JP2004210043A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐摩耗性とウエット性能を両立し、かつ偏摩耗を抑制する。
【解決手段】リブに凸部分24Bを備えたサイプ24を形成したので、小ブロックの凸部分が、隣接する他の小ブロックの凹部分に嵌合した形態となり、横力が入力した際に凸部分と凹部分とが互いに引っ掛かり合い、各小ブロックは一体となり変形が抑えられ、横力に起因する偏摩耗の発生を抑えられる。サイプ24の両側にタイヤ幅方向に対して平行とされた端部開口部分24Aを設けているので、小ブロックに、偏摩耗の核となる剛性の低い鋭角部が形成されない。サイプ24は、タイヤ周方向に向って凸となる凸部分24Bを備えているので、タイヤ周方向のエッジ成分が増加することでウエット旋回性能が向上する。サイプ24は、底部に向うにしたがってサイプ長が長くなる構成としたので、トレッドの摩耗に伴うウエット性能の低下を抑えることができる。
【選択図】 図3
【解決手段】リブに凸部分24Bを備えたサイプ24を形成したので、小ブロックの凸部分が、隣接する他の小ブロックの凹部分に嵌合した形態となり、横力が入力した際に凸部分と凹部分とが互いに引っ掛かり合い、各小ブロックは一体となり変形が抑えられ、横力に起因する偏摩耗の発生を抑えられる。サイプ24の両側にタイヤ幅方向に対して平行とされた端部開口部分24Aを設けているので、小ブロックに、偏摩耗の核となる剛性の低い鋭角部が形成されない。サイプ24は、タイヤ周方向に向って凸となる凸部分24Bを備えているので、タイヤ周方向のエッジ成分が増加することでウエット旋回性能が向上する。サイプ24は、底部に向うにしたがってサイプ長が長くなる構成としたので、トレッドの摩耗に伴うウエット性能の低下を抑えることができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤにかかり、特に、サイプの形成されたリブを備え、耐摩耗性とウエット性能とを両立させた、トラック、バス等の重荷重車両に好適な空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、リブパターンのタイヤにおいて、リブを横切るサイプを設ける技術が使用されてきた。
【0003】
しかしながら、サイプによってリブが分断されるため、接地時にはブロック列のように挙動し、タイヤ踏面に対する様々な入力に対する剛性が低下してしまい、摩耗性を悪化させる要因となっていた。
【0004】
このため、EP1223054のような技術を用いることで、新品時のブロックにおける剛性の低下を抑制しつつ、ウエット性能を発揮する方法がある。
【0005】
このEP1223054に記載のサイプは、屈曲していると共に、上下逆方向に湾曲させている。
【0006】
【特許文献1】
EP1223054(FIG1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、EP1223054に記載のサイプは、端部がタイヤ幅方向に対して傾斜しているため、サイプで区画された小陸部に剛性の低い鋭角部分が形成されてしまい、偏摩耗を発生する場合があった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、耐摩耗性とウエット性能を両立し、かつ偏摩耗を抑制することのできる空気入りタイヤを提供することが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、少なくとも1本の周方向主溝で区画された周方向に沿って延びるリブをトレッドに備え、前記リブに前記リブを横断するサイプを複数形成した空気入りタイヤであって、前記サイプは、リブ幅方向両側に設けられタイヤ幅方向に対して実質上平行とされ端部開口部分と、リブ幅方向中央付近に設けられ、タイヤ周方向に向って凸となる凸部分と、を備え、前記サイプは、踏面側よりも底部側の方が長く形成されている、ことを特徴としている。
【0010】
次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0011】
請求項1に記載の空気入りタイヤでは、トレッドに設けられた周方向主溝、及びリブに設けたサイプにより、基本的なウエット性能が得られる。
【0012】
リブに複数のサイプを形成することで、リブは複数の小ブロックに区画されるが、サイプはリブ幅方向中央付近にタイヤ周方向に向って凸となる凸部分を備えているので、小ブロックの凸部分が隣接する小ブロックの凹部分に嵌合した形態となる。
【0013】
したがって、横力が入力した場合、凸部分と凹部分とが互いに引っ掛かり合い、しかも接地面内ではサイプが閉じて凸部分と凹部分とが互いに密着するので、各小ブロックは一体となり剛性の低下が抑えられる。
【0014】
また、サイプは、リブ幅方向両側がタイヤ幅方向に対して実質上平行とされ端部開口部分とされているので、サイプで区画された小ブロックに、偏摩耗の核となる剛性の低い鋭角部が形成されない。したがって、サイプを形成しても偏摩耗の発生を抑えることができる。
【0015】
また、本発明のサイプは、タイヤ周方向に向って凸となる凸部分を備えているので、タイヤ幅方向のエッジ成分が効くウエットブレーキ性能だけでなく、タイヤ周方向のエッジ成分が増加することでウエット旋回性能が向上する。
【0016】
さらに、トレッドが摩耗するにしたがってウエット性能が低下するが、トレッドの摩耗が進行するにしたがってサイプの長さが長くなる、即ち、サイプのエッジ成分が増加するので、ウエット性能の低下を抑えることができる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、前記端部開口部分の長さは、前記リブの幅の20〜70%の範囲内である、ことを特徴としている。
【0018】
次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0019】
端部開口部分の長さがリブの幅の20%未満になると、小ブロックの角部が実質上鋭角になってしまい、偏摩耗を発生する虞がある。
【0020】
一方、端部開口部分の長さがリブの幅の70%を越えると、相対的に凸部分が少なくなり、横力入力時の引っ掛かりが少なくなって剛性の低下を招き、また、タイヤ幅方向のエッジ成分が不足する。
【0021】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、前記端部開口部分は、タイヤ幅方向に対して略平行である、ことを特徴としている。
【0022】
次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0023】
端部開口部分のタイヤ幅方向に対して略平行とすることで、小ブロックの角部の剛性を確保でき、偏摩耗の発生を抑えることができる。
【0024】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプは、少なくとも前記リブの幅方向中心部分がタイヤ径方向に対して傾斜しており、前記リブの幅方向中心部分で前記サイプの傾斜角度は、タイヤ径方向に対して5〜20°に設定されている、ことを特徴としている。
【0025】
次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0026】
サイプのリブ幅方向中心部分での傾斜角度が、タイヤ径方向に対して5°未満になると、摩耗時にサイプの長さを十分に長くすることが出来なくなる。
【0027】
一方、サイプのリブ幅方向中心部分での傾斜角度が、タイヤ径方向に対して20°を越えると、製造時にタイヤが金型から離れなくなったり、金型を破損したりする虞がある。また、ブロック端部のタイヤ径方向剛性が低下し、偏摩耗の発生及びブロック欠けの虞がある。
【0028】
したがって、サイプのリブ幅方向中心部分での傾斜角度は、タイヤ径方向に対して5〜20°が好ましい。
【0029】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプの深さは、前記周方向主溝の溝深さの60〜80%の範囲内に設定されている、ことを特徴としている。
【0030】
次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0031】
サイプの深さが、周方向主溝の溝深さの60%未満になると、摩耗時に、周方向エッジ成分不足によりウエット旋回性の低下、及び幅方向エッジ成分不足によりウエットブレーキ性能の低下を招く。
【0032】
一方、サイプの深さが、周方向主溝の溝深さの80%を越えると、ブロックの幅方向剛性不足を招き、操縦安定性の低下、及びブロック欠けの虞がある。
【0033】
したがって、サイプの深さを、周方向主溝の溝深さの60〜80%の範囲内に設定することが好ましい。
【0034】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプは、タイヤ周方向に等間隔で配置されている、ことを特徴としている。
【0035】
次に、請求項6に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0036】
サイプをタイヤ周方向に等間隔配置することでサイプで区画された各小ブロックの剛性が等しくなり、リブの摩耗が周方向に一様になる。
【0037】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプの凸部分は曲率を有する円弧形状である、ことを特徴としている。
【0038】
次に、請求項7に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0039】
サイプの凸部分を円弧形状としたので、先端部分の剛性低下が無く、偏摩耗の核の発生を防止できる。
【0040】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の空気入りタイヤにおいて、円弧形状とされた前記凸部分の曲率半径が、前記リブの幅の10〜50%の範囲内に設定されている、ことを特徴としている。
【0041】
次に、請求項8に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0042】
円弧形状とされた凸部分の曲率半径がリブの幅の10%未満になると、相対的に凸部分が少なくなり、横力入力時の引っ掛かりが少なくなって剛性の低下を招き、また、タイヤ幅方向のエッジ成分が不足する。
【0043】
一方、 円弧形状とされた凸部分の曲率半径がリブの幅の50%を越えると、相対的に端部開口部分が少なくなってしまい、小ブロックの角部が実質上鋭角になって、偏摩耗を発生する虞がある。
【0044】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプの凸部分はV字形状である、ことを特徴としている。
【0045】
次に、請求項9に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0046】
サイプの凸部分をV字形状としたので、周方向エッジ成分を確保でき、ウエット旋回性能が良くなる。
【0047】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の空気入りタイヤにおいて、前記V字形状の角度が60〜120°の範囲内に設定されている、ことを特徴としている。
【0048】
次に、請求項10に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0049】
V字形状の角度が60°未満になると、V字形状が鋭角になり過ぎ、先端部の剛性低下により偏摩耗核の発生、及びブロック欠けの虞がある。
【0050】
一方、V字形状の角度が120°を越えると、互いのブロック同士の周方向の重なり域が短くなり、幅方向剛性が低下する。また、周方向エッジ成分の低下でウエット旋回性能も低下する。
【0051】
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプの凸部分は、実質上タイヤ幅方向に延びる幅方向部分と、前記幅方向部分と前記端部開口部分とを連結する傾斜部分とからなる台形形状である、ことを特徴としている。
【0052】
次に、請求項11に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0053】
サイプの凸部分を台形形状としたので、凸部ブロック剛性を高く保て、ウエットブレーキ性能が良く、偏摩耗核の発生も防ぐことができる。
【0054】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の空気入りタイヤにおいて、前記幅方向部分の長さが、前記リブの幅の30〜70%の範囲内に設定されている、ことを特徴としている。
【0055】
次に、請求項12に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0056】
幅方向部分の長さが、リブの幅の30%未満になると、凸部の剛性が低下し、偏摩耗核発生の虞がある。
【0057】
一方、幅方向部分の長さが、リブの幅の70%を越えると、端部開口部分の剛性が低下し、偏摩耗を発生する虞がある。
【0058】
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプは、少なくとも前記リブの側面に開口した開口部分がタイヤ径方向に対して傾斜しており、前記開口部分の傾斜角度は、タイヤ径方向に対して20°以内に設定されている、ことを特徴としている。
【0059】
次に、請求項13に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0060】
サイプの開口部分の傾斜角度がタイヤ径方向に対して20°を越えると、ブロック端部の剛性不測により偏摩耗の発生、及びブロック欠けの虞がある。
【0061】
したがって、サイプの開口部分の傾斜角度は、タイヤ径方向に対して20°以内が好ましい。
【0062】
請求項14に記載の発明は、請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向最外側の前記周方向主溝の底部には、頂部の位置が踏面よりも低く設定され、かつ接地時に前記頂部が路面と接触する偏摩耗犠牲突起が設けられている、ことを特徴としている。
【0063】
次に、請求項14に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0064】
トレッドの径と、偏摩耗犠牲突起の頂部での径とに差があるので、空気入りタイヤが回転して路面と接触したときに、偏摩耗犠牲突起が路面に対して引きずられて摩耗し、偏摩耗犠牲突起に隣接したリブの偏摩耗を抑制することができる。また、ショルダー側の周方向主溝に偏摩耗犠牲突起を設けた場合、ショルダー側のリブに生じた偏摩耗がセンター側に進展することを抑制することができる。
【0065】
【発明の実施の形態】
本発明の空気入りタイヤの一実施形態を図1乃至図7にしたがって説明する。
【0066】
図1には本実施形態に係る空気入りタイヤ10のトレッド12のパターン(一部)が示されており、図2にはトレッド12の断面図が示されている。
【0067】
図1及び図2に示すように、トレッド12には、タイヤ赤道面CLを挟んで両側にタイヤ周方向(矢印A方向、及び矢印B方向。なお、矢印B方向はタイヤ回転方向。)に沿って延びるセンター側周方向主溝14が形成され、そのセンター側周方向主溝14のタイヤ幅方向(矢印W方向)外側には、同じくタイヤ周方向に沿って延びるショルダー側周方向主溝16が形成されている。
【0068】
トレッド12には、センター側周方向主溝14とセンター側周方向主溝14との間にセンターリブ18が、センター側周方向主溝14とショルダー側周方向主溝16との間にはセカンドリブ20が、ショルダー側周方向主溝16のタイヤ幅方向外側にはショルダーリブ22が区画されている。
【0069】
センターリブ18には、一方のセンター側周方向主溝14から他方のセンター側周方向主溝14へ向けて延びてセンターリブ18を横断し、リブ側面に開口したサイプ24が、タイヤ周方向に沿って複数形成されている。
【0070】
セカンドリブ20にも、センター側周方向主溝14からショルダー側周方向主溝16へ向けて延びてセカンドリブ20を横断し、リブ側面に開口したサイプ24が、タイヤ周方向に沿って複数形成されている。
【0071】
なお、サイプ24は、本実施形態のようにタイヤ周方向に等間隔で配置することが好ましいが、場合によっては不等間隔であっても良い。
【0072】
このサイプ24は踏面形状が屈曲しており、リブ幅方向両側がタイヤ幅方向(矢印W方向)に対して実質上平行とされたリブ片側端部開口部分24A、リブ幅方向中央付近がタイヤ周方向に向って凸となる凸部分24Bとされている。
【0073】
なお、各サイプ24は、全て同じ向きに揃えられている。
【0074】
図3に示すように、本実施形態では、サイプ24の凸部分24Bは曲率を有する円弧形状である。
【0075】
この凸部分24Bの曲率半径Rは、リブ幅Wrの10〜50%の範囲内が好ましい。
【0076】
なお、本実施形態のリブ片側端部開口部分24Aは、タイヤ幅方向に対して平行であるが、実質上平行であれば良く、図4(A)に示すようにタイヤ幅方向に対して若干傾斜していても良い。
【0077】
図3に示すように、リブ片側端部開口部分24Aのタイヤ幅方向の長さL1は、リブ幅Wrの10〜35%の範囲内であることが好ましい。
【0078】
本実施形態のサイプ24は、リブ片側端部開口部分24Aと凸部分24Bとが小円弧部分24Cを介して滑らかに接続されている。
【0079】
本実施形態のようにサイプ24が屈曲している場合、図4(B)に示すように、リブ片側端部開口部分24Aと凸部分24Bとの境界は、リブ片側端部開口部分24Aの直線の延長線と凸部分24Bの円弧の延長線との交点Pとし、上記タイヤ幅方向の長さL1は、この交点Pから測定する。
【0080】
図5に示すように、サイプ24の長さは、踏面側よりも底部側の方が長く形成されており、サイプ24は、少なくともリブ幅方向中央部分がタイヤ径方向に対して傾斜している。
【0081】
ここで、リブの幅方向中心部分でのサイプ24の傾斜角度θ2は、タイヤ径方向に対して5〜20°の範囲内が好ましい。
【0082】
本実施形態では、サイプ24のリブ側面開口部分24Fは、タイヤ径方向と平行(踏面に対して直角)であるが、図6のリブ側面図に示すように、リブ側面開口部分24Fはタイヤ径方向に対して傾斜していても良い。但し、リブ側面開口部分24Fの傾斜角度θ3は、タイヤ径方向に対して20°以内が好ましい。
【0083】
図5に示すように、サイプ24の深さdは、センター側周方向主溝14の溝深さDの60〜80%の範囲内が好ましい。
【0084】
本実施形態では、センター側周方向主溝14の溝深さDと、ショルダー側周方向主溝16の溝深さDとは同一であるが、深さが異なる場合には、サイプ24の深さdは、深い方の溝深さDを基準として設定する。
【0085】
図1及び図2に示すように、ショルダー側周方向主溝16の溝底には、頂部の位置が踏面より低く設定され、かつ接地時に路面とすべり接触するリブ状の偏摩耗犠牲突起26が設けられている。
【0086】
なお、ショルダーリブ22のトレッド端付近には、タイヤ周方向に沿って延びる細溝30が形成されている。
(作用)
本実施形態の空気入りタイヤ10では、トレッド12に設けられたセンター側周方向主溝14、ショルダー側周方向主溝16、センターリブ18に設けたサイプ24、セカンドリブ20に設けたサイプ24、及びショルダーリブ22に設けた細溝30により、高いウエット性能が得られる。
【0087】
センターリブ18、およびセカンドリブ20に凸部分24Bを備えたサイプ24を形成したので、サイプ24で区画された小ブロックの周方向片側の凸部分が、隣接する小ブロックの凹部分に嵌合した形態となる。
【0088】
したがって、横力が入力した場合、小ブロックの凸部分と凹部分とが互いに引っ掛かり合い、さらにサイプ24が閉じて凸部分と凹部分とが互いに密着するので、各小ブロックは一体となり変形が抑えられ、横力に起因する偏摩耗の発生を抑えることができる。
【0089】
サイプ24は、リブ幅方向両側にタイヤ幅方向に対して実質上平行とされたリブ片側端部開口部分24Aを設けているので、サイプ24で区画された小ブロックに、偏摩耗の核となる剛性の低い鋭角部が形成されない。
【0090】
したがって、サイプ24を形成したことによる小ブロック角部からの偏摩耗の発生を抑えることが出来る。
【0091】
サイプ24は、タイヤ周方向に向って凸となる凸部分24Bを備えているので、タイヤ幅方向のエッジ成分が効くウエットブレーキ性能だけでなく、タイヤ周方向のエッジ成分が増加することでウエット旋回性能が向上する。
【0092】
トレッド12が摩耗すると溝ボリュームが減少してウエット性能も低下するが、図7に示すように、トレッド12が摩耗するとサイプ24の長さが長くなる、即ち、サイプ24のエッジ成分が増加するので、ウエット性能の低下を抑えることができる。
【0093】
なお、リブ片側端部開口部分24Aの長さL1がリブ幅Wrの10%未満になると、小ブロックの角部が実質上鋭角になってしまい、偏摩耗を発生する虞がある。
【0094】
一方、リブ片側端部開口部分24Aの長さL1がリブ幅Wrの35%を越えると、相対的に凸部分24Bが少なくなり、横力入力時の引っ掛かりが少なくなって剛性の低下を招き、また、タイヤ幅方向のエッジ成分が不足する。
【0095】
リブ幅方向中心部分でサイプ24の傾斜角度が、タイヤ径方向に対して5°未満になると、踏み込み時、ブロック剛性不足、及び蹴り出し時ブロック剛性過多により、偏摩耗発生の虞がある。
【0096】
一方、リブ幅方向中心部分でサイプ24の傾斜角度が、タイヤ径方向に対して20°を越えると、蹴り出し時ブロック剛性不足により偏摩耗の発生、及びブロック欠け、また製造時タイヤが金型から離れなくなったり金型の破損の虞がある。
【0097】
サイプ24の深さが、センター側周方向主溝14の溝深さDの60%未満になると、摩耗時、周方向エッジ成分の低下により、ウエット旋回性能の低下、及び幅方向エッジ成分の低下によりウエットブレーキ性能の低下を招く。
【0098】
一方、サイプ24の深さが、センター側周方向主溝14の溝深さDの80%を越えると、ブロックの幅方向剛性の低下により、操縦安定性の低下、及びブロック欠けの虞もある。
【0099】
サイプ24の凸部分24Bを円弧形状としたので、先端部分の剛性低下が少なく、偏摩耗核の発生を防ぐことができる。
【0100】
円弧形状とされた凸部分24Bの曲率半径Rがリブ幅Wrの10%未満になると、相対的に凸部分24Bが少なくなり、横力入力時の引っ掛かりが少なくなって剛性の低下を招き、また、タイヤ幅方向のエッジ成分が不足する。
【0101】
一方、円弧形状とされた凸部分24Bの曲率半径Rがリブ幅Wrの50%を越えると、相対的にリブ片側端部開口部分24Aが少なくなってしまい、小ブロックの角部が実質上鋭角になって、偏摩耗を発生する虞がある。
【0102】
サイプ24のリブ側面開口部分24Fの傾斜角度θ3がタイヤ径方向に対して20°を越えると、蹴り出し時、ブロック先端部の剛性不足により、偏摩耗の発明、及びブロック欠けの虞がある。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を図8にしたがって説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0103】
図8に示すように、本実施形態のサイプ24の凸部分24BはV字形状である。
【0104】
ここで、V字形状とされた凸部分24Bの角度θ4は、60〜120°の範囲内に設定することが好ましい。
(作用)
本実施形態では、凸部分24BをV字形状としたので、周方向エッジ成分の確保によりウエット旋回性能が良くなる。
【0105】
なお、凸部分24Bの角度θ4が60°未満になると、V字形状が鋭角になり過ぎ、先端部の剛性が低下し、偏摩耗核の発生、及びブロック欠けの虞がある。
【0106】
一方、凸部分24Bの角度θ4が120°を越えると、ブロック同士の幅方向の引っ掛かりが少なくなり、幅方向剛性が低下し、操縦安定性の低下を招く。また、周方向エッジ成分の低下で、ウエット旋回性能の低下を招く。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態を図9、及び図10にしたがって説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0107】
図9に示すように、本実施形態のサイプ24の凸部分24Bは、実質上タイヤ幅方向に延びる幅方向部分24Dと、幅方向部分24Dとリブ片側端部開口部分24Aを連結するタイヤ周方向に対して傾斜した傾斜部分24Eと、からなる台形形状である。
【0108】
ここで、幅方向部分24Dの長さL2は、リブ幅Wrの30〜70%の範囲内に設定することが好ましい。
【0109】
本実施形態の幅方向部分24Dは、タイヤ幅方向に対する角度が0°であるが、図10に示すように、幅方向部分24Dはタイヤ幅方向に対して傾斜しいても良い。
(作用)
本実施形態では、凸部分24Bを台形形状としたので、凸部ブロック剛性を高く保て、ウエットブレーキ性能が良く、偏摩耗核の発生も防ぐ。
【0110】
なお、幅方向部分24Dの長さL2が、リブ幅Wrの30%未満になると、凸部の剛性が低下し、偏摩耗を発生する虞がある。
【0111】
一方、幅方向部分24Dの長さL2が、リブ幅W2の70%を越えると、リブ片側端部開口部分24Aの剛性が低下し偏摩耗発生の虞がある。
[その他の実施形態]
サイプ24の形状は第1〜3の実施形態に記載した形態に限らず、図11に示すように、新品時に直線形状で、底部に向うにしたがって凸部24Bの高さが徐々に大きくなる形態であっても良く、図12に示すように、新品時と摩耗時とで凸部24Bの突出方向が逆転する形態であっても良い。
【0112】
何れの場合であっても、両端部にタイヤ幅方向に対して実質上平行なリブ片側端部開口部分24Aが有れば、サイプ24の形状は上述したものに限らない。
(試験例)
本発明の効果を確かめるために、従来例に係る空気入りタイヤ、本発明の適用された実施例1〜3の空気入りタイヤを用意し、ウエット旋回試験、及び耐摩耗試験を行った。なお、試験タイヤのサイズは、295/75R22.5である。
【0113】
以下に、試験タイヤを説明する。
【0114】
・実施例1の空気入りタイヤ:前述した第1の実施形態の空気入りタイヤである。各部の寸法、角度、比率等は以下の通りである。
【0115】
リブ片側端部開口部分24Aの長さL1:リブ幅Wrの15%
サイプ24の傾斜角度θ2:8°
サイプ24の深さd:センター側周方向主溝14の溝深さDの70%
リブ片側端部開口部分24Aの角度θ1:0°
リブの幅方向中心部分でのサイプ24の傾斜角度θ2:8°
凸部分24Bの曲率半径R:リブ幅Wrの35%
リブ側面開口部分24Fの傾斜角度θ3:3°
・実施例2の空気入りタイヤ:前述した第2の実施形態の空気入りタイヤである。各部の寸法、角度、比率等は以下の通りである。
【0116】
リブ片側端部開口部分24Aの長さL1:リブ幅Wrの15%
サイプ24の傾斜角度θ2:8°
サイプ24の深さd:センター側周方向主溝14の溝深さDの70%
リブ片側端部開口部分24Aの角度θ1:0°
リブの幅方向中心部分でのサイプ24の傾斜角度θ2:8°
V字形状の角度θ4:99°
リブ側面開口部分24Fの傾斜角度θ3:3°
・実施例3の空気入りタイヤ:前述した第3の実施形態の空気入りタイヤである。各部の寸法、角度、比率等は以下の通りである。
【0117】
リブ片側端部開口部分24Aの長さL1:リブ幅Wrの15%
サイプ24の傾斜角度θ2:8°
サイプ24の深さd:センター側周方向主溝14の溝深さDの70%
リブ片側端部開口部分24Aの角度θ1:0°
リブの幅方向中心部分でのサイプ24の傾斜角度θ2:8°
幅方向部分24Dの長さL2:リブ幅Wrの35%
リブ側面開口部分24Fの傾斜角度θ3:3°
幅方向部分24Dの角度θ5:0°
・従来例の空気入りタイヤ:図13に示す空気入りタイヤ100である。なお、図13に示す空気入りタイヤ100において、実施形態と同一構成には同一符号を付している。
【0118】
各リブに形成されているサイプ102は、タイヤ幅方向と平行な直線形状であり、タイヤ径方向に対して平行に形成されている。なお、サイプ102の深さはセンター側周方向主溝14の溝深さの70%に設定されている。
【0119】
以下に試験方法を説明する。
【0120】
ウエット旋回試験:試験タイヤを実車に装着し、水深5mmの湿潤路面において、半径100mの円周を20回旋回した時の、各タイヤの平均タイムを測定した。評価は、従来例の新品時の平均タイムを100とする指数で表しており、数値が小さいほどウエット旋回性能に優れていることを表している。
【0121】
耐摩耗試験:試験タイヤをステア軸に装着し、アメリカ合衆国の道路を10万km走行させ(平均時速100km/h)、走行後のトレッドの摩耗量を測定した。評価は、従来例の摩耗量を100とする指数で表しており、数値が小さいほど耐摩耗性に優れていることを表している。
【0122】
耐偏摩耗試験:リム(9.00×22.5)に装着し、タイヤ内圧690kPa、負荷荷重2527kgの条件下でアスファルト路上で10万km走行させる耐久性試験を行い、その後、トレッド部の摩耗状況を目視にて観察し、偏摩耗について評価した。評価は、従来例を100とする指数表示であり、数値が小さいほど性能が良いことを表している。
【0123】
【表1】
試験の結果から、本発明の適用された実施例1〜3の空気入りタイヤは、従来例に比較してウエット旋回性能、耐摩耗性、及び耐偏摩耗性に優れていることが分かる。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の空気入りタイヤは上記の構成としたので、耐摩耗性とウエット性能を両立しつつ、偏摩耗を抑制することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドの平面図である。
【図2】トレッドの回転軸に沿った断面図である。
【図3】サイプの拡大平面図である。
【図4】(A)はリブ片側端部開口部分の傾斜したサイプの拡大図であり、(B)はリブ片側端部開口部分と凸部分との境界を説明するサイプの拡大図である。
【図5】センターリブの斜視図である。
【図6】リブ側面開口部分の傾斜したサイプの側面図である。
【図7】(A)は新品時のリブの平面図であり、(B)は80%摩耗時のリブの平面図である。
【図8】第2の実施形態に係る空気入りタイヤのセンターリブの斜視図である。
【図9】第3の実施形態に係る空気入りタイヤのセンターリブの斜視図である。
【図10】幅方向部分の傾斜したサイプの拡大断面図である。
【図11】(A)は他の実施形態に係る空気入りタイヤのセンターリブの斜視図であり、(B)は(A)に示すセンターリブの側面図である。
【図12】(A)は更に他の実施形態に係る空気入りタイヤのセンターリブの斜視図であり、(B)は(A)に示すセンターリブの側面図である。
【図13】従来例に係る空気入りタイヤのトレッドの平面図である。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤ
12 トレッド
14 センター側周方向主溝
16 ショルダー側周方向主溝
18 センターリブ
20 セカンドリブ
22 ショルダーリブ
24 サイプ
24A リブ片側端部開口部分
24B 凸部分
24D 幅方向部分
24E 傾斜部分
24F 開口部分
26 偏摩耗犠牲突起
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤにかかり、特に、サイプの形成されたリブを備え、耐摩耗性とウエット性能とを両立させた、トラック、バス等の重荷重車両に好適な空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、リブパターンのタイヤにおいて、リブを横切るサイプを設ける技術が使用されてきた。
【0003】
しかしながら、サイプによってリブが分断されるため、接地時にはブロック列のように挙動し、タイヤ踏面に対する様々な入力に対する剛性が低下してしまい、摩耗性を悪化させる要因となっていた。
【0004】
このため、EP1223054のような技術を用いることで、新品時のブロックにおける剛性の低下を抑制しつつ、ウエット性能を発揮する方法がある。
【0005】
このEP1223054に記載のサイプは、屈曲していると共に、上下逆方向に湾曲させている。
【0006】
【特許文献1】
EP1223054(FIG1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、EP1223054に記載のサイプは、端部がタイヤ幅方向に対して傾斜しているため、サイプで区画された小陸部に剛性の低い鋭角部分が形成されてしまい、偏摩耗を発生する場合があった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、耐摩耗性とウエット性能を両立し、かつ偏摩耗を抑制することのできる空気入りタイヤを提供することが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、少なくとも1本の周方向主溝で区画された周方向に沿って延びるリブをトレッドに備え、前記リブに前記リブを横断するサイプを複数形成した空気入りタイヤであって、前記サイプは、リブ幅方向両側に設けられタイヤ幅方向に対して実質上平行とされ端部開口部分と、リブ幅方向中央付近に設けられ、タイヤ周方向に向って凸となる凸部分と、を備え、前記サイプは、踏面側よりも底部側の方が長く形成されている、ことを特徴としている。
【0010】
次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0011】
請求項1に記載の空気入りタイヤでは、トレッドに設けられた周方向主溝、及びリブに設けたサイプにより、基本的なウエット性能が得られる。
【0012】
リブに複数のサイプを形成することで、リブは複数の小ブロックに区画されるが、サイプはリブ幅方向中央付近にタイヤ周方向に向って凸となる凸部分を備えているので、小ブロックの凸部分が隣接する小ブロックの凹部分に嵌合した形態となる。
【0013】
したがって、横力が入力した場合、凸部分と凹部分とが互いに引っ掛かり合い、しかも接地面内ではサイプが閉じて凸部分と凹部分とが互いに密着するので、各小ブロックは一体となり剛性の低下が抑えられる。
【0014】
また、サイプは、リブ幅方向両側がタイヤ幅方向に対して実質上平行とされ端部開口部分とされているので、サイプで区画された小ブロックに、偏摩耗の核となる剛性の低い鋭角部が形成されない。したがって、サイプを形成しても偏摩耗の発生を抑えることができる。
【0015】
また、本発明のサイプは、タイヤ周方向に向って凸となる凸部分を備えているので、タイヤ幅方向のエッジ成分が効くウエットブレーキ性能だけでなく、タイヤ周方向のエッジ成分が増加することでウエット旋回性能が向上する。
【0016】
さらに、トレッドが摩耗するにしたがってウエット性能が低下するが、トレッドの摩耗が進行するにしたがってサイプの長さが長くなる、即ち、サイプのエッジ成分が増加するので、ウエット性能の低下を抑えることができる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、前記端部開口部分の長さは、前記リブの幅の20〜70%の範囲内である、ことを特徴としている。
【0018】
次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0019】
端部開口部分の長さがリブの幅の20%未満になると、小ブロックの角部が実質上鋭角になってしまい、偏摩耗を発生する虞がある。
【0020】
一方、端部開口部分の長さがリブの幅の70%を越えると、相対的に凸部分が少なくなり、横力入力時の引っ掛かりが少なくなって剛性の低下を招き、また、タイヤ幅方向のエッジ成分が不足する。
【0021】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、前記端部開口部分は、タイヤ幅方向に対して略平行である、ことを特徴としている。
【0022】
次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0023】
端部開口部分のタイヤ幅方向に対して略平行とすることで、小ブロックの角部の剛性を確保でき、偏摩耗の発生を抑えることができる。
【0024】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプは、少なくとも前記リブの幅方向中心部分がタイヤ径方向に対して傾斜しており、前記リブの幅方向中心部分で前記サイプの傾斜角度は、タイヤ径方向に対して5〜20°に設定されている、ことを特徴としている。
【0025】
次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0026】
サイプのリブ幅方向中心部分での傾斜角度が、タイヤ径方向に対して5°未満になると、摩耗時にサイプの長さを十分に長くすることが出来なくなる。
【0027】
一方、サイプのリブ幅方向中心部分での傾斜角度が、タイヤ径方向に対して20°を越えると、製造時にタイヤが金型から離れなくなったり、金型を破損したりする虞がある。また、ブロック端部のタイヤ径方向剛性が低下し、偏摩耗の発生及びブロック欠けの虞がある。
【0028】
したがって、サイプのリブ幅方向中心部分での傾斜角度は、タイヤ径方向に対して5〜20°が好ましい。
【0029】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプの深さは、前記周方向主溝の溝深さの60〜80%の範囲内に設定されている、ことを特徴としている。
【0030】
次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0031】
サイプの深さが、周方向主溝の溝深さの60%未満になると、摩耗時に、周方向エッジ成分不足によりウエット旋回性の低下、及び幅方向エッジ成分不足によりウエットブレーキ性能の低下を招く。
【0032】
一方、サイプの深さが、周方向主溝の溝深さの80%を越えると、ブロックの幅方向剛性不足を招き、操縦安定性の低下、及びブロック欠けの虞がある。
【0033】
したがって、サイプの深さを、周方向主溝の溝深さの60〜80%の範囲内に設定することが好ましい。
【0034】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプは、タイヤ周方向に等間隔で配置されている、ことを特徴としている。
【0035】
次に、請求項6に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0036】
サイプをタイヤ周方向に等間隔配置することでサイプで区画された各小ブロックの剛性が等しくなり、リブの摩耗が周方向に一様になる。
【0037】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプの凸部分は曲率を有する円弧形状である、ことを特徴としている。
【0038】
次に、請求項7に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0039】
サイプの凸部分を円弧形状としたので、先端部分の剛性低下が無く、偏摩耗の核の発生を防止できる。
【0040】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の空気入りタイヤにおいて、円弧形状とされた前記凸部分の曲率半径が、前記リブの幅の10〜50%の範囲内に設定されている、ことを特徴としている。
【0041】
次に、請求項8に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0042】
円弧形状とされた凸部分の曲率半径がリブの幅の10%未満になると、相対的に凸部分が少なくなり、横力入力時の引っ掛かりが少なくなって剛性の低下を招き、また、タイヤ幅方向のエッジ成分が不足する。
【0043】
一方、 円弧形状とされた凸部分の曲率半径がリブの幅の50%を越えると、相対的に端部開口部分が少なくなってしまい、小ブロックの角部が実質上鋭角になって、偏摩耗を発生する虞がある。
【0044】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプの凸部分はV字形状である、ことを特徴としている。
【0045】
次に、請求項9に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0046】
サイプの凸部分をV字形状としたので、周方向エッジ成分を確保でき、ウエット旋回性能が良くなる。
【0047】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の空気入りタイヤにおいて、前記V字形状の角度が60〜120°の範囲内に設定されている、ことを特徴としている。
【0048】
次に、請求項10に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0049】
V字形状の角度が60°未満になると、V字形状が鋭角になり過ぎ、先端部の剛性低下により偏摩耗核の発生、及びブロック欠けの虞がある。
【0050】
一方、V字形状の角度が120°を越えると、互いのブロック同士の周方向の重なり域が短くなり、幅方向剛性が低下する。また、周方向エッジ成分の低下でウエット旋回性能も低下する。
【0051】
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプの凸部分は、実質上タイヤ幅方向に延びる幅方向部分と、前記幅方向部分と前記端部開口部分とを連結する傾斜部分とからなる台形形状である、ことを特徴としている。
【0052】
次に、請求項11に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0053】
サイプの凸部分を台形形状としたので、凸部ブロック剛性を高く保て、ウエットブレーキ性能が良く、偏摩耗核の発生も防ぐことができる。
【0054】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の空気入りタイヤにおいて、前記幅方向部分の長さが、前記リブの幅の30〜70%の範囲内に設定されている、ことを特徴としている。
【0055】
次に、請求項12に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0056】
幅方向部分の長さが、リブの幅の30%未満になると、凸部の剛性が低下し、偏摩耗核発生の虞がある。
【0057】
一方、幅方向部分の長さが、リブの幅の70%を越えると、端部開口部分の剛性が低下し、偏摩耗を発生する虞がある。
【0058】
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプは、少なくとも前記リブの側面に開口した開口部分がタイヤ径方向に対して傾斜しており、前記開口部分の傾斜角度は、タイヤ径方向に対して20°以内に設定されている、ことを特徴としている。
【0059】
次に、請求項13に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0060】
サイプの開口部分の傾斜角度がタイヤ径方向に対して20°を越えると、ブロック端部の剛性不測により偏摩耗の発生、及びブロック欠けの虞がある。
【0061】
したがって、サイプの開口部分の傾斜角度は、タイヤ径方向に対して20°以内が好ましい。
【0062】
請求項14に記載の発明は、請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向最外側の前記周方向主溝の底部には、頂部の位置が踏面よりも低く設定され、かつ接地時に前記頂部が路面と接触する偏摩耗犠牲突起が設けられている、ことを特徴としている。
【0063】
次に、請求項14に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0064】
トレッドの径と、偏摩耗犠牲突起の頂部での径とに差があるので、空気入りタイヤが回転して路面と接触したときに、偏摩耗犠牲突起が路面に対して引きずられて摩耗し、偏摩耗犠牲突起に隣接したリブの偏摩耗を抑制することができる。また、ショルダー側の周方向主溝に偏摩耗犠牲突起を設けた場合、ショルダー側のリブに生じた偏摩耗がセンター側に進展することを抑制することができる。
【0065】
【発明の実施の形態】
本発明の空気入りタイヤの一実施形態を図1乃至図7にしたがって説明する。
【0066】
図1には本実施形態に係る空気入りタイヤ10のトレッド12のパターン(一部)が示されており、図2にはトレッド12の断面図が示されている。
【0067】
図1及び図2に示すように、トレッド12には、タイヤ赤道面CLを挟んで両側にタイヤ周方向(矢印A方向、及び矢印B方向。なお、矢印B方向はタイヤ回転方向。)に沿って延びるセンター側周方向主溝14が形成され、そのセンター側周方向主溝14のタイヤ幅方向(矢印W方向)外側には、同じくタイヤ周方向に沿って延びるショルダー側周方向主溝16が形成されている。
【0068】
トレッド12には、センター側周方向主溝14とセンター側周方向主溝14との間にセンターリブ18が、センター側周方向主溝14とショルダー側周方向主溝16との間にはセカンドリブ20が、ショルダー側周方向主溝16のタイヤ幅方向外側にはショルダーリブ22が区画されている。
【0069】
センターリブ18には、一方のセンター側周方向主溝14から他方のセンター側周方向主溝14へ向けて延びてセンターリブ18を横断し、リブ側面に開口したサイプ24が、タイヤ周方向に沿って複数形成されている。
【0070】
セカンドリブ20にも、センター側周方向主溝14からショルダー側周方向主溝16へ向けて延びてセカンドリブ20を横断し、リブ側面に開口したサイプ24が、タイヤ周方向に沿って複数形成されている。
【0071】
なお、サイプ24は、本実施形態のようにタイヤ周方向に等間隔で配置することが好ましいが、場合によっては不等間隔であっても良い。
【0072】
このサイプ24は踏面形状が屈曲しており、リブ幅方向両側がタイヤ幅方向(矢印W方向)に対して実質上平行とされたリブ片側端部開口部分24A、リブ幅方向中央付近がタイヤ周方向に向って凸となる凸部分24Bとされている。
【0073】
なお、各サイプ24は、全て同じ向きに揃えられている。
【0074】
図3に示すように、本実施形態では、サイプ24の凸部分24Bは曲率を有する円弧形状である。
【0075】
この凸部分24Bの曲率半径Rは、リブ幅Wrの10〜50%の範囲内が好ましい。
【0076】
なお、本実施形態のリブ片側端部開口部分24Aは、タイヤ幅方向に対して平行であるが、実質上平行であれば良く、図4(A)に示すようにタイヤ幅方向に対して若干傾斜していても良い。
【0077】
図3に示すように、リブ片側端部開口部分24Aのタイヤ幅方向の長さL1は、リブ幅Wrの10〜35%の範囲内であることが好ましい。
【0078】
本実施形態のサイプ24は、リブ片側端部開口部分24Aと凸部分24Bとが小円弧部分24Cを介して滑らかに接続されている。
【0079】
本実施形態のようにサイプ24が屈曲している場合、図4(B)に示すように、リブ片側端部開口部分24Aと凸部分24Bとの境界は、リブ片側端部開口部分24Aの直線の延長線と凸部分24Bの円弧の延長線との交点Pとし、上記タイヤ幅方向の長さL1は、この交点Pから測定する。
【0080】
図5に示すように、サイプ24の長さは、踏面側よりも底部側の方が長く形成されており、サイプ24は、少なくともリブ幅方向中央部分がタイヤ径方向に対して傾斜している。
【0081】
ここで、リブの幅方向中心部分でのサイプ24の傾斜角度θ2は、タイヤ径方向に対して5〜20°の範囲内が好ましい。
【0082】
本実施形態では、サイプ24のリブ側面開口部分24Fは、タイヤ径方向と平行(踏面に対して直角)であるが、図6のリブ側面図に示すように、リブ側面開口部分24Fはタイヤ径方向に対して傾斜していても良い。但し、リブ側面開口部分24Fの傾斜角度θ3は、タイヤ径方向に対して20°以内が好ましい。
【0083】
図5に示すように、サイプ24の深さdは、センター側周方向主溝14の溝深さDの60〜80%の範囲内が好ましい。
【0084】
本実施形態では、センター側周方向主溝14の溝深さDと、ショルダー側周方向主溝16の溝深さDとは同一であるが、深さが異なる場合には、サイプ24の深さdは、深い方の溝深さDを基準として設定する。
【0085】
図1及び図2に示すように、ショルダー側周方向主溝16の溝底には、頂部の位置が踏面より低く設定され、かつ接地時に路面とすべり接触するリブ状の偏摩耗犠牲突起26が設けられている。
【0086】
なお、ショルダーリブ22のトレッド端付近には、タイヤ周方向に沿って延びる細溝30が形成されている。
(作用)
本実施形態の空気入りタイヤ10では、トレッド12に設けられたセンター側周方向主溝14、ショルダー側周方向主溝16、センターリブ18に設けたサイプ24、セカンドリブ20に設けたサイプ24、及びショルダーリブ22に設けた細溝30により、高いウエット性能が得られる。
【0087】
センターリブ18、およびセカンドリブ20に凸部分24Bを備えたサイプ24を形成したので、サイプ24で区画された小ブロックの周方向片側の凸部分が、隣接する小ブロックの凹部分に嵌合した形態となる。
【0088】
したがって、横力が入力した場合、小ブロックの凸部分と凹部分とが互いに引っ掛かり合い、さらにサイプ24が閉じて凸部分と凹部分とが互いに密着するので、各小ブロックは一体となり変形が抑えられ、横力に起因する偏摩耗の発生を抑えることができる。
【0089】
サイプ24は、リブ幅方向両側にタイヤ幅方向に対して実質上平行とされたリブ片側端部開口部分24Aを設けているので、サイプ24で区画された小ブロックに、偏摩耗の核となる剛性の低い鋭角部が形成されない。
【0090】
したがって、サイプ24を形成したことによる小ブロック角部からの偏摩耗の発生を抑えることが出来る。
【0091】
サイプ24は、タイヤ周方向に向って凸となる凸部分24Bを備えているので、タイヤ幅方向のエッジ成分が効くウエットブレーキ性能だけでなく、タイヤ周方向のエッジ成分が増加することでウエット旋回性能が向上する。
【0092】
トレッド12が摩耗すると溝ボリュームが減少してウエット性能も低下するが、図7に示すように、トレッド12が摩耗するとサイプ24の長さが長くなる、即ち、サイプ24のエッジ成分が増加するので、ウエット性能の低下を抑えることができる。
【0093】
なお、リブ片側端部開口部分24Aの長さL1がリブ幅Wrの10%未満になると、小ブロックの角部が実質上鋭角になってしまい、偏摩耗を発生する虞がある。
【0094】
一方、リブ片側端部開口部分24Aの長さL1がリブ幅Wrの35%を越えると、相対的に凸部分24Bが少なくなり、横力入力時の引っ掛かりが少なくなって剛性の低下を招き、また、タイヤ幅方向のエッジ成分が不足する。
【0095】
リブ幅方向中心部分でサイプ24の傾斜角度が、タイヤ径方向に対して5°未満になると、踏み込み時、ブロック剛性不足、及び蹴り出し時ブロック剛性過多により、偏摩耗発生の虞がある。
【0096】
一方、リブ幅方向中心部分でサイプ24の傾斜角度が、タイヤ径方向に対して20°を越えると、蹴り出し時ブロック剛性不足により偏摩耗の発生、及びブロック欠け、また製造時タイヤが金型から離れなくなったり金型の破損の虞がある。
【0097】
サイプ24の深さが、センター側周方向主溝14の溝深さDの60%未満になると、摩耗時、周方向エッジ成分の低下により、ウエット旋回性能の低下、及び幅方向エッジ成分の低下によりウエットブレーキ性能の低下を招く。
【0098】
一方、サイプ24の深さが、センター側周方向主溝14の溝深さDの80%を越えると、ブロックの幅方向剛性の低下により、操縦安定性の低下、及びブロック欠けの虞もある。
【0099】
サイプ24の凸部分24Bを円弧形状としたので、先端部分の剛性低下が少なく、偏摩耗核の発生を防ぐことができる。
【0100】
円弧形状とされた凸部分24Bの曲率半径Rがリブ幅Wrの10%未満になると、相対的に凸部分24Bが少なくなり、横力入力時の引っ掛かりが少なくなって剛性の低下を招き、また、タイヤ幅方向のエッジ成分が不足する。
【0101】
一方、円弧形状とされた凸部分24Bの曲率半径Rがリブ幅Wrの50%を越えると、相対的にリブ片側端部開口部分24Aが少なくなってしまい、小ブロックの角部が実質上鋭角になって、偏摩耗を発生する虞がある。
【0102】
サイプ24のリブ側面開口部分24Fの傾斜角度θ3がタイヤ径方向に対して20°を越えると、蹴り出し時、ブロック先端部の剛性不足により、偏摩耗の発明、及びブロック欠けの虞がある。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を図8にしたがって説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0103】
図8に示すように、本実施形態のサイプ24の凸部分24BはV字形状である。
【0104】
ここで、V字形状とされた凸部分24Bの角度θ4は、60〜120°の範囲内に設定することが好ましい。
(作用)
本実施形態では、凸部分24BをV字形状としたので、周方向エッジ成分の確保によりウエット旋回性能が良くなる。
【0105】
なお、凸部分24Bの角度θ4が60°未満になると、V字形状が鋭角になり過ぎ、先端部の剛性が低下し、偏摩耗核の発生、及びブロック欠けの虞がある。
【0106】
一方、凸部分24Bの角度θ4が120°を越えると、ブロック同士の幅方向の引っ掛かりが少なくなり、幅方向剛性が低下し、操縦安定性の低下を招く。また、周方向エッジ成分の低下で、ウエット旋回性能の低下を招く。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態を図9、及び図10にしたがって説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0107】
図9に示すように、本実施形態のサイプ24の凸部分24Bは、実質上タイヤ幅方向に延びる幅方向部分24Dと、幅方向部分24Dとリブ片側端部開口部分24Aを連結するタイヤ周方向に対して傾斜した傾斜部分24Eと、からなる台形形状である。
【0108】
ここで、幅方向部分24Dの長さL2は、リブ幅Wrの30〜70%の範囲内に設定することが好ましい。
【0109】
本実施形態の幅方向部分24Dは、タイヤ幅方向に対する角度が0°であるが、図10に示すように、幅方向部分24Dはタイヤ幅方向に対して傾斜しいても良い。
(作用)
本実施形態では、凸部分24Bを台形形状としたので、凸部ブロック剛性を高く保て、ウエットブレーキ性能が良く、偏摩耗核の発生も防ぐ。
【0110】
なお、幅方向部分24Dの長さL2が、リブ幅Wrの30%未満になると、凸部の剛性が低下し、偏摩耗を発生する虞がある。
【0111】
一方、幅方向部分24Dの長さL2が、リブ幅W2の70%を越えると、リブ片側端部開口部分24Aの剛性が低下し偏摩耗発生の虞がある。
[その他の実施形態]
サイプ24の形状は第1〜3の実施形態に記載した形態に限らず、図11に示すように、新品時に直線形状で、底部に向うにしたがって凸部24Bの高さが徐々に大きくなる形態であっても良く、図12に示すように、新品時と摩耗時とで凸部24Bの突出方向が逆転する形態であっても良い。
【0112】
何れの場合であっても、両端部にタイヤ幅方向に対して実質上平行なリブ片側端部開口部分24Aが有れば、サイプ24の形状は上述したものに限らない。
(試験例)
本発明の効果を確かめるために、従来例に係る空気入りタイヤ、本発明の適用された実施例1〜3の空気入りタイヤを用意し、ウエット旋回試験、及び耐摩耗試験を行った。なお、試験タイヤのサイズは、295/75R22.5である。
【0113】
以下に、試験タイヤを説明する。
【0114】
・実施例1の空気入りタイヤ:前述した第1の実施形態の空気入りタイヤである。各部の寸法、角度、比率等は以下の通りである。
【0115】
リブ片側端部開口部分24Aの長さL1:リブ幅Wrの15%
サイプ24の傾斜角度θ2:8°
サイプ24の深さd:センター側周方向主溝14の溝深さDの70%
リブ片側端部開口部分24Aの角度θ1:0°
リブの幅方向中心部分でのサイプ24の傾斜角度θ2:8°
凸部分24Bの曲率半径R:リブ幅Wrの35%
リブ側面開口部分24Fの傾斜角度θ3:3°
・実施例2の空気入りタイヤ:前述した第2の実施形態の空気入りタイヤである。各部の寸法、角度、比率等は以下の通りである。
【0116】
リブ片側端部開口部分24Aの長さL1:リブ幅Wrの15%
サイプ24の傾斜角度θ2:8°
サイプ24の深さd:センター側周方向主溝14の溝深さDの70%
リブ片側端部開口部分24Aの角度θ1:0°
リブの幅方向中心部分でのサイプ24の傾斜角度θ2:8°
V字形状の角度θ4:99°
リブ側面開口部分24Fの傾斜角度θ3:3°
・実施例3の空気入りタイヤ:前述した第3の実施形態の空気入りタイヤである。各部の寸法、角度、比率等は以下の通りである。
【0117】
リブ片側端部開口部分24Aの長さL1:リブ幅Wrの15%
サイプ24の傾斜角度θ2:8°
サイプ24の深さd:センター側周方向主溝14の溝深さDの70%
リブ片側端部開口部分24Aの角度θ1:0°
リブの幅方向中心部分でのサイプ24の傾斜角度θ2:8°
幅方向部分24Dの長さL2:リブ幅Wrの35%
リブ側面開口部分24Fの傾斜角度θ3:3°
幅方向部分24Dの角度θ5:0°
・従来例の空気入りタイヤ:図13に示す空気入りタイヤ100である。なお、図13に示す空気入りタイヤ100において、実施形態と同一構成には同一符号を付している。
【0118】
各リブに形成されているサイプ102は、タイヤ幅方向と平行な直線形状であり、タイヤ径方向に対して平行に形成されている。なお、サイプ102の深さはセンター側周方向主溝14の溝深さの70%に設定されている。
【0119】
以下に試験方法を説明する。
【0120】
ウエット旋回試験:試験タイヤを実車に装着し、水深5mmの湿潤路面において、半径100mの円周を20回旋回した時の、各タイヤの平均タイムを測定した。評価は、従来例の新品時の平均タイムを100とする指数で表しており、数値が小さいほどウエット旋回性能に優れていることを表している。
【0121】
耐摩耗試験:試験タイヤをステア軸に装着し、アメリカ合衆国の道路を10万km走行させ(平均時速100km/h)、走行後のトレッドの摩耗量を測定した。評価は、従来例の摩耗量を100とする指数で表しており、数値が小さいほど耐摩耗性に優れていることを表している。
【0122】
耐偏摩耗試験:リム(9.00×22.5)に装着し、タイヤ内圧690kPa、負荷荷重2527kgの条件下でアスファルト路上で10万km走行させる耐久性試験を行い、その後、トレッド部の摩耗状況を目視にて観察し、偏摩耗について評価した。評価は、従来例を100とする指数表示であり、数値が小さいほど性能が良いことを表している。
【0123】
【表1】
試験の結果から、本発明の適用された実施例1〜3の空気入りタイヤは、従来例に比較してウエット旋回性能、耐摩耗性、及び耐偏摩耗性に優れていることが分かる。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の空気入りタイヤは上記の構成としたので、耐摩耗性とウエット性能を両立しつつ、偏摩耗を抑制することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドの平面図である。
【図2】トレッドの回転軸に沿った断面図である。
【図3】サイプの拡大平面図である。
【図4】(A)はリブ片側端部開口部分の傾斜したサイプの拡大図であり、(B)はリブ片側端部開口部分と凸部分との境界を説明するサイプの拡大図である。
【図5】センターリブの斜視図である。
【図6】リブ側面開口部分の傾斜したサイプの側面図である。
【図7】(A)は新品時のリブの平面図であり、(B)は80%摩耗時のリブの平面図である。
【図8】第2の実施形態に係る空気入りタイヤのセンターリブの斜視図である。
【図9】第3の実施形態に係る空気入りタイヤのセンターリブの斜視図である。
【図10】幅方向部分の傾斜したサイプの拡大断面図である。
【図11】(A)は他の実施形態に係る空気入りタイヤのセンターリブの斜視図であり、(B)は(A)に示すセンターリブの側面図である。
【図12】(A)は更に他の実施形態に係る空気入りタイヤのセンターリブの斜視図であり、(B)は(A)に示すセンターリブの側面図である。
【図13】従来例に係る空気入りタイヤのトレッドの平面図である。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤ
12 トレッド
14 センター側周方向主溝
16 ショルダー側周方向主溝
18 センターリブ
20 セカンドリブ
22 ショルダーリブ
24 サイプ
24A リブ片側端部開口部分
24B 凸部分
24D 幅方向部分
24E 傾斜部分
24F 開口部分
26 偏摩耗犠牲突起
Claims (14)
- 少なくとも1本の周方向主溝で区画された周方向に沿って延びるリブをトレッドに備え、前記リブに前記リブを横断するサイプを複数形成した空気入りタイヤであって、
前記サイプは、リブ幅方向両側に設けられタイヤ幅方向に対して実質上平行とされ端部開口部分と、リブ幅方向中央付近に設けられ、タイヤ周方向に向って凸となる凸部分と、を備え、
前記サイプは、踏面側よりも底部側の方が長く形成されている、ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記端部開口部分の長さは、前記リブの幅の20〜70%の範囲内である、ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記端部開口部分は、タイヤ幅方向に対して略平行である、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイプは、少なくとも前記リブの幅方向中心部分がタイヤ径方向に対して傾斜しており、
前記リブの幅方向中心部分で前記サイプの傾斜角度は、タイヤ径方向に対して5〜20°に設定されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記サイプの深さは、前記周方向主溝の溝深さの60〜80%の範囲内に設定されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイプは、タイヤ周方向に等間隔で配置されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイプの凸部分は曲率を有する円弧形状である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 円弧形状とされた前記凸部分の曲率半径が、前記リブの幅の10〜50%の範囲内に設定されている、ことを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイプの凸部分はV字形状である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記V字形状の角度が60〜120°の範囲内に設定されている、ことを特徴とする請求項9に記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイプの凸部分は、実質上タイヤ幅方向に延びる幅方向部分と、前記幅方向部分と前記端部開口部分とを連結する傾斜部分とからなる台形形状である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記幅方向部分の長さが、前記リブの幅の30〜70%の範囲内に設定されている、ことを特徴とする請求項11に記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイプは、少なくとも前記リブの側面に開口した開口部分がタイヤ径方向に対して傾斜しており、前記開口部分の傾斜角度は、タイヤ径方向に対して20°以内に設定されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ幅方向最外側の前記周方向主溝の底部には、頂部の位置が踏面よりも低く設定され、かつ接地時に前記頂部が路面と接触する偏摩耗犠牲突起が設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
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