JP2004207568A - 多層プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】貫通バイアホールの影響による伝送信号ロスを抑制すると共に、貫通バイアホールによる配線障害をなくして配線密度を高めた多層プリント配線板と、この多層プリント配線板を低コストで製作することのできる製造方法を提供すること。
【解決手段】分断箇所にフッ素樹脂絶縁板23が露出した上部バイアホール28aと下部バイアホール28bとからなるセパレートバイアホール28を備えているので、上記露出したフッ素樹脂絶縁板23には無電解めっき用触媒が付着しないので、簡単な構成でセパレートバイアホールを28形成することができ、セパレートバイアホール28の上部または下部バイアホール28a、28bのそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】分断箇所にフッ素樹脂絶縁板23が露出した上部バイアホール28aと下部バイアホール28bとからなるセパレートバイアホール28を備えているので、上記露出したフッ素樹脂絶縁板23には無電解めっき用触媒が付着しないので、簡単な構成でセパレートバイアホールを28形成することができ、セパレートバイアホール28の上部または下部バイアホール28a、28bのそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多層プリント配線板の製造方法に係り、特にスルーホールあるいは貫通バイアホールによる伝送信号ロスを抑制し得ると共に、配線密度を向上させることができる多層プリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータや通信ネットワークの高性能化、高機能化に伴い、CSPやBGAなどのパッケージが高密度化され、これらのパッケージを実装する多層プリント配線板も高密度化が要求されている。多層プリント配線板において高密度実装を可能にするには、配線層の高多層化と配線間の狭ピッチ化によるが、多層化に積層工法を用いた場合には、各層の配線を接続するために機械ドリルによる貫通バイアホールを形成している。しかし、この方法では層間接続が不要な層にまで貫通バイアホールが形成されてしまうため、配線の障害になる。
【0003】
このような問題点を解決する方法として、レーザまたはドリルによって多層板にブラインド・バイアホールを片面ずつ穿設し、その内壁に無電解めっきで導体層を形成することも行われているが、片面ずつ穴を穿設するために非能率的であった。
【0004】
このような問題点を解決し、貫通バイアホールおよびブラインド・バイアホール機能を備えたバイアホールを同一製造工程で同時に形成することができて、生産性および配線収容性が著しく向上した高密度多層印刷配線が可能な多層プリント配線板が提案されている。この多層プリント配線板は第3図に示すごとく、無電解銅めっきに対して触媒となる金属パラジューム等を均一に分散含有した触媒有り多層板1、2および触媒有りプリプレグ層3a、3bが、触媒無し絶縁板4により上下に分離され、バイアホールとなる貫通孔6内にリング状に分離した導体層8a、8bを有するものである。
【0005】
そしてこの多層プリント配線板は次のように製作される。まず、表裏両面に公知の印刷、エッチング法により所望する回路パターン1a、1bおよび2a、2bが形成され無電解銅めっきに対して触媒となる金属パラジューム等を均一に分散含有した触媒有り多層板1および2を最も外側に配し、その内側に触媒有りプリプレグ層3a、3bを配し、さらにその内側に多層板の部品挿入用の孔5が穿設されるべき位置に孔5の直径より大きい同心円にくり抜いた孔4aを設けた触媒無し絶縁板4を組合わせ、加熱・加圧して一体化形成される。
【0006】
次に、部品挿入用のスルーホール5および内層接続するバイアホール6をドリルにより穿設し、全面に無電解銅めっきを施すことによって、露出した導体層上並びにスルーホール5およびバイアホール6の内壁に銅めっき導体層7および8が形成され、特にバイアホール6では触媒無し絶縁板4により銅めっき導体層8が1−2層を接続する導体層8aと、3−4層を接続する導体層8bに離間した多層板が得られる(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特公平5−42157号公報(第2−3頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一方、貫通バイアホールによる各層の配線接続では、図4に示すごとく多層板11の内層に形成された配線パターン12を介して貫通バイアホール13から貫通バイアホール14に図中矢印の如く高周波信号を伝送させると、この伝送回路を構成しない貫通バイアホールの部分即ち貫通バイアホール13の下方部分13bおよび貫通バイアホール14の上方部分14aが電気容量を持つため、伝送ロスが生じるという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、貫通バイアホールの影響による伝送信号ロスを抑制すると共に、貫通バイアホールによる配線障害をなくして配線密度を高めた多層プリント配線板と、この多層プリント配線板を低コストで製作することのでき製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明になる多層プリント配線板は請求項1に示すように、軸方向の所定位置において導体層が上部導体層と下部導体層に分断されたセパレートバイアホールを有し、この分断箇所にフッ素樹脂絶縁板が露出していることを特徴としている。
請求項1によれば、上記露出したフッ素樹脂絶縁板には無電解めっき用触媒が付着しないので、簡単な構成で形成されたセパレートバイアホールの上部または下部導体層のそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる。
【0010】
また、請求項2に示す多層プリント配線板は、上記セパレートバイアホールと異なる位置で分断されたセパレートバイアホールを更に設け、前記一方のセパレートバイアホールの上部または下部導体層と前記他方のセパレートバイアホールの下部または上部導体層とを電気的に接続する配線パターンとを備えたことを特徴としている。
請求項2によれば、一対のセパレートバイアホールの伝送路を形成する上部または下部導体層以外の下部または上部導体層とは接続されていないため、電気容量を持たず、伝送路に高周波信号を印加した際に伝送ロスが生じない。また、分断した上部または下部導体層のそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる。
【0011】
本発明になる多層プリント配線板の製造方法は請求項3に示すように、フッ素樹脂絶縁板のセパレートバイアホール形成領域に該バイアホール径よりも大径の穴を穿設し、このフッ素樹脂絶縁板の両面にプリプレグを介して少なくとも一方の面に所定のパターンを形成した一対のプリント配線板の他方の面を対向させて配置し、これらを加熱下で加圧して前記フッ素樹脂絶縁板の穴にプリプレグを充填させて積層し積層体を得る工程と、この積層体の少なくとも前記フッ素樹脂絶縁板の穴内および該フッ素樹脂絶縁板の所定箇所を貫通する貫通孔を穿設する工程と、これらの貫通孔内に無電解めっき用触媒を付着させて無電解めっきを行なう工程と、前記無電解めっき上に電気めっきを行なう工程とを有することを特徴としている。
【0012】
請求項3によれば、セパレートバイアホールの無電解めっき時に付与する触媒がフッ素樹脂絶縁板の壁面に付着することが無く、無電解めっき用触媒を含有しない一般的な積層材を用いて、多層板を導電層が連続して貫通する貫通バイアホールと、導電層が途中で分断されたセパレートバイアホールを、同一製造工程で形成することができ、この種の多層プリント配線板を低コストで製作することができる。
【0013】
本発明になる他の多層プリント配線板の製造方法は請求項4に示すように、少なくとも一方の面に所定のパターンを形成した一対のプリント配線板の他方の面を対向させて配置し、これらのプリント配線板間に所定のセパレートバイアホール形成領域に該バイアホール径よりも大径の穴を穿設した第1のフッ素樹脂絶縁板と、前記第1のフッ素樹脂絶縁板の穴に対応する領域外の所定のセパレートバイアホール形成領域に該バイアホール径よりも大径の穴を穿設した第2のフッ素樹脂絶縁板を対向させて配置し、前記第1のフッ素樹脂絶縁板と前記第2のフッ素樹脂絶縁板間に前記第1のフッ素樹脂絶縁板の穴領域と前記第2のフッ素樹脂絶縁板の穴領域間に延在する導体パターンを形成したプリント配線板を配置し、これらのプリント配線板および前記第1および第2のフッ素樹脂絶縁板間にプリプレグをそれぞれ配置してこれらを加熱下で加圧して前記第1および第2のフッ素樹脂絶縁板の穴にプリプレグを充填させて積層した積層体を得る工程と、この積層体の前記第1および第2のフッ素樹脂絶縁板の穴内を各々通り該積層体を貫通する第1および第2の貫通孔を穿設する工程と、これらの貫通孔内に無電解めっき用触媒を付着させて無電解めっきを行なう工程と、前記無電解めっき上に電気めっきを行ない前記第1および第2の貫通孔内に前記第1のフッ素樹脂絶縁板と前記第2のフッ素樹脂絶縁板の露出壁によって分断された第1および第2のセパレートスルーホールを得る工程とを有することを特徴としている。
【0014】
請求項4によれば、セパレートバイアホールの無電解めっき時に付与する触媒がフッ素樹脂絶縁板の壁面に付着することが無いので、この壁面部分には無電解めっきがされずバイアホールのめっきが分断された、セパレートバイアホールが得られる。一対のセパレートバイアホールの伝送路を形成する上部または下部導体層以外の下部または上部導体層とは接続されていないため、電気容量を持たず、伝送路に高周波信号を印加した際に伝送ロスが生じない。また、分断した上部または下部導体層のそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、この発明に係る多層プリント配線板およびこの多層プリント配線板の製造方法の実施形態を図1および図2を参照して説明する。
図1は本発明になる多層プリント配線板の一実施形態を示す断面図である。図中21および22は外面に所定の導体パターンを有するプリント配線板であり、23は貫通バイアホールを設ける領域に該貫通バイアホールよりも大径の穴24を穿設した4フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂絶縁板であり、プリント配線板21、22とフッ素樹脂絶縁板23はプリプレグ25にて接着されている。26はフッ素樹脂絶縁板23を貫通する貫通孔、27はフッ素樹脂絶縁板23の穴24内を貫通する貫通孔であって、貫通孔26内にはフッ素樹脂絶縁板23を挟んで上下に分断された導体層28a、28bを有するセパレートバイアホール28が形成され、貫通孔27内には連続した導体層を有する貫通バイアホール29が形成されている。
【0016】
このような構造を有する多層プリント配線板の製造方法について説明する。まず、フッ素樹脂絶縁板23の貫通バイアホールホール29を形成する領域に該バイアホール29の径よりも大径の穴24を穿設し、このフッ素樹脂絶縁板23の両面にプリプレグ25(25aおよび25b)を介して、少なくとも外面に所定のパターン30a、30bを形成したプリント配線板21および少なくとも外面に所定のパターン31a、31bを形成したプリント配線板22の夫々の他方の面を対向させて配置し、これらを加熱下で加圧して前記フッ素樹脂絶縁板23の穴24にプリプレグ25を充填させて積層する。
【0017】
その後、この積層体20のパターン30aと31aおよびパターン30bと31bをそれぞれ貫通する貫通孔26および27を穿設し、これらの貫通孔26、27内にパラジューム等の無電解めっき用触媒を付与する。このとき無電解めっき用触媒はプリント配線板21、22およびプリプレグ25には付着するが、フッ素樹脂絶縁板23は摩擦係数が非常に低いために触媒が付着しない。従って貫通孔26、27内に無電解めっき用触媒を付与して無電解めっきを行い、更にこの無電解めっき上に電気めっきを行なうと、貫通孔27内には連続しためっき被膜を有する貫通バイアホール29が得られ、貫通孔26内にはフッ素樹脂絶縁板23の露出壁面で分断されためっき被膜28a、28bからなるセパレートバイアホール28が得られる。
【0018】
本実施の形態によれば、無電解めっき用触媒を含有しない例えばFR−4等の一般的な積層材を用いて、多層板を導電層が連続して貫通する貫通バイアホール29と、導電層が途中で分断されたセパレートバイアホール28を、同一製造工程で形成することができ、この種の多層プリント配線板を低コストで製作することができる。
【0019】
次に本発明の第2の実施形態に付いて図2を用いて説明する。図2は本発明になる多層プリント配線板を示す断面図である。なお図1と同一もしくは同等部分には同一参照番号を付して詳細な説明を省略する。
図2において、41および42は両面に所定の導体パターンを有するプリント配線板であり、43は所定の貫通バイアホールを設ける領域に該貫通バイアホールよりも大径の穴44を穿設した第1のフッ素樹脂絶縁板、46は第1のフッ素樹脂絶縁板43の穴44に対応する領域外の所定の貫通バイアホール形成領域に該貫通バイアホールよりも大径の穴47を穿設した第2のフッ素樹脂絶縁板である。
【0020】
51は前記第1のフッ素樹脂絶縁板43と前記第2のフッ素樹脂絶縁板46間に第1のフッ素樹脂絶縁板43の穴44の領域と第2のフッ素樹脂絶縁板46の穴47の領域間に延在する導体パターン52を形成したプリント配線板であり、これらのプリント配線板41、42、51およびフッ素樹脂絶縁板43、46がこれらの間に介在させたプリプレグ53〜56で接着され、第1のフッ素樹脂絶縁板43の穴44内を貫通し第2のフッ素樹脂絶縁板46の露出壁面48で分断されたセパレートバイアホール57および第2のフッ素樹脂絶縁板46の穴47内を貫通し第1のフッ素樹脂絶縁板43の露出壁面45で分断されたセパレートバイアホール58を備えている。
【0021】
本発明の第2の実施形態における多層プリント配線板は、軸方向の互いに異なる所定位置において導体層が上部導体層と下部導体層に分断された一対のセパレートバイアホール57、58と、このセパレートバイアホール57の上部バイアホール57aと他方のセパレートバイアホール58の下部バイアホール58bとを配線パターン52で電気的に接続したので、 セパレートバイアホール57、58の伝送路を形成する上部バイアホール57aおよび下部バイアホール58b以外の下部バイアホール57bおよび上部バイアホール58aは電気容量を持たず、伝送路に高周波信号を印加した際に伝送ロスが生じない。また、分断した下部バイアホール57bおよび上部バイアホール58aのそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる。
【0022】
このような構造を有する多層プリント配線板の製造方法について説明する。まず、両面に所定の回路パターン41aおよび41bを形成した両面プリント配線板41、同様に両面に所定の回路パターン42aおよび42bを形成した両面プリント配線板42およびセパレートバイアホール57と58を電気的に接続するための配線パターン52を形成したプリント配線板51を製作すると共に、セパレートバイアホール57を設ける領域に該セパレートバイアホール57よりも大径の穴44を穿設した第1のフッ素樹脂絶縁板43および第1のフッ素樹脂絶縁板43の穴44に対応する領域外の所定のセパレートバイアホール58の形成領域に該セパレートバイアホール58よりも大径の穴47を穿設した第2のフッ素樹脂絶縁板46を準備する。
【0023】
そしてこれらのプリント配線板41、42、51および第1および第2フッ素樹脂絶縁板43、46間にプリプレグ53〜56をそれぞれ配置して、これらを加熱下で加圧して前記第1および第2のフッ素樹脂絶縁板43,46の穴44、47にプリプレグを充填させて積層する。次いで、この積層体60のパターン41a、52、42bおよび42aをそれぞれ貫通する貫通孔61およびパターン41a、41b、52、および42aをそれぞれ貫通する貫通孔62をドリル等で穿設し、これらの貫通孔61、62内にパラジューム等の無電解めっき用触媒を付与する。
【0024】
このとき無電解めっき用触媒はプリント配線板41、42および52並びにプリプレグ53〜56には付着するが、フッ素樹脂絶縁板43、46には付着しない。従って貫通孔61、62内に無電解めっき用触媒を付与して無電解めっきを行い、更にこの無電解めっき上に電気めっきを行なうと、貫通孔61内にはフッ素樹脂絶縁板46の露出壁面48で分断されためっき被膜57aと57bからなるセパレートバイアホール57が得られ、貫通孔62内にはフッ素樹脂絶縁板43の露出壁面45で分断されためっき被膜41aと41bからなるセパレートバイアホール58が得られる。
【0025】
この多層プリント配線板の製造方法によれば、貫通孔61および62の無電解めっき時に付与する触媒がフッ素樹脂絶縁板の壁面45および48に付着することが無いので、これらの壁面部分には無電解めっきがされず貫通孔61および62内のめっきが分断された、セパレートバイアホール57,58が得られる。一対のセパレートバイアホール57、58の伝送路を形成する上部または下部バイアホール以外の下部または上部バイアホールは接続されていないため、電気容量を持たず、伝送路に高周波信号を印加した際に伝送ロスが生じない。また、分断した上部または下部バイアホールのそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる。
本実施の形態によれば、無電解めっき用触媒を含有しない一般的な積層材を用いて、多層板を導電層が連続して貫通する貫通バイアホールと、導電層が途中で分断されたセパレートバイアホールを、同一製造工程で形成することができ、この種の多層プリント配線板を低コストで製作することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明に係る多層プリント配線板は、分断箇所にフッ素樹脂絶縁板が露出した上部バイアホールと下部バイアホールとからなるセパレートバイアホールを備えているので、上記露出したフッ素樹脂絶縁板には無電解めっき用触媒が付着しないので、簡単な構成でセパレートバイアホールを形成することができ、セパレートバイアホールの上部または下部バイアホールのそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる(請求項1)。
【0027】
また、上記のセパレートバイアホールと異なる位置で分断されたセパレートバイアホールを更に設け、互いの上部と下部バイアホールまたは下部と上部バイアホールを配線パターンで接続したので、伝送路を形成しない上部または下部バイアホールは電気容量を持たず、伝送路に高周波信号を印加した際に伝送ロスが生じない。また、分断した上部または下部バイアホールのそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる(請求項2)。
【0028】
また、本発明になる多層プリント配線板の製造方法は、貫通バイアホール形成領域に該バイアホール径よりも大径の穴を穿設したフッ素樹脂絶縁板の両面にプリプレグを介して少なくとも一方の面に所定のパターンを形成した一対のプリント配線板の他方の面を対向させて配置し、これらを積層してフッ素樹脂絶縁板の穴にプリプレグを充填させ、フッ素樹脂絶縁板の上記穴内とフッ素樹脂絶縁板を貫通する貫通孔をそれぞれ穿設して、これらの貫通孔内に無電解めっき用触媒を被着させて無電解めっきおよび電解めっきを行なうので、無電解めっき用触媒がフッ素樹脂絶縁板の壁面に付着することが無く、無電解めっき用触媒を含有しない一般的な積層材を用いて、貫通バイアホールとセパレートバイアホールを同一製造工程で同時に形成することができ、この種の多層プリント配線板を低コストで製作することができる(請求項3)。
【0029】
更に、少なくとも一方の面に所定のパターンを形成した一対のプリント配線板の他方の面間に、互いに異なるセパレートバイアホール形成領域に該バイアホール径よりも大径の穴を穿設した第1および第2フッ素樹脂絶縁板と、この両絶縁板間に配置した上記絶縁板の穴領域間に延在する導体パターンを形成したプリント配線板を配置し、これらをプリプレグを介在させて積層してそれぞれのフッ素樹脂絶縁板の穴にプリプレグを充填させ、フッ素樹脂絶縁板の上記穴内を貫通する貫通孔をそれぞれ穿設して、これらの貫通孔内に無電解めっき用触媒を被着させて無電解めっきおよび電解めっきを行なうので、一対のセパレートバイアホールの伝送路を形成する上部または下部導体層以外の下部または上部導体層とは接続されないため、電気容量を持たず、伝送路に高周波信号を印加した際に伝送ロスが生じない。また、分断した上部または下部導体層のそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる(請求項4)。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の1実施の形態であるセパレートバイアホールを有する多層プリント配線板を示す断面図である。
【図2】図2は本発明の他の実施の形態であるセパレートバイアホールを有する多層プリント配線板を示す断面図である。
【図3】図3は従来のセパレートバイアホールを有する多層プリント配線板を示す断面図である。
【図4】図4は従来の貫通バイアホールによる信号伝送路を有する多層プリント配線板を示す断面図である。
【符号の説明】
21、22、41、42、51 プリント配線板
23、43、46 フッ素樹脂絶縁板
24、44、47 穴
25、53、54、55、56 プリプレグ
26、27、61、62 貫通孔
28、57、58 セパレートバイアホール
29 貫通バイアホール
【発明の属する技術分野】
この発明は、多層プリント配線板の製造方法に係り、特にスルーホールあるいは貫通バイアホールによる伝送信号ロスを抑制し得ると共に、配線密度を向上させることができる多層プリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータや通信ネットワークの高性能化、高機能化に伴い、CSPやBGAなどのパッケージが高密度化され、これらのパッケージを実装する多層プリント配線板も高密度化が要求されている。多層プリント配線板において高密度実装を可能にするには、配線層の高多層化と配線間の狭ピッチ化によるが、多層化に積層工法を用いた場合には、各層の配線を接続するために機械ドリルによる貫通バイアホールを形成している。しかし、この方法では層間接続が不要な層にまで貫通バイアホールが形成されてしまうため、配線の障害になる。
【0003】
このような問題点を解決する方法として、レーザまたはドリルによって多層板にブラインド・バイアホールを片面ずつ穿設し、その内壁に無電解めっきで導体層を形成することも行われているが、片面ずつ穴を穿設するために非能率的であった。
【0004】
このような問題点を解決し、貫通バイアホールおよびブラインド・バイアホール機能を備えたバイアホールを同一製造工程で同時に形成することができて、生産性および配線収容性が著しく向上した高密度多層印刷配線が可能な多層プリント配線板が提案されている。この多層プリント配線板は第3図に示すごとく、無電解銅めっきに対して触媒となる金属パラジューム等を均一に分散含有した触媒有り多層板1、2および触媒有りプリプレグ層3a、3bが、触媒無し絶縁板4により上下に分離され、バイアホールとなる貫通孔6内にリング状に分離した導体層8a、8bを有するものである。
【0005】
そしてこの多層プリント配線板は次のように製作される。まず、表裏両面に公知の印刷、エッチング法により所望する回路パターン1a、1bおよび2a、2bが形成され無電解銅めっきに対して触媒となる金属パラジューム等を均一に分散含有した触媒有り多層板1および2を最も外側に配し、その内側に触媒有りプリプレグ層3a、3bを配し、さらにその内側に多層板の部品挿入用の孔5が穿設されるべき位置に孔5の直径より大きい同心円にくり抜いた孔4aを設けた触媒無し絶縁板4を組合わせ、加熱・加圧して一体化形成される。
【0006】
次に、部品挿入用のスルーホール5および内層接続するバイアホール6をドリルにより穿設し、全面に無電解銅めっきを施すことによって、露出した導体層上並びにスルーホール5およびバイアホール6の内壁に銅めっき導体層7および8が形成され、特にバイアホール6では触媒無し絶縁板4により銅めっき導体層8が1−2層を接続する導体層8aと、3−4層を接続する導体層8bに離間した多層板が得られる(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特公平5−42157号公報(第2−3頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一方、貫通バイアホールによる各層の配線接続では、図4に示すごとく多層板11の内層に形成された配線パターン12を介して貫通バイアホール13から貫通バイアホール14に図中矢印の如く高周波信号を伝送させると、この伝送回路を構成しない貫通バイアホールの部分即ち貫通バイアホール13の下方部分13bおよび貫通バイアホール14の上方部分14aが電気容量を持つため、伝送ロスが生じるという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、貫通バイアホールの影響による伝送信号ロスを抑制すると共に、貫通バイアホールによる配線障害をなくして配線密度を高めた多層プリント配線板と、この多層プリント配線板を低コストで製作することのでき製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明になる多層プリント配線板は請求項1に示すように、軸方向の所定位置において導体層が上部導体層と下部導体層に分断されたセパレートバイアホールを有し、この分断箇所にフッ素樹脂絶縁板が露出していることを特徴としている。
請求項1によれば、上記露出したフッ素樹脂絶縁板には無電解めっき用触媒が付着しないので、簡単な構成で形成されたセパレートバイアホールの上部または下部導体層のそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる。
【0010】
また、請求項2に示す多層プリント配線板は、上記セパレートバイアホールと異なる位置で分断されたセパレートバイアホールを更に設け、前記一方のセパレートバイアホールの上部または下部導体層と前記他方のセパレートバイアホールの下部または上部導体層とを電気的に接続する配線パターンとを備えたことを特徴としている。
請求項2によれば、一対のセパレートバイアホールの伝送路を形成する上部または下部導体層以外の下部または上部導体層とは接続されていないため、電気容量を持たず、伝送路に高周波信号を印加した際に伝送ロスが生じない。また、分断した上部または下部導体層のそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる。
【0011】
本発明になる多層プリント配線板の製造方法は請求項3に示すように、フッ素樹脂絶縁板のセパレートバイアホール形成領域に該バイアホール径よりも大径の穴を穿設し、このフッ素樹脂絶縁板の両面にプリプレグを介して少なくとも一方の面に所定のパターンを形成した一対のプリント配線板の他方の面を対向させて配置し、これらを加熱下で加圧して前記フッ素樹脂絶縁板の穴にプリプレグを充填させて積層し積層体を得る工程と、この積層体の少なくとも前記フッ素樹脂絶縁板の穴内および該フッ素樹脂絶縁板の所定箇所を貫通する貫通孔を穿設する工程と、これらの貫通孔内に無電解めっき用触媒を付着させて無電解めっきを行なう工程と、前記無電解めっき上に電気めっきを行なう工程とを有することを特徴としている。
【0012】
請求項3によれば、セパレートバイアホールの無電解めっき時に付与する触媒がフッ素樹脂絶縁板の壁面に付着することが無く、無電解めっき用触媒を含有しない一般的な積層材を用いて、多層板を導電層が連続して貫通する貫通バイアホールと、導電層が途中で分断されたセパレートバイアホールを、同一製造工程で形成することができ、この種の多層プリント配線板を低コストで製作することができる。
【0013】
本発明になる他の多層プリント配線板の製造方法は請求項4に示すように、少なくとも一方の面に所定のパターンを形成した一対のプリント配線板の他方の面を対向させて配置し、これらのプリント配線板間に所定のセパレートバイアホール形成領域に該バイアホール径よりも大径の穴を穿設した第1のフッ素樹脂絶縁板と、前記第1のフッ素樹脂絶縁板の穴に対応する領域外の所定のセパレートバイアホール形成領域に該バイアホール径よりも大径の穴を穿設した第2のフッ素樹脂絶縁板を対向させて配置し、前記第1のフッ素樹脂絶縁板と前記第2のフッ素樹脂絶縁板間に前記第1のフッ素樹脂絶縁板の穴領域と前記第2のフッ素樹脂絶縁板の穴領域間に延在する導体パターンを形成したプリント配線板を配置し、これらのプリント配線板および前記第1および第2のフッ素樹脂絶縁板間にプリプレグをそれぞれ配置してこれらを加熱下で加圧して前記第1および第2のフッ素樹脂絶縁板の穴にプリプレグを充填させて積層した積層体を得る工程と、この積層体の前記第1および第2のフッ素樹脂絶縁板の穴内を各々通り該積層体を貫通する第1および第2の貫通孔を穿設する工程と、これらの貫通孔内に無電解めっき用触媒を付着させて無電解めっきを行なう工程と、前記無電解めっき上に電気めっきを行ない前記第1および第2の貫通孔内に前記第1のフッ素樹脂絶縁板と前記第2のフッ素樹脂絶縁板の露出壁によって分断された第1および第2のセパレートスルーホールを得る工程とを有することを特徴としている。
【0014】
請求項4によれば、セパレートバイアホールの無電解めっき時に付与する触媒がフッ素樹脂絶縁板の壁面に付着することが無いので、この壁面部分には無電解めっきがされずバイアホールのめっきが分断された、セパレートバイアホールが得られる。一対のセパレートバイアホールの伝送路を形成する上部または下部導体層以外の下部または上部導体層とは接続されていないため、電気容量を持たず、伝送路に高周波信号を印加した際に伝送ロスが生じない。また、分断した上部または下部導体層のそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、この発明に係る多層プリント配線板およびこの多層プリント配線板の製造方法の実施形態を図1および図2を参照して説明する。
図1は本発明になる多層プリント配線板の一実施形態を示す断面図である。図中21および22は外面に所定の導体パターンを有するプリント配線板であり、23は貫通バイアホールを設ける領域に該貫通バイアホールよりも大径の穴24を穿設した4フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂絶縁板であり、プリント配線板21、22とフッ素樹脂絶縁板23はプリプレグ25にて接着されている。26はフッ素樹脂絶縁板23を貫通する貫通孔、27はフッ素樹脂絶縁板23の穴24内を貫通する貫通孔であって、貫通孔26内にはフッ素樹脂絶縁板23を挟んで上下に分断された導体層28a、28bを有するセパレートバイアホール28が形成され、貫通孔27内には連続した導体層を有する貫通バイアホール29が形成されている。
【0016】
このような構造を有する多層プリント配線板の製造方法について説明する。まず、フッ素樹脂絶縁板23の貫通バイアホールホール29を形成する領域に該バイアホール29の径よりも大径の穴24を穿設し、このフッ素樹脂絶縁板23の両面にプリプレグ25(25aおよび25b)を介して、少なくとも外面に所定のパターン30a、30bを形成したプリント配線板21および少なくとも外面に所定のパターン31a、31bを形成したプリント配線板22の夫々の他方の面を対向させて配置し、これらを加熱下で加圧して前記フッ素樹脂絶縁板23の穴24にプリプレグ25を充填させて積層する。
【0017】
その後、この積層体20のパターン30aと31aおよびパターン30bと31bをそれぞれ貫通する貫通孔26および27を穿設し、これらの貫通孔26、27内にパラジューム等の無電解めっき用触媒を付与する。このとき無電解めっき用触媒はプリント配線板21、22およびプリプレグ25には付着するが、フッ素樹脂絶縁板23は摩擦係数が非常に低いために触媒が付着しない。従って貫通孔26、27内に無電解めっき用触媒を付与して無電解めっきを行い、更にこの無電解めっき上に電気めっきを行なうと、貫通孔27内には連続しためっき被膜を有する貫通バイアホール29が得られ、貫通孔26内にはフッ素樹脂絶縁板23の露出壁面で分断されためっき被膜28a、28bからなるセパレートバイアホール28が得られる。
【0018】
本実施の形態によれば、無電解めっき用触媒を含有しない例えばFR−4等の一般的な積層材を用いて、多層板を導電層が連続して貫通する貫通バイアホール29と、導電層が途中で分断されたセパレートバイアホール28を、同一製造工程で形成することができ、この種の多層プリント配線板を低コストで製作することができる。
【0019】
次に本発明の第2の実施形態に付いて図2を用いて説明する。図2は本発明になる多層プリント配線板を示す断面図である。なお図1と同一もしくは同等部分には同一参照番号を付して詳細な説明を省略する。
図2において、41および42は両面に所定の導体パターンを有するプリント配線板であり、43は所定の貫通バイアホールを設ける領域に該貫通バイアホールよりも大径の穴44を穿設した第1のフッ素樹脂絶縁板、46は第1のフッ素樹脂絶縁板43の穴44に対応する領域外の所定の貫通バイアホール形成領域に該貫通バイアホールよりも大径の穴47を穿設した第2のフッ素樹脂絶縁板である。
【0020】
51は前記第1のフッ素樹脂絶縁板43と前記第2のフッ素樹脂絶縁板46間に第1のフッ素樹脂絶縁板43の穴44の領域と第2のフッ素樹脂絶縁板46の穴47の領域間に延在する導体パターン52を形成したプリント配線板であり、これらのプリント配線板41、42、51およびフッ素樹脂絶縁板43、46がこれらの間に介在させたプリプレグ53〜56で接着され、第1のフッ素樹脂絶縁板43の穴44内を貫通し第2のフッ素樹脂絶縁板46の露出壁面48で分断されたセパレートバイアホール57および第2のフッ素樹脂絶縁板46の穴47内を貫通し第1のフッ素樹脂絶縁板43の露出壁面45で分断されたセパレートバイアホール58を備えている。
【0021】
本発明の第2の実施形態における多層プリント配線板は、軸方向の互いに異なる所定位置において導体層が上部導体層と下部導体層に分断された一対のセパレートバイアホール57、58と、このセパレートバイアホール57の上部バイアホール57aと他方のセパレートバイアホール58の下部バイアホール58bとを配線パターン52で電気的に接続したので、 セパレートバイアホール57、58の伝送路を形成する上部バイアホール57aおよび下部バイアホール58b以外の下部バイアホール57bおよび上部バイアホール58aは電気容量を持たず、伝送路に高周波信号を印加した際に伝送ロスが生じない。また、分断した下部バイアホール57bおよび上部バイアホール58aのそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる。
【0022】
このような構造を有する多層プリント配線板の製造方法について説明する。まず、両面に所定の回路パターン41aおよび41bを形成した両面プリント配線板41、同様に両面に所定の回路パターン42aおよび42bを形成した両面プリント配線板42およびセパレートバイアホール57と58を電気的に接続するための配線パターン52を形成したプリント配線板51を製作すると共に、セパレートバイアホール57を設ける領域に該セパレートバイアホール57よりも大径の穴44を穿設した第1のフッ素樹脂絶縁板43および第1のフッ素樹脂絶縁板43の穴44に対応する領域外の所定のセパレートバイアホール58の形成領域に該セパレートバイアホール58よりも大径の穴47を穿設した第2のフッ素樹脂絶縁板46を準備する。
【0023】
そしてこれらのプリント配線板41、42、51および第1および第2フッ素樹脂絶縁板43、46間にプリプレグ53〜56をそれぞれ配置して、これらを加熱下で加圧して前記第1および第2のフッ素樹脂絶縁板43,46の穴44、47にプリプレグを充填させて積層する。次いで、この積層体60のパターン41a、52、42bおよび42aをそれぞれ貫通する貫通孔61およびパターン41a、41b、52、および42aをそれぞれ貫通する貫通孔62をドリル等で穿設し、これらの貫通孔61、62内にパラジューム等の無電解めっき用触媒を付与する。
【0024】
このとき無電解めっき用触媒はプリント配線板41、42および52並びにプリプレグ53〜56には付着するが、フッ素樹脂絶縁板43、46には付着しない。従って貫通孔61、62内に無電解めっき用触媒を付与して無電解めっきを行い、更にこの無電解めっき上に電気めっきを行なうと、貫通孔61内にはフッ素樹脂絶縁板46の露出壁面48で分断されためっき被膜57aと57bからなるセパレートバイアホール57が得られ、貫通孔62内にはフッ素樹脂絶縁板43の露出壁面45で分断されためっき被膜41aと41bからなるセパレートバイアホール58が得られる。
【0025】
この多層プリント配線板の製造方法によれば、貫通孔61および62の無電解めっき時に付与する触媒がフッ素樹脂絶縁板の壁面45および48に付着することが無いので、これらの壁面部分には無電解めっきがされず貫通孔61および62内のめっきが分断された、セパレートバイアホール57,58が得られる。一対のセパレートバイアホール57、58の伝送路を形成する上部または下部バイアホール以外の下部または上部バイアホールは接続されていないため、電気容量を持たず、伝送路に高周波信号を印加した際に伝送ロスが生じない。また、分断した上部または下部バイアホールのそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる。
本実施の形態によれば、無電解めっき用触媒を含有しない一般的な積層材を用いて、多層板を導電層が連続して貫通する貫通バイアホールと、導電層が途中で分断されたセパレートバイアホールを、同一製造工程で形成することができ、この種の多層プリント配線板を低コストで製作することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明に係る多層プリント配線板は、分断箇所にフッ素樹脂絶縁板が露出した上部バイアホールと下部バイアホールとからなるセパレートバイアホールを備えているので、上記露出したフッ素樹脂絶縁板には無電解めっき用触媒が付着しないので、簡単な構成でセパレートバイアホールを形成することができ、セパレートバイアホールの上部または下部バイアホールのそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる(請求項1)。
【0027】
また、上記のセパレートバイアホールと異なる位置で分断されたセパレートバイアホールを更に設け、互いの上部と下部バイアホールまたは下部と上部バイアホールを配線パターンで接続したので、伝送路を形成しない上部または下部バイアホールは電気容量を持たず、伝送路に高周波信号を印加した際に伝送ロスが生じない。また、分断した上部または下部バイアホールのそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる(請求項2)。
【0028】
また、本発明になる多層プリント配線板の製造方法は、貫通バイアホール形成領域に該バイアホール径よりも大径の穴を穿設したフッ素樹脂絶縁板の両面にプリプレグを介して少なくとも一方の面に所定のパターンを形成した一対のプリント配線板の他方の面を対向させて配置し、これらを積層してフッ素樹脂絶縁板の穴にプリプレグを充填させ、フッ素樹脂絶縁板の上記穴内とフッ素樹脂絶縁板を貫通する貫通孔をそれぞれ穿設して、これらの貫通孔内に無電解めっき用触媒を被着させて無電解めっきおよび電解めっきを行なうので、無電解めっき用触媒がフッ素樹脂絶縁板の壁面に付着することが無く、無電解めっき用触媒を含有しない一般的な積層材を用いて、貫通バイアホールとセパレートバイアホールを同一製造工程で同時に形成することができ、この種の多層プリント配線板を低コストで製作することができる(請求項3)。
【0029】
更に、少なくとも一方の面に所定のパターンを形成した一対のプリント配線板の他方の面間に、互いに異なるセパレートバイアホール形成領域に該バイアホール径よりも大径の穴を穿設した第1および第2フッ素樹脂絶縁板と、この両絶縁板間に配置した上記絶縁板の穴領域間に延在する導体パターンを形成したプリント配線板を配置し、これらをプリプレグを介在させて積層してそれぞれのフッ素樹脂絶縁板の穴にプリプレグを充填させ、フッ素樹脂絶縁板の上記穴内を貫通する貫通孔をそれぞれ穿設して、これらの貫通孔内に無電解めっき用触媒を被着させて無電解めっきおよび電解めっきを行なうので、一対のセパレートバイアホールの伝送路を形成する上部または下部導体層以外の下部または上部導体層とは接続されないため、電気容量を持たず、伝送路に高周波信号を印加した際に伝送ロスが生じない。また、分断した上部または下部導体層のそれぞれで異なる信号を伝送することができ、配線密度を高めることができる(請求項4)。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の1実施の形態であるセパレートバイアホールを有する多層プリント配線板を示す断面図である。
【図2】図2は本発明の他の実施の形態であるセパレートバイアホールを有する多層プリント配線板を示す断面図である。
【図3】図3は従来のセパレートバイアホールを有する多層プリント配線板を示す断面図である。
【図4】図4は従来の貫通バイアホールによる信号伝送路を有する多層プリント配線板を示す断面図である。
【符号の説明】
21、22、41、42、51 プリント配線板
23、43、46 フッ素樹脂絶縁板
24、44、47 穴
25、53、54、55、56 プリプレグ
26、27、61、62 貫通孔
28、57、58 セパレートバイアホール
29 貫通バイアホール
Claims (4)
- 軸方向の所定位置において導体層が上部導体層と下部導体層に分断されたセパレートバイアホールを有し、この分断箇所にフッ素樹脂絶縁板が露出していることを特徴とする多層プリント配線板。
- 請求項1記載の多層プリント配線板において、前記セパレートバイアホールの分断箇所と異なる位置で分断されたセパレートバイアホールを更に設け、前記一方のセパレートバイアホールの上部または下部導体層と前記他方のセパレートバイアホールの下部または上部導体層とを電気的に接続する配線パターンとを備えたことを特徴とする多層プリント配線板。
- フッ素樹脂絶縁板のセパレートバイアホール形成領域に該バイアホール径よりも大径の穴を穿設し、このフッ素樹脂絶縁板の両面にプリプレグを介して少なくとも一方の面に所定のパターンを形成した一対のプリント配線板の他方の面を対向させて配置し、これらを加熱下で加圧して前記フッ素樹脂絶縁板の穴にプリプレグを充填させて積層し積層体を得る工程と、
この積層体の少なくとも前記フッ素樹脂絶縁板の穴内および該フッ素樹脂絶縁板の所定箇所を貫通する貫通孔を穿設する工程と、
これらの貫通孔内に無電解めっき用触媒を付着させて無電解めっきを行なう工程と、
前記無電解めっき上に電気めっきを行なう工程とを有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。 - 少なくとも一方の面に所定のパターンを形成した一対のプリント配線板の他方の面を対向させて配置し、これらのプリント配線板間に所定のセパレートバイアホール形成領域に該バイアホール径よりも大径の穴を穿設した第1のフッ素樹脂絶縁板と、前記第1のフッ素樹脂絶縁板の穴に対応する領域外の所定のセパレートバイアホール形成領域に該バイアホール径よりも大径の穴を穿設した第2のフッ素樹脂絶縁板を対向させて配置し、前記第1のフッ素樹脂絶縁板と前記第2のフッ素樹脂絶縁板間に前記第1のフッ素樹脂絶縁板の穴領域と前記第2のフッ素樹脂絶縁板の穴領域間に延在する導体パターンを形成したプリント配線板を配置し、これらのプリント配線板および前記第1および第2のフッ素樹脂絶縁板間にプリプレグをそれぞれ配置してこれらを加熱下で加圧して前記第1および第2のフッ素樹脂絶縁板の穴にプリプレグを充填させて積層した積層体を得る工程と、
この積層体の前記第1および第2のフッ素樹脂絶縁板の穴内を各々通り該積層体を貫通する第1および第2の貫通孔を穿設する工程と、
これらの貫通孔内に無電解めっき用触媒を付着させて無電解めっきを行なう工程と、
前記無電解めっき上に電気めっきを行ない前記第1および第2の貫通孔内に前記第1のフッ素樹脂絶縁板と前記第2のフッ素樹脂絶縁板の露出壁によって分断された第1および第2のセパレートバイアホールを得る工程とを有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
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