JP2004207330A - 静止誘導電器の巻線締付構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】巻線押えボルト11にコイルバネ12とナット15及びロックナット16を装着し、ナット15を回転し、ナット15を巻線押えボルト11に沿って移動させることによりコイルバネ12を圧縮し、この圧縮量に応じた巻線締付力により巻線7を押圧すると共に、この巻線締付力と反対方向に電磁力が働く時には巻線押えボルト11の剛体部で受け止めるため、コイルバネ12及び巻線押え構造を小型化できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、変圧器に好適な静止誘導電器の巻線締付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来の変圧器に使用した巻線締付構造の一例を示す側断面図である。同図において、閉回路鉄心1の上側及び下側の継鉄部1Aを締付ける上部フレーム2と下部フレーム3を配置し、上部フレーム2と下部フレーム3の間を鉄心締付板4により連結する。上側及び下側継鉄部1Aの両側面と鉄心締付板4との間には脚部1Bが配置されている。脚部1Bには導体を巻回してなる巻線7が配置されている。巻線7の上端側と対向する上部フレーム2のアーム5に設けたネジ孔には、巻線押えボルト6を挿入している。巻線押えボルト6はロッド部にオネジを有し、ナット部6Bと押え部6Aから構成されている。
【0003】
ナット部6Bを回転させて、巻線押えボルト6を下側に移動させることで、上部フレーム2と巻線7の上部に当接されたクランプ8との間隔を拡げるようにして巻線7を所定の力で締付ける。巻線押えボルト6で締付けられた締付力は、巻線押えボルト6、クランプ8、端部絶縁物7A、巻線7、巻線受台9、下部フレーム3に伝達され、上部フレーム2と下部フレーム3との間隔が拡げられるように締付力が作用する。
【0004】
この締付力は、閉回路鉄心1の脚部1Bに当接された鉄心締付板4の長さ方向の両端部に固着された止め金10と、これと係合する上部フレーム2と下部フレーム3により鉄心締付板4に伝達され、鉄心締付板4で巻線締付力を保持するようになっている。
【0005】
また、巻線押え部の構造として例えば引用文献1では、皿ばねを使用した例が示されている。これは、積重ねた皿ばねの上部から押圧し、皿ばねの下部に当接した押し金で巻線を押え付けることにより、巻線締付後に絶縁物が収縮しても、収縮分を皿ばねの撓み量で吸収し、所定の巻線締付力を保持するものである。
【0006】
【引用文献1】
特開平5−21237号公報(要約)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、電力貯蔵や規制緩和による電力卸業者の台頭により、電力の起動停止を頻繁に行う変圧器が増加している。そのため、多頻度起動の励磁突入電流により生じる繰返し電磁力に耐える構造が必要となっている。
【0008】
従来の静止誘導電器の巻線締付構造では、巻線7を締付後、使用条件や経年変化により、巻線7の内部や端部の絶縁物が収縮する。この結果、巻線締付力が低下し、静止誘導電器の運転中に巻線に生じる電磁力に対して、これを保持するに足る巻線締付力が維持できないという問題点があった。
【0009】
引用文献1では、この巻線締付力を保持するために巻線押え部に皿ばねを使用し、積重ねた皿ばねの上部から押圧し、皿ばねの下部に当接した押し金で巻線を押え付ける構造である。皿ばねの特性として荷重に対して撓み量が少ないため、所定の撓み量と巻線締付力を得るためには皿ばねを数多く積層して使用する必要がある。
【0010】
また、短絡電流や励磁突入電流等により発生する電磁力が巻線押えを突上げる様に働くと、この突上げ力を積重ねた皿ばねが全て受け止める構造となっている。このため、ばね部に十分な機械的強度が必要となるので、巻線押え部が大型化し、巻線押え部のコンパクト化が図れないという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、コイルバネを使用して巻線押え部を小型化した静止誘導電器の巻線締付構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を克服するため、本発明では、巻線押え手段にコイルバネ及び締付け手段を装着し、締付け手段を巻線押え手段に沿って移動させ、コイルバネを圧縮し、このコイルバネの圧縮量に応じた巻線締付力で巻線を押圧すると共に、この巻線締付力と反対方向に力が働く時には、巻線押え手段で反対方向の力を受け止めることを特徴とする。
【0013】
即ち、巻線押え手段にコイルバネを採用することで、巻線及び絶縁物が収縮してもコイルバネの巻線締付力により巻線及び絶縁物を押圧し、常に巻線及び絶縁物が締付けられた状態を保ち、絶縁物の移動や脱落を防止することができる。
【0014】
巻線押え手段を突上げる様な巻線締付力と反対方向に大きな電磁力が働く場合には、巻線押え手段で受け止めるため、コイルバネはばね定数を小さくできるので、巻線押え手段の構造を従来構造よりコンパクト化することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1、2に示す変圧器の巻線締付構造により説明する。図1、図2は図3と同じ部品には同一符号を付している。
【0016】
上部フレーム2に固着されたアーム5にネジ孔を有し、巻線押えボルト11のオネジをネジ孔に挿入し、巻線押えボルト11はアーム5に支持されている。ばね押え板14に設けた貫通孔14Aに巻線押えボルト11を挿入すると共に、巻線押えボルト11の先端は、巻線締付座13に当接している。
【0017】
巻線押えボルト11には、ばね押え板14とナット15及びロックナット16を挿入している。ばね押え板14のアーム5側にはナット15が当接している。
【0018】
アーム5と反対側の巻線押えボルト11の先端は巻線締付座13に当接している。巻線締付座13は巻線上部を抑えるクランプ8の上に設置されている。巻線締付座13の下面側には、ピン13Bを設け、このピン13Bをクランプ8の溝8Aに挿入し、クランプ8の上に巻線締付座13を固定している。巻線締付座13にガイド13Aを設け、ばね押え板14側に延びるガイド13Aには、コイルバネ12を装着している。つまり、クランプ8とばね押え板14との間の巻線押えボルト11の周囲には、巻線締付座13のガイド13Aとこれに装着したコイルバネ12とが配置されている。
【0019】
コイルバネ12は、巻線締付座13のガイド13Aに挿入され、ばね押え板14を介してナット15により押圧されている。巻線押えボルト11のオネジ部には、コイルバネ12の緩み止めとしてナット15を介してロックナット16が設けられている。また、ナット17は巻線押さボルト11の緩み止めである。
【0020】
次に巻線7を締付ける締付順序について説明する。
【0021】
巻線の締付には、コイルバネ12を巻線締付座13のガイド13Aに挿入し、巻線押えボルト11をアーム5の上方から挿入し、巻線押えボルト11のナット部11Aを回転させることにより、巻線押えボルト11の先端が下側に移動する。
【0022】
そこで、ロックナット16及びナット15とばね押え板14の貫通孔14Aを巻線押えボルト11の先端から挿入する。更に、巻線押えボルト11を下側に移動させ、その先端は巻線締付座13からクランプ8を介して巻線7を押圧する。
【0023】
一方、コイルバネ12についてはナット15を回転させることによって、ナット15及びばね押え板14は巻線押えボルト11に沿って下側に移動する。この結果、コイルバネ12が圧縮され、この巻線締付力により巻線締付座13からクランプ8を介して巻線7を押圧する。
【0024】
コイルバネ12は、材質や線材の直径、コイルの有効直径、コイルの有効巻回数により押圧力と撓みの関係を自由に設定することができる。また、固有振動数も自由に設定できるため、運転中に生じる加振周波数を避けることができる。
【0025】
巻線7内に使用される絶縁物及び端部絶縁物7A、絶縁物で構成されたクランプ8や巻線受台9の寸法収縮量は、それらの絶縁物の材料特性、所要の高さ方向の寸法から容易に求めることができる。
【0026】
一般に、絶縁物の寸法収縮は圧縮荷重の他、絶縁物に含まれる水分量の低下や物理的な熱的特性などによって生じる。巻線締付後に生じるこれらの収縮量を求め、この収縮量が生じたときに必要とする締付力をコイルバネ12の撓みとばね力の関係により容易に求めることができる。従って、巻線締付後に絶縁物の収縮が生じてもコイルバネ12の押圧力により必要な締付力を確保することが可能である。
【0027】
また、短絡電流や励磁突入電流により生じる電磁力により、巻線押さえボルト11を突上げる様な巻線締付力と反対方向の大きな電磁力が働く場合には、巻線押さえボルト11の剛体部で受け止める。このため、コイルバネ12には大きな電磁力が加わらないので、コイルバネ12は大きな強度を持つ必要がなく、絶縁物の収縮が生じても必要な押圧力つまり締付力を確保できるばね力と撓み量を満足すれば良い。
【0028】
このように、本発明においては、巻線締付後の絶縁物の収縮をコイルバネ12の撓み量で吸収し、絶縁物が収縮しても巻線締付力を保持することができると共に、端部絶縁物7A等の移動や脱落を防止することができる。
【0029】
巻線押えボルト11を突上げる様な巻線締付力と反対方向に大きな電磁力が働く場合には、巻線押えボルト11の剛体部で受け止める。このため、コイルバネ12としては大きな電磁力が加わらない分だけ、ばね定数の小さいコイルバネ12を適用でき、コイルバネ12及び巻線押え構造をコンパクトに実現できる。
【0030】
更に、コイルバネ12は、所定のばね力と撓み量を設定し、運転中に生じる加振周波数から外れた固有振動数を設定することも容易である。尚、前述の実施例では、変圧器を例に説明したが、リアクトルの巻線締付構造にも適用することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、本発明の静止誘導電器の巻線締付構造によれば、巻線押え及びコイルバネをコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による変圧器の巻線締付構造を示した側断面図。
【図2】図1に使用した巻線締付構造を詳細に示した側断面図。
【図3】従来の変圧器の巻線締付構造を示した側断面図。
【符号の説明】
1…閉回路鉄心、1A…継鉄部、1B…脚部、2…上部フレーム、3…下部フレーム、4…鉄心締付板、5…アーム、6…巻線押えボルト、6A…押え部、6B…ナット部、7…巻線、7A…端部絶縁物、8…クランプ、8A…溝、9…巻線受台、10…止め金、11…巻線押えボルト、11A…ナット部、12…コイルバネ、13…巻線締付座、13A…ガイド、13B…ピン、14…ばね押え板、14A…貫通孔、15…ナット、16…ロックナット、17…ナット、18…ベース。
Claims (2)
- 脚部及び継鉄部を有する閉回路鉄心と、前記継鉄部を締付けるフレームと、前記脚部及び継鉄部と当接し、且つ上・下フレーム間にフレームと係合するように配置された鉄心締付板と、前記脚部に巻回された巻線と、この巻線の一方の端部と対向する前記フレームのアームに設けられた巻線押え手段と、この巻線押え手段に装着され、且つ巻線押え手段に沿って移動することにより前記巻線を押圧する締付け手段とを備えた静止誘導電器巻線の締付構造において、
前記巻線押え手段にコイルバネを装着し、前記締付け手段により前記コイルバネ及び巻線を締付ける巻線締付力と、この巻線締付力と反対方向に働く力を前記巻線押え手段で受け止めることを特徴とする静止誘導電器の巻線締付構造。 - 前記巻線押え手段及びコイルバネとが前記巻線に当接していると共に、前記締付け手段は前記巻線と離れた前記巻線押え手段の途中に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の静止誘導電器の巻線締付構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002371897A JP2004207330A (ja) | 2002-12-24 | 2002-12-24 | 静止誘導電器の巻線締付構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2002371897A JP2004207330A (ja) | 2002-12-24 | 2002-12-24 | 静止誘導電器の巻線締付構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
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| JP2004207330A true JP2004207330A (ja) | 2004-07-22 |
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|---|---|---|---|
| JP2002371897A Pending JP2004207330A (ja) | 2002-12-24 | 2002-12-24 | 静止誘導電器の巻線締付構造 |
Country Status (1)
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Cited By (8)
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-
2002
- 2002-12-24 JP JP2002371897A patent/JP2004207330A/ja active Pending
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