JP2004207265A - 樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルム状の接着材を用いずに、高密度な配線が可能で、かつ安価に製造できる樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板を提供する。
【解決手段】回路パターンが形成されたフレキシブル回路基板またはリジッド回路基板(3)と、片面または両面に回路パターン(8)が形成され、一方の面に電気的接続可能な突起部分(10)を形成した1枚または2枚以上の樹脂フィルム(7)と、前記回路基板(3)および前記樹脂フィルム(7)の間で、非導電性接着ペースト(11)が硬化して形成される接着材層とで構成される。前記回路基板(3)および前記樹脂フィルム(7)が、ポリイミドまたは液晶ポリマーで構成されていることが好ましい。さらに、前記非導電性接着ペースト(11)は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂の混合樹脂からなる。
【選択図】 図1
【解決手段】回路パターンが形成されたフレキシブル回路基板またはリジッド回路基板(3)と、片面または両面に回路パターン(8)が形成され、一方の面に電気的接続可能な突起部分(10)を形成した1枚または2枚以上の樹脂フィルム(7)と、前記回路基板(3)および前記樹脂フィルム(7)の間で、非導電性接着ペースト(11)が硬化して形成される接着材層とで構成される。前記回路基板(3)および前記樹脂フィルム(7)が、ポリイミドまたは液晶ポリマーで構成されていることが好ましい。さらに、前記非導電性接着ペースト(11)は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂の混合樹脂からなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、BGA(Ball Grid Array)や、CSP(Chip Scale Package)などのICパッケージやチップ抵抗などの電子部品を実装する樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器は、ますます、小型化、軽量化、薄型化の傾向が進み、これに用いられる部品の高集積化が著しく要求されてきている。このような背景から、半導体パッケージの形態も、QFP(Quad Flat Package)などのリードフレームを用いた周辺実装タイプから、BGAや、CSPなどのハンダボールを用いたエリアアレイ実装タイプが主流となりつつある。
【0003】
周辺実装タイプの半導体パッケージでは、外部端子が周辺のみにあるため、部品を実装する基板(以下、マザーボード)の配線ルールが「ライン/スペース=150/150μmピッチ」以下で配線の引出しが対応可能であった。
【0004】
しかし、BGAや、CSPといったエリアアレイ実装タイプでは、外部端子がエリア状に配列されるため、マザーボードにおいてエリア内側の端子からの配線引出しが困難となる。従って、マザーボード上に、2〜3層の多層配線がされた樹脂フィルムを貼り付け、配線ルールも「ライン/スペース=150/150μmピッチ」程度では引回しができないので、「ライン/スペース=100/100μmピッチ」〜「ライン/スペース=75/75μmピッチ」が一般的となってきている。
【0005】
このような多層配線がされた樹脂フィルムは、ビルドアップ基板と呼ばれる。
【0006】
ビルドアップ基板の製造方法は、シーケンシャル方式と呼ばれ、従来のガラスエポキシ基板をコア基板とし、絶縁層を形成した上にファインな配線パターンをエッチングにより1層ずつ形成して、多層化して得る。しかし、配線パターンの凹凸により上層の配線パターンを微細化することが困難となる問題があった。
【0007】
この問題に対しては、例えば、特開2002−64273号公報に、配線による凸凹を平坦化するように絶縁性保護膜を介して接合する樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板が開示されている。
【0008】
図2に、従来の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板の製造方法を一連の断面図で示す。
【0009】
樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板(5)は、図2の(a)に示したように、リジッド回路基板(3)に、孔を開けたフィルム状接着材(2)および突起付き樹脂フィルム(1)を貼り合わせることにより製造する。
【0010】
このようなシーケンシャル方式では、プロセスが長いことや、各層の歩留まりの乗数が製品の歩留まりを決定し、歩留まりを大きく低下させるなどの問題があり、安価に製造することが困難であった。
【0011】
このような問題に鑑み、前述のシーケンシャル方式を用いずに、あらかじめ配線加工をしたフィルム(1)を、異方性導電性フィルム、熱可塑性フィルムまたは熱硬化性フィルム(2)を接着材として、リジッド回路基板やフレキシブル回路基板(3)に貼り合わせて製造する樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板(5)がある。
【0012】
しかしながら、フィルム状の接着材(2)を介して、回路フィルム(1)とリジッド回路基板あるいはフレキシブル回路基板(3)との貼合わせを行うと、接着材(2)と回路フィルム(1)との界面や、接着材(2)とリジッド回路基板またはフレキシブル回路基板(3)との界面に、気泡(4)が巻き込まれてしまう。気泡が存在すると、パッケージや部品をハンダ実装するリフロー工程や、信頼性試験において、気泡(4)の中の空気が膨張し、膨れやクラックとなる危険性がある。このように、気泡(4)を巻き込む欠陥は、重欠陥である。また、気泡(4)が存在すると密着面積が少なくなり、密着強度が低下するという問題もあった。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−64273号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、従来の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板の問題に鑑み、フィルム状の接着材を用いずに、高密度な配線が可能で、かつ安価に製造できる樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板の一態様では、回路パターンが形成されたフレキシブル回路基板と、片面または両面に回路パターンが形成され、一方の面に電気的接続可能な突起部分を形成した1枚または2枚以上の樹脂フィルムと、前記フレキシブル回路基板および前記樹脂フィルムの間で、非導電性接着ペーストが硬化して形成される接着材層とで構成される。前記突起部分は、フレキシブル回路基板上の回路パターンおよび樹脂フィルム上の回路パターンを接続する。
【0016】
前記フレキシブル回路基板および前記樹脂フィルムが、ポリイミドまたは液晶ポリマーで構成されていることが好ましい。
【0017】
本発明の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板の一態様では、回路パターンが形成されたリジッド回路基板と、片面または両面に回路パターンが形成され、一方の面に電気的接続可能な突起部分を形成した1枚または2枚以上の樹脂フィルムと、前記リジッド回路基板および前記樹脂フィルムの間で、非導電性接着ペーストが硬化して形成される接着材層とで構成される。前記突起部分は、リジッド回路基板上の回路パターンおよび樹脂フィルム上の回路パターンを接続する。
【0018】
前記樹脂フィルムが、ポリイミドまたは液晶ポリマーで構成されていることが好ましい。
【0019】
さらに、前記リジッド回路基板は、有機樹脂材料で構成されるか、無機材料で構成される。
【0020】
有機樹脂材料としては、ガラスエポキシまたはBTレジンがあげられる。
【0021】
無機材料としては、アルミナまたはガラスセラミックがあげられる。
【0022】
さらに、前記非導電性接着ペーストは、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂の混合樹脂からなる。
【0023】
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂やフェノール樹脂があげられる。熱可塑性樹脂としては、ポリイミドやポリカーボネートがあげられる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板では、樹脂フィルムに、あらかじめ回路パターンが形成されており、樹脂フィルムの配線加工は、「ライン/スペース=10/10μmピッチ」以下まで、形成することができるため、非常に高密度な配線が可能である。
【0025】
また樹脂フィルムの両面に回路を形成すれば、さらに高密度な配線となる。また、リジッド回路基板やフレキシブル回路基板と貼り合わせる前に、樹脂フィルムの配線の良・不良を検査することができるため、不良品の樹脂フィルムが貼合わせ工程に流出する可能性はなく、歩留まりを高くすることができ、樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板を安価に製造することができる。
【0026】
また、樹脂フィルムとリジッド回路基板またはフレキシブル回路基板との貼合わせを行う際に、フィルム状の接着材ではなく、非導電性接着ペーストを用いるため、気泡の巻き込みが少なく、信頼性の高い樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板が得られる。
【0027】
以下に、本発明の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板の製造方法を説明する。
【0028】
先ず、片面あるいは両面に回路パターンを形成した樹脂フィルムを作製する。
【0029】
回路パターンの形成方法は、例えば、銅箔(18μm)付き樹脂フィルムにエッチングレジストをラミネートし、フォトリソグラフィーを用いた露光および現像で、レジストに回路パターンを形成し、その後、塩化銅などのエッチング液でエッチングして得る一般的な方法でよい。回路パターンが、「ライン/スペース=10/10μmピッチ」などのファインな場合には、銅箔は、厚さが5μm程度の薄いものを用いるとよい。
【0030】
次に、リジッド回路基板あるいはフレキシブル回路基板とを貼り合わせた後に、電気的な接続を得るために、樹脂フィルムの回路上の所定の場所に10〜100μmの突起部分を形成する。この突起部分は、例えば銀エポキシペーストを、メタルマスクを用いて、樹脂フィルムの回路上にスクリーン印刷をし、硬化させて形成する。
【0031】
または、めっき法を用いて突起部分を形成してもよい。この場合には、所定の場所以外を被覆するように、めっきレジストを形成し、電解銅めっき、電解ハンダめっきもしくは無電解銅めっきで、めっきを突起状に析出させて形成する。めっきレジストは、めっき析出後に剥離する。
【0032】
次に、非導電性接着ペーストを、リジッド回路基板やフレキシブル基板に塗布する。塗布方法は、非導電性接着ペーストをシリンジに入れておいて、ディスペンサーを用いて塗布してもよいし、スクリーン印刷を用いて塗布してもよい。塗布量は、貼合わせて硬化した後の膜厚が10〜100μmになるように調整して塗布する。
【0033】
次に、突起部分を形成した樹脂フィルムを、貼り合わせる所望の外形に金型で打ち抜き、打ち抜いた樹脂フィルムを、リジッド回路基板あるいはフレキシブル回路基板の回路パターンと位置合わせをして、貼合わせを行う。この時、貼合わせは気泡を巻き込まないように、50g/cm2程度の低い圧力で加圧し、突起部分の先端を、リジッド回路基板あるいはフレキシブル回路基板の回路パターンに接触させる。気泡が抜けた後、150℃で20秒間、保持して仮硬化させる。その後、オーブン中で180℃、30分間、加熱し、完全に硬化させる。
【0034】
このようにして、本発明の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板を得る。
【0035】
【実施例1】
以下、図面を参照して実施例を説明する。
【0036】
図1は、本発明の一実施例の製造方法を示す一連の断面図である。
【0037】
図1の(a)に示すように、片面に5μm厚の銅箔(6)が付いたポリイミドフィルム(7)(厚さ50μm)の銅箔上に、エッチングレジストを真空ラミネータを用いて120℃でラミネートした。エッチングレジストは図示していない。
【0038】
次に、図1の(b)のように、紫外線露光機を用いてエッチングレジストの上に回路パターンを露光した後、現像液で回路パターンを現像し、レジストパターンを形成し、塩化銅溶液に浸漬して、銅箔(6)をエッチングして回路パターン(8)を形成した。その後、アルカリ剥離溶液でエッチングレジストを剥離した。
【0039】
次に、図1の(c)のように、ポリイミド層側から所定の場所に炭酸ガスレーザーを照射し、ポリイミド層を貫通する150μmφの孔(9)を形成した。
【0040】
次に、図1の(d)のように、前記孔(9)と同一位置に、150μmφの孔径を開けた図示しないメタルマスク(厚さ100μm)を重ねて、印刷後の銀エポキシペースト(10)が、孔の開孔面から50μm、突起状になるように、銀エポキシペースト(10)の塗布量を調整しつつ、スクリーン印刷で、2回、印刷を行った。
【0041】
次いで、印刷した樹脂フィルムを120℃で5分間、加熱乾燥し、銀エポキシペースト(10)を仮硬化させた。
【0042】
次に、図1の(e)のように、ガラスエポキシ回路基板(3)の貼合わせ領域に、エポキシ系の非導電性接着ペースト(11)を、ディスペンサーを用いて塗布した。塗布量は、塗布後の膜厚が40μmになるように調整し、貼合わせ領域の5箇所に塗布した。
【0043】
次に、金型を用いて、ポリイミドフィルム(7)を回路パターンの外形の20mm角に打ち抜き、フリップチップボンダー(図示せず)を用いて、ガラスエポキシ回路基板(3)の回路パターンのアライメントマークを参照して位置合わせを行った後、貼り合わせた。貼合わせは、気泡の巻き込みがないように、50g/cm2の低い圧力で加圧しながら行い、銀エポキシペースト(10)の突起の先端が、ガラスエポキシ回路基板(3)の回路に接触するようにした。非導電性接着ペースト(11)が十分に広がって、気泡が抜けた後、150℃に昇温したフリップチップボンダーのツールに20秒間保持して、仮硬化させた。フリップチップボンダーから外した後、180℃のオーブン中で30秒間、加熱し、非導電性接着ペースト(11)と銀エポキシペースト(10)を完全に硬化させた。
【0044】
以上のようにして、図1の(f)のように、樹脂フィルム貼り合わせ多層配線基板(12)を得た。
【0045】
評価は、吸湿リフロー試験およびヒートサイクル試験を行った。
【0046】
吸湿リフロー試験は、85℃/60%RHで168時間、吸湿させた後、赤外線リフローを2回通してから、膨れおよびクラックの有無の観察、電気抵抗の変化率を測定した。
【0047】
また、ヒートサイクル試験は、−45〜80℃で各30分間さらすサイクルを、500サイクルまで行い、膨れおよびクラックの有無の観察、電気抵抗の変化率を測定した。
【0048】
結果を、表1に示す。
【0049】
【実施例2】
ポリイミドフィルム(7)に換えて、銅ポリイミドからなるフレキシブル回路基板を使用した以外は、実施例1と同様に、樹脂フィルム貼り合わせ多層配線基板(12)を得た。
【0050】
評価も、実施例1と同様に行った。
【0051】
結果を、表1に示す。
【0052】
【実施例3】
ポリイミドフィルム(7)に換えて、金ペーストとガラスセラミックからなるリジッド回路基板を使用した以外は、実施例1と同様に、樹脂フィルム貼り合わせ多層配線基板(12)を得た。
【0053】
評価も、実施例1と同様に行った。
【0054】
結果を、表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
表1から分かるように、吸湿リフロー試験およびヒートサイクル試験ともに、実施例1〜3では、膨れおよびクラックはなかった。また、抵抗値は、熱膨張係数差の大きい実施例3では高めであったが、抵抗値の変化率は20%以下であり、実用上、問題のないレベルであった。実施例1および2では、変化率が10%程度で良好な結果となった。
【0057】
【発明の効果】
本発明の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板は、樹脂フィルムにあらかじめ回路パターンを形成するため、高密度な配線が形成できる。また、貼合わせを行う前に、良・不良の検査ができるため、貼合わせ工程に不良品の樹脂フィルムが流出せず、歩留まりを高くでき、安価に製造することができる。また、貼合わせの際に、フィルム状接着材を用いず、流動性のある非導電性接着ペーストを用いるため、貼合わせ時の気泡の巻き込みが少なく、信頼性の高い樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の製造方法を示す一連の断面図である。
【図2】従来の貼合わせ基板の製造方法を示す一連の断面図である。
【符号の説明】
1 突起付き樹脂フィルム
2 フィルム状接着材
3 リジッド回路基板
4 気泡
5 従来の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板
6 銅箔
7 ポリイミドフィルム
8 回路パターン
9 レーザーにより開孔された孔
10 銅エポキシペースト
11 非導電性接着ペースト
12 本発明の一実施例の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、BGA(Ball Grid Array)や、CSP(Chip Scale Package)などのICパッケージやチップ抵抗などの電子部品を実装する樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器は、ますます、小型化、軽量化、薄型化の傾向が進み、これに用いられる部品の高集積化が著しく要求されてきている。このような背景から、半導体パッケージの形態も、QFP(Quad Flat Package)などのリードフレームを用いた周辺実装タイプから、BGAや、CSPなどのハンダボールを用いたエリアアレイ実装タイプが主流となりつつある。
【0003】
周辺実装タイプの半導体パッケージでは、外部端子が周辺のみにあるため、部品を実装する基板(以下、マザーボード)の配線ルールが「ライン/スペース=150/150μmピッチ」以下で配線の引出しが対応可能であった。
【0004】
しかし、BGAや、CSPといったエリアアレイ実装タイプでは、外部端子がエリア状に配列されるため、マザーボードにおいてエリア内側の端子からの配線引出しが困難となる。従って、マザーボード上に、2〜3層の多層配線がされた樹脂フィルムを貼り付け、配線ルールも「ライン/スペース=150/150μmピッチ」程度では引回しができないので、「ライン/スペース=100/100μmピッチ」〜「ライン/スペース=75/75μmピッチ」が一般的となってきている。
【0005】
このような多層配線がされた樹脂フィルムは、ビルドアップ基板と呼ばれる。
【0006】
ビルドアップ基板の製造方法は、シーケンシャル方式と呼ばれ、従来のガラスエポキシ基板をコア基板とし、絶縁層を形成した上にファインな配線パターンをエッチングにより1層ずつ形成して、多層化して得る。しかし、配線パターンの凹凸により上層の配線パターンを微細化することが困難となる問題があった。
【0007】
この問題に対しては、例えば、特開2002−64273号公報に、配線による凸凹を平坦化するように絶縁性保護膜を介して接合する樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板が開示されている。
【0008】
図2に、従来の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板の製造方法を一連の断面図で示す。
【0009】
樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板(5)は、図2の(a)に示したように、リジッド回路基板(3)に、孔を開けたフィルム状接着材(2)および突起付き樹脂フィルム(1)を貼り合わせることにより製造する。
【0010】
このようなシーケンシャル方式では、プロセスが長いことや、各層の歩留まりの乗数が製品の歩留まりを決定し、歩留まりを大きく低下させるなどの問題があり、安価に製造することが困難であった。
【0011】
このような問題に鑑み、前述のシーケンシャル方式を用いずに、あらかじめ配線加工をしたフィルム(1)を、異方性導電性フィルム、熱可塑性フィルムまたは熱硬化性フィルム(2)を接着材として、リジッド回路基板やフレキシブル回路基板(3)に貼り合わせて製造する樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板(5)がある。
【0012】
しかしながら、フィルム状の接着材(2)を介して、回路フィルム(1)とリジッド回路基板あるいはフレキシブル回路基板(3)との貼合わせを行うと、接着材(2)と回路フィルム(1)との界面や、接着材(2)とリジッド回路基板またはフレキシブル回路基板(3)との界面に、気泡(4)が巻き込まれてしまう。気泡が存在すると、パッケージや部品をハンダ実装するリフロー工程や、信頼性試験において、気泡(4)の中の空気が膨張し、膨れやクラックとなる危険性がある。このように、気泡(4)を巻き込む欠陥は、重欠陥である。また、気泡(4)が存在すると密着面積が少なくなり、密着強度が低下するという問題もあった。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−64273号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、従来の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板の問題に鑑み、フィルム状の接着材を用いずに、高密度な配線が可能で、かつ安価に製造できる樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板の一態様では、回路パターンが形成されたフレキシブル回路基板と、片面または両面に回路パターンが形成され、一方の面に電気的接続可能な突起部分を形成した1枚または2枚以上の樹脂フィルムと、前記フレキシブル回路基板および前記樹脂フィルムの間で、非導電性接着ペーストが硬化して形成される接着材層とで構成される。前記突起部分は、フレキシブル回路基板上の回路パターンおよび樹脂フィルム上の回路パターンを接続する。
【0016】
前記フレキシブル回路基板および前記樹脂フィルムが、ポリイミドまたは液晶ポリマーで構成されていることが好ましい。
【0017】
本発明の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板の一態様では、回路パターンが形成されたリジッド回路基板と、片面または両面に回路パターンが形成され、一方の面に電気的接続可能な突起部分を形成した1枚または2枚以上の樹脂フィルムと、前記リジッド回路基板および前記樹脂フィルムの間で、非導電性接着ペーストが硬化して形成される接着材層とで構成される。前記突起部分は、リジッド回路基板上の回路パターンおよび樹脂フィルム上の回路パターンを接続する。
【0018】
前記樹脂フィルムが、ポリイミドまたは液晶ポリマーで構成されていることが好ましい。
【0019】
さらに、前記リジッド回路基板は、有機樹脂材料で構成されるか、無機材料で構成される。
【0020】
有機樹脂材料としては、ガラスエポキシまたはBTレジンがあげられる。
【0021】
無機材料としては、アルミナまたはガラスセラミックがあげられる。
【0022】
さらに、前記非導電性接着ペーストは、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂の混合樹脂からなる。
【0023】
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂やフェノール樹脂があげられる。熱可塑性樹脂としては、ポリイミドやポリカーボネートがあげられる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板では、樹脂フィルムに、あらかじめ回路パターンが形成されており、樹脂フィルムの配線加工は、「ライン/スペース=10/10μmピッチ」以下まで、形成することができるため、非常に高密度な配線が可能である。
【0025】
また樹脂フィルムの両面に回路を形成すれば、さらに高密度な配線となる。また、リジッド回路基板やフレキシブル回路基板と貼り合わせる前に、樹脂フィルムの配線の良・不良を検査することができるため、不良品の樹脂フィルムが貼合わせ工程に流出する可能性はなく、歩留まりを高くすることができ、樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板を安価に製造することができる。
【0026】
また、樹脂フィルムとリジッド回路基板またはフレキシブル回路基板との貼合わせを行う際に、フィルム状の接着材ではなく、非導電性接着ペーストを用いるため、気泡の巻き込みが少なく、信頼性の高い樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板が得られる。
【0027】
以下に、本発明の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板の製造方法を説明する。
【0028】
先ず、片面あるいは両面に回路パターンを形成した樹脂フィルムを作製する。
【0029】
回路パターンの形成方法は、例えば、銅箔(18μm)付き樹脂フィルムにエッチングレジストをラミネートし、フォトリソグラフィーを用いた露光および現像で、レジストに回路パターンを形成し、その後、塩化銅などのエッチング液でエッチングして得る一般的な方法でよい。回路パターンが、「ライン/スペース=10/10μmピッチ」などのファインな場合には、銅箔は、厚さが5μm程度の薄いものを用いるとよい。
【0030】
次に、リジッド回路基板あるいはフレキシブル回路基板とを貼り合わせた後に、電気的な接続を得るために、樹脂フィルムの回路上の所定の場所に10〜100μmの突起部分を形成する。この突起部分は、例えば銀エポキシペーストを、メタルマスクを用いて、樹脂フィルムの回路上にスクリーン印刷をし、硬化させて形成する。
【0031】
または、めっき法を用いて突起部分を形成してもよい。この場合には、所定の場所以外を被覆するように、めっきレジストを形成し、電解銅めっき、電解ハンダめっきもしくは無電解銅めっきで、めっきを突起状に析出させて形成する。めっきレジストは、めっき析出後に剥離する。
【0032】
次に、非導電性接着ペーストを、リジッド回路基板やフレキシブル基板に塗布する。塗布方法は、非導電性接着ペーストをシリンジに入れておいて、ディスペンサーを用いて塗布してもよいし、スクリーン印刷を用いて塗布してもよい。塗布量は、貼合わせて硬化した後の膜厚が10〜100μmになるように調整して塗布する。
【0033】
次に、突起部分を形成した樹脂フィルムを、貼り合わせる所望の外形に金型で打ち抜き、打ち抜いた樹脂フィルムを、リジッド回路基板あるいはフレキシブル回路基板の回路パターンと位置合わせをして、貼合わせを行う。この時、貼合わせは気泡を巻き込まないように、50g/cm2程度の低い圧力で加圧し、突起部分の先端を、リジッド回路基板あるいはフレキシブル回路基板の回路パターンに接触させる。気泡が抜けた後、150℃で20秒間、保持して仮硬化させる。その後、オーブン中で180℃、30分間、加熱し、完全に硬化させる。
【0034】
このようにして、本発明の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板を得る。
【0035】
【実施例1】
以下、図面を参照して実施例を説明する。
【0036】
図1は、本発明の一実施例の製造方法を示す一連の断面図である。
【0037】
図1の(a)に示すように、片面に5μm厚の銅箔(6)が付いたポリイミドフィルム(7)(厚さ50μm)の銅箔上に、エッチングレジストを真空ラミネータを用いて120℃でラミネートした。エッチングレジストは図示していない。
【0038】
次に、図1の(b)のように、紫外線露光機を用いてエッチングレジストの上に回路パターンを露光した後、現像液で回路パターンを現像し、レジストパターンを形成し、塩化銅溶液に浸漬して、銅箔(6)をエッチングして回路パターン(8)を形成した。その後、アルカリ剥離溶液でエッチングレジストを剥離した。
【0039】
次に、図1の(c)のように、ポリイミド層側から所定の場所に炭酸ガスレーザーを照射し、ポリイミド層を貫通する150μmφの孔(9)を形成した。
【0040】
次に、図1の(d)のように、前記孔(9)と同一位置に、150μmφの孔径を開けた図示しないメタルマスク(厚さ100μm)を重ねて、印刷後の銀エポキシペースト(10)が、孔の開孔面から50μm、突起状になるように、銀エポキシペースト(10)の塗布量を調整しつつ、スクリーン印刷で、2回、印刷を行った。
【0041】
次いで、印刷した樹脂フィルムを120℃で5分間、加熱乾燥し、銀エポキシペースト(10)を仮硬化させた。
【0042】
次に、図1の(e)のように、ガラスエポキシ回路基板(3)の貼合わせ領域に、エポキシ系の非導電性接着ペースト(11)を、ディスペンサーを用いて塗布した。塗布量は、塗布後の膜厚が40μmになるように調整し、貼合わせ領域の5箇所に塗布した。
【0043】
次に、金型を用いて、ポリイミドフィルム(7)を回路パターンの外形の20mm角に打ち抜き、フリップチップボンダー(図示せず)を用いて、ガラスエポキシ回路基板(3)の回路パターンのアライメントマークを参照して位置合わせを行った後、貼り合わせた。貼合わせは、気泡の巻き込みがないように、50g/cm2の低い圧力で加圧しながら行い、銀エポキシペースト(10)の突起の先端が、ガラスエポキシ回路基板(3)の回路に接触するようにした。非導電性接着ペースト(11)が十分に広がって、気泡が抜けた後、150℃に昇温したフリップチップボンダーのツールに20秒間保持して、仮硬化させた。フリップチップボンダーから外した後、180℃のオーブン中で30秒間、加熱し、非導電性接着ペースト(11)と銀エポキシペースト(10)を完全に硬化させた。
【0044】
以上のようにして、図1の(f)のように、樹脂フィルム貼り合わせ多層配線基板(12)を得た。
【0045】
評価は、吸湿リフロー試験およびヒートサイクル試験を行った。
【0046】
吸湿リフロー試験は、85℃/60%RHで168時間、吸湿させた後、赤外線リフローを2回通してから、膨れおよびクラックの有無の観察、電気抵抗の変化率を測定した。
【0047】
また、ヒートサイクル試験は、−45〜80℃で各30分間さらすサイクルを、500サイクルまで行い、膨れおよびクラックの有無の観察、電気抵抗の変化率を測定した。
【0048】
結果を、表1に示す。
【0049】
【実施例2】
ポリイミドフィルム(7)に換えて、銅ポリイミドからなるフレキシブル回路基板を使用した以外は、実施例1と同様に、樹脂フィルム貼り合わせ多層配線基板(12)を得た。
【0050】
評価も、実施例1と同様に行った。
【0051】
結果を、表1に示す。
【0052】
【実施例3】
ポリイミドフィルム(7)に換えて、金ペーストとガラスセラミックからなるリジッド回路基板を使用した以外は、実施例1と同様に、樹脂フィルム貼り合わせ多層配線基板(12)を得た。
【0053】
評価も、実施例1と同様に行った。
【0054】
結果を、表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
表1から分かるように、吸湿リフロー試験およびヒートサイクル試験ともに、実施例1〜3では、膨れおよびクラックはなかった。また、抵抗値は、熱膨張係数差の大きい実施例3では高めであったが、抵抗値の変化率は20%以下であり、実用上、問題のないレベルであった。実施例1および2では、変化率が10%程度で良好な結果となった。
【0057】
【発明の効果】
本発明の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板は、樹脂フィルムにあらかじめ回路パターンを形成するため、高密度な配線が形成できる。また、貼合わせを行う前に、良・不良の検査ができるため、貼合わせ工程に不良品の樹脂フィルムが流出せず、歩留まりを高くでき、安価に製造することができる。また、貼合わせの際に、フィルム状接着材を用いず、流動性のある非導電性接着ペーストを用いるため、貼合わせ時の気泡の巻き込みが少なく、信頼性の高い樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の製造方法を示す一連の断面図である。
【図2】従来の貼合わせ基板の製造方法を示す一連の断面図である。
【符号の説明】
1 突起付き樹脂フィルム
2 フィルム状接着材
3 リジッド回路基板
4 気泡
5 従来の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板
6 銅箔
7 ポリイミドフィルム
8 回路パターン
9 レーザーにより開孔された孔
10 銅エポキシペースト
11 非導電性接着ペースト
12 本発明の一実施例の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板
Claims (10)
- 回路パターンが形成されたフレキシブル回路基板と、片面または両面に回路パターンが形成され、一方の面に電気的接続可能な突起部分を形成した1枚または2枚以上の樹脂フィルムと、前記フレキシブル回路基板および前記樹脂フィルムの間で、非導電性接着ペーストが硬化して形成される接着材層とで構成される樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板であり、前記突起部分は、フレキシブル回路基板上の回路パターンおよび樹脂フィルム上の回路パターンを接続することを特徴とする樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板。
- 前記フレキシブル回路基板および前記樹脂フィルムが、ポリイミドまたは液晶ポリマーで構成されている請求項1に記載の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板。
- 回路パターンが形成されたリジッド回路基板と、片面または両面に回路パターンが形成され、一方の面に電気的接続可能な突起部分を形成した1枚または2枚以上の樹脂フィルムと、前記リジッド回路基板および前記樹脂フィルムの間で、非導電性接着ペーストが硬化して形成される接着材層とで構成される樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板であり、前記突起部分は、リジッド回路基板上の回路パターンおよび樹脂フィルム上の回路パターンを接続することを特徴とする樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板。
- 前記樹脂フィルムが、ポリイミドまたは液晶ポリマーで構成されている請求項3に記載の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板。
- 前記リジッド回路基板が、有機樹脂材料で構成された請求項3に記載の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板。
- 前記リジッド回路基板が、ガラスエポキシまたはBTレジンで構成された請求項3に記載の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板。
- 前記リジッド回路基板が、無機材料で構成された請求項3に記載の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板。
- 前記リジッド回路基板が、アルミナまたはガラスセラミックで構成された請求項3に記載の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板。
- 前記非導電性接着ペーストが、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂の混合樹脂からなることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板。
- 前記非導電性接着ペーストが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリカーボネート、またはこれらの混合樹脂からなることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2002370931A JP2004207265A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7851921B2 (en) | 2006-07-31 | 2010-12-14 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Device mounting board having multiple circuit substrates, and semiconductor module with the device mounting board |
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-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002370931A patent/JP2004207265A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7851921B2 (en) | 2006-07-31 | 2010-12-14 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Device mounting board having multiple circuit substrates, and semiconductor module with the device mounting board |
| US8183090B2 (en) | 2006-07-31 | 2012-05-22 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Methods for manufacturing device mounting board and circuit substrate |
| JP2014102163A (ja) * | 2012-11-20 | 2014-06-05 | Nidec Sankyo Corp | 磁気センサ装置 |
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