スイッチを含む複数のスイッチを備え、プロジェクタ1による投写時には、操作パネル14中の調整スイッチ等を操作することにより、画質・音量等の調整を行うことができる。
また、筐体上面部11Aの投写方向前方には、複数の孔141が形成されていて、この内部には、後述する音声出力用のスピーカが収納されている。
これら操作パネル14およびスピーカは、後述する装置本体を構成する制御基板と電気的に接続され、操作パネル14による操作信号はこの制御基板で処理される。
【0018】
筐体背面部11Dは、ほぼ全面が開口された枠状に構成され、この開口部分には、画像信号等を入力するためのコネクタ群15が露出するとともに、その隣は、光源装置を収納する開口部とされ、通常は、光源装置収納用の蓋部材16によって覆われている。尚、コネクタ群15は、後述する制御基板と電気的に接続され、コネクタ群15を介して入力した画像信号は、制御基板によって処理される。
また、筐体上面部11Aの後端部及び筐体背面部11Dの上端部分は、アッパーケース11から脱着可能な蓋部材113が取り付けられていて、詳しくは後述するが、この蓋部材113内部には、LANボード等の拡張基板を挿入することができるようになっている。
【0019】
ロアーケース12は、アッパーケース11との係合面を中心としてアッパーケース11と略対称に構成され、筐体底面部12A、筐体側面部12B、12C、および筐体背面部12Dを備えている。
そして、筐体側面部12B、12C、および筐体背面部12Dは、その上端部分でアッパーケース11の筐体側面部11B、11C、及び筐体背面部11Dの下端部分と係合する。尚、筐体背面部12Dは、アッパーケース11の筐体背面部11Dと同様に、ほぼ全面が開口され、係合後の開口部分から前述したコネクタ群15が露出するとともに、両開口部分に跨って蓋部材16が取り付けられる。
また、筐体背面部12Dの角隅部には、さらに開口部が形成されており、この開口部からインレットコネクタ17が露出している。さらに、筐体側面部12Bには、アッパーケース11の筐体側面部11Bに形成された開口部112に応じた位置に開口部122が形成されている。
【0020】
筐体底面部12Aには、プロジェクタ1の後端側略中央に固定脚部18が設けられているとともに、先端側幅方向両端に調整脚部19が設けられている。
調整脚部19は、筐体底面部12Aから面外方向に進退自在に突出する軸状部材から構成され、軸状部材自体は、外装ケース2の内部に収納されている。このような調整脚部19は、プロジェクタ1の側面部分に設けられる調整ボタン191を操作することにより、筐体底面部12Aからの進退量を調整することができる。
これにより、プロジェクタ1から射出された投写画像の上下位置を調整し、適切な位置に投写画像を形成することができるようになる。
【0021】
また、筐体底面部12Aには、筐体底面部12Aの略中央に投写方向に沿って延びる凸条のリブ状部20と、このリブ状部20と直交するようにプロジェクタ1の幅方向に沿って延びる複数のリブ状部21、22とが形成されている。そして、中間部分の2本のリブ状部21の間には、詳しくは後述するが、外部から冷却空気を取り込むための吸気用開口部が形成されていて、フィルタ23によって覆われている。このフィルタ23で塞がれた吸気用開口部の後端側には、やはり冷却空気取り込み用の吸気用開口部24が形成されているが、フィルタで覆われる構成とはなっていない。
プロジェクタ1の幅方向に沿って延びるリブ状部21、22の端部には、ねじ孔21Aが4箇所形成されている。このねじ孔21Aには、プロジェクタ1を天井吊り下げとした場合の天井吊り下げ用の金具が装着される。
さらに、筐体底面部12Aの装置後端側端縁には、係合部26が形成されており、この係合部26には、前述したコネクタ群15を覆って塵埃等がこれらに付着することを防止するためのカバー部材が取り付けられるようになっている。
【0022】
フロントケース13は、前面部13Aおよび上面部13Bを備えて構成され、前面部13Aの外周部分には、面外方向に延びるリブ13Cが形成されており、アッパーケース11、ロアーケース12の投写方向先端側とこのリブ13Cが係合する。
前面部13Aは、ロアーケース12の筐体底面部12Aからアッパーケース11の筐体上面部11Aに向かって装置後端側に傾斜しており、投写面から遠ざかるように傾斜している。このようにしたのは、プロジェクタ1を天井吊り下げにした際に、フロントケース13の前面部13Aが下面を向くので、フロントケース13に塵埃が付着しにくくなるためであり、通常設置の状態よりもメンテナンスしにくい天井吊り下げの場合を考慮したためである。
【0023】
このような前面部13Aの略中央部分には開口部27が形成されており、この開口部27からは投写レンズ3が露出する。
この開口部27には、隣接してスリット状の開口部28が形成されており、プロジェクタ1の装置本体内部を冷却した空気は、この開口部28から排出される。
さらに、前面部13Aの角隅部近傍には、孔29が形成されており、この孔29からは、不図示のリモートコントローラの操作信号を受信するための受光部30がある。
尚、本例においては、プロジェクタ1の背面側にも受光部30が設けられており、図2に示されるようにアッパーケース11の筐体背面部11Dの角隅部に受光部30がある。これにより、リモートコントローラを使用する場合、装置前面側、装置背面側のいずれの方向からもリモートコントローラの操作信号を受信することができるようになっている。
【0024】
上面部13Bは、アッパーケース11の筐体上面部11Aの略中央まで延出し、具体的には図示を略したが、投写レンズ3の基端部近傍まで達している。このようにしたのは、投写レンズ3を変更する際に、フロントケース13を取り外すだけで投写レンズ3を交換できるようにするためであり、アッパーケース11およびロアーケース12からフロントケース13を取り外すと、上面部13Bが外れて開口され、投写レンズ3の基端部取付部分が露出するようになっている。
【0025】
(2)内部構成
このような外装ケース2の内部には、図3〜図5に示されるように、プロジェクタ1の装置本体が収納されており、この装置本体は、光学ユニット4、制御基板5、および電源ブロック6を備えて構成される。
(2-1)光学ユニット4の構造
光学エンジンとしての光学ユニット4は、光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、投写レンズ3を介してスクリーン上に投写画像を形成するものであり、図5に示されるように、ライトガイド40という光学部品用筐体内に、光源装置や、種々の光学部品等を組み込んだものとして構成される。
このライトガイド40は、下ライトガイド401、上ライトガイド402から構成され、それぞれは、射出成形等による合成樹脂製品である。
【0026】
下ライトガイド401は、図6に示されるように、後述する光源装置が収納される光源収納部401A及び光学部品を収納する部品収納部401Bを備え、この部品収納部401Bは、底面部401C及び側壁部401Dからなる上部が開口された容器状に形成され、側壁部401Dには、複数の溝部401Eが設けられている。この溝部401Eには、光学ユニット4を構成する種々の光学部品が装着され、これにより各光学部品は、ライトガイド40内に設定された照明光軸上に精度よく配置される。上ライトガイド402は、この下ライトガイド401に応じた平面形状を有し、下ライトガイド401の上面を塞ぐ蓋状部材として構成される。
また、下ライトガイド401の光束射出側端部には、金属製の側面略L字状のヘッド体403が配置され、このヘッド体403のL字水平部分には、後述する光学装置44が取り付けられるとともに、L字垂直部分には、投写レンズ3の基端部分が接合固定される。
【0027】
このようなライトガイド40内は、図7に示されるように、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光変調光学系および色合成光学系を一体化した光学装置44とに機能的に大別される。尚、本例における光学ユニット4は、三板式のプロジェクタに採用されるものであり、ライトガイド40内で光源から射出された白色光を三色の色光に分離する空間色分離型の光学ユニットとして構成されている。
インテグレータ照明光学系41は、光源から射出された光束を照明光軸直交面内における照度を均一にするための光学系であり、光源装置411、平行化凹レンズ412、第1レンズアレイ413、第2レンズアレイ414、偏光変換素子415、および重畳レンズ416を備えて構成される。
【0028】
光源装置411は、放射光源としての光源ランプ417、リフレクタ418、およびリフレクタ418の光束射出面を覆うフロントガラス419を備え、光源ランプ417から射出された放射状の光線を、平行化凹レンズ412及びリフレクタ418で反射して略平行光線とし、外部へと射出する。本例では、光源ランプ417として高圧水銀ランプを採用しているが、これ以外にメタルハライドランプやハロゲンランプを採用することもある。また、本例では、楕円面鏡からなるリフレクタ418の射出面に平行化凹レンズ412を配置した構成を採用しているが、リフレクタ418として放物面鏡を採用することもできる
【0029】
第1レンズアレイ413は、照明光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備している。各小レンズは、光源ランプ417から射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸方向に射出する。各小レンズの輪郭形状は、後述する液晶パネル441R、441G、441Bの画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定される。例えば、液晶パネル441R、441G、441Bの画像形成領域のアスペクト比(横と縦の寸法の比率)が4:3であるならば、各小レンズのアスペクト比も4:3に設定される。
第2レンズアレイ414は、第1レンズアレイ413と略同様の構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備する。この第2レンズアレイ414は、重畳レンズ416とともに、第1レンズアレイ413の各小レンズの像を液晶パネル441R、441G、441B上に結像させる機能を有する。
【0030】
偏光変換素子415は、第2レンズアレイ414からの光を1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、光学装置44での光の利用率が高められている。
具体的に、偏光変換素子415によって1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ416によって最終的に光学装置44の液晶パネル441R、441G、441B上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル441R、441G、441Bを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプ417からの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子415を用いることにより、光源ランプ417から射出された光束を全て1種類の偏光光に変換し、光学装置44における光の利用効率を高めている。なお。このような偏光変換素子415は、例えば、特開平8−304739号公報に紹介されている。
【0031】
色分離光学系42は、インテグレータ照明光学系41から射出された光束を曲折する反射ミラー421と、2枚のダイクロイックミラー422,423と、反射ミラー424とを備え、ダイクロイックミラー422、423によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を有している。尚、本例では、反射ミラー424は、下ライトガイド401に対して姿勢を調整することができるようになっている。
リレー光学系43は、入射側レンズ431と、リレーレンズ433と、反射ミラー432、434とを備え、色分離光学系42で分離された色光である赤色光を液晶パネル441Rまで導く機能を有している。
【0032】
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー422では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束のうち、赤色光成分と緑色光成分とは反射し、青色光成分は透過する。ダイクロイックミラー422によって透過した青色光は、反射ミラー424で反射し、フィールドレンズ425を通って、青色用の液晶パネル441Bに到達する。このフィールドレンズ425は、第2レンズアレイ414から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441G、441Rの光入射側に設けられたフィールドレンズ425も同様である。
【0033】
また、ダイクロイックミラー422を反射した赤色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー423によって反射し、フィールドレンズ425を通って、緑色用の液晶パネル441Gに到達する。一方、赤色光は、ダイクロイックミラー423を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ425を通って、赤色光用の液晶パネル441Rに到達する。
なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ425に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
【0034】
光学装置44は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、色分離光学系42で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板442と、各入射側偏光板442の後段に配置される光変調装置としての液晶パネル441R、441G、441Bと、各液晶パネル441R、441G、441Bの後段に配置される視野角補正板443および射出側偏光板444と、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム445とを備える。
【0035】
液晶パネル441R、441G、441Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、図8に示されるように、液晶パネル441Gを例に取れば、パネル本体4411と、このパネル本体4411を収納する保持枠4412とを備えている。尚、以下の説明では、液晶パネル441R、441Bについては特段言及しないが、液晶パネル441Gと略同様の構成である。
パネル本体4411は、図示を略したが、対向配置される一対の透明基板内に液晶が密封封入されたものであり、一対の透明基板の入射側及び射出側には防塵ガラスが貼り付けられている。
保持枠4412は、パネル本体4411を収納する凹部を有する部材であり、その四隅部分には、孔4413が形成されている。
【0036】
このような液晶パネル441R、441G、441Bの前段に配置される入射側偏光板442(図7参照)は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイアガラス等の基板に偏光膜が貼付されたものである。また、基板を用いずに、偏光膜をフィールドレンズ425に貼り付けてもよい。
視野角補正板443は、基板上に液晶パネル441Gで形成された光学像の視野角を補正する機能を有する光学変換膜が形成されたものであり、このような視野角補正板443を配置することにより、投写画像の視野角が拡大され、かつ投写画像のコントラストが大幅に向上する。
【0037】
射出側偏光板444は、液晶パネル441Gで光変調された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、本例では、2枚の第1偏光板(プリポラライザ)444P及び第2偏光板(アナライザ)444Aから構成されている。このように射出側偏光板444を2枚構成としたのは、入射する偏光光を、第1偏光板444P、第2偏光板444Aのそれぞれで按分させて吸収することにより、偏光光で発生する熱を両偏光板444P、444Aで按分させ、それぞれの過熱を抑えるためである。
【0038】
クロスダイクロイックプリズム445は、射出側偏光板444から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。
クロスダイクロイックプリズム445には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
このクロスダイクロイックプリズム445の下面には、プリズム固定板4451が紫外線硬化型接着剤により固着されている。このプリズム固定板4451は、クロスダイクロイックプリズム445の対角線に沿って伸びる脚部4452を備え、各脚部4452の先端部分には孔4453が形成されている。
そして、光学装置44は、この孔4453部分に挿入される不図示のねじ等によって前述したヘッド体403のL字水平分に接合固定される。
【0039】
前述した液晶パネル441G、視野角補正板443、第1偏光板444P及び第2偏光板444Aは、パネル固定板446を介してクロスダイクロイックプリズム445の光束入射端面に固定される。
パネル固定板446は、平面視略C字形状の固定部本体4461と、この固定部本体4461の先端側に腕部4462を介して突設されるピン4463とを備える。このうち、固定部本体4461のC字先端側縁には、視野角補正板443が固定される台座4464と、C字先端側縁に沿って延出し、視野角補正板443の外形位置基準となる位置決め部4464Aが形成されている。
そして、液晶パネル441G、視野角補正板443、第1偏光板444P及び第2偏光板444Aを、パネル固定板446によってクロスダイクロイックプリズム445の光束入射端面に固定する場合、まず、固定部本体4461のC字内側の空間に第1偏光板444P、第2偏光板444Aを挿入し、バネ部材4465によって該空間内に、これら偏光板444P、444Aが一定距離離間配置するように付勢しながら固定する。
【0040】
次に、視野角補正板443の外形位置を位置決め部4464Aにて合わせながら、視野角補正板443の端面を台座4464に熱伝導性テープまたは接着剤で貼り付けた後、クロスダイクロイックプリズム445の光束入射端面にパネル固定板446を固定する。
そして、パネル固定板446のピン4463に紫外線硬化型接着剤を塗布した後、未硬化の状態で液晶パネル441Gの孔4413を挿通する。
同様の手順で液晶パネル441R、441Bも、紫外線硬化型接着剤が未硬化の状態でパネル固定板446に仮止めしておき、各液晶パネル441R、441G、441Bに赤、青、緑の各色光を導入し、クロスダイクロイックプリズム445の光束射出端面から射出された各色光を観察しながら、液晶パネル441R、441G、441B相互の位置調整を行い、位置調整が終了したら、紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して、液晶パネル441R、441G、441Bの位置決め固定を行う。
【0041】
(2-2)制御基板5の構造
制御基板5は、図4及び図5に示すように、光学ユニット4の上側を覆うように配置され、2段に積層配置されるメイン基板51を備え、上段側基板511には、演算処理装置等の制御部本体が実装され、下側基板512には、各液晶パネル441R、441G、441Bの駆動用ICが実装されている。また、この制御基板5は、図示を略したが、このメイン基板51の後端側で接続され、外装ケース2の筐体背面部11D、12Dに起立するインターフェース基板を備えている。
インターフェース基板の背面側には、前述したコネクタ群15が実装されていて、コネクタ群15から入力する画像情報は、このインターフェース基板を介してメイン基板51に出力される。
メイン基板51上の演算処理装置は、入力した画像情報を演算処理した後、液晶パネル駆動用ICに制御指令を出力する。駆動用ICは、この制御指令に基づいて駆動信号を生成出力して液晶パネル441R、441G、441Bを駆動させ、これにより、画像情報に応じて光変調を行って光学像が形成される。
【0042】
(2-3)電源ブロック6の構造
電源ブロック6は、光学ユニット4に隣接して、プロジェクタ1の外装ケース2の投写方向に沿って延出して設けられ、図示を略したが、電源ユニット及びランプ駆動ユニットを備えている。
電源ユニットは、前述したインレットコネクタ17に接続された電源ケーブルを通して外部から供給された電力をランプ駆動ユニットや制御基板5等に供給するものである。
ランプ駆動ユニットは、前述した光源装置411に安定した電圧で電力を供給するための変換回路であり、電源ユニットから入力した商用交流電流は、このランプ駆動ユニットによって整流、変換されて、直流電流や交流矩形波電流となって光源装置411に供給される。
このような電源ブロック6の前方には、図3に示すように、排気ファン61が設けられており、プロジェクタ1内部の各構成部材を冷却した空気は、この排気ファン61によって集められ、外装ケース2の開口部28から装置外部に排出される。
【0043】
(2-4)冷却構造
このようなプロジェクタ1内部は、光源装置411や電源ブロック6の発熱により加熱されるため、内部に冷却空気を循環させて、光源装置411、光学装置44、電源ブロック6を効率的に冷却させる必要がある。このため、本例では、図9に示されるように3つの冷却流路C1、C2、C3が設定されている。
冷却流路C1は、インテグレータ照明光学系41を構成する光源装置411及び偏光変換素子415を冷却する流路であり、図2における吸気用開口部24の装置内部に設けられるシロッコファン71で吸引した冷却空気を、ダクト72によってライトガイド40の光源収納部401Aの側方から光源装置411、偏光変換素子415に供給し、これらを冷却する。冷却後の空気は、排気ファン61によって吸引され、プロジェクタ1の外部に排出される。
【0044】
冷却流路C2は、光変調及び色合成を行う光学装置44を冷却する流路であり、図2におけるフィルタ23が設けられた位置に形成される吸気用開口部の装置内側に設けられるシロッコファン(後述)で吸引した冷却空気を、光学装置44の下方から上方に向かって供給して、前記の液晶パネル441R、441G、441Bや、入射側偏光板442、視野角補正板443、射出側偏光板444を冷却する。冷却後の空気は、メイン基板51の下面及びアッパーケース11の筐体上面部11Aに沿って流れ、メイン基板51に実装された回路素子を冷却しながら、排気ファン61によって外部に排出される。
【0045】
冷却流路C3は、電源ブロック6を冷却する流路であり、電源ブロック6の後端側に設けられる吸気ファン62により、アッパーケース11の筐体側面部11Bに形成された開口部112、ロアーケース12の筐体側面部12Bに形成された開口部122から冷却空気を取り込み、取り込まれた冷却空気の一部は、電源ユニット及びランプ駆動ユニットに供給され、これらを冷却した後、排気ファン61によって外部に排出される。
【0046】
(3)ランプ駆動ユニットの構造
前述した電源ブロック6を構成する光源駆動回路としてのランプ駆動ユニット9は、図10に示すように、電源ユニットから入力される直流電流を、交流矩形波電流に変換して、光源ランプ417を点灯させる回路であり、ダウンチョッパ91、インバータブリッジ92、イグナイタ93、制御手段としてのコントローラ94、及びメモリ95を備えて構成される。
ダウンチョッパ91は、略300〜400Vで入力する直流電圧を、光源ランプ417の点灯に適した略50〜150Vに降下させる回路であり、直列接続されるコイル911及びダイオード912と、これらの素子から分岐して接続されるトランジスタ913及びコンデンサ914とを備えている。
【0047】
コイル911、ダイオード912、及びコンデンサ914は、入力する直流電流の高周波成分を除去したり、整流したり、入力される直流電圧を定電力にする素子として機能する。
トランジスタ913は、コイル911及びダイオード912と接続される側とは反対側がグランドに接続されており、このトランジスタ913をスイッチング素子として利用することにより、入力した直流電流の一部がグランドに流れて、電圧が降下する。具体的には、このトランジスタ913のスイッチングスピード及び時定数を制御することにより、入力した直流電圧を、所望の電圧に降下させることができる。
【0048】
インバータブリッジ92は、直流電流を交流矩形波電流に変換する部分であり、一対のトランジスタ921及び一対のトランジスタ922を備えたブリッジ回路として構成され、光源ランプ417は、トランジスタ921及びトランジスタ922の間に接続されている。
このブリッジ回路には、ダウンチョッパ91を経て整流された直流電流が入力され、トランジスタ921及びトランジスタ922にパルス信号を与えると、一対のトランジスタ921を含む経路と、一対のトランジスタ922を含む経路とが交互に短絡して電流が流れ、これにより、その間に接続された光源ランプ417に交流矩形波電流が流れるようになる。
【0049】
イグナイタ93は、光源ランプ417の電極間の絶縁破壊を行って、光源ランプ417の始動を促す回路として構成され、ダウンチョッパ91及びインバータブリッジ92を含む点灯装置と、光源ランプ417の間に、光源ランプ417と並列となるように接続されている。
このイグナイタ93は、本例では、図示を略したが、高圧パルス発生回路及びこの高圧パルス発生回路が一次側に接続されるパルストランスを備え、高圧パルス発生回路で発生した高電圧パルスを、パルストランスの二次側で昇圧し、昇圧した電圧を光源ランプ417に印加することにより、光源ランプ417の電極間の絶縁が破壊され、電気的導通が確保されて光源ランプ417が点灯を開始する。
【0050】
コントローラ94は、前述したダウンチョッパ91、インバータブリッジ92、及びイグナイタ93を制御する部分である。このコントローラ94は、4ビットのマイコンチップとして構成され、内部で実行可能なプログラムとして動作するチョッパ制御部941、インバータ制御部942、イグナイタ制御部943、点灯モード設定部944、及び点灯起動検出部945を備えている。
定格電力付与部としてのチョッパ制御部941は、ダウンチョッパ91の動作制御を行って光源ランプ417に定格電力を付与したり、これよりも少ない電力を付与して光源ランプの点灯を制御する部分であり、具体的には、ダウンチョッパ91のスイッチング素子として働くトランジスタ913に対してパルス信号を出力して制御する。
【0051】
インバータ制御部942は、インバータブリッジ92の動作制御を行う部分であり、トランジスタ921及びトランジスタ922に対して同じパルス信号を出力してトランジスタ921、922のスイッチングを制御する。
イグナイタ制御部943は、イグナイタ93の動作制御を行う部分であり、プロジェクタ1に起動操作信号が入力させると、前述したイグナイタ93に制御信号を出力して、イグナイタ93を動作させる。
【0052】
点灯モード設定部944は、光源ランプ417を定格電力で点灯させるか、省電力モードで点灯させるかを設定する部分であり、詳しくは後述するが、プロジェクタ1の操作者が操作パネル14上の操作ボタンを操作することにより設定された点灯モードを取得し、チョッパ制御部941に点灯モードに応じた制御を行うように促す。
点灯起動検出部945は、光源ランプ417の点灯起動がされたか否かを検出する部分であり、この点灯起動検出部945が起動を検出すると、点灯モード設定部944に設定されている点灯モードを取得するように促すとともに、イグナイタ制御部943にイグナイタ93を駆動させる制御を行うように促す。
メモリ95は、前述したチョッパ制御部941、インバータ制御部942、イグナイタ制御部943、点灯モード設定部944、及び点灯起動検出部945の各プログラムを格納する記憶領域として設定され、これらのプログラムは、プロジェクタ1の起動とともにコントローラ94上に呼び出されて機能する。
【0053】
(4)光源ランプ417の点灯制御方法
次に、前述した構造のプロジェクタ1における光源ランプ417の点灯制御方法を、図11に示されるフローチャートに基づいて説明する。
(4-1)操作者によりプロジェクタ1の操作パネル14の電源スイッチが押されると、メモリ95からコントローラ94に、前述したチョッパ制御部941、インバータ制御部942、イグナイタ制御部943、点灯モード設定部944、点灯起動検出部945がプログラムとして呼び出され、光源ランプ417の点灯準備を行い、点灯起動検出部945が電源スイッチが起動されたことを検出し(処理S1)、イグナイタ制御部943に制御指令を出力し、イグナイタ制御部943は、この指令に基づいてイグナイタ93の駆動制御を開始する。
【0054】
(4-2)点灯モード設定部944は、メモリ95に記録された前回の点灯モード設定がどのような設定であったかを判定し(処理S2)、前回設定に応じた点灯制御をするように、チョッパ制御部941に制御指令を出力する。
(4-3)前回の点灯モードが定格電力モードであると判定された場合、チョッパ制御部941に制御指令を出力し、チョッパ制御部941は、これに基づいて、ダウンチョッパ91に定格電力を出力するような駆動制御を行う(処理S3)。
(4-4)一方、前回の点灯モードが省電力モードであると判定された場合でも、起動当初、チョッパ制御部941は、ダウンチョッパ91に定格電力を出力をするような駆動制御を行う(処理S4)。ここで、上記処理S3、S4における起動当初のダウンチョッパ91による光源ランプ417は、電力の供給は、図12のグラフG1に示されるように、起動開始から一定の時間をかけて直線状に増加するような方法を採用する。
【0055】
(4-5)点灯モード設定部944は、起動開始からコントローラ94に付設されるタイマ回路により時間を計測し、光源ランプ417が定格電力で点灯する時間が1分経過したか否かを判定する(処理S5)。ここで、本例における1分という時間は、光源ランプ417のハロゲンサイクルが適切となる時間として設定されたものであり、光源ランプ417の種類、仕様に応じて適宜変更することができる。
(4-6)点灯モード設定部944が1分経過したと判定すると、点灯モード設定部944は、省電力モードで光源ランプ417を点灯させるよう、チョッパ制御部941に制御指令を出力する(処理S6)。チョッパ制御部941は、この制御指令に基づいて、ダウンチョッパ91のトランジスタ913にパルス信号を出力して、ダウンチョッパ91に入力する直流電流の一部をグランド側に流して、定格電力よりも少ない電力を光源ランプ417に供給する。この移行に際、チョッパ制御部941は、瞬時に省電力モードに移行するような制御ではなく、図12のグラフG1の右側部分のように移行に1秒間以上かけるような移行を行う。
【0056】
(4-7)このようにしてダウンチョッパ91を制御することにより、光源ランプ417は、設定された点灯モードに応じて点灯される(処理S7)。この間、点灯モード設定部944は、操作パネル14の操作により点灯モードが変更されたか否かを監視する(処理S8)。
(4-8)点灯モード設定部944が点灯モードの変更を検出すると、前記と同様に変更された点灯モードへの移行を開始する(処理S9)。例えば、省電力モードから定格電力モードに移行するような変更があった場合、図13に示されるグラフG2のように、1秒以上の時間をかけて省電力モードから定格電力への移行を行う。尚、操作パネル14の操作による点灯モードは、操作パネル14内に設けられるメニューボタンが押されると、図14に示されるメニュー画面G3が投写画面上に表示され、そのメニュー画面中のG4部分にカーソルを移動させ、選択することにより変更することができる。また、プロジェクタ1の起動中変更された点灯モードは、メモリ95内に記録保存され、次回起動時の点灯モードとして使用される。
【0057】
(5)実施形態の効果
前述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(5-1)光源ランプ417の点灯起動時、定格電力付与部としてのチョッパ制御部941により、1分間光源ランプ417が定格電力で点灯するため、放電管の電極が十分に加熱され、適切なハロゲンサイクルを確保することができる。従ってその後、省電力モードに移行しても、放電管の発光により内部の温度が保持されるので、ハロゲンサイクルが維持され、光源ランプ417を省電力モード及び定格電力モードのいずれでも点灯させることが可能となり、かつ光源ランプ417を適切なハロゲンサイクルの状態で点灯させることができるため、光源ランプ417の長寿命化を図ることができる。
【0058】
(5-2)点灯モード間の切り換えを1秒以上の時間をかけて行うことにより、光源ランプ417の電極放電面の凹凸の発生を防止することができるため、アークジャンプによる発光のちらつきを防止して、プロジェクタ1の画面の明るさのちらつきを防止することができる。また、移行に際して電力の変化を直線的に行っているため、点灯モードの移行をスムースに行うことができる。
(5-3)ランプ駆動ユニット9がインバータブリッジ92を備えていることにより、入力される直流電流を交流矩形波電流に変換して、光源ランプ417を点灯させることができるため、光源ランプ417として交流駆動式のものを採用することができ、直流式の光源に比較して明るく発光させることができる。
【0059】
(5-4)チョッパ制御部941、インバータ制御部942、イグナイタ制御部943、点灯モード設定部944、及び点灯起動検出部945がコントローラ94内で動作するプログラムとして構成されているため、ダウンチョッパ91、インバータブリッジ92、イグナイタ93等の構造に変更があっても、プログラムを修正変更するだけで対応することができ、これらの制御を行うに際して、大きな構造上の変更をする必要がない。
(5-5)このようにプロジェクタ1の光源ランプ417を省電力モードで点灯させることにより、プロジェクタ1内部の温度上昇を少なくすることができるため、ファン61、62、71の回転数を落として運転することができ、プロジェクタ1の静粛性を向上することができ、ホームシアター用途として好適である。
【0060】
(6)実施形態の変形
尚、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含むものである。
前記実施形態では、省電力モード及び定格電力モード間の移行を1秒以上の時間をかけて直線的に変化させていたが、本発明は、これに限られない。すなわち、図15に示されるグラフG5のように、移行を段階的に徐々に変化させるような移行方法を採用してもよく、図16に示されるグラフG6のように、移行を曲線的に変化させるような移行方法を採用してもよい。このような移行方法は、チョッパ制御部941から出力されるパルス信号のパルス幅、パルス周期、パルス振幅を適宜設定することにより、種々変更することができる。グラフG5のような移行方法であれば、デジタル的に移行しているため、マイコン等による制御に好適である。
【0061】
また、前記実施形態では、点灯モードが定格電力モード、省電力モードの2段階しか設定されていなかったが、本発明はこれに限られない。すなわち、複数の省電力モードを備えている場合にも、本発明を採用することができ、前記と同様の作用及び効果を享受することができる。
さらに、前記実施形態では、光変調を行う装置として液晶パネル441R、441G、441Bを採用していたが本発明はこれに限られない。すなわち、マイクロミラーを用いた光変調装置や、他の変調方法の光変調装置を備えたプロジェクタに本発明を採用してもよい。
【0062】
そして、前記実施形態では、プロジェクタ1に本発明に係る光源駆動回路を利用していたが、本発明はこれに限られず、要するに、放電管からなる光源を備えた機器であれば本発明を採用することができ、前記と同様の作用及び効果を享受できる。
また、前記実施形態では、チョッパ制御部941、点灯モード設定部944を含む種々の制御をコントローラ94内に展開されるプログラムとして構成していたが、本発明はこれに限らず、例えば、基板上に種々の回路素子を実装して構成することもできる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るプロジェクタの外観構成を表す概要斜視図。
【図2】前記実施形態におけるプロジェクタの外観構成を表す概要斜視図。
【図3】前記実施形態におけるプロジェクタの内部構成を表す概要斜視図。
【図4】前記実施形態におけるプロジェクタの内部構成を表す概要斜視図。
【図5】前記実施形態におけるプロジェクタの内部構成を表す概要斜視図。
【図6】前記実施形態における光学ユニットを収納するライトガイドの構造を表す概要斜視図。
【図7】前記実施形態における光学ユニット構造を表す模式図。
【図8】前記実施形態における光学装置の構造を表す概要斜視図。
【図9】前記実施形態における冷却流路を表す概要斜視図。
【図10】前記実施形態における光源駆動回路の構造を表す模式図。
【図11】前記実施形態における作用を説明するためのフローチャート。
【図12】前記実施形態における点灯起動時の光源への供給電力の変化を表すグラフ。
【図13】前記実施形態における点灯モード変更時の供給電力の変化を表すグラフ。
【図14】前記実施形態における点灯モードの変更画面を表す模式図。
【図15】前記実施形態の変形となる供給電力の変化を表すグラフ。
【図16】前記実施形態の変形となる供給電力の変化を表すグラフ。
【符号の説明】
1…プロジェクタ、9…ランプ駆動ユニット(光源駆動回路)、417…光源ランプ(光源)、94…コントローラ(制御手段)、941…チョッパ制御部(定格電力付与部)、944…点灯モード設定部
Claims (9)
- 放電管からなる光源を駆動し、該光源を定格電力及び省電力で点灯させる複数の点灯モードに切り換える制御手段を備えた光源駆動回路であって、
前記制御手段は、前記複数の点灯モードのいずれかに設定する点灯モード設定部と、前記光源の点灯開始時、前記放電管のハロゲンサイクルが安定するまで、該光源に定格電力を与える定格電力付与部とを備え、前記放電管のハロゲンサイクルの安定化後、前記点灯モード設定部で設定された点灯モードに移行することを特徴とする光源駆動回路。 - 請求項1に記載の光源駆動回路において、
前記複数の点灯モード間の移行は、1秒以上の時間をかけて行われることを特徴とする光源駆動回路。 - 請求項2に記載の光源駆動回路において、
前記点灯モード間の移行は、移行時の電力を段階的に変化させて行われることを特徴とする光源駆動回路。 - 請求項2に記載の光源駆動回路において、
前記点灯モード間の移行は、移行時の電力を直線的に変化させて行われることを特徴とする光源駆動回路。 - 請求項2に記載の光源駆動回路において、
前記点灯モード間の移行は、時間とともに電力の変化率を変えて曲線的に変化させて行われることを特徴とする光源駆動回路。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の光源駆動回路において、
入力される直流電流を交流電流に変換するインバータブリッジを備えていることを特徴とする光源駆動回路。 - 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、該光学像を拡大投写するプロジェクタであって、
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の光源駆動回路を備えていることを特徴とするプロジェクタ。 - 放電管からなる光源を駆動し、該光源を定格電力及び省電力で点灯させる複数の点灯モードに切り換える制御手段を備えた光源駆動回路で実施され、前記光源の点灯を制御する光源の点灯制御方法であって、
前記制御手段が、
前記複数の点灯モードのいずれかを設定するステップと、
前記光源の点灯時、前記放電管のハロゲンサイクルが安定するまで、前記光源に定格電力を与えるステップと、
前記放電管のハロゲンサイクルの安定化後、前記点灯モード設定ステップで設定された点灯モードに移行するステップとを実施することを特徴とする光源の点灯制御方法。 - 放電管からなる光源を駆動し、該光源を定格電力及び省電力で点灯させる複数の点灯モードに切り換える制御手段を備えた光源駆動回路で実施される光源の点灯制御方法を、前記制御手段で実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラムであって、
前記複数の点灯モードのいずれかを設定するステップと、
前記光源の点灯時、前記放電管のハロゲンサイクルが安定するまで、前記光源に定格電力を与えるステップと、
前記放電管のハロゲンサイクルの安定化後、前記点灯モード設定ステップで設定された点灯モードに移行するステップとを前記制御手段で実行させることを特徴とするプログラム。
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