JP2004209709A - 被記録媒体 - Google Patents

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Kenichi Kono
健一 河野
Akira Kita
彰 北
Hiroshi Kakihira
洋 垣平
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Abstract

【課題】インク受容層に対して実質的に平滑化処理を施さずに製造できる、比較的高い光沢性と良好なインク吸収性とを有し、且つ記録された画像が耐水性及び耐光性に優れた被記録媒体を提供すること。
【解決手段】支持体上に少なくとも1層のインク受容層を設け、該インク受容層表面に実質的に平滑化処理を施さずに製造された被記録媒体であって、上記インク受容層が、無機微粒子及びカチオン性有機微粒子を含有し、且つ該インク受容層表面におけるJIS−Z−8741に基づく60度鏡面光沢度が15%以上であることを特徴とする被記録媒体。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクによる記録に好適な被記録媒体に関し、特に、インクジェット記録方式を利用したプリンターやプロッターに適用した際に、比較的高い光沢と良好なインク吸収性を示し、且つ記録画像の耐水性及び耐光性に優れた被記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させることで、画像や文字等の記録を行う記録方式である。また、インクジェット記録方式は、高速印字性、低騒音性及び記録パターンの融通性に優れ、更に多色化を容易に行うことができ、現像及び画像定着が不要であるといった特長がある。特に、多色インクジェット方式で形成された画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画と比較しても遜色のない記録を得ることが可能で、作成部数が少ない場合には、通常の印刷技術や写真技術より印刷コストが安価に済むという利点もあることから、近年、各種情報機器の画像記録装置として急速に普及している。
【0003】
このようなインクジェット記録方式において、記録の高速化、高精細化、或いはフルカラー化といった記録特性を向上させるため、記録装置や記録方法の改良が行われてきたが、それに伴い被記録媒体に対して、より高度な特性が要求されるようになってきた。即ち、銀塩写真に匹敵する高解像度で高品質の記録画像を得るために、(1)印字ドットの濃度が高く鮮やかで明るい色調が出せること、(2)コントラストが高いこと、(3)印字ドットが重なっても、インクが流れ出したり、滲んだりしないような高いインク吸収性を有すること、(4)インクの横方向への拡散が必要以上に大きくならず、真円に近い印字ドット形状であること、(5)ドットの周辺が滑らかで、ぼやけないこと、等が求められ、更に、形成された画像に対する、より高い耐水性や耐候性が求められてきた。
【0004】
これらの要求に対して、従来から幾つかの提案がなされてきた。例えば、特許文献1には、低サイズ原紙に表面加工用の塗料を薄く塗布し、インクの吸収性を高めた一般紙タイプの被記録媒体が開示されている。特許文献2〜4には、前記一般紙タイプの欠点となっていたドットの形状、濃度或いは色調の再現性を改善するために、支持体上に、シリカ等の含ケイ素系無機顔料と、水系バインダーからなる塗工液を塗布した、コートタイプの被記録媒体が開示されている。更に、銀塩写真並みの表面光沢性を得るために、インク受容層にキャストを施したり、或いはインク受容層に吸水性ポリマーを使用することが試みられたが、前者では十分な光沢性が得られず、後者ではシリカ等の無機顔料からなるインク受容層に比べ、インクの吸収速度が遅いという欠点があった。
【0005】
そこで、インクの吸収性、光沢性及び透明性を高めたものとして、微細なアルミナ水和物を水溶性のバインダーとともに支持体上に塗布した被記録媒体が提案された。例えば、特許文献5には、多孔質のカチオン性アルミナ水和物を含有する塗工層を有する記録紙が開示されている。また、特許文献6〜12では、擬ベーマイトを含有する記録シートが開示されている。しかしながら、このような従来の手段では、画像が形成された記録シートが高温多湿環境に曝された場合、染料がマイグレーションして画像が滲んでしまい、実用的でないのが現状であった。
【0006】
この防止策として、3級又は4級アンモニウム塩を有するカチオン性ポリマーをインク受容層中に添加する方法が多く開示されている。しかし、耐水性を向上させるには一定量以上のカチオン性ポリマーを添加する必要があり、インク受容層中のカチオン性ポリマーの量が相対的に増えることから、無機微粒子の含有量が減り、空隙が減少してインク吸収性の確保が困難となる。またカチオン性ポリマーは塗工液の安定性を悪化させる恐れがあり、添加量が増えるとその傾向がより強くなることから、塗工安定性が著しく低下し、塗布後の表面の平滑性が悪化して光沢度が低下するという問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開昭52−53012号公報
【特許文献2】
特開昭55−51583号公報
【特許文献3】
特開昭59−230787号公報
【特許文献4】
特開昭64−11877号公報
【特許文献5】
特開昭60−232990号公報
【特許文献6】
特開平2−276670号公報
【特許文献7】
特開平6−48016号公報
【特許文献8】
特開平6−55829号公報
【特許文献9】
特開平7−76161号公報
【特許文献10】
特開平8−22608号公報
【特許文献11】
特開平10−44585号公報
【特許文献12】
特開平11−34484号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の実態に鑑みてなされたものであり、実質的に平滑化処理を施さずに製造された被記録媒体でありながら、比較的高い光沢性と良好なインク吸収性とを有し、且つ記録された画像が耐水性及び耐光性に優れた被記録媒体を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、印字品位及び記録面の光沢性に優れ、印字後の画像の耐水性及び光による退色、変色が抑制された被記録媒体を得るために種々検討を重ねた結果、少なくとも無機微粒子とカチオン性有機微粒子を含有したインク受容層を有する被記録媒体において、前述した課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち本発明は、支持体上に少なくとも1層のインク受容層を設け、該インク受容層表面に実質的に平滑化処理を施さずに製造された被記録媒体であって、上記インク受容層が、無機微粒子及びカチオン性有機微粒子を含有し、且つ該インク受容層表面におけるJIS−Z−8741に基づく60度鏡面光沢度が15%以上であることを特徴とする被記録媒体を提供する。
【0011】
また、他の本発明は、支持体上に多層からなるインク受容層を設け、該インク受容層表面に実質的に平滑化処理を施さずに製造した被記録媒体であって、上記インク受容層が、無機微粒子を含有する支持体に隣接する層と、該無機微粒子とは種類及び/又は形態が同一若しくは異なる無機微粒子及びカチオン性有機微粒子を含有する最表層とを有し、且つ該インク受容層表面のJIS−Z−8741に基づく60度鏡面光沢度が15%以上であることを特徴とする被記録媒体を提供する。
【0012】
上記本発明においては、支持体のインク受容層を形成する面のJIS−Z−8741による60度鏡面光沢度が、5%以上であること;無機微粒子が、平均粒子径が100〜300nmの、シリカ、アルミナ、及びベーマイト構造又は擬ベーマイト構造のアルミナ水和物から選択される少なくとも1種であること;インク受容層中のカチオン性有機微粒子の含有量が、0.5〜25質量%であること;インク受容層が、水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂を含有することが好ましい。
【0013】
上記各成分を含有するインク受容層を支持体上に設けることにより、本発明の被記録媒体は、画像濃度が高く良好な色調とインク吸収性を示し、光沢性及び記録画像の耐水性と耐光性に優れた被記録媒体とすることが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明において使用する支持体としては、例えば、適度のサイジングが施された紙、無サイズ紙、コート紙、キャストコート紙、紙の両面がポリオレフィン等の樹脂で被覆された樹脂被覆紙(以下レジンコート紙と記す)等の紙類からなるもの:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリスチレン、ポリアセテート、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート及びポリカーボネート等の透明な熱可塑性樹脂フィルム:無機物の充填又は微細な発泡により不透明化されたフィルムからなるシート状物質(合成紙等):更には、ガラス又は金属等からなるシート等が挙げられる。尚、本発明においては、支持体上にインク受容層が形成されるが、該インク受容層に対して実質的に平滑化処理を施さずに製造せずに、インク受容層表面の光沢性を高めるという観点から、非吸水性で平滑度の高いレジンコート紙及びフィルムを用いるのが好ましく、特に、インク受容層を形成する面のJIS−Z−8741による60度鏡面光沢度が5%以上のものであれば問題なく使用できる。また、これら支持体とインク受容層との接着強度を向上させるため、支持体表面にコロナ放電処理や、各種アンダーコート処理を施すことが可能である。
【0015】
本発明において使用する無機微粒子としては、インク吸収能が高く、発色性に優れ、高品位の画像が形成可能な無機微粒子であることが好ましい。このような無機微粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ケイソウ土、アルミナ、コロイダルアルミナ、水酸化アルミニウム、ベーマイト構造のアルミナ水和物、及び擬ベーマイト構造のアルミナ水和物、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、リトポン、ゼオライト等を挙げることができ、これらを単独或いは複数種併用することができる。中でも、シリカ、アルミナ、ベーマイト構造又は擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物がより好ましく用いられる。
【0016】
また、本発明で用いられる無機微粒子の形態としては、インク受容層に光沢及び透明性を付与する理由から、平均粒子径が100nm〜300nmの範囲が好ましく、より好ましくは150nm〜250nmの範囲である。無機微粒子の平均粒子径が100nmより小さい場合にはインク吸収性が低下し、インクの吐出量が多いプリンターや高速出力するプリンターで印字する際に、滲みやビーディングが発生する。一方、平均粒子径が300nmより大きい場合には、インク受容層の透明性が低下するとともに光沢性が低下する場合がある。尚、本発明におけるインク受容層が多層で構成される場合、各層毎に使用される無機微粒子はその種類や形態が同じであっても異なっていてもよい。
【0017】
本発明における無機微粒子の粒子径は、動的光散乱法によって測定され、「高分子の構造(2)散乱実験と形態観察 第1章 光散乱」(共立出版高分子学会編)、或いはJ.Chem.Phys.,70(B),15 Apl.,3965(1979)に記載のキュムラント法を用いた解析から、流体力学的平均粒径として求めることができる。実際には、例えばレーザー粒径解析装置PARIII(大塚電子株式会社製)等を用いて容易に測定することができる。
【0018】
本発明に用いられるアルミナ水和物としては、下記一般式(1)により表されるものを使用できる。
Al23-n(OH)2n・mH2O (1)
上式中、nは0、1、2又は3の整数のうちの何れかを表わし、mは0〜10、好ましくは0〜5の値を表わす。mH2Oは、多くの場合結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表わすものであるため、mは整数でない値をとることができる。また、この種のアルミナ水和物をか焼すると、mは0の値に達することがあり得る。
【0019】
一般に、ベーマイト構造を示すアルミナ水和物の結晶は、その(020)面が巨大平面を形成する層状化合物であり、X線回折図形に特有の回折ピークを示す。ベーマイト構造としては、完全ベーマイトの他に擬ベーマイトと称する、過剰な水を(020)面の層間に含んだ構造を取ることもできる。この擬ベーマイトのX線回折図形は、完全なベーマイトよりも幅広な回折ピークを示す。完全ベーマイトと擬ベーマイトは明確に区別できるものではないので、以下特に断らない限り、両者を含めてベーマイト構造を示すアルミナ水和物という。
【0020】
本発明で好適に用いられる、ベーマイト構造を有するアルミナ水和物の製造方法としては、特に限定されないが、ベーマイト構造をもつアルミナ水和物を製造できる方法であれば、例えば、アルミニウムアルコキシドの加水分解又はアルミン酸ナトリウムを加水分解する等の公知の方法で製造することもできる。また、特開昭56−120508号公報に開示されているように、X線回折的に無定形のアルミナ水和物を、水の存在下で50℃以上で加熱処理することによってベーマイト構造に変えて用いることができる。なかでも、本発明において特に好ましく用いることができる方法は、長鎖のアルミニウムアルコキシドに対して、酸を添加して加水分解及び解膠を行うことによってアルミナ水和物を得る方法である。
【0021】
ここで、長鎖のアルミニウムアルコキシドとは、例えば、炭素数が5以上のアルコキシドであり、更に炭素数12〜22のアルコキシドを用いると、後述するようにアルコール分の除去及びアルミナ水和物の形状制御が容易になるため好ましい。添加する酸としては有機酸、無機酸の中から1種又は2種以上を自由に選択して用いることができるが、加水分解の反応効率、及び得られたアルミナ水和物の形状制御や分散性の点で硝酸が最も好ましい。この工程の後に水熱合成等を行って粒子径を制御することも可能である。硝酸を含むアルミナ水和物分散液を用いて水熱合成を行うと、水溶液中の硝酸がアルミナ水和物表面に硝酸根として取り込まれて水分散性を向上させることができる。
【0022】
上記方法には、アルミナヒドロゲルやカチオン性アルミナを製造する方法と比較して、各種イオン等の不純物が混入しにくいという利点がある。更に長鎖のアルミニウムアルコキシドは、加水分解後のアルコールが除去し易いため、アルミニウムイソプロポキシド等の短鎖のアルコキシドを用いる場合と比較して、アルミナ水和物の脱アルコールを完全に行うことができるという利点がある。
【0023】
また、上記方法で合成されたアルミナ水和物の分散液を、更に粉砕分散機等を用いた物理的な手段で所望とする粒径にすることも可能である。粉砕分散機としては、公知の様々な分散機を使用することが可能である。例えば、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、湿式メディア型粉砕機(サンドミル、ボールミル)、連続式高速撹拌型分散機、超音波分散機等が挙げられる。具体的には、マントンゴーリンホモジナイザー、ソノレータ(同栄商事社製)、マイクロフルイタイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(月島機械社製)、アルティマイザー(伊藤忠産機社製)、パールミル、グレンミル、トルネード(浅田鉄鋼社製)、ビスコミル(アイメックス社製)、マイティーミル、RSミル、SΓミル(井上製作所製)、荏原マイルダー(荏原製作所製)、ファインフローミル、キャビトロン(大平洋機工社製)等が挙げられる。
【0024】
本発明においては、上記で説明した無機微粒子と共に、少なくともカチオン性有機微粒子をインク受容層中に含有させることを特徴としている。本発明で用いられるカチオン性有機微粒子としては、例えば、アミノ基及び/又はアミジノ基のようなカチオン性基を有する高分子化合物から成る微粒子が好ましい。このような高分子化合物は、カチオン性官能基を有するモノマーと、これと共重合可能なモノマーとで構成される。例えば、上市されているカチオン性のアクリルエマルション樹脂を使用することが好ましい。
【0025】
カチオン性官能基を有するモノマーとしては、例えば、下記一般式(2)に示されるようなアミノ基を含有した(メタ)アクリレート系モノマーや、下記一般式(3)で示されるアミノ基を含有した(メタ)アクリルアミド系モノマー等が挙げられる。一般式(2)及び(3)で示されるモノマーは、N−アルキル置換体やN,N−ジアルキル置換体であってもよく、またハロゲン化炭化水素等で4級塩化されたものであってもよい。一般には、N,N−ジアルキル置換体又は4級塩化されたN,N−ジアルキル置換体の使用が好ましく、これらは1種又は2種以上混合して使用することができる。
【0026】
Figure 2004209709
(式中、R1は水素原子或いはメチル基を表す。またR2及びR3は、それぞれ水素原子或いは炭素数1〜4までのアルキル基を表し、R2及びR3は、それぞれ同じであっても異なっていても良い。また、Xは炭素数2〜18までのアルキレン基を表す。)
【0027】
Figure 2004209709
(式中、R1は水素原子或いはメチル基を表し、R2及びR3は、炭素数1〜4までのアルキル基を表す。R2及びR3はそれぞれ同じであっても異なっていても良い。また、Xは炭素数2〜18までのアルキレン基を示す。)
【0028】
上述したカチオン性官能基を有するモノマーと共重合可能なモノマーとしては、上記一般式(2)及び一般式(3)で表される化合物以外の不飽和モノマーであればどのようなものでも良いが、本発明で使用されるカチオン性有機微粒子は、少なくともアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、及びスチレン誘導体をモノマーとして用いることができる。より具体的には下記一般式(4)、及び一般式(5)で表されるモノマーである。特に、本発明に好適なカチオン性有機微粒子は、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、及びスチレン誘導体から得られるカチオン性のアクリルエマルション樹脂である。
【0029】
Figure 2004209709
(式中、R1は水素原子或いはメチル基を表す。また、R2は、炭素数2〜18までのアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、グリシジル基、及び−R3OR4で表わされる基(ただし、R3は、炭素数2〜4のアルキレン基、R4は水素原子或いは炭素数1〜4のアルキル基である)を表す。)
【0030】
Figure 2004209709
(式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。また、R2〜R6は水素原子、塩素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ビニル基を表す。)
【0031】
本発明で使用される有機微粒子へカチオン性を付与する方法としては、前述した一般式(2)及び(3)のモノマーを使用する他に、アミジノ基を含有する開始剤を用いることができる。アミジノ基を含有した開始剤としては、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−フェニルアミジノ)プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔N−(4−クロロフェニル)アミジノ〕プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔N−(4−ヒドロキシフェニル)アミジノ〕プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−ベンジルアミジノ)プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−アリルアミジノ)プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔N−(2−ヒドロキシエチル)アミジノ〕プロパン}二塩酸塩、等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
【0032】
アミジノ基含有開始剤を用いて重合した重合体又は共重合体を構成するモノマーとしては、前述した一般式(2)及び(3)のカチオン性官能基を有するモノマー、一般式(4)及び(5)の共重合可能なモノマーが好ましく用いられる。
【0033】
また、本発明で使用されるカチオン性有機微粒子には、必要に応じて紫外線吸収能や光安定機能を有する化合物を共重合させても良い。例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシ)エトキシベンゾフェノン等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択して使用することができる。
【0034】
本発明で使用されるカチオン性有機微粒子の重量平均分子量としては、60,000以上が好ましく、より好ましくは100,000〜1,000,000である。重量平均分子量が60,000未満では、カチオン性有機微粒子の変形が起こりやすく微粒子間の空隙が減少し、インク吸収性が低下する場合がある。
【0035】
本発明で使用するカチオン性有機微粒子の重量平均粒子径は、動的光散乱法によって測定することができ、好ましい範囲としては10〜300nm、より好ましくは10〜150nm、更に好ましいのは10〜100nmである。重量平均粒子径が10nm未満では、微粒子間の空隙が不足してインク吸収性が不十分となり、乾燥性や画質が低下するという問題がある。また重量平均粒子径が300nmより大きくなると、カチオン性有機微粒子を含有する層の透明性が低下して、層中或いは層下における染料の視認性が低下し、発色濃度が低下するという問題が生じる。
【0036】
また、本発明で使用されるカチオン性有機微粒子は、ガラス転移温度が40℃以上のものが好ましく、より好ましくは60〜110℃のものである。ガラス転移温度が40℃未満では、塗工後の乾燥過程でカチオン性有機微粒子が融着、或いは皮膜化して微粒子間の空隙が減少し、インク吸収性を低下させる場合がある。尚、前述したガラス転移温度は、JISK 7121に基づき示差走査熱量計(Diferential Scaning Calorimeter)により測定されたDSC曲線から求めることができる。
【0037】
本発明において使用するカチオン性有機微粒子は、従来より公知の乳化重合法、或いは機械乳化法により製造することができる。例えば乳化重合法では、分散剤と開始剤の存在下で、各種モノマーを一括で仕込み重合する方法、モノマーを連続的に供給しながら重合する方法があり、一般的にエマルションと呼ばれる実質的に有機微粒子の水分散体を得ることができる。
【0038】
本発明の被記録媒体におけるカチオン性有機微粒子の使用量は、インク受容層の乾燥質量に対し0.5〜25質量%が好ましく、より好ましくは1〜25質量%である。また、無機微粒子に対する混合量としては、無機微粒子100質量部当たり1〜30質量部の範囲が好ましく、より好ましくは無機微粒子100質量部当たり5〜30質量部の範囲で使用するのが好ましい。この範囲であれば塗工適性に悪影響を与えず、記録画像の耐水性、及び耐光性を効果的に向上させることができる。
【0039】
本発明の被記録媒体は、無機微粒子及びカチオン性有機微粒子を含有する塗工液を調製し、該塗工液を支持体の表面、又は支持体上に形成される多層の中の少なくとも1層として塗布、乾燥させてインク受容層を形成するか、或いは無機微粒子を含有する塗工液を支持体上に塗布して下層を形成し、その後、無機微粒子及びカチオン性有機微粒子を含有する塗工液を塗布して最表層を形成することで得られるが、各塗工液には少量の水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂を含有させることが好ましい。
【0040】
前記塗工液に含有させる水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂としては、例えば、澱粉、ゼラチン、カゼイン及びそれらの変性物、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、完全又は部分ケン化のポリビニルアルコール又はその変性物(カチオン変性、アニオン変性、シラノール変性等)、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸又はその共重合体、アクリルアミド系樹脂、無水マレイン酸系共重合体、ポリエステル系樹脂、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリル酸エステル共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、及びこれらの各種重合体ラテックスにカチオン性基又はアニオン性基を付与した官能基変性重合体ラテックス類等が挙げられる。好ましいのは、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールで、平均重合度が300〜5,000のものである。ケン化度は70〜100%未満のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。また、これらの水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂は、単独或いは複数種を混合して用いることができる。
【0041】
水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂の使用量は、無機微粒子に対する混合質量比で1:30〜1:1が好ましく、より好ましくは1:20〜1:3の範囲である。水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂の量がこれらの範囲内であれば、形成されたインク受容層のひび割れや粉落ちが発生し難くなり、インク吸収性も良い。
【0042】
また、本発明においては、前記水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂によって形成される皮膜の造膜性、耐水性及び皮膜強度を改善するために硬膜剤を使用してもよい。一般に、硬膜剤は、使用するポリマーが持つ反応性基の種類によって様々なものが選択され、例えば、ポリビニルアルコール系の樹脂であれば、エポキシ系硬膜剤や、ホウ酸或いは水溶性アルミニウム塩等の無機系硬膜剤等が挙げられるが、本発明で使用する硬膜剤としては、ホウ素原子を中心とした酸素酸又はその塩等のホウ素化合物、具体的には、オルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸及びそれらの塩等が好ましく使用できる。
【0043】
ホウ素化合物の使用量は、バインダーとして用いる水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂の量によって変化するが、概ね水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂に対して0.1〜30質量%の割合で添加するとよい。ホウ素化合物の含有量が、水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂に対し0.1質量%に満たないと、造膜性が低下し十分な耐水性が得られない。逆に、30質量%を超える場合、インク受容層を形成するための塗工液粘度の経時変化が大きくなり、塗工安定性が劣る場合がある。
【0044】
前記塗工液には、必要に応じた量の水性媒体が使用されるが、該水性媒体としては、水、又は水に混合可能な有機溶剤との混合溶液であれば特に制限はない。水に混合可能な有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。
【0045】
インク受容層を形成するための塗工液中の固形分濃度は、支持体上にインク受容層を形成できる程度の粘度になる濃度であれば特に制限はないが、塗工液全質量に対して5〜50質量%が好ましい。固形分濃度が5質量%未満の場合は、インク受容層の膜厚を厚くするのに塗工量を増やす必要があり、乾燥に多くの時間とエネルギーを必要とすることから非経済的である。また、50質量%を越えると塗工液の粘度が高くなり、塗工性が低下する場合がある。
【0046】
また、前記塗工液には、本発明の効果を妨げない範囲内で各種添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、界面活性剤、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、インク定着剤、ドット調整剤、着色剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、pH調整剤等を挙げることができる。
【0047】
調整された塗工液を支持体上に塗布する方法としては、従来より公知の任意の塗工法が適用でき、例えば、ブレードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、スロットダイコーティング法、バーコーティング法、グラビアコーティング法、ロールコーティング法等の塗布方式で塗工液を塗布することができ、その後熱風乾燥機、熱ドラム、遠赤外線乾燥機等の乾燥装置を用いて乾燥することで、インク受容層を形成することができる。尚、インク受容層が多層で構成される場合、無機微粒子、カチオン性有機微粒子、水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂樹脂、ホウ素化合物及びその他の添加剤の組成比は塗工層毎に異なっていてもよく、支持体の片面若しくは両面に形成することが可能である。
【0048】
塗工液の支持体上への塗工量として好ましい範囲は、固形分換算で0.5〜60g/m2であり、より好ましい範囲は5〜55g/m2である。塗工量が0.5g/m2未満の場合は、形成されたインク受容層がインクの水分を十分に吸収できず、インクが流れたり、画像が滲んだりする場合があり、60g/m2を超えると乾燥時にカールが発生したり、印字性能に期待されるほど顕著な効果が現れない場合がある。
【0049】
上記塗工量の範囲は、インク受容層が多層で構成される場合にも適用されるが、この場合、無機微粒子及びカチオン性有機微粒子を含有する層の塗工量は、それ以外の全ての層を含めた総塗工量の20分の1以上であることが好ましい。塗工量がこの範囲より少ない場合、耐水性に十分な効果が得られない場合がある。
【0050】
また本発明の被記録媒体は、そのインク受容層表面のJIS−Z−8741に基づく60度鏡面光沢度が15%以上であることを特徴とするが、本発明のインク受容層の構成を用いれば、塗工後、特にカレンダーロール等の実質的な平滑化処理を施すことなく、インク受容層表面の光沢性を高めることができる。
【0051】
尚、本発明の被記録媒体に記録をする際に使用するインクは特に限定されないが、媒体として水と水溶性有機溶剤との混合物を使用し、該媒体に色材として染料又は顔料を溶解又は分散させた一般的なインクジェット記録用の水性インクの使用が好ましい。
【0052】
前記被記録媒体に上記インクを付与して画像形成を行う方法としては、インクジェット記録方法が特に好適であり、このインクジェット記録方法としてはインクをノズルより効果的に離脱させて、被記録媒体にインクを付与し得る方法であればいかなる方法でもよい。特に、特開昭54−59936号公報等に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジェット方式は有効に使用することができる。
【0053】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。尚、以下の実施例中「部」及び「%」は特に記載が無い限り質量基準である。また本発明にかかる被記録媒体であるインクジェット用記録シートの諸物性の評価は、次の方法で行った。
【0054】
<評価1:光沢度>
光沢計(グロスチェッカー IG−310、(株)堀場製作所製)を用いて、被記録媒体のインク受容層表面のJIS−Z−8471で規定される60度鏡面光沢度を測定した。
【0055】
<評価2:インク吸収性>
インクジェット記録装置(BJ F900、キヤノン(株)製)を用いて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)インクを単色で且つインク打込み量100%で、また2色混合で且つインク打込み量200%で、更に3色混合で且つインク打込み量300%でべた印字した。印字後、被記録媒体表面の記録部に指で触れてインク吸収性を調べた。そして、インク打込み量300%(3色混合)でインクが指に付着しないものを「◎」、インク打込み量200%(2色混合)でインクが指に付着しないものを「○」、インク打込み量100%でインクが指に付着しないものを「△」、同100%でインクが指に付着するものを「×」、と評価した。
【0056】
<評価3:耐水性>
インクジェット記録装置(BJ F900、キヤノン(株)製)を用いて、Y、M、C及びBkインクを単色で、且つインク打込み量100%でベタ印字した被記録媒体を、5分間水道水に浸漬したときの滲み度合いを目視評価した。各色で滲みが起きていないものを「〇」、何れかの色で滲みが僅かに起きているものを「△」、何れかの色で滲みの度合いが大きいものを「×」、と評価した。
【0057】
<評価4:耐光性>
インクジェット記録装置(BJ F900、キヤノン(株)製)を用いて、Y、M、C及びBkインクを単色で、且つインク打込み量100%でベタ印字した被記録媒体を、アトラスウェザメーター(波長340nmにおける照射強度:0.39W/m2、温度:45℃、湿度:50%)に50時間投入し、光暴露前後でのマゼンタの印字濃度を、反射濃度計(グレタグマクベス社製、RD918)を用いて測定し、下記の基準で評価を行った。
・〇:試験後の残濃度率が90%以上。
・△:試験後の残濃度率が70%以上、90%未満。
・×:試験後の残濃度率が70%未満。
尚、残濃度率は下記の式より算出した。
残濃度率(%)=(試験後の濃度/試験前の濃度)×100
【0058】
<アルミナ水和物の製造>
米国特許第4,242,271号明細書に記載された方法で、アルミニウムドデキシドを製造した。次に米国特許第4,202,870号明細書に記載された方法で、前記アルミニウムドデキシドを加水分解してアルミナスラリーを製造した。このアルミナスラリーを、アルミナ水和物固形分が7.7%になるまで水を加えた。この時、アルミナスラリーのpHは9.3であり、これに3.9%の硝酸溶液を加えてpHを調整した。
【0059】
次に、オートクレーブを用いて、熟成前pH:6.0、熟成温度:150℃、熟成時間:6.5時間にて熟成を行ないコロイダルゾルを得た。このコロイダルゾルを入口温度87℃でスプレードライしてアルミナ水和物粉末としたが、得られた粉末は粒子形状が平板状で、結晶構造がベーマイト構造であるアルミナ水和物であった。更に、イオン交換水中に、前記ベーマイト構造を有するアルミナ水和物粉末を19%の濃度で混合することにより、アルミナ水和物分散液Aを調製した。
【0060】
前記方法で得られた分散液Aを、超音波ホモジナイザーMUS−600CCVP−12((株)日本精機製作所製)で再分散した後、遠心分離操作により粗大粒子を取り除き、イオン交換水を加えることで濃度17%のアルミナ水和物分散液Bを調製した。また、分散液Aにイオン交換水を加えて濃度17%に調整したものをアルミナ水和物分散液Cとした。このようにして得られたアルミナ水和物の平均粒子径を、レーザー粒径解析装置PARIII(大塚電子(株)製)を用いて測定したところ、分散液Bは167.8nm、分散液Cは264.2nmであった。
【0061】
<実施例1>
アルミナ水和物分散液Bを100部(固形分:17%)に、カチオン性有機微粒子として、カチオン性のアクリルエマルション樹脂であるXCPP104(三井化学(株)製、30%分散液、粒子径:35nm、ガラス転移温度:100℃)を5.67部(アルミナ水和物に対して10%)、及び3%ホウ酸水溶液を11.3部(アルミナ水和物に対して2%)加えたものと、ポリビニルアルコール(PVA−235、クラレ(株)製)1.7部を水15.3部に溶解したものを混合して塗工液を調製した。次に、レジンコート紙(塗工する面のJIS−Z−8741に基づく60度鏡面光沢度:64%)を支持体とし、この支持体上に先程調製した塗工液を乾燥塗布量30g/m2となるようにダイコートして、これをオーブン(ヤマト科学(株)製)で、100℃、15分間乾燥してインク受容層を形成させた。このようにして得られた被記録媒体を用いて、前記評価1〜4のテストを行った。その結果を表1に示した。
【0062】
<実施例2>
実施例1において、カチオン性有機微粒子を、カチオン性のアクリルエマルション樹脂であるXCPP105(三井化学(株)製、30%分散液、粒径66nm、ガラス転移温度100℃)に変更し、これを0.567部(アルミナ水和物に対して1%)添加した以外は実施例1と同様にして被記録媒体を作製し、前記評価1〜4のテストを行った。その結果を表1に示した。
【0063】
<実施例3>
実施例2において、カチオン性有機微粒子の添加量を5.67部(アルミナ水和物に対して10%)とした以外は、実施例2と同様にして被記録媒体を作製し、前記評価1〜4のテストを行った。その結果を表1に示した。
【0064】
<実施例4>
実施例2において、カチオン性有機微粒子の添加量を17.0部(アルミナ水和物に対して30%)とした以外は、実施例2と同様にして被記録媒体を作製し、前記評価1〜4のテストを行った。その結果を表1に示した。
【0065】
<実施例5>
実施例1において、カチオン性有機微粒子を、カチオン性のアクリルエマルション樹脂であるXCPP106(三井化学(株)製、30%分散液、粒径61nm、ガラス転移温度100℃)に変更し、これを5.67部(アルミナ水和物に対して10%)添加した以外は、実施例1と同様にして被記録媒体を作製し、前記評価1〜4のテストを行った。その結果を表1に示した。
【0066】
<実施例6>
アルミナ水和物分散液B100部(固形分17部)に、3%ホウ酸水溶液を11.3部(アルミナ水和物に対して2%)加えたものと、ポリビニルアルコール(PVA−235、クラレ(株)製)1.7部を水15.3部に溶解したものを混合して塗工液を調製した。次に、この塗工液をレジンコート紙(塗工する面のJIS−Z−8741に基づく60度鏡面光沢度:64%)上に乾燥塗布量20g/m2となるようにダイコートし、これをオーブン(ヤマト科学(株)製)で100℃、15分間熱風乾燥して第1インク受容層を形成させた。更に、該第1インク受容層上に、実施例5で調整した塗工液を乾燥塗布量10g/m2となるようにダイコートして、100℃で15分間熱風乾燥し、第2インク受容層を形成させた。このようにして得られた被記録媒体を用いて、前記評価1〜4のテストを行った。その結果を表1に示した。
【0067】
<実施例7>
実施例3において、支持体を表面に凹凸のあるレジンコート紙(塗工する面のJIS−Z−8741に基づく60度鏡面光沢度:6%)に変更した以外は、実施例3と同様にして被記録媒体を作製し、前記評価1〜4のテストを行った。その結果を表1に示した。
【0068】
<実施例8>
実施例3において、アルミナ水和物分散液Bをアルミナ水和物分散液C(固形分:17%)に変更した以外は、実施例3と同様にして被記録媒体を作製し、前記評価1〜4のテストを行った。その結果を表1に示した。
【0069】
<比較例1>
実施例1において、XCCP104を添加しなかった以外は実施例1と同様にして被記録媒体を作製し、前記評価1〜4のテストを行った。その結果を表1に示した。
【0070】
<比較例2>
実施例2において、カチオン性有機微粒子の添加量を22.67部(アルミナ水和物に対して40%)とした以外は実施例2と同様にして被記録媒体を作製し、前記評価1〜4のテストを行った。その結果を表1に示したが、形成したインク受容層表面におけるJIS−Z−8741に基づく60度鏡面光沢度が、9%であった。
【0071】
<比較例3>
レジンコート紙(塗工する面のJIS−Z−8741に基づく60度鏡面光沢度:64%)を支持体とし、この支持体上にカチオン性有機微粒子XCPP105を乾燥塗布量15g/m2となるようにダイコートして、これをオーブン(ヤマト科学(株)製)で、100℃、15分間乾燥した。ただし、塗工面にひび割れが発生し、上手く層が形成できなかった。このため、前記評価1〜4のテストは実施しなかった。
【0072】
<比較例4>
実施例1において、カチオン性有機微粒子の代わりにPAA−HCL−3L(ポリアリルアミン系重合物、50%水溶液、日東紡績(株)製)を1.70部(アルミナ水和物に対して5%)添加した以外は、実施例1と同様にして被記録媒体を作製し、前記評価1〜4のテストを行った。その結果を表1に示した。
【0073】
<比較例5>
実施例1において、カチオン性有機微粒子の代わりにPAS−H−10L(ポリジアリルアミン系重合物、28%水溶液、日東紡績(株)製)を3.04部(アルミナ水和物に対して5%)添加した以外は、実施例1と同様にして被記録媒体を作製し、前記評価1〜4のテストを行った。その結果を表1に示した。
【0074】
Figure 2004209709
【0075】
以上の実施例及び比較例から明らかなように、特定の無機微粒子及びカチオン性有機微粒子を含有し、光沢度が調整された実施例の被記録媒体は、実質的に平滑化処理を施さずに製造されているにもかかわらず、比較的高い光沢性を有し、インク吸収性が良好で、更に得られる記録画像の耐水性と耐光性とが効果的に向上したものであった。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、インク受容層に無機微粒子とカチオン性有機微粒子を含有させることで、インク受容層表面に実質的に平滑化処理を施されたものではないにもかかわらず、高い光沢性を示し、良好なインク吸収性と、記録画像の耐水性及び耐光性に優れた被記録媒体を提供することができた。

Claims (6)

  1. 支持体上に少なくとも1層のインク受容層を設け、該インク受容層表面に実質的に平滑化処理を施さずに製造された被記録媒体であって、上記インク受容層が、無機微粒子及びカチオン性有機微粒子を含有し、且つ該インク受容層表面におけるJIS−Z−8741に基づく60度鏡面光沢度が15%以上であることを特徴とする被記録媒体。
  2. 支持体上に多層からなるインク受容層を設け、該インク受容層表面に実質的に平滑化処理を施さずに製造した被記録媒体であって、上記インク受容層が、無機微粒子を含有する支持体に隣接する層と、該無機微粒子とは種類及び/又は形態が同一若しくは異なる無機微粒子及びカチオン性有機微粒子を含有する最表層とを有し、且つ該インク受容層表面のJIS−Z−8741に基づく60度鏡面光沢度が15%以上であることを特徴とする被記録媒体。
  3. 支持体のインク受容層を形成する面のJIS−Z−8741による60度鏡面光沢度が、5%以上である請求項1又は2に記載の被記録媒体。
  4. 無機微粒子が、平均粒子径が100〜300nmの、シリカ、アルミナ、及びベーマイト構造又は擬ベーマイト構造のアルミナ水和物から選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の被記録媒体。
  5. インク受容層中のカチオン性有機微粒子の含有量が0.5〜25質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の被記録媒体。
  6. インク受容層が、水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の被記録媒体。
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