JP2004221232A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体素子がバンプを介して基板上に実装されてなる、所謂フリップチップ方式の半導体装置において、より簡易且つ確実に半導体素子が封止された半導体装置とすることを課題とする。
【解決手段】半導体素子がバンプを介して基板上に実装されてなる半導体装置において、該半導体素子の背面および側面を粘着性を有する熱硬化型のシート材で被覆し、該半導体素子を封止する。好ましくは、シート材を使用する際の粘着性をボールタック2〜15とする。
【選択図】 なし
【解決手段】半導体素子がバンプを介して基板上に実装されてなる半導体装置において、該半導体素子の背面および側面を粘着性を有する熱硬化型のシート材で被覆し、該半導体素子を封止する。好ましくは、シート材を使用する際の粘着性をボールタック2〜15とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の更なる性能向上を図る為、従来のような半導体素子(以下、チップともいう)を金ワイヤーにてリードフレーム上にコンタクトを取るワイヤーボンディング方式からワイヤーを使用しないワイヤレスボンディング方式へと移行しつつあり、その代表的なものとして、回路面にバンプを備えた半導体素子をフェースダウンし、配線回路が形成されたマザーボード等の基板上に接続するフリップチップ方式がある。
【0003】
フリップチップ方式においては、通常チップの回路面と基板との間にはアンダーフィル材として液状樹脂もしくはシート状樹脂が使用され、チップ接合部を該アンダーフィル材で封止する方法が採用されることが多いが、チップの背面(非回路面)や側面を保護するには、液状樹脂をコーティングしたり、トランスファー成形によりオーバーモールドする(特許文献1)等の方法が採用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−348438号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液状樹脂をコーティングする方法では、チップ背面のコーナーエッジ部が完全にコーティングされずに露出しやすいという問題がある。
一方、トランスファー成形では、樹脂を加熱溶融させて金型へ注入し、高温高圧状態で成形して硬化させるといった複雑且つ大掛かりな装置が必要となり、条件設定も煩雑であるという問題がある。
【0006】
さらに、フリップチップをフェースダウン方式で実装する半導体装置は、半導体装置自体を薄片化できるという利点を有しているが、液状樹脂を用いた従来の封止方法では、効果的にチップの背面や側面を封止することができない。
【0007】
特に、該フリップチップがスタックト方式により2層以上積層されてなる半導体装置においては、上述のように半導体装置の薄層化を図りつつ、さらに近接した半導体素子を互いに絶縁しなければならないという問題がある。
【0008】
そこで本発明は、半導体素子を確実に封止すること及びその封止工程を簡略化することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、半導体素子がバンプ接合部を介して基板上に実装されてなる半導体装置において、該半導体素子の背面および側面が粘着性を有する熱硬化型のシート材で被覆され、該半導体素子が封止されてなることを特徴とする。
シート材によって半導体素子の背面および側面が被覆されたことにより、該半導体素子の封止状態が良好なものとなり、信頼性の高い半導体装置となる。
【0010】
また、本発明は、バンプ接合部を介して基板上に実装された半導体素子を封止する半導体装置の製造方法において、該半導体素子の背面および側面を粘着性を有する熱硬化型のシート材で被覆し、該半導体素子を封止することを特徴とする。
斯かる半導体装置の製造方法によれば、シート材は液状樹脂と比べてハンドリングが容易であり、また、オーバーモールドのような条件設定の煩雑さもないため、半導体装置の製造工程を簡略化することができる。
【0011】
また、本発明は、前記半導体装置の製造方法において、前記シート材の使用時の粘着性がボールタック2〜15であることを特徴とする。
ボールタック2〜15の接着性を有するシート材を使用すれば、該シート材の取り扱い性が容易でありながら、しかも半導体素子への仮接着も容易となる。加えて、該シート材を半導体素子や基板へ圧着させた場合の粘着状態も良好となるため、半導体素子をボイドフリーで確実に封止することが可能となる。
【0012】
また、本発明は、前記半導体の製造方法において、前記半導体素子の背面よりも大きな面積の前記シート材を該半導体素子の背面に被せ、該シート材を圧着することにより該シート材で該半導体素子の背面および側面を被覆した後、加熱することによって該シート材を硬化させて該半導体素子を封止することを特徴とする。
斯かる製造工程によれば、半導体素子の背面および側面を半導体素子の背面よりも大きな面積の前記シート材によって一度に封止することができ、しかも該シート材を圧着することによって半導体素子の形状に沿って隙間なく封止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
本発明の半導体装置は、半導体素子がバンプ接合部を介して基板上に実装されてなる半導体装置において、該半導体素子の背面および側面が粘着性を有する熱硬化型のシート材で被覆されたことにより、該半導体素子が封止されてなるものである。
【0015】
熱硬化型のシート材としては、使用時に粘着性を有する熱硬化性樹脂を用いて成膜されたものを使用する。熱硬化性樹脂としては、成膜性に優れ室温で粘着性が良好であるという観点から、ゴム添加またはゴム変性されたポリカルボジイミド樹脂を好適に使用できる。
熱硬化性樹脂に粘着性を付与するに際しては、単にゴム添加するだけでは分散性が不安定であり、成膜時に基材から分離するための強度や、封止後の接着強度にバラツキが生じるおそれがあるため、官能基を有した反応性液状ゴムを利用するのが好ましい。斯かる反応性液状ゴムとしては、液状ポリブタジエン、液状ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体、液状ポリイソプレン若しくは液状水添ポリイソプレン、又はこれらの変性品を挙げることができる。
【0016】
また、該シート材の粘着性としては、ボールタックが2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。また、該ボールタックが15以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。ボールタック2以下ではタック性に乏しく、実装されたフリップチップのチップ背面や側面等への接着状態が悪化し、ボイドが生じる虞がある。また、ボールタック15以上では過度の粘着性のために貼り付ける作業がスムーズに行えなくなる虞がある。
【0017】
尚、本発明において、ボールタックとは、JIS Z 0237に規定された球転法により測定された値をいう。
【0018】
斯かる粘着性を得る為には、前記熱硬化性樹脂100重量部に対して、前記反応性液状ゴムを50〜500重量部の範囲で添加するのが好ましい。反応性液状ゴムの添加量が50重量部より少なければ室温における充分な粘着性を得られない虞があり、逆に500重量部より多ければ過度の粘着性が発現する虞がある。
【0019】
また、前記熱硬化性樹脂には、必要に応じて加工性および耐熱性を損なわない範囲で微細な無機充填材を配合してもよい。斯かる無機充填材の配合量は、反応性液状ゴムを配合した熱硬化性樹脂100重量部に対して通常0〜75重量部、好ましくは0〜50重量部とする。
【0020】
さらに、硬化後の接着力を向上させるべく、該シート材にシランカップリング剤、チタン系カップリング剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系添加剤などの各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
また、通常の黒色のプラスチック封止材のように、カーボンを入れて着色することも可能である。
【0021】
そして、本発明で使用するシート材は、耐熱性基材の上に前記熱硬化性樹脂を50〜500μmの膜厚で成膜することにより得ることができる。
成膜方法としては、通常のフィルム製造プロセスを利用でき、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサンなどのケトン系溶媒、テトラハイドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒に前記熱硬化性樹脂を溶解した樹脂溶液を作成し、キャスティング、ロールコーティング等の公知の手段を用いて成膜することができる。
溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いても良い。
【0022】
また、該シート材の厚みは、封止対象となるチップの厚みやバンプ接合部の高さなどに応じて10〜500μmの範囲内で適宜に変更することができるが、一般的な1層のチップに対しては10〜300μmが好適であり、2層以上にスタックトされたチップに対しては50〜500μmが好適である。
斯かる範囲の下限を下まわると、封止するための樹脂量が不足してチップ背面やコーナーエッジ部を完全に被覆、封止することが困難となり、また、上限を越えると、樹脂量が過剰となりチップ背面の樹脂厚みが厚くなりすぎて半導体装置の薄型化が困難となる。
【0023】
次に、上述のようにして得られた粘着性の熱硬化型シート材を用い、基板上に実装されたフリップチップを封止する半導体装置の製造方法について説明する。
まず、該シート材を、封止対象であるチップ面積よりも大きな面積を有するサイズに切り出し、基板上に実装されたフリップチップの背面上に被せる。シート材のサイズとしては、チップの各辺よりそれぞれ2〜5mm程度大きなものが好ましい。また、同一基板上の複数箇所にチップが実装されている場合には、これら複数のチップを一括して覆うような大きさのものが好ましい。
【0024】
その後、圧着ロール等を用いて該シート材をフリップチップに仮接着する。具体的には、該圧着ロールによってシート材をフリップチップに圧着することにより、フリップチップの背面及び側面を被覆し、同時にバンプ接合部の側方を閉塞する。斯かる工程は、通常、室温(23℃)で行うことが可能であるが、シート材の粘着性やその他の条件に応じて15〜150℃の温度範囲で行ってもよい。但し、15℃以下ではシート材自体がタック性を失う虞があり、また150℃以上では樹脂の硬化が進む虞があり、いずれも仮接着の作業に支障を来すことになるため好ましくない。
【0025】
そして、シート材の仮接着された半導体装置を加熱処理してシート材を構成する樹脂を硬化させ、該シート材をチップ背面及び側面、並びに基板に充分な接着を行わせる。こうして、フリップチップの背面および側面、並びにバンプ接合部は、該シート材によって完全に封止されることとなる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例と比較例とを挙げ、本発明についてさらに具体的に説明する。
【0027】
製造例1
攪拌装置、滴下漏斗、還流冷却器、温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコに、トリレンジイソシアネート(異性体混合物:三井武田ケミカル製、タケネート80)10.5g(60mmol)と、ナフタレンジイソシアネート15.0g(60mmol)と、液状ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体(B.F.Goodrich製、Hycar−CTBN1300X13)86.1gと、トルエン232gとを入れて混合した。これを50℃で1時間攪拌した後、1−ナフチルイソシアネート8.32g(49.2mmol)と、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−2−オキシド0.46g(2.4mmol)とを添加して攪拌しながら100℃に昇温し、さらに2時間保持した。反応の進行は赤外分光法(日本電子製、FT/IR−230)により確認した。具体的には、イソシアネートのN−C−O伸縮振動(2270cm−1)の吸収量の減少と、カルボジイミドのN−C−N伸縮振動(2135cm−1)の吸収量の増加と、結合部分のアミド基のC−O伸縮振動(1695cm−1)の吸収量の増加を観測することによって反応の進行と終点を確認した。その後、反応液を室温まで冷却することによってポリカルボジイミド溶液を得た。
【0028】
(実施例1)
上記ポリカルボジイミド溶液を、剥離剤で処理したポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレータ(厚さ50μm)の上に塗布した。これを、130℃で1分間加熱した後150℃で1分間加熱し、粘着性熱硬化型シート材(厚さ150μm)を得た。該シート材の室温における粘着性は、ボールタック7であった。
次に、該シート材を8mm×8mmに裁断し、基板上に実装されたフリップチップ(チップサイズ5mm×5mm×70μm、ボールボンドの高さ80μm、アンダーフィル付き)の上に載置し、室温でロールによる仮接着を行った。
その後、175℃で5時間の加熱を行って樹脂を硬化させ、チップの封止を完了した。
【0029】
(実施例2)
上記ポリカルボジイミド溶液を、剥離剤で処理したポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレータ(厚さ50μm)の上に塗布した。これを、130℃で1分間加熱した後150℃で2分間加熱し、粘着性熱硬化型シート材(厚さ200μm)を得た。該シート材の室温における粘着性は、ボールタック4であった。
次に、該シート材を8mm×8mmに裁断し、基板上に実装された2層フリップチップ(チップサイズ5mm×5mm×70μm、ボールボンドの高さ80μm、アンダーフィル付き)の上に載置し、室温でロールによる仮接着を行った。
その後、175℃で5時間の加熱を行って樹脂を硬化させ、チップの封止を完了した。
【0030】
(実施例3)
前記ポリカルボジイミド溶液を用い、厚さ250μmとする以外は実施例1と同様にして粘着性熱硬化型シート材を得た。室温における粘着性は、同じくボールタック7であった、
該シート材を9mm×9mmに裁断し、基板上に実装された2層フリップチップ(チップサイズ5mm×5mm×50μm、ボールボンドの高さ70μm、アンダーフィル付き)の上に載置し、室温でロールによる仮接着を行った。
その後、175℃で5時間の加熱を行って樹脂を硬化させ、チップの封止を完了した。
【0031】
(比較例1)
実施例1において用いたポリカルボジイミド溶液が、液状ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体を含まない溶液である以外は、実施例1と同様にして熱硬化性シートを得た。室温における粘着性はなく、ボールタックは2に満たない値であった。該熱硬化型シート材を用い、実施例1と同様にしてチップを封止した。
【0032】
(評価1)
実施例1〜3の半導体装置を各5個ずつ切断し、チップ背面および側面の封止状態を顕微鏡により観察した。その結果、実施例1〜3の何れにおいてもボイドの発生は認められなかった。
これに対し、比較例1では、各チップの側面部に空隙が認められ、完全に封止されていないことがわかった。
【0033】
(評価2)
実施例1〜3の半導体装置を用いてTCT(温度サイクル試験、−25℃×30分/150℃×30分、500サイクル)を行った後、赤色探傷液に浸漬して樹脂(硬化後のシート材)と基板との剥離を観察した。その結果、実施例1〜3の何れにおいても剥離は認められなかった。
これに対し、比較例1の場合には、空隙の認められたチップ側面部に、微少なクラックが発生していることがわかった。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る半導体装置およびその製造方法によれば、フリップチップをフェースダウン方式で実装した半導体装置の薄片化を図りつつ、その半導体素子を簡易且つ確実に封止することが可能となる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の更なる性能向上を図る為、従来のような半導体素子(以下、チップともいう)を金ワイヤーにてリードフレーム上にコンタクトを取るワイヤーボンディング方式からワイヤーを使用しないワイヤレスボンディング方式へと移行しつつあり、その代表的なものとして、回路面にバンプを備えた半導体素子をフェースダウンし、配線回路が形成されたマザーボード等の基板上に接続するフリップチップ方式がある。
【0003】
フリップチップ方式においては、通常チップの回路面と基板との間にはアンダーフィル材として液状樹脂もしくはシート状樹脂が使用され、チップ接合部を該アンダーフィル材で封止する方法が採用されることが多いが、チップの背面(非回路面)や側面を保護するには、液状樹脂をコーティングしたり、トランスファー成形によりオーバーモールドする(特許文献1)等の方法が採用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−348438号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液状樹脂をコーティングする方法では、チップ背面のコーナーエッジ部が完全にコーティングされずに露出しやすいという問題がある。
一方、トランスファー成形では、樹脂を加熱溶融させて金型へ注入し、高温高圧状態で成形して硬化させるといった複雑且つ大掛かりな装置が必要となり、条件設定も煩雑であるという問題がある。
【0006】
さらに、フリップチップをフェースダウン方式で実装する半導体装置は、半導体装置自体を薄片化できるという利点を有しているが、液状樹脂を用いた従来の封止方法では、効果的にチップの背面や側面を封止することができない。
【0007】
特に、該フリップチップがスタックト方式により2層以上積層されてなる半導体装置においては、上述のように半導体装置の薄層化を図りつつ、さらに近接した半導体素子を互いに絶縁しなければならないという問題がある。
【0008】
そこで本発明は、半導体素子を確実に封止すること及びその封止工程を簡略化することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、半導体素子がバンプ接合部を介して基板上に実装されてなる半導体装置において、該半導体素子の背面および側面が粘着性を有する熱硬化型のシート材で被覆され、該半導体素子が封止されてなることを特徴とする。
シート材によって半導体素子の背面および側面が被覆されたことにより、該半導体素子の封止状態が良好なものとなり、信頼性の高い半導体装置となる。
【0010】
また、本発明は、バンプ接合部を介して基板上に実装された半導体素子を封止する半導体装置の製造方法において、該半導体素子の背面および側面を粘着性を有する熱硬化型のシート材で被覆し、該半導体素子を封止することを特徴とする。
斯かる半導体装置の製造方法によれば、シート材は液状樹脂と比べてハンドリングが容易であり、また、オーバーモールドのような条件設定の煩雑さもないため、半導体装置の製造工程を簡略化することができる。
【0011】
また、本発明は、前記半導体装置の製造方法において、前記シート材の使用時の粘着性がボールタック2〜15であることを特徴とする。
ボールタック2〜15の接着性を有するシート材を使用すれば、該シート材の取り扱い性が容易でありながら、しかも半導体素子への仮接着も容易となる。加えて、該シート材を半導体素子や基板へ圧着させた場合の粘着状態も良好となるため、半導体素子をボイドフリーで確実に封止することが可能となる。
【0012】
また、本発明は、前記半導体の製造方法において、前記半導体素子の背面よりも大きな面積の前記シート材を該半導体素子の背面に被せ、該シート材を圧着することにより該シート材で該半導体素子の背面および側面を被覆した後、加熱することによって該シート材を硬化させて該半導体素子を封止することを特徴とする。
斯かる製造工程によれば、半導体素子の背面および側面を半導体素子の背面よりも大きな面積の前記シート材によって一度に封止することができ、しかも該シート材を圧着することによって半導体素子の形状に沿って隙間なく封止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
本発明の半導体装置は、半導体素子がバンプ接合部を介して基板上に実装されてなる半導体装置において、該半導体素子の背面および側面が粘着性を有する熱硬化型のシート材で被覆されたことにより、該半導体素子が封止されてなるものである。
【0015】
熱硬化型のシート材としては、使用時に粘着性を有する熱硬化性樹脂を用いて成膜されたものを使用する。熱硬化性樹脂としては、成膜性に優れ室温で粘着性が良好であるという観点から、ゴム添加またはゴム変性されたポリカルボジイミド樹脂を好適に使用できる。
熱硬化性樹脂に粘着性を付与するに際しては、単にゴム添加するだけでは分散性が不安定であり、成膜時に基材から分離するための強度や、封止後の接着強度にバラツキが生じるおそれがあるため、官能基を有した反応性液状ゴムを利用するのが好ましい。斯かる反応性液状ゴムとしては、液状ポリブタジエン、液状ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体、液状ポリイソプレン若しくは液状水添ポリイソプレン、又はこれらの変性品を挙げることができる。
【0016】
また、該シート材の粘着性としては、ボールタックが2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。また、該ボールタックが15以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。ボールタック2以下ではタック性に乏しく、実装されたフリップチップのチップ背面や側面等への接着状態が悪化し、ボイドが生じる虞がある。また、ボールタック15以上では過度の粘着性のために貼り付ける作業がスムーズに行えなくなる虞がある。
【0017】
尚、本発明において、ボールタックとは、JIS Z 0237に規定された球転法により測定された値をいう。
【0018】
斯かる粘着性を得る為には、前記熱硬化性樹脂100重量部に対して、前記反応性液状ゴムを50〜500重量部の範囲で添加するのが好ましい。反応性液状ゴムの添加量が50重量部より少なければ室温における充分な粘着性を得られない虞があり、逆に500重量部より多ければ過度の粘着性が発現する虞がある。
【0019】
また、前記熱硬化性樹脂には、必要に応じて加工性および耐熱性を損なわない範囲で微細な無機充填材を配合してもよい。斯かる無機充填材の配合量は、反応性液状ゴムを配合した熱硬化性樹脂100重量部に対して通常0〜75重量部、好ましくは0〜50重量部とする。
【0020】
さらに、硬化後の接着力を向上させるべく、該シート材にシランカップリング剤、チタン系カップリング剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系添加剤などの各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
また、通常の黒色のプラスチック封止材のように、カーボンを入れて着色することも可能である。
【0021】
そして、本発明で使用するシート材は、耐熱性基材の上に前記熱硬化性樹脂を50〜500μmの膜厚で成膜することにより得ることができる。
成膜方法としては、通常のフィルム製造プロセスを利用でき、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサンなどのケトン系溶媒、テトラハイドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒に前記熱硬化性樹脂を溶解した樹脂溶液を作成し、キャスティング、ロールコーティング等の公知の手段を用いて成膜することができる。
溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いても良い。
【0022】
また、該シート材の厚みは、封止対象となるチップの厚みやバンプ接合部の高さなどに応じて10〜500μmの範囲内で適宜に変更することができるが、一般的な1層のチップに対しては10〜300μmが好適であり、2層以上にスタックトされたチップに対しては50〜500μmが好適である。
斯かる範囲の下限を下まわると、封止するための樹脂量が不足してチップ背面やコーナーエッジ部を完全に被覆、封止することが困難となり、また、上限を越えると、樹脂量が過剰となりチップ背面の樹脂厚みが厚くなりすぎて半導体装置の薄型化が困難となる。
【0023】
次に、上述のようにして得られた粘着性の熱硬化型シート材を用い、基板上に実装されたフリップチップを封止する半導体装置の製造方法について説明する。
まず、該シート材を、封止対象であるチップ面積よりも大きな面積を有するサイズに切り出し、基板上に実装されたフリップチップの背面上に被せる。シート材のサイズとしては、チップの各辺よりそれぞれ2〜5mm程度大きなものが好ましい。また、同一基板上の複数箇所にチップが実装されている場合には、これら複数のチップを一括して覆うような大きさのものが好ましい。
【0024】
その後、圧着ロール等を用いて該シート材をフリップチップに仮接着する。具体的には、該圧着ロールによってシート材をフリップチップに圧着することにより、フリップチップの背面及び側面を被覆し、同時にバンプ接合部の側方を閉塞する。斯かる工程は、通常、室温(23℃)で行うことが可能であるが、シート材の粘着性やその他の条件に応じて15〜150℃の温度範囲で行ってもよい。但し、15℃以下ではシート材自体がタック性を失う虞があり、また150℃以上では樹脂の硬化が進む虞があり、いずれも仮接着の作業に支障を来すことになるため好ましくない。
【0025】
そして、シート材の仮接着された半導体装置を加熱処理してシート材を構成する樹脂を硬化させ、該シート材をチップ背面及び側面、並びに基板に充分な接着を行わせる。こうして、フリップチップの背面および側面、並びにバンプ接合部は、該シート材によって完全に封止されることとなる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例と比較例とを挙げ、本発明についてさらに具体的に説明する。
【0027】
製造例1
攪拌装置、滴下漏斗、還流冷却器、温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコに、トリレンジイソシアネート(異性体混合物:三井武田ケミカル製、タケネート80)10.5g(60mmol)と、ナフタレンジイソシアネート15.0g(60mmol)と、液状ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体(B.F.Goodrich製、Hycar−CTBN1300X13)86.1gと、トルエン232gとを入れて混合した。これを50℃で1時間攪拌した後、1−ナフチルイソシアネート8.32g(49.2mmol)と、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−2−オキシド0.46g(2.4mmol)とを添加して攪拌しながら100℃に昇温し、さらに2時間保持した。反応の進行は赤外分光法(日本電子製、FT/IR−230)により確認した。具体的には、イソシアネートのN−C−O伸縮振動(2270cm−1)の吸収量の減少と、カルボジイミドのN−C−N伸縮振動(2135cm−1)の吸収量の増加と、結合部分のアミド基のC−O伸縮振動(1695cm−1)の吸収量の増加を観測することによって反応の進行と終点を確認した。その後、反応液を室温まで冷却することによってポリカルボジイミド溶液を得た。
【0028】
(実施例1)
上記ポリカルボジイミド溶液を、剥離剤で処理したポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレータ(厚さ50μm)の上に塗布した。これを、130℃で1分間加熱した後150℃で1分間加熱し、粘着性熱硬化型シート材(厚さ150μm)を得た。該シート材の室温における粘着性は、ボールタック7であった。
次に、該シート材を8mm×8mmに裁断し、基板上に実装されたフリップチップ(チップサイズ5mm×5mm×70μm、ボールボンドの高さ80μm、アンダーフィル付き)の上に載置し、室温でロールによる仮接着を行った。
その後、175℃で5時間の加熱を行って樹脂を硬化させ、チップの封止を完了した。
【0029】
(実施例2)
上記ポリカルボジイミド溶液を、剥離剤で処理したポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレータ(厚さ50μm)の上に塗布した。これを、130℃で1分間加熱した後150℃で2分間加熱し、粘着性熱硬化型シート材(厚さ200μm)を得た。該シート材の室温における粘着性は、ボールタック4であった。
次に、該シート材を8mm×8mmに裁断し、基板上に実装された2層フリップチップ(チップサイズ5mm×5mm×70μm、ボールボンドの高さ80μm、アンダーフィル付き)の上に載置し、室温でロールによる仮接着を行った。
その後、175℃で5時間の加熱を行って樹脂を硬化させ、チップの封止を完了した。
【0030】
(実施例3)
前記ポリカルボジイミド溶液を用い、厚さ250μmとする以外は実施例1と同様にして粘着性熱硬化型シート材を得た。室温における粘着性は、同じくボールタック7であった、
該シート材を9mm×9mmに裁断し、基板上に実装された2層フリップチップ(チップサイズ5mm×5mm×50μm、ボールボンドの高さ70μm、アンダーフィル付き)の上に載置し、室温でロールによる仮接着を行った。
その後、175℃で5時間の加熱を行って樹脂を硬化させ、チップの封止を完了した。
【0031】
(比較例1)
実施例1において用いたポリカルボジイミド溶液が、液状ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体を含まない溶液である以外は、実施例1と同様にして熱硬化性シートを得た。室温における粘着性はなく、ボールタックは2に満たない値であった。該熱硬化型シート材を用い、実施例1と同様にしてチップを封止した。
【0032】
(評価1)
実施例1〜3の半導体装置を各5個ずつ切断し、チップ背面および側面の封止状態を顕微鏡により観察した。その結果、実施例1〜3の何れにおいてもボイドの発生は認められなかった。
これに対し、比較例1では、各チップの側面部に空隙が認められ、完全に封止されていないことがわかった。
【0033】
(評価2)
実施例1〜3の半導体装置を用いてTCT(温度サイクル試験、−25℃×30分/150℃×30分、500サイクル)を行った後、赤色探傷液に浸漬して樹脂(硬化後のシート材)と基板との剥離を観察した。その結果、実施例1〜3の何れにおいても剥離は認められなかった。
これに対し、比較例1の場合には、空隙の認められたチップ側面部に、微少なクラックが発生していることがわかった。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る半導体装置およびその製造方法によれば、フリップチップをフェースダウン方式で実装した半導体装置の薄片化を図りつつ、その半導体素子を簡易且つ確実に封止することが可能となる。
Claims (4)
- 半導体素子がバンプ接合部を介して基板上に実装されてなる半導体装置において、
該半導体素子の背面および側面が粘着性を有する熱硬化型のシート材で被覆され、該半導体素子が封止されてなることを特徴とする半導体装置。 - バンプ接合部を介して基板上に実装された半導体素子を封止する半導体装置の製造方法において、
該半導体素子の背面および側面を粘着性を有する熱硬化型のシート材で被覆し、該半導体素子を封止することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記シート材の使用時の粘着性がボールタック2〜15であることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
- 前記半導体素子の背面よりも大きな面積の前記シート材を該半導体素子の背面に被せ、該シート材を圧着することにより該シート材で該半導体素子の背面および側面を被覆した後、加熱することによって該シート材を硬化させて該半導体素子を封止することを特徴とする請求項2又は3記載の半導体装置の製造方法。
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