JP2004211069A - 熱可塑性エラストマ樹脂組成物および成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ペレット間のブロッキングがなく、柔軟で、融点および機械的強度が高く、溶融時の流動性に優れ成形性が良好で、表層剥離やブリードアウトがなくて表面外観が美しい成形品を与える熱可塑性エラストマ樹脂組成物および成形体の提供。
【解決手段】 ポリエステルブロック共重合体に、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマと、エポキシ変性共重合体、酸変性共重合体、ポリエステル−芳香族ビニル共重合体ブロックコポリマから選ばれる少なくとも1種を配合。
【選択図】なし
【解決手段】 ポリエステルブロック共重合体に、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマと、エポキシ変性共重合体、酸変性共重合体、ポリエステル−芳香族ビニル共重合体ブロックコポリマから選ばれる少なくとも1種を配合。
【選択図】なし
Description
本発明は、ペレット間のブロッキングがなく、柔軟で圧縮永久歪みが小さく反発弾性率が高くてゴム的性質に優れ、破断強さや破断伸度などの機械的物性が高く、射出成形や押出成形などの成形性が良好で、表層剥離やブリードアウトがなく、表面外観が美しい成形体を与える熱可塑性エラストマ樹脂組成物、およびそれを使用した成形体に関するものである。
ポリブチレンテレフタレート単位のような結晶性芳香族ポリエステル単位をハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールのような脂肪族ポリエーテル単位および/またはポリラクトンのような脂肪族ポリエステル単位をソフトセグメントとするポリエステルブロック共重合体は、破断強伸度、耐衝撃性、弾性回復性、柔軟性などの機械的性質や、低温・高温特性、耐油・耐薬品性などに優れ、さらに熱可塑性で成形加工が容易であることから、自動車部品および電気・電子部品、繊維、フィルムなどに用途を拡大している。このように優れた物性を有するポリエステルブロック共重合体であるが、さらに柔軟なものを得るためにソフトセグメントの共重合量を増やしていくと、固化速度が遅くなることや金型からの離型性が悪くなるこにとより、成形加工性や生産性が大きく低下する。また、融点が低下するとともに圧縮永久歪みが大きくなり、耐熱性や耐油性も低下することから、実質的にポリエステルブロック共重合体単体で、表面硬度80ショアA以下の柔軟性と、優れた成形加工性、そして優れたゴム的性質や耐熱性および耐油性を達成することは困難であった。さらに、このようにソフトセグメントの共重合量を増やしていくと、成形性とともに硬質樹脂との接着性も低下するため、複合成形用途への適用も難しい状況にある。
そこで、柔軟性や硬質樹脂との接着性を改良する試みとして、水添SBSブロックコポリマーなどの熱可塑性弾性体とポリエステル系熱可塑性エラストマからなる組成物(例えば、特許文献1参照)およびスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加誘導体とゴム用軟化剤とポリエステル系エラストマとからなる組成物(例えば、特許文献2参照)が知られている。
一方、ポリエステルブロック共重合体に可塑剤を配合した樹脂組成物(例えば、特許文献3参照)についても知られており、ポリエステルブロック共重合体に変性された水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体と可塑剤を配合した樹脂組成物およびポリエステルブロック共重合体に水添スチレン−イソプレンブロック共重合体と可塑剤を配合した樹脂組成物(例えば、特許文献4参照)についてもすでに提案されている。
これらの方法により、確かに従来のポリエステルブロック共重合体に比べて柔軟な樹脂組成物を得ることができるが、これらの技術をもってしても柔軟化できる範囲に限界があり、より柔軟なものを得ようとすると、ペレット間のブロッキングが大きくて扱いにくいうえ、機械的性質や成形性を始め、圧縮永久歪みや反発弾性率のようなゴム的性質が大きく低下したり、激しいブリードアウトが起きて成形品表面外観が著しく低下したり、表層剥離が生じて成形品表面が剥がれてくるため、実際の製品として使用することができない現状にあった。また、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂(以下、PBT樹脂と呼ぶ)、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート/イソフタレート樹脂(以下、PCTA樹脂と呼ぶ)、およびポリプロピレン樹脂のような硬質樹脂と接着させた場合、その接着力が充分に高いとはいえないという問題点もあった。
さらに、ポリエステルエラストマーにエポキシ変性ポリマーを配合したエラストマー組成物(例えば、特許文献5参照)が知られており、この組成物は柔軟で耐加水分解性の向上したものであるが、圧縮永久歪みが大きく反発弾性率が低くてゴム的性質が十分に高いとはいえないものであった。さらにまた、ポリエステルエラストマと分子内にエポキシ基またはその誘導体基を有する変性オレフィン樹脂とオレフィン系および/またはスチレン系熱可塑性エラストマとからなる組成物(例えば、特許文献6参照)も知られており、この組成物は柔軟で、表層剥離もある程度解消されたものであるが、圧縮永久歪みが大きく反発弾性率が低くてゴム的性質が十分に高いとはいえない現状にあった。
特開平3−100045号公報
特開平1−193352号公報
特開平2−43251号公報
特開平8−277359号公報
特開平10−245475号公報
特開2001−279067号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、ペレット間のブロッキングがなく、柔軟で圧縮永久歪みが小さく反発弾性率が高くてゴム的性質に優れ、破断強度や破断伸度などの機械的特性や、射出成形や押出成形などの成形性が良好で、表層剥離やブリードアウトがなくて、表面外観が美しい成形体を与えるばかりか、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、PBT樹脂、PCTA樹脂、およびポリプロピレン樹脂などの硬質樹脂との接着性が十分に高い熱可塑性エラストマ樹脂組成物、およびそれを使用した成形体を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、ポリエステルブロック共重合体に、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマと、エポキシ変性共重合体、酸変性共重合体、およびポリエステル−芳香族ビニル共重合体ブロックコポリマから選ばれる少なくとも1種とを配合した熱可塑性エラストマ樹脂組成物により、上記の目的が効果的に達成されるとを見出し、本発明に到達した。
すなわち、上記の目的を達成するために、本発明によれば、
主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a1)と、主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント(a2)とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)10〜95重量%と、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)90〜5重量%との合計量100重量部に対し、エポキシ変性共重合体(C)、酸変性共重合体(D)、およびポリエステル−芳香族ビニル共重合体ブロックコポリマ(E)から選ばれる少なくとも1種を0.1〜40重量部配合してなる熱可塑性エラストマ樹脂組成物が提供され、この熱可塑性エラストマ樹脂組成物においては、前記(A)および(B)の合計量100重量部に対し、さらに可塑剤(F)1〜100重量部および/またはゴム用軟化剤(G)1〜100重量部を配合することが好ましい態様である。
主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a1)と、主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント(a2)とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)10〜95重量%と、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)90〜5重量%との合計量100重量部に対し、エポキシ変性共重合体(C)、酸変性共重合体(D)、およびポリエステル−芳香族ビニル共重合体ブロックコポリマ(E)から選ばれる少なくとも1種を0.1〜40重量部配合してなる熱可塑性エラストマ樹脂組成物が提供され、この熱可塑性エラストマ樹脂組成物においては、前記(A)および(B)の合計量100重量部に対し、さらに可塑剤(F)1〜100重量部および/またはゴム用軟化剤(G)1〜100重量部を配合することが好ましい態様である。
また、上記の目的を達成するために、本発明によれば、
主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a1)と、主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント(a2)とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)5〜95重量%と、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)95〜5重量%との合計量100重量部に対し、エポキシ変性共重合体(C)、酸変性共重合体(D)、およびポリエステル−芳香族ビニル共重合体ブロックコポリマ(E)から選ばれる少なくとも1種0.1〜40重量部と、脂肪酸アミド化合物(H)0.01〜5重量部とを配合してなる熱可塑性エラストマ樹脂組成物が提供され、この熱可塑性エラストマ樹脂組成物においては、前記(A)および(B)の合計量100重量部に対し、さらに可塑剤(F)1〜100重量部および/またはゴム用軟化剤(G)1〜100重量部を配合することが好ましい態様である。
主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a1)と、主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント(a2)とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)5〜95重量%と、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)95〜5重量%との合計量100重量部に対し、エポキシ変性共重合体(C)、酸変性共重合体(D)、およびポリエステル−芳香族ビニル共重合体ブロックコポリマ(E)から選ばれる少なくとも1種0.1〜40重量部と、脂肪酸アミド化合物(H)0.01〜5重量部とを配合してなる熱可塑性エラストマ樹脂組成物が提供され、この熱可塑性エラストマ樹脂組成物においては、前記(A)および(B)の合計量100重量部に対し、さらに可塑剤(F)1〜100重量部および/またはゴム用軟化剤(G)1〜100重量部を配合することが好ましい態様である。
なお、本発明の熱可塑性エラストマ樹脂組成物においては、
前記ポリエステルブロック共重合体(A)の高融点結晶性重合体セグメント(a1)が、ポリブチレンテレフタレート単位、またはポリブチレンテレフタレート単位とポリブチレンイソフタレート単位からなること、
前記ポリエステルブロック共重合体(A)の低融点重合体セグメント(a2)が、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、およびエチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコールから選ばれた1種以上であり、その共重合量が40〜80重量%であること、
前記スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)が、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマの一部を動的架橋したものであって、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマからなる熱可塑性マトリックス中に、架橋構造を有するスチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散させた構造を有するものであること、
前記スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)が、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマの一部を動的架橋したものであって、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマからなる熱可塑性マトリックス中に、架橋構造を有するスチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散させた構造を有するもので、動的架橋に際し、前記熱可塑性マトリックスおよび前記分散相を、グリシジル基、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アミノ基を有する官能性モノマーもしくはそれらの誘導体でグラフト変性したものであること、
前記スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)が、動的架橋によりポリプロピレンからなる熱可塑性マトリックス中に、架橋構造を有するスチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散させた構造を有するものであること、
前記スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)が、動的架橋によりポリプロピレンからなる熱可塑性マトリックス中に、架橋構造を有するスチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散させた構造を有するもので、動的架橋に際し、前記熱可塑性マトリックスおよび前記分散相を、グリシジル基、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アミノ基を有する官能性モノマーもしくはそれらの誘導体でグラフト変性したものであること、
前記エポキシ変性共重合体(C)が、芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体のエポキシ変性物および/またはその水素添加物(C1)、エチレン系重合体のエポキシ変性物(C2)、およびオレフィン系重合体主鎖とビニル系重合体側鎖からなるグラフト重合体のエポキシ変性物(C3)の中から選ばれる1種以上であること、
前記酸変性共重合体(D)が、芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体の酸変性物および/または芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロック共重合体またはランダム共重合体の酸変性物および/またはその水素添加物(D1)、エチレン共重合体の酸変性物(D2)、およびオレフィン系重合体主鎖とビニル系重合体側鎖からなるグラフト重合体の酸変性物(D3)の3種の中から選ばれた1種以上であること、
前記ポリエステル−芳香族ビニル共重合体(E)が、ポリエステルからなるブロック(e1)と、芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体および/またはそれらの水素添加物から形成されるブロック(e2)とからなるポリエステル−芳香族ビニル系共重合体ブロックコポリマであること、
前記可塑剤(F)が、ベンゾエート系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、およびピロメリット酸エステル系可塑剤から選ばれる1種以上の化合物であること、
前記ゴム用軟化剤(G)が、パラフィン系オイルおよび/またはナフテン系オイルであること、
前記脂肪酸アミド化合物(H)が、アルキレンビス高級脂肪酸アミド化合物、および高級脂肪族モノカルボン酸と多塩基酸の混合物とジアミンとの反応によって得られるカルボン酸アマイド系ワックスから選ばれた1種以上の化合物であること、
が、いずれも好ましい条件であり、これらの条件を適用することにより、一層優れた効果の取得を期待することができる。
前記ポリエステルブロック共重合体(A)の高融点結晶性重合体セグメント(a1)が、ポリブチレンテレフタレート単位、またはポリブチレンテレフタレート単位とポリブチレンイソフタレート単位からなること、
前記ポリエステルブロック共重合体(A)の低融点重合体セグメント(a2)が、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、およびエチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコールから選ばれた1種以上であり、その共重合量が40〜80重量%であること、
前記スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)が、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマの一部を動的架橋したものであって、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマからなる熱可塑性マトリックス中に、架橋構造を有するスチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散させた構造を有するものであること、
前記スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)が、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマの一部を動的架橋したものであって、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマからなる熱可塑性マトリックス中に、架橋構造を有するスチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散させた構造を有するもので、動的架橋に際し、前記熱可塑性マトリックスおよび前記分散相を、グリシジル基、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アミノ基を有する官能性モノマーもしくはそれらの誘導体でグラフト変性したものであること、
前記スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)が、動的架橋によりポリプロピレンからなる熱可塑性マトリックス中に、架橋構造を有するスチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散させた構造を有するものであること、
前記スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)が、動的架橋によりポリプロピレンからなる熱可塑性マトリックス中に、架橋構造を有するスチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散させた構造を有するもので、動的架橋に際し、前記熱可塑性マトリックスおよび前記分散相を、グリシジル基、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アミノ基を有する官能性モノマーもしくはそれらの誘導体でグラフト変性したものであること、
前記エポキシ変性共重合体(C)が、芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体のエポキシ変性物および/またはその水素添加物(C1)、エチレン系重合体のエポキシ変性物(C2)、およびオレフィン系重合体主鎖とビニル系重合体側鎖からなるグラフト重合体のエポキシ変性物(C3)の中から選ばれる1種以上であること、
前記酸変性共重合体(D)が、芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体の酸変性物および/または芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロック共重合体またはランダム共重合体の酸変性物および/またはその水素添加物(D1)、エチレン共重合体の酸変性物(D2)、およびオレフィン系重合体主鎖とビニル系重合体側鎖からなるグラフト重合体の酸変性物(D3)の3種の中から選ばれた1種以上であること、
前記ポリエステル−芳香族ビニル共重合体(E)が、ポリエステルからなるブロック(e1)と、芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体および/またはそれらの水素添加物から形成されるブロック(e2)とからなるポリエステル−芳香族ビニル系共重合体ブロックコポリマであること、
前記可塑剤(F)が、ベンゾエート系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、およびピロメリット酸エステル系可塑剤から選ばれる1種以上の化合物であること、
前記ゴム用軟化剤(G)が、パラフィン系オイルおよび/またはナフテン系オイルであること、
前記脂肪酸アミド化合物(H)が、アルキレンビス高級脂肪酸アミド化合物、および高級脂肪族モノカルボン酸と多塩基酸の混合物とジアミンとの反応によって得られるカルボン酸アマイド系ワックスから選ばれた1種以上の化合物であること、
が、いずれも好ましい条件であり、これらの条件を適用することにより、一層優れた効果の取得を期待することができる。
また、本発明の成形体は、上記の熱可塑性エラストマ樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とし、
複合成形体であること、
硬質樹脂と上記熱可塑性エラストマ樹脂組成物とからなる複合成形体であること、および
ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、PBT樹脂、PCTA樹脂、およびポリプロピレン樹脂から選ばれた硬質樹脂の1種以上と上記熱可塑性エラストマ樹脂組成物とからなる複合成形体であること、
が、いずれも好ましい条件として挙げられる。
複合成形体であること、
硬質樹脂と上記熱可塑性エラストマ樹脂組成物とからなる複合成形体であること、および
ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、PBT樹脂、PCTA樹脂、およびポリプロピレン樹脂から選ばれた硬質樹脂の1種以上と上記熱可塑性エラストマ樹脂組成物とからなる複合成形体であること、
が、いずれも好ましい条件として挙げられる。
本発明によれば、以下に説明するとおり、ペレット間のブロッキングがなく、柔軟で、融点が高く耐熱性に優れ、機械的性質も良好であるばかりか、溶融時の流動性に優れ射出成形などの成形性が良好で、表層剥離やブリードアウトのない美しい外観を有する成形品を与えることができる熱可塑性エラストマ樹脂組成物が得られる。しかも、本発明の熱可塑性エラストマ樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂をはじめとする硬質樹脂との接着力が高く、手に馴染みがよく、触感に優れた複合成形体を与える。
以下、本発明について詳述する。
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)の高融点結晶性重合体セグメント(a1)は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから形成されるポリエステルであり、好ましくはテレフタル酸および/またはジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールとから誘導されるポリブチレンテレフタレートであるが、この他に、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、あるいはこれらのエステル形成性誘導体などのジカルボン酸成分と、分子量300以下のジオール、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−p−タ−フェニル、4,4’−ジヒドロキシ−p−クオ−タ−フェニルなどの芳香族ジオールなどとから誘導されるポリエステル、あるいはこれらのジカルボン酸成分およびジオール成分を2種以上併用した共重合ポリエステルであっても良い。また、3官能以上の多官能カルボン酸成分、多官能オキシ酸成分および多官能ヒドロキシ成分などを5モル%以下の範囲で共重合することも可能である。
これらのジカルボン酸およびその誘導体またはジオール成分を2種以上併用してもよい。そして好ましい高融点結晶性重合体セグメント(a)の例は、テレフタル酸および/またはジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールとから誘導されるポリブチレンテレフタレート単位である。また、テレフタル酸および/またはジメチルテレフタレーと1,4−ブタンジオールトとから誘導されるポリブチレンテレフタレート単位と、イソフタル酸および/またはジメチルイソフタレートと1,4−ブタンジオールとから誘導されるポリブチレンイソフタレート単位からなるものも好ましく用いられる。
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)の低融点重合体セグメント(a2)は、脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルである。脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコールなどが挙げられる。また、脂肪族ポリエステルとしては、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルのなかで得られるポリエステルブロック共重合体の弾性特性から、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコール、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリブチレンアジペート、およびポリエチレンアジペートなどの使用が好ましく、これらの中でも特にポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、およびエチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコールの使用が好ましい。また、これらの低融点重合体セグメントの数平均分子量としては共重合された状態において300〜6000程度であることが好ましい。
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)における低融点重合体セグメント(a2)の共重合量は、好ましくは15〜90重量%、さらに好ましくは40〜85重量%である。
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)は、公知の方法で製造することができる。例えば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分子量グリコール、および低融点重合体セグメント成分を触媒の存在下エステル交換反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法、ジカルボン酸と過剰量のグリコールおよび低融点重合体セグメント成分を触媒の存在下エステル化反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法、あらかじめ高融点結晶性セグメントを作っておき、これに低融点セグメント成分を添加してエステル交換反応によりランダム化せしめる方法、高融点結晶性セグメントと低融点重合体セグメントを鎖連結剤でつなぐ方法などが挙げられ、さらに、ポリ(ε−カプロラクトン)を低融点重合体セグメントに用いる場合は、高融点結晶性セグメントにε−カプロラクトンモノマを付加反応させるなどのいずれの方法をとってもよい。
本発明に用いられるスチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)は、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマの一部を動的架橋したものであって、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマからなる熱可塑性マトリックス中に、架橋構造を有するスチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散させた構造を有するものや、この動的架橋に際し、前記熱可塑性マトリックスおよび前記分散相を、グリシジル基、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アミノ基を有する官能性モノマーもしくはそれらの誘導体でグラフト変性したもの、あるいは、前記スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)が、動的架橋によりポリプロピレンからなる熱可塑性マトリックス中に、架橋構造を有するスチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散させた構造を有するものや、この動的架橋に際し、前記熱可塑性マトリックスおよび前記分散相を、グリシジル基、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アミノ基を有する官能性モノマーもしくはそれらの誘導体でグラフト変性したものであり、パラフィン系オイルのようなゴム用軟化剤や、炭酸マグネシウムやタルクのような充填剤を含有していてもよく、例えば、雑誌「プラスチックス」,Vol.53,No.3,P20〜P30(2002年刊)に記載されているリケンテクノス株式会社から商品名”アクティマー”CMとして販売されているものや、雑誌「合成樹脂」,Vol.44,No.1.P11〜P12(1998年刊)に記載されている理研ビニル工業株式会社から商品名”アクティマー”#1000として販売されていたものも使用することができる。
本発明においては、ポリエステルブロック共重合体(A)10〜95重量%に対し、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)を90〜5重量%、好ましくは85〜7重量%、さらに好ましくは80〜10重量%配合する。ポリエステルブロック共重合体(A)の配合量が上記の範囲未満では、樹脂組成物の耐熱性、耐薬品性、成形性などが不十分となるため好ましくない。また、ポリエステルブロック共重合体(A)の配合量が上記の範囲を越えると、樹脂組成物の柔軟性が不十分となるため好ましくない。
本発明に用いられるエポキシ変性共重合体(C)の1種である芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体のエポキシ変性物および/または芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体の水素添加物のエポキシ変性物(C1)は、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、α−エチルスチレン、p−エチルスチレン、α−クロロスチレン、1,3−ジクロルスチレンなどの芳香族ビニル系単量体と、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどの共役ジエン単量体と、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジルなどのα,β−不飽和酸のグリシジルエステル化合物とを共重合したものである。また、共役ジエン単量体から形成されたジエンの部分が水素添加されたものでもよい。さらに、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、α−エチルスチレン、p−エチルスチレン、α−クロロスチレン、1,3−ジクロルスチレンなどの芳香族ビニル系単量体と、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどの共役ジエン単量体との共重合体および/またはその水素添加物のジエン成分に含まれる不飽和二重結合部分にエポキシ化剤を反応させてエポキシ化したものも好ましい。
本発明に用いられるエポキシ変性共重合体(C)の1種であるエチレン系重合体のエポキシ変性物(C2)は、エチレンまたは、エチレンとプロピレン、ブテン−1のようなα−オレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルとの共重合体に、さらにアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジルなどのα,β−不飽和酸のグリシジルエステルを共重合したものであり、中でもメタクリル酸グリシジルを共重合したものが好ましい。
本発明に用いられるエポキシ変性共重合体(C)の1種であるオレフィン系重合体主鎖とビニル系重合体側鎖からなるグラフト重合体のエポキシ変性物(C3)は、エチレンまたはプロピレン単独と、あるいはエチレンと、プロピレン、ブテン−1のようなα−オレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの組み合わせに、さらにアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジルなどのα,β−不飽和酸のグリシジルエステルを共重合したオレフィン系重合体を主鎖とし、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、α−エチルスチレン、p−エチルスチレン、α−クロロスチレン、1,3−ジクロルスチレンなどの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体などから形成されるビニル系重合体を側鎖とするグラフト重合体である。中でも主鎖にメタクリル酸グリシジルを共重合したものが好ましい。
本発明に用いられる酸変性共重合体(D)の1種である芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体の酸変性物および/または芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体の酸変性物および/または水素添加物(D1)とは、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、α−エチルスチレン、p−エチルスチレン、α−クロロスチレン、1,3−ジクロルスチレンなどの芳香族ビニル系単量体と、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどの共役ジエンとから得られるブロックまたはランダム共重合体および/またはその水素添加物を、カルボキシル基含有不飽和化合物または酸無水物含有不飽和化合物などによって変性したものである。カルボキシル基含有不飽和化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、マレイン酸などが挙げられる。酸無水物含有不飽和化合物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、クロロ無水マレイン酸、無水シトラコン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。これらの中でも、スチレンと1,3−ブタジエンあるいはイソプレンから得られるブロック共重合体および/またはその水素添加物を無水マレイン酸で変性したものが好ましい。
本発明に用いられる酸変性共重合体(D)の1種であるエチレン共重合体の酸変性物(D2)とは、エチレンまたは、エチレンと、プロピレン、ブテン−1のようなα−オレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルとの共重合体に、無水マレイン酸、無水ナジック酸、無水イタコン酸、無水テトラヒドロフタル酸などを共重合したもので、中でも無水マレイン酸が好ましく用いられる。
本発明に用いられる酸変性共重合体(D)の1種であるオレフィン系重合体主鎖とビニル系重合体側鎖からなるグラフト重合体の酸変性物(D3)とは、エチレンまたはプロピレン単独と、あるいはエチレンと、プロピレン、ブテン−1のようなα−オレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの組み合わせに、さらに無水マレイン酸、無水ナジック酸、無水イタコン酸、無水テトラヒドロフタル酸などを共重合したオレフィン系重合体を主鎖とし、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、α−エチルスチレン、p−エチルスチレン、α−クロロスチレン、1,3−ジクロルスチレンなどの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体などから形成されるビニル系重合体を側鎖とするグラフト重合体である。中でも主鎖に無水マレイン酸を共重合したものが好ましい。
本発明に用いられるポリエステル−芳香族ビニル系共重合体ブロックコポリマ(E)は、ポリエステルからなるブロック(e1)と、芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体および/またはそれらの水素添加物から形成されるブロック(e2)とを共重合してブロックコポリマとしたものであり、中でもポリブチレンテレフタレートからなるブロックと、スチレン−ブタジエンブロック共重合体またはスチレン−イソプレンブロック共重合体および/またはそれらの水素添加物とからなるブロックを化学的に結合してなるブロックコポリマが好ましい。ブロックコポリマの種類としては、ポリエステルからなるブロック(e1)1個と、芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体および/またはそれらの水素添加物から形成されるブロック(e2)1個とが結合しているジブロックコポリマ、ポリエステルからなるブロック(e1)を挟んでその両側にそれぞれ芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体および/またはそれらの水素添加物から形成されるブロック(e2)1個ずつが結合しているトリブロック共重合体、芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体および/またはそれらの水素添加物から形成されるブロック(e2)を挟んでその両側にポリエステルからなるブロック(e1)1個ずつが結合しているトリブロック共重合体、ポリエステルからなるブロック(e1)と、芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体および/またはそれらの水素添加物から形成されるブロック(e2)が交互に合計で4個またはそれ以上の個数で結合しているマルチブロック共重合体などを挙げることができる。
本発明においては、さらに可塑剤(F)を配合することにより、熱可塑性エラストマ樹脂組成物を柔軟にするとともに、相溶性と溶融流動性を向上し、表層剥離の発生を、なお一層抑制することができる。本発明に用いられる可塑剤(F)としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジイソノニルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリス−ジクロロプロピルホスフェートなどのリン酸エステル系可塑剤、トリメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸イソノニルエステル、トリメリット酸イソデシルエステルなどのトリメリット酸エステル系可塑剤、ジペンタエリスリトールエステル類、ジオクチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジオクチルセバケート、メチルアセチルリシノレートなどの脂肪酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸オクチルエステルなどのピロメリット酸エステル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステルなどのエポキシ化可塑剤、アジピン酸エーテルエステル、ポリエーテルエステル、ポリエーテル等のポリエーテル系可塑剤、およびジエチレングリコールジベンゾエート、ポリプロピレングリコールジベンゾエート、トリプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールジベンゾエート、ジブチレングリコールジベンゾエート、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、グリセリルトリベンゾエート、ペンタエリスリトールテトラベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ポリエチレングリコールジベンゾエート、トリメチロールエタントリベンゾエートなどのベンゾエート系可塑剤などを挙げることができ、これらの中でもベンゾエート系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、およびピロメリット酸エステル系可塑剤から選ばれた1種以上の化合物であることが好ましい。
本発明に可塑剤(F)を用いる場合は、ポリエステルブロック共重合体(A)と、スチレン系エラストマを動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)との合計100重量部に対して1〜100重量部、好ましくは3〜50重量部を配合する。
本発明においては、さらにゴム用軟化剤(G)を配合することにより、熱可塑性エラストマ樹脂組成物を柔軟にするとともに、相溶性と溶融流動性を向上し、表層剥離の発生を、なお一層抑制することができる。本発明で用いられるゴム用軟化剤(G)としては、ナフテン系オイルやパラフィン系オイルなどの鉱物油系軟化剤、ポリブテンや低分子量ポリブタジエンなどの合成樹脂系軟化剤が挙げられるが、これらの中でもパラフィン系オイルおよび/またはナフテン系オイルが好ましく用いられる。
本発明においてゴム用軟化剤(G)を用いる場合は、ポリエステルブロック共重合体(A)とスチレン系エラストマを動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)との合計100重量部に対して1〜100重量部、好ましくは3〜50重量部を配合する。
本発明においては、さらに脂肪酸アミド化合物(H)を配合することにより、ペレット間のブロッキングと表層剥離をなお一層改良することができる。本発明に用いられる脂肪酸アミド化合物(H)は、脂肪酸とアミン化合物の反応によって得られる化合物で、アルキレンビス高級脂肪酸アミド化合物、高級脂肪族モノカルボン酸と多塩基酸の混合物とジアミンとの反応によって得られるカルボン酸アマイド系ワックスから選ばれた1種以上の化合物などを挙げることができる。アルキレンビス高級脂肪酸アミド化合物としては、オレイルオレイン酸アミド、ステアリルオレイン酸アミド、オレイルステアリン酸アミドなどのモノアミド化合物、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスオレイン酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスカプリン酸アミド、メチレンビスミリスチン酸アミド、メチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスミリスチン酸アミド、エチレンビスパルミチン酸アミドなどのアルキレン対称ビス高級脂肪酸アミド、メチレンステアリルオレイルビスアミド、メチレンステアリルラウリルビスアミド、メチレンパルミトレイルオレイルビスアミド、エチレンステアリルオレイルビスアミド、エチレンステアリルラウリルビスアミド、およびエチレンパルミトレイルオレイルビスアミドなどを具体的に挙げることができる。また、アルキレン対称ビス高級脂肪酸アミドとアルキレン非対称ビス高級脂肪酸アミド化合物との混合物でもかまわない。高級脂肪族モノカルボン酸と多塩基酸の混合物とジアミンとの反応によって得られるカルボン酸アマイド系ワックスは、高級脂肪族モノカルボン酸と多塩基酸の混合物とジアミンとの脱水反応によって得られる。高級脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数16以上の飽和脂肪族モノカルボン酸ヒドロキシカルボン酸が好ましく、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。多塩基酸としては、二塩基酸以上のカルボン酸で、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ピメリン酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸および、フタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸およびシクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキシルコハク酸などの脂環式ジおよびカルボン酸などが挙げられる。ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1、3−ジアミノプロパン、1、4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、フェニレンジアミン、およびイソホロンジアミンなどが挙げられる。
本発明において、これらの脂肪酸アミド化合物(H)を用いる場合は、ポリエステルブロック共重合体(A)と水素添加されたスチレン系ブロック共重合体(B)との合計100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部を配合する。
本発明の熱可塑性エラストマ樹脂組成物の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステルブロック共重合体(A)、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)、さらにエポキシ変性共重合体(C)、酸変性共重合体(D)およびポリエステル−芳香族ビニル系共重合体ブロックコポリマ(E)から選ばれる少なくとも1種以上を、他の添加剤と一緒に配合した原料をスクリュー型押出機に供給し溶融混練する方法、スクリュー型押出機にポリエステルブロック共重合体(A)を供給して溶融し、さらに他の供給口からスチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)、さらにエポキシ変性共重合体(C)、酸変性共重合体(D)およびポリエステル−芳香族ビニル系共重合体ブロックコポリマ(E)から選ばれる少なくとも1種以上を、他の添加剤と共に供給混練する方法、およびスクリュー型押出機にポリエステルブロック共重合体(A)、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)、エポキシ変性共重合体(E)、酸変性共重合体(F)およびポリエステル−芳香族ビニル系共重合体ブロックコポリマ(G)から選ばれる少なくとも1種以上を供給して溶融し、さらに他の供給口からその他の添加剤を供給混練する方法などが挙げられる。
また、本発明の熱可塑性エラストマ樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、種々の添加剤を添加することができる。例えば公知のヒンダードフェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系、芳香族アミン系などの酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系などの耐光剤、顔料、染料などの着色剤、帯電防止剤、導電剤、難燃剤、および補強剤などを任意に含有せしめることができる。
本発明の熱可塑性エラストマ樹脂組成物は、射出成形や押出成形などにより成形され、柔軟かつ圧縮永久歪みなどのゴム弾性に優れ、破断強度や破断伸度などの機械的特性が高く、しかもブリードアウトや表層剥離がなくて表面外観の美しい成形品を与える。したがって、本発明の熱可塑性エラストマ樹脂組成物から得られる成形品は、自動車、電子・電気機器、精密機器、一般消費財用途の各種成形品等に有用である。さらに、グリップ、チューブ、パッキン、ガスケット、フード、カバー、ダンパー、クッション体、フィルム、シートなどにも適している。
また、本発明の熱可塑性エラストマ樹脂組成物からなる層と硬質樹脂層とを積層させてなる複合成形品を得ることも有用である。硬質樹脂層を構成する硬質樹脂としては、複合成形品の剛性を保持し、目的の機械的強度を有する樹脂であれば、特に限定されるものではない。具体的には、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられ、これらの中でもポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、PBT樹脂、PCTA樹脂、およびポリブロピレン樹脂が好ましい。
複合積層体は、共押出成形法や二色成形をはじめとする多色射出成形法、インサート成型法によるオーバーモールドなどによって製造される。本発明の熱可塑性エラストマ樹脂組成物は、これらの硬質樹脂との接着性に優ていることから、これらの硬質樹脂との複合成形体は、各種筐体、アンテナカバー、コネクター、グリップ、ローラー、キャスター、ホース、および多層チューブなどに使用することができる。
以下に実施例によって本発明の効果を説明する。なお、実施例中の%および部とは、ことわりのない場合すべて重量基準である。また、例中に示される物性は次のように測定した。
[融点]
差動走査熱量計(Du Pont社製DSC−910型)を使用して、窒素ガス雰囲気下、10℃/分の昇温速度で加熱した時の融解ピークの頂上温度を測定した。
差動走査熱量計(Du Pont社製DSC−910型)を使用して、窒素ガス雰囲気下、10℃/分の昇温速度で加熱した時の融解ピークの頂上温度を測定した。
[溶融粘度指数(MFR)]
ASTM D−1238にしたがって温度220℃、荷重2160gで測定した。
ASTM D−1238にしたがって温度220℃、荷重2160gで測定した。
[ブロッキング性]
ペレット200gを内寸が縦15cm×横7cm×高さ6cmの組立可能な箱型容器に入れ、ペレットの上に縦15cm×横7cmの板を乗せ、そこに16kgの荷重をかける。その状態で80℃の熱風オーブン中で20時間の熱処理を行う。試験後、箱型容器の側壁を取り除いて荷重をかけ、ブロッキング状態が崩れる最大荷重を測定した。
ペレット200gを内寸が縦15cm×横7cm×高さ6cmの組立可能な箱型容器に入れ、ペレットの上に縦15cm×横7cmの板を乗せ、そこに16kgの荷重をかける。その状態で80℃の熱風オーブン中で20時間の熱処理を行う。試験後、箱型容器の側壁を取り除いて荷重をかけ、ブロッキング状態が崩れる最大荷重を測定した。
[硬度(デュロメーターA)]
ASTM D−2240にしたがって測定した。
ASTM D−2240にしたがって測定した。
[反発弾性率]
BS規格903にしたがって測定した。
BS規格903にしたがって測定した。
[機械的特性]
JIS K7113にしたがって、引張破断強さと引張破断伸度を測定した。
JIS K7113にしたがって、引張破断強さと引張破断伸度を測定した。
[圧縮永久歪み]
80℃で3時間乾燥したペレットを、温度200℃で射出成形することによって、直径29mm、厚さ10mmの円柱状の成形品を得た。この成形品を25%圧縮させた状態で70℃×22時間の熱処理をした。歪み量と圧縮量との比から圧縮永久歪みを算出した。
80℃で3時間乾燥したペレットを、温度200℃で射出成形することによって、直径29mm、厚さ10mmの円柱状の成形品を得た。この成形品を25%圧縮させた状態で70℃×22時間の熱処理をした。歪み量と圧縮量との比から圧縮永久歪みを算出した。
[表層剥離]
80℃で3時間乾燥したペレットを、温度200℃で射出成形することによって、長さ115mm、幅60mm、厚さ2mmの成形品を得た。成形品の表面に表層剥離が発生していないかどうかを肉眼で観察した。
80℃で3時間乾燥したペレットを、温度200℃で射出成形することによって、長さ115mm、幅60mm、厚さ2mmの成形品を得た。成形品の表面に表層剥離が発生していないかどうかを肉眼で観察した。
[ブリードアウト]
80℃で3時間真空乾燥した各ペレットを温度200℃でプレス成形して、厚さ2mmのシートを作成した。このシート上に上質紙を挟み、1平方cm当たり55gの荷重をかけて40℃の恒温槽に100時間放置し、上質紙シートへの滲みだしの有無について確認した。
80℃で3時間真空乾燥した各ペレットを温度200℃でプレス成形して、厚さ2mmのシートを作成した。このシート上に上質紙を挟み、1平方cm当たり55gの荷重をかけて40℃の恒温槽に100時間放置し、上質紙シートへの滲みだしの有無について確認した。
[参考例]
[ポリエステルブロック共重合体(A−1)の製造]
テレフタル酸208部、1,4−ブタンジオール228部、数平均分子量約2000のエチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体(EO/THFモル比40/60)グリコール720部をチタンテトラブトキシド2部と共にヘリカルリボン型攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応をおこなった。反応混合物に”イルガノックス”1010(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤)0.5部を添加した後、245℃に昇温し、次いで40分かけて系内の圧力を27Pの減圧とし、その条件下で2時間50分重合をおこなった。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングによりペレットとした。
[ポリエステルブロック共重合体(A−1)の製造]
テレフタル酸208部、1,4−ブタンジオール228部、数平均分子量約2000のエチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体(EO/THFモル比40/60)グリコール720部をチタンテトラブトキシド2部と共にヘリカルリボン型攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応をおこなった。反応混合物に”イルガノックス”1010(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤)0.5部を添加した後、245℃に昇温し、次いで40分かけて系内の圧力を27Pの減圧とし、その条件下で2時間50分重合をおこなった。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングによりペレットとした。
[ポリエステルブロック共重合体(A−2)の製造]
テレフタル酸293部、イソフタル酸85部、1,4−ブタンジオール415部、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール(数平均分子量約1400)467部を、チタンテトラブトキシド1.5部およびトリメリット酸無水物3部と共にヘリカルリボン型攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、210℃で2時間30分加熱して、理論メタノール量の95%のメタノールを系外に留出させた。反応混合物に”イルガノックス”1010 0.75部を添加した後、245℃に昇温し、次いで40分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件下で2時間40分重合をおこなった。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングによりペレットとした。
テレフタル酸293部、イソフタル酸85部、1,4−ブタンジオール415部、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール(数平均分子量約1400)467部を、チタンテトラブトキシド1.5部およびトリメリット酸無水物3部と共にヘリカルリボン型攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、210℃で2時間30分加熱して、理論メタノール量の95%のメタノールを系外に留出させた。反応混合物に”イルガノックス”1010 0.75部を添加した後、245℃に昇温し、次いで40分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件下で2時間40分重合をおこなった。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングによりペレットとした。
[ポリエステルブロック共重合体(A−3)の製造]
ジメチルテレフタレート320部、ジメチルイソフタレート93部、1,4−ブタンジオール345部、エチレンオキシドで末端をキャッピングしたポリ(プロピレンオキシド)グリコール(数平均分子量2200、EO含量26.8%)550部を、チタンテトラブトキシド2部およびトリメリット酸無水物3部と共にヘリカルリボン型攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、210℃で2時間30分加熱して、理論メタノール量の95%のメタノールを系外に留出させた。反応混合物に”イルガノックス”1010 0.75部を添加した後、245℃に昇温し、次いで、50分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件下で1時間50分重合をおこなった。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングによりペレットとした。
ジメチルテレフタレート320部、ジメチルイソフタレート93部、1,4−ブタンジオール345部、エチレンオキシドで末端をキャッピングしたポリ(プロピレンオキシド)グリコール(数平均分子量2200、EO含量26.8%)550部を、チタンテトラブトキシド2部およびトリメリット酸無水物3部と共にヘリカルリボン型攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、210℃で2時間30分加熱して、理論メタノール量の95%のメタノールを系外に留出させた。反応混合物に”イルガノックス”1010 0.75部を添加した後、245℃に昇温し、次いで、50分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件下で1時間50分重合をおこなった。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングによりペレットとした。
表1に(A−1)、(A−2)、(A−3)の組成と物性を示す。なお、表中、低融点重合体セグメントの種類で、EO/THFはエチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体を、PTMGはポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを、EO−PPGは末端をエチレンオキシドでキャッピングしたポリ(プロピレンオキシド)グリコールを表し、数字は数平均分子量を示す。
[動的架橋熱可塑性エラストマ]
下記実施例において使用した動的架橋熱可塑性エラストマを表2に示す。
下記実施例において使用した動的架橋熱可塑性エラストマを表2に示す。
[エポキシ変性重合体]
下記実施例において使用したエポキシ変性重合体を表3に示す。
下記実施例において使用したエポキシ変性重合体を表3に示す。
[酸変性重合体]
下記実施例において使用した酸変性重合体を表4に示す。
下記実施例において使用した酸変性重合体を表4に示す。
[ポリエステル−芳香族ビニル共重合体ブロックコポリマ]
下記実施例において使用したポリエステル−芳香族ビニル共重合体ブロックコポリマ酸変性重合体を表5に示す。
下記実施例において使用したポリエステル−芳香族ビニル共重合体ブロックコポリマ酸変性重合体を表5に示す。
[可塑剤]
下記実施例において使用した可塑剤を表6に示す。
下記実施例において使用した可塑剤を表6に示す。
[ゴム用軟化剤]
下記実施例において使用したゴム用軟化剤を表7に示す。
下記実施例において使用したゴム用軟化剤を表7に示す。
[脂肪酸アミド化合物]
下記実施例において使用した脂肪酸アミド化合物を表8に示す。
下記実施例において使用した脂肪酸アミド化合物を表8に示す。
[実施例1〜9]
参考例で得られたポリエステルブロック共重合体(A−1)、動的架橋熱可塑性エラストマ(B−1)、(B−2)、(B−3)、エポキシ変性重合体(C−1)、(C−2)、(C−3)、酸変性重合体(D−1)、(D−2)、(D−3)、ポリエステル−芳香族ビニル共重合体ブロックコポリマ(E−1)、(E−2)を、表9に示す配合比率でV−ブレンダーを用いて混合し、直径45mmで3条ネジタイプのスクリューを有する2軸押出機を用いて、240℃で溶融混練し、ペレット化した。これらのペレットを用いて、融点、溶融粘度指数(MFR)、ペレットのブロッキング、硬度、反発弾性率、引張破断強度、引張破断伸度、圧縮永久歪み、表層剥離、ブリードアウトを評価した。結果を表10に示す。
参考例で得られたポリエステルブロック共重合体(A−1)、動的架橋熱可塑性エラストマ(B−1)、(B−2)、(B−3)、エポキシ変性重合体(C−1)、(C−2)、(C−3)、酸変性重合体(D−1)、(D−2)、(D−3)、ポリエステル−芳香族ビニル共重合体ブロックコポリマ(E−1)、(E−2)を、表9に示す配合比率でV−ブレンダーを用いて混合し、直径45mmで3条ネジタイプのスクリューを有する2軸押出機を用いて、240℃で溶融混練し、ペレット化した。これらのペレットを用いて、融点、溶融粘度指数(MFR)、ペレットのブロッキング、硬度、反発弾性率、引張破断強度、引張破断伸度、圧縮永久歪み、表層剥離、ブリードアウトを評価した。結果を表10に示す。
[比較例1〜3]
表9に示す配合比率で、実施例1〜8と同様に溶融混練し、ペレット化した。実施例1〜9と同様に物性を評価した結果を表9に示す。
表9に示す配合比率で、実施例1〜8と同様に溶融混練し、ペレット化した。実施例1〜9と同様に物性を評価した結果を表9に示す。
[比較例4〜6]
柔軟材料として、クラレ(株)製”セプトン”2063(スチレン系エラストマ)、または三井化学(株)製”ミラストマー”5030(オレフィンエラストマ)を用いて、表9に示す配合比率で、実施例1〜9と同様に溶融混練し、ペレット化した。実施例1〜9と同様に物性を評価した結果を表10に示す。
柔軟材料として、クラレ(株)製”セプトン”2063(スチレン系エラストマ)、または三井化学(株)製”ミラストマー”5030(オレフィンエラストマ)を用いて、表9に示す配合比率で、実施例1〜9と同様に溶融混練し、ペレット化した。実施例1〜9と同様に物性を評価した結果を表10に示す。
[実施例10〜18]
参考例で得られたポリエステルブロック共重合体(A−2)、(A−3)、動的架橋熱可塑性エラストマ(B−1)、(B−2)、(B−3)、エポキシ変性重合体(C−1)、(C−2)、(C−3)、可塑剤(F−1)、(F−2)、(F−3)、ゴム用軟化剤(G−1)、(G−2)、脂肪酸アミド化合物(H−1)、(H−2)、(H−3)を、表11に示す配合比率でV−ブレンダーを用いて混合し、直径45mmで3条ネジタイプのスクリューを有する2軸押出機を用いて、240℃で溶融混練し、ペレット化した。
参考例で得られたポリエステルブロック共重合体(A−2)、(A−3)、動的架橋熱可塑性エラストマ(B−1)、(B−2)、(B−3)、エポキシ変性重合体(C−1)、(C−2)、(C−3)、可塑剤(F−1)、(F−2)、(F−3)、ゴム用軟化剤(G−1)、(G−2)、脂肪酸アミド化合物(H−1)、(H−2)、(H−3)を、表11に示す配合比率でV−ブレンダーを用いて混合し、直径45mmで3条ネジタイプのスクリューを有する2軸押出機を用いて、240℃で溶融混練し、ペレット化した。
これらのペレットを用いて、融点、溶融粘度指数(MFR)、ペレットのブロッキング、硬度、反発弾性率、引張破断強度、引張破断伸度、圧縮永久歪み、表層剥離、ブリードアウトを評価した。結果を表12に示す。
[比較例7〜10]
表11に示す配合比率で、実施例10〜18と同様に溶融混練し、ペレット化した。実施例10〜18と同様に物性を評価した結果を表12に示す。
表11に示す配合比率で、実施例10〜18と同様に溶融混練し、ペレット化した。実施例10〜18と同様に物性を評価した結果を表12に示す。
[実施例19]
硬質樹脂としてABS樹脂(東レ(株)製”トヨラック”T−500)を用い、一次側成形品として80mm角で厚さ2mmの角板を成形した。次に、この角板を80mm角で深さ4mmのキャビティーに装着し、実施例1で製造した配合組成物No.1を二次材料として用いて二次成形を行い、平板状の複合成形品を成形した。この複合成形品の表面に表層剥離は観察されず美しい外観だった。この複合成形品を幅10mmに切断し、その一端の接合界面を一定の長さだけカッターナイフで強制剥離し、その各々の端をテンシロン引張試験機の固定具にセットして引張り、剥離強度を測定した。剥離強度は120Nであった。
硬質樹脂としてABS樹脂(東レ(株)製”トヨラック”T−500)を用い、一次側成形品として80mm角で厚さ2mmの角板を成形した。次に、この角板を80mm角で深さ4mmのキャビティーに装着し、実施例1で製造した配合組成物No.1を二次材料として用いて二次成形を行い、平板状の複合成形品を成形した。この複合成形品の表面に表層剥離は観察されず美しい外観だった。この複合成形品を幅10mmに切断し、その一端の接合界面を一定の長さだけカッターナイフで強制剥離し、その各々の端をテンシロン引張試験機の固定具にセットして引張り、剥離強度を測定した。剥離強度は120Nであった。
[実施例20]
硬質樹脂としてポリプロピレン樹脂(グランドポリマ(株)製”グランドポリプロ”J703W)を射出成形して、一次側成形品として80mm角で厚さ2mmの角板を成形した。次に、この角板を80mm角で深さ4mmのキャビティーに装着し、実施例5で製造した配合組成物No.5を二次材料として用いて二次成形を行い、平板状の複合成形品を成形した。この複合成形品の表面に表層剥離は観察されず美しい外観だった。この複合成形品を幅10mmに切断し、その一端の接合界面を一定の長さだけカッターナイフで強制剥離し、その各々の端をテンシロン引張試験機の固定具にセットして引張り、剥離強度を測定した。剥離強度は100Nであった。
硬質樹脂としてポリプロピレン樹脂(グランドポリマ(株)製”グランドポリプロ”J703W)を射出成形して、一次側成形品として80mm角で厚さ2mmの角板を成形した。次に、この角板を80mm角で深さ4mmのキャビティーに装着し、実施例5で製造した配合組成物No.5を二次材料として用いて二次成形を行い、平板状の複合成形品を成形した。この複合成形品の表面に表層剥離は観察されず美しい外観だった。この複合成形品を幅10mmに切断し、その一端の接合界面を一定の長さだけカッターナイフで強制剥離し、その各々の端をテンシロン引張試験機の固定具にセットして引張り、剥離強度を測定した。剥離強度は100Nであった。
[実施例21]
硬質樹脂としてPCTA樹脂(イーストマン社製”イースター”AN004)を用い、一次側成形品として80mm角で厚さ2mmの角板を成形した。次に、この角板を80mm角で深さ4mmのキャビティーに装着し、実施例16で製造した配合組成物No.22を二次材料として用いて二次成形を行い、平板状の複合成形品を成形した。この複合成形品の表面に表層剥離は観察されず美しい外観だった。この複合成形品を幅10mmに切断し、その一端の接合界面を一定の長さだけカッターナイフで強制剥離し、その各々の端をテンシロン引張試験機の固定具にセットして引張り、剥離強度を測定した。剥離強度は130Nであった。
硬質樹脂としてPCTA樹脂(イーストマン社製”イースター”AN004)を用い、一次側成形品として80mm角で厚さ2mmの角板を成形した。次に、この角板を80mm角で深さ4mmのキャビティーに装着し、実施例16で製造した配合組成物No.22を二次材料として用いて二次成形を行い、平板状の複合成形品を成形した。この複合成形品の表面に表層剥離は観察されず美しい外観だった。この複合成形品を幅10mmに切断し、その一端の接合界面を一定の長さだけカッターナイフで強制剥離し、その各々の端をテンシロン引張試験機の固定具にセットして引張り、剥離強度を測定した。剥離強度は130Nであった。
[実施例22]
硬質樹脂としてポリカーボネート樹脂(三菱エンプラ(株)製”ユ−ピロン”S3000)を射出成形して、一次側成形品として80mm角で厚さ2mmの角板を成形した。次に、この角板を80mm角で深さ4mmのキャビティーに装着し、実施例10で製造した配合組成物No.16を二次材料として用いて二次成形を行い、平板状の複合成形品を成形した。この複合成形品の表面に表層剥離は観察されず美しい外観だった。この複合成形品を幅10mmに切断し、その一端の接合界面を一定の長さだけカッターナイフで強制剥離し、その各々の端をテンシロン引張試験機の固定具にセットして引張り、剥離強度を測定した。剥離強度は120Nであった。
硬質樹脂としてポリカーボネート樹脂(三菱エンプラ(株)製”ユ−ピロン”S3000)を射出成形して、一次側成形品として80mm角で厚さ2mmの角板を成形した。次に、この角板を80mm角で深さ4mmのキャビティーに装着し、実施例10で製造した配合組成物No.16を二次材料として用いて二次成形を行い、平板状の複合成形品を成形した。この複合成形品の表面に表層剥離は観察されず美しい外観だった。この複合成形品を幅10mmに切断し、その一端の接合界面を一定の長さだけカッターナイフで強制剥離し、その各々の端をテンシロン引張試験機の固定具にセットして引張り、剥離強度を測定した。剥離強度は120Nであった。
[実施例23]
硬質樹脂としてPBT樹脂(東レ(株)製”トレコン”1401X06を射出成形して、一次側成形品として80mm角で厚さ2mmの角板を成形した。次に、この角板を80mm角で深さ4mmのキャビティーに装着し、実施例9で製造した配合組成物No.9を二次材料として用いて二次成形を行い、平板状の複合成形品を成形した。この複合成形品の表面に表層剥離は観察されず、美しい外観だった。この複合成形品を幅10mmに切断し、その一端の接合界面を一定の長さだけカッターナイフで強制剥離し、その各々の端をテンシロン引張試験機の固定具にセットして引張り、剥離強度を測定した。剥離強度は110Nであった。
硬質樹脂としてPBT樹脂(東レ(株)製”トレコン”1401X06を射出成形して、一次側成形品として80mm角で厚さ2mmの角板を成形した。次に、この角板を80mm角で深さ4mmのキャビティーに装着し、実施例9で製造した配合組成物No.9を二次材料として用いて二次成形を行い、平板状の複合成形品を成形した。この複合成形品の表面に表層剥離は観察されず、美しい外観だった。この複合成形品を幅10mmに切断し、その一端の接合界面を一定の長さだけカッターナイフで強制剥離し、その各々の端をテンシロン引張試験機の固定具にセットして引張り、剥離強度を測定した。剥離強度は110Nであった。
[実施例24]
硬質樹脂としてポリプロピレン樹脂(グランドポリマ(株)製”グランドポリプロ”J703W)を射出成形して、一次側成形品として80mm角で厚さ2mmの角板を成形した。次に、この角板を80mm角で深さ4mmのキャビティーに装着し、実施例4で製造した配合組成物No.4を二次材料として用いて二次成形を行い、平板状の複合成形品を成形した。この複合成形品の表面に表層剥離は観察されず美しい外観だった。この複合成形品を幅10mmに切断し、その一端の接合界面を一定の長さだけカッターナイフで強制剥離し、その各々の端をテンシロン引張試験機の固定具にセットして引張り、剥離強度を測定した。剥離強度は110Nであった。
硬質樹脂としてポリプロピレン樹脂(グランドポリマ(株)製”グランドポリプロ”J703W)を射出成形して、一次側成形品として80mm角で厚さ2mmの角板を成形した。次に、この角板を80mm角で深さ4mmのキャビティーに装着し、実施例4で製造した配合組成物No.4を二次材料として用いて二次成形を行い、平板状の複合成形品を成形した。この複合成形品の表面に表層剥離は観察されず美しい外観だった。この複合成形品を幅10mmに切断し、その一端の接合界面を一定の長さだけカッターナイフで強制剥離し、その各々の端をテンシロン引張試験機の固定具にセットして引張り、剥離強度を測定した。剥離強度は110Nであった。
[比較例11]
硬質樹脂としてABS樹脂(東レ(株)製”トヨラック”T−500)を用い、一次側成形品として80mm角で厚さ2mmの角板を成形した。次に、この角板を80mm角で深さ4mmのキャビティーに装着し、比較例1で製造した配合組成物No.10を二次材料として用いて二次成形を行い、平板状の複合成形品を成形した。この複合成形品を幅10mmに切断し、その一端の接合界面を一定の長さだけカッターナイフで強制剥離し、その各々の端をテンシロン引張試験機の固定具にセットして引張り、剥離強度を測定した。剥離強度は100Nと高かったが、複合成形品の表面に表層剥離が観察され、外観が不良だった。
硬質樹脂としてABS樹脂(東レ(株)製”トヨラック”T−500)を用い、一次側成形品として80mm角で厚さ2mmの角板を成形した。次に、この角板を80mm角で深さ4mmのキャビティーに装着し、比較例1で製造した配合組成物No.10を二次材料として用いて二次成形を行い、平板状の複合成形品を成形した。この複合成形品を幅10mmに切断し、その一端の接合界面を一定の長さだけカッターナイフで強制剥離し、その各々の端をテンシロン引張試験機の固定具にセットして引張り、剥離強度を測定した。剥離強度は100Nと高かったが、複合成形品の表面に表層剥離が観察され、外観が不良だった。
[比較例12]
硬質樹脂としてポリカーボネート樹脂(三菱エンプラ(株)製”ユ−ピロン”S3000)を射出成形して、一次側成形品として80mm角で厚さ2mmの角板を成形した。次に、この角板を80mm角で深さ4mmのキャビティーに装着し、比較例7で製造した配合組成物No.25を二次材料として用いて二次成形を行い、平板状の複合成形品を成形した。この複合成形品の表面に表層剥離は観察されなかった。この複合成形品を幅10mmに切断し、その一端の接合界面を一定の長さだけカッターナイフで強制剥離し、その各々の端をテンシロン引張試験機の固定具にセットして引張り、剥離強度を測定した。剥離強度は100Nと高かったが、複合成形品の表面に表層剥離が観察され、外観が不良だった。
硬質樹脂としてポリカーボネート樹脂(三菱エンプラ(株)製”ユ−ピロン”S3000)を射出成形して、一次側成形品として80mm角で厚さ2mmの角板を成形した。次に、この角板を80mm角で深さ4mmのキャビティーに装着し、比較例7で製造した配合組成物No.25を二次材料として用いて二次成形を行い、平板状の複合成形品を成形した。この複合成形品の表面に表層剥離は観察されなかった。この複合成形品を幅10mmに切断し、その一端の接合界面を一定の長さだけカッターナイフで強制剥離し、その各々の端をテンシロン引張試験機の固定具にセットして引張り、剥離強度を測定した。剥離強度は100Nと高かったが、複合成形品の表面に表層剥離が観察され、外観が不良だった。
本発明の熱可塑性エラストマ樹脂組成物は、ペレット間のブロッキングがなく、柔軟で、融点が高く耐熱性に優れ、機械的性質も良好であるばかりか、溶融時の流動性に優れ射出成形などの成形性が良好で、表層剥離やブリードアウトのない美しい外観を有する成形品を与えるため、得られる成形品は、自動車、電子・電気機器、精密機器、一般消費財用途の各種成形品などに有用である。さらに、グリップ、チューブ、パッキン、ガスケット、フード、ダンパー、カバー、クッション体、フィルム、およびシートなどにも適している。
また、本発明の熱可塑性エラストマ樹脂組成物からなる層と硬質樹脂層とを積層させてなる複合成形品は、両樹脂層の接着性に優れていることから、各種筐体、アンテナカバー、コネクター、グリップ、ローラー、キャスター、ホース、および多層チューブなどに使用すもことができる。
Claims (20)
- 主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a1)と、主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント(a2)とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)10〜95重量%と、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)90〜5重量%との合計量100重量部に対し、エポキシ変性共重合体(C)、酸変性共重合体(D)、およびポリエステル−芳香族ビニル共重合体ブロックコポリマ(E)から選ばれる少なくとも1種を0.1〜40重量部配合してなる熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
- 前記(A)および(B)の合計量100重量部に対し、さらに可塑剤(F)1〜100重量部および/またはゴム用軟化剤(G)1〜100重量部を配合してなる請求項1に記載の熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
- 主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a1)と、主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント(a2)とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)5〜95重量%と、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)95〜5重量%との合計量100重量部に対し、エポキシ変性共重合体(C)、酸変性共重合体(D)、およびポリエステル−芳香族ビニル共重合体ブロックコポリマ(E)から選ばれる少なくとも1種0.1〜40重量部と、脂肪酸アミド化合物(H)0.01〜5重量部とを配合してなる熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
- 前記(A)および(B)の合計量100重量部に対し、さらに可塑剤(F)1〜100重量部および/またはゴム用軟化剤(G)1〜100重量部を配合してなる請求項3に記載の熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
- 前記ポリエステルブロック共重合体(A)の高融点結晶性重合体セグメント(a1)が、ポリブチレンテレフタレート単位、またはポリブチレンテレフタレート単位とポリブチレンイソフタレート単位とからなるものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
- 前記ポリエステルブロック共重合体(A)の低融点重合体セグメント(a2)が、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、およびエチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコールから選ばれた1種以上であり、その共重合量が40〜80重量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
- 前記スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)が、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマの一部を動的架橋したものであって、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマからなる熱可塑性マトリックス中に、架橋構造を有するスチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散させた構造を有するものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
- 前記スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)が、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマの一部を動的架橋したものであって、スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマからなる熱可塑性マトリックス中に、架橋構造を有するスチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散させた構造を有するもので、動的架橋に際し、前記熱可塑性マトリックスおよび前記分散相を、グリシジル基、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アミノ基を有する官能性モノマーもしくはそれらの誘導体でグラフト変性したものである請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
- 前記スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)が、動的架橋によりポリプロピレンからなる熱可塑性マトリックス中に、架橋構造を有するスチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散させた構造を有するものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
- 前記スチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散相として動的架橋した動的架橋熱可塑性エラストマ(B)が、動的架橋によりポリプロピレンからなる熱可塑性マトリックス中に、架橋構造を有するスチレン系エラストマおよび/またはオレフィン系エラストマから選ばれる1種以上の熱可塑性エラストマを分散させた構造を有するもので、動的架橋に際し、前記熱可塑性マトリックスおよび前記分散相を、グリシジル基、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アミノ基を有する官能性モノマーもしくはそれらの誘導体でグラフト変性したものである請求項1〜6、請求項9のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
- 前記エポキシ変性共重合体(C)が、芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体のエポキシ変性物および/またはその水素添加物(C1)、エチレン系重合体のエポキシ変性物(C2)、およびオレフィン系重合体主鎖とビニル系重合体側鎖からなるグラフト重合体のエポキシ変性物(C3)の中から選ばれる1種以上である請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
- 前記酸変性共重合体(D)が、芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体の酸変性物および/または芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロック共重合体またはランダム共重合体の酸変性物および/またはその水素添加物(D1)、エチレン共重合体の酸変性物(D2)、およびオレフィン系重合体主鎖とビニル系重合体側鎖からなるグラフト重合体の酸変性物(D3)の3種の中から選ばれた1種以上である請求項1〜11のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
- 前記ポリエステル−芳香族ビニル共重合体(E)が、ポリエステルからなるブロック(e1)と、芳香族ビニル系単量体と共役ジエンとからなるブロックまたはランダム共重合体および/またはそれらの水素添加物から形成されるブロック(e2)とからなるポリエステル−芳香族ビニル系共重合体ブロックコポリマである請求項1〜12のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
- 前記可塑剤(F)が、ベンゾエート系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、およびピロメリット酸エステル系可塑剤から選ばれる1種以上の化合物である請求項2または請求項4〜13のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
- 前記ゴム用軟化剤(G)が、パラフィン系オイルおよび/またはナフテン系オイルである請求項2または請求項4〜14のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
- 前記脂肪酸アミド化合物(H)が、アルキレンビス高級脂肪酸アミド化合物、および高級脂肪族モノカルボン酸と多塩基酸の混合物とジアミンとの反応によって得られるカルボン酸アマイド系ワックスから選ばれた1種以上の化合物である請求項3〜15のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
- 請求項1〜16のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマ樹脂組成物を射出成形してなる成形体。
- 前記成形体が、複合成形体である請求項17に記載の成形体。
- 前記複合成形体が、硬質樹脂と、請求項1〜請求項16のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマ樹脂組成物とからなる複合成形体である請求項18に記載の成形体。
- 前記硬質樹脂が、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリブタレンテレフタレート樹脂、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート/イソフタレート樹脂、およびポリプロピレン樹脂から選ばれた1種以上である請求項18または19に記載の成形体。
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