JP2004207331A - 有機半導体素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ソース電極、ドレイン電極、前記ソース電極と前記ドレイン電極を連結する有機半導体材料からなる活性半導体層、およびゲート電極を有する有機半導体素子であって、前記活性層が大気圧下におけるプラズマ処理によって形成された絶縁膜に挟まれるように配置されていることを特徴とする有機半導体素子。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機半導体の活性層(有機半導体材料により形成された活性半導体層)を含む有機半導体素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報端末の普及に伴い、コンピュータ用のディスプレイとしてフラットパネルディスプレイに対するニーズが高まっている。またさらに情報化の進展に伴い、従来紙媒体で提供されていた情報が電子化されて提供される機会が増え、薄くて軽い、手軽に持ち運びが可能なモバイル用表示媒体として、電子ペーパーあるいはデジタルペーパーへのニーズも高まりつつある。
【0003】
一般にディスプレイ装置においては液晶、有機EL、電気泳動などを利用した素子を用いて表示媒体を形成しており、こうした表示媒体では画面輝度の均一性や画面書き換え速度などを確保するために、画像駆動素子としてアクティブ駆動素子(TFT素子)を用いる技術が主流になっている。例えば通常のコンピュータディスプレイではガラス基板上にこれらTFT素子を形成し、液晶、有機EL等が封止されている。
ここでTFT素子には主にa-Si(アモルファスシリコン)、p-Si(ポリシリコン)などの半導体を用いることができ、例えば図2に示すようにこれらのSi半導体(必要に応じて金属膜も)を多層化し、ソース、ドレイン、ゲート電極を基板上に順次形成していくことでTFT素子が製造される(例えば、下記特許文献1)。こうしたTFT素子の製造には通常、スパッタリング、その他の真空系の製造プロセスが必要とされる。
【0004】
一方、最近、薄膜トランジスタ(TFT)内の活性半導体層として使用するために有機材料が検討されている。有機材料は加工が容易であり、一般にTFTが形成されるプラスチック基板と親和性が高いので、薄膜デバイス内の活性半導体層としての利用が期待されている。従って、低コストで大面積のデバイス、特にディスプレイのアクティブ駆動素子として検討が進められている(例えば、下記特許文献2,3)。
【特許文献1】
特開平9−311321号公報
【特許文献2】
特開平10−190001号公報
【特許文献3】
特開2000−307172号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者のようなSi半導体を用いたTFT素子の製造では真空チャンバーを含む真空系の製造プロセスを何度も繰り返して各層を形成せざるを得ず、装置コスト、ランニングコストが非常に膨大なものとなっていた。通常、こうしたTFT素子ではそれぞれの層の形成のために、スパッタ、CVD、フォトリソグラフ、等の工程を何度も繰り返す必要があり、何十もの工程を経て素子を基板上に形成している。
【0006】
こうした従来のSi半導体による製造方法ではディスプレイ画面の大型化のニーズに対し、真空チャンバー等の製造装置の大幅な設計変更が必要とされるなど、設備の変更が容易ではない。
またトランジスタのゲート絶縁膜もシリコン基板の熱酸化による酸化ケイ素膜、スパッタ法などのドライプロセスによる酸化物薄膜により形成されることが一般的であった。
【0007】
後者のようにTFT内の活性半導体層として有機材料を用いた場合、加工は容易となる可能性があるが、結果として得られるデバイスのオン/オフ比やリーク電流、また安定性や寿命を充分に満たすことは容易でなく、こうした特性を実現するための具体的手法、素子構成についてはこれまで十分に見いだされていなかった。
本発明の目的は製造コストの低減、製造プロセスの簡略化とともに半導体素子としての特性および安定性が向上した有機半導体素子を実現するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の各々の構成により達成された。
(1)ソース電極、ドレイン電極、前記ソース電極と前記ドレイン電極を連結する有機半導体材料からなる活性半導体層、およびゲート電極を有する有機半導体素子であって、前記活性層が大気圧下におけるプラズマ処理によって形成された絶縁膜に挟まれるように配置されていることを特徴とする有機半導体素子、あるいは
(2)大気圧下におけるプラズマ処理によって第1の絶縁膜を形成するステップ、前記第1の絶縁膜上にソース電極およびドレイン電極をチャネルとして配置するステップ、前記ソース電極およびドレイン電極を連結するように有機半導体材料からなる活性半導体層を配置するステップ、および前記活性半導体層の上に大気圧下におけるプラズマ処理によって第2の絶縁膜を形成するステップ、を含むことを特徴とする有機半導体素子の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の素子の構成は、例えば図1に示すように配置される。すなわちゲート電極G、ゲート絶縁膜I、有機半導体材料からなる活性半導体層P(有機半導体層)、ソース電極S、ドレイン電極Dから成る。
図1(a)は支持体上に、ゲート電極、第1の絶縁膜(ゲート絶縁膜)、有機半導体材料からなる活性半導体層(有機半導体層)によるチャネル、がこの順序で配置されており、さらに有機半導体層を第2の絶縁膜で被覆したものである。すなわち支持体上でチャネルとなる活性半導体層(有機半導体層)がゲート電極より上部に配置されている。有機半導体層は第1の絶縁膜上に所定の間隔を置いて配置されたソース電極、ドレイン電極上部にまたがるように配置され、これらソース電極、ドレイン電極間にチャネルを形成している。
【0010】
図1(b)は支持体上に第1の絶縁膜、有機半導体材料による活性半導体層(有機半導体層)によるチャネル、第2の絶縁膜(ゲート絶縁膜)、ゲート電極がこの順序で配置されており、支持体上でゲート電極をチャネルとなる活性半導体層(有機半導体層)より上部に配置した例である。
【0011】
なおソース電極、ドレイン電極と有機半導体材料との間に接合用の膜を形成しても良く、例えばこうした膜としてCr薄膜、Au薄膜、Pt薄膜、および導電性ポリマー薄膜等が挙げられる。
本発明の有機半導体素子では上記第1および第2の絶縁膜が大気圧プラズマ法により形成された絶縁膜であり、有機半導体材料による活性半導体層(有機半導体層)がこうして形成された絶縁膜によって挟まれるように配置されている。
以下に各部材の構成、材質、プロセスについて説明する。
【0012】
<有機半導体材料からなる活性半導体層(有機半導体層)>
本発明のチャネルとなる活性半導体層を形成する有機半導体材料として好ましいのはπ共役系高分子化合物である。 たとえばポリピロール、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)などのポリピロール類、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、ポリベンゾチオフェンなどのポリチオフェン類、ポリイソチアナフテンなどのポリイソチアナフテン類、ポリチェニレンビニレンなどのポリチェニレンビニレン類、ポリ(p−フェニレンビニレン)などのポリ(p−フェニレンビニレン)類、ポリアニリン、ポリ(N−置換アニリン)、ポリ(3−置換アニリン)、ポリ(2,3−置換アニリン)などのポリアニリン類、ポリアセチレンなどのポリアセチレン類、ポリジアセチレンなどのポリジアセチレン類、ポリアズレンなどのポリアズレン類、ポリピレンなどのポリピレン類、ポリカルバゾール、ポリ(N−置換カルバゾール)などのポリカルバゾール類、ポリセレノフェンなどのポリセレノフェン類、ポリフラン、ポリベンゾフランなどのポリフラン類、ポリ(p−フェニレン)などのポリ(p−フェニレン)類、ポリインドールなどのポリインドール類、ポリピリダジンなどのポリピリダジン類、ナフタセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ジベンゾペンタセン、テトラベンゾペンタセン、ピレン、ジベンゾピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テリレン、オバレン、クオテリレン、サーカムアントラセンなどのポリアセン類およびポリアセン類の炭素の一部をN、S、Oなどの原子、カルボニル基などの官能基に置換した誘導体(トリフェノジオキサジン、トリフェノジチアジン、ヘキサセン−6,15−キノンなど)、ポリビニルカルバゾール、ポリフエニレンスルフィド、ポリビニレンスルフィドなどのポリマーや特開平11−195790に記載された多環縮合体などを用いることができる。また、これらのポリマーと同じ繰返し単位を有するたとえばチオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、スチリルベンゼン誘導体などのオリゴマーも好適に用いることができる。さらに銅フタロシアニンや特開平11−251601に記載のフッ素置換銅フタロシアニンなどの金属フタロシアニン類、ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N’−ビス(4−トリフルオロメチルベンジル)ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミドとともに、N,N’−ビス(1H,1H−ペルフルオロオクチル)、N,N’−ビス(1H,1H−ペルフルオロブチル)及びN,N’−ジオクチルナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド誘導体、ナフタレン2,3,6,7テトラカルボン酸ジイミドなどのナフタレンテトラカルボン酸ジイミド類、及びアントラセン2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミドなどのアントラセンテトラカルボン酸ジイミド類などの縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、C60、C70、C76、C78、C84等フラーレン類、SWNTなどのカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類などの色素などがあげられる。
【0013】
これらのπ共役系材料のうちでも、チオフェン、ビニレン、チェニレンビニレン、フェニレンビニレン、p−フェニレン、これらの置換体またはこれらの2種以上を繰返し単位とし、かつ該繰返し単位の数nが4〜10であるオリゴマーもしくは該繰返し単位の数nが20以上であるポリマー、ペンタセンなどの縮合多環芳香族化合物、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
【0014】
また、その他の有機半導体材料としては、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、などの有機分子錯体も用いることができる。さらにポリシラン、ポリゲルマンなどのσ共役系ポリマーや特開2000−260999号に記載の有機・無機混成材料も用いることができる。
【0015】
本発明においては、活性半導体層に、たとえば、アクリル酸、アセトアミド、ジメチルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基などの官能基を有する材料や、ベンゾキノン誘導体、テトラシアノエチレンおよびテトラシアノキノジメタンやそれらの誘導体などのように電子を受容するアクセプターとなる材料や、たとえばアミノ基、トリフェニル基、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、フェニル基などの官能基を有する材料、フェニレンジアミンなどの置換アミン類、アントラセン、ベンゾアントラセン、置換ベンゾアントラセン類、ピレン、置換ピレン、カルバゾールおよびその誘導体、テトラチアフルバレンとその誘導体などのように電子の供与体であるドナーとなるような材料を含有させ、いわゆるドーピング処理を施してもよい。
【0016】
前記ドーピングとは電子授与性分子(アクセクター)または電子供与性分子(ドナー)をドーパントとして該薄膜に導入することを意味する。従って,ドーピングが施された薄膜は、前記の縮合多環芳香族化合物とドーパントを含有する薄膜である。本発明に用いるドーパントとしてアクセプター、ドナーのいずれも使用可能である。このアクセプターとしてCl2、Br2、I2、ICl、ICl3、IBr、IFなどのハロゲン、PF5、AsF5、SbF5、BF3、BC13、BBr3、SO3などのルイス酸、HF、HC1、HNO3、H2S- O4、HClO4、FSO3H、ClSO3H、CF3SO3Hなどのプロトン酸、酢酸、蟻酸、アミノ酸などの有機酸、FeCl3、FeOCl、TiCl4、ZrCl4、HfCl4、NbF5、NbCl5、TaCl5、MoCl5、WF5、WCl6、UF6、LnCl3(Ln=La、Ce、Nd、Pr、などのランタノイドとY)などの遷移金属化合物、Cl- , Br- , I- , ClO4- 、PF6- 、AsF5- 、SbF6- 、BF4- 、スルホン酸アニオンなどの電解質アニオンなどを挙げることができる。またドナーとしては、Li、Na、K、Rb、Csなどのアルカリ金属、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Ybなどの希土類金属、アンモニウムイオン、R4P+、R4As+、R3S+、アセチルコリンなどをあげることができる。これらのドーパントのドーピングの方法として予め有機半導体の薄膜を作製しておき、ドーパントを後で導入する方法、有機半導体の薄膜作製時にドーパントを導入する方法のいずれも使用可能である。前者の方法のドーピングとして、ガス状態のドーパントを用いる気相ドーピング、溶液あるいは液体のドーパントを該薄膜に接触させてドーピングする液相ドーピング、個体状態のドーパントを該薄膜に接触させてドーパントを拡散ドーピングする固相ドーピングの方法をあげることができる。また液相ドーピングにおいては電解を施すことによってドーピングの効率を調整することができる。後者の方法では、有機半導体化合物とドーパントの混合溶液あるいは分散液を同時に塗布、乾燥してもよい。たとえば真空蒸着法を用いる場合、有機半導体化合物とともにドーパントを共蒸着することによりドーパントを導入することができる。またスパッタリング法で薄膜を作製する場合、有機半導体化合物とドーパントの二元ターゲットを用いてスパッタリングして薄膜中にドーパントを導入させることができる。さらに他の方法として、電気化学的ドーピング、光開始ドーピング等の化学的ドーピングおよび例えば刊行物{工業材料、34巻、第4号、55頁、1986年}に示されたイオン注入法等の物理的ドーピングの何れも使用可能である。
【0017】
これら有機薄膜の作製法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、プラズマ重合法、電解重合法、化学重合法、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法およびLB法等が挙げられ、材料に応じて使用できる。ただし、この中で生産性の点で、有機半導体の溶液をもちいて簡単かつ精密に薄膜が形成できるスピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等が好まれる。これら有機半導体からなる薄膜の膜厚としては、特に制限はないが、得られたトランジスタの特性は、有機半導体からなる活性層の膜厚に大きく左右される場合が多く、その膜厚は、有機半導体により異なるが、一般に1μm以下、特に10〜300nmが好ましい。
【0018】
<電極(ソース、ドレイン、ゲート電極>
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極としては、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン,タングステン,酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペーストおよびカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられるが、特に、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ITOおよび炭素が好ましい。あるいはドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体なども好適に用いられる。ソース電極、ドレイン電極は、上に挙げた中でも有機半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。
【0019】
電極の形成方法としては、上記を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅などの金属箔上に熱転写、インクジェット等によるレジストを用いてエッチングする方法がある。また導電性ポリマーの溶液あるいは分散液,導電性微粒子分散液を直接インクジェットによりパターニングしてもよいし、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーションなどにより形成してもよい。さらに導電性ポリマーや導電性微粒子を含むインク、導電性ペーストなどを凸版、凹版、平版、スクリーン印刷などの印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
【0020】
上記導電性微粒子として、粒子径が1〜50nm好ましくは1〜10nmの白金、金、銀、銅、コバルト、クロム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、モリブデン、タングステンなどの金属微粒子が挙げられる。このような金属微粒子分散液の製造方法として、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法などの物理的生成法や、コロイド法、共沈法などの、液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法が挙げられるが、好ましくは、特開平11−76800号、特開平11−80647号、特開平11−319538号、および特開2000−239853号などに示されたコロイド法、特開2001−254185号、特開2001−53028号、特開2001−35814号、特開2001−35255号、特開2000−124157号、および特開2000−123634号などに記載されたガス中蒸発法により製造された分散物である。これらの分散物を、塗設し電極パターン状に成型した後、溶媒を乾燥させ、さらに100℃〜300℃、好ましくは150℃〜200℃の範囲で熱処理することにより、金属微粒子を熱融着させることで電極形成する。なおゲートライン、ソースラインについても上記電極と同様に形成することが可能である。
【0021】
<第1の絶縁膜(絶縁層)および第2の絶縁膜(絶縁層)>
本発明の絶縁膜として種々の絶縁膜を用いることができるが、特に酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンが好ましい。本発明では特に該絶縁膜を大気圧下でのプラズマ製膜処理によって形成する。以下にこの大気圧下でのプラズマ製膜処理について説明する。
【0022】
大気圧下でのプラズマ製膜処理による絶縁膜(例えば酸化物:SiO2、TiO2等 /窒化物:Si3N4等)の形成方法については以下のように説明される。
上記大気圧下でのプラズマ製膜処理とは、大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電し、反応性ガスをプラズマ励起し、基材上に薄膜を形成する処理を指し、その方法については特開平11−133205号、特開2000−185362号、特開平11−61406号、特開2000−147209号、および特開2000−121804号等に記載されている(以下、大気圧プラズマ法とも称する)。 これによって高機能性の薄膜を、生産性高く形成することができる。
【0023】
図4はプラズマ成膜処理を行う装置を示す図である。図4において、プラズマ放電処理容器31、ガス発生装置51、電源41、電極冷却ユニット60等が装置構成として配置されている。電極冷却ユニット60の冷却剤としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が用いられる。
前記プラズマ放電処理容器31内にロール電極25、固定されている電極36を所定位置に配置し、ガス発生装置51で発生させた混合ガスを流量制御して、給気口52よりプラズマ放電処理容器31内に入れ、前記プラズマ放電処理容器31内をプラズマ処理に用いる混合ガスで充填し排気口53より排気する。次に電源41により電極36に電圧を印加し、ロール電極25はアースに接地し、放電プラズマを発生させる。ここでロール状の元巻き基材61より基材Fを供給し、ガイドローラ64を介して、ロール電極25に巻回された基材Fは、ニップローラ65、66で押圧され、プラズマ放電処理容器31内の電極間を片面接触(ロール電極25に接触している)の状態で搬送され、基材Fは搬送中に放電プラズマにより表面が放電処理され、その後にガイドローラ67を介して、次工程に搬送される。ここで、基材Fはロール電極25に接触していない面のみ放電処理がなされる。
また、仕切板54は前記ニップローラ65、66に近接して配置され、基材Fに同伴する空気がプラズマ放電処理容器31内に進入するのを抑制する。
アース電極であるロール電極25は、金属等の導電性母材に対しセラミックスを溶射後、無機材料を用いて封孔処理したセラミック被覆処理誘電体を被覆した組み合わせで構成されているものである。または、金属等の導電性母材へライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体を被覆した組み合わせてもよい。ライニング材としては、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸塩系ガラス、亜テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラス、バナジン酸塩ガラス等が好ましく用いられるが、この中でもホウ酸塩系ガラスが加工し易いので、更に好ましく用いられる。金属等の導電性母材としては、銀、白金、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属等が挙げられるが、加工の観点からステンレスが好ましい。また、溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、更に好ましく用いられる。ロール電極の母材は、冷却水による冷却手段を有するステンレス製ジャケットロール母材を使用することができる(不図示)。
【0024】
印加電極36に電圧を印加する電源41としては、特に限定はないが、パール工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、日本電子製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(150MHz)等が使用できる。
【0025】
上記電極間の距離は、電極の母材に設置した固体誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定される。上記電極の一方に固体誘電体を設置した場合の固体誘電体と電極の最短距離、上記電極の双方に固体誘電体を設置した場合の固体誘電体同士の距離としては、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.5mm〜20mmが好ましく、特に好ましくは1mm±0.5mmである。
【0026】
対向する電極間には100kHzを越えた高周波電圧で、且つ、1W/cm2以上の電力を供給し、反応性ガスを励起してプラズマを発生させる。このようなハイパワーの電界を印加することによって、緻密で、膜厚均一性の高い高機能性の薄膜を、生産効率高く得ることが可能である。
【0027】
ここで電極間に印加する高周波電圧の周波数の上限値は、好ましくは150MHz以下である。 また、高周波電圧の周波数の下限値としては、好ましくは200kHz以上、さらに好ましくは800kHz以上である。
さらに電極間に供給する電力の下限値は、好ましくは1.2W/cm2以上であり、上限値としては、好ましくは50W/cm2以下、さらに好ましくは20W/cm2以下である。尚、電極における電圧の印加面積(/cm2)は、放電が起こる範囲の面積のことを指す。
【0028】
電源41より固定されている電極36に印加される電圧の値は適宜決定される。なお電源の印加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードとパルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モードのどちらを採用しても良いが連続モードの方がより緻密で良質な膜が得られる。
【0029】
また、放電プラズマ処理時の基材への影響を最小限に抑制するために、放電プラズマ処理時の基材の温度を常温(15℃〜25℃)〜200℃未満の温度に調整することが好ましく、更に好ましくは常温〜100℃に調整することである。上記の温度範囲に調整する為、必要に応じて電極、基材は冷却手段で冷却しながら放電プラズマ処理される。
【0030】
上記の放電プラズマ処理はが大気圧または大気圧近傍で行われるが、ここで大気圧近傍とは、20kPa〜110kPaの圧力を表し、好ましくは、93kPa〜104kPaが好ましい。
【0031】
また、薄膜形成方法に係る放電用電極においては、電極の少なくとも基材と接する側のJIS B 0601で規定される表面粗さの最大高さ(Rmax)が10μm以下になるように調整されることが、好ましいが、更に好ましくは、表面粗さの最大値が8μm以下であり、特に好ましくは、7μm以下に調整することである。
【0032】
また、JIS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ(Ra)は0.5μm以下が好ましく、更に好ましくは0.1μm以下である。
【0033】
混合ガスについて説明する。 薄膜形成方法を実施するにあたり、使用するガスは、基材上に設けたい薄膜の種類によって異なるが、基本的に、不活性ガスと、薄膜を形成するための反応性ガスの混合ガスである。反応性ガスは、混合ガスに対し、0.01〜10体積%含有させることが好ましい。
【0034】
上記不活性ガスとは、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が挙げられるが、窒素ガスもここでいう不活性ガスとして有用である。
【0035】
また反応性ガスとしては、珪素化合物またはチタン化合物、有機フッ素化合物を含有する反応性ガスを用いることができる。
【0036】
混合ガス中に上記記載のチタン化合物を用いる場合、放電プラズマ処理により基材上に均一な薄膜を形成する観点から、混合ガス中のチタン化合物の含有率は、0.1〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、0.1〜5体積%である。
また、上記記載の混合ガス中に酸素ガスを0.1〜10体積%含有させることにより薄膜の硬度を著しく向上させることが出来る。
また、混合ガス中に酸素、オゾン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素から選択される成分を0.01〜5体積%含有させることにより、反応促進され、且つ、緻密で良質な薄膜を形成することができる。
【0037】
上記記載の珪素化合物、チタン化合物としては、取り扱い上の観点から金属水素化合物、金属アルコキシドが好ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、工程上の汚れなども少ないことから、金属アルコキシドが好ましく用いられる。
【0038】
また、上記記載の珪素化合物、チタン化合物を放電空間である電極間に導入するには、両者は常温常圧で、気体、液体、固体いずれの状態であっても構わない。気体の場合は、そのまま放電空間に導入できるが、液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用される。
【0039】
珪素化合物、チタン化合物を加熱により気化して用いる場合、常温で液体で、沸点が200℃以下である金属アルコキシドが好適に用いられる。上記金属アルコキシドは、溶媒によって希釈して使用されても良く、溶媒は、メタノール、エタノール、n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用できる。尚、これらの希釈溶媒は、プラズマ放電処理中において、分子状、原子状に分解される為、基材上への薄膜の形成、薄膜の組成などに対する影響は殆ど無視することが出来る。
【0040】
上記記載の珪素化合物としては、例えば、ジメチルシラン、テトラメチルシランなどのアルキルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどのアルコキシシラン、オルガノシラン、等の有機金属化合物や、二塩化シラン、三塩化シランなどの金属ハロゲン化合物、その他モノシラン、ジシランなどの金属水素化合物などを用いることが好ましいがこれらに限定されない。また、これらは適宜組み合わせて用いることが出来る。
【0041】
混合ガス中に上記記載の珪素化合物を用いる場合、放電プラズマ処理により基材上に均一な薄膜を形成する観点から、混合ガス中の珪素化合物の含有率は、0.1〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、0.1〜5体積%である。
【0042】
上記記載のチタン化合物としては、テトラジメチルアミノチタンなどのアルキルシラン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタンなどの金属アルコキシド、等の有機金属化合物や、二塩化チタン、三塩化チタン、四塩化チタンなどの金属ハロゲン化合物、その他モノチタン、ジチタンなどの金属水素化合物、などを用いることが好ましいがこれらに限定されない。
【0043】
<支持体>
支持体はフレキシブルな樹脂製シート等のポリマー支持体、ガラスで構成され、ポリマー支持体としては例えばプラスチックフィルムをシートとして用いることができる。前記プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。これらのフィルムは公知の表面処理、表面コートを行うことができる。このように、プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できる。
【0044】
<実施例>
上記に基づく幾つかの実施態様について以下に説明する。大気圧フ゜ラス゛マ法による第1および第2の絶縁膜形成の詳細は以下の通りである。
【0045】
[処理例]
《反応性ガス》
プラズマ処理に用いる混合ガス(反応性ガス)の組成を以下に記す。
(SiO2層形成用)
不活性ガス:ヘリウム98.25体積%
反応性ガス1:酸素ガス1.5体積%
反応性ガス2:テトラエトキシシラン蒸気(ヘリウムガスにてバブリング)0.25体積%
【0046】
《放電条件》
放電出力は10W/cm2とする。
《電極条件》
ロール電極は、冷却水による冷却手段を有するステンレス製ジャケットロール母材に対して、セラミック溶射によりアルミナを1mm被覆し、その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させ封孔処理を行い、表面を平滑にしてRmax5μmとした誘電体(比誘電率10)を有するロール電極であり、アースされている。一方、印加電極としては、中空の角型のステンレスパイプに対し、上記同様の誘電体を同条件にて被覆している。
【0047】
基材フィルム8の上に、上記反応性ガス、上記放電条件および上記電極条件により、連続的に大気圧プラズマ処理して、100nmの薄膜を設ける。
以下に作成した有機薄膜トランジスタ素子について説明する。
【0048】
<実施例A>
図1(a)に示す有機薄膜トランジスタ素子を以下のように作成した。
厚さ150μmのPESフィルム上に、スパッタ法により、厚さ300nm、幅300μmのアルミニウム皮膜を成膜し、ゲート電極とした。このゲート電極上に、大気圧プラズマ法により、上述の条件で厚さ200nmの酸化ケイ素皮膜を形成し、ゲート絶縁膜(第1の絶縁膜)とした。ZnおよびNiの含有量が10ppm以下になるよう良く精製した、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)のregioregular体(アルドリッチ社製)のクロロホルム溶液を調製し、N2ガス雰囲気中で、ゲート絶縁膜の表面にアプリケーターを用いて塗布し、室温で乾燥させた後、N2ガス雰囲気中で50℃、30分間の熱処理を施した。このときポリ(3−ヘキシルチオフェン)の膜厚は30nmであった。さらに、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)膜の表面に、マスクを用いて金を蒸着し、ソース、ドレイン電極を形成した。幅100μm、厚さ100nmのソース、ドレイン電極は、先のゲート電極に直交するよう配置され、チャネル幅W=0.3mm(ソース電極がドレイン電極と対向する部分の長さ)、チャネル長L=20μm(ソース、ドレイン電極の間隔)の有機薄膜トランジスタが形成された。
さらにこの有機薄膜トランジスタ上に、上述の大気圧プラズマ法により、厚さ300nmの酸化ケイ素被膜(第2の絶縁膜)を形成した。
【0049】
<実施例B>
第2の絶縁膜に、大気圧プラズマ法による酸化チタン薄膜を用いた他は、実施例Aと同様に有機薄膜トランジスタを作成、評価した。
【0050】
<実施例C>
図1(b)に示す有機薄膜トランジスタ素子を以下のように作成した。
150μm厚のPESフィルム上に大気圧プラズマ法により、上述の条件で厚さ200nmの酸化ケイ素膜を第1の絶縁膜として形成した。この絶縁膜上にマスクを用いて金を蒸着し、ソース、ドレイン電極を形成した。チャネル長Lは20μm、チャネル幅Wは0.3mmとした。さらに精製したregioregular-ポリ(3−ヘキシルチオフェン)のクロロホルム溶液をピエゾ方式のインクジェットを用いて吐出し、ソース、ドレイン電極間に溶液を満たした。溶媒であるクロロホルムを乾燥後、窒素ガス雰囲気中で50℃で30分間熱処理し、24時間真空中で放置することにより、ソース、ドレイン電極間に有機半導体材料からなる活性半導体層(有機半導体層)を形成した。このように有機半導体層として設けられたポリ(3−ヘキシルチオフェン)膜の厚さは約30nmであった。この有機半導体層、ソース電極、およびドレイン電極を被覆するように上述の大気圧プラズマ法により、厚さ200nmの酸化ケイ素膜を第2の絶縁膜として形成した。その後、さらにフォトリソ法により幅30μのゲート電極を有機半導体層の上部に第2の絶縁膜を挟んで形成することで、図1(b)に示す本トランジスタ素子を作成した。
【0051】
<比較例1>(絶縁膜なし)
第2の絶縁膜を形成しないこと以外、実施例Aと同様に有機薄膜トランジスタを作成した。
【0052】
<比較例2>(絶縁膜を蒸着により形成)
第2の絶縁膜を加熱蒸着により形成した以外、実施例Aと同様に有機薄膜トランジスタを作成した。
【0053】
<比較例3>(絶縁膜を塗布・硬化処理により形成)
実施例Aの第2の絶縁膜である酸化ケイ素膜を塗布および硬化処理により形成した以外は実施例Aと全く同様に素子を作成した。絶縁膜を塗布・硬化により形成する場合、具体的には金属アルコキシド及びその加水分解物から選ばれる少なくとも一つ、及び有機溶媒を含有する組成物を透明基材上に塗設し、活性エネルギー線、例えば熱線あるいは紫外線などのエネルギーをかけて、硬化させる。
ここでは支持体上に以下の調製によって得られた組成物を乾燥膜厚3.5μmとなるように塗布し、80℃にて5分間乾燥した。次に高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を400mJ/cm2を照射して硬化させている。なお組成物は以下のように調整している。
【0054】
[組成物の調製]
・SiO2ゾル(スノーテックス(IPA−ST、日産化学(株)製))6重量部
・トリメチルロールプロパントリグリシジルエーテル (活性エネルギー線反応性化合物) 1重量部
・γ−グリシドプロピルトリメトキシシラン 0.3重量部
・4,4′−ビス(ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフォニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート(UV開始剤)0.03重量部
・シクロヘキサノン 600重量部
シリコンオイル(SH200、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.05重量部
【0055】
<比較例4>(絶縁膜なし)
実施例Cの第1の絶縁膜を形成しないこと以外は、実施例Cと同様に素子を作成した。
【0056】
(比較結果)
図3に示すトランジスタ特性評価系により、上記実施例および比較例のトランジスタ特性を大気圧中で測定した(なお図3はソース、ドレイン、ゲート電極と測定部の接続を模式的に示すものであり、素子の詳細な構造を示すものではない)。
・ドレイン電流(リーク電流):I
ゲートバイアスを30Vとし、ソース、ドレイン間のバイアスを−50Vとしたときのドレイン電流を測定した。
・ON/OFF比:R
ゲートバイアスを−100Vとし、ソース、ドレイン間のバイアスを−50Vとしたときのドレイン電流を測定し、▲1▼の電流値との比(ON/OFF比)を求めた。
・その他
作成した有機薄膜トランジスタを、空気中室温下で1ヶ月放置した後、上記ドレイン電流、ON/OFF比を求めた。それぞれIn、Rnとする。
【0057】
評価結果は以下の通りであった。
【0058】
実施例A、Bでは大気圧プラズマ法で形成された2つの絶縁膜(第1、第2の絶縁膜)で有機半導体層が挟みこまれることにより、絶縁膜の一方がない比較例1に比して、ドレイン電流(リーク電流)が低減しており、またスイッチング動作としてON/OFF比が大きく向上していることが分かる。特に絶縁膜の形成方法が異なる比較例2,3と比較すると、絶縁膜の形成方法として大気圧プラズマ法がドレイン電流(リーク電流)、ON/OFF比における性能に大きく寄与していることが分かる。
こうした効果は素子の配置を変えた実施例C(ゲート電極を有機半導体層の上部に配置)でも同様に認められることが比較例4との比較によって分かる。
すなわち有機半導体材料によって形成された活性半導体層では、大気圧プラズマ法で形成された2つの絶縁膜(第1、第2の絶縁膜)との組み合わせ、および活性半導体層を挟み込む配置により非常に良好な特性を示すことが分かった。
また各実施例と比較例におけるI、RとIn、Rnの比較から本発明のように大気圧プラズマ法で形成された2つの絶縁膜(第1、第2の絶縁膜)で有機半導体層が挟みこまれることにより、その性能を高いレベルで長期に渡り維持することができた。
【0059】
【発明の効果】
以上のことから本発明によれば、有機半導体材料が薄膜TFT内の活性半導体層として使用される際のデバイスのオン/オフ比やリーク電流、等の特性および安定性が向上し、これまでの絶縁膜と有機半導体材料との組み合わせより、優れた薄膜トランジスタの効果が得られる。さらに大気圧環境下での成膜が可能であり、真空工程を必要としないことから製造コストの低減、製造プロセスの簡略化を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機半導体素子の構成を示す概略図である。
【図2】従来のSi半導体を用いたTFT素子をディスプレイパネル基板上に形成した様子を示す図である。
【図3】本発明の素子の評価系を示す図である。
【図4】本発明における大気圧プラズマ成膜処理を行う装置を示す図である。
【符号の説明】
25:ロール電極
31:プラズマ発生処理容器
36:電極
41:電源
51:ガス発生装置
Claims (22)
- ソース電極、ドレイン電極、前記ソース電極と前記ドレイン電極を連結する有機半導体材料からなる活性半導体層、およびゲート電極を有する有機半導体素子であって、
前記活性層が大気圧下におけるプラズマ処理によって形成された絶縁膜に挟まれるように配置されていることを特徴とする有機半導体素子。 - 前記絶縁膜が酸化物または窒化物から成ることを特徴とする前記請求項1記載の有機半導体素子。
- 前記絶縁膜は酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンのいずれかから成ることを特徴とする前記請求項2記載の有機半導体素子。
- 前記絶縁膜は窒化ケイ素から成ることを特徴とする前記請求項2記載の有機半導体素子。
- 前記活性半導体層を形成する有機半導体材料がπ共役系高分子化合物であることを特徴とする前記請求項1乃至4記載の有機半導体素子。
- 前記支持体は樹脂製シートであることを特徴とする前記請求項1乃至5記載の有機半導体素子。
- 前記支持体はプラスチックフィルムであることを特徴とする前記請求項6記載の有機半導体素子。
- 前記支持体はポリマー支持体であることを特徴とする前記請求項1乃至5記載の有機半導体素子。
- 前記支持体上に前記活性半導体層、前記絶縁膜、前記ゲート電極がこの順序で配置されることを特徴とする前記請求項1乃至8記載の有機半導体素子。
- 前記支持体上に前記ゲート電極、前記絶縁膜、前記活性半導体層がこの順序で配置されることを特徴とする前記請求項1乃至9記載の有機半導体素子。
- 前記有機半導体素子はトランジスタであることを特徴とする前記請求項1乃至10記載の有機半導体素子。
- 有機半導体素子の製造方法であって、
大気圧下におけるプラズマ処理によって第1の絶縁膜を形成するステップ、
前記第1の絶縁膜上にソース電極およびドレイン電極をチャネルとして配置するステップ、
前記ソース電極およびドレイン電極を連結するように有機半導体材料からなる活性半導体層を配置するステップ、および
前記活性半導体層の上に大気圧下におけるプラズマ処理によって第2の絶縁膜を形成するステップ、を含むことを特徴とする有機半導体素子の製造方法。 - 前記第1および第2の絶縁膜は大気圧または大気圧近傍の圧力下で反応性ガスをプラズマ励起することにより形成されることを特徴とする前記請求項12記載の有機半導体素子の製造方法。
- 支持体上にゲート電極を配置後、前記第1の絶縁膜を形成することを特徴とする前記請求項12乃至請求項13記載の有機半導体素子の製造方法。
- 第2の絶縁膜を形成後にゲート電極を配置することを特徴とする前記請求項12および前記請求項13記載の有機半導体素子の製造方法。
- 前記絶縁膜が酸化物または窒化物から成ることを特徴とする前記請求項12乃至15記載の有機半導体素子の製造方法。
- 前記絶縁膜は酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、および酸化チタンのいずれかから成ることを特徴とする前記請求項16記載の有機半導体素子の製造方法。
- 前記絶縁膜は窒化ケイ素から成ることを特徴とする前記請求項16記載の有機半導体素子の製造方法。
- 有機半導体材料がπ共役系高分子化合物であることを特徴とする前記請求項12乃至18記載の有機半導体素子の製造方法。
- 前記支持体は樹脂製シートであることを特徴とする前記請求項12乃至19記載の有機半導体素子の製造方法。
- 前記支持体はプラスチックフィルムであることを特徴とする前記請求項20記載の有機半導体素子の製造方法。
- 前記支持体はポリマー支持体であることを特徴とする前記請求項12乃至19記載の有機半導体素子の製造方法。
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