JP2004208571A - 魚釣用スピニングリール - Google Patents

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Akira Yamaguchi
明 山口
Manabu Tachika
学 田近
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Abstract

【課題】異音を発生させることなく糸落ち防止体によって釣糸がスプールとロータとの隙間に落ち込むことを有効に防止できるとともに、糸落ち防止体の係合脱落を防止できる魚釣用スピニングリールの提供を目的としている。
【解決手段】本発明は、スプール10を支持するスプール軸9とロータ8のアーム部23a,23bとの間に係合し且つロータ8の回転に連動して回転すると共にスプール10に追随して前後動する糸落ち防止体40を備えた魚釣用スピニングリールにおいて、糸落ち防止体40は、ロータ8のアーム部23a,23bと係合する係合突部46を有し、この係合突部46は、アーム部23a,23bに形成された案内部70に弾性部材47を介して係合案内されることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハンドルの回転に連動して回転するとともにスプールに釣糸を巻回する釣糸案内部を有するロータを備えた魚釣用スピニングリールの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、魚釣用スピニングリールでは、スプールに巻回されている釣糸を放出する時に、スプールの釣糸巻回状態が崩れて釣糸が解れてしまう場合がある。そして、釣糸の巻取り操作時の張力変化や風の影響等に釣糸の撚れの影響が加わって、釣糸がスプールの後側フランジとロータの支持腕との隙間に落ち込んでロータ支持腕や内部のスプール軸に絡み付く不具合が発生し易い。
【0003】
そこで、これらの不具合を防止するために、スプールとロータの支持腕との間に糸絡み防止体を設けたものが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第2532864号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示された技術において、糸絡み防止体としての糸落ち防止具は、スプールとスプール軸との間に設けられており、スプール軸に回転可能に支持されるとともに、スプール軸に追随して前後動するようになっている。この場合、糸落ち防止具の後部の環状部には、径方向外側に突出する係合部が設けられており、また、この係合部は、ロータの支持腕のスプール側対向部に軸方向に沿って形成された凹入係合溝に遊度を以って係合されている。したがって、糸落ち防止具は、ロータの回転に連動して回転しながら、スプールと共に前後動する。
【0006】
しかしながら、このような構成では、ロータが高速で回転する釣糸巻取操作時に、糸落ち防止具もロータと共に高速で連動回転しながらスプールに追随して前後動するため、糸落ち防止具の係合部とロータの支持腕の凹入係合溝との係合遊度や、前後動時の摺動状態等の影響により、異音が発生する。
【0007】
また、糸落ち防止具の係合部をロータの支持腕の凹入係合溝に係合させて回転させながら前後動させる構成上、比較的大きな係合遊度(回転方向のガタ)が必要であり、この遊度の影響により、巻取り操作時(特に、巻取り速度が急激に変化する時)に係合部が凹入係合溝から脱外してしまう不具合が発生し易い。
【0008】
本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、異音を発生させることなく糸落ち防止体によって釣糸がスプールとロータとの隙間に落ち込むことを有効に防止できるとともに、糸落ち防止体の係合脱落を防止できる魚釣用スピニングリールを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、ハンドル回転に連動して前後動するスプールと、このスプールに釣糸を巻回するための釣糸案内部が設けられた支持部材を反転自在に支持するアーム部を有するロータと、前記スプールを支持するスプール軸と前記ロータの前記アーム部との間に係合し且つ前記ロータの回転に連動して回転すると共に前記スプールに追随して前後動する糸落ち防止体とを備えた魚釣用スピニングリールにおいて、前記糸落ち防止体は、前記ロータの前記アーム部と係合する係合突部を有し、この係合突部は、前記アーム部に形成された案内部に弾性部材を介して係合案内されることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0011】
図1〜図3は本発明の一実施形態を示している。図1に示されるように、本実施形態の魚釣用スピニングリール1は、リール本体1aと、リール本体1aから延出する脚部1bと、脚部1bの端部に形成され且つ釣竿に取り付けられる竿取付部1cとを有している。リール本体1a内には、ハンドル(図示せず)が固定されるハンドル軸2が回転可能に支持されている。ハンドル軸2にはドライブギア3が固定されており、このドライブギア3にはピニオンギア13が噛合している。
【0012】
ピニオンギア13は、ハンドル軸2に対して直交する方向に延び且つリール本体1aに軸受60を介して回転可能に支持された軸筒62に設けられている。また、軸筒62の先端部にはロータ8が一体的に取り付けられている。ロータ8には一対の第1および第2の支持アーム23a,23bが設けられており、各支持アーム23a,23bの前端部には、ベール6の各端部が取り付けられた第1および第2のベール支持部材24a,24bが、図示しない振り分け機構を介して釣糸巻取位置と釣糸放出位置とに振り分け保持されるよう回動自在に支持されている。なお、ベール6の一方の端部は、第1の支持部材24aに一体的に設けられた釣糸案内部15に取り付けられている。
【0013】
ハンドル軸2と直交する方向に延在するスプール軸9が軸筒62を貫通している。この場合、スプール軸9は、軸筒62と同心的に配されており、ハンドル軸2と直交する方向に沿って前後動できる。また、スプール軸9の先端部には釣糸が巻回されるスプール10が取り付けられている。
【0014】
スプール10は、実際に釣糸が巻回される巻回胴部10aと、巻回された釣糸の前側を規制する前側フランジ部10bと、釣糸の後側を規制する後側フランジ部10cとを備えており、スプール軸9に、ドラグノブ30を介して取り付けられている。
【0015】
また、本実施形態の魚釣用スピニングリール1には、ハンドルの回転に伴ってスプール10を前後動させるためのオシレーティング機構(往復動機構)65が設けられている。このオシレーティング機構65は、スプール軸9と平行に配置され且つ軸受部を介してリール本体1aに回転可能に支持されたトラバースカム軸(ウォームシャフト)52と、スプール軸9の後端に止めネジ90によって固定され且つトラバースカム軸52のカム溝59に沿って前後方向に摺動する摺動体54とを備えている。トラバースカム軸52は、ギヤ56を介してピニオン13に連結されており、一方、摺動体54には、トラバースカム軸52に常時係合する係合ピン58が設けられている。
【0016】
したがって、このような構成では、ハンドルの回転操作によってドライブギア3を介してピニオン13を回転させると、軸筒62を介してロータ8が回転駆動するとともに、ピニオン13に噛合したギヤ56が回転し、このギヤ56の回転と共にトラバースカム軸52も回転する。この時、トラバースカム軸52のカム溝59に係合した係合ピン58がトラバースカム軸52の回転に伴って前後動することにより、摺動体54がトラバースカム軸52に沿って前後動する。この結果、この摺動体54に止めネジ90を介して連結しているスプール軸9が前後動する。したがって、スプール10の巻回胴部10aには、釣糸案内部15を介して、釣糸が均等に巻回される。
【0017】
また、本実施形態の魚釣用スピニングリール1には、釣糸がスプール10の後側フランジ部10cとロータ8の支持アーム23a,23bとの間の隙間に落ち込んで支持アーム23a,23bやリール本体内部のスプール軸9に絡み付くことを防止する糸落ち防止体40が設けられている。
【0018】
この糸落ち防止体40は、スプール軸9とロータ8の支持アーム23a,23bとの間に係合している。具体的には、図2および図3に明確に示されるように、糸落ち防止体40は、軸受72を介してスプール軸9の外周に回転可能に支持される環状の基端部45と、スプール10の後側フランジ部10cの内側でこの後側フランジ部10cの形状に沿って近接して軸方向に延びる第1の環状部41と、後側フランジ部10cの端縁と近接して対向するように第1の環状部41から径方向に延びる壁状部43と、壁状部43を介して第1の環状部41に連なり且つスプール10の後側フランジ部10cとロータ8との間に形成される軸方向の隙間を部分的に埋めるように後側フランジ部10cの端縁から軸方向に延びる第2の環状部42と、第1の環状部41と環状の基端部45とを接続する複数(本実施形態では、3本)の継ぎフレーム44とから成る。
【0019】
また、各支持アーム23a,23bと対向する第2の環状部42の部位(2ヶ所)にはそれぞれ、各支持アーム23a,23bの内側面(第2の環状部42と対向する側の面)に形成された凹状の溝(案内部)70に係合する係合突起(係合突部)46が突設されている。これらの係合突起46は、第2の環状部42の周方向に互いに略180度の角度間隔をもって位置されており、第2の環状部42の端縁から径方向に突出するとともに、スプール10の後側フランジ部10cとロータ8の支持アーム23a,23bとの間に形成される径方向の隙間を埋めるように延びている。
【0020】
また、糸落ち防止体40の基端部45は、位置決めワッシャ71によって、スプール軸9に対する軸方向の移動が規制されている。したがって、糸落ち防止体40は、スプール軸9と一体で(追随して)前後に移動するとともに、係合突起46を介して係合するロータ8の回転に連動してスプール軸9に対して回転できる。なお、係合突起46と係合する各支持アーム23a,23bの凹状の溝70は、スプール軸9の前後動に伴う糸落ち防止体40の軸方向移動を許容するべく、各支持アーム23a,23bの軸方向(長手方向)に沿って延びている。
【0021】
また、係合突起46の外周面には環状の係合溝48が形成されており、この係合溝48には弾性部材としてのOリング47が脱着自在に装着されている(係合溝49からOリング47を取り外した状態が図3の拡大円形枠内に二点鎖線で示されている)。すなわち、本実施形態において、係合突起46は、Oリング47を介して各支持アーム23a,23bの凹状の溝70に係合されるとともに、Oリング47と溝70との弾性的な係合によってその軸方向の移動が案内される。特に、本実施形態では、係合突起46の滑らかな軸方向移動を実現できる接触圧でOリング47と溝70の内面とが接触し、あるいは、係合突起46の滑らかな軸方向移動を実現するための極僅かな隙間のみがOリング47と溝70の内面との間に形成される。
【0022】
次に、上記構成の作用について説明する。
【0023】
まず、ハンドルを回転操作すると、ドライブギア3を介してピニオン13および軸筒62が回転し、軸筒62に固定されたロータ8が回転するとともに、オシレーティング機構65を介してスプール軸9が前後動する。この時、糸落ち防止体40は、スプール軸9に取り付けられているためスプール軸9と一体で前後動するとともに、係合突起46を介してロータ8とも係合していることから、ロータ8と共に回転する。また、この時、支持アーム23a,23bの凹状の溝70に係合する係合突起46は、溝70の壁面を介してロータ8から周方向(回転方向)で力を受けながら、溝70に沿って軸方向に移動するが、弾性部材としてのOリング47によって移動時のガタ付き(周方向のガタ)が吸収されるため、異音を発生させることはない。この場合、Oリング47が係合溝48に係止されて係合突起46から外れにくくなっていることは、異音発生防止に大きく寄与する。すなわち、Oリング47によって溝70と係合突起46との間のクリアランスが常に一定に保たれるため、これが回転方向のガタを防止して、異音の発生を防止する。また、Oリング47の介在により、係合突起46を溝70との係合遊度を少なくして案内できるため、巻取り操作中に係合突起46と溝70との係合が解除されてしまうこともない。
【0024】
また、このような巻取り操作中において、糸落ち防止体40は、釣糸がスプール10の後側フランジ部10cとロータ8の支持アーム23a,23bとの間の隙間に落ち込んで支持アーム23a,23bやリール本体内部のスプール軸9に絡み付くことを防止する。具体的には、第1の環状部41がスプール10の後側フランジ部10cの内側でこの後側フランジ部10cの形状に沿って近接して軸方向に延び、また、壁状部43が後側フランジ部10cの端縁と近接して対向するように第1の環状部41から径方向に延び、更に、壁状部43を介して第1の環状部41に連なる第2の環状部42がスプール10の後側フランジ部10cとロータ8との間に形成される軸方向の隙間を部分的に埋めるように後側フランジ部10cの端縁から軸方向に延びるとともに、係合突起46が第2の環状部42の端縁から径方向に突出してスプール10の後側フランジ部10cとロータ8の支持アーム23a,23bとの間に形成される径方向の隙間を埋めるように延びているため、スプール10の後側フランジ部10cと支持アーム23a,23bとの間の隙間に入り込もうとする釣糸は、内側へのそれ以上の侵入が確実に阻止される。
【0025】
以上説明したように、本実施形態の魚釣用スピニングリール1は、弾性部材としてのOリング47を介して、ロータ8の支持アーム23a,23bに形成された案内部としての溝70に糸落ち防止体40の係合突起46が係合案内される構成であるため、回転しながら前後動する際の異音発生を確実に防止できる。また、糸落ち防止体40とロータ8の支持アーム23a,23bに形成された案内溝70との係合遊度を少なく形成(弾性作用による寸法バラツキの吸収作用)して案内できるため、巻取り操作中の糸落ち防止体40の係合脱落を防止できる。
【0026】
また、本実施形態の魚釣用スピニングリール1によれば、糸落ち防止体40の係合突起46にOリング47を装着して弾性案内できるため、簡素な構成で取り扱いが容易であり、脱落のない糸落ち防止体40の係合部を構成できる。
【0027】
図4には、前述した実施形態の変形例が示されている。前述した実施形態では、係合突起46にOリング46が装着されているが、この変形例では、支持アーム23a,23bの溝70に弾性部材80が設けられている。この場合、弾性部材80は、溝70の両側壁にそれぞれ軸方向に沿って形成された凹溝81に装着されており、支持アーム23a,23bの長手方向に沿って延在している。また、本変形例において、糸落ち防止体40の第1の環状部41は、スプール10の後側フランジ部10cから所定の間隔をもって離間しているが、その代わり、第1の環状部41には、スプール10の後側フランジ部10cの内面に近接して対向する環状突出部83が径方向に突設されている。なお、それ以外の構成は、前述した実施形態と同様であるため、同一符号を付してその説明を省略する。
【0028】
したがって、この変形例の構成によれば、前述した実施形態と同様の効果が得られると同時に、係合突起46に溝を設けずに済むため、係合突起46を高い強度に維持でき、糸落ち防止体40に多大な負荷が加わっても、係合突起46の保護を図ることができる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の魚釣用スピニングリールによれば、異音を発生させることなく糸落ち防止体によって釣糸がスプールとロータとの隙間に落ち込むことを有効に防止できるとともに、糸落ち防止体の係合脱落を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る魚釣用スピニングリールの側断面図である。
【図2】図1の魚釣用スピニングリールの要部拡大断面図である。
【図3】図1の魚釣用スピニングリールの糸落ち防止体の斜視図である。
【図4】変形例に係る魚釣用スピニングリールの要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1…魚釣用スピニングリール
8…ロータ
9…スプール軸
10…スプール
23a,23b…支持アーム(アーム部)
40…糸落ち防止体
46…係合突起(係合突部)
47…Oリング(弾性部材)
70…溝(案内部)

Claims (2)

  1. ハンドル回転に連動して前後動するスプールと、このスプールに釣糸を巻回するための釣糸案内部が設けられた支持部材を反転自在に支持するアーム部を有するロータと、前記スプールを支持するスプール軸と前記ロータの前記アーム部との間に係合し且つ前記ロータの回転に連動して回転すると共に前記スプールに追随して前後動する糸落ち防止体とを備えた魚釣用スピニングリールにおいて、
    前記糸落ち防止体は、前記ロータの前記アーム部と係合する係合突部を有し、この係合突部は、前記アーム部に形成された案内部に弾性部材を介して係合案内されることを特徴とする魚釣用スピニングリール。
  2. 前記弾性部材が前記係合突部に装着されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
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