JP2004208573A - コンバインの脱穀制御装置 - Google Patents

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Hisayuki Satoji
久幸 里路
Toshiro Nagai
敏郎 長井
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Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

【課題】手扱ぎ作業時における作業能率の向上。
【解決手段】脱穀用フィードチェンの搬送速度を変速可能な構成とし、コンバインの車速が大なるほど前記フィードチェンの搬送速度が大となるように構成したコンバインの脱穀制御装置であって、コンバインの車速を検出する車速検出手段と、手扱ぎ状態を検出する手扱ぎ検出手段とを設け、前記車速検出手段がコンバインの停止状態を検出すると共に、前記手扱ぎ検出手段が手扱ぎ状態を検出すると、フィードチェンの搬送速度を所定値以上の高速状態に切り換えるように構成したことを特徴とするコンバインの脱穀制御装置の構成とする。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンバインに設ける脱穀装置のフィードチェン搬送速度に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術としては、脱穀装置のフィードチェンの搬送速度を変速可能に構成し、手扱ぎ装置を手扱ぎ可能に切り換えると、フィードチェンの搬送速度が減速する構成である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実開平2−90943号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述のようなコンバインの脱穀制御装置では、次のような欠点がある。即ち、手扱ぎ時にフィードチェンの搬送速度を減速すると、手扱ぎ作業の能率が下がってしまい、刈取作業全体が効率良く行われなくなる。特に、コンバインにおいては、短い期間で穀物を収穫しなくてはならないので、作業能率の向上が求められる。
【0005】
本発明の課題は、前述のような不具合を防止するコンバインの脱穀制御装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は次の構成によって達成される。
すなわち、請求項1記載の発明では、脱穀用フィードチェンの搬送速度を変速可能な構成とし、コンバインの車速が大なるほど前記フィードチェンの搬送速度が大となるように構成したコンバインの脱穀制御装置であって、コンバインの車速を検出する車速検出手段と、手扱ぎ状態を検出する手扱ぎ検出手段とを設け、前記車速検出手段がコンバインの停止状態を検出すると共に、前記手扱ぎ検出手段が手扱ぎ状態を検出すると、フィードチェンの搬送速度を所定値以上の高速状態に切り換えるように構成したことを特徴とするコンバインの脱穀制御装置としたものである。
【0007】
請求項1の作用は、コンバインの車速が速くなるとフィードチェンの搬送速度も速くなり、コンバインの車速が遅くなるとフィードチェンの搬送速度も遅くなる。コンバインの車速検出手段がコンバインの停止状態を検出し、さらに、手扱ぎ検出手段が手扱ぎ状態を検出すると、フィードチェンの搬送速度は所定値以上の高速状態になる。このような状態で手扱ぎ作業を行う。
【0008】
請求項2記載の発明では、脱穀用フィードチェンの搬送速度を変速可能な構成とし、コンバインの車速が大なるほど前記フィードチェンの搬送速度が大となるように構成したコンバインの脱穀制御装置であって、コンバインの車速を検出する車速検出手段と、脱穀装置の駆動を検出する脱穀検出手段とを設け、前記車速検出手段がコンバインの停止状態を検出すると共に、前記脱穀検出手段が脱穀状態を検出すると、フィードチェンの搬送速度を所定値以上の高速状態に切り換えるように構成したことを特徴とするコンバインの脱穀制御装置としたものである。
【0009】
請求項2の作用は、コンバインの車速が速くなるとフィードチェンの搬送速度も速くなり、コンバインの車速が遅くなるとフィードチェンの搬送速度も遅くなる。コンバインの車速検出手段がコンバインの停止状態を検出し、さらに、脱穀検出手段が脱穀装置の駆動状態を検出すると、フィードチェンの搬送速度は所定値以上の高速状態になる。このような状態で手扱ぎ作業を行う。
【0010】
請求項3記載の発明では、前記車速検出手段が所定速度以下の低速状態を検出すると、前記フィードチェンの搬送速度は所定速度以下には変速しないように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンバインの脱穀制御装置としたものである。
【0011】
請求項3の作用は、請求項1又は請求項2の作用と共に、コンバインが所定速度以下の低速状態で走行中においては、フィードチェンの搬送速度は所定速度以下には変速しない。
【0012】
【発明の効果】
本発明は上述のごとく構成したので、請求項1記載の発明においては、コンバインが停止状態において手扱ぎ状態が検出されると、フィードチェンの搬送速度が所定値以上の高速状態になるので、手扱ぎ作業の能率が向上するようになる。また、手扱ぎ作業の能率が向上することにより、短い時間での収穫が可能となり、穀物の品質低下を防止できるようになる。
【0013】
請求項2記載の発明においては、コンバインが停止状態において脱穀装置の駆動状態が検出されると、フィードチェンの搬送速度が所定値以上の高速状態になるので、手扱ぎ作業の能率が向上するようになる。また、手扱ぎ作業の能率が向上することにより、短い時間での収穫が可能となり、穀物の品質低下を防止できるようになる。また、脱穀検出手段を検出することにより、脱穀装置が動き始めてからフィードチェンが所定値以上の高速状態となるので、無駄な動力を抑制することができるようになる。
【0014】
請求項3記載の発明においては、請求項1又は請求項2の効果と共に、コンバインの車速が遅いときには、脱穀フィードチェンの搬送速度は所定速度以下には減速されないので、脱穀フィードチェンへと引き継ぎ搬送された穀稈は、速やかに搬送されていく。従って、搬送される穀稈は必要以上に脱穀されることがなく、したがって、藁屑の発生が少なくなり一番の選別が悪くなるのを防止できるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の脱穀装置5を搭載したコンバインが示されている。
走行装置1を有する車台2の前方には植立穀稈を刈り取る刈取装置3を設け、車台2上には前記刈取装置3で刈り取った穀稈をフィードチェン4にて挾持搬送しながら脱穀選別する脱穀装置5と、コンバインを操作する操作部6と、前記脱穀装置5にて脱穀選別した穀粒を一時貯溜するグレンタンク7とを設けている。
【0016】
また、グレンタンク7内下方には、一時貯溜している穀粒を機外へ排出する下部ラセン(図示せず)があり、該下部ラセンから搬送されてきた穀粒を引き継いでコンバインの機体上方へと搬送する縦オーガ8が車台2に対して旋回可能に設けられ、さらに、縦オーガ8には横オーガ9が昇降可能に設けられている。
【0017】
前記脱穀装置5について、図2〜図4に基づいて説明する。
図2は脱穀装置5の側面図、図3は脱穀装置5の平面図である。
脱穀装置5内には、扱網10を有する扱胴11を扱胴軸12で軸架した扱室13と、該扱室13の一側には、扱室13の後部からの処理物を受け入れて処理する排塵処理網14を有する排塵処理胴15を排塵処理胴軸16で軸架した排塵処理室17が設けられている。そして、扱室13と排塵処理室17の下方には揺動選別棚18を設けている。
【0018】
また、排塵処理胴15の前方には、二番処理胴19と二番処理胴受樋20(網や格子状のものでもよい。)からなる二番処理室21が構成されている。二番処理胴19は、本実施例では扱胴11の一側(グレンタンク7側)であって、排塵処理胴15の前方に排塵処理胴15と一体的に構成されている。この二番処理胴19は基本的には二番物を処理するものである。この二番処理胴19は二番処理胴軸22にて支持されている構成であるので、前記排塵処理胴15と二番処理胴19とは一体的に排塵処理胴軸16と二番処理胴軸22とで支持されている構成である。
【0019】
さらに、図4は図3にて示すAーA断面図であるが、扱網10から漏れた被処理物は二番処理室21内に取り込まれる構成であるので、前記二番処理胴19は二番物の他に、扱室13内から入り込んできた被処理物も一緒に処理する構成となっている。前記扱網10と二番処理胴受樋20(網や格子状でもよい)と排塵処理網14は、それぞれ扱胴11と二番処理胴19と排塵処理胴15の下方に設けられている。
【0020】
前記扱室11と二番処理室21と排塵処理室17の下方には、落下してくる被選別物を受けて選別する揺動選別棚18が設置されていて、該揺動選別棚18の下方には、選別風送り方向始端側に唐箕23を設け、該唐箕23から送風される選別風の送り方向下手側には一番ラセン25を設け、該一番ラセン25の選別風送り方向下手側には二番ラセン26を設けている。この二番ラセン26にて収集された二番物を前記二番処理室21へ揚穀するための二番揚穀筒27が設けられている。
【0021】
前記揺動選別棚18の構成について説明する。揺動選別棚18は、選別送り方向の始端側から順番に、落下した脱穀物を後方に移送する移送棚18a,脱穀物を選別するグレンシーブ18b,二番物を選別するチャフシーブ18c,排塵を機外に移送して放出するストローラック18dとから構成されている。該ストローラック18dの下方は、二番物を二番ラセン26内へ案内する二番棚先26aで構成されていて、この二番棚先26aの終端部近傍まで前記排塵処理胴15が延出している構成である。吸引ファン28は、選別室29内の軽い塵埃を機外に排出するためのもので、扱胴11に対して排塵処理胴15と対向する位置に設けられている。
【0022】
このような脱穀装置5を搭載したコンバインにおいて、エンジン30(図5に図示)からの動力を走行伝動装置31に入力して、任意の速度に変速して走行装置1を駆動する。すると、コンバインは前進を開始する。刈取脱穀作業を行なうには、さらに、刈取装置3,供給搬送装置32及び脱穀装置5に、エンジンからの動力を伝達駆動して作業を行なう。このような状態でコンバインが前進すると、植立穀稈は分草具33により分草されて、引起しケース34の引起しラグ35にて引き起こされ、その後、刈刃36にて刈り取られ、刈り取られた穀稈は、株元搬送装置37により後方の供給搬送装置32の始端部に向かって搬送されていく構成である。
【0023】
株元搬送装置37の終端部まで搬送された穀稈は、後方の供給搬送装置32の始端部に引き継がれ、その後、供給搬送装置32の終端部まで搬送された穀稈は、脱穀装置5のフィードチェン4の始端部に引き継がれると共に、該フィードチェン4に引き継がれた穀稈は、後方に搬送されながら、扱胴11と扱網10により脱穀される。脱穀された脱穀物の一部は揺動選別棚18上に落下して、該揺動選別棚18の揺動作用と唐箕23からの風選作用により選別され、一番ラセン25内へと取り込まれていき、該一番ラセン25に取り込まれた穀粒は、グレンタンク7内に一時貯溜される構成である。脱穀後の排稈はフィードチェン4の終端部から、排稈チェン38の始端部に引き継がれて搬送されていき、その後、カッター39に送られて切断され下方の圃場上に放出されていく構成となっている。
【0024】
扱室11の残りの脱穀物は、後方へと搬送されていくが、その途中において一部の脱穀物は二番処理室21内に取り込まれていく。該二番処理室21内に取り込まれた脱穀物は、選別風送り方向上手側に搬送されながら、二番処理胴19と二番処理胴受樋20との相互作用で脱穀(特に、枝梗粒が処理される)されて、下方の揺動選別棚18上に落下していく。扱胴11と二番処理胴19と排塵処理胴15は、共に選別風送り方向上手側から下手側を見た状況(脱穀装置5の正面視)において、時計回りで回転する構成である。従って、二番処理胴19の処理歯19aの向きは、脱穀物を選別風送り方向の上手側方向に送るような向きに固着しておく必要がある。
【0025】
即ち、該処理歯19aには被処理物を選別風送り方向上手側に搬送する作用があり、さらに、被処理物を処理する作用も併せ持っている。即ち、処理歯19aは螺旋の一部であり、また、その円周方向の先端部と二番処理胴受樋20との間の相互作用にて被処理物を処理する構成となっている。二番処理胴19の搬送終端部に設けられている羽根19bは、被処理物を揺動選別棚18上に強制的に送り出すものである。
【0026】
前記排塵処理胴15の排塵処理歯15bは、扱室13の後部からの脱穀物を選別風送り方向の下手側方向に送るような向きに固着しておく必要がある。本実施例では、該排塵処理歯15bは、排塵処理胴15の外周面に巻回いされているラセン形状となっている。
【0027】
しかし、本実施例では、排塵処理網14の目合いが荒い(格子状)ので、一部の短い藁屑は揺動選別棚18上に落下し、落下しなかった長い藁屑は排塵処理室17の終端部まで搬送されて、排塵処理胴15の終端部の羽根40にてストローラック18d上に強制的に排出される。そして、このように被処理物が排塵処理室17内にて搬送される間に、排塵処理胴15と排塵処理網14との相互作用で、さらに脱穀されるとともに、脱穀物はほぐされて中に混在している穀粒(いわゆるササリ粒)が取り出されて下方の揺動選別棚18上に落下し、さらに、二番ラセン26内へと回収されていく構成である。
【0028】
前述のように、扱室13内の脱穀物で、揺動選別棚18上に落下せず、二番処理室21内にも取り込まれなかった残りの脱穀物は、扱室13の終端部まで搬送される。この扱室13の終端部まで搬送されてきた脱穀物は、排塵処理室17内に取り込まれ、取り込まれた脱穀物は、選別風送り方向下手側に搬送されていく。また、扱室13の終端部まで搬送されてきた脱穀物のうち、排塵処理室17内に取り込まれなかった脱穀物は下方の揺動選別棚18上に落下していく構成である。
【0029】
扱室13内の終端部から排塵処理室17内に脱穀物を送る際において、脱穀物が詰まらないように、扱室13から排塵処理室17への引継ぎ部分においても、排塵処理胴15の外周にラセン形状の排塵処理歯15bを設けていて、該排塵処理歯15bの送り作用で引継ぎ部に脱穀物が詰まらないようにしている。
【0030】
このような、揺動選別棚18の揺動作用と唐箕23からの選別風の作用にもかかわらず、一番ラセン25内に取り込まれなかった残りの穀粒は、他の排塵物と共にさらに後方に送られ、二番ラセン26内へと取り込まれていく。該二番ラセン26内に取り込まれた二番物は、二番揚穀筒27にて前記二番処理室21の選別風送り方向下手側に還元されて、扱室13からの脱穀物と合流し、その後、選別風送り方向の上手側に搬送されながら、二番処理胴受樋20との相互作用で脱穀処理されながら搬送され、終端部の羽根19bにより下方の揺動選別棚18上に強制的に落下していく構成である。
【0031】
次に、図5について説明する。
この図はコンバイン全体の伝動機構線図を示している。エンジン30の動力は出力軸41から各々刈取部B,脱穀部C,走行部Dへと伝達されていく構成である。エンジン30の出力軸41の端部にはプーリ42が固定されていてベルト43,プーリ44を介して脱穀入力軸45へ動力伝達されていく構成である。この脱穀入力軸45の他端にはベベルギヤ46が固定されていて、このベベルギヤ46と噛み合っているベベルギヤ47から二番処理胴軸22へ動力が伝達され、二番処理胴19と排塵処理胴15が回転駆動する構成である。
【0032】
前記二番処理胴軸22には歯車48が固定されていて、この歯車48からカウンタ歯車49,歯車50,軸51へと動力が伝達されていき、さらに、この軸51に固定のプーリ52からベルト53,プーリ54を介して扱胴軸12と扱胴11が回転駆動される構成である。また、扱胴軸12の後部から排稈チェン38が駆動される構成である。
【0033】
前記脱穀入力軸45にはプーリ55が固定されていて、このプーリ55からベルト56,プーリ57を介して唐箕軸58が回転駆動され、さらに、唐箕軸58に固定のプーリ59からベルト60,プーリ61を介して揺動選別棚18を揺動する揺動軸62に動力伝達される構成である。揺動軸62にはプーリ63が固定されていて、このプーリ63からベルト64,プーリ65を介して軸66が回転駆動され、さらに、この軸69に固定の歯車67から歯車68を介して軸69に動力伝達され、この軸69に固定のスプロケット70から脱穀装置5のフィードチェン4が回転駆動される構成である。前記プーリ65にはワンウェイクラッチ66aが設けられている。
【0034】
前記唐箕軸58の他端にはプーリ71が固定されていて、このプーリ71から一番ラセン25,二番ラセン26,吸引ファン28及びカッター39が駆動される構成である。
一方、前記エンジン出力軸41には別のプーリ72が固定されていて、このプーリ72からグレンタンク7下部の下部ラセン73が回転駆動され、この下部ラセン73に連結する縦オーガ8と横オーガ9とが回転駆動されてグレンタンク7内の穀粒が機外へと排出されていく構成である。
【0035】
さらに、前記エンジン出力軸41には別のプーリ74が固定されていて、このプーリ74から走行部Dが回転駆動される構成である。前記プーリ74からベルト75,プーリ76を介して油圧無段変速装置77の入力軸77aが回転駆動する構成で、この回転駆動力は可変油圧ポンプ77bの斜板の傾斜角の量に応じて定量モータ77cへの送油量が決定され、この送油量に応じて出力軸77dが回転する構成である。この出力軸77dの他端には歯車78が固定されていて、この歯車78からカウンタ歯車79,歯車80を介して軸81が回転駆動される構成である。
【0036】
前記カウンタ歯車79を支持する軸79aの他端にはプーリ82が固定されていて、このプーリ82からベルト83,プーリ84を介して前記軸66が駆動される構成である。そして、プーリ84にはワンウェイクラッチ84aが設けられている。前述のごとく、軸66にはプーリ65も設けられており、従って、脱穀装置5のフィードチェン4は、プーリ65に伝達される動力とプーリ84に伝達される動力の二系統から回転駆動される構成である。コンバインの場合、エンジン30は一定の回転数で駆動するので、プーリ65に伝達される動力は所定回転数で駆動され、一方、プーリ84に伝達される動力は油圧無段変速装置77を経由しているので、コンバインの車速に応じて可変された回転数で駆動される構成である。また、コンバインの車速が所定値以下の低速状態になると、油圧無段変速装置77からプーリ84に伝達されてくる回転数よりも、揺動選別棚18の軸62からプーリ65に伝達されてくる回転数の方が速くなる構成としている。即ち、コンバインの車速が所定値以下の低速のときには、フィードチェン4は揺動選別棚18から伝達されてくる一定回転で回転駆動される構成である。
【0037】
前記油圧無段変速装置77からプーリ84に伝達されてきた回転数でフィードチェン4を駆動すると、このフィードチェン4の回転数はコンバインの車速に比例して増減速する。また、刈取部Bの回転数もコンバインの車速に比例して増減速するので、コンバインの車速にかかわらず刈取部B側の回転数とフィードチェン4の回転数との差が少なくなり、穀稈はスムーズに刈取部Bからフィードチェン4へと引き継ぎ搬送されていく。また、フィードチェン4の駆動を走行伝動装置31から取り出す構成としているので、フィードチェン4を変速するために別の装置が不要となりコストダウンとなる。
【0038】
前記軸81は走行伝動装置31を貫通して他側に延出し、プーリ85が固定されている。この軸81の中間部であって走行伝動装置31内には副変速部86が設けられ、動力伝達方向下手側の左右のサイドクラッチブレーキ部87L,87Rを通過して走行装置1が駆動される構成である。
【0039】
前記プーリ85の回転駆動は刈取部Bへ伝達される構成である。即ち、プーリ85からベルト88,プーリ89を介して刈取入力軸90が駆動され、さらに、刈取入力軸90の中間部に設けるベベルギヤ91からベベルギヤ92を介して刈刃36,引起し装置34,株元搬送装置37などが駆動される。また、前記刈取入力軸90の他端には歯車93が固定されていて、この歯車93から歯車94,軸95,ベベルギヤ96,ベベルギヤ97,軸98を介して供給搬送装置32が駆動される構成である。
【0040】
供給搬送装置32は、搬送穀稈の株元側を挾持して搬送する株元チェン32aと穀稈の穂先側を搬送する穂先ラグ32bとから構成されるいる。この供給搬送装置32は油圧無段変速装置77を介して駆動しているので、コンバインの車速の変化に対応して搬送速度が可変する構成である。もちろん、刈取部B全体も油圧無段変速装置77を介して駆動しているので、コンバインの車速の変化に対応して回転数が可変する構成である。
【0041】
前述のごとく、供給搬送装置32と脱穀装置5のフィードチェン4の搬送速度にあっては、共にコンバインの車速の変化に対応して可変可能な構成としていて、具体的にはコンバインの車速が速くなるほど供給搬送装置32とフィードチェン4の搬送速度は速くなるように構成している。
【0042】
次に、図6について説明する。
前述した軸66と軸69との間に変速機構99を設ける構成とする。この変速機構99の構成について説明する。軸66の端部には歯車100が固定され、この歯車100には軸102に固定の歯車101が常時噛み合っている。軸102には歯車103と歯車104とが遊嵌していて、さらに、歯車103と歯車104との間には、軸102に対して長手方向に移動可能であって軸102と共に回転する移動体107が設けられている構成である。前記歯車103は軸69に固定の歯車105と常時噛み合っていて、歯車104は軸69に固定の歯車106と常時噛み合っている構成である。前記移動体107は、通常は歯車104と接続状態であり、フィードチェン変速モータ109が起動されるとリンク機構108を介してシフタ110が動いて移動体107が歯車103と噛み合う構成としている。即ち、移動体107が歯車103に噛み合うと軸69は高速で駆動されるので、フィードチェン4も高速で駆動される構成である。
【0043】
図7のブロック図について説明する。
コントローラ111の入力側には、手扱ぎ状態を検出する手扱ぎ検出手段(以下、手扱ぎスイッチという)112と、車速検出手段113が接続している構成である。この車速検出手段113の具体構成としては、前記油圧無段変速装置77を変速する走行変速レバー(図示せず)の動きを検出する走行変速レバーポジションセンサや走行伝動装置31に設ける車速センサ等である。また、コントローラ111の出力側には、フィードチェン変速モータ109が接続している構成である。手扱ぎスイッチ112の設置場所は操作部6や脱穀装置5等どこでもよい。
【0044】
前記車速検出手段113によるコンバインの停止状態と、手扱ぎスイッチ112の入り状態がコントローラ111に入力されると、コントローラ111はフィードチェン変速モータ109へ信号を出力する。フィードチェン変速モータ109が動くと移動体107が移動して歯車103と噛み合う。このような状態で操作部6に設ける脱穀クラッチレバー(図示せず)を入り状態とすると、図5に示すテンションクラッチ43aが入りとなって脱穀部C全体が回転駆動する。もちろん、脱穀クラッチレバーを先に入り状態としてもよい。
【0045】
すると、フィードチェン4は揺動選別棚18の軸62から変速機構99の歯車100,歯車101,軸102,移動体107,歯車103,歯車105及び軸69を経由して駆動される。前記歯車103から歯車105を経由することによりフィードチェン4は増速駆動される。
【0046】
このように、手扱ぎ作業を実行するときには、フィードチェン4は通常よりも高速で駆動されるので、手扱ぎ作業の能率が向上するようになる。また、手扱ぎ作業の能率が向上することにより、短い時間での収穫が可能となり、穀物の品質低下を防止できるようになる。また、このようなフィードチェン4の増速は、コンバインの停止状態のときのみに限っているので、誤操作防止にもなる。
【0047】
また、前記手扱ぎスイッチ112の替わりに脱穀クラッチレバーの入り状態を検出する脱穀クラッチレバーポジションセンサ114の入り状態を検出する構成としてもよい。これにより、脱穀装置5が動き始めてからフィードチェン4が所定値以上の高速状態となるので、効率良く動力を使用できるようになる。
【0048】
また、車速検出手段113が所定速度以下の低速状態を検出すると、フィードチェン4の搬送速度は所定速度以下には変速しないように構成しているので、脱穀フィードチェン4へと引き継ぎ搬送された穀稈は、速やかに搬送されていくようになる。従って、搬送される穀稈は必要以上に脱穀されることがなく、藁屑の発生が少なくなり一番の選別が悪くなるのを防止できるようになる。
【0049】
次に、図5に示すテンションクラッチ43aとテンションクラッチ115について説明する。前述のごとく、テンションクラッチ43aは脱穀部C全体を入り切りするクラッチであり、テンションクラッチ115は走行伝動装置31からフィードチェン4への伝動を入り切りするクラッチである。そして、操作部6に設ける脱穀クラッチレバーを入り状態にすると、テンションクラッチ43aが入り状態になり、さらに、テンションクラッチ115も同時に入り状態となるように構成している。これにより、操作レバーが少なくなり簡素に構成可能となる。
【0050】
次に、図8について説明する。
116は脱穀クラッチレバーを示している。脱穀クラッチレバー116の基部にはプレート117が固着され、このプレート117にはボス119が固着している構成である。一方、操作部6のフレーム124には受け部125が固着されていて、この受け部125に軸120が回動可能に支持されている構成である。そして、ボス119と軸120の間はセットボルト118で接続している構成である。また、軸120の端部にはプレート121が固着され、このプレート121の他端にはピン121aが固定されていて、このピン121aには引っ張りバネ122が係合されている構成である。この引っ張りバネ122の他端には、ケーブル123が係合していて、ケーブル123の他端は前記テンションクラッチ115が連結している構成である。
【0051】
このように、セットボルト118を用いることにより簡素な構成となり、セットボルト118を着脱することで保守点検が容易に可能となる。また、軸120の端部にプレート121を新規に追加するだけでテンションクラッチ115を追加して構成できるので、部品点数が削減できてコストダウンになる。
【0052】
次に、図9について説明する。
図5及び図7の構成で前述したように、揺動選別棚18の軸62からフィードチェン4への伝動は、プーリ63,ベルト64及びプーリ65を介して伝動する構成としていたが、本実施例では、揺動選別棚18の軸62からスプロケット63a,チェン64a及びスプロケット65aを介して伝動する構成とする。これは、コンバインが停止した状態でも脱穀装置5が駆動していると揺動選別棚18の軸62からフィードチェン4は回転される構成であり、従って、走行伝動装置31からの駆動時間よりも長い時間回転するため、耐久性が要求されるためである。そして、前記スプロケット63a,チェン64a及びスプロケット65aは、プーリ63,ベルト64及びプーリ65よりも機体外側に配置するように構成する。これにより、チェン64aの保守管理が実行し易くなる。
【0053】
走行伝動装置31からフィードチェン4を駆動する軸79aの周囲は、ボス126で覆うと共に、このボス126で軸79aを支持する構成とする。しかも、ボス126は複数のボルト127で走行伝動装置31に対して片持ち状態で支持する構成としている。これにより、ボス126を支持する箇所は1カ所のみの構成となっており、走行伝動装置31以外の部分に支持していないので、ボス126の同芯度が向上し、軸79aの破損を防止できるようになる。もちろん、ボス126は撓まないように、ボルト127で強固に固定している。また、軸79aへの藁の巻付きを防止できるようになる。さらに、ボス126と軸79aを外すと、走行伝動装置31の保守管理が容易に実行可能となる。
【0054】
前記ボス126の端部には、テンションクラッチ115を支持するアーム115aを取り付ける構成としている。これにより、テンションクラッチ115を取り付けるための別の部材が不要となるので、簡素な構成となる。
次に、図10について説明する。
【0055】
図10は前記ボス126を走行伝動装置31に取り付ける具体構成を示している。ボス126の端部にはフランジ126aが固着されていて、このフランジ126aとメタル128がボルト127で固定されている。さらに、メタル128は内側からボルト130で蓋129に固定されている。この蓋129は複数のボルト131で走行伝動装置31に固定されている構成である。そして、メタル128に対してボス126を取り付けるボルト127と、蓋129に対してメタル128を取り付けるボルト130については、円周方向に位相をずらして取り付ける構成としている。これにより、メタル128の外径は小さくなり、コンパクトに構成可能となる。
【0056】
次に、図11について説明する。
軸79aの端部のスプライン部79bには、矢印のように走行伝動装置31からのオイルが浸透するように構成している。これにより、スプライン部79bの摩耗を防止できるようになる。また、蓋129とメタル128との間にはOリング132を設けている。これにより、オイル漏れを防止できるようになる。また、蓋129に対してメタル128を溶接していないので、加工工数が削減できると共に、蓋129の歪を防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの左側面図
【図2】脱穀装置の左側面図
【図3】脱穀装置の平面図
【図4】脱穀装置の正面の断面図
【図5】伝動機構線図
【図6】伝動機構線図
【図7】ブロック図
【図8】背面図
【図9】斜視図
【図10】斜視図
【図11】断面図
【符号の説明】
4…フィードチェン、112…手扱ぎ検出手段、113…車速検出手段、114…脱穀検出手段、

Claims (3)

  1. 脱穀用フィードチェンの搬送速度を変速可能な構成とし、コンバインの車速が大なるほど前記フィードチェンの搬送速度が大となるように構成したコンバインの脱穀制御装置であって、コンバインの車速を検出する車速検出手段と、手扱ぎ状態を検出する手扱ぎ検出手段とを設け、前記車速検出手段がコンバインの停止状態を検出すると共に、前記手扱ぎ検出手段が手扱ぎ状態を検出すると、フィードチェンの搬送速度を所定値以上の高速状態に切り換えるように構成したことを特徴とするコンバインの脱穀制御装置。
  2. 脱穀用フィードチェンの搬送速度を変速可能な構成とし、コンバインの車速が大なるほど前記フィードチェンの搬送速度が大となるように構成したコンバインの脱穀制御装置であって、コンバインの車速を検出する車速検出手段と、脱穀装置の駆動を検出する脱穀検出手段とを設け、前記車速検出手段がコンバインの停止状態を検出すると共に、前記脱穀検出手段が脱穀状態を検出すると、フィードチェンの搬送速度を所定値以上の高速状態に切り換えるように構成したことを特徴とするコンバインの脱穀制御装置。
  3. 前記車速検出手段が所定速度以下の低速状態を検出すると、前記フィードチェンの搬送速度は所定速度以下には変速しないように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンバインの脱穀制御装置。
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