JP2004226227A - 位置検出システム - Google Patents

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重郎 金田
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Abstract

【課題】移動体位置を特定する手法として、個体識別コードを表現するパタンでマーカーを点滅させ、TV画面から認識する方法がある。しかし、個体識別コードビット数が16ビット程度の現実的個数の場合、識別に時間がかかりすぎる。
【解決手段】本発明では、個体識別コードは、高速のデータ転送が可能な、赤外線・電磁波等で送信する。そして、個体識別コード送信と同時に、マーカー輝度/色相を変化させる。輝度/色相変化のパタンは、個体識別コードは表現できない一定の単純なものとする。これにより、個体識別コード受信と同時に変化するので、個体の位置を個体識別コードを知りつつ判定できる。また、個体識別コードが推定されている場合、外部から個体識別コードを送信して「ACK」信号のみをマーカー輝度/色相変化として応答する。赤外線等の送信回数が必要最小限度に押さえられ、被爆量・消費電力の削減効果がある。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は幼稚園・保育所等で、幼児等の肩、胸などにつけたマーカ−の位置を、TVカメラ等の画像から読み取り、部屋等の中での幼児の位置を、当該幼児が誰であるかを認識して特定し、さらには集団の中での当該幼児の位置情報から行動記録を作成可能とするための、位置検出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、幼稚園・保育所における幼児の位置を検出して、ITサービスに結びつけようとする試み始まっている。たとえば、NTT西日本・福岡支店では、PHSの発信機を子供にとりつけ、PHS地上局を園内に配置することによって、子供の位置を検出し、これにより、その位置にいる子供の画像をカメラで送信するサービスの実験を行なった(福岡地区一部新聞既報)。
【0003】
しかし、このような従来型のサービスには大きな欠点がある。電波の利用である。微弱電波の幼児に与える影響は、その結果がすぐには現れない(幼児の成人後の20年後〜30年後が問題である)こともあり、保護者の間に不安を呼んでいる。近年、行政サイドにおいても、工場等で利用する強力な電磁波については、規制を加える方向で検討が行なわれている。また、携帯電話会社が共同して、電波の影響を調べるとの新聞報道等がなされている。
【0004】
もとより、微弱なPHS等の電波が、現実問題として、幼児には影響を与えるとは考えにくい部分もある。しかし、その科学的検証は困難を極める。電波が微弱になればなるほど、生理学的疫学的影響を測定することは困難であり、本質的に「安全である」と証明することは、科学方法論としても不可能である。一方において、保護者の不安は存在する。たとえ、不安を持つ保護者が園の中には少数であるとしても、現実に不安を持つ保護者がいるなかで、このような電波を多用するシステムの導入は、保護者の心情を尊重し、幼児の人権を尊重するという観点から避けるべきである。また、そのようなサービスをある園が入れていることは、他の競合する園からすれば、絶好の攻撃目標になり、導入した園の経営を危機におとしいれる危険性を持つ。
【0005】
一方、電波などのアクティブな情報を用いずに、パッシブな情報のみから、人間の位置を検出する試みは存在する。ひとつの方法は、画像処理の容易なマーカー(あらかじめ定められた他とは区別しやすい色を持つ)を人間につけ、画像処理によって、位置を認識する方法である。マーカーが周囲の色と大きく異なる蛍光色等であれば、この方法は比較的確度も高い。しかし、この方法には、幼児への適用を考えると、いくつかの点で問題がある。まず第一に、マーカーを常にカメラが捕らえる事が出来ない。たとえば、肩にマーカーをつけたとする。この場合、天井にマーカー認識用のカメラをつければ、常に認識できるかというとそうでもない。頭や腕に隠れて、マーカーが画面から消えてしまえば認識できない。子供の追跡もできない。
【0006】
もうひとつの大きな問題は、単純なマーカーでは、TVカメラ画像からマーカーを認識しても、それが誰だかわからないことである。この問題は、例えば、マーカーをバーコードのようなものとして構成したり、複数の色を組み合わせてマーカーとすることで回避できると考えられる。しかし、現実のTVカメラの解像度は限定されたものであり、これで、認識するためには、相当にアップ画像としてやる必要がある。言い換えると、一つの部屋の中に何台もカメラを設置する必要が生じる。これは、コスト的に厳しいものとなる。また、実用的にみれば、幼児は毎年入れ替わるが、入れ替わる毎に、すべての幼児の識別コードをふりなおすことは面倒である。そうなると、数万程度の識別コードを表現できるマーカーが必要となる。マーカーに細かい構造をもたせる必要が生じ、諸外国の軍人が胸につけている階級章のようなものになり、ますます、TVカメラを接近させねばならない。このようなアプローチは現実的とはいい難い。
【0007】
そのような状況から、完全にパッシブな位置検出は諦めて、赤外線など、人体への影響が無視できると思われる物理媒体を用いて、位置を特性しようとする試みが行なわれている。例えば、赤外線等により、デジタル信号の個体識別コードを送ることは、よく用いられる。無線、赤外線等によって、あらかじめ各個体ごとに与えられていたデジタルコードを送信することによって、個体識別は容易に実現できる。例えば、赤外線では、37.9KHz程度のキャリヤ信号を変調して、デジタル信号を載せることがしばしば行なわれている。このようなアプローチであれば、20ビット程度の識別コードを短時間に送受信できる。しかし、無線、赤外線を利用する方法では、部屋のどこにいるかが分からないので、本明細書の目的には十分とは言えない。
【0008】
また、画像処理のみの方法として、マーカーの輝度を変化させたり、マーカーから発光ダイオード等により追加的な光を出して、TVカメラ画像として取得し、これを画像処理して、個体識別を行なう方法がある。例えば、特開平6−105307「TVカメラを利用した位置特定装置」(出願平成4年9月16日))は、発光ダイオードを点滅させ、そのID番号をTVカメラにより読み取る方法を述べている。これによれば、対象物の位置と、個体識別コードを同時に取得できる。
【0009】
しかし、上記従来方法には幾つかの問題がある。まず第一に、画像からの個体識別コードの認識は決して容易ではない。画像は、いろいろのノイズを含む。したがって、発光ダイオードが点滅したのか、あるいは、別の要因で、たまたま光が点滅したのかが分からない。このような問題を解決するひとつの方法は、特許第3267773号「移動体位置認識システム」(出願平成5年11月29日)において開示されている。この発明では、TVカメラとは別の通信手段が準備される。そして、個体識別コードに相当する情報が、画面上の点滅としても、別の通信手段(例えば、赤外線)によっても発信される。これによって、別の通信手段から得られた情報によって、画像処理上の輝度あるいは色相の変化のタイミングが分かるので認識能力は向上する。
【0010】
しかしながら、この特許第3267773号にも幾つかの課題がある。ひとつは、個体識別コードのビット長が現実には長いことに起因する問題である。例えば、20ビットとすると(これにより、約100万の個体が識別可能である。一度付与した個体番号を再度付与するのは面倒であるから、実用上はこの程度のビット数は必要となる)、30秒に1回しか撮影をしない通常のTVカメラでは、個体識別コードを受信するのに、1秒〜2秒を越える時間が必要となる。幼児は部屋に50人いるかもしれない。しかも、個々のマーカーは、頭や腕にかくれて認識が途切れる。この長い識別時間は、幼児(個体)の動きが激しいことを考慮すると問題である。個体識別している間に、再び、マーカーを見失う。
【0011】
別の問題点もある。上記のように、マーカー自体がTV画面からしばしば消えてしまうので、個体識別コードの出力を、かなり短い時間間隔で繰り返して行なう必要があることである。送信する時間間隔が長いと、マーカーが一旦見失われ再度出現しても、個体識別ができない。一度、マーカーが消えても、再度出現した段階で、本来は、個体識別をやり直す必要がある。このために、送信の時間間隔は、十分に短くされるべきであるが、このような頻繁な送信は、電池を急速に消耗する。幼児につけたワッペンに装着できる電池は大きなものではない。また、簡単に取り外し出来るようでは、電池の誤飲事故の多発を招く。小形のボタン電池は、胃の中で解けて、水銀等の有毒な元素を放出する危険がある。幼児が保育士のいる前で、電池を飲んでくれる保証などどこにも無いのである。誰も居ないところで誤飲されては「万事休す」である。幼児を相手にするならば、電池の取り替えは至難となる構造が必須である。つまり、電池はめったに取り替えないようなマーカー手段を提供する必要がある.このような環境下で、マーカーから1から2秒にわたって、大きな面積(TVカメラから観測可能な)部分の輝度を変化させることを頻繁に繰り返すことは、消費電力、即ち、電池寿命の観点からも問題がある。実際、前述の特許3267773号では、ランダムに常時、信号を送信する明細が開示されている。このような方式は、電池の消耗を防ぐ観点からは望ましくない。
【0012】
以上述べたように、幼児の位置を検出するには、特定の色等で識別を容易にしたマーカーをTVカメラで撮影し、これにより位置検出するだけでは不十分である。但し、これのみでは個人特定できない。個人特定には、何らかの個体識別信号の発信手段を、マーカーに付属させる必要がある。但し、カメラの周波数分解能は限られている。本来、すばやく個体識別する必要がある。また、マーカーはしばしば画像処理範囲から消える。したがって、個体識別は頻繁に行なう必要が生じるが、そのために四六時中、個体識別信号を発信するような装置は、電池の消耗が激しく、実用的ではない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上から、TVカメラの情報からでも画像処理によって位置及び個体識別が可能で、かつ、個体識別動作時間を必要最小限に押さえて電池を消費させない、幼児のための位置検出手段が望まれる。
【0014】
上記目的を達成するに、本発明の思想では、基本的に2つの物理的構成を併用する。即ち、第一に、TVカメラ画像はデジタル信号の伝達には遅すぎるので、別途、赤外線等による通信手段を併用する。基本的に個体識別コードはこの赤外線、無線等の別手段によりやり取りする。しかし、この別手段のみでは、位置がわからない。そこで、TVカメラ画像でも識別できる範囲で、別手段により個体識別コードを送ると同時に、マーカーの輝度を変化させる。これにより、特定の幼児がどこにいるかを判別する。この際、本発明の特徴として、マーカーは、個体識別に必要な20ビットものデータを送信することはしない。たとえば、「ACK」信号を返すだけの簡単なものとする。これによって、個体識別コードを送信するような1から2秒に及ぶ長時間動作は不要である。これは、消費電力の点からも、あるいは、識別信号送信中の幼児の激しい動きに対応するためにも望ましい。また、本発明の第2の実施態様としては、外部側でマーカーは認識されていても、その個体識別コードが分からないときには、「おまえは誰か?」との質問を行い(具体的には、個体識別コード送信を要求する)、一方、個体識別コードが推定されている時には、「おまえは○○○か?」との質問をする(具体的には、個体識別コードを付帯させて応答要求信号を送る)ことにより、個体を特定する。これによって、余分な赤外線等の発信を防止し、電力消費を押さえ込む。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の位置検出システム(請求項1)は、画像認識用マーカー手段と、前記マーカー手段に対応した個体識別コードを出力する個体識別コード出力手段と、前記個体識別コードを出力したマーカーを個体識別不可能な情報量範囲での輝度あるいは色相の変化により画像処理によって特定するマーカー認識手段と、前記個体識別コード出力手段からの個体識別コードを受信して前記マーカー認識手段の認識結果と対応づける個体位置弁別手段とから構成されることを特徴とする。
【0016】
前記の画像認識用マーカー手段、及び前記の個体識別コード出力手段は、例えば、幼児等の移動個体につけられるものである。ここで、画像認識マーカー手段は、TVカメラから撮影し、マーカー検出に利用できるものであって、かつ、何らかの手段により、輝度を変化させることのできるものであればよい。例えば、液晶シャッターをもつ一定の面積をもつカラー板、あるいは、点滅可能なバックライトをもつ半透明のカラー板などが考えられる。また、カラー板とそれに付属して設けられたランプ、発光ダイオードで構成してもよい。
【0017】
これに対して、前記の個体識別コード出力手段は、例えば、赤外線で個体識別コードを外部に出力する赤外線送信機でよい。この種のものは、家庭用のリモコン等に多用されている。これも、前記の画像認識用マーカー手段とともに、幼児等の移動体と一体となっている。あるいは、前記の画像認識用マーカー手段の輝度を変化させるための発光体(発光ダイオード、バックライト)をそのまま兼用してもよい。個体識別コード出力手段としての利用では、輝度あるいは色相の変化が極めて高速であるため、TVカメラから認識できる時間タイミングではなく、より高速度の輝度、色相の変化として利用される。
【0018】
本発明の主旨にしたがって、前記の画像認識用マーカー手段と前記の個体識別コード出力手段は連動して動作する。例えば、赤外線で個体識別コードを20ビット程度送信すると同時に、前記の画像認識用マーカー手段は、一瞬だけ、その輝度を変化させる。この変化は、個体識別コードを送るほど長時間の、あるいは、多数の情報を転送するものではない。例えば、15分の1秒間、輝度を大きく減衰させるような動作をする。確実にするためには、15分の1秒の間隔で、点滅を(ON,OFF,ON,OFFと)2回繰り返してもよい。
【0019】
本発明を構成する残りの要素、即ち、前記のマーカー認識手段、及び、前記の個体位置弁別手段は、壁、天井、部屋内等に取り付けられ、前記の画像認識マーカー手段と前記の個体識別コード出力手段の情報を読み取る。まず、マーカー認識手段は、TV画像の中からマーカー領域をさがす。具体的には、R,B,Gの成分がある一定の範囲にあり、かつ、画像のサイズが一定の範囲にあることなどが画像認識に適用される。これは当業者には周知の技術である。さらに、前記の個体位置弁別手段は、個体識別コードを受信するタイミングで、マーカー認識手段の出力に注目する。もし、画像内にマーカーが写っていれば、個体識別コードを出力したとほぼ同時に、一瞬、マーカーが行方不明となり、すぐに再度、同じ位置に出現するはずである。たとえ、マーカーが多数あろうと(即ち、幼児が複数いようが)、この受信タイミングとマーカーの点滅の関係を利用して、認識されたマーカーの特定が可能である。これが、個体位置弁別手段の役割であり、最終的に、幼児の位置が個体が識別されながら検出できる。
【0020】
ここで、個体識別コードの出力を何時行なうかが問題となる。一般に、マーカー認識手段による位置検出は、マーカー手段がTVカメラの視野から隠れる(例えば、頭の影になる。腕が邪魔など)ために、連続的には追跡できない。したがって、このままでは、ある程度の短時間の周期をもって、個体識別コード出力手段は、付勢されなければならない。本発明の主旨により、個体識別コード出力手段が動作するごとに、マーカー手段は輝度を変化させて、どのマーカー手段が送信したかを告知する。注意しなければならないのは、幼児、即ち、マーカー手段は多数あることである。したがって、同時に複数の個体識別コード出力手段が並行して動作することも想定される。複数の個体識別コード出力手段が並行動作すると、個体位置弁別手段は、正しく、個体識別コードを認識できなくなる。したがって、現実には、各個体識別コード出力手段が、ランダムな間隔で信号を出力するなどの対策が要求される。
【0021】
また、本発明の位置検出システム(請求項2)は、画像認識用マーカー手段と、前記マーカー手段に対応した個体識別コードを出力する個体識別コード出力手段と、前記マーカー手段に対応して外部からの起動信号を受信する起動信号受信手段と、前記個体識別コードを出力したマーカーを個体識別不可能な情報量範囲での輝度あるいは色相の変化により画像処理によって特定するマーカー認識手段と、前記マーカー認識手段の個体識別が未了である場合に前記起動信号受信手段に起動信号を送信する起動信号送信手段と、前記個体識別コード出力手段からの個体識別コードを受信して前記マーカー認識手段の認識結果と対応づける個体位置弁別手段とから構成され、前記マーカー認識手段において個体識別すべきマーカーの個体識別コードが予想される場合には、当該個体識別コードを含む確認信号を前記起動信号送信手段から送信することを特徴とする。
【0022】
前記の画像認識用マーカー手段、前記の個体識別コード出力手段、及び、起動信号受信手段は、幼児等の移動個体につけられる。ここで、画像認識マーカー手段は、TVカメラから撮影し、マーカー検出に利用できるようなものであって、かつ、何らかの手段により、輝度を変化させることのできるように構成される。例えば、液晶シャッターをもつ一定の面積をもつカラー板、あるいは、点滅可能なバックライトをもつ半透明のカラー板などが考えられる。また、カラー板とそれに付属して設けられたランプでもよい。
【0023】
これに対して、前記の個体識別コード出力手段は、例えば、赤外線で個体識別コードを外部に出力する赤外線送信機でよい。この種のものは、家庭用のリモコン等に多用されている。さらに、前記の起動信号受信手段は、外部からの起動信号を受信するものであり、例えば、赤外線の受光素子等で構成される。これら、前記の画像認識用マーカー手段、前記の個体式悦信号出力手段、及び前記の起動信号受信手段は、幼児等の移動体と一体に構成される。
【0024】
本発明の主旨にしたがって、前記の画像認識用マーカー手段、前記の個体識別コード出力手段、及び前記の起動信号受信手段は一体として動作する。例えば、赤外線で個体識別コードを20ビット程度送信する機能を有する。同時に、前記の画像認識用マーカー手段は、一瞬だけ、その輝度を変化させる。この変化は、個体識別コードを送るほど長時間の、あるいは、多数の情報を転送するものではない。例えば、15分の1秒間、輝度を大きく減衰させるような動作をする。確実にするためには、15分の1秒の間隔で、点滅を2回繰り返してもよい。
【0025】
本発明(請求項2)の特徴的な動作は、前記の起動信号受信手段により達成される。上記の個体識別コード出力手段の動作は、この起動信号受信手段が起動信号を受信したときに実行される。もちろん、このような動作モードとは別に、起動信号を受信しなくても、定期的に送信するように構成することも考えられる。しかし、本明細書ではこのような発明のバリエーションについては深入りせず、本発明(請求項2)の主旨について説明する。
【0026】
TVカメラ画像からマーカー位置を特定するのは、前記のマーカー認識手段の役割である。ただし、マーカー認識は、誤りなく実行できるわけではない。例えば、マーカーが頭や腕の陰になったり、あるいは、照明条件の関係で、TVカメラ画像からの認識が困難な場合がある。つまり、マーカーは現れたり、消えたりする。しかも、マーカー画像のみからでは、当該マーカ−をつけている幼児は特定できない。このため、マーカー認識手段により個体識別できていないマーカーが現れると、このマーカー(幼児)特定が必要となる。本発明の主旨により、このような未知のマーカーが出現した場合、前記の起動信号送信手段によって、当該未知のマーカーに対して、個体識別コード出力手段の起動を指示する。これによって、当該指示を受けた幼児から、個体識別コード出力が実行される。これにより、個体位置弁別手段が、マーカ−の個人を識別する。
【0027】
さらに、次のケースを考える。画像内にマーカーが現れたといっても、通常は、すでに検出されていたマーカーが再び現れるケースが大半であろう。また、マーカー認識手段は、画像処理を用いているので、新しく現れたマーカーと、その直前に消えたマーカーの位置関係が近いかどうかを確認できる。これが近いなら、当然、最初に予想されることは、この既知の幼児の再出現である。つまり、頭、腕によって隠れていたマーカーが再度、認識されたケースである。この場合、前にマーカーが確認された位置とほとんど違わないから、先ず最初に、起動信号送信手段は、それと推定される個体識別コードをそえて、起動をかける。これが本発明の主旨(請求項2)の最大の特徴である。この場合、起動信号を受信しても、それに相当する幼児に付けた個体識別コード出力手段は応答する必要はない。ただ、画面上の輝度を変化させるなどの手法により、「ACK」信号(受諾信号)を返せばよい。ビット数も少なくてよい。これによって、アクティブな手段である個体識別コード送信手段を動作させなくてもよい。確かに、確認を求めた幼児のマーカーであることが画像処理のみから確認できる。当該幼児が画面から消える(部屋から出て行く)まで、本発明の位置検出システムは、(マーカーが再出現するたびに)繰り返し確認命令を送ることになる。しかし、幼児の側は、一切、赤外線を送出する必要はない。
【0028】
尚、まったく新しい個体識別コードをもつマーカー手段が現れた場合には、上記のケースでは「ACK」信号が返らない。この場合には、再度、個体識別コードの出力を指示する。これにより、赤外線等により個体識別コードが送信され、幼児等の個体が識別される。むろん、この場合、複数の幼児からの信号が同時に返る危険性があり、ランダムに応答時間を制御するなどの対策は必要と思われる。
【0029】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して以下、説明する。図1は、本発明(請求項1)の実施例である。本発明の位置検出システム1は、画像認識用マーカー手段10と、マーカー手段10に対応した個体識別コードを出力する個体識別コード出力手段11と、前記個体識別コードを出力したマーカーを個体識別不可能な情報量範囲での輝度あるいは色相の変化により画像処理によって特定するマーカー認識手段13と、個体識別コード出力手段11からの個体識別コードを受信してマーカー認識手段13の認識結果と対応づける個体位置弁別手段14とから構成される。
【0030】
マーカー手段10のより具体的な構成例を図2に示す。この図2の例では、マーカー手段は、背面に液晶シャッタと反射板をつけた半透明のカラー板である。もし、図2の駆動回路から何らの電力が加えられていなければ、液晶は光を透過するとする。しかし、図2の駆動回路により電圧が液晶に印加されると、カラー板の反射率が変化する。マーカー手段10の大きな特徴は、このような輝度が変化するマーカーである。ただし、図2の構成は、本発明の構成を拘束するものではなく、バックライトを付加して輝度を変化させたり、あるいは、別に発光ダイオード等をとりつけて、輝度を変化させてもよい。本発明の主旨により、この輝度の変化の速度は、TVカメラの時間解像度である33ミリ秒に追随できるものであればよい。
【0031】
図3は、上記のマーカー手段の幼児への装着状況を示す。ここでは、肩につけているが、例えば、胸の前につけてもよい。ただし、肩につけると、TVカメラは天井に装着される。それでも、時々は頭、腕等によりマーカー手段は、TVカメラでは撮影できなくなることがある。また、胸の前につければ、TVカメラは壁面、あるいは部屋の隅の天井等に取る付けることとなる。この場合には、幼児がTVカメラを向いている時のみ、マーカー手段を認識可能となる。
【0032】
図4は、個体識別コード出力手段11の実施例である。ここでは、赤外線を通信手段としているが、このほか、超音波等の他のエネルギー手段を用いてもよい。ただし、本発明の目的から、無線を利用することは避けられるべきであるが、無線を利用したことが本発明における自然法則の利用において、発明思想を否定するものではない。無線を利用したとしても、本発明の範疇に含まれる。
【0033】
図4では、37.9KHzのクロックにより発光ダイオードが点滅しているとする。ここで、37.9KHzの点滅は、市販のリモコン等がよく利用しているキャリア周波数であるからであり、他意はない。図4の個体情報信号出力手段11は、このクロック発信機が発生した無変調のキャリア信号を、個体識別コードで変調する。尚、実際の回路では、情報のほかに、プリアンブル、ポストアンブルを付加し、かつ、誤り制御のために情報は2回送信したりするが、これら細かい制御までは、本発明の主旨とは直接には関係がないので省略する。いずれにせよ、個体識別コード(例えば、16ビット程度の個体ID番号であり、各幼児にあらかじめ付与されている)を変調して、赤外線にのせ、図4の発光ダイオードから発信する。
【0034】
図5は、マーカー認識手段13の構成例である。マーカーは、例えば、色で周囲の画像と識別されるものであり、TV画像のフレーム間で、ほとんど同じ位置にあることから、ある特定のマーカーが各フレームごとに次々と連続して位置変化する様子を追跡する。このマーカー認識手段は、市販品としてもその機能は提供されており、ここでは詳しくは述べないが、基本的には、TVカメラ画像をデジタル化し、色によってマーカー領域を抽出(切り出し)した後、フレーム間でマーカーの連続性を調べ、各マーカーごとにそのTV画像上の位置を数値データとして連続的に出力する。
【0035】
図6は、個体位置弁別手段14の構成である。本発明の主旨から、個体識別コード出力手段11が(例えば)赤外線で個体識別コードを送信した後、マーカー手段は、一定の点滅を行なう。この点滅は、個体識別コードを送信できるほど、長いビット数のものではなく、例えば、15分の1秒の周期で、ON,OFF,ON,OFFとするような簡単なものである。15分の1秒と周期が長いのは、TVカメラ画像からでは、この程度の遅い変化しか抽出できないからである。
【0036】
個体位置弁別手段14は、上記の個体識別コード出力手段11からの赤外線を受信し、個体識別番号を取り出す復調回路(図6参照)を有している。個体識別コードを受信した場合、ただちに、そのタイミングで、マーカー認識手段13から、上記の細かい点滅を行なったマーカーが存在するか否かを確認する。これにより、マーカーが多数あっても、どのマーカーから個体識別コードが出力されたのかを特定できる。結果として、それ以降、マーカー認識手段が連続的にマーカーを抽出している限り、TVカメラ画像上を移動するマーカーがどの幼児のものであるかは特定される。
【0037】
しかし、マーカー手段は、しばしば見失われる。この場合、マーカー認識手段13は、追跡を諦め、当該マーカーが再び出現すると、これは新規のマーカー手段として認識する。したがって、本発明の実施例(請求項1)では、幼児側に装着されたマーカー手段10と個体識別コード出力手段11は、ある一定の周期で、個体識別コードを出力している必要がある。
【0038】
ただし、幼児が複数いることを考えれば、この個体識別コードの出力間隔はランダムとして、何度も2つの個体識別コードの送信が重複しないように配慮する必要がある。また、赤外線等を用いた、個体識別コード出力手段11は、赤外線がぶつかったときに、これを検出する枠組みが必要である。したがって、2回送信して、エラーチェックをするだけではなくて、チェックビットの付加や、M OUT OF N符号によって、信号が重複した際には、ただちに誤りとして検出できるように構成されるべきである。
【0039】
図7は、本発明の位置検出システム(請求項2)の実施例である。本発明の位置検出システム2は、画像認識用マーカー手段10と、マーカー手段10に対応した個体識別コードを出力する個体識別コード出力手段11と、マーカー手段10に対応して外部からの起動信号を受信する起動信号受信手段12と、前記個体識別コードを出力したマーカーを個体識別不可能な情報量範囲での輝度あるいは色相の変化により画像処理によって特定するマーカー認識手段13と、マーカー認識手段13の個体識別が未了である場合に起動信号受信手段12に起動信号を送信する起動信号送信手段15と、前記個体識別コード出力手段からの個体識別コードを受信してマーカー認識手段13の認識結果と対応づける個体位置弁別手段14とから構成され、マーカー認識手段13において個体識別すべきマーカーの個体識別コードが予想される場合には、当該個体識別コードを含む確認信号を起動信号送信手段15から送信する。
【0040】
図7のマーカー手段10の構成は図1、図2の場合と同様である。マーカー手段は、15分の1秒程度のゆっくりした周期で、その輝度を変化することができるマーカーである。個体識別コード出力手段11も、図1の場合と同様である。個体の識別情報を送信する。ただし、図1と図7で異なるのは、個体識別コード出力手段11の動作と、マーカー手段の点滅が常にペアではないことである。詳細は後述する。
【0041】
図7の起動信号受信手段12は、図1では設けられていなかった構成要素である。図8は、その実施例を示す。赤外線受光素子から(この場合には)赤外線を受信する。そして、復調回路によって、送られれて来た、個体識別コードを取り出す。この個体識別コードは、あらかじめ各幼児の個体ごとに付与されている個体識別コードと比較される。これによって、起動信号受信手段12は、自分に対して指示がきているのか、あるいは、他の幼児に対する起動指示であるかを識別できる。後述するように、もし、個体識別コードが一致していれば、マーカー手段を用いて「そうですよ」という応答を返すことを目的としている。仮に、個体識別コードが不一致であれば、すくなくとも、自分は、何ら応答を返す必要はない。即ち、ここでの応答とは、マーカー手段の比較的長い周期(15分の1秒程度)で、ON,OFF,ON,OFFを実行して、「そうですよ」とACK信号を返すことである。これによって、外部から送られた個体識別番号に一致する幼児がどこにいるかが、TV画面上で確認できる。尚、この起動信号受信手段12は、実際には、「おまえは誰だ?」との意味を持つ信号も受信可能であり、その場合には、個体識別コードを応答するとともに、マーカー手段10からACK信号を返すことになる。
【0042】
図7のマーカー認識手段13は、図1のマーカー認識手段13と同様に構成できる。マーカーの位置を、TVカメラ画像から抽出する。図7の起動信号発信手段15は、図1には無かった構成要素である。起動信号発信手段15は、具体的には、図9のような構成を持つ。ここでは、37.9KHzのキャリア信号が発生された後、これが個体識別番号によって(必要であれば)変調され、最終的に発光ダイオードにより、外部に出力される。
【0043】
本発明の主旨によって、この起動信号発信手段15は、2つの動作モードをもつ。ひとつは、個体識別番号を付加して、「おまえはこの番号か?」と質問する既存個体の存在確認である。これに対して、もうひとつの動作モードは、個体識別番号を付加せず、個体識別コード出力手段11の起動を強制する個体識別コード要求である。どのような動作になるかは、図7の個体位置弁別手段14の動作概要として図10にて説明する。
【0044】
図10は、位置弁別手段14の動作原理を説明するための図である。図10では、簡単化のために、通常は2次元上の位置であるものを、上下方向の1次元のイメージで示している。左から右へと時間の経過が示されている。幼児がやっていると、画面上のある位置にマーカーが出現する。これは、明らかに新規のマーカーであるから、個体位置弁別手段14は、起動信号発信手段15を用いて、幼児側に、個体識別コードを要求する。起動信号受信手段12によってこのコマンドはマーカー手段側で認知される。その結果、個体識別コード送信手段11から個体識別コードが送信されるとともに、マーカー手段10が簡単なあらかじめ定めれた(例えば、15分の1秒程度の周期で、ON,OFF,ON,OFFとする)動作を行なう。この程度の遅い周期であれば、TV画面から認識できるので、位置弁別手段14は、個体識別コードを受信しながら、それが、たしかに今着目しているマーカー位置から受信されていることを確認できる。これ以降、TVカメラ画像上でマーカーが消えない限り、そのマーカーはだれであるかは分かった状態が続く。
【0045】
しかし、マーカーは必ずしも連続的には認識が続かない。例えば、マーカーが頭や腕に隠れる等により、マーカ−の追跡は途切れる。図10のまん中上部のマーカーの途切れはこれをイメージしている。マーカ−はいったん途切れ、そして、再度、認識される。固体位置弁別手段14は、この場合、その前にマーカーが消えてしまった位置と近いので、最初に、「おまえは××番のマーカーか?」と個体識別コードを付加したコマンドを、起動信号出力手段15から送る。受信側は、この個体識別コードが自分の番号であれば、ACKの意味で、マーカー手段を点滅させる。例えば、15分の1秒周期でのON,OFF,ON,OFFを実施する。この動作は、TVカメラから認識され、確かに、消えたマーカーが再び、出現したことを確認できる。この方法は、位置検出を行なうTVカメラ画像では、一切、個体識別コードを認識していないことである。単に、信号をどれが出しているか?あるいは、ACK信号を出すか否かをみているだけである。したがって、ひとつの個体の処理に必要な時間が、5分の1秒程度と短い。これによって、幼児の数が多くても、その位置を確実に特定してゆくことが可能である。
【0046】
尚、実際には、「おまえの個体識別番号を出力しろ」との指示を外部から行なった際、複数の個体識別コード出力手段11から赤外線等の信号が出力されるケースがある。したがって、複数の信号が重複した際には、M OUT OF N符号を用いて、誤りチェックを行なったり、重複した際に、再度信号を送りなおすなどの動作が必要となるが、その詳細は、本発明の主旨とは、直接には関係がないので、詳細は、本明細書では省略する。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明では、生体への危険性を否定できない電波を利用せずに、幼児の位置を特定できる。
【0048】
また、本発明では、個体識別は赤外線等の高速伝送の可能な物理媒体を利用しているため、画像処理上の特定の幼児の確認が、極めて短時間で実現できるため、多数の幼児を扱うことが可能である。
【0049】
また、本発明では、個体識別にたとえ無線を利用したとしても、ほんとうに個体識別コードが必要な時のみ、電波を送信するので、電波の利用頻度が極めて小さい。これに対して、従来の無線で位置を検出する方法では、リアルタイムに位置情報を把握するには、極めて短い周期で電波を出す必要があり、健康への悪影響が生じる恐れがある。これに対して、本発明では、基本的には、電波を出す必要があるのは、最初にカメラの画面に入った時のみに限定される。
【0050】
また、赤外線等の送信については、要求された時にのみ信号を出力するので、電力消費を最小限度に押さえることが可能であり、携帯型のこの種のサービスにはメリットとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位置検出システム(請求項1)の実施例
【図2】マーカー手段の実施例
【図3】マーカー手段の装着例
【図4】個体識別コード出力手段の実施例
【図5】マーカー認識手段の実施例
【図6】起動信号送信手段の実施例
【図7】本発明の位置検出システム(請求項2)の実施例
【図8】起動信号受信手段の実施例
【図9】起動信号送信手段の実施例
【図10】本発明の動作を説明するための図
【符号の説明】
1、、、位置検出システム(請求項1)
2、、、位置検出システム(請求項2)
10、、、マーカー手段
11、、、個体識別コード出力手段
12、、、起動信号受信手段
13、、、マーカー認識手段
14、、、個体位置弁別手段
15、、、起動信号送信手段
20、、、幼児

Claims (2)

  1. 画像認識用マーカー手段と、前記マーカー手段に対応した個体識別コードを出力する個体識別コード出力手段と、前記個体識別コードを出力したマーカーを個体識別不可能な情報量範囲での輝度あるいは色相の変化により画像処理によって特定するマーカー認識手段と、前記個体識別コード出力手段からの個体識別コードを受信して前記マーカー認識手段の認識結果と対応づける個体位置弁別手段とから構成されることを特徴とする位置検出システム。
  2. 画像認識用マーカー手段と、前記マーカー手段に対応した個体識別コードを出力する個体識別コード出力手段と、前記マーカー手段に対応して外部からの起動信号を受信する起動信号受信手段と、前記個体識別コードを出力したマーカーを個体識別不可能な情報量範囲での輝度あるいは色相の変化により画像処理によって特定するマーカー認識手段と、前記マーカー認識手段の個体識別が未了である場合に前記起動信号受信手段に起動信号を送信する起動信号送信手段と、前記個体識別コード出力手段からの個体識別コードを受信して前記マーカー認識手段の認識結果と対応づける個体位置弁別手段とから構成され、前記マーカー認識手段において個体識別すべきマーカーの個体識別コードが予想される場合には、当該個体識別コードを含む確認信号を前記起動信号送信手段から送信することを特徴とする位置検出システム。
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